(3)TAC 制度 IQ ITQ 方式について 資料 4-3

Similar documents
平成 29 年 4 月 26 日定例記者会見資料 大船渡市魚市場の水揚と水産資源の動向について 平成 29 年 4 月 25 日 大船渡市 担当 : 農林水産部水産課 電話 : ( 内線 371)

<4D F736F F F696E74202D208E9197BF332D A835E834E A8D4C88E68B9992B288CF8E9197BF2E >

資源評価法 沿岸漁業の漁獲努力量に関する情報が得られていないことから 100 トン以上の沖底かけまわし船によるマダラの有漁操業の単位努力量当たり漁獲量 (CPUE)( 以下 沖底 CPUE) に基づいて資源状態を判断した 本資源全体の資源の水準 動向を判断するとともにオホーツク海 北海道太平洋 北海

平成 28 年度我が国周辺水域の資源評価一覧 (50 魚種 84 系群 ) マイワシ マアジ マサバ 魚種 ゴマサバ スケトウダラ ズワイガニ スルメイカ 系群 水準 動向水準 動向水準 動向魚種系群魚種系群 H27 年度 H28 年度 H27 年度 H28 年度 H27 年度 H28 年度 太平洋

第1部第Ⅱ章64 第 1 節 我が国における水産資源の管理 (1) 我が国周辺の水産資源の状況 *1 平成 25(2013) 年度の我が国周辺水域の資源評価結果をみると 主要な52 魚種 84 系群 のうち 資源水準が高位にあるものが12 系群 (14%) 中位にあるものが36 系群 (43%) 低

< F2D F8A93BE95E28F9E91CE8DF42E6A7464>

Microsoft PowerPoint - H23.4,22資源説明(サンマ)

3 くろまぐろの知事管理量について 海洋生物資源の採捕の種類 別又は期間別の数量に関する事項 ( 1) 採捕の種類別の割当量について 2 に掲げる知事管理量の小型魚における採捕の種類別に定め る割当量は 次の表のとおりとし 大型魚は採捕の種類別に定 めないものとする 採捕の種類 小型魚 本県の漁船漁

資料 3-1 第 4 管理期間の小型魚及び大型魚の配分の考え方について 平成 30 年 9 月 1. 基本的な配分の考え について 基本的な配分の考え ( 第 4 管理期間 ) 海洋 物資源の保存及び管理に関する法律 ( 以下 資源管理法 という ) に基づき 型 型 の別に 管理量と知事管理量に漁

目 次 漁業の許可等 1 漁業の取締り 2 漁業調整 4 海洋生物資源の保存及び管理 6 外国漁船の寄港の許可 8 漁船の検査 10 沿岸漁業の振興及び漁場の保全の指導 水産資源の保護 水産関係 資料の収集 整理 水産に関する調査 11

資料 12 資源管理目標を定めるための新たな資源評価手法の検討状況 2019 年 3 月

目 次 Ⅰ 検討会の趣旨 1 Ⅱ 検討会の経緯 1 Ⅲ 資源管理施策について 1. 我が国資源管理と今後の課題 1 2. 水産資源の評価について 2 3. 公的管理の高度化 3 4. 自主的管理の高度化 7 Ⅳ 個別事例として取り上げた魚種毎の資源管理の方向性 1. マサバ ( 太平洋系群 ) 8

Microsoft Word - 溶け込み版(1214改正).docx

資料 1 資源管理の推進について 平成 2 8 年 6 月 2 4 日

スライド 1

1. 太平洋クロマグロの分布 生態 成長 漁獲について 1

PowerPoint プレゼンテーション

整理番号 10 事後評価書 ( 完了後の評価 ) 都道府県名 愛知県 関係市町村 田原市他 事業名地区名 Ⅱ 点検項目 1. 費用対効果分析の算定基礎となった要因の変化 ( 広域水産物供給基盤整備事業 ) 事業主体 愛知県 Ⅰ 基本事項 1. 地区概要 漁港名 ( 種別 ) - 漁場名 アツミガイカ

hatahata_h1-h4_2.ai

untitled

水産政策審議会第 61 回資源管理分科会 1 開会 閉会の年月日 時刻 開会平成 2 5 年 5 月 29 日 1 0 時 0 0 分 閉会平成 2 5 年 5 月 29 日 1 1 時 1 4 分 2 出席した委員の氏名 ( 敬称略 ) 委員奥村保之佐藤信幸鈴木徳穂東村玲子山川卓山下東子山根香特別

3. 資源管理の方向性本府では水産資源の持続的な利活用を水産業振興の重点方策として位置付け 積極的な資源管理 資源の維持回復を図るべく 漁業調整規則等で規定されている公的規制の徹底と併せて 漁業者の自主的取組を他の関連施策と一体となって展開していく なお 本指針における公的資源管理 ( 公的措置 )

<4D F736F F D2091E682568E9F8DCD947C8B998BC68AEE967B8C7689E681698AAE90AC816A2E646F63>

<4D F736F F F696E74202D E598E918CB982CC8AC7979D82CC C982C282A282C482512E >

太平洋クロマグロの資源状況と 管理の方向性について

2. 燧灘カタクチイワシ資源状況 (1) 燧灘カタクチイワシの漁獲量の動向 ( 資料 ) カタクチイワシ瀬戸内海系群 ( 燧灘 ) の資源評価より (2) 燧灘カタクチイワシの初期資源尾数の動向 ( 資料 ) カタクチイワシ瀬戸内海系群 ( 燧灘 ) の資源評価より (3) 資源状況考察 広島 香川

< F2D91E58D6A955C8E862E6A7464>

< F2D C8E8691E63295AA8DFB2E6A7464>

ドキュメント1

ソウハチ北海道北部系群 -2- 本件資源評価に使用したデータセットは以下のとおりデータセット基礎情報漁獲量 漁獲努力量主要港漁業種類別水揚量 ( 北海道 ) 北海道沖合底びき網漁業漁獲成績報告書 ( 水産庁 ) 体長組成生物情報収集調査 ( 北海道 ) 1. まえがき ソウハチ北海道北部系群は 主に

但馬水産技術センターだより 漁況情報 (G1305 号 ) 平成 25 年 8 月 28 日兵庫県立農林水産技術総合センター但馬水産技術センター発行 ハタハタ アカガレイ エチゼンクラゲに関する情報について ( 平成 25 年度底びき漁期前調査結果 ) 平成 25 年 8 月 5 6 日および 8

世紀中頃に著しく減衰したため 近年の主要な漁獲対象は地域性ニシンである 2. 生態 (1) 分布 回遊本種は海草や海藻が繁茂する水深が浅い水域で産卵する 仔稚魚は発育に伴い沖へ移動して成長し 成熟すると産卵期には再び沿岸域に来遊する 本種の我が国周辺における分布域は北海道の沿岸から沖合にかけての水域

農地中間管理機構 ( 仮称 ) の制度の骨格 ( 案 ) 資料 農地中間管理機構の指定都道府県のコントロールの下に適切に構造改革 生産コスト引下げを推進するため 都道府県段階に設置する 1 都道府県知事は 農地中間管理事業を公平かつ適正に行うことができる法人 ( 地方公共団体の第 3セク

PowerPoint プレゼンテーション

構成員 3 法第 35 条第 3 項において 協議に係る内水面について河川管理者がある場合には当該河川管理者が必須の構成員とされているのはなぜか 河川管理者は 河川法 ( 昭和 39 年法律第 167 号 ) に基づき 治水 利水 環境の観点から総合的に河川管理をする立場であることから 同法に基づき

47_ サバ類 _ 太平洋海域 2016 年度 魚種 ( 海域 ): サバ類 ( 太平洋海域 ) 担当 : 釧路水産試験場 ( 三橋正基 ( 現函館水試 ) 中多章文 ), 函館水産試験場 ( 澤村 正幸 ) 要約 評価年度 :2015 年度 (2015 年 1 月 ~2015 年 12 月 ) 2

< F2D816988C C816A92E192AA90FC95DB F2E6A7464>

浜の活力再生プラン 別記様式第 1 号別添 1 地域水産業再生委員会組織名宮城県近海底曵網漁業再生委員会代表者名菅野静春 再生委員会の構成員宮城県近海底曵網漁業協同組合 塩竈市 石巻市 宮城県仙台地方振興事務所 宮城県水産業経営支援協議会オブザーバー宮城県 ( 農林水産部水産業振興課 ) 再生委員会

< F2D91AC95F E6A7464>

第1部(2) 資源管理の歴史 第Ⅰ章第 2 節我が国の資源管理の現状と課題 コラム 最大持続生産量 (MSY) 漁業資源は常に子孫を増やそうとしています このため 自然環境条件等が一定であると仮定すると ある魚種をある程度まで漁獲しても その分だけ餌や生息場所等の自然環境に余裕ができるため その魚


1. 開催日時 平成 29 年 11 月 27 日 ( 月 )13:28~14:46 2. 開催場所 石垣記念ホール ( 東京都港区赤坂 三会堂ビル 9 階 ) 3. 出席委員 部会長 学識経験者 橋本明彦 都道府県海区互選委員 北海道連合海区青森県西部海区秋田海区山形海区新潟海区 濱

1. 太平洋クロマグロの分布 生態 成長 漁獲について 1

中華人民共和国を原産地又は船積地域とするさけ及びます並びにこれらの調製品を輸入しようとする場合の 2 号承認申請の前の確認申請について 3 貿局第 15 号 ( ) 改正 1 輸入注意事項 9 第 13 号 ( ) 2 輸入注意事項 14 第 25 号 ( )

本県では 漁業調整規則等で規定されている採捕禁止期間や体長制限等の公的資源管理措置の遵守を徹底するとともに これまでに取り組んでいる TAC 管理や 資源回復計画に基づく取組も含め 本指針に基づき漁業者の自主的な資源管理の取組を促進することにより 水産資源の維持 回復を推進する なお 本指針における

(2) そもそも優先順位を廃止する必要があるのですか 1 優先順位の規定は廃止しますが これまで漁業権に基づき漁業を行っていた人 漁協の免許を取り上げることはありません 2 現行の優先順位は法律で詳細かつ全国一律の要件で免許の順位を定めているため 1 漁業権の存続期間満了時により順位の高い者が申請し

Microsoft PowerPoint _まぐろHP_0124.pptx

Microsoft PowerPoint - ☆PTポイント・概要(セット)

2. 各検討課題に関する論点 (1) 費用対効果評価の活用方法 費用対効果評価の活用方法について これまでの保険給付の考え方等の観点も含め どう考 えるか (2) 対象品目の選定基準 1 費用対効果評価の対象とする品目の範囲 選択基準 医療保険財政への影響度等の観点から 対象となる品目の要件をどう設

アジサバタチの原稿

Microsoft Word 外海域における産卵状況text _2.doc

☆表紙・目次 (国会議員説明会用:案なし)

社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

私立幼稚園の新制度への円滑移行について

< F2D C8E8691E63295AA8DFB2E6A7464>

このような IUU 漁業の現状があります 本レポートは IUU 漁業の日本における リスクを把握するために 行った分析研究です 調査の背景 1974年から2013年までの水産資源 の状態を比べてみると 健全な資源 状態の水産資源が占める比率が確実 IUU漁業の現状 100 政府 NGO 漁業産業は

III. 審査開始日 審査開始日 : 平成 28 年 12 月 9 日 キンメダイ活動経路 IV. 漁業の概要 1. 漁業実態 (1) 概要 キンメダイを漁獲している主な地域は 千葉県 東京都 神奈川県 静岡県および高知県の一都四県であり 主に房総沖から伊豆半島周辺 伊豆諸島周辺および室戸岬周辺の海

第1第Ⅰ章20 ( 近年の我が国の遠洋漁業をめぐる情勢 ) 近年 我が国の遠洋漁業の中心となっているのは カツオ マグロ類を対象とした海外まき網漁業 遠洋まぐろはえ縄漁業 遠洋かつお一本釣り漁業等であり カツオ マグロ類が我が国の遠洋漁業生産量の約 9 割を占めています とうしょ我が国の遠洋漁船は

資料 2 接続可能量 (2017 年度算定値 ) の算定について 平成 29 年 9 月資源エネルギー庁

完了後評価書(窪津)【140303修正】.pdf

< F2D816994D48D FA957493FC816A >

(2) 漁獲努力量の削減 維持及びその効果に関する担保措置愛媛県漁業調整規則により 採捕できる水産生物の体長制限や採捕禁止期間を設けている 広域漁業調整委員会指示により サワラ流し網漁業の目合い制限と禁漁期間を設けている 垣生地区の漁業者間の取決めによる休漁日を設定している (3) 具体的な取組内容

別記様式第 1 号別添 1 地域水産業再生委員会組織名小田野沢地域水産業再生委員会代表者名会長川村敏博 浜の活力再生プラン 再生委員会の構成員 小田野沢漁業協同組合 猿ヶ森漁業協同組合 東通村つくり育てる農林水産課 青森県下北地域県民局地域農林水産部むつ水産事務所 オブザーバー - 再生委員会規約及

46_ マイワシ _ 北海道周辺海域 2017 年度 魚種 ( 海域 ): マイワシ ( 主として太平洋海域 ) 担当 : 釧路水産試験場 ( 中多章文 板谷和彦 ), 函館水試 ( 澤村正幸 ) 要約 評価年度 :2016 年度 (2016 年 1 月 ~2016 年 12 月 ) 2016 年度

プレスリリース

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション

漁場と海洋調査海域(主に構造探査、曳航体調査を対象)

資料 5 太平洋クロマグロの資源状況と 管理の方向性について 平成 30 年 8 月

1. 主要なかつお まぐろの種類 ビンナガ カツオ キハダ 資料 : 日本かつお まぐろ漁業協同組合 クロマグロ ミナミマグロ メバチ m クロマグロ (Atlantic Bluefin Tuna / Pacific Bluefin Tuna): 地中海を含む大西洋 太平洋の主として北

2. 検討 ~ 医療に関する事故の特殊性など (1) 医師等による医療行為における事故 医師等が患者に対してどのような医療行為を施すべきかという判断は 医師等の医学的な専門知識 技能に加え 医師等の経験 患者の体質 その時の患者の容態 使用可能な医療機器等の設備等に基づきなされるものである ( 個別

太平洋クロマグロの加入量予測に向けた基盤的研究

2. 今後の主な検討事項 1 高濃度 PCB 廃棄物に係る行政代執行費用に対する支援の必要性 高濃度 PCB 廃棄物の処分は 排出事業者責任の観点から その保管事業者が行 うことが原則 このため 都道府県市による行政代執行に要する費用についても 保管事業者が負担することが原則 しかしながら 高濃度

各資産のリスク 相関の検証 分析に使用した期間 現行のポートフォリオ策定時 :1973 年 ~2003 年 (31 年間 ) 今回 :1973 年 ~2006 年 (34 年間 ) 使用データ 短期資産 : コールレート ( 有担保翌日 ) 年次リターン 国内債券 : NOMURA-BPI 総合指数

太平洋クロマグロの資源状況と 管理の方向性について

平成 29 年 4 月 12 日サイバーセキュリティタスクフォース IoT セキュリティ対策に関する提言 あらゆるものがインターネット等のネットワークに接続される IoT/AI 時代が到来し それらに対するサイバーセキュリティの確保は 安心安全な国民生活や 社会経済活動確保の観点から極めて重要な課題

<4D F736F F F696E74202D E81798E9197BF A914F89F182CC8CE48E E968D8082C982C282A282C42E >

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

1. 口座管理機関 ( 証券会社 ) の意見概要 A 案 ( 部会資料 23: 配当金参考案ベース ) と B 案 ( 部会資料 23: 共通番号参考案ベース ) のいずれが望ましいか 口座管理機 関 ( 証券会社 ) で構成される日証協の WG で意見照会したところ 次頁のとおり各観点において様々

Microsoft Word - H30年度動向調査報告(ヒラメ)

PowerPoint プレゼンテーション

規制 制度改革に関する閣議決定事項に係るフォローアップ調査の結果 ( 抜粋 ) 規制 制度改革に係る追加方針 ( 抜粋 ) 平成 23 年 7 月 22 日閣議決定 番号 規制 制度改革に係る追加方針 ( 平成 23 年 7 月 22 日閣議決定 ) における決定内容 規制 制度改革事項 規制 制度

<4D F736F F D208DB2936E837D D835289F1959C8C7689E68DC58F4994C E352E33312E646F63>

Microsoft Word - 02 大都市 本文.doc

監査に関する品質管理基準の設定に係る意見書

部分供給については 例えば 以下の3パターンが考えられる ( 別紙 1 参照 ) パターン1: 区域において一般電気事業者であった小売電気事業者 ( 又は他の小売電気事業者 ) が一定量のベース供給を行い 他の小売電気事業者 ( 又は区域において一般電気事業者であった小売電気事業者 ) がを行う供給

バイオマス比率をめぐる現状 課題と対応の方向性 1 FIT 認定を受けたバイオマス発電設備については 毎の総売電量のうち そのにおける各区分のバイオマス燃料の投入比率 ( バイオマス比率 ) を乗じた分が FIT による売電量となっている 現状 各区分のバイオマス比率については FIT 入札の落札案

資料2 紙類の判断の基準等の設定に係る検討経緯について

スライド 1

類 イカ類なども捕るようになる 日中は海底付近に分布し 夜間に浮上して索餌することもあり 中底層に分布する回遊性魚類である (2) 武蔵堆周辺の漁場利用の歴史と地形の変化 日本海北部沖の武蔵堆は 1925 年に特務艦武蔵が発見しその名前の由来となっている 武蔵堆周辺については以下の報告がある 4)

ïΩê¨9îNìx

<4D F736F F F696E74202D EF8B638E9197BF82CC B A6D92E894C5816A E >

JICA 事業評価ガイドライン ( 第 2 版 ) 独立行政法人国際協力機構 評価部 2014 年 5 月 1

目次 1. はじめに 現状分析 我が国における水産業の現状 漁獲高の推移 漁業従事者 操業漁船数の推移 漁業従事者の収入の推移 我が国の資源管理制度 日本政府の

フロン類製造業者等の フロン類の使用合理化の状況

資料 2-2 財政制度等審議会財政投融資分科会 編成上の論点 地方公共団体 平成 26 年 11 月 28 日財務省理財局

(3) 具体的な取組内容 ( 毎年ごとに数値目標とともに記載 ) 1 年目 ( 平成 26 年度 ) 以降 以下の取組みについては 毎年 取組の進捗状況や得られた知見等を踏まえ 必要に応じて見直すものとする 1. 漁業者と協会は 従前より県別割当 (TAC) のあるスルメイカ ( 本年度割当 5,6

4 奨励品種決定調査 (1) 奨励品種決定調査の種類ア基本調査供試される品種につき 県内での普及に適するか否かについて 栽培試験その他の方法によりその特性の概略を明らかにする イ現地調査県内の自然的経済的条件を勘案して区分した地域 ( 以下 奨励品種適応地域 という ) ごとに 栽培試験を行うことに

Microsoft Word - press

することを可能とするとともに 投資対象についても 株式以外の有価証券を対象に加えることとする ただし 指標連動型 ETF( 現物拠出 現物交換型 ETF 及び 金銭拠出 現物交換型 ETFのうち指標に連動するもの ) について 満たすべき要件を設けることとする 具体的には 1 現物拠出型 ETFにつ

Transcription:

(3)TAC 制度 IQ ITQ 方式について 資料 4-3

TAC 決定プロセスの透明性向上 TAC の設定にあたっては 漁業者 加工流通業者等を交えた公開の事前説明会を開催し パブリックコメントを行った上で水産政策審議会に諮っている TAC 設定の基本フロー ( 独 ) 水産総合研究センターが資源評価を行い ABC を算出 公開の事前説明会を開催 農水省ホームページを通じてパブリックコメントを受付 水産政策審議会資源管理分科会に TAC の案を諮問 答申 農林水産大臣による TAC の設定 対象魚種 ( 管理期間 ) さんま (7~6 月 ) すけとうだら (4~3 月 ) まあじ (1~12 月 ) まいわし (1~12 月 ) まさば及びごまさば (7~6 月 ) するめいか (1~12 月 ) ずわいがに (7~6 月 ) TAC の設定状況 ( 平成 25 年漁期 ) TAC ( 千トン ) 大臣管理漁業分 ( 千トン ) 338 北太平洋さんま漁業 (235) 275 沖合底びき網漁業 (164.6) 知事管理漁業分 ( 千トン ) 10t 未満のさんま棒受網 刺網など北海道 (32) 岩手県(5) 三重県(3) その他 6 県が 若干 延縄 刺網など北海道 (107.9) その他 6 県が 若干 204 大中型まき網漁業 (78) 中小型まき網など島根県 (34) 長崎県(24) その他 4 県が数量配分その他 28 道府県が 若干 388 大中型まき網漁業 (203) 中小型まき網など 三重県 (28) 島根県(31) 神奈川県 (21) その他 4 県が数量配分 その他 17 道府県が 若干 701 大中型まき網漁業 (401) 中小型まき網など 三重県 (43) 長崎県(25) その他 7 都 県が数量配分 その他 20 道府県が 若干 329 沖合底びき網漁業 5t 未満イカ釣りなど (51.9) 20 道県が 若干 大中型まき網漁業 (16.0) いか釣り漁業 (66.5) 小型するめいか釣り漁業 (91.6) 5,273 トン沖合底びき網漁業及びずわいがに漁業 (3,806 トン ) 小型底びき網など石川県 (410 トン ) 新潟県 (337 トン ) その他 6 道府県が数量配分その他 2 県が 若干 1

ABC と TAC との関係について 1 平成 9 年の TAC 設定初年度以降 円滑な TAC 導入を行うため 漁業経営への影響を考慮して ABC を超えて漁獲実績に見合った TAC を設定した経緯 ( 平成 19 年 4 魚種 9 系群で ABC を超えた TAC を設定 ) 平成 20 年の有識者懇談会での議論を踏まえ 以降は ABC と TAC を合わせるよう努力 平成 25 年における ABC を超える TAC 設定は スケトウダラ ( 太平洋系群 ( 資源水準 : 中位 ) 日本海北部系群 ( 資源水準 : 低位 )) とズワイガニ ( 日本海西部 ( 資源水準 : 中位 )) のみ ( 関係漁業者が小型魚の保護 産卵親魚等の保護のための漁期短縮 休漁など積極的に資源管理に取り組むことを含めて水産政策審議会で説明し TAC を設定 ) 過去の ABC TAC と漁獲実績 1 1 10 8 さんま すけとうだら ( オホーツク 根室抜き ) 35.0 3 25.0 15.0 1 5.0 5 3 1 まあじ 8 7 5 3 1 まいわし TAC 採捕量 ABC 10 8 まさば及びごまさば 7 5 3 1 するめいか ずわいがに (C D 海域抜き ) 8,000 トン 6,000 4,000 2,000 0 2

ABC と TAC との関係について 2 当初 ABC ( 再評価結果 ) 25 年漁期 当初 TAC 漁獲量見込み 自主的資源管理措置 すけとうだら太平洋系群 166 千トン (180 千トン ) 171 千トン 大臣 :101 千トン知事 :70 千トン 154 千トン 大臣 :99 千トン知事 :55 千トン 月別漁獲量の設定 ( 漁獲量の平準化 漁獲の抑制 ) 休漁及び刺し網の反数削減 ( 漁獲抑制 ) 定置網の漁獲量抑制のため目標漁獲量設定 すけとうだら日本海北部系群 7.6 千トン (6.5 千トン ) 13 千トン 大臣 :6.6 千トン知事 :5.4 千トン 9 千トン 大臣 :6 千トン知事 :3 千トン 操業日数の 15% 削減 ( 強度資源管理 ) 操業期間短縮 禁漁区設定 ( 産卵親魚保護 ) 体長 36 cm以下が漁獲された場合は漁場移動 ( 小型魚保護 ) TAC 配分数量の一部留保 ずわいがに日本海系群 A 海域 3,100 トン (3,800 トン ) 3,800 トン 大臣 :2,979 トン知事 :821 トン 3,500 トン 大臣 :2,700 千トン知事 :800 トン メスガニ ミズガニの漁期短縮 保護区 ( 操業自粛 ) の拡大 改良漁具導入 ( 稚ガニ保護等 ) ミズガニ (10.5 cm未満 ) カタガニ (9.5 cm未満 ) 等の漁獲自粛 ( 公的には 9 cm ) 3

TAC 魚種について 1 現在 採捕量が多く国民生活上重要な魚種であって 漁獲可能量を決定するに足るだけの科学的知見の蓄積があるもの 7 魚種を指定 7 魚種に次いで漁獲量の多いブリ カタクチイワシ等について 水産政策審議会及び広域漁業調整委員会等の場を通じ TAC 魚種への追加も含めてどのように資源管理に取り組むべきか検討中 近年の検討の経緯 平成 24 年 11 月 : 平成 25 年 2~3 月 : 第 59 回水産政策審議会資源管理分科会において カタクチイワシ ブリ ホッケ ウルメイワシ マダラをTAC 対象魚種の追加候補とすることについて議論 現時点で追加の必要性は低いが検討とした各広域漁業調整委員会において ブリ及びカタクチイワシの資源管理について議論を開始 TAC 対象魚種 TAC 対象検討魚種その他 4 月 : ホッケについては 道内の関係者が合意の上 漁獲動力量等 30% の削減に着手 5 月 : 広調委での検討状況を 資源管理分科会に報告 7~8 月 : 関係都道府県から資源管理に関する情報及び意見を聴取 11 月 : 広調委において 継続検討 11 月 : 広調委での検討状況を 資源管理分科会に報告し TAC 魚種の追加は実施せず 継続検討に合意平成 26 年広調委において検討を継続 3 月 : 10 9 8 7 5 3 1 漁獲量に占める都道府県漁業の比率 4

TAC 魚種について 2 カタクチイワシ ( 現状認識 ) ( 資源管理の考え方 ) ( 取組 課題 ) 系群毎に異なる資源状態 資源や漁獲は海洋環境に大きく影響 シラスから成魚まで満遍なく多様な知事管理漁業で漁獲 特定地域では関係者が連携して資源管理を実施 1 系群毎 地域毎に取り組む必要 2 資源の変動要因や漁業実態を踏まえると数量管理による効果は? 3 漁獲努力による管理が基本 1 系群毎 地域毎に資源管理に取り組む体制を構築する必要 2 関係者が資源や漁獲の情報を共有し 取り組むべき措置を検討する必要 3 上記状況を広調委に報告 ブリ 資源水準は高位 増加傾向 資源や漁獲は海洋環境に大きく影響 広範な分布回遊範囲はさらに拡大傾向 漁獲の 4 割は定置網 特定地域では関係者が連携して資源管理を実施 1 分布状況から全国一本で資源管理に取り組む必要 2 資源状態から早急に漁獲抑制が求められる状況にはない 3 漁獲の 5 割を占める定置網等沿岸漁業では数量管理を含め漁獲管理に技術的課題が存在 1 全国的な取組が求められており広調委で引き続き対応 2 関係者が資源や漁獲の情報を共有し 定置網等の漁獲管理措置を検討する必要 ホッケ 資源水準は低位 減少傾向 大臣管理漁業から知事管理漁業まで多様な漁業が利用 漁業者は関係団体 試験研究機関 行政の協力のもと 漁獲努力量の大幅削減に取組中 1 関係するすべての漁業者が協力して取り組む措置として漁獲努力量管理が基本 2 定置網等沿岸漁業では数量管理を含め漁獲管理に技術的課題が存在 1 漁業者が主体となり 関係団体 試験研究機関 行政が協力して 引き続き取組を推進 2 上記状況を広調委に報告 ウルメイワシ マダラ 資源や漁獲の状況 資源管理の現状を取りまとめ 平成 26 年秋の広調委で資源管理の方向を議論 5

TAC 期中改訂のルール化 透明性向上について 期中改訂のルールについては平成 21 年に策定し公表済み TAC( 漁獲可能量 ) 期中改定の基本ルール ( 平成 21 年策定 ) ケース 1 資源再評価結果に基づく TAC 改定 新たなデータに基づく資源再評価 (ABC 再算定 ) の結果を踏まえた TAC の改定 TAC 改定案は ABC 再算定値をベースに作成し 当初 TAC 設定時に採用された漁獲シナリオに基づく ABC を用いることを基本とする ケース 2 漁場形成に応じた配分量の調整にともなう TAC 改定 都道府県等への当初配分数量について 実際の漁獲の状況 (= 魚群の来遊状況 ) に応じて調整 ( 追加配分 ) を行うケース 漁場形成の年変動が大きいまあじ まいわし さば類を対象 漁期末までの合計採捕見込数量が 当初 TAC 数量を上回らない場合に 当初 TAC 数量と追加配分必要量を合計したものを TAC 改定案とする ケース 3 主たる生息水域が外国水域にある資源等の TAC 改定 跨がり資源等について 直近の来遊状況に対応して TAC の改定を行うケース 主たる生息水域が外国水域にある資源 ( すけとうだらオホーツク海南部 根室海峡及びずわいがにオホーツク海系群 ) 等を対象 CPUE( 単位努力量当たり漁獲量 ) 等により資源状況を定性的に検討しつつ 直近数ヶ月の漁獲量等のデータを参考に漁期末までの漁獲見込み数量を算出 さらに 外国水域における資源の情報等を参考にしつつ TAC 改定案を作成する 6

ITQ について 1 現在 IQ 方式を実施している漁業における 割当量の移動に関する現行の仕組みについて 現在 ミナミマグロ 大西洋クロマグロ及びベニズワイガニについて国の管理の下で IQ 制度を実施 その際 IQ の配分及び移動については 以下の仕組みで実施 ミナミマグロ及び大西洋クロマグロ - 漁業者は 毎年 漁獲量の限度の割当を申請する - 農林水産省は 1 資源の状況や地域漁業管理機関により定められた我が国に対する割当量 2 採捕を行う漁業者及び船舶の操業状況 ( 適格性 当該魚種を漁獲する能力等 ) を勘案し 船舶別に年間の漁獲量の限度の割当てを行う - 大西洋クロマグロ ミナミマグロについては 農水大臣は 同一漁業者の複数船舶に割当てられた漁獲量の限度について 漁業者から船舶別の割当量の変更申請があった場合は 変更することができる また 割当を受けた者が採捕しないなどの理由により 割当量に残余が生じる場合は 申請した量に満たない割当量を受けた者に再配分する ベニズワイガニ - 資源の状況 漁船の規模委 過去の漁獲実績等を勘案して配分 - ベニズワイガニついては 現在 同一漁業者の漁船間の割当量の移動や割当量に残余が生じた場合の再配分の仕組みがないが 必要かつ適切な場合には ミナミマグロ等と同様の方式が導入できないか検討 7

ITQ について 2 一部の国で導入されている漁業者間での割当の柔軟な移動を可能とする ITQ 方式を 我が国で一般的に導入することについては 以下のような観点から検討する必要があるのではないか 1 限られた水産資源を漁獲して国民に水産物を供給するという漁業の果たす公益的な機能を前提として 漁獲量の割当は無償で与えられているところであり 無償で入手した当該割当を当事者間において任意に売買することを認めることは不当利得を容認することとなるのではないか 2 漁獲量の割当を受けた漁業者が割当を使用しない場合には 第三者に売却するのではなく 行政に割当を一旦返還させ 行政が適格性を審査した上で新たな漁業者に対して無償で割当を行うことが最も公益に資するのではないか 3 水産施策上も漁業への新規参入が要請されるなかで 割当の購入が必要となるのであれば 新規参入者にとっては割当の確保による参入コスト増となるのではないか 4 割当量の移動という局面においても 割当量の追加配分を受けようとする場合には 当該漁業者の漁獲能力等を含め あらためて適格性の審査を行うことが適当ではないか 5 割当が利権化することにより TAC や ITQ の削減が困難となるなど 資源状況の改善には むしろ好ましくない影響を及ぼすおそれがあるのではないか 6 長年培われてきた操業慣行や操業秩序だけでなく 漁村社会に重大な影響を与えるおそれがあるのではないか 8