Page 1 of 7 2004/08/11 公開 コンセプト 一般的に N ゲージの新幹線型車輌は FineTrack の最小カーブ半径である R243mm を通過しないとされます ( 一部通過できるものもあるようですが ) 今回のプランでは新幹線型車輌の入線を可能とするため R280mm の確保を第一目標に据えています さらに 単に R280mm を確保するだけではあまりに芸がないので 以下のような要素を加えてみました - 新幹線が走る情景が単線なのは不自然 そこで新幹線型車輌走行線 ( 外線 ) の内側に R243mm を使った内線を設ける この線は新幹線型車輌の入線はおこなわないものとする - 600 x 900 mm のレイアウトで単純に複線エンドレスを組むとせわしなく列車がすれ違い実感を損なうので 外線と内線をダブルスリップポイントで接続し 在来線型車輌入線時は外内線を交互にロングランすることとする - 新幹線といえば高架線も欲しい とは言え 600 x 900mm のレイアウトで極端な勾配を作るのは難しい そこでベース面に段差を設け 約 1/3 のエリアを擬似的に高架区間化する 最急部外線 R280mm/ 内線 R243mm 総延長約 4302mm 外線 2325mm/ 内線 1977mm 流石にエンドレスループの有効長は如何ともしがたいので 実車編成に拘るのであれば 700 系 RailStar や 0 系みどりのこだま を そうでなければ 6~8 両のサマリー編成を投入してください 作れば の話ですが このプランは 限られたデスクトップレイアウトの面積の中で (1) 新幹線型車輌をそれらしい風景の中で走行させる (2) 新幹線にとってはダミーとなる内線を活用することで在来線型車輌のロングランを可能にする という 2 つのコンセプト実現を試みたもの と言うことができます
Page 2 of 7 ポイント < 高台側から > 第一に 擬似高架区間を設けるため レイアウトの向かって左半分をかさ上げする必要があります 本プランでは高架区間の橋脚に FineTrack 規格の標準高 (55mm) をそのまま利用することを前提としました このとき道床付レールの下面は対ベース 63mm となります これを実現する容易な方法のひとつは 3mm 厚ベニヤ + 30mm 厚発泡スチロール x2 の積層 です 下掲のレイアウト断面図もご参照いただきたいのですが 最下層に 3mm 厚ベニヤを短冊状に切ったものを等間隔に並べ その上に発泡スチロールを重ねる手法がお勧めです このベニヤ間の隙間を配線 ( 本プランでは奥手のダブルスリップポイントの制御線 ) に利用できるからです 第二に 本プランでは情景に変化をつけるため 内線の高台側に外線に比して最大 15mm 高の勾配を設けています 見た目を優先したため これが 4% という比較的急な勾配になっています 実装自体は KATO が輸入販売しているサブテレインを利用することで容易におこなうことができますが 勾配の度合いについてはお手持ちの車輌の牽引力に合わせて調整してください 第三に 表題にも掲げているように本プランは 擬似複線 の構成となっています 複線区間が目立つので編成同士のすれ違いや併走を楽しみたくなるところですが 2 つのラインはレイアウト裏手のダブルスリップポイントで交差しているため よほど速度を微妙に調整しないと いずれポイント部分で接触事故の憂き目に遭います 百歩譲って接触事故を回避出来たとして 内線にもフィーダーを設ける場合は ポイントの切替によっては 2 台のパワーパックの電圧が同一ラインに流れて車輌を破損する恐れがあるため ギャップを設けておく必要があります 下掲トラックプランにギャップ位置も例示しておきますので参考にしてください サブテレインについてはホビーセンターカトー (*1) を参照されたし 例示はしますが保証は出来ませんので悪しからず 正直なところ 給電部の複数設置 = 複数編成同時走行はお奨めしません どうしてもしたい場合はダブルスリップポイントをやめて本物の複線にすべきです
Page 3 of 7 使用部材例 < 俯瞰イメージ > メーカー 部品名 数量 TOMIX C243-45(F) 3 TOMIX HC243-45(F) 4 TOMIX C280-45(F) 5 TOMIX HC280-45(F) 4 TOMIX C541-15(F) 4 TOMIX S140(F) 1( 1) TOMIX S70(F) 1( 1) TOMIX G70-W(F) 1( 1) TOMIX ギャップジョイナー (F) 1( 1) TOMIX N-PXL140-15(F) 1 TOMIX スクエアビルセット 1( 2) TOMIX コンビニエンスストア 1 TOMIX マンション 1 TOMIX 複 / 単線架線柱鉄骨型 18( 3) TOMIX ニュー高架ビーム S 3 TOMIX PC 勾配橋脚 6 TOMIX トヨタクラウン 4ドアハードトップ 3( 4) TOMIX 三菱ふそう11tトラック 1 TOMIX バラスト 適量 KATO サブテレイン4% 勾配 2 KATO シナリーペーパー砂目 適量 ( 5) GM 保線詰所 1 GM 複線トンネルポータル ( 電化用 ) 1( 6) GM 石垣 C( コンクリートブロック ) 2( 7) GM 鉄路柵 ( コンクリート ) 適量 30mm 厚発泡スチロール板 適量 左記数量は一部の例外を除いて部品の実点数です パッケージ数ではないことにご注意ください 左掲のレール群は単に規格通りに並べただけではエンドレスに完結しません 本プランでは なじませつなぎ = レール部品間のあそびを使って接続する を想定しています
Page 4 of 7 設計図 3mm 厚ベニヤ板適量パウダー フォーリッジ ライケン適量樹木完成品適量 1 給電部を 1 箇所にする場合は S140 のみ 2 箇所の場合はそれ以外を使用してギャップを設ける ギャップ位置は下掲トラックプランの赤丸部 2 2F と 3F の 2 つに分割して使用 3 うち 10 本を単独で 8 本を複線高架として使用 4 1 パッケージに 3 台入り 5 道路表現に使用 本プランでは土台構築用 3mm 厚ベニヤの余りを使うのが妥当ではないかと 6 道路のトンネルに使用 詳しくは後述 7 適当に切断してレイアウト左奥の切り通しに使用 < トラックプラン 道路 等高線 > 凡例 : 青 = 道路橙 =サブテレイン赤 = 給電 / ギャップ位置 ギャップは (1) ポイントとカーブレールの間のジョイナーをギャップジョイナーに置換 (2)S140 を S70 と G70-W に置換 を想定
Page 5 of 7 <VRM3 レイアウター図 > 完成予想図 < 高架区間側から > 高台部分の道路の終端は展望台スポットをイメージ お好みに合わせて人形を配するとそこにドラマが生まれます 新幹線対応 としましたが 左写真のようにダブルスリップポイントを介して在来線型車輌を内外線交互に走行させるのも一興
Page 6 of 7 < レイアウト手前 / 展望台 > 本プランでは道路をレイアウト外へ導くのが困難 ( 新幹線に踏切はない ) なので 複線トンネルポータルを自動車道路トンネルとして配し ( 構造上はどこにも貫通しない 雰囲気だけのトンネル入り口 ) レイアウトベースに収まりきらない空間への広がりを表現してみました え 出来てない? < 高台部俯瞰 > ビーム橋脚下のスペースにも道路を配置 トラックを置いて 山間部の亜幹線道をイメージしてみました < 高架区間アップ > このサイズのレイアウトでの複線区間の列車同士のすれ違いは 思っているほど見目麗しくありません むしろ 忙しなさの方が目につきます とは言え 新幹線のように単線区間の走行に似合わない車輌があるのも事実です 複線区間は欲しい でも忙しないすれ違いは興醒め むしろレール総延長を全部活用したロングランも可能にして一石二鳥を狙う という戦略でプランを練ってみました 極めて限定的なニーズを狙い撃ちした構成ですのでなんの参考にもなりませんが まぁ 枯れ木も山の賑わい と言うことで *1 http://www.katomodels.com/hobby/layout/wdl5_news_source.shtml ghost は ここに紹介したレイアウトプランについて その施工実現性をいかなる場合においても保証いたしかねます ご承知おきください
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