資料 2 3 平成 29 年 1 月 18 日火力部会資料 西条発電所 1 号機リプレース計画 環境影響評価方法書 補足説明資料 平成 29 年 1 月 四国電力株式会社 - 1 -

Similar documents
資料 2-3 平成 28 年 11 月 21 日火力部会資料 相馬港天然ガス発電所 ( 仮称 ) 設置計画 環境影響評価準備書 補足説明資料 平成 28 年 11 月 福島ガス発電株式会社 1

<819A967B95B687452E786477>

4 予測結果では 海側で少し環境目標値を超えているのですけれども 対岸の東海市のところは 新日鐵住金の工場等でしょうか 東海市側も臨港地区になりまして ご指摘の通り新日鐵住金等があるエリアです なお 対岸までの距離は約 1km ですが 住宅地までは約 3.5km です 5 煙源が地面に近く 施工区域

第 12 章環境影響評価の結果 12.1 調査の結果の概要並びに予測及び評価の結果

武蔵 狭山台工業団地周辺大気 環境調査結果について 埼玉県環境科学国際センター 化学物質担当 1

添付資料 〇添付 -1: 大気質に係る追加調査候補地点 〇添付 -2: 大気質に係る予測手法の変更 〇添付 -3: 騒音 振動 低周波音に係る追加調査候補地点 〇添付 -4: 水質に係る追加調査候補地点 〇添付 -5: 植物 動物に係る環境影響評価項目の変更植物 動物に係る環境影響評価項目選定理由の

untitled

大阪港新島地区埋立事業及び大阪沖埋立処分場建設事業に係る

綾部測定局 国道 27 号 ( 綾部市味方町アミダジ 20-2) 農業研究センター 新綾部大橋 綾部市清掃工場 凡例 事業予定地 気象測定場所 大気質測定場所 騒音振動測定場所 騒音測定場所 悪臭測定場所 資料 1: 綾部市ごみ中間処理施設整備に係る生活環境影響調査報告書 ( 平成 12 年 綾部市

untitled

Microsoft Word 悪臭_通し頁_ doc

ⅱ 調査地点調査地点は 事業実施区域の敷地境界 2 地点とし 調査時において 風上 風下となる地点とした 調査地点を図 7.4-1に示す ⅲ 調査方法調査方法を表 7.4-3に示す 表 悪臭の調査方法 調査項目 悪臭の状況 気象の状況 調査方法 臭気指数 : 三点比較式臭袋法試料採取時の

untitled

中央新幹線(東京都・名古屋市間)環境影響評価書 資料編 【静岡県】

NO2/NOx(%)

( 別紙 ) 中国電力株式会社及び JFE スチール株式会社 ( 仮称 ) 蘇我火力 発電所建設計画計画段階環境配慮書 に対する意見 1. 総論 (1) 石炭火力発電を巡る環境保全に係る国内外の状況を十分認識し 本事業を検討すること 本事業を実施する場合には 本事業に伴う環境影響を回避 低減するため

資料 3-2 建設機械の稼働に係る予測時期の検討 [ 本編 p112,127 参照 ] 建設機械の稼働に係る大気質の予測時期は 以下に示すとおりである [ 長期予測 ] 窒素酸化物 浮遊粒子状物質の年間排出量 (12 ヶ月積算値 ) が最大となる 12 ヶ月 ( 工 事着工後 6~17 ヶ月目 )

28 環総政第 492 号 平成 28 年 8 月 10 日 意見書 JFE 扇島火力発電所更新計画 に係る環境影響評価準備書に関する環境影響評価法 ( 平成 9 年 6 月 13 日法律第 81 号 ) 第 20 条第 1 項及び東京都環境影響評価条例 ( 昭和 55 年東京都条例第 96 号 )

第8章 対象事業の目的及び内容

第 1 章環境監視調査の項目及び調査の手法 1.1 調査項目及び調査時期 平成 28 年度に実施した事後調査の調査項目及び調査時期を表 に 調査 工程を表 に示します だみ 大気質 表 平成 28 年度に実施した環境監視調査の調査項目

Microsoft Word - 00.常陸那珂GT表紙.doc

<4D F736F F D2091E6358FCD31328B438FDB A5182F08ADC82DE816A2E646F6378>

別 紙 2

<4D F736F F D2091E E8FDB C588ECE926E816A2E646F63>

(00)顕著速報(表紙).xls

8.特集「大気汚染の現状と課題」

Microsoft Word - 0評_水質.docx


土地利用計画 土地利用計画面積表 土地利用の区分区分面積 ( m2 ) 比率 (%) 備考 発電施設用地パネル 19, パワーコンディショナー 緑地 5, 計画地面積 24, 太陽光パネル配置図 発電施設計画 発電施設の概要 発電設備規格

Microsoft Word - 24_11景観.doc

Microsoft Word - 本文(大気)1110.docx

6 発生源の状況大気汚染物質の発生源は 工場 事業場の固定発生源と自動車 船舶等の移動発生源の二つに大別される 本県の固定発生源は東京湾に面する浦安市から富津市に至る臨海工業地帯とその周辺に 移動発生源は東葛 葛南 千葉地域に集中している 6-1 固定発生源 (1) 発生源の状況と対応千葉市から富津

第 5 章調査の結果並びに予測及び評価の結果 5-1 大気環境 大気質本事業の実施によって 工事中には建設機械の稼働に伴う排出ガスや工事用車両の運行に伴う排出ガス 供用時には施設の稼働に伴う煙突排出ガスや施設利用車両の運行に伴う排出ガスがあり これらに含まれている大気汚染物質によって大気

平成10年度 ヒートアイランド現象に関する対策手法検討調査報告書

別紙 第 1 対象事業 1 事業者の名称 代表者の氏名及び主たる事務所の所在地名称 :JFE スチール株式会社代表者 : 代表取締役社長柿木厚司所在地 : 東京都千代田区内幸町二丁目 2 番 3 号 2 対象事業の名称 JFE 扇島火力発電所更新計画 3 対象事業実施区域神奈川県川崎市川崎区扇島 1

風力発電インデックスの算出方法について 1. 風力発電インデックスについて風力発電インデックスは 気象庁 GPV(RSM) 1 局地気象モデル 2 (ANEMOS:LAWEPS-1 次領域モデル ) マスコンモデル 3 により 1km メッシュの地上高 70m における 24 時間の毎時風速を予測し

表 2-2 北海道地方における年平均風速データベース作成に関する仕様 計算領域計算期間水平解像度時間解像度 20 年間 365 日 水平解像度 500m 1991 年 ~2010 年 24 時間 =175,200 メッシュ以下の詳北海道電力供給管内の詳細メッシュの時間分のデータを細メッシュの風況風況

資料3-1 風力発電所に係る騒音・低周波音に係る問題の発生状況

第1章 都市計画対象事業の名称

局別風向頻度表 期間平成 29 年 4 月 1 日 ~ 平成 30 年 3 月 31 日 項目風向 市町村名 測定局 区分 N NNE NE ENE E ESE SE SSE S SSW SW WSW W WNW NW NNW CALM 合計 南町 度数

第 4 章環境影響評価の結果 第 1 節大気質 1.1 現況調査 事業計画地及びその周辺の大気質の状況を把握するため 以下の項目について現況を 把握した なお 現況把握は 既存資料調査または現地調査により実施した 1 大気汚染の状況 2 気象の状況 3 土地利用の状況 4 主な発生源の状況 5 交通

第 41 巻 21 号 大分県農業気象速報令和元年 7 月下旬 大分県大分地方気象台令和元年 8 月 1 日


(仮称)蘇我火力 計画段階配慮書(あらまし)

第 41 巻 13 号 大分県農業気象速報令和元年 5 月上旬 大分県大分地方気象台令和元年 5 月 1 3 日

Microsoft Word (直江津)土地利用~貯蔵一覧

1 気象状況 (1) 概況 2 月 28 日から 3 月 1 日にかけて 低気圧が急速に発達しながら日本海を北東に進んだ このため 福井県内では 2 月 28 日夜から 3 月 1 日夜遅くかけて強風となり 最大風速は 福井で西南西 14.9m/s(1 日 08 時 12 分 ) 敦賀で北西 16.

技術資料 JARI Research Journal OpenFOAM を用いた沿道大気質モデルの開発 Development of a Roadside Air Quality Model with OpenFOAM 木村真 *1 Shin KIMURA 伊藤晃佳 *2 Akiy

淀川水系流域委員会第 71 回委員会 (H20.1 審議参考資料 1-2 河川管理者提供資料

釧路火力発電所 環境影響評価準備書

Microsoft Word - 評価書5-1大気質_p123~_ doc

(b) 流れ及び波浪の状況 a) 波浪 ( 波向 波高 ) ( ア ) 経時変化及び最大値顕著な高波浪を記録した夏季について 海域ごとの代表地点における経時変化を図 に示します また 各調査地点における最大値を資料編に示します 波浪調査地点 注 ) 波浪の経時変化 ( 図 -6.


Microsoft Word - プレスリリース_2015

(Microsoft Word -


Microsoft Word 交通渋滞(有明アーバン)_181017

資料 3-1 風向 風速の異常年検定 [ 本編 p.115 参照 ] 窒素酸化物総量規制マニュアル( 新版 ) ( 公害研究対策センター, 平成 12 年 ) に示される 基準年の異常年検定 に基づき 港陽における風向及び風速の測定結果を統計手法により検定した この結果 平成 24 年度は 平年と比

局別風向頻度表 期間 2013 年 4 月 1 日 ~2014 年 3 月 31 日 項目風向 単位 % 市町村名 測定局 区分 NNE NE ENE E ESE SE SSE S SSW SW WSW W WNW NW NNW N CALM 合計 南町 度数

< F905593AE5F8D62957B95E290B3955D89BF8F912E786477>

空間相関を考慮した ベイズ統計による PM2.5濃度解析

5 月沿岸定線海洋観測結果 令和元年 5 月 13 日岩手県水産技術センター TEL: FAX: 沿岸 10 海里以内の表面水温は 8~10 台で 平年より 1 程度高めとなっている 1. 水温分布

平成 27 年度 新潟県たにはま海水浴場流況調査 報告書 平成 27 年 6 月調査 第九管区海上保安本部

はじめに 平素より皆様には 当社の事業活動につきまして 格別のご理解とご協力を賜り 厚くお礼申し上げます 当社神戸製鉄所は 昭和 34 年の高炉火入れ以降 銑鋼一貫製鉄所として操業してきました 平成 7 年には 電気事業法 が改正され 入札制度の下で一般企業等が電力卸供給事業に参入することが可能とな

黄砂消散係数 (/Km) 黄砂消散係数 (/Km) 黄砂消散係数 (/Km) 黄砂消散係数 (/Km) 日数 8~ 年度において長崎 松江 富山で観測された気象台黄砂日は合計で延べ 53 日である これらの日におけるの頻度分布を図 6- に示している が.4 以下は全体の約 5% であり.6 以上の

1 見出し1

橡Ⅰ.企業の天候リスクマネジメントと中長期気象情

1 海水 (1) 平成 30 年 2 月の放射性セシウム 海水の放射性セシウム濃度 (Cs )(BqL) 平成 30 年 平成 29 年 4 月 ~ 平成 30 年 1 月 平成 25 ~28 年度 ~0.073 ~ ~0.

風速 ^2 ((m/s)^2) 気圧 (hpa) 観測項目の経時変化 図 2 に各観測項目の時系列を示した. なお, 風速の縦軸は風速の 2 乗 ( 風速 ^2) であり, 項目名末尾のアルファベットは各地点 ( 三宅島 : M, 大島 :

環境影響評価法に基づく基本的事項等に関する技術検討委員会第2回

長野県農業気象速報(旬報) 平成27年9月上旬

(仮称)横須賀火力発電所新1・2 号機建設計画 環境影響評価書 条例環境影響評価書 環境影響評価結果概要資料編

火山活動解説資料平成 31 年 4 月 14 日 17 時 50 分発表 阿蘇山の火山活動解説資料 福岡管区気象台地域火山監視 警報センター < 噴火警戒レベルを1( 活火山であることに留意 ) から2( 火口周辺規制 ) に引上げ> 阿蘇山では 火山性微動の振幅が 3 月 15 日以降 小さい状態

3.3 導入ポテンシャルの簡易シミュレーション シミュレーションの流れ導入ポテンシャルの簡易シミュレーションは 河川上の任意の水路 100m セグメント地点で取水し 導水管を任意の箇所に設定して 任意の放水地点に発電施設を設置して発電する場合の導入ポテンシャル値 ( 設備容量 ) 及び概

7 月沖合定線海洋観測結果 令和元年 7 月 11 日岩手県水産技術センター TEL: FAX: 県南部沖 20~50 海里の 100m 深水温は平年より最大 4 程度低め 1. 水温分布 ( 図

局別風向頻度表 期間平成 28 年 4 月 1 日 ~ 平成 29 年 3 月 31 日 項目風向 市町村名 測定局 区分 N NNE NE ENE E ESE SE SSE S SSW SW WSW W WNW NW NNW CALM 合計 南町 度数

1 見出し1

局別風向頻度表 期間 2010 年 4 月 1 日 ~2011 年 3 月 31 日 項目風向 単位 % 市町村名 測定局 区分 NNE NE ENE E ESE SE SSE S SSW SW WSW W WNW NW NNW N CALM 合計 南町 度数

1 見出し1

Microsoft Word - 040評価(第7章大気).docx


< F2D94AD90B68CB992B28DB895F18D90955C8E E9197BF8254>

Microsoft Word - format_amedas.doc


2 気象 地震 10 概 況 平 均 気 温 降 水 量 横浜地方気象台主要気象状況 横浜地方気象台月別降水量 日照時間変化図 平均気温 降水量分布図 平成 21 年 (2009 年 ) の月別累年順位更新表 ( 横浜 ) 23

3

平成 24 年度維持管理記録 ( 更新日平成 25 年 4 月 26 日 ) 1. ごみ焼却処理施設 (1) 可燃ごみ焼却量項目単位年度合計 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 A B 炉合計焼却量 t 33, ,972

山梨県世界遺産富士山景観評価等技術指針 ( 平成二十八年山梨県告示第九十九号 ) 山梨県世界遺産富士山景観評価等技術指針を次のとおり定める 平成二十八年三月二十四日 山梨県知事 後 藤 斎 山梨県世界遺産富士山景観評価等技術指針 ( 趣旨 ) 第一条 この技術指針は 山梨県世界遺産富士山の保全に係る

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

津波警報等の留意事項津波警報等の利用にあたっては 以下の点に留意する必要があります 沿岸に近い海域で大きな地震が発生した場合 津波警報等の発表が津波の襲来に間に合わない場合があります 沿岸部で大きな揺れを感じた場合は 津波警報等の発表を待たず 直ちに避難行動を起こす必要があります 津波警報等は 最新

日報-952.xls

平成 2 9 年度 大気汚染物質の常時監視測定結果について 平成 3 0 年 8 月 3 日埼玉県環境部大気環境課 (1) 測定結果の概要ア大気汚染常時監視体制県 大気汚染防止法の定める政令市 ( さいたま市 川越市 川口市 所沢市 越谷市 ) 及びその他の2 市 ( 草加市 戸田市 ) では 大気

<4D F736F F D F193B994AD955C8E9197BF816A89C482A982E78F4882C982A982AF82C482CC92AA88CA2E646F63>

平成 30 年 2 月の気象概況 2 月は 中旬まで冬型の気圧配置が多く 強い寒気の影響を受け雪や雨の日があった 下旬は短い周期で天気が変化した 県内アメタ スの月降水量は 18.5~88.5 ミリ ( 平年比 29~106%) で 大分 佐賀関 臼杵 竹田 県南部で平年並の他は少ないかかなり少なか

別紙 Ⅰ 対象事業の概要環境影響評価法 ( 平成 9 年法律第 81 号 以下 法 という ) 第 15 条に基づき 事業者である国土交通省関東地方整備局及び横浜市から 平成 30 年 6 月 22 日に送付のあった環境影響評価準備書 ( 以下 準備書 という ) の概要は次のとおりである 1 事業

Microsoft PowerPoint - shiryou5

ファクトシート : モルプレ B(5&6 号機 ) 石炭火力発電事業 2017 年 10 月 13 日 環境 持続社会 研究センター (JACSES) 1. 事業の概要 1 モルプレ B 石炭火力発電所 (5&6 号機 ) 建設事業は ボツワナ共和国のパラピエ地区おいて 既存のモルプレ B 発電所

Microsoft Word 電波障害_通し頁_ doc

予報時間を39時間に延長したMSMの初期時刻別統計検証

資料

Transcription:

資料 2 3 平成 29 年 1 18 日火力部会資料 西条発電所 1 号機リプレース計画 環境影響評価方法書 補足説明資料 平成 29 年 1 四国電力株式会社 - 1 -

目次 1. 配慮書での大気拡散計算結果について 3 2. 地上気象観測 ( 風向 風速 ) データについて 4 3. 上層気象観測用の風向 風速計の設置場所他について 8 4. 禎瑞小学校における NOx 測定値について 9 5. 放水口の配置の複数案の検討の進め方について 11-2 -

1. 配慮書での大気拡散計算結果について 配慮書での大気拡散計算結果において 本リプレースにより ばい煙の排出量は 3 割程度低減するにも関わらず 着地濃度がそれほど減少していないのはなぜか 現状は既設 1 2 号機の排ガスを集合煙突から排出しているのに対し 将来は新設 1 号機の排ガスを新設煙突から排出する計画です その結果 表 1 に示すとおり 集合煙突から排出する既設 2 号機の排ガスは 有効煙突高さが現状よりも低くなる見込みです 配慮書において確認した最大着地濃度出現地点に一番近い禎瑞局の二酸化硫黄寄与濃度の予測結果を表 2 に示します 新設 1 号機については 有効煙突高さがリプレース前後でほとんど変わらないため 排出量を 6 割程度低減 (104m 3 N/h 42m 3 N/h) した分だけ寄与濃度も減少 (0.00031ppm 0.00013ppm) していますが 既設 2 号機については リプレース後に煙突の集合効果がなくなったことにより有効煙突高さが減少し 寄与濃度が増加 (0.00048ppm 0.00064ppm) したため 将来の新設 1 号機 既設 2 号機合計の着地濃度はそれほど下がらない (0.00079ppm 0.00077ppm) 結果となっています なお 施設の稼働に伴う大気質への環境影響については 大気汚染物質の拡散状況 短期高濃度条件の影響について 必要な調査 予測及び評価を行い 大気質への影響を回避 低減できるよう適切な環境保全措置を検討し その結果を環境影響評価準備書に記載いたします 表 1 現状及び将来の有効煙突高さ 項目 単位 現状将来 1 号機 2 号機新設 1 号機 2 号機 使用煙突 - 集合煙突 (A 筒 ) 集合煙突 (B,C 筒 ) 新設煙突 集合煙突 (B,C 筒 ) 煙突の実高さ m 200 180 200 有効煙突高さ ( 代表風速 4.9m/s) m 369 361 329 表 2 配慮書における二酸化硫黄寄与濃度 ( 禎瑞局 ) の予測結果 項目 硫黄酸化物排出量 二酸化硫黄寄与濃度 ( 禎瑞局 ) 単位 m 3 N/h ppm 現 状 将 来 1 号機 2 号機 新設 1 号機 2 号機 104 158 42 158 262 200 0.00031 0.00048 0.00013 0.00064 0.00079 0.00077 3

2. 地上気象観測 ( 風向 風速 ) データについて 西条地域気象観測所の風向 風速データと対象事業実施区域内で実施している地上気象観測の風向 風速データの傾向に差異等がある理由を確認したい 表 3 に示す 西条地域気象観測所及び対象事業実施区域内で H28 年 4 から H28 年 11 までの期間に実施した地上気象観測結果によると 西条地域気象観測所の最多風向は SSW 平均風速は 1.6m/s~2.2m/s 対象事業実施区域内の地上気象のごとの最多風向は NNE S WSW 平均風速は 1.3m/s~2.3m/s となっています 図 1(1)(2) に示す H28 年 4 から 11 の風配図にて両地点の風向について比較すると 両地点とも北東方向及び南西方向の風の発生頻度が高くなっており 概ね同様の傾向となっているものの 最多風向については異なっております これは 図 2 に示すとおり 西条地域気象観測所が海岸線から約 4km 離れた内陸部に位置しているのに対し 対象事業実施区域は海岸線に近い沿岸部に位置しているため 対象事業実施区域内の地上気象は より強く海風の影響を受けているためと考えられます なお 表 3 に示す 対象事業実施区域内で地上気象観測と同じ H28 年 4 から H28 年 11 までの期間に実施した上層気象観測結果によると ごとの最多風向は ENE NE 平均風速は 2.8m/s~4.5m/s であり 北東方向からの風の出現頻度が高いことから 風向については対象事業実施区域内の地上気象観測結果と概ね同様の傾向となっております 気象観測については H29 年 3 末まで引き続き調査を行い 大気質への環境影響に係る予測及び評価に活用していく予定としております 表 3 平均風速及び最多風向 (H28 年 4 ~11 ) 平成 28 年度 4 5 6 7 8 9 10 11 西条地域気象観測所 最多風向 - SSW SSW SSW SSW SSW SSW SSW SSW 平均風速 m/s 2.2 2.0 2.0 1.9 2.1 1.6 1.9 2.1 対象事業実施区域 地上気象 上層気象 (200m) 最多風向 - NNE NNE NNE NNE NNE NNE S WSW 平均風速 m/s 1.9 1.9 1.7 1.3 1.5 1.8 2.2 2.3 最多風向 - ENE ENE ENE NE ENE ENE ENE ENE 平均風速 m/s 3.2 3.0 3.1 3.0 3.5 2.8 3.5 4.5 4

図 1(1) 風配図 (H28 年 4 ~7 ) 2016 年度 西条地域気象観測所 対象事業実施区域 ( 地上気象 ) 対象事業実施区域 ( 上層気象 ) 4 5 6 7 凡例 : 平均風速 (m/s), 出現頻度 (%) 注 ) グラフ円内の数字は, 上段は静穏 (0.4m/s 以下 ) の出現頻度 (%), 下段は欠測率 (%) を示す 5

図 1(2) 風配図 (H28 年 8 ~11 ) 2016 年度 西条地域気象観測所 対象事業実施区域 ( 地上気象 ) 対象事業実施区域 ( 上層気象 ) 8 9 10 11 凡例 : 平均風速 (m/s), 出現頻度 (%) 注 ) グラフ円内の数字は, 上段は静穏 (0.4m/s 以下 ) の出現頻度 (%), 下段は欠測率 (%) を示す 6

図 2 西条地域気象観測所の位置 7

3. 上層気象観測用の風向 風速計の設置場所他について 上層気象観測用の風向 風速計の設置場所及びデータ処理方法を確認したい 図 3 の風向 風速計設置位置図に示すとおり 上層気象観測用の風向 風速計は 既設 200m 煙突の頂部 ( 筒身上端 GL+200m) から約 0.5m 高い位置で 筒身から 4m 離して 2 方向 ( 北西方向及び南東方向 ) に 1 台ずつ設置しています なお 煙突頂部における風向 風速計の設置状況を図 4 に示します また 使用する風向 風速データについては 0.25 秒毎に 2 台の風向 風速計の風速データの 10 分間の移動平均値を比較し 高い方の計器の風向 風速データを選択し 10 分間の移動平均値として記録しています なお 当該データについては 煙突の筒身よりも約 0.5m 高い場所に風向 風速計を設置していることから 筒身による影響はないものと考えておりますが 高層気象観測の結果と比較することで確認する予定です 図 3 風向 風速計設置位置図 ( 平面図 ) 図 4 風向 風速計の設置状況 GL+200.517m 8

4. 禎瑞小学校における NOx 測定値について NOx 濃度を測定している禎瑞小学校について すぐ側に大きな道路があるが 車両 の排ガス等の影響は懸念されないか 図 5 に示す 禎瑞小学校 ( 自社測定結果 ) と最寄りで NOx 測定を行う一般環境大気測定局である西条局 ( 愛媛県大気汚染常時監視テレメーターシステム監視情報から入手した速報値 ) の二酸化窒素濃度 ( 日平均値 ) の経日変化 ( 平成 28 年 10 ) を比較すると 西条局よりも禎瑞小学校の方が少し高い傾向が確認されます (+0.004ppm~-0.001ppm) また 図 6 に示す 禎瑞小学校 (H28 自社測定結果 ) と西条局 (H22~H26 の 5 年平均値 ) の二酸化窒素濃度 ( 平均値 ) の経変化を比較すると 禎瑞小学校と西条局はほとんど同じ傾向となっています 図 7 に示すとおり 禎瑞小学校における NOx 測定場所とその北側に位置する壬生川新居浜野田線 ( 県道 13 号線 ) とは 側道をはさみ直線距離で約 20m 離れていますが 現時点では 禎瑞小学校での測定結果に北側の道路を通行する車両の排ガス等が影響しているかどうかについて判断が難しいことから 禎瑞小学校での 1 年間連続測定 (H28 年 4 ~H29 年 3 ) が完了し 自治体より西条局での H28 年度の測定結果 ( 確定値 ) を入手できた段階で 改めて車両の排ガス等の影響について検討いたします なお 仮に禎瑞小学校での測定結果が車両の排ガス等の影響を受けていたことが判明した場合でも 環境濃度として安全側での予測評価が行えるものと考えております 図 5 禎瑞小学校 ( 自社測定結果 ) と西条局 ( 速報値 ) の比較 9

図 6 禎瑞小学校 (H28 自社測定結果 ) と西条局 (H22~H26 平均値 ) の比較 図 7 禎瑞小学校における NOx 測定地点の位置関係 10

5. 放水口の配置の複数案の検討の進め方について 放水口の配置の複数案について どのような方向性で検討を進めるのか 放水口の配置については 図 8(1)(2) に記載の A B C 案の中から 今後 実施する温排水拡散範囲の予測結果等を踏まえて選定することとしています 温排水拡散範囲の予測にあたっては 周辺海域に存在する干潟を数理モデル ( 平面 2 次元 ) によるシミュレーション解析手法に反映させるとともに 水温水平分布の現況調査結果と上記モデルによる現状の温排水拡散予測範囲を比較検証して妥当性を確認したうえで 将来の配置案について予測を行います 放水口の配置の選定については 上記予測結果に基づき 現状の拡散範囲に対して将来の A B C 案の拡散範囲がどのように変化するかを把握するとともに 図 9 に示す周辺海域の状況を踏まえ それぞれの案について 干潟の動植物やノリ養殖などの周辺海域の生物等への影響低減効果 潮時毎の温排水拡散範囲 温排水層の厚さ 潮位 取水口の構造等を踏まえた温排水の再循環の有無 既設防波堤や護岸の補修工事及び船舶の航行への支障の程度等の観点から比較 評価し 放水口の配置案を絞り込むことといたします さらに 絞り込んだ配置案について 放水口の位置 形状 方向等に関わる詳細な検討を行い 最終的な放水口の配置を決定いたします なお 放水口の配置の複数案の検討経緯については それぞれの案について予測する温排水拡散範囲等も含めて準備書に記載いたします 11

図 8(1) 放水口の配置の複数案 図 8(2) に示す放水口の配置の複数案を検討 12

図 8(2) 放水口の配置の複数案 13

図 9 西条発電所周辺海域の概況 西条港 加茂川河口 対象事業実施区域区画漁業権の設定位置干潟の分布 ( 現況調査 ) 以上 14