(4) 横断面形調査要領では メッシュの中心点と 中心点を通る等高線が内接円に交わる 2 点を結んだ 2 直線の山麓側の角度 ( メッシュの中心点を通る等高線がない場合は 中心点に最も近接している等高線から類推する角度 ) を計測し 10 度括約で求める とされている 横断面形の概念図を図 4.4 に示す 凹地形 (~150 ) 等斉斜面 (151 ~210 ) 凸地形 (211 ~) 図 4.4 横断面形の概念図 本手引書 ( 案 ) では DEM データからメッシュの水平曲率を求め 凹地形 等斉斜面 凸地形に分類する 10mDEM を使用する場合の横断面形と水平曲率との関係は 以下のと おりである ア ) 水平曲率 -0.05 イ )-0.05< 水平曲率 0.05 ウ )0.05 水平曲率 凹地 等斉斜面 凸地形 参考 曲率について曲率とは 地形の凹凸の指標として用いられるもので 曲線の任意の点における曲がり具合に相当する円の半径の逆数で表される 平均曲率は 曲面上のある点を通る全ての測地線 ( 曲面上で2 点間を結ぶ最短距離の曲線 ) の曲率の最大値と最小値の平均として定義される量である 算出式 図 4.5 平均曲率の算出イメージ図 -15-
(5) 土層深調査要領では 土壌図等の既往の資料及び現地調査により 地形 傾斜等を勘案して 0.5 m 単位で調査する とされている 本手引書 ( 案 ) では これらの調査が困難な場合には 表 4.5 に示された値を参考とすることもできる 地質分類 1 類 2 類 (6) 齢級 表 4.5 地質分類別 横断面形別土層深の推定表 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 凹型 2.0 2.0 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 平坦 2.0 2.0 2.0 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 凸型 2.0 2.0 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 凹型 0.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 0.5 0.5 0.5 3 類平坦 0.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 0.5 0.5 凸型 0.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 0.5 0.5 0.5 凹型 1.0 1.0 1.5 2.0 1.5 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 4 類平坦 1.0 1.5 1.5 2.0 1.5 1.5 1.5 1.5 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 凸型 1.0 1.0 1.5 2.0 1.0 1.0 1.5 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 凹型 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 5 類平坦 1.0 1.0 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 凸型 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 凹型 0.5 0.5 1.0 1.5 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 6 類平坦 0.5 0.5 1.0 1.5 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 凸型 0.5 0.5 1.0 1.5 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 凹型 1.0 1.5 1.5 2.0 2.0 2.5 2.0 2.0 1.5 1.5 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 7 類平坦 1.5 1.5 2.0 2.0 2.5 2.5 2.5 2.0 2.0 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 傾斜 ( 度 ) 横断面形 凸型 1.0 1.5 1.5 2.0 2.0 2.5 2.0 2.0 1.5 1.5 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 0 6 11 17 22 27 31 35 39 42 45 48 50 52 54 56 58 60 調査要領では 森林簿等の既往の資料により 樹冠占有率の最も高い林分の齢級を調査 する とされている 本手引書 ( 案 ) においても 原則として森林簿を使用することとする 注 ) 竹林の齢級は メッシュ内又はその周辺の他の樹種の齢級とする 無立木の齢級は 1 齢級とする 等高線本数 平成 17 年度山地災害危険地区危険度判定手法調査報告書 ( 財団法人林業土木コンサルタンツ 2006) より抜粋 加筆 (7) 危険度の判定調査項目 (1)~(6) の危険度点数を合計し メッシュごとに山腹崩壊危険度点数を算出する 調査要領に基づき 山腹崩壊危険度点数に応じて表 4.6 に示す区分により各メッシュの山腹崩壊危険度を判定し 山腹崩壊危険度区分図を作成する 表 4.6 山腹崩壊危険度判定表 山腹崩壊危険度 色区分 点数多雨地域非多雨地域 A 135 以上 125 以上 B 125~135 115~125 C 100~125 100~115 D ~100 ~100 危険度高 危険度低 -16-
4.2 森林の土砂崩壊防止機能の評価 4.2.1. 解析手法 森林の土砂崩壊防止機能は 山腹崩壊危険度判定で設定した 100m メッシュを 20m メッ シュに細分し 樹種 立木密度 胸高直径を評価因子として点数を設定し評価する 崩壊の発生規模を低減させうる土砂崩壊防止機能が高い森林とは 信州大学北原曜教授らの研究成果から次のように考えられている 土砂崩壊防止機能が高い森林 1 根系の引き抜き抵抗力が大きい樹種からなる森林 2 立木密度が1,000~1,200 本 /ha 程度の森林 3 胸高直径が大きい樹木からなる森林 山地災害危険地区調査における山腹崩壊危険度の判定では 齢級が評価因子の一つとなっているが 地形 地質的な素因が主たる評価因子であり 上記のような森林の土砂崩壊防止機能に関連する詳細な情報は含まれていない 治山事業において流木災害の発生源対策を検討する場合 森林の土砂崩壊防止機能を適切に評価した上で 森林の整備により災害に強い森林に誘導していくことが重要と考えられる このことから 本手引書 ( 案 ) では 樹木根系の引き抜き抵抗力に関する既往の研究成果に着目し 土砂崩壊防止機能に関連性が大きいといわれている 樹種 立木密度 胸高直径 を評価因子として 森林の土砂崩壊防止機能を評価する メッシュサイズについては 立木間隔と樹木根系の崩壊防止力に関する研究 ( 図 4.6) より 1 本の樹木根系の崩壊防止機能が及ぶ距離は最大 10m 程度と想定されることから 半径 10mの円が内接する 20m 20mとする 50 40 ミズナラコナラカラマツ ) 2 30 m / N k C( Δ20 コナラ y = 51.12x -0.53 10 0 ミズナラ y = 80.77x -1.44 カラマツ y = 128.7x -2.17 0 2 4 6 8 立木間隔 (m) 図 4.6 立木間隔 (m) と崩壊防止力 ( C(KN/ m2 ) の関係 ( 出典 : 矢下 北原 小野 ミズナラ コナラ天然林における崩壊防止機能の評価 中森研 No.59 論文 2011) -17-
4.2.2. 森林の土砂崩壊防止機能の評価因子の把握方法 森林の土砂崩壊防止機能の評価因子とする 樹種 立木密度 胸高直径 は 現 地調査データをもとに航空レーザ測量成果を活用した解析により把握する 評価因子の数値は 森林の土砂崩壊防止機能の評価単位である 20m メッシュにて集計する (1) 現地調査 現地調査は 航空レーザ測量データを用いた解析結果との相関を求め 広域の森林情報の 推定を目的に実施するもので 森林を形成する立木の樹種 樹高 胸高直径 立木密度等を 定量的に調査する 1 森林調査は 代表箇所に標準地を設けてその立木等を調査する標準地調査とする 調査 方法としては 面的な区画とする面的調査法とし 面積は 100m 2 ~400m 2 を標準とする 2 面的調査法では 一定面積の標準地を設けるコドラート法が広く活用されている 標準地の形は 方形と円形があるが 航空レーザ測量データを用いた解析では 円形とした方が GIS 上での形状の誤差が小さく 現地調査結果とレーザ測量成果との整合がとりやすい利点がある 現地調査では 標準地の中心に GPS を設置し 中心点の座標値を記録する 3 航空レーザ測量データを用いた森林情報の解析から 広域の森林情報の推定を行うためには 解析結果と現地調査結果との相関式を求める必要がある そのため 現地調査における標準地の設定にあたっては 森林簿の齢級等を参考に 主要な樹種ごとに樹高 胸高直径 立木密度が可能な限り偏ることがないように配置することが望ましい -18-
(2) 樹種 樹種は 航空レーザ測量時に同時取得されるオルソ写真の判読 現地踏査による確認等に より把握し 林相区分図を作成する オルソ写真の判読により 樹冠の形状 色調等から樹種の区分を行う オルソ写真による判 読例を図 4.7 に示す 図 4.7 オルソ写真の判読例 航空レーザ測量の成果として レーザ反射強度のデータがある場合は この反射強度と樹冠高 樹冠形状に関する情報から 判読画像 ( レーザ林相図 ) を作成し樹種を識別することが可能である この画像には次のような特徴がある 植生の識別に効果がある近赤外波長 (1,064nm) のレーザパルスの反射強度を用いているため 空中写真よりも植生の差異を識別しやすい 樹冠の凹凸やテクスチャを識別できるので と針葉樹の識別がしやすい 同じ樹種でも樹高が異なれば色調も異なるため 林相の差異をより鮮明に識別することが可能である レーザ林相図による判読例を図 4.8 に示す その他 広 その他 図 4.8 レーザ林相図判読例 -19-
(3) 立木密度 立木密度は 林種やレーザの照射密度に応じて レーザ測量データ解析による単木の抽出 またはレーザ測量成果と現地調査結果との相関のうち 最も適切な手法を用いて推定する 1) 樹冠高データ (DCHM;Digital Canopy Height Model) の作成航空レーザ測量データのファーストパルスの点群データを用いて樹冠表層面の高さ ( 標高値 ) のモデルである樹冠表層高データ (DCSM;Digital Canopy Surface Model) を作成する さらに地盤標高データ (DEM) との差分により 樹冠高データ (DCHM;Digital Canopy Height Model) を作成する DCHMの作成のイメージを図 4.9に示す 樹冠表層高データ (DCSM) 樹冠高データ (DCHM) DCSM-DEM=DCHM 地盤標高データ (DEM) 図 4.9 樹冠高データ (DCHM) の作成のイメージ 2) 立木密度の推定 ( 計測密度 (4 点 /m 2 ) のレーザ測量データがある針葉樹林の場合 ) 計測密度 (4 点 /m 2 ) のレーザ測量データがある場合は 樹冠形状が明瞭な針葉樹 ( マツ類等 ) については 樹冠高データ (DCHM) から凸部となる樹頂点を抽出し 単木の樹高の推定および樹頂点の個数から立木本数を推定することが可能である 針葉樹の樹頂点抽出方法の一例を以下に示す 1 DCHM( 図 4.10(1)) から樹冠形状指数 ( 図 4.10(2)) を計算する 樹冠形状指数とは 樹頂部の凸凹を 尾根谷度をベースに角度で表す指数で 凸部ほど高い値になり凹部ほど低い値をとる 樹冠形状指数は 樹高の大小に関わらず樹頂点は一定の値をとるため 樹頂点の抽出に適している 2 樹冠形状指数を用いて 樹冠部 ( 図 4.10(3)) を抽出する 動的に決められる閾値以上 のまとまりが樹冠部として抽出される -20-