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目次 1 特徴 2 撮影 2.1 感度変更 ( 増感 減感 ) 2.1.1 標準感度 Negative Latitude 2.1.2 増感 2.1.3 減感 2.2 撮影時のモニタリング 3 特性曲線 2.2.1 BVM-L230 でのモニタリング 2.2.2 モニターアウトによるモニタリング 4 フィルム ポストプロダクション インターフェース 4.1 スペースインターフェース 4.2 キャプチャ変換インターフェース 4.2.1 リニア変換 4.2.2 Cineon 変換 4.3 入力 Cineon ローダーインターフェース 4.4 da Vinci 2K インターフェース 5 入出力関数 6 参考 S-GAMUT( 色域変換 ) 2/16 12/16/2008

改訂履歴 版 作成日付 作成 内容 Rev 1.000 Nov/10/2008 川田教彦 配布用初版 Rev 1.100 Nov/13/2008 川田教彦 5.AntiLog 関数式修正 出力黒コード修正 Rev 1.110 Dec/16/2208 川田教彦 Lut の格納場所を削除 3/16 12/16/2008

はソニーのデジタルシネマカメラでデジタル処理に最適な ネガティブ フィルムワークフローを可能とする デジタル ネガティブ を実現します この デジタル ネガティブ により ISO 感度照度計を使用した今までと変わらない撮影形態 そしてネガの持ち味であるラチチュードの広さを実現でき フィルム製作からデジタルシネマ製作へのスムーズな移行を可能にします 1 特徴 は CCD 撮像素子の特性を十分引き出すために最適化されて設計されています 具体的には CCD の粒状性 階調性を分析し フィルム ワークフローで扱いやすいように対数を基本とし また暗部の量子数と 10bit の Cineon で不足しがちであったハイライトの量子数を十分に考慮した非線形関数で設計されています さらに 通常モニターで表示した場合にも違和感が少なくなるよう設計されています また には一般に言われる足や肩特性はなく 肩特性は使用するプリント特性で決まります デジタル上映の場合は後処理でプリントガンマ処理を行います * はポストプロダクションでの後処理を前提としています 2 撮影標準感度は F23 の場合 ISO720(MASTER GAIN +3dB 時 AT Ver1.3 時 ) F35 の場合 ISO450(MASTER GAIN 0dB 時 AT Ver1.3 時 ) のメーター基準でフィルム用チャートを撮影しカメラテストします どちらも EXTEND MODE です 現像所でのタイミング作業は そのまま のワークスペースで行う方法 リニアスペースに変換して行う方法 Cineon データとしてログスペースで行う方法があります ( 詳細は 4のフィルム ポストプロダクション インターフェースをご覧ください ) 標準感度の場合 ラチチュードは 18% グレーに対して 5.3 Stop( 約 800%) 得られますが 粒状性を重視するのであれば カメラの感度変更を行うか 減感撮影 (F23 は MASTER GAIN 0dB にして ISO580 F35 は-3dB にして ISO320 感度で撮影 ) をすればプリント時と同様な 5 Stop( 約 600%) のラチチュードを得ることも可能です ( ただし後処理での柔軟性は少なくなります ) F23 の場合は ISO720(MASTER GAIN +3dB) では 粒状性が悪いため (S/N で-51.5dB)ISO580(MASTER GAIN 0dB) での撮影をおすすめします ただしミドルグレイオーバーのラチチュードは 5.0 Stop になります は そのもので照度計に濃度が等量ではありません はポストプロダクション処理を前提としており そこでの LUT 処理と組み合わせることにより照度計が濃度に対して等量となります そのため 等量であるとして撮影して問題有りません ポスプロでの LUT 処理をせずに そのまま扱うと図 1の特性曲線としての扱いになります 2.1 感度変更 ( 増感 減感 ) 感度変更は カメラの MASTER GAIN と 照度計の感度設定で行う場合の二通りの方法があります MASTER GAIN で変更する場合は 表 2a, 表 b を参照してください 単純に感度を調整したい場合は MASTER GAIN で行った方がビューファインダーやモニターのコントラストが変わらず視認性を維持できます ただし ラチチュードを 5.3 Stop(800%) 以上に広げたい場合は 照度計で増感し後処理で上げることにより実現できますが ビューファインダーやモニターが暗く視認性が悪くなります 4/16 12/16/2008

2.1.1 標準感度 Negative Latitude F23:ISO720 5.3 Stop(800%) MASTER GAIN +3dB F35:ISO450 5.3 Stop(800%) MASTER GAIN 0dB 2.1.2 増感感度を上げたい場合に使用します ただし粒状性は悪くなります ラチチュードを上げたい場合は フィルムと同様照度計で増感します 2.1.3 減感粒状性を良くして合成の抜けを良くしたい場合に使用します ただしラチチュードは狭くなります 増感 表 1 とフィルムの違い 減感 コントラストラチチュード粒状性コントラストラチチュード粒状性 フィルム かたくなる 狭くなる 悪くなる 柔らかくなる 広くなる 良くなる 変わらず 変わらず *1 悪くなる 変わらず 狭くなる 良くなる *1 照度計による増感の場合は広くなる 表 2a F23 感度表 MASTER GAIN -6-3 0 3 * 2 6 9 12 ラチチュード (%) 300 450 650 800 800 800 800 Camera Stop 3.9 4.5 5.0 5.3 5.3 5.3 5.3 *2 標準感度 表 2b F35 感度表 (37M) MASTER GAIN -6-3 0 * 3 3 6 9 12 ラチチュード (%) 400 550 800 800 800 800 800 Camera Stop 4.3 4.8 5.3 5.3 5.3 5.3 5.3 *3 標準感度 2.2 照度計の校正 F35 でミドルグレイから上のラチチュード 5.3Stop はとれますが フィルムほど余裕はありません ラチチュードを有効に利用するために スタッフ全員の照度計の校正をおすすめします 2.2.1 校正方法 i. チャートを撮影します (6 段チャートなど 18% と 90% 反射率のあるもの ) ii. OPERATION メニュー ZEBRA のページを表示 iii. ZEBRA ページで VF1 VF2 を ON iv. ZEBRA ページで ZEBRA LEVEL を 65% に設定 v. ビューファインダーで チャートの反射率 90% の白にゼブラが丁度乗るようにアイリスを調整する vi. 照度計でチャートを測定し レンズの F 値を使用して照度計を EV 補正する vii. ゼブラが目障りであれば ZEBRA ページで VF1 VF2 を OFF にする 5/16 12/16/2008

2.2.2 ゼブラでの運用 i. ZEBRA ページで ZEBRA LEVEL を 38% に設定 この設定で反射率 18% にゼブラが乗るようになり撮影の目安になります 2.3 撮影時のモニタリング による撮影をする際のモニタリングシステムの基本は従来のフィルム製作を基本として次のとおりです ビューファインダーは 光学ビューファインダーの使い勝手を基本として ラチチュードすべての収まりを確認できること 役者の演技 画角などの映像を確認することを目的とし をそのまま見ることをおすすめします また 監督用のモニター方法としては ソニーの液晶マスターモニター BVM-L230 を用いる方法と F23 F35 カメラのモニターアウトを通常モニターで表示させる方法があります いずれも フィルムカメラのビジコンと同様の使い勝手を基本とし 役者の演技や画角の確認を目的とし ここで最終画像の確認は行わず ビジコンと同様 最終画像はポストプロダクションで加工され ここでの画像と全く違う画像との認識で使用されることをおすすめします 2.3.1 BVM-L230 でのモニタリング BVM-L230 には 出力を表示させる 2 種類の Gamma 設定 S-LOG Full と S-LOG Standard が搭載されています( 詳細は BVM-L230 のマニュアルをご参照ください ) S-LOG Standard モードは 反射率 90% レベルを BVM-L230 の 100% として表示させるモードで F23 F35 のモニターガンマ ON 時と同等のビジコンの使い勝手を目的としたモードです 見たとおりのコントラストが再現されますのでその確認のために選択してください なお 反射率 90% の 1.32 倍までは正しく再現されますが それ以上のレベルは BVM-L230 上ではクリップされますのでご留意ください S-LOG Full モードは のダイナミックレンジ 0~1000% を全て表示させるモードです カメラで撮影可能なダイナミックレンジを確認する場合はこのモードを選択してください なお ダイナミックレンジ全て (1000%) をモニターに表示させるため 全体的に暗くなりますのでご留意ください 2.3.2 モニターアウトによるモニタリング F23 と F35 の モニター出力 はモニターガンマを R709 とすると カーブが ITU-R BT.709 のガンマカーブに変換されます モニターアウト を ITU-R BT.709 モニターで表示させれば 見たとおりのコントラストが再現されます なお 反射率 90% の 1.32 倍までは正しく再現されますが それ以上のレベルはモニター上ではクリップされますのでご留意ください 6/16 12/16/2008

3 特性曲線 図 1 と表 3 に の特性曲線を示します 1024 960 Code 991 WFM 106% 102.7 896 832 768 704 Cineon Film5246G 92.7 82.7 72.7 Code Value 640 576 512 448 Code 636 WFM 65.3% F35 F23 6.73 Stop 6.33 Stop 62.7 52.7 42.7 WFM % 表示 384 320 256 Code 394 WFM 37.7% F23 & F35 5.32 Stop 32.7 22.7 192 WFM 11.8% Code 167 128 64 0 2% Black 18% Midle Gray 90% White 800% White -8.0-7.0-6.0-5.0-4.0-3.0-2.0-1.0 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0 12.7 2.7-7.3 Camera Stop 図 1 特性曲線 表 3 特性 反射率 (%) Code Value WFM(%) 0 90 3 2 167 11.8 18 394 37.7 90 636 65.3 7/16 12/16/2008

4 フィルム ポストプロダクション インターフェースポストプロダクションが 映像を受け取る際のインターフェースを 4 つ紹介します 作業環境に合ったインターフェースを選択してください 一つ目は カメラの S -Log 出力を無変換で受け取るインターフェース (4.1 スペースインターフェース ) カラーグレーディングツールで 映像を直接読み込み そのツール上で 映像を所望の色に変換する方式です 映像のモニターへの表示は ビューイング LUT をモニターに適用させることで可能です 二つ目は カメラの S -Log 出力を HDD レコーダなどに記録する際に LUT でリニアスペースもしくは Cineon スペースに変換するインターフェース (4.2 キャプチャ変換インターフェース ) 使い慣れたリニアデータもしくは Cineon データをグレーディング処理する方式です 三つ目は カメラの 出力を After Effects などの Cineon コンバーター機能を利用して映像を読み込みグレーディングする方式です (4.3 入力 Cineon ローダーインターフェース ) 四つ目はコマーシャル製作などで行われている da Vinci 2K を使用する方法 (4.4 da Vinci 2K インターフェース ) です それぞれについて以下に説明していきます 4.1 スペースインターフェース 映像をそのままグレーディング処理します フィルムを CineonLog スペースで扱い カラーグレーディングツールにおいて色処理を行ってきた従来の作業方式と同様の方式での作業ができます これは が実在のネガティブ フィルムと同等のガンマ値を持っているために実現できることです ガンマ リフトなどを調整することにより 好みのトーンを実現することができます この方式を採用する場合 カメラ出力映像そのものは変換しません ただし 映像をモニターに表示するためには色変換が必要なので その際には をリニアスペースに変換するビューイング LUT( モニタリング用 LUT) と モニターのガンマ特性を表すモニター LUT( 例えばガンマ 2.2 など ) を通して映像をモニターに表示します ( 図 2) ビューイング LUT の種類は表 4 に示してあるとおりです 表 4a ビューイング LUT( to Linear) Lustre 用 データ名 10SLogAto8.lut 10SLogAto10.lut 説明 10bit を 8bit Linear データに変換する LUT 10bit を 10bit Linear データに変換する LUT 表 4c ビューイング LUT( to Linear) Pablo & iq 用 データ名 10SLogAto10.lut 10SLogAto10sp.lut 説明 10bit を 10bit Linear データに変換する LUT スーパーブラック & ホワイト無し 10bit を 10bit Linear データに変換する LUT スーパーブラック & ホワイト有り 8/16 12/16/2008

図 2 スペースインターフェース 一例として 10SLogAto10.lut を説明します ( 図 3) S -Log の REF BLACK(Code 90) はマシンの MIN CODE(12bit の場合 0) REF WHITE(Code 636) は MAX CODE(12bit の場合 4095) に変換されます 撮影時の反射率 90% レベルはモニターの 100% に 撮影時の反射率 0% はモニターの 0% に表示されます 図 3 から分かるように これはあくまでもビューイング LUT なので 撮影時の反射率 90%( カメラ出力 100%) 以上の映像はクリップされて見ることができません 反射率 90% 以上も見たい場合は カメラ出力映像本線にゲインをかけることで表示が可能になります ( フィルムのタイミング処理と同じです ) グレーディングツールではなくインフェルノのようなイフェクトツールの例としての方法は inferno のパッチを使用し Color Correct LutEditor output とつなげます そして LutEditor に表 4b の Lut を Load Node で読み込んで Gamma を 2.2 にすれば ワークスペースでの作業が可能となります なお 代表的なグレーディングツールで使用可能な リニアデータを スペースに変換する LUT も用意してあります ( 表 5) 9/16 12/16/2008

図 3 ビューイング LUT 10SLogAto10.lut 表 5a Linear to LUT Lustre 用 データ名 8to10SLogA.lut 10to10SLogA.lut 説明 8-bit リニアデータを 10bit に変換する LUT 10-bit リニアデータを 10bit に変換する LUT 表 5b Linear to LUT Pablo & iq 用 データ名 10to10SLogA.lut 10to10SLogAsp.lut 説明 10-bit リニアデータを 10bit に変換する LUT スーパーブラック & ホワイト無し 10-bit リニアデータを 10bit に変換する LUT スーパーブラック & ホワイト有り 10/16 12/16/2008

4.2 キャプチャ変換インターフェースカメラ出力 (S -Log) を HDD レコーダなどにキャプチャする際に LUT により変換する方式です 慣習的に使われてきたリニアスペースもしくは Cineon スペースでのグレーディングが可能となります スペースをリニアスペースに変換する LUT と スペースを Cineon スペースに変換する LUT があるので 作業環境に適した LUT を選択してください 4.2.1 リニア変換カメラ出力 (S -Log) を LUT により光の量に比例したリニアデータに変換して HDD レコーダなどにキャプチャします ( 図 4) キャプチャリング用の LUT の種類は表 6 に示してあるとおりです 一例として 12bit の を 16bit リニアデータに変換する LUT を図 5 に示します また表 7 には キャプチャリング用 LUT の逆特性を表す リニアデータを に変換する LUT を示します 図 4 キャプチャ変換インターフェース (Linear スペース ) データ名 10SLogAto12FL.lut 10SLogAto16FL.lut 12SLogAto12FL.lut 12SLogAto16FL.lut 表 6 キャプチャリング用 LUT 説明 10bit を 12bit リニアデータに変換する LUT 10bit を 16bit リニアデータに変換する LUT 12bit を 12bit リニアデータに変換する LUT 12bit を 16bit リニアデータに変換する LUT 11/16 12/16/2008

データ名 12FLto10SLogA.lut 12FLto12SLogA.lut 16FLto10SLogA.lut 16FLto12SLogA.lut 表 7 キャプチャリング用 LUT 逆特性データ説明 12bit リニアデータを 10bit に変換する LUT 12bit リニアデータを 12bit に変換する LUT 16bit リニアデータを 10bit に変換する LUT 16bit リニアデータを 12bit に変換する LUT 図 5 to Linear 12/16 12/16/2008

4.2.2 Cineon 変換カメラ出力 (S -Log) を LUT により Cineon データに変換して HDD レコーダなどにキャプチャします ( 図 6) 一例として 10bit の を 10bit の Cineon データに変換する LUT を図 7 に示します 図 6 キャプチャ変換インターフェース (Cineon スペース ) 図 7 to Cineon 13/16 12/16/2008

4.3 入力 Cineon ローダーインターフェース Adobe After Effects など市販ツールに搭載されている Cineon ローダー機能のパラメータを設定することで 映像をリニア変換して読み込みます Cineon ローダー機能を実装したツールを慣習的に使っている場合には この方式が便利です 変換のための LUT は必要ありません Adobe After Effects を用いる場合を例として説明します After Effects の Cineon コンバーター を開きます ( エフェクト ユーティリティー Cineon コンバーター ) をリニアデータに変換するには 表 8のパラメータを設定します この設定をすることで をモニター表示することが可能です 表 8.Adobe After Effects の Cineon コンバーターのパラメータ値 パラメータ 数値 Cineon Parameter 10bit code 変換の種類 ログからリニア 10bit ブラックポイント 90 (REF BLACK) 内部ブラックポイント 0 ( リニアの MIN CODE) 10bit ホワイトポイント 636(REF WHITE) 内部ホワイトポイント 255( リニアの MAX CODE 8bit の場合 ) ( モニターの bit 深度に合わせて設定 ) ガンマ 2.96( モニターガンマが 2.2 の場合 ) ( モニターガンマが A の場合は 1.345 A) ハイライトロールオフ 120 4.4 da Vinci 2K インターフェーステレシネと da Vinci 2K などと組み合わせたシステムで da Vinci 2K の入力として を使用する場合 操作性が変わります それは フィルムのログスペースは テレシネのなかで完結し ビデオスペースとして da Vinci 2K などに入力され ビデオガンマスペースでの色や階調調整にカラリストの方がなれているからです テレシネのコントローラーが使用できないため テレシネと同じユーザーインターフェースは実現できませんが ライトコントロールに相当するコントロールを Lut の設定により実現できる方法は提供する予定です 14/16 12/16/2008

5 入出力関数入力 0-1000% に対してt=0-10.0 として y = (0.432699 * Log10(t +0.037584) + 0.616596) + 0.03 y に 100 をかけた数値がパーセントの値です デガンマ入力 0-109% に対して t = 0-1.09 として Y = Power(10.0, ((t - 0.616596-0.03) / 0.432699)) - 0.037584 Y に 100 をかけた数値がパーセントです 14bit 入力 10bit 出力の場合 入力 語調 14bit ガンマ 1.0( ライト リニア ) 黒レベル 128 基準白レベル 1880 出力 語調 10bit ガンマ A 黒レベル 90 基準白レベル 636 出力最小値 4 出力最大値 1019 関数 Y = 379.044 * LOG10(((X-128)/1752)+0.037584)+630 AntiSlog 関数上記 10bit を 14bit リニアに戻す関数 y = 1752 * (POWER(10.0, (X-630)/379.044)-0.037584) +128 15/16 12/16/2008

6 参考 S-GAMUT( 色域変換 ) F23 F35 の S-GAMUT モードによる広色域撮像画像の使用方法を記述します 6.1 F900 シリーズ カラースペース今までの F900 シリーズ カラースペースと同等に3 3マトリックスで変換して作業します データ名説明 S_Gamut2F900mtx.txt S-GAMUT を F900 カラースペースに変換する係数 6.2 XYZ 変換 広色域をそのまま使用するために S-Gamut の RGB から XYZ 値に変換する 3 3 マトリックス で変換し作業します データ名 S_Gamut2XYXmtx.txt 説明 S-GAMUT を F900 カラースペースに変換する係数 6.3 S-GAMUT 仮想色度点 S-GAMUT の色度点 データ名説明 S_GamutTristimulus.txt S-GAMUT のxy 座標データ 16/16 12/16/2008