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危険物乙 4 試験 インプットテキスト ジャスト危険物乙 4 ジャスト危険物乙 4 1

ジャスト危険物乙 4 2

目次 1 危険物に関する法令 1-1 消防法上の危険物 5 1-2 指定数量 7 1-3 危険物規制の法令体系 9 1-4 製造所等の設置 ( 変更 ) 許可 完成検査 仮使用 10 1-5 各種申請 届出手続 13 1-6 危険物取扱者制度 14 1-7 危険物取扱免状の交付 書換え 再発行 15 1-8 危険物保安講習 16 1-9 危険物保安統括管理者 危険物保安監督者 危険物施設保安員 18 1-10 予防規定 20 1-11 定期点検 21 1-12 保安距離 保有空地 22 1-13 各製造所等の基準 設備 26 1-14 屋内貯蔵所の基準 設備 27 1-15 屋外タンク貯蔵所の基準 設備 28 1-16 屋内タンク貯蔵所の基準 設備 30 1-17 地下タンク貯蔵所の基準 設備 31 1-18 簡易タンク貯蔵所の基準 設備 33 1-19 移動タンク貯蔵所の基準 設備 34 1-20 屋外貯蔵所の基準 設備 35 1-21 給油取扱所の基準 設備 36 1-22 顧客に自ら給油をさせる給油取扱所 ( いわゆるセルフ型スタンド ) の基準 設備 37 1-23 販売取扱所の基準 設備 37 1-24 移送取扱所の基準 設備 38 1-25 一般取扱所の基準 設備 38 1-26 標識 掲示板 39 1 27 消火設備 40 1-28 貯蔵 取扱いの基準 41 1-29 施設区分ごとの取扱いの基準 42 1-30 運搬の基準 43 1-31 移送の基準 44 1-32 義務違反に対する措置 45 ジャスト危険物乙 4 3

2 基礎的な物理学及び基礎的な化学 2-1 物質の状態変化 47 2-2 熱量と比熱と熱膨張 49 2-3 静電気 50 2-4 物質の変化 51 2-5 物質の種類 52 2-6 酸 塩基 中和 ph 酸化と還元 53 2-7 金属類 55 2-8 有機化合物 55 2-9 燃焼 56 2-10 燃焼の仕方 56 2-11 燃焼の難易 57 2-12 引火点 発火点 燃焼範囲 57 2-13 自然発火 58 2-14 消火理論 59 2-15 消火薬剤 60 3 危険物の性質ならびにその火災予防及び消火の方法 3-1 類毎に共通する性状等 62 3-2 第 4 類に共通する特性 63 3-3 第 4 類に共通する火災予防の方法 64 3-4 第 4 類に共通する消火の方法 64 3-5 特殊引火物 65 3-6 第 1 石油類 66 3-7 アルコール類 67 3-8 第 2 石油類 68 3-9 第 3 石油類 70 3-10 第 4 石油類 71 3-11 動植物油類 72 3-12 第 4 類危険物の比較 73 3-13 事故事例と対策 75 ジャスト危険物乙 4 4

1 危険物に関する法令 1-1 消防法上の危険物 危険物とは 一般に引火性物質 爆発性物質 有害性物質 放射性物質等を総称している 消防 法に定める危険物とは 消防法別表に定めたものである 危険物取扱者試験の試験範囲は 消防法 別表に定めたものだけである よって 火薬やダイナマイトやサリンやプルトニウムや硫酸や塩酸や水銀や青酸カリやプロパン ガスや天然ガスや水素ガスや木材等は一般に危険な物質であっても 試験の対象にはならない 消防法に定める危険物は 化学的 物理的性質に従い第 1 類から第 6 類に分類されている 乙 4 類試験の対象となる第 4 類は 引火性液体である 第 1 類から 6 類についても 大まかな性質を理 解する必要がある なお 常温 (20 ) 常圧において 気体である危険物は存在しない 類別性質代表的な物質 第 1 類 第 2 類 酸化性固体 可燃性固体 自らは燃えない 過熱 衝撃 混合で他の可燃物を 激しく燃やす 低い温度 (40 程度 ) で引火しやすい 着火しやす い 燃焼速度が速い 可燃物 過酸化ナトリウム 塩素酸カリウム 過酸化ナトリウム 過酸化リチウム 亜塩素酸ナトリウム 硝酸カリウム よう素酸ナトリウム 過マンガン酸カリウム 固形アルコール 鉄粉 硫黄 赤リン これ最重要! 第 3 類 自然発火性物質及び禁水性物質 空気と触れると自然発火する 水と触れると発火する カリウムナトリウムリチウム黄りんカルシウムバリウムジエチル亜鉛水素化ナトリウム炭化カルシウム ジャスト危険物乙 4 5

引火性の液体である 引火点が低い 水より軽い ガソリン 灯油 第 4 類 引火性液体 軽油 ベンゼン 自ら酸素を持つ 過熱 摩擦 衝撃で発火や爆発す ニトログリセリン 第 5 類 自己反応性物質 る 硝酸メチルニトロセルロース過酸化ベンゾイルピクリン酸硫酸ヒドラジン 自ら燃えない 可燃物と混ぜると着火する 4 類と 硝酸 第 6 類 酸化性液体 の混載不可 発煙硝酸過酸化水素過塩素酸三ふっ化臭素 五ふっ化臭素 表各類危険物の種類と性質と代表的な物質 頭の固い ひと に 駅で む しされた ( 頭の固い人に駅で無視された ) 以上の文から 固体は 1 と 2 類 液体は 6 と 4 類という事が分かる 残りの 3 と 5 類は液体又は固体という事が分かる ジャスト危険物乙 4 6

1-2 指定数量要 指定数量とは 物質によって危険度が異なるため それぞれを政令でランク付けし 別表に定めているものである 基本的に指定数量の数値が少ない程 危険度が高いことになる もっとも危険な特殊引火物については 50リットルで もっとも危険性の低い動植物油類については1000 0lである なお 指定数量については 全国統一の基準が用いられる そして 原則として 指定数量以上の危険物は製造所等以外の場所で貯蔵し 取扱うことはできない また ガソリンがドラム缶単位で出題されることもある ( ドラム缶 1 本で200リットルである ) ドラム缶単位から 指定数量に換算できる必要がある 指定数量 10000l 指定数量 200l 水溶性液体は水に溶けて危険性が低くなる これ最重要! 品名 性質 物品 指定数量 特殊引火物 ジエチルエーテル 二硫化炭素 アセトアルデヒド 酸化プロピレン 50l 第 1 石油類 非水溶性ガソリン ベンゼン トルエン 酢酸エチル 200l 水溶性アセトン ピリジン 400l アルコール類 水溶性 メチルアルコール エチルアルコール 400l 第 2 石油類 非水溶性灯油 軽油 クロロベンゼン キシレン 1000l 水溶性酢酸 プロピオン酸 アクリル酸 2000l 第 3 石油類 非水溶性重油 クレオソート油 ニトロベンゼン 2000l 水溶性エチレングリコール グリセリン 4000l 第 4 石油類 非水溶性 ギアー油 シリンダー油 マシン油 6000l 動植物油類 非水溶性 ヤシ油 アマニ油 10000l 2 倍 2 倍 2 倍 表第 4 類危険物の指定数量と代表的な物質 ジャスト危険物乙 4 7

5 時 ( だよ ) 兄 ( ちゃん ) 夜 ( になったら ) ひと ふ ろ ( 入ったら ) 満月を見に行こう 水溶性を飛ばして暗記している 水溶性の物質 ( 第 1~3 石油類 ) はそれぞれ倍にすれば良い 特殊引火物 50 5 時 ( だよ ) 第 1 石油類 200 兄 ( ちゃん ) アルコール類 400 夜 ( になったら ) 第 2 石油類 1000 ひと 第 3 石油類 2000 ふ 第 4 石油類 6000 ろ ( 入ったら ) 動植物類 10000 満月 ( を見に行こう ) なお 同一の場所で複数の危険物を取り扱う場合には 以下の式で指定数量の倍数を計算する ここがポイント! 同一場所で A の物質のみを取扱う場合の計算 ( 法 10 条 2 項 ) Aの貯蔵量指定数量の倍数 = Aの指定数量 同一場所で複数の物質の計算 A と B を取扱う場合 Aの貯蔵量 Bの貯蔵量指定数量の倍数 = + Aの指定数量 Bの指定数量 ジャスト危険物乙 4 8

危険物には等級がある 危険性の程度に応じて 区分されている 危険物の危険性の高い順に危険 等級 Ⅰ 危険等級 Ⅱ 危険等級 Ⅲ を三区分されている 危険等級の区分は 危険物の貯蔵容器の種 類と最大容積 最大収容重量の制限 運搬と外部の表示等で必要となる 危険等級 Ⅰ Ⅱ Ⅲ 品名等特殊引火物第 1 石油類 アルコール類第 2 石油類 第 3 石油類 第 4 石油類 動植物油類 表危険等級と第 4 類危険物 1-3 危険物規制の法令体系 危険物が指定数量以上になると 規制する基準は法律 ( 日本全国で適用 ) となる つまり 指定数量以上の危険物の貯蔵 取扱い 運搬については全て 消防法やそれを受けてできた政省令が適用される これに対し 危険物が指定数量未満の場合には 原則として条例 ( 市町村や都道府県の議会がつくる法規範 ) が適用される そのため 指定数量未満の危険物の貯蔵 取扱いについては 条例が適用される もっとも 指定数量未満であっても 運搬については法律が適用される このような例外が設けられた理由は 運搬については移動を伴うため一地方自治体の枠を超えるため 全国的な法律が適用される方が統一的な取扱いができるからである これ重要! 分類 指定数量以上 指定数量未満 指定数量の1/5 未満 運搬 法律 ( 全国一律 ) による規制 法律 ( 全国一律 ) による規制 法律による規制 貯蔵 法律 ( 全国一律 ) による規制 条例 ( 地方自治体 ) による規制 規制なし 取扱い 法律 ( 全国一律 ) による規制 条例 ( 地方自治体 ) による規制 規制なし 表指定数量による規制法令の違い ジャスト危険物乙 4 9

1-4 製造所等の設置 ( 変更 ) 許可 完成検査 仮使用 製造所等の設置や変更工事や仮使用や完成検査や完成や完成検査済証についての順序 設置又は変更する者 行政庁の側 設置又は変更の申請 許可書交付 工事着工 ( 完成検査前検査申請 ) ( 完成検査前検査実施 ) 工事完成 完成検査申請 完成検査実施 完成検査済書交付 使用開始 ジャスト危険物乙 4 10

製造所等の各種申請 ( 許可 認可 承認 届出等 ) は法令に基づき 市町村長等に対し行わなければならない そして 危険物施設を設置又は変更しようとする場合には 申請書及び添付書類を提出し 許可を取り工事をし 工事完了後に市町村長等の完成検査に合格する必要がある さらに 完成検査済書を交付されて初めて使用開始をすることができる なお 通常の製造所等では 完成検査前申請と完成検査前検査を省略する しかし 製造所等で液体の危険物を貯蔵し 又は取扱うタンクを設置又は変更する場合は タンク容量が指定数量未満の場合を除き 特定事項について ( 例 : タンクの水張等の検査 ) 完成検査前に 完成検査前検査申請と完成検査前検査を受ける必要がある 許可権者 製造所を設置又は変更する場合の許可権者は 原則として市町村長である しかし 移送取扱所のみ許可権者が違うため注意が必要となる すなわち 2つ以上の都道府県 にまたがり設置される移送取扱所の設置については 総務大臣が許可権者となる また 2つ以上 の市町村にまたがり設置される移送取扱所の設置については 都道府県が許可権者となる 一つの 地域のみに設置される移送取扱所については 市町村長が 許可権者になる 上記をまとめると 下記の図表になる 施設の種類 設置場所 許可権者 これ重要! 消防本部及び消防署を設置している市町村の区域のみに設置される移送取扱所 管轄の市町村長 移送取扱所 消防本部及び消防署を設置していない市町村の区域にまたがって設置される移送取扱所 管轄の都道府県知事 二以上の都道府県の区域にまたがって設置される移送取扱所 総務大臣 移送取扱所以 消防本部及び消防署を設置している市町村の区域 管轄の市町村長 外 ( 製造所等 ) 消防本部及び消防署を設置していない市町村の区域 管轄の都道府県知事 表設置 変更の際の施設の種類毎の許可権者 ジャスト危険物乙 4 11

貯蔵 取扱いの禁止と仮使用 仮貯蔵消防法は 指定数量以上の危険物を貯蔵 取扱う場合 貯蔵所以外での場所でこれを貯蔵し 又は取扱うことを禁止している よって 指定数量以上の危険物を取扱う場合には 製造所等を設置しなければならない 設置しようとする者は その位置 構造及び設備等を技術上の基準に適合させ 市町村長等の許可を受けなければならない 許可以外で危険物を取扱をしてよい例外として 仮使用と仮貯蔵がある これ重要! 仮使用 仮貯蔵 対象内容期間申請具体例使用中の危険物施設既に許可を受けガソリンスタンドので変更工事をしなが市町村長ており 使用中工事期間中改修工事 製造所等ら 工事部分以外の部等の承認の危険物施設の改築分を使用する桟橋でのタンクコン指定数量以上の危険消防長又テナ一時置き 定期危険物施設以外物を10 日以内の期 10 日以内は消防署点検の際の危険物抜間貯蔵又は取扱う長の承認取り 表仮使用と仮貯蔵 適用除外航空機 船舶 鉄道又は軌道による危険物の貯蔵 取扱 運搬については 消防法の規定は適用されない これらの規制は 航空法 船舶安全法 鉄道営業法又は軌道法によってなされる この趣旨は これらの輸送につては 特殊な規制が必要となるため 個別法に委ねた方がよりきめ細やかな運用をすることができるからである ジャスト危険物乙 4 12

1-5 各種申請 届出手続 様々な 製造所等に関する申請手続きに関する手続きをまとめると以下の表になる 申請先や手 続について様々な規定がなされている これ最重要! 内容 申請先 手続 備考 製造所の設置 市町村長等 許可 製造所の位置 構造 設備の変更市町村長等 許可 仮貯蔵 消防長 消防署長 承認 仮貯蔵期間は 10 日まで 仮使用 市町村長等 承認 期間は 工事終了まで 完成検査前検査 市町村長等 完成検査前検査済証 液体タンク等に必要 完成検査 市町村長等 完成検査済証 予防規程の作成と変更 市町村長等 認可 保安検査 市町村長等 保安検査済証 製造所等の譲渡 引渡し 市町村長等 届出 遅滞なく届出すれば良い 製造所等の用途廃止 市町村長等 届出 遅滞なく届出すれば良い 品名 数量 指定数量の倍数変更市町村長等 届出 変更する日の 10 日までに届出なければならない 危険物保安監督者の選 解任 市町村長等 届出 遅滞なく届出すれば良い 危険物保安統括管理者の選 解任市町村長等 届出 遅滞なく届出すれば良い 表危険物の施設関連の手続一覧 ジャスト危険物乙 4 13

1-6 危険物取扱者制度 危険物取扱者とは危険物取扱者とは 危険物取扱の試験に合格し 都道府県知事から危険物取扱免状の交付を受けた者をいう 免状は どこの都道府県で交付を受けても 全国で有効である 免状の区分危険物取扱者は 3 種類ある 甲種と乙種と丙種である 甲種は すべての危険物を取り扱うことができる また すべての危険物について 危険物保安監督者になることや立会い権限がある つまり 危険物に関しては 万能の権限を持つ 甲種はすべて 乙種は 合格した類の危険物を取扱うことができる 危険物の種類は6 種あり 合格したものについてのみ取扱うことができる ( 例えば 乙 4 試験合格ならば4 類のみ ) また 合格した種別の危険物について 危険物保安監督者になることや立会い権限がある 丙種は 指定された危険物のみ取扱うことができる ( ガソリン 灯油 軽油 第 3 石油類 第 4 石油類 動植物油脂類 ) 危険物保安監督者になることはできず 立会い権限もない これ最重要! 免状の種類 甲種危険物取扱者 乙種危険物取扱者 丙種危険物取扱者 指定された危険物のみ ( ガソリン 灯油 軽油 第 3 取扱いできる危険物の免状に指定された類すべて石油類 ( 重油 潤滑油及び引火種類のみ点が 130 以上に限る ) 第 4 石油類 動植物油脂 ) 無資格者に対して立ち会免状に指定された類どのような場合でも 立会えすべてうことのできる危険物のみ可能ない 危険物保安監督者になれ るか すべての類でなれ る ( 実務経験 6 か月 必要 ) 免状に指定された類 のみ可能 ( 実務経験 6 か月必要 ) なれない 表危険物取扱者の免状と取扱うことの可能な権限 ジャスト危険物乙 4 14

危険物取扱者の責務危険物取扱者は 危険物取扱作業に従事するときには 法令の基準を遵守し その危険物の安全の確保に細心の注意を払わなければならない また 危険物取扱者 ( 甲種又は乙種 ) は 危険物取扱作業の立会いをする場合 取扱作業に従事する者が法令で定める危険物の貯蔵 取扱いの技術上の基準を遵守するように監督するとともに 必要に応じてこれらの者に指示を与えなければならない 1-7 危険物取扱免状の交付 書換え 再交付 交付手続きとしては 危険物試験に合格した際には 試験を行った都道府県知事に交付申請する 必要がある 書換え手続としては 1 氏名 本籍が変更したとき又は2 免状の写真が撮影日から10 年経過し たときには 証明する書類を添えて 免状を交付した都道府県知事 居住地又は勤務地を管轄する 都道府県知事に遅滞なく申請をする必要がある 再交付の手続きとしては 免状を亡失 滅失 汚損 破損等の場合には申請書に当該汚損 破損 の免状を添えて提出する必要がある なお 再交付を受けた者が 亡失した旧免状を発見した場合 には10 日以内に再交付を受けた都道府県知事に亡失した免状を提出しなければならない これ最重要! 手続の別 内容 申請先 免状の交付 危険物取扱者試験に合格した者 試験を行った都道府県知事 書換え 氏名 本籍を変更したとき 免状写真が交付県の知事又は居住地又は勤撮影日から 10 年経過した時務先の都道府県知事 再交付 免状の亡失 滅失 汚損 破損した場合免状の交付又は書換をした都道府県知事 亡失した免状を発見 発見された旧免状を 10 日以内に提出 再交付をした都道府県知事 表危険物取扱者免状の手続き 危険物免状の不交付と返納都道府県知事は 危険物取扱者試験に合格した場合であっても 次の場合には免状の交付を行わないことができる 交付しない場合は2 種類あり 1 都道府県知事から免状の返納を命じられ その日から起算して1 年を経過しない者 2 消防法または消防法に基づく命令の規定に違反して罰金刑に処せられた者で その執行が終わり または執行を受けることがなくなった日から起算して2 年を経過しない者である そして 都道府県知事は 消防法令に違反した者に対して 免状の返納を命じることができる そして 免状の返納を命じられた者は 直ちに危険物取扱者としての資格を喪失する ジャスト危険物乙 4 15

1-8 危険物保安講習 危険物の取扱いに従事している危険物取扱者は 都道府県知事の行う保安講習を受けなければならない そして 原則として保安講習は3 年に1 回受講しなければならない 免状の交付を受けた都道府県だけではなく 全国どこの都道府県で保安講習を受講しても有効である また 危険物の取扱いに従事していない者に受講義務はない また 危険物の取扱に従事していても 無資格者には受講義務はない なお 危険物の法令に違反した場合に受講義務の対象になるわけではない 受講義務のあるものが 受講する義務のある期間内に受講しなかった場合には 免状の返納命令の対象となる 継続して危険物の取扱作業に従事している場合 危険物の取扱作業に従事している危険物取扱者は 保安講習を受講した日以後における最初の 4 月 1 日から 3 年以内に受講しなければならない ( 具体例 : 平成 25 年 1 月 1 日に受講した場合の次回受講期限 平成 28 年 3 月 31 日 ) 最初の 4 月 1 日 3 年以内 3 月 31 日 講習を 受けた日 受講期間 危険物取扱作業に従事していなかった者が 新たに危険物の取扱作業に従事することとなった場合 危険物の取扱作業に従事していなかった者が その後従事することになった場合には 従事してか ら 1 年以内に受講しなければならない 1 年以内 新たに従事 する日 受講期間 ただし 従事することになった日から起算して過去 2 年以内の免状の交付を受けている場合又は講 習を受けている場合には 交付日又は講習日における最初の 4 月 1 日から 3 年以内に受講すればよ い ジャスト危険物乙 4 16

最初の 4 月 1 日 3 年以内 免状の交付又は 講習を受けた日 2 年以内 新たに従事する日 従事しなくなった者又は従事していない者 法令上 特に受講する義務はない ジャスト危険物乙 4 17

1-9 危険物保安統括管理者 危険物保安監督者 危険物施設保安員 危険物保安統括管理者危険物保安統括管理者とは 多量の危険物を所有する事業全体の保安業務を統括管理し 安全確保する者をいう 危険物保安統括管理者を選任すべき基準は 製造所 一般取扱所で指定数量の3 000 倍以上であり 特定移送取扱所では指定数量以上である 危険物保安統括管理者の選任を義務づける趣旨は 同一事業所で多量の危険物を有している場合には連携をとった効果的な保安活動が難しい面があるところ 実効的な保安活動をする人間を定めることで 安全を確保するためである そして 施設の管理者 所有者 占有者は 選任後遅滞なく市町村長等に届けることが義務づけられている 解任したときも同様である 危険物保安統括管理者を選任する上で資格は必要ない つまり 危険物取扱者の免状が無くとも選任できる 危険物保安監督者危険度の高い危険施設 ( 危険物保安監督者選任対象施設については図表参照 ) では 施設ごとに危険物の保安を監督する危険物保安監督者を選任しなければならない そして 施設の管理者 所有者 占有者は 選任後遅滞なく市町村長等に届けることが義務づけられている 解任したときも同様である 危険物保安監督者に選任するには資格が必要である 危険物保安監督者にする要件は 1 製造所等において6か月以上の危険物取扱いの実務経験に加え 2 甲種又は乙種の免状を持つ必要がある ( 丙種はなれない ) 危険物保安監督者の業務としては 作業者に対し貯蔵 取扱い上の指示を与えることや 災害発生時に作業者に指示し応急措置をとることや 消防機関に通報すること等である なお 移動タンク貯蔵所には 危険物保安監督者の選任は不要である ジャスト危険物乙 4 18

危険物施設保安員 危険物施設保安員とは 危険保安監督者の保安業務を補佐する者をいう 危険物施設保安員は 選任する必要はあるが 市長村長に届ける必要はない また 危険物取扱者の免状も不要である これ最重要! 危険物保安統括管理者 危険物保安監督者 危険物施設保安要員 どのような施設 事業所 製造所等 製造所等 資格の必要性資格不要事業における保安業務業務の内容を統括的に管理する指定数量 3000 倍以上取扱う製造所 一般取選任の要件扱所 指定数量以上の移送取扱所 甲種か乙種危険物取扱者 +6カ月の実務経験 資格不要 技術的上の基準及び要 危険物保安監督者の保安業 望規定に適合するよう 務の下で 製造所等の保安 に作業者に指示する 業務の補佐 すべての製造所 屋外 指定数量の 100 倍以上取 タンク貯蔵所 給油取 扱う製造所 一般取扱所 扱所 移送取扱所 一 指定数量関係なく 移送取 般取扱所 ( 容器の詰め 扱所 替え除く ) 表危険物保安統括管理者 危険物保安監督者 危険物施設保安員の業務や選任要件 ジャスト危険物乙 4 19

1-10 予防規程 予防規定とは 製造所等の所有者 管理者 占有者 従業員等が遵守しなければならない火災予防の自主保安基準に関する規定である 一定の場合に 予防規定の作成が義務付けられている そして 所有者等が予防規定を定めたときや 変更したときには市町村長等の認可を受けなくてはならない 市町村長等は 火災予防のため必要がある場合には 予防規程の変更を命じる事ができる 予防規程を定めた場合には 製造所等の所有者 管理者 占有者 その従業員が守らなくてはならない 予防規定の内容は 1 危険物の保安業務を管理する者の職務及び組織に関すること 2 危険物保安監督者が 旅行 疾病その他事故により その職務ができない場合の職務代行に関すること 3 従業員の保安教育に関すること 4 化学消防自動車の設置や自衛消防組織に関すること 5 危険物の取扱い作業の基準に関すること 6 地震発生時における施設及び設備に対する点検 応急措置に関すること等である 予防規定を定めなければならない製造所は以下の表にまとめている なお 屋内タンク貯蔵所 地下タンク貯蔵所 移動タンク貯蔵所 簡易タンク貯蔵所 販売取扱所に関しては 予防規定を定めなくてもよい 対象となる製造所予防規定を定める要件製造所 一般取扱所指定数量の倍数が10 以上のもの屋外貯蔵所指定数量の倍数が100 以上のもの屋内貯蔵所指定数量の倍数が150 以上のもの屋外タンク貯蔵所指定数量の倍数が200 以上のもの給油取扱所指定数量関係なく定める移送取扱所指定数量関係なく定める表予防規定を定めなければならない製造所等と要件 ジャスト危険物乙 4 20

1-11 定期点検 一定の製造所等の所有者等は定期点検を1 年に1 回以上実施する義務がある そして 点検記録を3 年間保存することが義務付けられている ( 例外あり ) 届出義務はないが 消防機関から資料の提出を求められることはある 定期点検は 製造所等が技術上の基準に適合するために点検することである 点検して 記録しておくべき事項は 1 点検した製造所等の名称 2 点検の方法及び結果 3 点検年月日 4 点検者氏名である なお 定期検査を行うことができる者は 危険物取扱者 危険物施設保安員 ( 免状不要 ) 危険物取扱者の立会いを受けた者等幅が広い タンクの点検は その知識 技能を持つ者がする必要がある 対象となる製造所予防規定を定める要件製造所 一般取扱所指定数量の倍数が10 以上のもの及び地下タンクを有するもの屋外貯蔵所指定数量の倍数が100 以上のもの屋内貯蔵所指定数量の倍数が150 以上のもの屋外タンク貯蔵所指定数量の倍数が200 以上のもの地下タンク貯蔵所指定数量関係なく定める移動タンク貯蔵所指定数量関係なく定める給油取扱所指定数量関係無く地下タンクがあれば定める移送取扱所指定数量関係無く定める表定期点検をしなければならない製造所等と要件 ジャスト危険物乙 4 21

1-12 保安距離 保有空地 製造所等の区分 1 製造所 危険物を製造する施設 2 貯蔵所 製造所 危険物を貯蔵する施設をいい 以下の 7 種類の貯蔵所がある 屋内貯蔵所屋内タンク貯蔵所屋外貯蔵所 地下タンク貯蔵所 屋外タンク貯蔵所移動タンク貯蔵所簡易タンク貯蔵所 3 取扱所 ガソリンスタンドや塗料販売店などのように危険物を給油 販売 移送などに使用する施設をいい 以下の 4 種類がある 給油取扱所 販売取扱所 移送取扱所 配管等を使って危険物を移送する施設 一般取扱所 給油 販売 移送以外の取扱所 ジャスト危険物乙 4 22

貯蔵所の区分 貯 蔵 所 屋内貯蔵所屋外貯蔵所屋内タンク貯蔵所屋外タンク貯蔵所簡易タンク貯蔵所地下タンク貯蔵所移動タンク貯蔵所 屋内の場所において 危険物を貯蔵し 又は取扱う貯蔵所屋外の場所において第 2 類危険物の硫黄 硫黄のみを含有するもの若しくは引火性固体 ( 引火点が0 以上のものに限る ) 第 4 類危険物のうちの引火点が0 以上の第 1 石油類 アルコール類 第 2 石油類 第 3 石油類 第 4 石油類 動植物油類を貯蔵し 又は取扱う貯蔵所屋内におけるタンクにおいて危険物を貯蔵し 又は取扱う貯蔵所屋外にあるタンクにおいて危険物を貯蔵し 又は取扱う貯蔵所簡易タンクにおいて危険物を貯蔵し 又は取扱う貯蔵所地盤面下に埋没されているタンクにおいて危険物を貯蔵し 又は取扱う貯蔵所車両に固定されたタンクにおいて危険物を貯蔵し 又は取扱う貯蔵所表貯蔵所の区分 取 扱 所 販売取扱所給油取扱所移送取扱所一般取扱所 店舗において容器入りのままで販売のために取扱う取扱所第 1 種販売取扱所は指定数量の15 倍以下第 2 種販売取扱所は指定数量の15 倍を超え40 倍以下固定した給油設備によって自動車等の燃料タンクに直接給油するために危険物を取扱う取扱所配管及びポンプ並びにこれらに付属する設備によって危険物を移送するために取扱う取扱所危険物以外の物を製造するため または危険物の取扱い自体を目的として危険物を取扱う取扱所表取扱所の区分 ジャスト危険物乙 4 23

保安距離 保安距離とは 製造所から病院 学校等の保安対象物に対して 保たなければならない距離をいう 保安距離の趣旨は 延焼防止や避難のために一定の距離をとることにある 保安距離をとらなければならない施設は 製造所 屋内貯蔵所 屋外貯蔵所 屋外タンク貯蔵所 一般取扱所である 保安距離は 危険度に応じて定められている すなわち 危険な施設には保安距離が長く そうでない施設には短く設定されている 保安距離は 1 一般住宅 ( 同一敷地内にある住宅除く ) は10m 以上 2 高圧ガスや液化石油ガスの施設は20m 以上 3 病院 学校 ( 大学や専門学校除く ) 老人ホーム 児童福祉施設等は30m 以上 4 重要文化財 重要有形民俗文化財 史跡は50m 以上である また 特別高圧架電線の保安距離は 17000ボルト~35000ボルトは水平距離で3m 以上 235000ボルトを超えるものは水平距離 5m 以上である 上記の距離は すべての危険物施設で一律の基準で定められている 50m 重要文化財 30m 20m 10m 5m 3m 学校 病院など 7000~35000V 高圧ガス施設 一般住居 35000V 超 保安距離を必要とする施設 製造所 屋内貯蔵所 屋外タンク貯蔵所 屋外貯蔵所 一般取扱所 これ重要! 保安距離を不要とする施設屋内タンク貯蔵所 地下タンク貯蔵所 簡易タンク貯蔵所 移動タンク貯蔵所 給油取扱所 販売取扱所 表保安距離を必要とする施設 不要とする施設 ジャスト危険物乙 4 24

保有空地 保有空地とは 延焼防止や消火活動のため設定しなければならない空地である 保有空地には 物品等をおいてはならない 保有空地をとらなければならない施設は 製造所 屋内貯蔵所 屋外貯蔵所 屋外タンク貯蔵所 簡易タンク貯蔵所 一般取扱所 移送取扱所である この保有空地は 危険物施設の種類や保有する危険物の量によって変わる これ重要! 保有空地を必要とする施設製造所 屋内貯蔵所 屋外タンク貯蔵所 屋外貯蔵所 一般取扱所 簡易タンク貯蔵所 移送取扱所 ( 地上設置のもの ) 保有空地を不要とする施設 屋内タンク貯蔵所 地下タンク貯蔵所 移 動タンク貯蔵所 給油取扱所 販売取扱所 表保有空地を必要とする施設 不要とする施設 移送取扱所については 地上設置のものは 配管にかかる圧力に応じて配管の両側に一定の幅の 空地が必要である もっとも すべての移送取扱所に保有空地が必要ではないため 書籍によって は 移送取扱所を保有空地不要と分類するものもある ジャスト危険物乙 4 25

1-13 製造所等の基準 設備 位置の基準 ( 保安距離 ) この保有空地の幅は 施設の危険度により2 種類設定されている 1 指定数量の倍数が10 以下の施設の場合は3m 以上の空地が必要で 2 指定数量の倍数が10 以上の施設の場合は5m 以上の空地が必要である 危険物の指定数量の区分求められる空地の幅指定数量の倍率が10 以下の製造所等 3m 以上指定数量の倍率が10を超える製造所等 5m 以上表危険物の指定数量と求められる保有空地 構造 設備の基準 1 建築物は地下室を設けてはならない 2 建物の床には傾斜をつけ 貯留設備を設ける 3 内部の機器は 防爆構造にする 4 静電気発生のおそれのある機器には アース ( 設置導線 ) を設けなければならない 5 建築物には 照明 採光 換気の設備を設ける 6 危険物製造所 の標識と 火気厳禁 という防火の掲示板を掲げる 7 指定数量の10 倍以上の危険物を取扱う場合には 避雷設備を設ける 8 建築物の壁 柱 床 はり 階段は不燃材料でつくる 9 建築物の屋根は不燃材料で造り 軽量な不燃材料でふく 10ガラスを用いる場合には 網入りガラスとする 避雷針避雷針とは 雷による被害を避ける器具である 指定数量の倍数が10 倍以上の製造所等では 避雷針を設置する必要がある 避雷針を必要とする製造所等製造所 屋内貯蔵所 屋外タンク貯蔵所 一般取扱所表避雷針を設置する必要のある施設 ジャスト危険物乙 4 26

1-14 屋内貯蔵所の基準 設備 位置の基準 ( 保安距離 ) 屋内貯蔵所にも保安距離が必要である 12 保安距離 保有空地参照 保有空地 指定数量の倍数 空地の幅壁 柱 床が耐火構造の場合壁 柱 床が耐火構造以外の場合 5 以下 0m 0.5m 以上 5を超え10 以下 1m 以上 1.5m 以上 10を超え20 以下 2m 以上 3m 以上 20を超え50 以下 3m 以上 5m 以上 50を超え200 以下 5m 以上 10m 以上 200を超える 10m 以上 15m 以上 構造 設備の基準 1 貯蔵倉庫は 独立した専用の建築物にする必要がある 2 地面から屋根の軒先までの高さ ( 軒高 ) は6メートル未満とし 床は地盤面以上とする 3 床面積は1000 平方メートル以下とする 4 屋根は不燃材で造り 金属板等の軽量の不燃材でふき 天井を設けない 5 危険物の温度は55 を超えないようにする 6 引火貯蔵倉庫には 照明 換気 採光の設備を備える 7 危険物屋内貯蔵所 の標識と 火気厳禁 の掲示板を設ける 8 指定数量の10 倍以上の危険物を取扱う貯蔵倉庫には避雷針を設ける 9ガラスを用いる場合には 網入りガラスとする 10タンク専用室の床には傾斜をつけ 貯留装置をつけること 11 引火点 70 未満の危険物の貯蔵倉庫には 内部に滞留した蒸気を屋根上に放出する設備を設ける ジャスト危険物乙 4 27

1-15 屋外タンク貯蔵所の基準 設備 位置の基準 ( 保安距離 ) 屋外タンク貯蔵所にも保安距離が必要である 製造所と同じ基準である 12 保安距離 保有空地参照 敷地内距離屋外貯蔵タンクは敷地内距離を持つ必要がある 敷地内距離とは 隣接敷地への延焼を防止するために 貯蔵タンクの側板から敷地境界線まで確保すべき距離である そして 敷地内距離は 指定数量に応じて定められている 敷地内距離は 屋外タンク貯蔵所のみに義務付けられた規制である 保有空地保有空地は 屋外貯蔵タンクの周囲に確保すべき空地である そして 確保すべき保有空地は 指定数量の倍数に応じて定められている 保有空地の幅は 1 指定数量の倍数が500 以下は3m 2 指定数量の倍数が500 超え1000 以下は5m 3 指定数量の倍数が1000 超え2000 以下は9m 4 指定数量の倍数が2000 超え3000 以下は12m 5 指定数量の倍数が3000 超え4000 以下は15m 6 指定数量の倍数が4000 超えは タンクの直径又は高さのうち大きい距離以上である ( 但し 最低でも15m 以上 ) 指定数量の倍数 求められる空地の幅 500 以下 3m 以上 500を超え1000 以下 5m 以上 1000を超え2000 以下 9m 以上 2000を超え3000 以下 12m 以上 3000を超え4000 以下 15m 以上 4000を超える タンクの水平断面の最大直径または高さのうち大きい数 値以上 その数値が15m 未満の場合には15mとする 表屋外タンク貯蔵所の空地の幅 ジャスト危険物乙 4 28

構造 設備の基準 1タンクの構造は3.2mm 以上の鋼板を使用する 2 圧力タンクには安全装置を設ける 3 圧力以外のタンクには通気管を設ける 4 液体危険物の屋外貯蔵タンクには 危険物の量を自動的に表示する装置を設ける 5 液体危険物 ( 二硫化炭素を除く ) の屋外貯蔵タンクの周囲には防油堤を設ける 6 防油堤の容量は タンク容量の110% 以上として 2 基以上タンクがある場合には 最大であるタンクの110% 以上とする 7 防油堤は 鉄筋コンクリートまたは土で造り 危険物の流出を防ぐ構造であること 防油堤の外側で操作できる弁付きの水抜口を設ける 8 防油堤の面積は 80000m2以下 ( 高さは0.5m 以上 ) 9 防油堤内に設置できるタンクの数は10 基以内 10 圧力タンクは 最大常用圧力の1.5 倍の圧力で10 分間行う水圧試験に合格する必要がある 11ポンプ設備には 原則として3m 以上の空地を確保する ジャスト危険物乙 4 29

1-16 屋内タンク貯蔵所の基準 設備 保安距離 保有空地 屋内タンク貯蔵所は 保安距離 保有空地を必要としない 構造 設備の基準 1タンクは平屋の専用室に設置する ( 例外あり 引火点が40 以上の第 4 類危険物のみ取扱う場合特例あり ) 2タンク容量は 指定数量の40 倍以下であること 但し第 4 石油類と動植物油以外の第 4 類危険物については20000l 以下であること 31つのタンク専用室に2つ以上のタンクを設けるときには タンク容量を合計した量が最大数量となること 4タンク専用室の床には傾斜をつけ 貯留装置をつけること 5 壁及び2 基以上のタンクを設置する際には壁とタンクの間隔及びタンク間の間隔は それぞれ0.5m 以上保つこと 6 貯蔵所内には 照明 換気 採光の設備を設ける 7 引火点 70 未満の危険物の貯蔵倉庫には 内部に滞留した蒸気を屋根上に放出する設備を設ける 8 屋根は不燃材で造ること 9 圧力タンクに安全装置 その他のタンクには通気管を設けること 10ガラスを用いる場合には 網入りガラスとする 11 無弁通気管は 地上 4m 以上の高さとし 建築物の窓から1m 以上離す 12 無弁通気管は 引火点が40 未満の危険物については 先端を敷地境界線から1.5m 以上離す 13タンクには危険物の量を自動的に表示する装置を設ける ジャスト危険物乙 4 30

1-17 地下タンク貯蔵所の基準 設備 保安距離 保有空地 地下タンクは 保安距離 保有空地を必要としない 構造 設備の基準地下タンク貯蔵所の設置方法は 3 種類ある すなわち タンクを地下に埋設されたタンク室に設置する方法 タンクを地下に直接埋設する方法 地下貯蔵タンクをコンクリートで被覆して地盤面下に埋没する方法がある それぞれに構造 設備で異なる規制がされている タンクを地下に埋設されたタンク室に設置する方法 1 タンクとタンクの室内面は 0.1m 以上間隔をあけて周囲に乾燥砂を詰める 2 タンクの頂 部は地盤面から 0.6m 以上間隔をとる 3 タンクを複数設置する場合には間隔を 1m とる タンクを地下に直接埋設する方法 1トンネル 地下鉄 地下街から水平距離で10mとること 2 地下建築物には設置しない 3 ふたにかかる重量が直接タンクにかからない構造とすること 4タンクは 厚さ3.2mm 以上の鋼板とする 5 堅固な基礎に固定されていること ジャスト危険物乙 4 31

地下貯蔵タンクをコンクリートで被覆して地盤面下に埋没する方法 1 厚さ 0.15m( 側面及び下方は 0.3m) 以上のコンクリートとすること 2タンクの基礎は厚さ 0.3 m 以上の鉄筋コンクリート造のふたで覆われていること 3ふたにかかる重量が直接タンクにかからない構造とすること 4 堅固な基礎に固定されていること ジャスト危険物乙 4 32

1-18 簡易タンク貯蔵所の基準 設備 保安距離 保有空地簡易タンクは 保安距離を必要としない しかし 保有空地を確保する必要がある 保有空地の基準は 屋外と屋外で異なり 1 屋外が1 m 以上 2 屋内が0.5m 以上である 構造 設備の基準 1 簡易タンク1 基あたりの容量は600l 以下とすること 21つの簡易タンク貯蔵所には 簡易貯蔵タンク3 基までとすること 3 同一品質の危険物は2 基以上設置できない 4 簡易貯蔵タンクを専用タンク専用室に設置する場合には タンクと専用室の間に0.5m 以上の距離をとる 5 簡易貯蔵タンクは厚さ3.2mm 以上の鋼板で造る 6 簡易タンク貯蔵には 25mm 以上 先端の高さが地上 1.5mの無弁通気管を設置すること ジャスト危険物乙 4 33

1-19 移動タンク貯蔵所の基準 設備 保安距離 保有空地移動タンク貯蔵所とは 車両に固定されたタンクに危険物を貯蔵し取扱う施設をいう 一般的にはタンクローリーと言われる 移動タンク貯蔵所は 保安距離 保有空地を必要としない 車両を駐車する場所は 屋内の場合には耐火構造又は不燃材料で造った建築物の一階とし 屋外に駐車する際には防火上安全な場所でなければならない 駐車場所を変更する際には 変更許可が必要である 構造 設備の基準 1 車両を常置する場所が必要である 2 屋内に常置する場合には 建物は耐火構造とする 3 移動貯蔵タンクは 厚さ3.2mm 以上の鋼板で気密に制作する ( 常用圧力の1.5 倍で10 分間行う水圧試験をパスする必要 ) 4 移動貯蔵タンクの容量は 30000l 以下とし 移動貯蔵タンク内部は4000l 毎に間仕切りを設ける 5 容量が2000l 以上のタンク室には防波板を設定する 6タンクには防護枠と側面枠を設ける 7ガソリン ベンゼン等の静電気で火災がおこる可能性のあるものについては 設置導線 ( アース ) を設ける 8タンクの見やすいところに 危険物の類別 品名 最大数量を表示する設備を設けるとともに 車両の前後に標識を掲げること ( 危マーク0.4m 0.4m) 9タンクには防さび加工をする 10 危険物を移送する移動タンク貯蔵所には危険物を取り扱うことのできる資格を持った者が乗車し 免状を携帯する ジャスト危険物乙 4 34

1-20 屋外貯蔵所の基準 設備 保安距離 保有空地 敷地内距離屋外貯蔵所にも保安距離が必要である 製造所と同じ基準である 12 保安距離 保有空地参照屋外貯蔵所の保有空地については 指定数量の倍数が10 以下の場合には空地の幅が3m 以上 1 0を超え20 以下の場合には空地の幅が6m 以上 20を超え50 以下の場合には空地の幅が10 m 以上 50を超え200 以下の場合には空地の幅が20m 以上 200を超える場合には空地の幅が30メートル以上必要となる 指定数量の倍数 区分 空地の幅 10 以下 3m 以上 10を超え20 以下 6m 以上 20を超え50 以下 10m 以上 50を超え200 以下 20m 以上 200を超える 30m 以上 構造 設備の基準 1 保有空地の周囲に柵を設ける 2 敷地は排水のよい場所とする 31つの柵の内部の面積を1 00m2以下とする 4 架台 ( 棚のようなもの ) を設けるときには高さ6m 未満とする 5 敷地周囲の高さは1.5m 以下とする 6 貯蔵できる物質は 第 2 類の硫黄 硫黄のみを含有する物 引火性固体 ( 引火点が0 以上のもの ) と第 4 類の第 1 石油類 アルコール類 第 2 石油類 第 3 石油類 第 4 石油類 動植物油類である ジャスト危険物乙 4 35

1-21 給油取扱所の基準 設備 保安距離 保有空地 給油取扱所は 保安距離 保有空地を必要としない 構造 設備の基準 1 給油空地として間口 10m 奥行き6m 以上を保有すること 2 給油取扱所の周囲には高さ2 m 以上の防火塀を設けること 3 敷地は舗装すること 4 排水講 油分離装置を設けること 5 固定給油設備及び固定注油装置は 全長 5m 以下の給油ホース 静電気除去装置を設ける 6 給油取扱所は 専用タンクや容量 10000lの容量の排油タンクを地下に設けることができる 7 地盤面以上には 容量 600l 以下の簡易タンクを設けることができる 8 給油等のために給油取扱所に出入りする者を対象とした 飲食店等や展示場を設けることができる 給油取扱所における取扱いの基準 1 給油する際には 固定給油設備を使用して直接給油する 2 給油する際にはエンジンを止める 3 給油する際には 給油空地からはみ出してはならない 4 物品の販売は1 階で行う 5 給油取扱所には 危険物取扱所 給油中エンジン停止 火気厳禁 危険物の種別や品名や貯蔵最大数量や危険物保安監督者名等を記した掲示板を設ける (0.3m 0.6m) ジャスト危険物乙 4 36

1-22 顧客に自ら給油をさせる給油取扱所 ( いわゆるセルフスタンド ) の基準 設備 1 顧客自ら給油できる旨を掲示する 2ノズルが給油口から外れた場合に自動停止する構造にする 3 引火点が40 度未満の危険物を取扱うノズルは静電気除去設備を設ける 4 燃料タンクに満タンになったときに自動停止する構造にする 5 地震時に危険物の供給を自動停止する構造にする 6ホース機器等に危険物の品目を示し色も指定する ハイオクガソリンには黄色 レギュラーガソリンには赤 軽油には緑 灯油には青と定められている 6 地盤面に車両の停車位置 容器の置き場等を表示しなければならない 7 給油設備の周りにポール等の顧客が自動車による衝突を防ぐ設備を設ける必要がある 8 顧客による給油作業を監視するコントロールブースを設ける必要がある 9 消火設備は 第 3 種固定式泡消火設備を設置する 危険物の品目ハイオクガソリンレギュラーガソリン軽油灯油 色黄赤緑青 これ重要! 表危険物と色についてのガソリンの基準 1-23 販売取扱所の基準 設備 販売取扱所の種類 販売取扱所の種類には 2 種類ある 11 種販売取扱所は 指定数量の 15 倍以下で 22 種販売 取扱所は 指定数量の 15 倍を超え 40 倍以下のものをいう 保安距離 保有空地 販売取扱所は 保安距離 保有空地を必要としない 構造 設備の基準 1 店舗は建物の1 階とする必要がある 2 危険物を販売する際には容器に入れる必要がある 3 店舗の窓と出入口に防火設備を設け 窓には網入りガラスとする 4 床には危険物が浸みない構造とし 貯留設備を設ける 5 店舗部分の建築物は壁を準耐火構造とする 6 店舗部のはり及び天井は不燃材料とする ジャスト危険物乙 4 37

1-24 移送取扱所の基準 設備 位置の基準移送取扱所には保安上の理由から 設置の基準が定められている 具体的には 河川区域や水路敷や鉄道の近くや避難のための空地への設置が禁じられている また 移送配管は市街地の地下に埋設する場合には 深さ1.8m 以下にしてはならない 移送配管には 伸縮吸収措置 漏えい防止装置 可燃性蒸気滞留防止措置を講じる必要がある また 配管の経路には 感震装置 耐震計 通報装置を設ける必要がある 1-25 一般取扱所の基準 設備 保安距離 保有空地一般取扱所にも保安距離が必要である 製造所と同じ基準である 一般取扱所は 指定数量以上の危険物を取扱う施設で 給油取扱所 販売取扱所 移送取扱所に分類できないものをいう ジャスト危険物乙 4 38

1-26 標識 掲示板 標識及び製造所に掲げる掲示板製造所等には原則として 標識及び掲示板を掲げる必要がある 標識の具体例としては 製造所等には 危険物製造所 危険物給油取扱所 等を掲げる 掲示板は 防火に関して必要な事項を掲示したものである 掲示板は幅 0.3m 以上 長さ0. 6m 以上の白地に文字が黒で 危険物の類 品名 貯蔵又は取扱最大数量 指定数量の倍数並びに危険物保安監督者の氏名又は職名を記載しなければならない また 性状に応じた掲示板を掲示する 第 4 類ならば 火気厳禁 である ( 他の類では 禁水 火気注意 等もある ) 図標識の例 図掲示板の例 ジャスト危険物乙 4 39

1-27 消火設備 消火設備の種類消火設備とは 製造所等の火災を有効に消火するために 法令によって義務付けされているものをいう 製造所等の区分や 規模 危険物の品名等に応じて 消火設備の義務付けられる種類が定められている 消火設備の種類は 第 1 種から第 5 種まで定められている 区分第 1 種消火設備第 2 種消火設備第 3 種消火設備第 4 種消火設備第 5 種消火設備 これ最重要! 具体的な消火設備屋内消火栓設備 屋外消火栓設備スプリンクラー設備水蒸気消火設備 水噴霧消火設備 泡消火設備 不活性ガス消火設備 ハロゲン化物消火設備 粉末消火設備大型消火器小型消火器 乾燥砂 膨張ひる石 膨張真珠石 水バケツ 水槽 上記の例外として 製造所等の面積や危険物の量と無関係に消火設備が定められているものとして 地下タンク貯蔵所と移動タンク貯蔵所と簡易タンク貯蔵所がある 例えば 地下タンク貯蔵所は 第 5 種消火設備を2 個以上設置すれば良い また 移動タンク貯蔵所は 自動車用の小型消火器を2 個以上 ( 粉末消火器で3.5kg以上のもの ) 設置すれば良い 消火の困難性どのような消火設備を設けるかは 施設の規模 形態 危険物の性質 倍数等から その設備の消火の困難性に応じて政令で3つに区分されている 区分必要な消火設備 ( 第 1 種又は第 2 種又は第 3 種 ) 及び第 4 種及び著しく消火が困難と認められるもの第 5 種消火が困難と認められるもの第 4 種及び第 5 種上記二者以外のもの ( 但し 移動タンク貯蔵所除く第 5 種 ) 第 4 類及び第 5 類消火設備の設置基準第 4 種の消火設備は 防護対象物までの歩行距離が30m 以下となるように設置しなければならない また 第 5 種消火設備は 防護対象物までの歩行距離が20m 以下となるように設置しなければならない ジャスト危険物乙 4 40

警報装置指定数量の10 倍以上の危険物を貯蔵又は取扱う製造所等のうち 移動タンク貯蔵所以外のものは その規模に応じて警報装置を設置しなくてはならない 警報設備には 1 自動火災報知設備 2 消防機関に報知できる電話 3 非常ベル装置 4 拡声装置 5 警鐘がある 1 自動火災報知設備は 一定の数量以上を取扱う 製造所 一般取扱所 屋内貯蔵所 屋外タンク貯蔵所 屋内タンク貯蔵所 給油取扱所に設置しなければならない 1-28 貯蔵 取扱いの基準 共通の基準 1 許可若しくは届出された数量若しくは指定数量の倍数を超える危険物を貯蔵し取扱しない 2 みだりに火気を使用しない 3 係員以外の者をみだりに出入りさせない 4 整理整頓し 不必要な物品をおかない 5 貯留設備又は油分離装置にたまった危険物は あふれないように随時くみ上げる 5 危険物のくず ゴミは1 日 1 回以上捨てる 6 危険物を貯蔵している装置を修理する際には 安全な場所で危険物を完全に除去した後に行う 7 原則として 危険物とそうでない物品を同時に貯蔵してはならない 8 貯蔵する際には 危険物を容器に入れる 9 貯蔵する際には 危険物を類別にまとめて貯蔵し かつ 相互に1mの距離をおく 10 保護液中に保存している危険物は 保護液から露出しないようにする 11 容器を積み重ねる場合には 原則 3mとする ( 第 3 石油類 第 4 石油類 動植物油類を収納する容器の場合には4m 機械にて荷役する構造を有する容器のみの場合には6m) 12 屋内貯蔵所においては 貯蔵する危険物の温度が55 を超えないように貯蔵する 13 危険物を廃棄する際に焼却の方法で行う場合には 見張り人をつけなければならない 14 危険物を廃棄する際には 海中や河川に排出してはならない ジャスト危険物乙 4 41

危険物と危険物以外同時貯蔵の基準貯蔵所において危険物以外の物品を同時貯蔵することは 原則として禁止である しかし 1 屋内貯蔵所または屋外貯蔵所において別に定める危険物と危険物以外の物品とをまとめて貯蔵し 相互に1m 以上の間隔を置く場合には同時貯蔵が許される また 屋外タンク貯蔵所 屋内タンク貯蔵所 地下タンク貯蔵所及び移動タンク貯蔵所において 別に定める危険物と危険物以外の物品とを貯蔵する場合にも同時貯蔵が許される 原則 例外 1m 以上 危険物危険物以外危険物危険物以外 異なる類の危険物の同時貯蔵の基準 原則として 類の違う危険物を同じ場所で貯蔵することはできない もっとも 屋内貯蔵所また は屋外貯蔵所で 類毎にまとめ 1m 以上離せばともに貯蔵することが許される 原則 例外 1m 以上 第 1 類 第 2 類第 3 類第 1 類第 2 類 1-29 施設区分ごとの取扱いの基準 給油取扱所における取扱いの基準 1 給油時には固定給油設備を使用し直接給油する 2 給油時には自動車のエンジンを停止して行い 給油空地から自動車をはみ出さない 3 移動貯蔵タンクから専用タンクに危険物を注入する際には 出入り口の付近に停車させる 4 移動貯蔵タンクから専用タンクに引火点 40 未満の危険物を注入する際には エンジンを停止する 5 給油取扱所で物品を販売する際には 1 階のみで行う 6 自動車の洗車は引火点を有する洗剤を利用してはならない 7セルフスタンドでは 制御卓で顧客の給油作業を直視等により適正に監視する ジャスト危険物乙 4 42

1-30 運搬の基準 運搬容器運搬とは 車両によって危険物をある場所から他の場所に移動することをいう 具体的には ドラム缶や一斗缶に危険物を入れて車両で運ぶことである 運搬は危険物の免状を持たなくてもでき 免状を持つ者が同乗する必要もない ( これに対し 移送は免状が必要 ) 運搬容器の材質は 鋼板 アルミニウム板 ブリキ板 その他政省令で定めるものである 危険物はその危険度に応じて 危険等級 Ⅰ 危険等級 Ⅱ 危険等級 Ⅲに分類されている 危険等級 Ⅰが最も危険であり 危険等級 Ⅲが最も危険でない 4 類では 特殊引火物が危険等級 Ⅰ 第一石油類とアルコール類が危険等級 Ⅱ その他が危険等級 Ⅲである そして 危険物を運搬する際には 運搬容器の外部に危険物の品名 危険等級 化学名 火気厳禁 等の注意事項を表示しなければならない 積載方法 1 原則として危険物は 運搬容器に密封収納して積載する 2 危険物のうち固体については 9 5% 以下の収納率で積載する 3 危険物のうち液体については 98% 以下の収納率で収納し 5 5 の温度でも漏れないように空間を残す 4 容器は上向きで積載し 混載が禁止されている危険物は 混載しない 5 運搬容器の外側には 危険物の品名 危険等級 化学名 数量 注意事項等を掲示する 6 運搬容器は堅固でかつ 危険物が漏れないものとする 7 第 4 類では運搬に記載すべき注意事項は 火気厳禁 である 品名 危険等級 化学名 数量 注意事項 上向き 混載禁止の組み合わせ 同一車両で異なる類の危険物を積載する際には 混載禁止のものがある これ最重要! 第 1 類第 2 類第 3 類第 4 類第 5 類第 6 類第 1 類 第 2 類 第 3 類 第 4 類 第 5 類 第 6 類 表混載禁止表 ( 但し 指定数量の1/10 以下の場合には適用しない ) ジャスト危険物乙 4 43

運搬方法 1 危険物または危険物を収納した運搬容器に著しい摩擦 動揺が起きないように運搬すること 2 指定数量以上の危険物を運搬する場合には 車両前後の見やすい位置に一定の標識を掲示する 3 指定数量以上の危険物を運搬する場合には 休憩のために車両を一時停止させるときは 安全な場所を選び 運搬する物質の保安に注意する事 4 指定数量以上の危険物を運搬する危険物に対応する消火設備を備えること 5 運搬中危険物が著しく漏れる等災害が発生する恐れのある場合は 応急措置を講ずるとともに 最寄りの消防機関へ通報すること 1-31 移送の基準 移送の方法移送とは 移動タンク貯蔵所 ( タンクローリー ) によって 危険物を運ぶことをいう 運搬が 一般車両 ( トラック等 ) を用いるのに対し 移送はタンクローリーを使用する点に違いがある 1 移動タンク貯蔵所には 移送する危険物を取扱うことのできる免状を持つ危険物取扱者が乗車し 免状を携帯する 2 移送が連続運転時間 4 時間を超える又は一日の運転時間 9 時間を超える場合には 原則として2 名以上の運転要員を確保する 3 休憩のために一時停止させるときは 安全な場所を選ぶ 4 漏油等の災害の発生のおそれがある場合には 応急措置を講じ 消防機関に通報する 5アルキルアルミニウム等を移送する際には 移送の経路等を記載した書面を関係消防機関に送付するとともに 書面の写しを携帯し 書面記載事項に従う 6 移動タンク貯蔵所には 完成検査済証 定期点検記録 譲渡 引渡の届出書 品名 数量又は指定数量の倍数の変更の届出書を備え付ける 7 車両の前後に定められた標識を付ける 8 移送中に消防吏員から停止を命じられ 免状の提示を求められたら提示をしなければならない これ重要! 区分内容免状標識 消火設備移動タンク貯蔵所 ( タンクローリー ) に移送する危険物の標識 消火設備必要移送よって危険物を運ぶこと免状が必要運搬容器 ( ドラム缶 一斗缶等 ) を車両免状を持たなくて指定数量以上の運搬の運搬に積載して危険物を運ぶこともよい際のみ標識 消火設備必要 ジャスト危険物乙 4 44

1-32 義務違反に対する措置 義務違反と措置命令製造所等の所有者 管理者 占有者が一定の場合に市町村長等から措置命令を受けることがある 例えば 1 危険物の貯蔵または取扱いが技術上の基準に違反しているときや2 火災の予防のため変更の必要があるときや3 公共の安全の維持 災害の発生防止のために緊急の必要があるときや4 無許可で指定数量以上の危険物を貯蔵したり取り扱っているとき等である そして 上記義務違反がある場合に 市町村長等は危険物を取り扱っている者に対し 危険物の除去や災害のための必要な措置について命令をすることができる また 都道府県知事が免状の返納を命じる場合もある 許可の取消しと使用停止命令製造所等の所有者 管理者 占有者が一定の場合に市町村長等から許可の取消しや使用停止命令を受けることがある このうち 許可の取消しは危険物の取扱いの許可そのものが取り消されるため重い罰則となる 使用停止命令は 許可そのものは取り消されないものの 一定期間の使用ができなくなるため比較的軽い罰則である 許可の取消し又は使用停止命令となる場合 ( 罰則の選択は行政庁の裁量となる ) は 1 無許可で製造所等の位置 構造 設備を変更した場合 2 完成検査済証の交付を受ける前に製造所等の使用を開始したとき 3 製造所等の位置 構造 設備の措置命令に違反したとき 4 保安検査を義務づけられる製造所等が保安検査を受けないとき 5 定期点検の実施や記録の作成をしていないときがある 使用停止命令となる場合は ( 軽微な義務違反の場合 ) 1 危険物に関する貯蔵または取扱いの基準遵守命令に反したとき 2 危険物保安統括管理者を定めないとき または保安の業務をさせていないとき 3 危険物保安統括管理者または危険物保安監督者の解任命令に反して解任しないときがある これ重要! 許可取消し 使用停止命令 措置の内容 施設的な面での違反 人的な面での違反 許可の取消しを受 無許可変更 完成検査前 けると それ以降危 使用 措置命令違反 保 険物施設を使用で 安検査未実施 定期点検 きない 未実施 使用停止命令を受 無許可変更 完成検査前 危険物の貯蔵 取扱基準の遵守命 けると 定められた 使用 措置命令違反 保 令違反 危険物保安統括管理者未 期間は使用できな 安検査未実施 定期点検 選任 危険物保安監督者の未選任 いが その期間経過 未実施 危険物保安統括管理者又は危険物 後に使用再開でき 保安監督者の解任命令違反 る 表許可取消しと使用停止命令 ジャスト危険物乙 4 45

立入検査等市町村長等は 危険物による火災防止のために必要があると認めるときは 指定数量以上の危険物を貯蔵しまたは取り扱っていると認められるすべての場所の所有者 管理者 占有者に対して 1 資料の提出もしくは報告を求める 2 消防吏員をその場所に立ち入らせ 検査 質問を行う 3 危険物の収去をさせることができる 走行中の移動中の移動タンク貯蔵所の停止消防吏員または警察官は 火災予防のために特に必要があると認められるときは 走行中の移動タンク貯蔵所を停止させ 乗車している危険物取扱者に対して 危険物取扱免状の提示を求めることができる 罰則上記の法令に違反した場合 さまざまな罰則規定が設けられている 最高刑は 7 年以下の懲役のものがある ( 製造所等における故意の危険物の流出による火災発生による致死 ) また 両罰規定も定められている 両罰規定とは 違反を行った個人だけでなく その所属する法人にも罰則の適用が行われる規定をいう 例えば 消防法 45 条は指定数量以上の無許可貯蔵の場合法人に対して 3000 万円以下の罰金を科している 法人に対する処罰を予定することで 適法行為の遵守を促しているのである ジャスト危険物乙 4 46

2 基礎的な物理学及び基礎的な化学 2-1 物質の状態変化 融解 凝固 気化 凝縮 昇華 物質は固体 液体 気体の三つの状態がある 一般に固体を熱すると液体になり 液体を熱する と気体になる それぞれの 状態変化を示すと以下となる 融解 : 固体 液体 凝固 : 液体 固体 気化 ( 蒸発 ): 液体 気体 凝縮 : 気体 液体 昇華 : 気体 固体 密度密度とは 物質の単位当たりの質量をいう 水は 4 の時に1cm 3 の時に1gなので 密度は1 g/ cm3である また 水は4 の時にもっとも密度が高い ( 体積が最小 ) よって 氷の密度が軽いため 氷が水に浮くのである 密度の求め方 : 密度 g/ cm3 = 質量 g 体積 cm3 比重比重とは ある物質の密度と標準となら物質の密度の比をいう 水と比較した比重を液比重という 空気と比較した比重を蒸気比重という 蒸気比重は 分子量の大小によって決まる そして 液比重が1より大きい物質は水より重い 蒸気比重が1より大きい気体は空気より重い ジャスト危険物乙 4 47

液比重 >1 水より重い液比重 <1 水より軽い蒸気比重 >1 空気より重い蒸気比重 <1 空気より軽い 水水水 比重 <1.0 水に浮く 比重 =1.0 水と同じ 比重 >1.0 水に沈む 蒸発と沸騰液体を過熱すると 蒸気によってできた蒸気圧が大気圧と等しくなるときに 気化がおこるが このことを蒸発という この時の温度を沸点という 沸点は 周りの圧力が高くなれば高くなり 周りの圧力が低くなると低くなる 例えば 水は山登りに行くと 低い温度のまま沸騰する ( 例えば 富士山山頂での沸点は約 87 である ) 沸点は 加圧すると高くなり 減圧すると低くなる性質を持つ また 気体が液体になる現象を凝縮という 溶解と凝固溶解とは 物質が液体に溶けることをいう そして 濃度が均一になった状態を溶液という 1 00gの溶媒に物質を溶かすことのできる最大量を溶解度という 一般に 塩が水に融解すると 沸騰しにくくなる 温度温度とは 温かい 冷たいことを数値で表したものをいう 温度を表す単位としては セ氏温度と絶対温度の2 種類がある セ氏温度は 一般に利用されているものであり 1 気圧のときに水の凝固点 0 で 沸点 100 とする基準である 一方 絶対温度は 絶対 0 ( セ氏に換算すると -273.15 ) をゼロKと表現する セ氏温度に273を足すと絶対温度となる ジャスト危険物乙 4 48

2 2 熱量と比熱と熱膨張 熱の移動熱は高い温度から低い温度の物質に伝わる そして 伝わる熱のエネルギーを熱量という 単位はジュール J で表される そして 熱の伝わり方には 3 種類のメカニズムがある 1cal=4.19 J 伝導熱の移動の伝わり方には 1 伝導 2 対流 3 輻射 ( 放射 ) の3 種類がある 伝導とは 直接物質の中を高温部から低温部に伝わる現象をいう 熱の伝わりやすさを 熱伝導率をいう 一般に固体 液体 気体の順に熱が伝わりやすい 他方 熱伝導率が高い程 その物質は燃焼しにくい 伝導の例は 金属の棒の端を火に入れると他の端も熱くなる事である 熱は 熱伝導率が高い程伝わりやすい 熱伝導率は 銀が最も高く 銅 鉄の順に低くなる 熱の伝わりやすい順 ( 熱伝導率の高さ )= 固体 > 液体 > 気体 対流 対流とは 温度差によって液体や気体が上昇 下降をして 熱が移動するこ とをいう 輻射 ( 放射ともいう ) 輻射とは 高い温度の物質から熱が放射線で空間を伝わり 熱が移動するこ という 熱膨張 熱膨張とは 物質を熱することで物質の長さや体積が増加することをいう 一般に 熱膨率は 気体 液体 固体の順に高い 熱膨張率 = 気体 > 液体 > 固体 また 熱膨張後の体積は 以下の数式であらわされる 膨張後の体積 = 膨張前の体積 + 膨張前の体積 体膨張率 温度差 ジャスト危険物乙 4 49

2-3 静電気 静電気とは静電気とは 電気を通さない絶縁体の摩擦によって発生する なお 静電気は絶縁体だけではなく 電気を通す物質にも発生し帯電することもある 一般に 導電性の低い物質の方が 高い物質よりも静電気を蓄積しやすい また 静電気が蓄積すると 放電火花を起こすこともある これが原因で着火し 大災害を引き起こすこともある また 製造所等でガソリンがホースを流れるときに静電気が生じることもある その際には 流速を落とすことで 静電気の発生量を抑えることができる また 接地 ( アース ) することにより 静電気を逃がすことも効果的である 絶縁性の高い物質ほど 静電気が蓄積しやすく危険である さらに 静電気の発生を防止するには 湿度を高くするとよい 最も注意すべきなのは 人間にも帯電する事である 静電気増加不導体を摩擦する流速を早くする ( 配管の径を小さくする ) 湿度を低くする接地 ( アース ) をしない合成繊維の服を着る除電服 除電靴を使用しない これ重要! 静電気抑制摩擦を抑制する流速を遅くする ( 配管の径を大きくする ) 湿度を高くする接地 ( アース ) をする綿素材の服を着る除電服 除電靴を使用する 表静電気の増加と抑制 ジャスト危険物乙 4 50

2-4 物質の変化 物理変化と化学変化物質の変化は 大まかに分けて2 種類ある つまり 物理変化と化学変化である 物理変化とは 物質の本質は変わらず 形や体積などの状態のみが変化するこという 一方 化学変化とは もとの物質と異なる性質に変化することをいう 物理変化の例 氷が解けて 水になる ばねが伸びる ドライアイスが解けて 蒸気が発生する 砂糖を水に溶かすと 砂糖水になる これ重要! 化学変化の例 鉄がさびる 水素と酸素が結合し 水になる 木炭が燃えて二酸化炭素になる ガソリンが燃えて二酸化炭素と蒸気がでる 表物理変化と化学変化の例 化学変化の種類 化学変化には 1 化合 2 分解 3 置換 4 複分解等がある これ重要! 化合の例 分解の例 置換の例 複分解 A+B AB AB A+B AB+C AC+B AB+CD AD+BC 化合とは 2 種類以上の物質が化学変化して性質の異なる物質ができること 分解とは 1つの物質から2 種類以上の新しい物質ができること 置換とは 化合物の中の原子が一部置き換わり 新しい物質ができること 複分解とは 2 種類以上の化合物が 一部置き換わり 2 種類以上の新しい物質ができること 鉄と酸素が結合し 水を電気分解して 亜硫酸に硫酸を加え 食塩に硫酸を加えると塩 て 酸化鉄になる 炭素と酸素が結合して 二酸化炭素になる 水素と酸素が結合して 水になる 水素と酸素になる 炭酸水素ナトリウムを熱分解して 炭酸ナトリウムと水と二酸化炭素になる ると 水素が発生する 酸化第二銅を熱して水素を通すと 銅ができる 化水素と硫酸ナトリウムになる 表化学変化の種類と例 ジャスト危険物乙 4 51

2-5 物質の種類 物質の構成 物質を構成する単位を原子という また その原子を元素という ( 例 :O Fe) そして 原子が 2 個以上結合したものを 分子という ( 例 :O 2 ) 原子量 原子量とは C 炭素の質量 12 を基準としたときの原子の相対的な質量をいう これ重要! 元素 水素 炭素 窒素 酸素 硫黄 鉄 元素記号 H C N O S Fe 原子量 1 12 14 16 32 56 表代表的な元素と元素記号と原子量 分子量 分子量は 分子の中に含まれる原子量の総和をいう 例えば 酸素は O 2 なので 原子量 (16) 2=32 となる 物質の分類 物質は 混合物 ( 例 : 空気 空気は酸素や窒素や二酸化炭素等から成る ) と純物質 ( 例 : 鉄 ) に分かれる そして 純物質は 単体と化合物に分かれる 単体 ( 例 : 鉄 (Fe) 硫黄(s) 酸素(O 2 ) は1 種類の元素から成り立っている物質である 一方 化合物 ( 例 : 二酸化炭素 (CO 2 )) は2 種類以上の元素から成り立っている物質である 物質 純物質 単体 化合物 1 種類の元素からできている物質 例 ) 鉄 (Fe) 硫黄 (S) 酸素(O 2 ) 2 種類以上の元素からできている物質 例 ) 二酸化炭素 CO 2 :CとOの化合物硫酸 H 2 SO 4 :HとSとOの化合物 混合物 いくつかの単体や化合物がまじりあっている 例 ) 空気 ( 酸素 窒素 二酸化炭素の混合物 ) 石油類 ( 炭化水素の混合物 ) ジャスト危険物乙 4 52

同素体同素体とは 同じ元素からできている単体であっても 性質の異なる物質をいう 例えば ダイヤモンドと黒鉛が同素体である これらは すべて炭素 (C) から成り立つ 性質の違いは 分子構造の違いからきている 異性体 異性体とは 分子式は同じであるが 性質の違う化合物をいう 例としては エチルアルコール やジメチルエーテル等がある 例 )C 2 H 6 O 分子式 エチルアルコール ジメチルエーテル 2-6 酸 塩基 中和 ph 酸化と還元 酸と塩基 物質を水溶液で溶かすと プラスイオンとマイナスイオンに分かれる このときに 水素イオン (H + ) を生じる物質を酸という 一方 水酸イオン (OH - ) を生じる物質を塩基という 酸と塩基の強弱は 水溶液中に電離する H + と OH - する量の多さによって決まる これ重要! 酸性 塩基性 ( アルカリ性 ) 青色リトマス紙を赤くする 赤色リトマス試験紙を青くする BTB( ブロモチモールブルー ) を黄色にする フェノールフタレインを赤くする phが7より小さい 指に触れるとぬるぬるする 鉄などの金属を溶かす phが7より大きい 水溶液中でH + を出す 水溶液中でOH - をだす 表酸性と塩基性の特徴 ジャスト危険物乙 4 53

水素イオン指数水溶液の酸性や塩基性の度合いは 水素イオン指数という基準で表される H + が多く OH - が少ないと phが小さくなる また OH - が多く H + が少ないと phが大きくなる phは0~14まで表される ph=7が中性 ph>7が塩基性 ph<7が酸性となる 酸化と還元酸化とは 物質が酸素と結合することをいう また 物質が電子を失うことと水素を失うことも酸化である 一方 還元とは 酸化物が酸素を失うことをいう また 物質が電子と結合することと水素を結合することも還元である 酸化と還元は表裏一体なので 覚えておくと良い 酸化と還元は必ず同時に行われる これ重要! 酸素 水素 電子 酸化 増加 減少 減少 還元 減少 増加 増加 表酸化と還元のまとめ 酸化剤と還元剤 酸化還元反応において 反応相手を酸化する物質を酸化剤という 一方 反応相手を還元する物 質を還元剤という 以下に代表的な 酸化剤 還元剤をあげておく これ重要! 酸化剤 還元剤 酸素 塩素 オゾン 過酸化水素 過マンガン酸カリウム 過酸化ナトリウム 水素 一酸化炭素 硫化水素 硫黄 カリウム ナトリウム 表代表的な酸化剤と還元剤 ジャスト危険物乙 4 54

2-7 金属類 金属類の特徴金属とは 特有の光沢を持ち 延性に富み 熱や電気を通す性質を持つものをいう 具体的には 鉄や金や銀があたる 金属類は 一般に燃えない性質を持つが 例外的に燃える物も存在する ( マグネシウムやカリウム等 ) また 一般に常温 (20 ) では固体のものが多いが 例外的に液体の物も存在する ( 水銀等 ) さらに 一般に水よりも重いが 例外的に水に浮く物も存在する ( リチウム等 ) 比重が約 4 以下の物を軽金属 約 4 以上の物を重金属という 金属のイオン化傾向 金属原子が水溶液中で陽イオンになりやすさをイオン化傾向という そして イオン化傾向を大 きい順に並べたものをイオン化列という 大 小 2-8 有機化合物 有機化合物の特徴 有機化合物とは 炭素と水素を含む化合物をいう ( 一酸化炭素や二酸化炭素を除く ) 一方 炭素等 を含まない物質を無機化合物という 有機化合物 無機化合物 成分 炭素 水素 酸素 窒素から成る 全ての元素からなる 融点と沸点 沸点 融点は低い 沸点 融点が低いものも高いものもある 溶解性 一般に水に溶けにくい 一般に水に溶けやすい 可燃性 燃えやすい 燃えにくい 反応速度 遅いものが多い 早いものが多い 通電性 一般に電気を通さない 電気を通すものが多い 表有機化合物と無機化合物の違い ジャスト危険物乙 4 55

2-9 燃焼 燃焼の3 要素燃焼とは 物質が熱と光を伴いながら酸素と化合する化学反応をいう 物質が酸素と化合しても 熱と光を発生しなければ燃焼ではない そして 燃焼の3 要素とは 1 可燃物 ( 例 : 木やガソリン等 ) 2 酸素供給源 ( 例 : 空気や第 1 類 第 6 類危険物等 ) 3 点火源 ( 例 : ライターや静電気 ) のことである 燃焼は 上記 3 要素のうち 1つを遮断すると止まる また 4 要素とする分類もある その場合には 上記の1~3 加えて4 燃焼の継続が加わる 可燃物酸素供給源点火源燃焼 2-10 燃焼の仕方 燃焼の種類には大きく分けて 6 種類ある 気体の燃焼は 1 定常燃焼 2 非定常燃焼がある 液体の燃焼は 3 蒸発燃焼のみであり 固体の燃焼は 4 分解燃焼 5 蒸発燃焼 6 表面燃焼である 名称燃焼の仕方具体例物質の状態液面から蒸発した可燃性蒸気が空気と混合し ガソリン液体なんらかの火源により燃焼すること ( 液体 ) 灯油蒸発燃焼固体を熱した場合 熱分解を起こすことなく蒸硫黄固体発 ( 昇華 ) してその蒸気の燃焼すること ( 固体 ) ナフタリン表面で熱分解を起こさず 蒸発もしないで高温木炭表面燃焼固体を保ちながら酸素との燃焼することコークス可燃物が加熱されて分解し その際に発生する木材 石炭固体可燃性ガスが燃焼することプラスティック分解燃焼分解燃焼のうち その物質中に酸素を含有するニトロセルロース固体ものが燃焼すること ( 内部燃焼 自己燃焼 ) セルロイド これ重要! ジャスト危険物乙 4 56

2-11 燃焼の難易 これ重要! 燃えやすい ( 危険性高い ) 燃えにくい ( 危険性低い ) 酸化 酸化されやすい 酸化されにくい 発熱量 大きい 小さい 熱伝導 小さい 高い 乾燥度 高い 低い 周囲の温度 高い 低い 酸素 ( 空気 ) との接触面積 大きい 小さい 可燃性蒸気 発生しやすい 発生しにくい 表燃焼の難易の目安 2-12 引火点 発火点 燃焼範囲 引火点 引火点とは 可燃性液体が燃焼をはじめるのに充分な濃度の可燃性蒸気を液面上に発生させる最 低の液温をいう つまり ある物質の 火源があるときの引火に至る危険な温度である 物質 引火点 ( ) 物質 引火点 ( ) ガソリン -40 二硫化炭素 -30 重油 60 アセトン -20 灯油 40 ベンゼン -11 軽油 45 トルエン 4 これ重要! 表主要な物質の引火点 発火点 ( 着火温度 ) 発火点とは 点火しなくとも自ら物質が燃えはじめる温度をいう 例えば うっかり火にかけて 放置していた天ぷら油が点火しなくとも燃えはじめる現象等である 一般的に発火点の方が 引火 点よりも高い 物質 発火点 ( ) 物質 発火点 ( ) 木材 400~470 二硫化炭素 90 木炭 320~370 セルロイド 180 無煙炭 440~500 赤りん 260 コークス 440~600 三流化りん 100 泥炭 225~280 硫黄 360 黄りん 50 ベンゼン 498 表主な物質の発火点 ジャスト危険物乙 4 57

燃焼範囲 ( 爆発範囲 ) 燃焼範囲とは 燃焼 ( 爆発 ) を起こすために必要な空気と可燃性蒸気の混合割合をいう 燃焼範囲の 単位は vol% である 気体 燃焼範囲 (vol%) 気体 燃焼範囲 (vol%) ガソリン 1.4~7.6 二硫化炭素 1.3~50 灯油 1.1~6.0 エチルアルコール 3.3~19 ベンゼン 1.2~7.8 メチルアルコール 6.0~36 表主要な物質の燃焼範囲 2-13 自然発火 自然発火自然発火とは 可燃物を過熱しなくとも自然に熱が蓄積し 発火点になり燃焼する現象をいう 自然発火の原因は 1 酸化熱によるもの 2 分解熱によるもの 3 吸着熱によるもの 4 微生物によるもの 5 重合反応熱によるもの等がある 一般に自然発火が起こるのは 引火点よりも高い温度である 熱の伝導率が低いほど 物質の内部に蓄熱しやすくなるため 自然発火が起こりやすくなる また 物質が大量に集積しているような場所は 自然発火が起こりやすくなる さらに 通風が悪い場所ほど 自然発火が起こりやすくなる 粉末状や繊維状の物質は 表面積が大きくなるため 自然発火が起こりやすくなる 引火点が低い方が自然発火が起こりやすくなる よう素価が高い方が自然発火は起こりやすくなる ジャスト危険物乙 4 58

2-14 消火理論 消火の3 要素消火は3 要素から成り立つが すべて燃焼の3 要素と対応している すなわち 消火の3 要素は 1 除去消火 2 窒息消火 3 冷却消火からなる 一つでも 燃焼する要素を取り除けば 消火できる 取り除く 除去消化 窒息消化 冷却消化 除去消火 除去消火とは 可燃物を取り去って消火する方法である ガスの元栓を閉めることや森林火災で 周りの樹木を切り落とす事が 除去消火の具体例である 窒息消火窒息消火とは 酸素の供給を断つことで消火する方法である 不燃性の泡やハロゲン化物や二酸化炭素や不燃性固体を用いる方法等がある 空気中に約 21% 含まれる酸素濃度が 約 14% 以下になると窒息効果により消火することができる 冷却消火冷却消火とは 熱源から熱を奪い燃焼の継続を遮断する方法である冷却剤として最も利用されているものは 水である また 水は噴霧して燃焼物にかけると一層冷却の効果が上がる しかも 気化した水蒸気により窒息の効果も狙うことができる 冷却をすれば 液温が引火点以下になり 消火することができる ジャスト危険物乙 4 59

2-15 消火薬剤 火災の区分 火災は大きく分けて3 種類ある つまり 1A 火災 ( 例 : 一般火災 ) 消火器の標識: 白 2B 火災 ( 例 : 油火災 ) 消火器の標識: 黄色 3 電気火災 消火器の標識 : 青 普通火災用油火災用電気火災用 この 火災の区分によって消火の方法も大きく変わるため注意が必要である なお 消火器の種類によって 適応する火災が違う 以下に表を示す これ最重要! 火災の類型消火効果消火器の区分消火器の種類一般油電気冷却窒息抑制水消火器 水を放射する消火器酸 アルカリ 強化液を放射する消火器強化液 泡を放射する消火器泡消火器 ハロゲン化物放射する消火器ハロン消火器 二酸化炭素を放射する消火器二酸化炭素消火器 粉末 (ABC) 消火器 消火粉末を放射する消火器粉末 (K) 消火器 表消火器の種類と対応する火災のタイプ は霧状に放射する場合には 効果がある ジャスト危険物乙 4 60

これ最重要! 消火器の区分 消火薬剤 特徴 水を放射する消火器 水消火器 比熱と蒸発熱が大きい 冷却効果が高い 一般に氷点下でも凍らない 棒状又は霧状に放射して使用される 炭酸水素ナトリウムと硫酸が消火薬剤で 酸 アルカリ消火器 ある 普通火災に適応する 霧状に噴霧すると電気火災にも適応 強化液を放射する消火器 強化液消火器 冷却効果 再燃防止効果がある 電気火災にも適応する 霧状に放射したときのみ 油と電気火災にも適応 泡を放射する消火器 泡消火器 泡で覆うため窒息効果がある 特に油火災に適する 水溶液を使用するため 電気火災には適さない ハロゲン化物を放射する消火器 ハロン消火器 抑制効果 窒息効果がある 油火災や電気火災等に適応する 二酸化炭素を放射する消火器 二酸化炭素消火器 冷却効果 窒素効果がある 油火災や電気火災等に適応する 閉所で撒くと 人体に危険がある 燃焼面の被覆による窒息 抑制作用があ粉末 (ABC) 消火器消火粉末を放射する消火器る すべての火災に適応する 粉末 (K) 消火器 油火災や電気火災に適応する 表消火器と利用される消火薬剤 ジャスト危険物乙 4 61

3 危険物の性質, 並びに火災予防, 及び消火の方法 3-1 類毎に共通する性状等 類と状態燃焼性性質消火方法 これ最重要! 可燃物との接触もしくは混合分解を促す物質 冷却消火 第 1 類 との接近または過熱 衝撃もしくは摩擦を避 窒息消火 ( 水使 酸化性固体 不燃性 けるとともに アルカリ金属の過酸化物 ( 含有 用不可能の場 するものを含む ) にあっては 水との接触を避 合 ) ける 酸化剤との接触もしくは混合 炎 火花もし 冷却消火 第 2 類可燃性固体 可燃性 くは高温体との接近または過熱を避けるとともに 鉄粉 金属粉及びマグネシウム ( いずれかを含有するものを含む ) にあっては 水又は 窒息消火 ( 水使用不可能の場合 ) 酸との接触を避け 引火性固体にあってはみ だりに蒸気を発生させない 第 3 類自然発火性及び禁水性物質 原則可燃性一部不燃性 自然発火性物質 ( アルキルアルミニウム アルキルリチウムおよび横りん等 ) にあっては炎 火花もしくは高温体との接近 過熱又は空気との接触を避け 禁水性物品にあっては 水との接触を避ける 窒息消火 第 4 類引火性液体 可燃性 炎 火花もしくは高温体との接近または過熱を避けるとともに みだりに蒸気を発生させない 窒息消火 第 5 類 炎 火花もしくは高温体との接近を避ける 冷却消火 自己反応性物質 可燃性 過熱 衝撃 摩擦によって 発火 爆発する ものがある 第 6 類酸化性液体 不燃性 可燃物との接触もしくは混合 分解を促す物品との接近または過熱を避ける 燃焼物に応じて消火 表各類の危険物の性質 ジャスト危険物乙 4 62

性質毎に分類した危険物表 第 1 類 第 2 類 第 3 類 第 4 類 第 5 類 第 6 類 不燃性危険物 可燃性危険物 酸化性危険物 還元性危険物 自己反応性危険物 液体状態の危険物 固体状態の危険物 液体と固体状態の危険物 原則として冷却消火 原則として窒息消火 表危険物の類ごとの性質 3-2 第 4 類に共通する特性 第 4 類危険物は 引火性液体で 1 特殊引火物 2 第 1 石油類 3アルコール類 4 第 2 石油類 5 第 3 石油類 6 第 4 石油類 7 動植物油類の7 種類に分類される これらはすべて 常温で液体である 比重 ( 液比重 ) は 1よりも小さいものが多い 引火性が高い 静電気で引火するものもある 静電気を蓄積するものが多い 液体の流動により 静電気を発生す るものが多い 水に溶けにくいものが多い 発火点が100 以上のものが多い 加熱により 可 燃性蒸気を発生し 引火する危険が高くなる 蒸気は空気よりも重いものが多い これ最重要! 分類 代表的な物質 指定数量 引火点 ( 石油類のみ ) 特殊引火物 ジエチルエーテル 二硫化炭素 50l 第 1 石油類 ガソリン トルエン 200l( 非水溶性 ) 引火点 <21 アセトン ピリジン 400l( 水溶性 ) アルコール類 メチルアルコール 400l 第 2 石油類 灯油 軽油 1000l( 非水溶性 ) 酢酸 アクリル酸 2000l( 水溶性 ) 21 引火点 <70 第 3 石油類 重油 ニトロベンゼン 2000l( 非水溶性 ) エチレングリコール 4000l( 水溶性 ) 70 引火点 <200 200 引火点 第 4 石油類 ギヤー油 タービン油 6000l <250 動植物油類 アマニ油 ヤシ油 10000l 引火点 250 表第 4 類危険物の特徴 ジャスト危険物乙 4 63

3-3 第 4 類に共通する火災予防の方法 第 4 類危険物の共通の性質 すべて液体の可燃物である 引火性の液体である 引火点が低いものが多い 燃焼下限界が低いものが多い 静電気を蓄積しやすい 液比重は一般に水より小さく 水に浮く 空気より重い 水に溶けないものが多い 着火温度の低いものがある 蒸気は空気と混合しやすい 沸点が低いものがある これ重要! 火災予防法 火気に気をつける 容器に収納し栓をする 冷暗所に貯蔵する 容器の詰め替えは屋外で行う 貯蔵所は頻繁に換気する 過熱するときは液温に注意する 空の容器の下に少し残った液体も危険である 蒸気を排出する際には 高所にする 静電気対策を行う 貯蔵所は防爆構造とする 容器に衝撃を与えない 表第 4 類の性質と火災予防法 3-4 第 4 類に共通する消火の方法 第 4 類危険物に共通する消火方法は 窒息消火をすることである これらは 非水溶性でかつ 水より軽いため 水をかけると火面が広がるため極めて危険になる よって 水で消火することはできない そこで 泡で覆うことにより 空気の供給を減らすことにより消火する窒息消火方法が採られる また 小規模火災の場合には 乾燥砂も有効である 水溶性の物質 ( 例 : アルコール類やアセトン ) では 耐アルコール泡である水溶性液体用泡消火薬剤が用いられる 一方 非水溶性の物質では ( 例 : ガソリンやトルエン ) では 霧状の強化剤 泡 二酸化炭素 ハロゲン化物等の消火薬剤が用いられる 不適切な消火方法としては 水や棒状 ( 霧状は大丈夫 ) の強化液による消火が考えられる 第 4 類危険物の多くは 水より軽く水に溶けない性質を持つため 水の放射により燃焼面を拡大し火災を広げる ジャスト危険物乙 4 64

3-5 特殊引火物 特殊引火物とは 1 気圧において発火点が100 以下のもの発火点, 引火点 沸点低い又は引火点が-20 以下で沸点が40 以下のものをいう 特殊引火物に共通の性質として 燃焼範囲が広く引火 爆発の危険性が高い また 引火点がすべて0 以下であり なんらかの火源があれば常温であっても引火する可能性が高い 第 4 類の物質の中で最も危険な物質である 特殊引火物を車両第 4 類等で運搬する際には 日光を避けるため遮光性のもので被覆する必要がある 特殊引火物特殊引火物には 1ジエチルエーテル 2 二硫化炭素 3アセトアルデヒド 4 酸化プロピレンがある なお 指定数量は50lである 種類物性値性質危険性 ジエチルエーテル二硫化炭素アセトアルデヒド酸化プロピレン 比重 :0.71 引火点:-45 無色透明 甘い刺激沸点 :35 燃焼範囲:1.9~36 臭 揮発性あり ア蒸気比重 :2.56 発火点:160 ルコールによく溶ける比重 :1.26 引火点:-30 以無色透明 無臭 水下より重い 揮発性あ沸点 :46 燃焼範囲:1~50 り アルコールに溶蒸気比重 :2.64 発火点:90 ける 水に溶けない 比重は 1.26 であり水よりも重い比重 :0.78 引火点:-39 無色透明 刺激臭沸点 :21 燃焼範囲:4~60 ( 果実臭 ) 水やアル蒸気比重 :1.52 発火点:175 コールに溶ける 揮発性が高い 粘膜を刺激し有毒比重 :0.83 引火点:-37 無色透明 水やアル沸点 :35 燃焼範囲:2.3~36 コールに溶ける エ蒸気比重 :2 発火点:449 ーテル臭がある表特殊引火物の性状 引火しやすい 燃焼範囲が広い 空気に長時間触れると過酸化物と生じ 衝撃で爆発のおそれ 静電気を発生しやすい 蒸気に麻酔性がある 直射日光を避けるわずかな蒸気でも引火しやすい 発生蒸気は有毒 燃焼すると有毒な二酸化硫黄が発生 静電気を発生しやすい 水中保存する 発火点は 90 で第 4 類の中で最も低い引火しやすい 燃焼範囲が広い 容器に栓をし不活性ガスを入れる 容器は銀や銅を使用しない 蒸気は有毒である 加圧状態では 爆発性の過酸化物を生成するおそれがある極めて引火しやすい 蒸気は毒性 皮膚に付くと凍傷のような症状になる 容器に栓をし不活性ガスを入れる 重合する性質がありその際熱を発生し火災原因となる ジャスト危険物乙 4 65

3-6 第 1 石油類 石油類は引火点によって第 1 石油類から第 4 石油類までに分けられる ( 第 1 石油類がもっとも危険 ) そして 第 1 石油類は 1 気圧において引火点が21 未満のものをいう ガソリンの出題可能性が高いので注意が必要である なお 指定数量は非水溶性のものが200 l 水溶性のものが400lである 種類 物性値 性質 危険性 比重 :0.65~0.75 引火点:-40 沸点 :40~220 燃焼範囲:1.4~ 無色 ( オレンジに着色しているも 極めて引火しやすい 空気より重く低所に滞留し ガソリン 7.6 のもある ) 臭気やすい 火気厳禁 電気蒸気比重 :3~4 発火点:300 あり 揮発性あの不良導体であり静電気 り 水に溶けない を発生しやすい 河川や 海に流出させない 非水 比重 :0.9 引火点:-11 沸点 :80 燃焼範囲:1.2~7.8 無色透明 臭気あり 揮発性あり 引火しやすい 静電気を発生しやすい 蒸気は毒 溶蒸気比重 :2.77 発火点:498 有機溶剤に溶け性があり吸うと中毒になベンゼン性る ゴムを溶かする 融点が低い (5 ) ため 固化しても引火の危険あ り 火気厳禁 トルエン 比重 :0.9 引火点:4 沸点 :111 燃焼範囲:1.1~7.1 蒸気比重 :3.1 発火点:480 無色で芳香あり 揮発性あり 芳香族化合物 有機溶剤に溶ける 引火しやすい 静電気を発生しやすい 通風を良くする 火気厳禁 蒸気は毒性があり吸うと中毒になる 比重 :0.9 引火点:-4 無色 果実のよう 引火しやすい 静電気を 酢酸エチル 沸点 :77 燃焼範囲:2~11.5 な芳香 ほとんど発生しやすい 通風を良蒸気比重 :3.0 発火点:426 の溶剤に溶けるくする 火気厳禁 容器 に密栓する アセトン 比重 :0.8 引火点:-20 沸点 :56 燃焼範囲:2.5~12.8 蒸気比重 :2 発火点:465 無色透明 芳香あり 水にも有機溶剤にも溶ける 樹 引火しやすい 通風を良くする 火気厳禁 容器に密栓する 水溶性 比重 :0.98 引火点:20 脂や油脂を溶かす無色 悪臭 水に 引火しやすい 毒性あり ピリジン 沸点 :115.5 燃焼範囲:1.8~12.4 蒸気比重 :2.7 発火点:482 も有機溶剤にも溶ける 通風をよくする 火気厳禁 容器に密栓する 表第 1 石油類の性状 ジャスト危険物乙 4 66

3-7 アルコール類 アルコール類とは 炭化水素化合物の水素が水酸基で置換された形の化合物をいう 消防法では 炭素数が 1~3 までの飽和 1 価アルコール類を対象としている 静電気を発生しにくい なお 指定数量は 400l である 種類物性値性質危険性 メチルアルコール ( メタノール ) エチルアルコール ( エタノール ) 1-プロパノールイソプロピルアルコール 比重 :0.8 無色透明 刺激臭あ引火点 :11 り 特有の芳香あり 沸点 64 水や有機溶剤とよく燃焼範囲 :6~36 混ざる 揮発性あり 蒸気比重 :1.1 毒性あり発火点 :464 比重 :0.8 引火点 :13 無色透明 刺激臭あ沸点 :78 り 水や有機溶剤とよ燃焼範囲 :3.3~19 く混ざる 揮発性あ蒸気比重 :1.6 り 毒性なし発火点 :363 比重 :0.8 引火点:23 沸点 :97.2 無色透明 水や有機溶燃焼範囲 :2.1~13.7 剤とよく混ざる蒸気比重 :2.1 発火点 :412 比重 :0.79 引火点 :15 無色透明 水やジエチ沸点 :82 ルエーテルにとよく燃焼範囲 :2~12.7 混ざる蒸気比重 :2.1 発火点 :399 表アルコール類の性状 引火しやすい 無水クロム酸と接触すると発火の危険あり 毒性がある 引火点が 11 なので夏期等は危険性が高くなる 燃焼しても炎の色が淡いため認識しづらい引火しやすい 無水クロム酸と接触すると発火の危険あり 引火点が 13 なので夏期等は危険性が高くなる燃焼しても炎の色が淡いため認識しづらい引火しやすい引火しやすい ジャスト危険物乙 4 67

3-8 第 2 石油類 第 2 石油類 ( 非水溶性 ) 第 2 石油類とは 1 気圧において引火点 21 以上 70 未満のものをいう 非水溶性と水溶性の ものがある なお 指定数量は非水溶性のものが 1000l 水溶性のものが 2000l である 種類物性値性質危険性 灯油 ( 別名ケロシン ) 軽油キシレン nブチルアルコールクロロベンゼン 比重 :0.8 無色又は淡紫黄 霧状や布に浸み込ませると 引火点 :40 以上 色 水に溶けない 引火の危険あり 静電気を 沸点 :145~270 油脂を溶かす 特 発生しやすい 通風を良く 燃焼範囲 :1.1~6 異臭 する 液温が引火点以上に 蒸気比重 :4.5 なるとガソリンと同様に危 発火点 :220 険 蒸気比重は 4.5 と低所 に滞留しやすい 比重 :0.85 淡黄色又は淡褐 霧状や布に浸み込ませると 引火点 :45 以上 色 水に溶けない 引火の危険あり 静電気を 沸点 :170~370 発火点はガソリン 発生しやすい 通風を良く 燃焼範囲 :1~6 より低い する 液温が引火点以上に 蒸気比重 :4.5 なるとガソリンと同様に危 発火点 :220 険 蒸気比重は 4.5 と低所 に滞留しやすい 比重 :0.86~0.88 無色透明 水に溶 静電気を発生しやすい 通 引火点 :27~33 けにくい 3 種類 風を良くする 沸点 :138~144 の異性体がある 燃焼範囲 :1~7 蒸気比重 :3.66 発火点 :463~528 比重 :0.8 無色透明 特有の 静電気を発生しやすい 通 引火点 :29 臭いあり 風を良くする 沸点 :117 燃焼範囲 :1.4~11.2 蒸気比重 :3.88 発火点:343 比重 :1.11 引火点:28 無色透明 水には 静電気を発生しやすい 通 沸点 :132 溶けず有機溶剤に 風を良くする 引火性が低 燃焼範囲 :1.3~9.6 溶ける 麻酔性 いため液温に注意 蒸気比重 :3.9 発火点:638 表第 2 石油類 ( 非水溶性 ) の性状 ジャスト危険物乙 4 68

第 2 石油類 ( 水溶性 ) 種類物性値性質危険性 酢酸 比重 :1.05 引火点:39 沸点 :118 燃焼範囲:4~19.9 蒸気比重 :2.1 発火点:463 無色透明 刺激臭 17 以下で凝固する 水や有機溶剤に溶ける 水溶性は弱酸性となる プロピ 比重 :1.0 引火点:52 無色透明 水や有機溶 オン酸 沸点 :140.8 燃焼範囲:- 剤に溶ける 蒸気比重 :2.56 発火点:465 アクリ 比重 :1.06 引火点:51 無色透明 水や有機溶 ル酸 沸点 :141 燃焼範囲:- 剤に溶ける 蒸気比重 :2.45 発火点:438 表第 2 石油類 ( 水溶性 ) の性状 腐食性が強く 皮膚に触れると火傷をする 吸入すると粘膜を炎症する コンクリートを腐食する腐食性が強く 皮膚に触れると火傷をする 吸入すると粘膜を炎症する 布に浸み込ませると引火の危険あり腐食性が強く 皮膚に触れると火傷する 吸入すると粘膜を炎症する 布に浸み込ませると引火の危険あり ジャスト危険物乙 4 69

3-9 第 3 石油類 第 3 石油類 ( 非水溶性 ) 第 3 石油類とは 重油 クレオソート油のほか 1 気圧において 20 で液状であり かつ 引 火点が70 以上 200 未満のものをいう なお 指定数量は非水溶性のものが2000l 水 溶性のものが4000lである 重油の出題が若干多いので注意が必要である 種類 物性値 性質 危険性 重油 比重 :0.9~1.0( 水よりも軽い ) 引火点 :60~150 沸点 :300 以上 燃焼範囲 :- 蒸気比重 :1 より大発火点 :250~380 褐色又は暗褐色 水に溶けない 特有の臭いを持つ 動粘度により 1 種 2 種 3 種に分けられる 水よりも軽い 過熱されないと引火の危険は低い 霧状や布に染込むと引火の危険あり 不純物の硫黄が燃焼すると有毒ガスとなる 燃焼温度が高く消火が困難 クレオソート油アニリンニトロベンゼン 比重 :1.0 以上 引火点 :73.9 沸点 :200 以上 燃焼範囲 :- 蒸気比重 :1 以上 発火点 :336 黄色又は暗褐色 水には溶けない アルコールやベンゼン には溶ける 比重 :1.01 引火点:70 無色又は淡黄色 水 沸点 :184 燃焼範囲:- に溶けない 有機溶 蒸気比重 :3.2 発火点:615 剤に溶ける 比重 :1.2 引火点:88 無色又は淡黄色 水 沸点 :211 燃焼範囲:- に溶けない 有機溶 蒸気比重 :4.3 発火点:482 剤に溶ける 表第 3 石油類 ( 非水溶性 ) の性状 過熱されないと引火の危険は低い 霧状や布に染込むと引火の危険あり 蒸気は有害 燃焼温度が高く消火が困難過熱されないと引火の危険は低い 霧状や布に染込むと引火の危険あり過熱されないと引火の危険は低い 霧状や布に染込むと引火の危険あり 蒸気は有毒 第 3 石油類 ( 水溶性 ) 種類 物性値 性質 危険性 比重 :1.1 引火点:111 無色透明 甘み過熱されないと引火の危険は低い エチレング沸点 :198 燃焼範囲:- がある 水によ霧状や布に染込むと引火の危険ありリコール蒸気比重 :2.1 発火点:398 く溶ける 比重 :1.3 引火点:199 無色透明 水や 過熱されないと引火の危険は低い グリセリン 沸点 :291 燃焼範囲:- エチルアルコー霧状や布に染込むと引火の危険あり蒸気比重 :3.1 発火点:370 ルには良く溶け る 表第 3 石油類 ( 水溶性 ) の性状 ジャスト危険物乙 4 70

3-10 第 4 石油類 第 4 石油類とは第 4 石油類とは ギヤー油 シリンダー油のほか 1 気圧において温度 20 で液状であり かつ 引火点 200 以上 250 未満のものをいう 第 4 石油類では ギヤー油 タービン油 マシン油 切削油 電気絶縁油 冷凍機油等がある 様々な産業の用途に利用されている なお 指定数量は6000lである 性質と危険性一般に溶けず 粘り気がある 液比重は水より小さいため水に浮かぶ 引火点は 70 以上であり常温では引火しない しかし いったん燃焼すると非常な高温となり消火は困難となる 消火の方法は 泡 ハロゲン化物 二酸化炭素 粉末等の消火剤により窒息消火する 重油に準じた消火方法を行う ジャスト危険物乙 4 71

3-11 動植物油類 動植物油類とは動植物油類とは 動物の脂肉または植物の種子もしくは果肉等から抽出したものであって 1 気圧において引火点が250 未満のものをいう なお 指定数量は10000lである 性質と危険性一般に無色透明で 液比重 ( 約 0.9) は水よりも小さいため水に浮かぶ 一般に水に溶けない性質を持つ 布のしみ込んだものは 酸化や発熱をし自然発火するものもある 引火点は 約 70 以上であり常温では引火しない しかし いったん燃焼すると非常な高温となり消火は困難となる 消火の方法は 泡 ハロゲン化物 二酸化炭素 粉末等の消火剤により窒息消火する ヨウ素価と自然発火ヨウ素価とは 油脂 100gに吸収されるヨウ素をグラム数で表したものをいう このヨウ素価の大きいもの ( 乾きやすい性質ほど自然発火の危険性が高い 特にアマニ油が自然発火の危険性が高いので注意が必要となる ) 動植物油類の自然発火は 油が空気中で酸化され この酸化反応で発生した熱が蓄積され発火点に達すると起こる 自然発火は 一般に乾きやすい ( 乾性油 ) 油で起こりやすく この乾きやすさの基準をヨウ素価という よう素価 物質 100 以下 ( 危険性小 ) ツバキ油 オリーブ油 ひまし油 100~130( 危険性中 ) ゴマ油 なたね油 綿実油 130 以上 ( 危険性大 ) アマニ油 キリ油 表よう素価と各種油 ジャスト危険物乙 4 72

3-12 第 4 類危険物の比較 品名物品名液体色水溶引火点発火点比重沸点 特殊引火物 第 1 石油類 アルコール類 ジエチルエーテル無色 -45 160 0.7 35 二硫化炭素無色 -30 90 1.3 46 アセトアルデヒド無色 -39 175 0.8 21 酸化プロピレン無色 -37 449 0.8 35 ガソリンオレンジ -40 300 0.65 40 ベンゼン無色 -11 498 0.9 80 トルエン無色 4 480 0.9 111 アセトン無色 -20 465 0.8 56 メタノール無色 11 464 0.8 64 エタノール無色 13 363 0.8 78 n プロピルアルコール無色 23 412 0.8 97 燃焼範囲 1.9 ~ 36.0 1.3 ~ 50.0 4.0 ~ 60.0 2.3 ~ 36.0 1.4 ~ 7.6 1.2 ~ 7.8 1.1 ~ 7.1 2.5 ~ 12.8 6.0 ~ 36.0 3.3 ~ 19.0 2.1 ~ 13.7 ジャスト危険物乙 4 73

第 2 石油類 第 3 石油類 イソプピルアルコール 無色 15 399 0.79 82 灯油 やや黄色 40 220 0.8 145 軽油 淡黄色 45 220 0.85 170 キシレン 無色 33 463 0.88 144 酢酸 無色 39 463 1.05 118 重油 褐色 60 250 0.9 300 クレオソート油 黄色 74 336 1.00 200 ニトロベンゼン 淡黄色 88 482 1.2 211 グリセリン 無色 199 370 1.3 291 表代表的な第 4 危険物物質の性状 2.0 ~ 12.7 1.1 ~ 6.0 1.0 ~ 6.0 1.0 ~ 6.0 4.0 ~ 19.9 1.8 ~ 40.0 ジャスト危険物乙 4 74

3-13 事故事例と対策 事故事例 1 廃止した地下貯蔵タンクを解体作業中にタンクが爆発し 解体作業従事者がけがをした 対策 タンク内の残油が残っていたため タンク解体の火花が引火したものであり 残油を確実に抜き取ることが大切である タンクの解体作業の前に タンク内を洗浄し水を完全に充填すること 上記のタンク洗浄に際しても タンク内の危険物の可燃性蒸気が残留している可能性があることから 静電気を抑えるために高圧洗浄をしない 水の充填をする代わりに 不活性ガスを充てんさせることも検討する 残油の抜き取りの際にも 接地( アース ) をして 静電気を逃がすこと 可燃性蒸気を無くしてから 火花を発生する工具を使用すること 事故事例 2 セルフスタンドにおいて 自動車のタンクを開ける際 噴出したガソリン蒸気に静電気が引火し て 火災が発生した 対策 静電気が火災の原因となっているため その発生を抑制するために ガソリンスタンドに散水をする 従業員には 帯電防止服や靴の着用をさせる ガソリンを入れるホース付近に 静電気除去 に関する表示をして 顧客に注意を喚起する 固定給油設備のホースやノズルの導通を良好に保つ 顧客や従業員が車のタンクのキャップを開ける前に 何かに触れることにより静電気を逃がすことを励行する ジャスト危険物乙 4 75

発行 : ジャスト危険物乙 4 530-0001 大阪市北区梅田 1 丁目 1-3 大阪駅前第 3 ビル 23 階 Email: info@kikenbutu.info ジャスト危険物乙 4 76