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アレルギー疾患対策基本法 ( 平成二十六年六月二十七日法律第九十八号 ) 最終改正 : 平成二六年六月一三日法律第六七号 第一章総則 ( 第一条 第十条 ) 第二章アレルギー疾患対策基本指針等 ( 第十一条 第十三条 ) 第三章基本的施策第一節アレルギー疾患の重症化の予防及び症状の軽減 ( 第十四条

●アレルギー疾患対策基本法案

アレルギー疾患対策基本法の施行について

⑤5 地方公共団体における検証等に関する調査結果

愛知県アルコール健康障害対策推進計画 の概要 Ⅰ はじめに 1 計画策定の趣旨酒類は私たちの生活に豊かさと潤いを与える一方で 多量の飲酒 未成年者や妊婦の飲酒等の不適切な飲酒は アルコール健康障害の原因となる アルコール健康障害は 本人の健康問題だけでなく 家族への深刻な影響や飲酒運転 自殺等の重大

資料1-1 HTLV-1母子感染対策事業における妊婦健康診査とフォローアップ等の状況について

を余儀なくされ 時には成長の各段階で過ごす学校や職場等において 適切な理解 支援が得られず 長期にわたり生活の質を著しく損なうことがある また アレルギー疾患の中には アナフィラキシーショックなど 突然症状が増悪することにより 致死的な転帰をたどる例もある 近年 医療の進歩に伴い 科学的知見に基づく

京都府がん対策推進条例をここに公布する 平成 23 年 3 月 18 日 京都府知事山田啓二 京都府条例第 7 号 京都府がん対策推進条例 目次 第 1 章 総則 ( 第 1 条 - 第 6 条 ) 第 2 章 がん対策に関する施策 ( 第 7 条 - 第 15 条 ) 第 3 章 がん対策の推進

Taro-(発番入り)【アレルギー疾患対策基本指針】

1 発達とそのメカニズム 7/21 幼児教育 保育に関する理解を深め 適切 (1) 幼児教育 保育の意義 2 幼児教育 保育の役割と機能及び現状と課題 8/21 12/15 2/13 3 幼児教育 保育と児童福祉の関係性 12/19 な環境を構成し 個々 1 幼児期にふさわしい生活 7/21 12/

第3章 調査のまとめ

72 豊橋創造大学紀要第 21 号 Ⅱ. 研究目的 Ⅲ. 研究方法 1. 対象 A B

Microsoft Word - 【第1回連絡協議会参考資料①】アレルギー疾患対策基本法

( 別添 ) 健発 0321 第 1 号 平成 29 年 3 月 21 日 都道府県知事政令指定都市市長中核市市長 殿 厚生労働省健康局長 ( 公印省略 ) アレルギー疾患対策の推進に関する基本的な指針を策定する件について アレルギー疾患対策の総合的な推進を図るため アレルギー疾患対策基本法 ( 平

草津市 ( 幼保一体化 ) 集計表 資料 4 幼児教育と保育の一体的提供のための現況調査 ( 施設アンケート ) 速報 平成 25 年 7 月草津市 1

2011 年 7 月 28 日放送第 47 回日本小児アレルギー学会シンポジウム7 アトピー性皮膚炎を考える から 学校保健における管理指導表の利用と課題 関東中央病院皮膚科部長日野治子はじめに私は市中の一診療病院に勤務しています アトピー性皮膚炎の患者さんも 小児から中年過ぎまで多数来院されます

 

子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案要綱

13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

医療的ケア児について

障害児・発達障害支援_

第 2 章計画の推進及び進行管理 1 計画の推進 県 市町村及び県民が 関係機関等と相互に連携を図りながら 県民の歯 口腔の健康づくりを推進します 県における推進 (1) 全県的な推進 県全域の課題を踏まえた基本的施策や方向性を示すとともに 取組の成果について継続的な評価を行い 県民の生涯を通じた歯

歯科中間報告(案)概要

出時に必要な援助を行うことに関する知識及び技術を習得することを目的として行われる研修であって 別表第四又は別表第五に定める内容以上のものをいう 以下同じ ) の課程を修了し 当該研修の事業を行った者から当該研修の課程を修了した旨の証明書の交付を受けた者五行動援護従業者養成研修 ( 知的障害又は精神障

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2 保険者協議会からの意見 ( 医療法第 30 条の 4 第 14 項の規定に基づく意見聴取 ) (1) 照会日平成 28 年 3 月 3 日 ( 同日開催の保険者協議会において説明も実施 ) (2) 期限平成 28 年 3 月 30 日 (3) 意見数 25 件 ( 総論 3 件 各論 22 件


平成29年度 障害者白書(PDF版)

年中児スクリーニングの事後支援 年中児スクリーニングの事後支援として 22 市町村が園巡回を実施しているが SST は 5 市町村の実施 ペアレントトレーニングは 7 市町村の実施に止まっており 事後支援を実施する市町村の拡大が課題 園巡回 : 専門職が保育所 幼稚園を巡回し 保育士等に指導 助言



平成30年度精神保健に関する技術研修過程(自治体推薦による申込研修)

3 睡眠時間について 平日の就寝時刻は学年が進むほど午後 1 時以降が多くなっていた ( 図 5) 中学生で は寝る時刻が遅くなり 睡眠時間が 7 時間未満の生徒が.7 であった ( 図 7) 図 5 平日の就寝時刻 ( 平成 1 年度 ) 図 中学生の就寝時刻の推移 図 7 1 日の睡眠時間 親子

鳥居薬品株式会社 ( 本社 : 東京都 代表取締役社長 : 髙木正一郎 ) は 全国の通年性アレルギー性鼻炎 花粉症のいずれかの症状を自己申告いただいた本人 (15~64 歳 )4,692 名 ( 各都道府県 100 名 山梨県のみ 92 名 ) と 子ども (5 歳 ~15 歳 ) が両疾患のいず

4 研修について考慮する事項 1. 研修の対象者 a. 職種横断的な研修か 限定した職種への研修か b. 部署 部門を横断する研修か 部署及び部門別か c. 職種別の研修か 2. 研修内容とプログラム a. 研修の企画においては 対象者や研修内容に応じて開催時刻を考慮する b. 全員への周知が必要な

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(1) 家庭的保育事業 項目 国基準 区分 保育業者 家庭的保育者 市町村長が行う研修を修了した保育士 保育士と同等以上の知識及び経験を有すると市町村長が認める者 家庭的保育補助者 市町村長が行う研修を修了した者 数 0~2 歳児 3:1( 家庭的保育補助者を置く場合 5:2) 保育を行う専用居室

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Q7 生活管理指導表の記入の際に費用はかかりますか? A7 生活管理指導表は 健康保険の適用にはならず 自由診療となりますので 文書料などが発生する場合があります Q8 生活管理指導表における個人情報の取り扱いは? A8 生活管理指導表には アレルギー疾患を持つ子どもたちが 安心して保育所生活を送る

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【資料3】「児童福祉法等の一部を改正する法律」の概要(7.22現在)

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様式 1 食物アレルギーを持つ児童の保護者との面談調査票 ( 保護者 保育園記入用 ) 面談実施日 : 平成年月日 面談出席者 : 保護者側 保育園側 児童の情報 ( 保護者記入欄 ) クラス : 組 児童氏名 : 性別 : 男子 女子 生年月日 : 平成 年 月 日 年齢 : 歳 住 所 : 保護

< 糖尿病療養指導体制の整備状況 > 療養指導士のいる医療機関の割合は増加しつつある 図 1 療養指導士のいる医療機関の割合の変化 平成 20 年度 8.9% 平成 28 年度 11.1% 本糖尿病療養指導士を配置しているところは 33 医療機関 (11.1%) で 平成 20 年に実施した同調査


都道府県単位での肝炎対策を推進するための計画を策定するなど 地域の実情に応じた肝炎対策を推進することが明記された さらに 近年の状況等を踏まえ 平成 28 年 6 月に基本指針の改正を行い 肝炎対策の全体的な施策目標を設定すること等が追記された 都は 肝炎をめぐる都内の状況や基本指針の改正を踏まえ

別添2 乳児家庭全戸訪問事業の実施状況

児童発達支援又は放課後等デイサービス事業に係る自己評価結果公表用(あかしゆらんこクラブ)

第3章 指導・監査等の実施

6 級 1 課長 担当課長及び消防司令長の職務 2 困難な業務を処理する課長補佐の職務 3 特に困難な業務を処理する担当課長補佐及び消防司令の職務 内訳 職制上の段階 課長 30 交流拠点都市推進室長 1 金沢美術工芸大学建設準備室長 1 ICT 推進室長 1 交流戦略推進室長 1 庁舎等周辺整備室

認知症医療従事者等向け研修事業要領

揖斐川町デイサービスセンター運営規程

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●子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案

乳児家庭全戸訪問事業(一部改正)

相談内容 1 アトピー性皮膚炎 + 食物アレルギー ( アナフィラキシー歴有 )+ 喘息疾患の小学生男児 年齢が上がるにつれて自分が管理していくことになるが 家でできる子どもへの指導方法 ( 教育方法 ) を知りたいです ライフサイクルに合わせた対処方法を子どもに教えたいです 回 答 1 お薬につい

(2)-2 退所時 ( 契約入所の場合 ) 保護者と児童福祉施設等の契約に基づき入所している子どもについては 児童福祉法に基づく障害児施設給付費の支給を行う都道府県が把握していることから 当該都道府県が施設の所在する市町村及び保護者の住所地の市町村へ退所した旨を通知することにより 二重支給を防止し

高齢者虐待防止対応マニュアル別冊 6 関係機関との連携 (1) 各機関の役割 市町村や地域包括支援センター等の関係機関は それぞれ対応可能な範囲があります 範囲を超えた対応は行うことができません また 事例によって関係機関の対応を依頼する場合があります 市町村が中心となるコアメンバー会議によって 大

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小児_各論1の2_x1a形式

)各 職場復帰前 受入方針の検討 () 主治医等による 職場復帰可能 との判断 主治医又はにより 職員の職場復帰が可能となる時期が近いとの判断がなされる ( 職員本人に職場復帰医師があることが前提 ) 職員は健康管理に対して 主治医からの診断書を提出する 健康管理は 職員の職場復帰の時期 勤務内容

乳幼児健康診査について

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このような現状を踏まえると これからの介護予防は 機能回復訓練などの高齢者本人へのアプローチだけではなく 生活環境の調整や 地域の中に生きがい 役割を持って生活できるような居場所と出番づくりなど 高齢者本人を取り巻く環境へのアプローチも含めた バランスのとれたアプローチが重要である このような効果的

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個人情報の取り扱いについて 公益財団法人岩手県予防医学協会 個人情報保護管理責任者常務理事 公益財団法人岩手県予防医学協会 ( 以下 協会 という ) は 健康診断等で取得した個人情報 を協会の個人情報保護基本規程に従って適正に管理し 以下のとおりお取り扱いさせていただき ますので 個人情報の提供


有症率 食物アレルギー は どのような人に いつ どんな原因で発生するのでしょう 発生状況や原因 症状の割合など を知ることは このテーマと向き合う出発点になります ここでご紹介する 食物アレルギーの発症を数え上げる 視点 手法は このテーマに注目するべき領域をわかりやすく示すものでもあります 食物

1. 子育て短期支援事業の概要 根拠法 子育て短期支援事業 は 児童福祉法 ( 昭和 22 年法律第 164 号 以下 法 という ) 第 6 条の 3 第 3 項に規定する市町村が実施する事業 用語の意味 児童 児童福祉法第 4 条に規定する者をいう 保護者 児童福祉法第 6 条に規定する者をいう

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Microsoft PowerPoint - 9-2桜川市(2)

函館市の障がい者虐待の現状について 1 養護者による障がい者虐待についての対応状況 (1) 相談 通報対応件数および相談 通報者 函館市要援護高齢者 障がい者対策協議会 平成 30 年 2 月 7 日 1 件の事例に対し複数のものから相談 通報があった場合, それぞれの該当項目に重複して計上されるた

履修モデル 1 短期大学士 ( ) 二種免許状 保育士 認定ベビーシッター の区分 資格 単位数保育士 資格必要単位数 保育士 認定ベビーシッター 卒修業科選目択必 個々の学生の得意な分野を伸ばし 魅力のある保育者を育てる 子どもの保健 Ⅰ 1 必修 必修 4 保育原理 1 必修 必修 2 児童家庭

後期高齢者医療制度のしおり_2013

1 子ども 子育て支援新制度がはじまります 子ども 子育て支援法 等の成立により すべての子どもと子育て家庭を総合的に支援していく 子ども 子育て支援新制度 が平成 27 年 4 月から全国的にスタートします 子ども 子育て支援新制度 では 幼稚園や保育所 地域の子育て支援の充実を図るとともに 認定

に養育されるよう また 児童を家庭及び当該養育環境において養育することが適当でない場合は 児童ができる限り 良好な家庭的環境 において養育されるよう 必要な措置を講ずることとする ( 同法第 3 条の2) なお 家庭 とは 実父母や親族等を養育者とする環境を 家庭における養育環境と同様の養育環境 と

( 誓約事項 ) 児童福祉法第 19 条の9 第 2 項に該当しないことを誓約すること 1 第 1 号関係申請者が 禁錮以上の刑に処せられ その執行を終わり 又は執行を受けることがなくなった日を経過していない 2 第 2 号関係申請者が 児童福祉法その他国民の保健医療若しくは福祉に関する法律 ( 医

Taro-07_学校体育・健康教育(学

2コアメンバー会議の開催時期コアメンバー会議は 事実確認調査で得られた情報や相談 通報内容に基づき 緊急性を判断し 緊急性が高いと判断される事例については 早急に開催します 3 協議内容 虐待の事実認定情報の内容により虐待の事実の有無の判断を行います 情報の内容虐待の事実の有無の判断 高齢者の権利を

6 級 7 級 8 級 1 課長の職務 2 室長の職務 3 困難な業務を所掌する所長の職務 4 総括主幹の職務 5 消防副署長の職務 1 部長の職務 2 区長の職務 3 次長の職務 4 委員会等の事務局長の職務 5 特に困難な業務を所掌する所長の職務 6 参事又は技監の職務 7 消防署長の職務 1

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Microsoft Word - ●資料2「児童自立支援施設について」

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スライド 1

一性的指向又は性自認を理由とする差別の解消等の推進に関する法律案要綱第一総則一目的この法律は 全ての国民が その性的指向又は性自認にかかわらず 等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものであるとの理念にのっとり 性的指向又は性自認を理由とする差別の解消等の推進に関する基本的な事

十和田市 事業別に利用数をみると 一時預かりは 年間 0 (.%) 以 上 (.) - (.%) の順となっています 問. 一時預かり ( 年間 ) n= 人 以上. 幼稚園の預かり保育は 年間 0 (.%) 以上 (.%) (.%) の順となっています ファミリー サポー

<報道関係各位>                         2012年1月●日

1 がんに対する印象 認識について (1) がんに対する印象 問 1 あなたは, がんについてどのような印象を持っていますか この中から 1 つだけお答えください こわいと思わない( 小計 ) 22.4% 24.6% こわいと思わない 12.1% 13.6% どちらかといえばこわいと思わない 10.

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資料 3 全国精神保健福祉センター長会による自殺予防総合対策センターの業務のあり方に関するアンケート調査の結果全国精神保健福祉センター長会会長田邊等 全国精神保健福祉センター長会は 自殺予防総合対策センターの業務の在り方に関する検討チームにて 参考資料として使用されることを目的として 研修 講演 講

資料 4 医療等に関する個人情報 の範囲について 検討事項 医療等分野において情報の利活用と保護を推進する観点から 医療等に関する個人情報 の範囲をどのように定めるべきか 個別法の対象となる個人情報としては まずは 医療機関などにおいて取り扱われる個人情報が考えられるが そのほかに 介護関係 保健関

今回の調査では 主に次のような結果が得られました 花粉症の現状と生活に及ぼす影響の実態 スギ花粉症を初めて発症してから 10 年以上経つ人が 66.8% と 長年花粉症に悩まされている人が多いという結果に 10 年以上経つ人の割合が多い地域としては静岡県 栃木県 群馬県 山梨県等が上位に 今までにス

区分

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リウマチケア看護師規則(案) 21/11・1

二さらに現代社会においては 音楽堂等は 人々の共感と参加を得ることにより 新しい広場 として 地域コミュニティの創造と再生を通じて 地域の発展を支える機能も期待されている また 音楽堂等は 国際化が進む中では 国際文化交流の円滑化を図り 国際社会の発展に寄与する 世界への窓 にもなることが望まれる

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岐阜市における「医薬品の正しい使い方」に関する調査アンケート結果

Transcription:

児童相談所 児童養護施設における アレルギー対応の課題 NPO 法人アレルギーを考える母の会園部まり子長岡徹 平成 30 年 10 月 21 日 日本小児アレルギー学会

日本小児アレルギー学会 CO I 開示筆頭発表者名園部まり子 演題発表に関連し 開示すべき CO I 関係にある企業などはありません

寄せられる相談は深刻

地域 職場で患者を支える支援 大気汚染の防止受動喫煙の防止適正な森林整備 学 校 保育所など保育関連施設 学 童 児童相談所 児童福祉施設 老人福祉施設 障害者支援施設 職 幼稚園 場 アレルギー疾患対策基本法に基づく取り組み ( アレルギー疾患対策の推進に関する基本的な指針 ( 平成 29 年 3 月 21 日 ) および アレルギー疾患医療提供体制の在り方について ( 平成 29 年 7 月 ) を基に作成 ) 医療の均てん化 患者支援 連絡協議会 医療の均てん化 連携 ( 独 ) 国立病院機構相模原病院 国立研究開発法人成育医療研究センター 都道府県アレルギー疾患医療拠点病院 都 中心拠点病院 道府 情報提供 相談 県 研究の推進 連携 医 師 薬剤師 看護師 臨床検査技師 保健師 助産師 管理栄養士 栄養士 調理師 教職員 保育士 災害対策 継続的な研修の実施 養成教育の見直し 保健指導 ( 健診 ) 都道府県アレルギー疾患医療協議会 都道府県 拠点病院 医療機関 医療従事者 医師会 市町村 教育関係者 患者 住民などで構成 都道府県アレルギー疾患対策推進計画 関係学会等の認定制度 アレルギー表示

都道府県 市町村の主な役割 ( アレルギー疾患対策の推進に関する基本的な指針 ) 第 1 アレルギー疾患対策の推進に関する基本的な事項 (2) 国 地方公共団体 医療保険者 国民 医師その他の医療関係者及び学 校等の設置者又は管理者の責務 カ学校 児童福祉施設 老人福祉施設 障害者支援施設その他自ら十分に療養 に関し必要な行為を行うことができない乳幼児 児童 生徒 ( 以下 児童 等 という ) 高齢者又は障害者が居住し又は滞在する施設の設置者又は 管理者は 国及び地方公共団体が講ずるアレルギー疾患の重症化の予防及び 症状の軽減に関する啓発及び知識の普及等の施策に協力するよう努めるとと もに その設置又は管理する学校等において アレルギー疾患を有する児童 等 高齢者又は障害者に対して 適切な医療的 福祉的又は教育的配慮をす るよう努めなければならない 第 2 アレルギー疾患に関する啓発及び知識の普及並びにアレルギー疾患の予防のための施策に関する事項 (2) 今後取組が必要な事項について 国は 地方公共団体に対して市町村保健センター等で実施する乳幼児健康診 査等の母子保健事業の機会を捉え 乳幼児の保護者に対する適切な保健指導 や医療機関への受診勧奨等 適切な情報提供を実施するよう求める

児童相談所 児童養護施設アンケート 当会は平成 25 年から神奈川県内の児童相談所の要請を受け アレルギー専門医などを講師にした職員研修会のコーディネートを行っている 平成 29 年度 30 年度に各 1 回 (2 月 28 日 6 月 29 日 ) 行った研修会の参加者に アレルギー対応の実情を聞き 課題を明らかする同内容のアンケートを行った 研修参加者 :32 人 ( 回答率 87.5%) アンケート回答者 28 人

アンケート内容 < 一時保護について > 〇アレルギーの子どもの一時保護を担当したことがあるか? 過去一年間でかかわった一時保護の全体の件数 : そのうちアレルギーの病気がかかわっている件数 : ( 食物アレルギー喘息アトピー性皮膚炎花粉症その他 ) 〇アレルギーの病気がかかわった一時保護の対応事例 ( 差し支えない範囲で経過など出来るだけ具体的に ) 〇アレルギーの対応で特に困った事例〇アレルギー対応について相談できる人 部門などはあるか? ある ( 具体的に : ) ない 〇今回の研修以外にアレルギー研修に参加したことがあるか? ある ( 具体的に ) ない 〇必要と考える対応 体制などの意見 希望

< 研修参加者の内訳 > < 施設別内訳 > A 児童相談所 18 人 B 児童相談所 4 人 C 児童相談所 1 人 D 学園 ( 児童養護施設 ) 1 人 E 学園 ( 児童養護施設 ) 1 人 F ベビーホーム ( 乳児院 ) 2 人 G 肢体不自由児療護施設 1 人 合 計 28 人 < 職種別内訳 > 児童指導員 7 人 保育士 5 人 管理栄養士 4 人 児童福祉士 3 人 社会福祉士 2 人 児童心理士 2 人 社会福祉主事 1 人 看護師 1 人 保健師 1 人 栄養士 1 人 未回答 1 人 合 計 28 人

< 子どもの 一時保護 とアレルギー > 過去 1 年間の一時保護件数 アレルギーが関わっていた件数 A 児童相談所 150 人 30 人 (20%) B 児童相談所 300 人 40 人 (13%) C 児童相談所 100 人 20 人 (20%) E 学園 ( 児童養護施設 ) 7 人 4 人 (57%) F ベビーホーム ( 乳児院 ) 17 人 5 人 (29%) ( 児童相談所の一時保護件数は概数 ) 症状は食物アレルギー 喘息 アトピー性皮膚炎 花粉症

< 相談できる人 部門はあるか > ある 16 人 (57%) 福祉事務所医師 (1) かかりつけ医師 (3) 看護師 (9) 保健師 (7) 栄養士 (4) ケースワーカー (1) 保育士 (1) ない 7 人 (25%) 未回答 5 人 (18%) 未回答, 5, 18% ない, 7, 25% ある, 16, 57% 未回答, 8 人, 29% ある, 4 人, 14% ない, 16 人, 57% < 研修を受けたことがあるか > ある 4 人 (14%) 主催 : 教育委員会 (1) 行政栄養士会 (1) 児童養護施設 (1) ない 16 人 (57%) 未回答 8 人 (29%)

一時保護の対応事例 ハウスダウトのアレルギー ということで担当 CW から保護所内の換気をこまめにしてほしいと依頼があった しかし保護所で外 ( 施錠開放 ) の空気を何度も入れ替えるのは無断外出や外部の人の侵入の危険があり最低限にしなければならず 匙加減がむずかしかった 一時保護で夜間に受け入れた子どものアレルギー食の提供で困った 食物アレルギー ( 大豆 乳 卵 ) のある中学生 他児とメニューが違うためチェックが大変だった 喘息の子が天候や季節ですぐに体調を崩し 入退院を繰り返していた 食物アレルギーでアレルゲンの情報があれば除去対応 情報がなければ情報が来るまで 塩むすび を提供した 本当にアレルギーなのか 食物なら好き嫌いかわからない バターは駄目といいながらクッキーは OK という児もいた 確認したくても養育者が不在 検査するのか お金はどうするのか? 日光 (?) アレルギーの子どもが入所した際 外出するときはクリームのようなものを塗っていた 窓から入る日光にも反応はでるのか? 有効な対策はあるのか? アレルギー児は基本的にお代わりできず 好物があってもお代わりをさせてあげられなくて 心苦しい思いをすることがある アレルゲンとなる食品が多いと他児童とメニューが異なり 本人も他児もそのことに敏感になったり 自己判断で 食べられる と意地になったりと 精神的な援助が重要になっていた

一時保護の対応事例 子どもは自分では行動の抑制ができない 喘息で苦しいのに走り回って遊んでいる 掻くとひどくなるのに掻いてしまう 子どもの気持ちとアレルギーの症状 そのどちらにも対応していくのが難しい 夜間の緊急保護でアレルギーの有無が分からなかった カップ麺のシーフードは食べられないと言っていた子がいたが あらかじめ除去してお湯を注げば食べられるのか迷った 食物アレルギー児が他児と一緒に食事をとる際 他児の目や言葉に傷つけられてしまう 一緒に食事をする中で配膳ミスが何度かあった 食べることはなかったが その際使う エピペン の使い方が分からなかった 乳児のアレルギーによる肌荒れ 保護者の意に反して一時保護したお子さんで 皮膚の荒れのケアを適切にしていないとクレームを受け 引き取りの理由とされトラブルになった 職場全体で同じ知識を共有できること 必要と考える対応 体制 定期的にアレルギーについての知識を共有できる機会がほしい アレルギーの基本的な知識は 突発的に子どもを預かる ( 事前の情報がない状態で ) 一時保護所の職員には必要な知識だと思う 夜間でも相談できるダイヤルがあるといい 緊急時に 24 時間相談できる体制が必要 警察署 ( 生活安全課 ) の署員にも研修が必要だと思う

< アンケート結果まとめ > 一時保護 で入所する子どもたちの 13%~57%( 施設別 ) にアレルギーの病気があった 症状は食物アレルギー 喘息 アトピー性皮膚炎 花粉症だった 担当する職員の 57% は アレルギーについて相談できる と答え 相談先の大半は自施設の看護師 保健師だった アレルギー疾患に関する研修に参加したことがある職員は 14% 57% は参加したことがなかった 対応事例からは 必ずしも適切な診断がなされていない実情 必要な対応を職員が十分には理解していない実情が浮き彫りにされた 必要と考える対応 体制 では定期的な研修 緊急時にいつでも相談できる体制を求める声があった 関係する警察官に対する研修も必要とする声があった

< 結 語 > 児童相談所 児童養護施設等の職員に対する アレルギー専門医が担当する研修を定期的に行う必要がある 研修会には関係する警察官も参加できる 緊急の 一時保護 で預かるアレルギーの子どもの対応について相談できる 24 時間体制の相談機能を合理的な単位で設置する必要がある

アレルギー疾患対策の推進に関する基本的な指針 第 5 その他アレルギー疾患対策の推進に関する重要事項 (1) アレルギー疾患を有する者の生活の質の維持向上のための施策に関する事項 ア ) 国は アレルギー疾患を有する者への対応が求められることが多い保健師 助産師 管理栄養士 栄養士及び調理師等 ( 以下 保健師等 という ) がアレルギー疾患への対応に関する適切な知見を得られるよう 地方公共団体に対して 関係学会等と連携し講習の機会を確保することを求める イ ) 国は 保健師等の育成を行う大学等の養成課程におけるアレルギー疾患に対する教育を推進する ウ ) 国は 保健師等のアレルギー疾患に係る知識及び技能の向上に資するため これらの職種に関連する学会等が有する認定制度の取得等を通じた自己研鑽を促す施策等の検討を行う

終わりに 子どもの居場所での支援 地域の取り組みに 多くの先生方の参画が期待されています