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栗駒山の 仙台管区気象台地域火山監視 警報センター 火山活動に特段の変化はなく 静穏に経過しており 噴火の兆候は認められません 30 日の噴火警戒レベル運用開始に伴い 噴火予報 ( 噴火警戒レベル 1 活火山であることに留意 ) を発表しました 予報事項に変更はありません 活動概況 噴気など表面現象の状況 ( 図 1~9) 監視カメラによる観測では 噴気は認められませんでした 14 日から 15 日にかけて実施した現地調査 (15 日は岩手県及び一関市と合同 ) では 前回 (2018 年 8 月 ) 及び前々回 (2018 年 5 月 ) と比較して ゼッタ沢上流 ゆげ山 地獄釜の地熱域の状況に特段の変化はみられませんでした 昭和湖及びその周辺では 地熱域はみられませんでしたが 引き続き硫化水素が発生していることを確認しました 27 日に岩手県の協力により実施した上空からの観測では ゆげ山 地獄釜 昭和湖及びゼッタ沢上流に特段の変化は認められませんでした 地震や微動の発生状況 ( 図 10) 火山性地震及び火山性微動は観測されませんでした なお 栗駒山周辺では 平成 20 年 (2008 年 ) 岩手 宮城内陸地震 の余震域内で地震活動が続いています 地殻変動の状況 ( 図 11 13) 火山活動によると考えられる変化は認められませんでした この火山活動解説資料は 仙台管区気象台のホームページ (https://www.jma-net.go.jp/sendai/) や 気象庁ホームページ (https://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/stock/monthly_v-act_doc/monthly_vact.php) でも閲覧することができます 次回の火山活動解説資料 ( 令和元年 6 月分 ) は令和元年 7 月 8 日に発表する予定です 資料で用いる用語の解説については 気象庁が噴火警報等で用いる用語集 を御覧ください https://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/stock/kaisetsu/kazanyougo/mokuji.html この資料は気象庁のほか 国土地理院 東北大学及び国立研究開発法人防災科学技術研究所のデータも利用して作成しています 本資料中の地図の作成に当たっては 国土地理院長の承認を得て 同院発行の 数値地図 50m メッシュ ( 標高 ) 及び 電子地形図 ( タイル ) を使用しています ( 承認番号平 29 情使 第 798 号 ) - 1 - 栗駒山

栗駒山 ( 須川岳 ) ゼッタ沢上流 昭和湖 図 1 栗駒山山頂周辺の状況 (5 月 13 日 ) 大柳監視カメラ ( 山頂の南東約 20km) の映像です 図 2 栗駒山昭和湖及びゼッタ沢上流周辺の状況 (5 月 16 日 ) 展望岩頭監視カメラ ( 昭和湖の南南西約 900m) の映像です 図 4 撮影方向 : 地上からの撮影位置と撮影方向 : 上空からの撮影方向 図 9 撮影位置 地獄釜 図 8 撮影位置 ゆげ山 図 7 撮影位置 ゼッタ沢上流 図 6 撮影位置 昭和湖 図 5 撮影方向 図 3 栗駒山昭和湖 ゼッタ沢上流 ゆげ山 地獄釜の写真と地表面温度分布撮影位置及び撮影方向 - 2 - 栗駒山

ゆげ山 地獄釜 2019 年 5 月 27 日 13 時 32 分岩手県の協力による ゆげ山 地獄釜 2018 年 11 月 6 日 10 時 31 分岩手県の協力による ゆげ山 地獄釜 2018 年 7 月 25 日 13 時 15 分岩手県の協力による 図 4 栗駒山上空から撮影したゆげ山及び地獄釜付近の状況 噴気は確認されませんでした 図中の破線の色は図 3 に対応します - 3 - 栗駒山

ゼッタ沢上流 昭和湖 2019 年 5 月 27 日 13 時 45 分岩手県の協力による ゼッタ沢上流 昭和湖 2018 年 11 月 6 日 10 時 17 分岩手県の協力による ゼッタ沢上流 昭和湖 2018 年 7 月 25 日 13 時 11 分岩手県の協力による 図 5 栗駒山上空から撮影した昭和湖及びゼッタ沢上流の状況 噴気は確認されませんでした 図中の破線の色は図 3 に対応します - 4 - 栗駒山

2019 年 5 月 14 日 13 時 37 分天気 : 曇気温 18 2019 年 5 月 14 日 13 時 37 分 2018 年 8 月 3 日 10 時 46 分天気 : 晴気温 20 2018 年 8 月 3 日 10 時 59 分 2018 年 5 月 15 日 11 時 50 分天気 : 晴気温 14 2018 年 5 月 15 日 11 時 50 分 図 6 栗駒山北東から撮影した昭和湖の状況と地表面温度分布 昭和湖及び湖岸に地熱域は認められません ( 温度の高い部分は 岩等が日射により温められたことによるものと推定されます ) - 5 - 栗駒山

2019 年 5 月 14 日 15 時 13 分天気 : 晴気温 21 2019 年 5 月 14 日 15 時 15 分 2018 年 8 月 3 日 12 時 37 分天気 : 晴気温 21 2018 年 8 月 3 日 12 時 49 分 2018 年 5 月 15 日 16 時 00 分天気 : 晴気温 16 2018 年 5 月 15 日 16 時 00 分 図 7 栗駒山北東から撮影したゼッタ沢上流の状況と地表面温度分布 地熱域 ( 赤破線 ) の状況に特段の変化はみられません ( 地熱域以外で温度の高い部分は 岩等が日射により温められたことによるものと推定されます ) - 6 - 栗駒山

2019 年 5 月 15 日 16 時 25 分天気 : 曇気温 11 2019 年 5 月 15 日 16 時 25 分 2018 年 8 月 3 日 13 時 32 分天気 : 晴気温 24 2018 年 8 月 3 日 13 時 38 分 2018 年 5 月 16 日 09 時 50 分天気 : 快晴気温 20 2018 年 5 月 16 日 09 時 50 分 図 8 栗駒山東から撮影したゆげ山の状況と地表面温度分布 地熱域 ( 赤破線 ) の状況に特段の変化はみられません ( 地熱域以外で温度の高い部分は 岩等が日射により温められたことによるものと推定されます ) - 7 - 栗駒山

2019 年 5 月 15 日 14 時 15 分天気 : 曇気温 10 2019 年 5 月 15 日 14 時 15 分 2018 年 8 月 3 日 14 時 50 分天気 : 晴気温 24 2018 年 8 月 3 日 14 時 52 分 2018 年 5 月 16 日 13 時 20 分天気 : 晴気温 22 2018 年 5 月 16 日 13 時 20 分 図 9 栗駒山北西から撮影した地獄釜の状況と地表面温度分布 地熱域 ( 赤破線 ) の状況に特段の変化はみられません ( 地熱域以外で温度の高い部分は 岩等が日射により温められたことによるものと推定されます ) - 8 - 栗駒山

2006 年 10 月 12 日観測開始 注 1) 注 2) 注 3) 図 10 栗駒山日別地震回数 (2006 年 10 月 ~2019 年 5 月 ) 基準観測点の変更は次のとおりです 観測開始 2006 年 10 月 12 日 ~ 旧耕英観測点注 1) 2008 年 6 月 14 日 ~7 月 2 日 18 時 ( 図の灰色部分 ) まで 平成 20 年 (2008 年 ) 岩手 宮城内陸地震 の影響により観測不能 注 2) 注 3) おやす 2008 年 7 月 2 日 ~ 小安観測点 (2010 年 10 月 8 日まで ) 及び広域地震観測網 2016 年 6 月 1 日 ~ 耕英観測点 2010 年 4 月 1 日解析開始 国土地理院機器交換 2010 年 4 月 1 日解析開始 平成 23 年 (2011 年 ) 東北地方太平洋沖地震 2010 年 4 月 1 日解析開始 2017 年 9 月 1 日解析開始 2017 年 9 月 1 日解析開始 図 11 栗駒山 GSS 基線長変化図 (2010 年 4 月 ~2019 年 5 月 ) 平成 23 年 (2011 年 ) 東北地方太平洋沖地震 に伴うステップを補正しています 1~5 は図 13 の GSS 基線 1~5 に対応しています ( 国 ) は国土地理院 ( 東 ) は東北大学の観測点を示します 秋ノ宮 ( 東 ) 観測点に起因する変化で 火山活動によるものではないと考えられます - 9 - 栗駒山

図 12 栗駒山観測点配置図小さな白丸 ( ) は気象庁 小さな黒丸 ( ) は気象庁以外の機関の観測点位置を示しています ( 国 ): 国土地理院 ( 東 ): 東北大学 ( 防 ): 防災科学技術研究所 図 13 栗駒山 GSS 観測基線図小さな黒丸 ( ) は気象庁以外の機関の観測点位置を示しています ( 国 ): 国土地理院 ( 東 ): 東北大学 - 10 - 栗駒山