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Transcription:

情産 -17- 情シ -5 平成 28 年度 IT サービス開発 運用プロセスの検討 - 情報システム部門から IT サービス部門への変革に向けて - - クラウドサービス利活用実態調査 - 2017 年 3 月 一般社団法人電子情報技術産業協会ソリューションサービス事業委員会

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1. IT サービス開発 運用プロセス 1.1 検討の背景 企業の情報システム部門に求められる役割や活動領域は 時代とともに変化している かつては 企業の事業 業務を IT 化することで 事業の拡大 業務の効率化を図ることが大命題であった したがって 企業の情報システム部門は 経営幹部や業務部門からの要望に従って 事業目標を達成するために業務を素早く効率的に実行する情報システムを開発し 運用することが重要な役割だった 一方 情報システムをユーザ企業に提供していたコンピュータ メーカーや SIer も 単にハードウェアやソフトウェアを提供するだけではなく 情報システムをサービスとして提供する IT サービスプロバイダと呼ばれる業態に変化してきた 大きな要因の一つとして 企業が情報システムを 保有する から 利用する に変化してきたことが挙げられる そして そのような変化を加速したのが クラウドサービスの出現である 事業モデル 規模の変化に素早く対応することができ 使った IT の時間や機能のレベルに応じて料金を支払えば良い しかも クラウドサービスを利用する業務部門は 情報システム部門に頼らなくても IT サービスプロバイダからクラウドサービスを直接調達し 業務に活用することが普通に行われるようになった では このような環境の変化に対応して 情報システム部門の役割はどう変化すべきなのだろうか 二つの変化が求められている 一つは 自社で情報システムを開発するだけではなく 外部に開発を委託したり 外部の IT サービスプロバイダからサービスとして調達したりする割合が増加することで 今まで以上に外部調達機能や契約管理 供給者管理の強化が求められている もう一つは 業務部門に IT をシステムとして提供するだけではなく 外部から調達したサービスを含めて 統合されたサービスとして提供することである 企業内の業務部門も 事業環境や企業の事業方針 戦略の変化に対応して IT の活用方法 形態を変化させる必要がある そのためには 情報システム部門は IT をシステムとして業務部門に提供するのではなく サービスとして提供することが必要になる つまり 情報システム部門は 社内の業務部門を IT サービスを活用するお客様と考え 業務部門や企業全体の価値向上に貢献できる組織に変革することが求められている 情報システム部門は (2)

IT サービス部門に変革することが必要なのである ( 図 1.1-1 参照 ) 図 1.1-1 情報システム部門から IT サービス部門へ サービスの開発 運用においては 企業における業務遂行を支援するために IT サービスを提供するのであるから システムを開発 運用することは必須である しかし システムを開発し業務部門に提供するだけでは サービスを開発 提供したとは言えない そのシステムをサービスとして業務部門に提供することによって 業務部門が業務を円滑に遂行することができ 目標以上の成果を達成できるようになることが必要である そこで 情報システム部門が業務部門の期待する価値に応えうる IT サービスを提供するための作業を IT サービス開発 運用プロセスとして検討し 整理した 1.2 検討の概要 情報システム部門は IT を活用し業務を遂行することで いかに事業や業務の拡大 効率化 コスト削減に貢献できるかが重要となる そのために情報システム部門は 業務部門の目標 さらには企業全体の事業目標を意識して 社内リソースを活用した内部サービスと外部サービスをうまく活用した IT サービスを提供する必要がある そのためには 適用対象となる業務プロセスの事業領域 さらにはビジネスモデルにおける位置付けにおいて どのような意味を持つのかを知る必要がある ( 図 1.2-1 参照 ) (3)

図 1.2-1 業務プロセスと IT サービスの関係 本節では IT サービス開発 運用プロセスの検討を進める際の前提と検討の内容および その成果について示す (1) 検討の前提本専門委員会は icd2015 の タスクディクショナリ をベースにして情報システム部門がクラウドサービスを利活用して IT サービスを開発する際の活動について検討することにした 検討にあたり UISS 1 のタスクフレームワークを参考にして 全体フレームワークを作成した ( 図 1.2-2 参照 ) 1 UISS:Users' Information Systems Skill Standards (4)

図 1.2-2 検討の全体フレームワーク IT サービス開発 運用プロセスの検討にあたっては 以下の前提を設けた 1 情報システム部門の役割 情報システム部門の主たる役割は システム開発 運用 から IT サービス開発 運用 に変化する 2 サービスの利用 情報システム部門は内部サービスと外部サービスを組み合わせた IT サービスを提供する 外部サービスは サービス提供者から提供されるクラウドサービスとする システムはサービスの一部であり サービスの構成要素 ( ヒト モノ プロセス ) のモノに該当する 3 検討範囲 全体フレームワークのサービス企画 ~サービス評価の一連のプロセスと サービスマネジメントを検討対象とする IT 戦略策定 IT 戦略実行マネジメント IT 戦略評価 は IT サービス特有のタスクが存在しないため検討対象外とする 従来の システム開発 システム運用 保守 プロジェクトマネジメント 等で そのまま活用できる部分は検討対象外とする (5)

(2) 検討の内容 IT サービス開発 運用プロセスの検討にあたり ベースとなるタスクとして icd2015 のタスクディクショナリを利用し icd2016 での変更点を考慮した icd2015 を利用した IT サービス開発 運用プロセスの検討の流れを説明する ( 図 1.2-3 参照 ) 図 1.2-3 IT サービス開発 運用プロセスの検討の流れ (6)

(3) 成果物以上の検討により作成した主要な成果物は IT サービス開発 運用プロセス<タスク関連図 > IT サービス開発 運用プロセス<タスク一覧 > および IT サービス開発 運用プロセス<アウトプット定義 > である 1 IT サービス開発 運用プロセス < タスク関連図 > IT サービス開発 運用プロセスを構成するタスクの大分類 中分類について タスク間の関連を図で表現した ( 図 1.2-4 参照 ) なお 本報告では IT サービス特有の部分に絞って検討しており プロジェクトマネジメント システム開発 システム運用 保守 については検討範囲から外すこととした サービス企画 1 サービス企画立案 サービス化構想の立案 サービス化計画の策定 サービス化要件の検討 サービス評価 9 サービス評価 サービスの評価 システムの評価 サービス開発 サービス運用 2 サービス要件定義 6 移行設計 7 移行 8 サービス運用 サービス要件の定義 3 サービス設計 サービス設計 4サービス構築サービス運用計画の策定 移行設計 5サービステストサービステスト計画の策定 移行 サービス運用テスト サービス運用の準備 サービス運用 サービス利用受付 手配 要求 インシデント受付 外部サービスの評価と選定 サービス運用ドキュメントの整備 サービス運用環境の整備 サービステストの実施 情報発信 システム化要件の検討 システム開発システム要件定義 方式設計 運用設計 アプリケーションシステム開発 基盤システム構築 プロジェクトマネジメント システムテスト 利用者および課金管理 システム運用 保守 IT 運用コントロール システム運用管理 サービス提供管理 関係管理 解決管理 統合的制御管理 継続的サービス改善 10 サービスマネジメント 図 1.2-4 IT サービス開発 運用プロセス < タスク関連図 > (7)

2 IT サービス開発 運用プロセス < タスク一覧 > プロセスとは インプットをアウトプットに変換する活動である そして アウトプットはそれ以降のプロセスのインプットになる IT サービス開発 運用プロセスでも タスクや作業の成果としてのアウトプットがある IT サービス開発 運用プロセスを構成するタスクの大分類 中分類 タスク名と 中分類毎のインプット アウトプット名を一覧にした ( 図 1.2-5 参照 ) 1 大分類番号 2 大分類 3 中分類番号 4 中分類 5インプット 6アウトプット 7タスク番号 8タスク 9 作業番号 10 作業内容 大分類番号 大分類 中分類番号 中分類インプットアウトプット タスク番号 タスク 作業番号 作業内容 1 サービス企画立案 1.1 ITサービス化構想の立案 1.1.1 ITサービス化による達成目標の設定 1.1.1.1 ITサービス化によるビジネス課題解決の達成目標を設定する 事業環境 業務環境 ITサービス化構想 IT 戦略 1.1.1.2 業務環境の情報を収集し 業務課題を分析する 現行の業務やITサービスの状況 1.1.1.3 ITサービス化構想の前提となるIT 戦略を確認する 1.1.1.4 対象業務の業務要件を把握する 1.1.1.5 業務課題 業務要件とITサービス化の達成目標の整合性を確認する 1.1.2 現行業務 ITサービスの調査分析 1.1.2.1 現行業務を調査し 業務実態を把握する 1.1.2.2 現行 ITサービスの状況を調査し 現行 ITサービスの稼働状況を把握する 1.1.2.3 現行の業務やITサービスの状況から 開発 改善 改革対象の範囲を明確化する 1.1.3 新業務の全体像把握と評価指標の設定 1.1.3.1 ITサービス化で対応する業務機能のあるべき姿を描く 1.1.3.2 あるべき業務機能に求められる主要機能を明らかにする 1.1.3.3 企画するITサービスにおける業務運用の定量的評価指標を設定する 1.1.3.4 企画するITサービスにおける業務運用の定性的評価指標を設定する 1.1.4 投資規模の策定 1.1.4.1 企画するITサービスの開発 ( 一次費用 ) に関する期間 体制 工数 設備費の概算を見積もる 1.1.4.2 企画するITサービスの運用 ( 継続費用 ) に関する体制 工数 保守費 ( ハードウェア ソフトウェア ) の概算を見積も る 1.1.4.3 ビジネスモデルとITサービスによる企業目標 経営戦略およびIT 戦略の実現性を評価する 1.1.5 ITサービス化構想の成案化 1.1.5.1 ITサービス化構想書の原案を作成する 1.1.5.2 ITサービス化構想書をレビューする 1.1.5.3 組織体のルールに従ってITサービス化構想の承認を得る 1.1.5.4 ITサービス化構想の推進体制を立案する 1.1.5.5 推進体制案を関係先と調整し 体制を確立する 図 1.2-5 IT サービス開発 運用プロセス < タスク一覧 > の記載項目 3 IT サービス開発 運用プロセス < アウトプット定義 > IT サービス開発 運用プロセス < アウトプット定義 > は タスク一覧のアウトプットに記 載している各アウトプットについて 概要 目的 記載項目 内容を定義したものである ( 図 1.2-6 表 1.2-1 参照 ) アウトプット名 概要 目的 サービス化構想 サービス化しようとする事業 業務ならびに IT サービスの投資規模などについて検討した結果をまとめたもので サービス化計画を立案する際に活用される 記載項目構想名達成目標現状分析新業務の概要評価指標投資実現可能性 内容当該構想を的確かつ簡潔に表す構想の名称を記載する サービス化によって達成しようとしている事業目標 業務目標を記載する サービス化に対象になっている業務およびサービスの現状について分析した結果を記載する IT サービスによって実現する業務の主要機能を記載する 企画する IT サービスにおける業務運用の定性的 定量的評価指標を記載する 企画する IT サービスの初期投資 開発 運用 保守費用などの概算を記載する IT サービスによる企業目標 経営戦略および IT 戦略の実現性可能性についての評価結果を記載する 図 1.2-6 アウトプット定義の例 (8)

表 1.2-1 アウトプット一覧 No. アウトプット名 概要 1 サービス化構想 サービス化しようとする事業 業務ならびにITサービスの投資規模などについて検討した結果をまとめたもの 2 サービス化計画 サービス化の目標 実現するための手段 方法や手順をまとめたもの 3 サービス化要件 サービス化の対象となる業務 サービスの仕様を明確にし サービス化の範囲と実現すべき要件を具体化したもの 4 サービス要件定義 サービスが実現すべき機能 非機能や必要となる条件を定義し サービス設計に必要な情報を定義したもの 5 サービス仕様 利害関係者がサービスについて共通認識を持つために サービスの仕様情報をまとめたもの 6 サービス構成設計 サービスを実現するために必要となる ハードウェア ソフトウェア ネットワークなどを明確にしたもの 7 サービス運用設計 サービス運用 ( 提供 ) 時の基本方針 運用要件 運用 管理プロセス 監視項目などを明確にしたもの 8 サービス拡張計画 サービスの維持 強化のために必要となる拡張活動 スケジュールなどについてまとめたもの 9 外部サービス仕様 外部のサービスプロバイダが提供するサービスの仕様情報をまとめたもの 10 外部サービス評価 選定報告 サービスを構成するコンポーネント 支援サービスとして利用する外部サービスの評価結果および選定結果をまとめたもの 11 システム化要件 サービスに必要なシステム化の範囲を明確にし システム化の機能および非機能要件を定義したもの 12 サービス運用計画 サービス運用に関わる体制 達成目標 活動計画 内容 手順 方法 実施日程などをまとめたもの 13 サービス運用規程 サービス運用活動において実施すべき事項 遵守すべき事項 基準を定めたもの 14 サービス運用手順 サービス運用活動における作業の内容 順序を定めたもの 15 サービス利用申請 利用者がサービスの利用開始 延長 変更 利用停止を申請する際に必要となる情報をまとめたもの 16 サービス利用手順 利用者がサービスやシステムを利用する際に行う操作の内容 順序を定めたもの 17 教育プログラム サービスの運用者または利用者が必要となる知識 技術などを習得するための 教育コースの体系 内容をまとめたもの 18 サービス運用体制 サービスを運用を実行するための組織 要員の構成 構造を明確にしたもの 19 サービステスト計画 サービステストの目的 範囲 実施 評価方法 体制 実施日程などをまとめたもの 20 サービステスト報告 サービステストの実施内容 結果をまとめたもの 21 移行計画 移行の方針 完了条件 スケジュール 体制などをまとめたもの 22 移行実施報告 移行の実施内容 結果をまとめたもの 23 サービス運用テスト計画 サービス運用テストの目的 実施内容 実施体制 スケジュールなどまとめたもの 24 サービス運用テスト報告 サービス運用テストの実施内容 結果をまとめたもの 25 教育実施報告 教育計画および受講状況をフォローするために 教育プログラム コースの実施内容 結果をまとめたもの 26 サービス利用受付の記録 利用者からのサービス利用申請に関する情報を記録したもの 27 サービス要求の記録 サービス内容に関する要望や変更要求 新規サービスや既存サービスの大幅な変更要求の内容を記録したもの 28 インシデントの記録 受け付けたインシデントの内容 対応について記録したもの 29 利用者への通知情報 利用者がサービスを利用する上で知っておくべき情報をまとめたもの 30 課金情報 利用者に対してサービスの利用料金を通知するための情報をまとめたもの 31 利用者管理台帳 サービス利用者に関する情報を記録したもの 32 サービス評価報告 サービスの定性的 定量的な評価を定期的に行い 評価結果および改善策をまとめたもの 33 システム評価報告 サービスで使用するシステムの定性的 定量的な評価を定期的に行い 評価結果および改善策をまとめたもの 34 サービス運用報告 サービス運用状況を定期的に記録した結果をまとめたもの 35 サービスカタログ 利用者に公開可能なサービスに関する情報をまとめたもの 36 サービスメニュー サービスとして提供する機能を一覧としてまとめたもの 37 変更要求 実施すべき変更についての正式な提案内容をまとめたもの 38 サービスレベル合意 提供されるサービスの内容 範囲 およびサービスレベルの達成目標などについて合意した事柄を明文化したもの 39 サービス実績報告 サービス提供の実績をまとめたもの 40 事業関係管理報告 サービス利用者 経営層 利害関係者との関係についてまとめたもの 41 供給者管理報告 供給者との関係についてまとめたもの 42 サービス要求管理報告 サービス要求管理の活動実績およびレビュー結果をまとめたもの 43 インシデント管理報告 インシデント管理の活動実績およびレビュー結果をまとめたもの 44 問題管理報告 問題管理の活動実績およびレビュー結果をまとめたもの 45 変更管理報告 変更管理の活動実績およびレビュー結果をまとめたもの 46 リリース管理および展開管理報告 リリース管理および展開管理の活動実績およびレビュー結果をまとめたもの 47 構成管理台帳 サービスを構成する対象物に関する構成情報 関係情報を記録したもの 48 継続的サービス改善計画 継続的サービス改善活動の目的 進め方 体制 スケジュールなどをまとめたもの 49 サービス改善実施計画 サービス改善作業を実施するための進め方 体制 スケジュールなどをまとめたもの 50 継続的サービス改善活動報告 継続的サービス改善活動から得られた データ 情報 改善結果をまとめたもの (9)

2. 新たな価値創造による新規サービス開発 における情報システム部門の役割 2.1 検討の背景 昨今 IoT や AI など IT の活用範囲が拡大している これは コンピュータやネットワークの性能が飛躍的に伸び 従来の適用分野以外での IT 活用が可能になったためである 一方 Web を活用した新ビジネスで成功する企業も多く現れ 従来のビジネスモデルを温存する企業の生き残りは困難になってくることが予想される IT の活用領域拡大や 新たなビジネスモデルの創造 すなわち 新たな価値創造 は 企業の発展には無関係でいられないと言えよう しかしながら 現行の IT 資産を多く持つ企業の情報システム部門は 既存システムの運用や システムに寄せられる多くの改修への対応に追われているため 新しいことへの積極的な参加ができていないのが現状である そこで IT を用いた 新たな価値創造 を実現するには 現行システムの維持管理を担当している情報システム部門の知見も必要であるという認識のもと 情報システム部門の役割について検討し 整理した 2.2 検討の概要 ベースとなるタスクとして icd2015 別冊の 新たな価値創造による新規製品 サービス開発 (IT 融合人材 ) を利用した そして 2015 年度 ~2016 年度に本専門委員会で検討した サービス企画 ~サービス評価のプロセスである IT サービス開発 運用プロセス と 新たな価値創造による新規サービス開発 を関連付けた ( 図 2.2-1 参照 ) (10)

図 2.2-1 IT サービス開発 運用プロセス との関係 新たな価値創造による新規サービス開発 では プロトタイピングを通した新規製品の検討 や ビジネスの実証と新たな価値発見 で実証を行う その結果 ビジネスとして投資対効果を踏まえてサービスの事業化が承認された場合に 事業戦略や IT 戦略に組み込まれる その後 IT サービス開発 運用プロセス によりサービスが提供される (1) 新たな価値創造のためのシステム従来の基幹システムは事実を正確に記録し活用する役割があり 要件を予め決め易いが 信頼性や可用性の要求は一般的に高い 一方 新たな価値創造のためのシステム ( 以下 価値創造システム ) は人やモノのつながりを深化 拡大する役割を持ち 新しい発想でシステムを開発し 変化する要件に柔軟に対応することが求められる これらのシステムは特性が大きく異なるため 構築手法も大きく異なる ( 表 2.2-1 参照 ) (11)

これらの二つのシステムは独立して存在するのではなく 相互に関連したシステムである 点を考慮する必要がある 表 2.2-1 基幹システムと価値創造システムの比較 基幹システム 新たな価値創造のためのシステム 役割 事実を正確に記録し活用する 人やモノのつながりを深化 拡大する 特性 要件を予め決め易い データ構造が大きく変わらない データの正確性が重要 新しい発想が必要 変化する要件に柔軟な対応が必要 非構造データを扱う 構築手法 ウォーターフォール開発 デザイン思考 アジャイル開発 1 基幹システムとの連携を考慮価値創造システムは単独で動作することはなく 基幹システムと連携させる必要がある 例えば 価値創造システムで扱う顧客情報は基幹システムのマスタを利用したり 価値創造システムで得られた結果を基幹システムの記録として蓄積したりすることが考えられる そのため 基幹システム側に API 2 の設定や 機能を細分化しマイクロサービスとして提供することなどが求められる 2 価値創造システムの特性変化価値創造システムは小さく始めるが やがて成長していき事業における重要度が高まると 性能や信頼性に対する要求やデータの正確性が重視されるようになり ビジネス上もなくてはならない基幹システムに成長する その際 価値創造システムを増強していく場合と 新たに基幹システムとして再構築する場合が考えられる いずれの場合でも開発 運用プロセスは従来のやり方と近いものになる (2) 情報システム部門の役割 新たな価値創造による新規サービス開発 に向けて 以下の 1~4 の対応について 情 報システム部門の参加は必須であると考える ( 図 2.2-2 参照 ) 2 API(Application Programming Interface) : ソフトウェアコンポーネントが互いにやりとりするのに使用するインタフェースの仕様 (12)

図 2.2-2 新たな価値創造による新規サービス開発 に対する情報システム部門の役割 (13)

3. クラウドサービス品質評価および情報システム部門実施タスクの実態調査 3.1 調査概要 本専門委員会が 2014 年度にまとめた サービス品質評価項目 をもとに クラウドサービスを選択 利用するうえで重視する品質評価項目の調査とその分析を行った また 同様に 2015 年度に IT サービス利活用プロセスの検討においてまとめた IT サービス利活用プロセス タスク一覧 をもとに 情報システム部門が実施しているタスクの範囲を調査し その結果を分析した その他に クラウドサービス活用状況 IT 投資等についても関連する調査を行った 3.2 クラウド利用における サービス品質評価項目 に関する調査 クラウドサービスを選択 利用するうえで重視するサービス品質評価項目の調査を行った 提示したすべての項目について 重視した ある程度重視した と回答した企業が約 80% であったことから 本専門委員会でまとめた品質評価項目が有効であることが確認できた ( 図 3.2-1 参照 ) (14)

(15) 図 3.2-1 クラウド選定時の サービス品質評価項目 考慮度 ( 業務系システム ) 40% 29% 29% 37% 36% 29% 33% 33% 29% 32% 31% 32% 30% 34% 31% 27% 24% 35% 34% 27% 31% 30% 28% 29% 27% 25% 52% 61% 59% 52% 54% 59% 58% 58% 56% 58% 57% 59% 60% 55% 58% 59% 61% 54% 51% 58% 60% 58% 58% 58% 61% 62% 8% 9% 12% 11% 10% 12% 9% 9% 14% 10% 12% 9% 10% 12% 12% 13% 15% 11% 15% 15% 10% 12% 14% 12% 11% 13% 0% 25% 50% 75% 100% サービス内容 サービス形態サービス実績情報提供 無料サービス 事前準備法令順守 監査対応 情報管理認証取得外部委託機能構成利用条件画面デザイン 操作性 帳票デザイン性能 可用性 拡張性既存環境との親和性情報通知問合せ窓口障害対応 要望対応ユーザー補助 エラー防止教育 情報共有サービス紹介基本方針 組織 情報資産 個人情報保護サイバー攻撃からの保護 アクセス制御 監視入退出管理基本方針 計画 代替対策復旧体制 訓練立地 配置建物 設備 環境配慮前提条件 支払方法 利用申込みサービス変更 解約 サービス終了基本情報事業者情報提供機能サポート情報セキュリティサービス継続性データセンターサービス契約重視したある程度重視した考慮しなかった (N=285)

3.3 IT サービス利活用における情報システム部門の役割に関する調査 IT サービス利活用プロセス タスク一覧 をもとに IT 戦略策定 実行支援 ~ サービスマネジメント のタスクにおける情報システム部門の関与度を調査した どのタスクに関しても 情報システム部門が 主担当になっている と回答した企業は 30 40% で 部分的に担当している レビュー 支援を実施 を含めると約 85% であり IT サービス利活用プロセスのタスクに情報システム部門が何らかの形で関与していることがわかった ( 図 3.3-1 参照 ) 0% 25% 50% 75% 100% IT 戦略策定 実行支援 48% 25% 14% 13% サービス企画立案 42% 31% 14% 13% サービス要件定義 40% 26% 20% 13% サービス設計 37% 27% 22% 14% サービス開発 34% 28% 22% 16% サービステスト 32% 28% 23% 17% 移行設計 35% 28% 21% 16% 移行 33% 29% 22% 15% サービス運用 33% 32% 21% 14% サービス評価 33% 33% 19% 15% IT 戦略評価 改善 39% 30% 17% 14% サービスマネジメント 37% 32% 18% 13% (N=510) 主担当になっている 部分的に担当している レビュー 支援を実施 参加していない 図 3.3-1 活動に対する情報システム部門の参加度 (16)

- 禁無断転載 - 平成 28 年度 IT サービス開発 運用プロセスの検討 - 情報システム部門から IT サービス部門への変革に向けて - - クラウドサービス利活用実態調査 - 平成 29 年 3 月発行 発行 一般社団法人電子情報技術産業協会情報 産業システム部 ソリューションサービス事業委員会 100-0004 東京都千代田区大手町 1 丁目 1 番 3 号大手センタービル TEL(03)5218-1057 印刷 株式会社オガタ印刷