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Transcription:

フードロス削減に向けて世界で形成されるグローバル政策シナリオ ~ ルール形成戦略の視点から ~ デロイトトーマツコンサルティング株式会社グローバルマネジメントインスティテュートパートナー國分俊史 tkokubun@tohmatsu.co.jp 2014 年 10 月 10 日

フードロスが及ぼす水 CO2 土壌汚染の削減を目指した解決を協議 フードロスの経済損失規模 ( 概算 ) 生産 物流 製造 流通 ( 小売 ) 消費 家庭 外食 先進国 20 兆円 (23%) 5 兆円 (7%) 20 兆円 (23%) 5 兆円 (7%) 新興国 16 兆円 (20%) 5 兆円 (7%) 7 兆円 (10%) 2 兆円 (3%) フードロスの環境汚染 2013 年 9 月に発行された FAO( 国連食糧農業機関 ) によるレポートによりフードロスが環境にもたらす影響が明らかに 食品廃棄物のフットプリントレポート GHG (CO2 換算 ) 水利用 土地利用 約 3.3Gt 排出 ( 世界全体の約 10%) 約 250k m3利用 ( 世界全体の約 40%) 約 14 億 ha 利用 ( 世界全体の約 10%) 小売での発生が最も少ないことから世界では小売が削減をリード 水 CO2 土壌汚染の削減に繋がる形で解決の枠組みが形成されていく 1

EU は 2012 年にフードロスの発生を 2025 年に 30% 削減を政策方針として採択 EU FUSION の取り組み EU 目標 (30% 削減 ) を政策とした国 ドイツ EU は 2012 年にフードロスの発生を 2025 年までに 30% 削減を実現させる方針を採択 2012 年 11 月にオープンイノベーション基盤である Framework Program の中でフードロスの削減を目的とした技術開発プロジェクトである FUSION を始動 主にパッケージの技術開発を多面的な確度から推進 農務大臣イルゼアイグナー氏 消費者啓発中心のキャンペーンに着手 (2012 年 3 月 ) フランス 物流 小売 消費段階でのロス削減策を提示 (2012 年 12 月 ) 農務大臣ギヨーム ガロ氏 2 出展 ; ドイツ大使館 HP フランス大使館 HP

Chevrons フードロスを見るべき視点 with tables

環境対応を持続的な競争優位に昇華させるルール形成戦略 製品 サービスの競争優位の消失 価格機能品質 差別化が難しい産業 小売業 外食産業 アパレル IT 産業 消費財 Step1 環境対応の打ち出しによる差別化 Step2 ルール形成による構造的かつ持続的な優位を構築 環境ルール 価格機能品質 + 環境対応 価格機能品質 自社をアピール 他社を排除 4 脱価格競争を図るために差別化策としてハードルの高い環境対応を行いつつ 同時にルール形成をしかけることで 他社を顧客の声に基づいて合理的に排除する構図を実現

回避から利用に姿勢を変えて作られてくる国際的な環境ルール クロロフルオカーボン ( フロン ) 規制における米国企業と米国政府の戦略 1970 年代 1980 年代半ば トリガーとなった背景 科学的な知見の蓄積 オゾン層保護 環境問題への関心の高まり デュポンを中心とする米国化学メーカーによる代替フロンの開発に目処が立つ デュポン社ら米国企業 米国政府 フロン規制に反対しつつも代替フロンの開発も推進 対立 フロンの国際規制を見据えた国内規制化に向けた動き 自社優位性確保のために規制賛成派に転じ 米国政府 NGO と協調し 国際的な規制を要求 協調 代替フロンの義務化に応じない場合は米国市場の流通を規制 1987 年にモントリオール議定書としてフロン規制の国際ルールが誕生 対立 圧力 海外政府 / 海外企業 フロン規制に反対 フロン規制に反対していたが米国政府の交渉力に屈する 5 出所 : デュポン HP などを参考に DTC 作成

社会課題解決と調達ポリシーをテコに世界への店舗普及を進める Walmart 2005 年現在 2017 年以降 Walmart 3 つの社会課題解決を宣言 ゼロウェイスト 100% 再生可能エネルギーによる店舗運営 自然環境を持続させる商品の販売 パッケージの CO2 や水使用量 生産工程における再生可能エネルギー比率の数値目標を協議 サステナビリティコンソーシアム (SC) の立ち上げ 10 万社のサプライヤーおよび建材メーカーと 3 つの目標を達成するための協働プロジェクトをテーマ別に設定して推進 2017 年に米国内全店舗で実現 陳列商品の 70% をサステナブル商品にする方針 100 兆円規模の小売が参画 SC 構想に世界各地の小売を巻き込み 小売総額 100 兆規模の連合を形成して同様の店舗運営ルールを定着させる方針 6

提唱する世界観を社会の賛同を募って新たなルールに落とし込んでいくアプローチ ルール形成のフレームワーク 新しいルールに基づく新たな新市場 政省令 ガイドライン等 法律 働きかけ 政治家 官僚 世論 教授 ジャーナリスト 法制化前のローカルルール 市民 問題を客観的に証明する根拠の提供 With NGO NPO 問題に対する関心の喚起 7

フードロスを起点としたルール形成シナリオ Chevrons with tables

EU は 2012 年にフードロスの発生を 2025 年に 30% 削減を政策方針として採択 FUSION の主な参画プレーヤーインターパック 2014 農業 包装 ICT その他 メーカー 食品小売外食 廃棄 リサイクル 企業 (35 社 ) (9 社 ) (18 社 ) (12 社 ) 非企業 政府 政策決定機関 大学 研究機関 NGO チャリティ (21 団体 ) (13 団体 ) (17 団体 ) パッケージ技術として素材だけでなく パッキング方法 コンバーティングプロセスなどパッキングプロセスにおける衛生管理まで含めた統合ソリューションを強調 9

テスコは 2013 年から独自に主要な食品のフードロスのホットスポットを特定し 今後 サプライチェーン全体で削減を推進していくことを宣言 出所 :https://www.tescoplc.com/files/pdf/reports/tesco_and_society_2013-14_halfyear_summary.pdf 10

EU FUSION に 入っていない カルフールも 2013 年にフランス政府 WWF と共同してフードロス削減と環境対応に取り組む企業の表彰を開始 フランス物流 小売 消費段階でのロス削減策を提示 (2012 年 12 月 ) 企業の CSR 活動にフードロス対策の取組の導入を促進し フードロスの日 (10 月 16 日 ) に優秀な取り組みを表彰 賞味期限表示から消費推奨表示 (~ 前に食べた方がよい ) への変更に着手 カルフールの anti-gaspi( フードロス及び廃棄物削減 ) 賞 受賞理由 1: 徹底的な無駄の削減廃棄物の量 消費エネルギー 水の使用等あらゆる面での gaspillage 削減努力を評価 豚肉の食用にされない部分は全てペットフードや肥料の製造に使用 包装容器の削減 ( プラスチックフィルムの厚さを 4 割削減 ) 施設で消費される熱エネルギーの 75% を再生可能エネルギー化 受賞理由 2: 使用水量に占める割合が 6 割にのぼる再利用水ウルトラフィルターでろ過された水を器具や動物運搬車の洗浄 施設の冷却などに使用 受賞理由 3: 運輸方法のエコ化の取組輸送方法の一部を鉄道に変えてエネルギー消費を削減 (2010 年の 4 月より始まった取組 ) 11 フランス語の gaspillage( ガスピヤージュ ) は 食品に限定せず 無駄 一般を指す言葉

埋立量の削減はパッケージのバイオプラスチック化を加速 フードロスの再資源化 ( 有効活用 ) EU 埋立指令 (1999 年 ): 埋立処理される生分解性廃棄物量を 1995 年比で 2006 年までに 75% 2009 年までに 50% 2016 年までに 35% まで削減 EU 政策 2012 年に 2020 年までに埋立を 100% 無くすことを目標 とし 手段としてフードロスの再利用を推進していく 欧州環境委員ポトチュニック氏 ドイツ 廃棄物由来のバイオガス発電への参入を促すために売電価格を割高に設定 各国政策 フランス イギリス 埋立関連の環境汚染活動税の引上げ 埋立税引き上げ 外食由来の食品廃棄物の回収助成金 バイオマス活用ファンド設立 アメリカ ( カルフォルニア州 ) 食品事業者のフードバンク活用に対する税制優遇開始 12 95 年時点で埋立比率 80% 以上の国は 4 年間猶予あり

欧州政府と欧米企業が形成してくる可能性がある政策シナリオ あり得るルール形成シナリオ 日本も含めた食品メーカーへのフットプリント規制の適用 食品メーカーに対する製品製造と流通に関わる再委託先も含めたサプライチェーン全体での 1CO2 排出量削減 2 水使用量削減 3 エネルギー利用量削減と再エネ比率の向上の 3 つに対する環境規制の抜本的な引き上げ 欧州企業の技術をベースとしたパッケージ規制 食品メーカーに対するバイオプラスチック製のパッケージの利用義務化など 欧州企業発の環境性の高いパッケージを国際的に義務化 HACCP と連動したルール化 パッケージだけでなく 充填機械や充填方法まで含め HACCP と連動して生産プロセスにおける衛生管理と連携した形でルール化がされてくる可能性 13

デロイトトーマツコンサルティング (DTC) は国際的なビジネスプロフェッショナルのネットワークである Deloitte( デロイト ) のメンバーで 有限責任監査法人トーマツのグループ会社です DTC はデロイトの一員として日本におけるコンサルティングサービスを担い デロイトおよびトーマツグループで有する監査 税務 コンサルティング ファイナンシャルアドバイザリーの総合力と国際力を活かし 日本国内のみならず海外においても 企業経営におけるあらゆる組織 機能に対応したサービスとあらゆる業界に対応したサービスで 戦略立案からその導入 実現に至るまでを一貫して支援する マネジメントコンサルティングファームです 1,800 名規模のコンサルタントが 国内では東京 名古屋 大阪 福岡を拠点に活動し 海外ではデロイトの各国現地事務所と連携して 世界中のリージョン エリアに最適なサービスを提供できる体制を有しています Deloitte( デロイト ) は監査 税務 コンサルティングおよびファイナンシャルアドバイザリーサービスをさまざまな業種にわたる上場 非上場クライアントに提供しています 全世界 150 を超える国 地域のメンバーファームのネットワークを通じ デロイトは 高度に複合化されたビジネスに取り組むクライアントに向けて 深い洞察に基づき 世界最高水準の陣容をもって高品質なサービスを提供しています デロイトの約 200,000 名を超える人材は standard of excellence となることを目指しています Deloitte( デロイト ) とは 英国の法令に基づく保証有限責任会社であるデロイトトウシュトーマツリミテッド ( DTTL ) ならびにそのネットワーク組織を構成するメンバーファームおよびその関係会社のひとつまたは複数を指します DTTL および各メンバーファームはそれぞれ法的に独立した別個の組織体です DTTL( または Deloitte Global ) はクライアントへのサービス提供を行いません DTTL およびそのメンバーファームについての詳細は www.tohmatsu.com/deloitte/ をご覧ください 本資料は皆様への情報提供として一般的な情報を掲載するのみであり その性質上 特定の個人や事業体に具体的に適用される個別の事情に対応するものではありません また 本資料の作成または発行後に 関連する制度その他の適用の前提となる状況について 変動を生じる可能性もあります 個別の事案に適用するためには 当該時点で有効とされる内容により結論等を異にする可能性があることをご留意いただき 本資料の記載のみに依拠して意思決定 行動をされることなく 適用に関する具体的事案をもとに適切な専門家にご相談ください Member of Deloitte Touche Tohmatsu Limited