望の内容平成 28 税制改正 ( 租税特別措置 ) 要望事項 ( 新設 拡充 延長 ) ( 経済産業省経済産業政策局産業再生課 ) 制度名産業競争力強化法に基づく事業再編等に係る登録免許税の軽減措置 税 目 登録免許税 ( 租税特別措置法第 80 条 ) ( 租税特別措置法施行令第 42 条の 6 第 1 項及び第 2 項 ) 産業競争力強化法に基づく登録免許税の特例措置を平成 30 年 3 月 31 日まで (2 年間 ) 延長する ( 租税特別措置法施行規則第 30 条の 2 第 1 項 ~ 第 3 項 ) 要(1) 対象者産業競争力強化法に基づき 事業再編計画 特定事業再編計画の認定を受けた事業者 ( 当該事業者がその経営を実質的に支配している者 ( 関係事業者 ) を含む 以下 認定事業者 という ) (2) 特例措置上記対象者が認定計画に従って行う合併 会社の分割 事業若しくは事業に必要な資産の譲受け 出資の受入れ 会社の設立等における登録免許税を以下のとおり軽減する 租税特別措置法第 80 条第 1 項 措置の内容 通常の税率 強化法の特例 軽減率 1 号会社の設立 資本金の増加 0.7% 0.35% 0.35% 2 号合併 0.15% 0.1% 0.05% ( 括弧書きの部分 ) ( 資本金が増加する場合の合併 ) 0.7% 0.35% 0.35% 3 号分割 0.7% 0.5% 0.2% 4 号 ( 売買 ) 不動産の所有権の取得 土地 1.5% 1.6% なし 建物 2.0% 1.6% 0.4% 船舶の所有権の取得 2.8% 2.3% 0.5% 5 号合併時 6 号分割時 不動産 0.4% 0.2% 0.2% 船舶 0.4% 0.3% 0.1% 不動産 2.0% 0.4% 1.6% 船舶 2.8% 2.3% 0.5% 平の減収見込額 - 百万円 ( 2,000 百万円の ( 制度自体の減収額 ) 内数 ) ( 改正増減収額 ) ( - 百万円 ) 27-1
新設 拡充又は延長を必要とする理由今回の要望合理性に関連する事⑴ 政策目的国内の過剰供給 過当競争構造を解消し 戦略的 抜本的な組織再編 事業再編を強力に推進することにより我が国産業の生産性の向上と競争力の強化を図る 日本企業の生産性を示す ROA は近年上昇傾向にあるものの 欧米企業と比べ劣後しており ( 米国 14.55% 日本 3.93%) 引き続き更なる生産性の向上に向けた施策が必要 根拠となる法律 産業競争力強化法( 平成 25 年法律第 98 号 ) ⑵ 施策の必要性我が国産業の生産性の向上及び競争力の強化を実現するためには 組織再編 事業再編を通じ経営資源の効率的な活用を促進することが重要 本措置は 認定事業者が経営資源の有効活用を図るための組織再編 事業再編とともに 新商品開発や経営効率化などの新たな取組を行う場合に限り 当該再編時に課税される登録免許税を軽減するものであり 当該措置を講ずることで我が国事業者の戦略的 抜本的な組織再編 事業再編を促し 生産性の向上と競争力の強化を推進していく必要がある 政策体系における政策目的の位置付け 1. 経済成長 1-2 新陳代謝 政策の 達成目標 租税特別措置の適用又は延長期間 同上の期間中の達成 目 標 法律の計画認定に基づく政策支援を通じて 企業の事業再編による経営資源の有効活用や複数の企業の連携による国内外における新たな需要の開拓などの取組を促進することにより 企業の生産性の向上を図る 目標 平成 29 に企業の生産性を平成 26 より 2% 向上させる ROA( 総資産経常利益率 ): 平成 26 値 +2% ( 事業再編計画 特定事業再編計画の終了時点 (3 年以内 ) における目標値 ) 平成 28 年 4 月 1 日 ~ 平成 30 年 3 月 31 日 (2 年延長 ) 平成 29 に 企業の生産性を平成 26 より 2% 以上向上させる ROA( 総資産経常利益率 ): 平成 26 値 +2% 27-2
ROA( 総資産経常利益率 ) の実績平成 24 :3.4% ( 制度創設 ) 平成 25 3.9% 政策目標の達成状況 ( 参考 ) 同種の措置を講じていた産活法における過去の実績 ROE( 自己資本当期純利益率 ) 産活法の認定要件の指標平成 15 3.8% 平成 25 6.5% 産活法認定企業の計画終了時における ROE 向上値の平均 12.4% 要 望 の 措 置 の 適用見込み 出典 : 法務省 法人企業統計 産活法に基づく各社提出資料 有効性要望の措置 の効果見込 み ( 手段とし ての有効性 ) 平成 28 28 件程度平成 29 28 件程度 産業競争力強化法の認定を受けた計画のうち 全ての計画が本措置を活用しており 本措置が活用できない場合は 組織再編や事業再編を通じた経営資源の効率的活用を図る産業競争力強化法の政策目的を阻害することになっていた また 現下の日本経済を取り巻く環境は 内需の減退や新興国の台頭による影響などの様々な課題に直面しており 我が国企業の抜本的な事業再編や高付加価値事業への転換により 競争力の強化や生産性の向上が図られることが期待される 本措置を講ずることで 上記取組を促進させる 当該要望項目以外の税制上の支援措置予算上の措置等の要求内容及び金額相上記の予算当上の措置等性と要望項目との関係 要望の措置 の妥当性 産業競争力強化法の認定を受けた事業の分離 経営資源統合を促進するための税制措置 ( 事業再編促進税制 ) 本措置は 生産性の向上のため 経営資源の効率的な運用を目指した戦略的な組織再編 事業再編に加えて 新たな商品開発や生産工程の導入などの新たな取組を行うものについて その他一定の基準を満たす計画を主務大臣が認定した場合に限り 講ずることとする 本措置により 上記のような事業構造の変更や新たな取組等に要する費用を軽減することで当該取組を支援していくことは 我が国産業の競争力強化のための特例措置として妥当である 27-3
これまでの租税特別措置の適用実績と効果に関連する事項 本措置を利用した計画の認定件数 ( 単位 : 件 ) 25 26 件数 5 14 本措置を利用した企業が営む業種 租税特別措置の適用実績 減収額 ( 単位 : 百万円 ) 25 26 減収額 1,192 1,894 各の減収額は認定別に集計したものであるため 計画期間中の認定計画があるの減収額は 今後行われる登記により増加する可能性あり ( 参考 ) 同種の措置を講じていた産活法における過去の適用実績は以下のとおり 本措置を利用した計画の認定件数 ( 単位 : 件 ) 15 16 17 18 19 20 21 22 23 件数 72 67 57 27 21 18 24 20 16 24 25 合計 件数 16 4 342 27-4
本措置を利用した企業が営む業種 ( 単位 : 件 ) 減収額 ( 単位 : 百万円 ) 15 16 17 18 19 20 21 22 減収額 16,897 9,745 5,133 3,789 1,919 5,485 3,586 922 23 24 25 減収額 2,890 2,375 112 租特透明化法に基づく適用実態調査結果 租税特別措置の適用による効果 ( 手段として の有効性 ) 前回要望時の達成目標 各の減収額は認定別に集計したものであるため 計画期間中の認定計画があるの減収額は 今後行われる登記により増加する可能性あり 登録免許税の軽減措置を講ずることにより 合併や会社分割などに係る取引コストを軽減し 事業再編を促進することは我が国産業の生産性の向上に有効な手段である 産業競争力強化法では全計画 産活法では全計画のうち8 割以上が登録免許税の軽減措置を活用 ( 全省庁ベース ) しており 産活法のうち平成 26 末までに終了した計画の約 8 割 ( 経済産業省ベース ) が生産性向上の基準を達成している なお 現状産業競争力強化法における終了した計画はなし 平成 27 に 企業の生産性を平成 24 より 2% 以上向上させる ROA( 総資産経常利益率 ): 平成 24 値 +2% 27-5
前回要望時 からの達成度及び目標に達していない場合の理由 産業競争力強化法では全計画 産活法では全計画のうち 8 割以上が登録免許税の軽減措置を活用 ( 全省庁ベース ) しており そのうち平成 26 末までに終了した計画の約 8 割 ( 経済産業省ベース ) が 生産性向上の基準を達成している 約 2 割の計画は未達であるが 業界構造の変化や景気悪化等による売上不振 資源価格 仕入価格の高騰 円高など外部要因によるものであり 外部環境の変化によるやむを得ない計画を除けば 概ね目標を達成している 平成 25 創設 これまでの要望経緯 ( 同様の措置を講じていた産活法における要望経緯 ) 平成 11 創設 平成 12 税率引き下げ 平成 13 2 年間延長 平成 15 5 年間延長 ( 但し平成 18 年以後 一部縮減 ) 平成 19 措置拡充 ( 対象計画追加 ) 平成 20 2 年間延長 平成 21 1 年間延長 ( 会社分割に係る不動産移転登記 に係る登録免許税のみ ) 平成 22 2 年間延長 平成 23 一部縮減 ( 産活法改正により適用対象が一部 変更されたことによる ) 平成 24 2 年間延長 27-6