Fuji Power MOSFE 電力計算方法 Design ool Cher. 概要 MOSFE を使用する上で許容される損失を超えていないか確認する必要があります しかし MOSFE の損失は電力計などによる測定ができないため オシロスコープなどによりドレイン ソース間電圧 ドレイン電流 D 波形から計算しなくてはなりません 本資料では MOSFE の損失計算方法を提示します また付属として損失計算補助ツールの使用方法も併せて提示します Cher. 電力量 [] の計算方法 一般的に図 で表す - の期間における電力量 [] は下式に示す電圧 電流積の積分によって算出できます V V V d () また () V() は以下で表せます V ( ) ( ) V 従って - 間を積分すると電力量 [] は以下となります V V V V V V (4 ) 上式を利用して - 間を任意に区切ることで非線形波形に対しても電力量 [] の算出が出来ます V() () V 図 : 期間 - の電圧 V() 電流 () V Cher. 電圧 電流波形から電力量 [] を計算する方法 図 の様に周期 の電圧 電流波形の損失計算を行う場合には直線近似が可能な範囲で分割し 計算します OFF ON ON ON OFF OFF D 4 5 図 : 損失計算波形例 図 は MOSFE がターンオフする過程で電流波形の傾斜が途中で変化しています 従って図 の波形から損失を計算する場合は ~ 5 の区間に分割して計算を行います MOSFE の寄生容量を含め 実際の回路ではターンオフ ターンオンの過渡期の電圧 電流は指数関数の様に変化します オシロスコープなどで観測した波形から指数関数で電圧 電流波形を表すのは困難なため直線による近似を用います Mr, D_Power clculi mehod Rev. /7 Fuji Elecric Co., Ld. All righs reserved.
Fuji Power MOSFE Design ool Cher 4. 電力量 [] から電力 [W] を計算 図 ように周期 の波形の電圧 電流値を読み取ります 読み取った値と (4) 式を使用して損失計算を行います V V V D 4 5 =/f 図 : 波形例から電圧 電流値を読み取る [s]~ 5 [s] の区間ごとに損失を計算すると各区間の損失 []~ 5 [] を導出することができます ただし区間 [s] は MOSFE が導通しているため電圧は MOSFE のオン抵抗 R ON と電流の積です 各区間ごとの計算式を式 (5)~ (9) に示します 周期 [s] は周波数 f[hz] の逆数でもあるため MOSFE で消費する電力 P[W] は式 () で求めることができます なお以下に示した式は電圧 電流の傾斜 ゼロクロスによって最終的な式が簡略化されます 各パターンにおける計算式を付表 に示します V (5 ) RON ( ) V (7 ) V V (8 ) 4 4 5 (9 ) f ( ) P 4 5 4 5 補足 < 実効値電流 > 式 () はオン抵抗 R ON での電力量 [] を求めています オン期間 においては実効値により電力 [W] を算出することができます 区間の実効値電流を [A] とすると式 () からオン期間中の電力 P [W] は式 () のように表すことが出来ます RON RON P () オン期間はオン抵抗 R ON と実効値電流の 乗積の電力を MOSFE が消費することになります そのため電流値の増加に対して電力は 次関数増加をしていきます 電流波形によって実効値電流の算出式は異なります 付表 に代表的な波形と実効値の算出式を示します Mr, D_Power clculi mehod Rev. /7 Fuji Elecric Co., Ld. All righs reserved.
Cher 5. 取得波形から損失を計算 Fuji Power MOSFE Design ool 損失計算例として実際の動作波形より計算を行います 動作波形より計算する場合は周期がわかること ターンオン ターンオフの電圧 電流値が読み取れること オン期間の電流値が読み取れることを確認してください 実測波形と読み取り値を以下に示します なおオン抵抗 R ON は使用する MOSFE のデータシートよりご確認ください ( 以下の計算では ch=5 における mx 値をデータシート記載のグラフから読み取った値を使用しています ) : 4us Mesuremen oins Device ye Ouu ower Flyck Cverer of he swiching MOSFE FMVNE (V/A/R DS()@5 mx =.5[Ω]) 8W (DC:9V/A) urn - OFF 5V/div ime us/div D A/div urn - ON ターンオン損失なし Z Z Z Z4 ime 4ns/div D 5V/div A/div ime ns/div D 5V/div A/div ON eriod ON : 7.9us :.A Mesured vlues V V urn - ON us V V A A ON eriod 7.9us V V A.A Z 45ns V 5V.A.A 5V/div urn - OFF Z ns 5 V.A A Z 5ns V 9V A 5.A ime us/div D A/div Z 4 ns 9V 85V 5.A A 次に読み取った値から損失計算を行います 式 (4) にそれぞれ代入した計算結果を以下に示します urn ON : [ ] ON eriod :.5[ ].[ A] 7.9[ us ] Z : 5[V ].[ A] 45[ ns ].54[ u ] Z : 4.8[ u ] 85[V ].4[ A] 85[V ].[ A].4[ A] 5[V ] 5[V ].[ A] [ ns ].[ u ] : 9[V ].[ A] 9[V ] [ A].[ A] [V ] [V ] [ A] 5[ ns ] 4[ u ] Z 5 : 5[V ] 5.[ A] 5[V ] 5.[ A] 5.[ A] 9[V ] 9[V ] 5.[ A] [ ns ].[ u ] Z4 以上の計算結果により 取得波形から計算できる MOSFE の損失 P[W] は以下で示すように.5[W] となります P [ ].8[ u ].54[ u ].[ u ] 4[ u ].[ u ].5[W ] 4[ us ] Mr, D_Power clculi mehod Rev. /7 Fuji Elecric Co., Ld. All righs reserved.
Fuji Power MOSFE Design ool Cher. MOSFE 電力計算シート (Excel) の使用方法 ここまでの損失計算方法は手計算により行いましたが 本項では Excel を使用します この Excel ファイルは損失分析やチャネル温度計算への使用を目的として作成しています 同ファイル内に使用方法を記載したシートもあります 内容をご確認いただき ご使用ください Seci 富士電機ホームページよりExcelファイルをダウンロードしてください URL h://www.fujielecric.co.j/ ホーム > 製品情報 > パワー半導体 > 製品情報 > パワー MOSFE > デザインツール < ファイル名 > Power clculi ool_rev.xlsx Seci ダウンロードしたファイル Power clculi ool_rev.xlsxを開き shee 計算 をクリックします Seci 取得波形 使用するMOSFEのデータシートより必要な数値を入力します 計算比較のためCher 5の取得波形 MOSFEデータシートを使用します C 使用する MOSFE の型式を入力します この Cell は入力なくても計算に支障はありません C4 C5 MOSFE のデータシートに記載されている Drin-Source On-se resisnce グラフよりオン抵抗を読み取り入力します また C5 の Cell に MEMO 欄を設けています チャネル温度等記録として残せるように使用します C 取得波形よりスイッチング周期を [us] 単位で入力します F 列 OFF 期間の電流 電圧を入力できますが 計算結果はゼロとなるため入力は不要です また OFF 時間も C に入力した値と urn-on ON-eriod urn-off で入力する値との差が表示されるため入力は不要です G~N 列 urn-on の時間 電圧 電流値に取得波形の読み取り値を入力します 今回の取得波形では電圧 電流の交差がないため入力はしていません O~X 列 ON eriod の時間 電流値に取得波形の読み取り値を入力します ON eriod 中の電圧は R ON と電流値の積が演算結果として表示されます Y~AF 列 urn-off の時間 電圧 電流値に取得波形の読み取り値を入力します 以上を入力した結果 C9 に損失の計算結果として.5W と表示されます 手計算で行った損失計算と同じ結果が得ることができます Mr, D_Power clculi mehod Rev. 4 /7 Fuji Elecric Co., Ld. All righs reserved.
Fuji Power MOSFE Design ool 付表 電圧条件電流条件波形計算式 V <V < V() V V () f : V : V f : : V V V V V V V V V <V = V() () V V V V f : V : V V <V > V() () V V f : V : V f : : V V V V V V V V V =V < V() () V V V f : : V V() V V V =V = () V V =V > V() () V V V f : : V V >V < V() () V V f : V : V f : : V V V V V V V V V >V = V() () V V V V f : V : V V >V > V() () V V f : V : V f : : V V V V V V V V Mr, D_Power clculi mehod Rev. 5 /7 Fuji Elecric Co., Ld. All righs reserved.
Fuji Power MOSFE Design ool 付表 波形実効値平均値 sin d vg sind d vg d d vg d d vg d 合成波の実効値合成波の実効値は各期間における実効値の平方二乗和で求めることができます d d Mr, D_Power clculi mehod Rev. /7 Fuji Elecric Co., Ld. All righs reserved.
Fuji Power MOSFE Design ool ご注意. 本資料の内容 ( 製品の仕様 特性 データ 材料 構造など ) は 年 月現在のものです この資料に記載の製品は仕様変更のため または他の理由により事前の予告なく変更されることがあります この資料に記載されている製品を使用される場合には その製品の最新版の仕様書を入手して データを確認してご使用ください. 本資料に記載の手法による計算結果は あくまで参考値としてご使用ください この資料を使用して得られた計算結果 ( 計算値 ) は富士電機製品 及び動作を保証するものではありません. 本資料の一部または全部の転載複製については 文書による当社の承諾が必要です 本資料の内容は改良などのために予告無く変更することがあります 本資料に記載されている応用例や部品定数は 設計の補助を目的とするものであり 部品バラツキや使用条件を十分に考慮したものではありません ご使用にあたっては これら部品バラツキや使用条件等を考慮した設計をお願いします Mr, D_Power clculi mehod Rev. 7 /7 Fuji Elecric Co., Ld. All righs reserved.