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Transcription:

資料作 3-10 高度化 DECT( 仮称 ) 提案 2019 年 7 月 25 日 DECTフォーラムジャパンワーキンググループ代表 : 森川和彦 j-dect@dect.org https://www.dect.org/wg-japan

提案するシステム名称 提案するシステム名称は 仮称ですが 高度化 DECT とします 提案するシステムは ETSI の DECT 技術委員会で技術仕様を作成し (TR 103 514) ITU-R SG5 WP5D の第 31 回会合 (2018/109-16@ 福岡 ) にて IMT-2020 の一方式として提案された DECT-2020 方式 (5D/1046-E) を含み 次世代の DECT 及び DECT-ULE (Ultra Low Energy) の基礎となる仕様に付けた名称です したがって 提案するシステムは DECT-2020 方式での新周波数利用に留まらず 現行 DECT 方式の利用周波数帯の拡張も含みます なお DECT-2020 方式は 5G-NR RITとして提案されたものではありますが モバイルシステムと競合するものでは無く 主に屋内アプリケーションとして固定通信ネットワークをコードレス利用するものであって モバイル通信や無線 LANのトラフィックオフロード等でも利用可能な モバイルネットワークを補完するシステムです また non-3gppアクセスシステムとして 5Gコアネットワークと連携し ヘテロジニアス型のコグニティブ無線としても活用されるものです (ETSIで技術仕様を作成中: TR 103 670) 2

新システム利用シーン イメージ DECT 方式は ITU-R で IMT-2000 の一方式 (TDMA/FDMA) として承認されています (ITU-R 勧告 M.1457) その後も継続的な仕様追加 ETSI による標準化が行われ サービスの改善や機能強化を実現してきました DECT-2020 を含む新たな規格 用途 利用シーンのイメージを以下 並びに次ページ以降に示します From 3G... to 5G DECT-2020 DECT Evolution: M2M and Pro Audio (URLLC) ULE: Home and Building Automation DECT: Security Certification CAT-iq: Integration of IP これからの利用シーン 今までの利用シーン DECT: Cordless Voice 3

現在の利用シーン : スマートホーム ビルディング 現行 DECT 方式及び DECT-ULE 機器は全世界で 10 億台以上が稼働し 年間約 1 億台が出荷されています 家庭用及び事業所用の音声サービス機器 ワイヤレスマイク インターカム等のオーディオ機器 センサ アクチュエータ ( 開閉 人感 窓割れ 漏水 温度センサ 空調 電源プラグ 電気錠 シャッター制御等 ) やカメラを備えたスマートホーム及びビルディングオートメーションなどに広く活用されています 家庭におけるコードレス通信は DECT 方式を備えた高速インターネット及び VoIP(Voice over IP) 対応のホームゲートウェイに統合され 全世界で 8 千万台以上が普及しています 4

現在の利用シーン : エンタープライズ 業務機器として 世界中の企業 キャンパス ホテル 病院等で数百万台が稼働中です 日本国内でも 基地局ハンドーオーバー機能対応を含む数十万台のオフィス 病院向け電話機 インターカムシステム ワイヤレスマイクなどが稼働中です 特長として以下があげられます - 高信頼性 - 干渉回避 - QoS 帯域保証 - 広帯域音声通信 - 早い反応時間 - 低遅延音声伝送 - 位置把握 - マルチセルと拡張性 - 対話型メッセージ - 長い電池寿命 企業向けPBXシステム刑務所向け監視システム病院向けナースコールシステムワイヤレスマイク インターカムシステム 5

今後の利用シーン :PMSE(Program Making and Special Event) 今後は 病院におけるヘルスケア 工場における設備装置の遠隔制御 放送局における映像音声編集作業 ライブイベント会場での利用等 よりミッションクリティカルな分野へのさらなる展開が期待されています これらの分野では より多くの端末を より高速広帯域で 信頼性が高く低遅延な無線インタフェースでネットワークに接続する必要があり 音声遅延や映像品質だけをとってみても 現行の DECT システムでは対応が困難です 例えば プロ用ワイヤレスマイクやインイヤーモニタ 及び電子楽器では 2ms 程度の音声遅延しか許されず 加えて高い信頼性や妨害耐性が求められます 会議通話 ミキシングコンソール インイヤーモニタ リモートコントロール マイク ライブ編集録音 カメラ 観客サービス Source : ETSI TR 103 515 6

今後の利用シーン : ホーム 工場オートメーション 近年 ホームにおいては音声アシスタントデバイスの登場により UI が大きく変化しています サイバー空間のクラウドでの音声解析と複数のセンサの検出結果を組み合わせ 現実空間にフィードバックする技術は 工場における機器の故障診断やメンテナンスサポートにも有用です 長時間のバッテリ駆動が可能な超低消費電力 カバー範囲 簡便な設置 高信頼性 低遅延 多数端末の接続 音声ネットワーキング 低価格といった要件は 高度化 DECT 方式が最も得意とするところです さらに 広帯域化による高品位な映像伝送も加えて 設備機器の遠隔操作や自動運転への適用も期待されています VPA (Virtual Personal Assistants) 異常診断 メンテナンスサポート 遠隔操作 自動運転 7

今後の利用シーン : ヘルスケア 医療分野では 効率性 患者の安全性及び満足度を向上させる課題に直面しています 刻々と変化する患者の容体から重要な決定をその場で行う必要がある環境では 長時間のバッテリ駆動が可能な超低消費電力 カバー範囲 簡便な設置 高信頼性 低遅延 多数端末の接続 他の医療機器との干渉回避といった要件が求められますが これも高度化 DECT 方式が得意とするところです さらに 在宅医療ではバイタルセンシング結果をクラウド AI で診断したり 高解像な映像転送を使った遠隔医療へ適用範囲を広げたりすることも可能です バイタルセンシング メッセージング 8

利用シーン イメージのまとめ IMT-2000 の改訂と共に サービスの改善や機能強化を図ってきた現行 DECT 方式が よりミッションクリティカルな分野への展開を図るためには embb(enhanced Mobile BroadBand) mmtc(massive Machine Type Communications) URLLC(Ultra-Reliable and Low Latency Communications) といった IMT-2020 のシナリオに基づく要件に対応していく必要があります 提案する高度化 DECT 方式は 現行 DECT 方式とバックワードコンパチビリティを持つシステムであって 現行方式が備える簡易設置 屋内利用で十分な到達距離 高い通信秘匿性 低消費電力 低価格といった特長に加え さらなる高速大容量 多数接続 高信頼性及び低遅延といった IMT-2020 の要件に対応するものです 提案方式で構成されるシステムは 主として屋内環境で利用する自営システムであり 統計によると データトラフィックの約 80% が屋内システムを介して生成されることが示されているため この用途の周波数確保は 発展のための重要な要素になります 提案方式のシステムは 将来的に現行システムを移行することが可能な延長線上にあるため 現行システムと同じく免許不要な無線局である必要があります 9

高度化 DECT ( 仮称 ) 基本コンセプト 現行方式とバックワードコンパチビリティを持つシステムであって 現行 DECT 方式が備える下記特長を継承する 誰でも どこでも 免許不要で設置が容易な自律分散システム ローコスト ( 例 : 現行方式は親機子機のベーシック製品で $20~) 音声 / 音楽 ビデオ データ伝送を単一プラットフォームで実現 同一プラットフォームを世界 110 以上の国や地域で利用可能 ロングレンジ ( 現行方式同等 屋外 300m/ 屋内 70m 以上 ) 認証 通信内容秘匿に高度な暗号化技術を利用 DECT-ULE 方式により 一次電池で数年以上利用可能な超低消費電力 IMT-2020 の要件である高速大容量 多数接続 高信頼性及び低遅延に対応し 現行方式では対応できなかったミッションクリティカルな分野への適用を図る 現行製品も含め 10 年 20 年単位で安定した利用が確保できる周波数帯の利用 10

システムの運用開始希望時期 公衆 PHS サービスが終了する 2023 年 4 月以降を希望します 周波数共用可能かの判断にコストのかかるシステムを利用せず 現行方式と同じくキャリアセンススキームに基づく自律分散型のシステムとしての運用を考えていますそのため公衆 PHSサービスが終了していることが提案方式導入の前提条件です ITU-R WP5DでのIMT-2020 方式の採択は 2020 年になる見込みであり 提案に含まれるDECT-2020 方式の技術仕様の詳細検討に必要な時間も考慮しています 11

運用開始に向けて想定される課題 提案に含まれる DECT-2020 方式の標準化は 現時点では PHY レイヤのみが進行中で 今後 アクセス手順を含めた MAC レイヤの標準化時期が課題になります また DECT-2020 方式のシステムを実現する無線デバイス ( チップ ) の開発進捗も課題となります 同一周波数を利用する他のシステムや 隣接する周波数帯を利用するシステムとの共用条件を満足するパラメータの選択は 無線デバイスの実力を把握した上で行う必要があります 12

1.9GHz 帯の周波数を必要とする理由 提案方式は現行方式とのバックワードコンパチビリティを備えることで 現行方式の機器と提案方式を採用した機器との混在利用が可能です 提案方式はDECT-2020 方式を含みますが 次世代のDECT 方式の基礎となる仕様であるため 現行方式の周波数拡張版としての利用も考慮しています 現行方式と同じ1.9GHz 帯を利用することで 現行方式によるローコストを維持しながら 高度化を必要とするシステムを提案方式へとスムーズに移行させることが可能となります 近年 現行方式を利用したドアホンなど映像機器の需要が急激に増えてきています拡張周波数が利用可能であれば 映像トラフィック増大による無線資源不足の懸念が払拭でき ユーザーの利便性やサービス品質を保つことが可能となります 13

提案するシステムに関する技術的条件 希望する周波数 現行方式を含んだ高度化 DECT 方式は 免許不要な無線局として設置場所に制約を設けたくないため 隣接する携帯電話の周波数との間に適切なガードバンドを設けることを前提に考えており 公衆 PHSシステムと同じ1884.5MHz~1915.7MHz を基本とします 周波数配置は 現行方式の配置を基本に拡張することとします 占有周波数帯幅 DECT-2020 方式は 現行方式と同じ1.728MHzを基本帯域幅とし 1/2 倍 1 倍 2 倍 4 倍 8 倍 12 倍 16 倍の7 種類が規定されていますが 周波数を共用する他システム及び隣接周波数を使用するシステムとの共存を考慮して適切な帯域幅を選択します 通信方式 現行方式に DECT-2020 方式で使用する以下の方式を追加します OFDMを使用したTDMA/FDMA 多重アクセス方式で 通信方式はTDDです 方式追加により IMT-2020の多くの要件を満足することが可能になります 空中線電力 現行方式と同じ240mW 以下とし MIMO 利用の場合は出力合計が240mW 以下とします 14

その他の技術的条件 ( 仕様 ) フレーム周期 基本フレーム周期は 現行方式と同じ 10ms です 基本的なフレーム分割は 24 タイムスロットで 基準となるタイムスロット時間は 416.67μs です タイムスロットを連結して使用することもできます いくつかのパケットタイプには フレームを 48 分割したハーフスロットを使用することも想定しています 変調方式 OFDM の副搬送波間隔は 27kHz です OFDM の基準シンボルレートは 24kHz で 基準シンボル時間は 41.67μs です DECT-2020 方式の変調方式は BPSK QPSK 16QAM 64QAM 256QAM 1024QAM であるため 現行方式に 256QAM 及び 1024QAM を追加します 符号率は 1/4 1/2 3/4 5/6 で 希望するサービスと無線チャネルの品質に応じて選択されます 物理チャネルのビットレート サポートする帯域幅と物理チャネルのビットレートは 6x6 MIMO 構成で最大 74.88Mbps (1.728MHz-BW) 1.34784Gbps (27.648MHz-BW) となりますが 使用する FEC 符号率によって異なります 15

技術的条件まとめ ( 既存方式からの変更内容 ) OFDMの採用 ( 副搬送波間隔 =27kHz 基準シンボルレート=24kHz) 誤り訂正 (FEC) の採用 (LDPCに加え BCC, ターボ符号化 符号化率 =1/4~5/6) 空間多重化の採用 (6x6 MIMO MU-MIMO 含む ) 変調方式の追加 (256-QAM 1024-QAM) チャネルボンディングによる帯域幅の拡大 ( 基本帯域幅 B=1.728MHz 1/2*B~16*B) アクセス方式追加 ( ギャランティ型に加え ベストエフォート型を追加 ) メッシュネットワーク動作のサポート 現行方式と後方互換性を保持 ( スロット時間 基本帯域幅 動的無線リソース割当 ) ヘテロジニアス型コグニティブ無線システムを指向 16

周波数の共用方法 デジタルコードレス電話の無線局との周波数の共用方法 現行方式と同様に 電波を発したい機器が 使用したい周波数と時間スロットの組み合わせ ( 以下 無線リソースとする ) 単位で送信前確認スキームに基づくキャリアセンスを実施することによって 同一エリアで動作する他の利用者の存在を検出し しきい値以下である場合のみ送信を許可して周波数を共用します また コグニティブ無線のスペクトラム検知の実装に基づき 親機で無線リソースの集中管理を行って 動的にかつ即座に適切な無線リソースを割り当てることも可能とするため 親機によるキャリアセンスの代行条件も追加します 自律分散による動的な無線リソース利用となるため いかなる場合においても 親機設置に関して周波数計画は必要ありません ( 周波数利用効率を上げるために周波数計画を行っても良いです ) 隣接する周波数帯を使用する携帯無線通信を行う無線局との周波数の共用方法 過去の委員会報告にならい 1 対 1 正対で設置し 一定の離隔距離にて静的環境における非確率的な評価を実施して判定を行います 干渉影響及び干渉耐力が公衆 PHSシステムと同等であれば 過去の共用検討を参考にすることができます 隣接周波数を利用するBWA 相互間 ( 非同期システム ) の過去共用検討を参考に条件を設定すれば ガードバンドは5MHzで共存可能と思われます (H24 年携帯電話等高度化委員会報告 ) 17

国内 国外における技術開発動向 研究開発 標準化 実用化等の動向 以下に DECT 方式の開発の歴史を示します 1992 年 ETSI で DECT 方式の標準化 (Radio Common Interface audio セキュリティ機能 ID) [EN 301 649 EN 300 175 series, EN 300 176 series] 1996 年 ETSI で自営相互接続規約 (GAP: Generic Access Profile) の標準化 [EN 300 444] 2000 年 ITU-R で IMT-2000 の一方式として承認 [IMT-2000 ITU-R 勧告 M.1457 (TDMA/FDMA)] 以降定期的に改訂をインプットし サービス改善や機能強化を継続 2005 年米国 FCC で UPCS 機器の技術基準発行 [FCC part15 subpart-d] 2007 年 ETSI で次世代 DECT 方式の標準化 ( 広帯域音声 データ SUOTA) [TR 102 570 TS 102 527 series EN 301 649] 2010 年日本でデジタルコードレス電話の無線局の一方式として DECT 方式の技術基準制定 2011 年 ARIB で標準規格発行 [ARIB STD-T101] 2013 年 ETSI で DECT-ULE の標準化 [TS 102 939 series] 2017 年 IETF で DECT-ULE の IPv6 対応 6LowPAN 規格制定 [RFC 8105] 2018 年 ETSI で DECT-2020 方式の技術仕様提案 [TR 103 514] 2018 年 ETSI & DF が ITU-R WP5D に IMT-2020 の一方式として DECT-2020 を提案 [5D/1046-E] [TR 103 669] 現在も ETSI の DECT 技術委員会にて 活発に標準化の活動中 機器認証は DECT Forum/ULEA で実施 18

コードレス電話 VoIP ゲートウェイ ビジネス PBX スマートスピーカ 実用化等の動向 ( 現行 DECT 方式の機器 ) 現行方式は全世界で10 億台以上が稼働 年間約 1 億台の出荷電気通信回線接続 ホームネットワークシステム スマホ対応テレビドアホン ペットカメラ みまもりタグ 音声アプリ ワイヤレスマイク PA システム 会議システム ツアーガイドシステム ワイヤレスヘッドセット ワイヤレススピーカ ワイヤレスインターカム テレビドアホン ベビーモニタ ワイヤレスカメラモニタ 音声アプリ以外 電気通信回線不要 19

技術基準等の制度整備に向けて想定される課題 複数の無線システムで周波数を共用する条件の整備 公衆 PHS 周波数帯域に設置が自由な免許不要局への周波数割り当てを考慮し 異なる方式間で周波数を共用可能とするため及び非同期の同一システム間で周波数を共用可能とするため 共用条件を整備する必要があり 現行のキャリアセンス規定を継承して頂きたく思います 複数の無線システムで周波数を共用する場合の周波数利用効率 スペクトラム検知によりトラフィックを無線リソースに割り当てる方法では 異なる方式の無線システムが混在した場合 単独システム利用時と比較して無線リソースの利用効率が劣化します 例えば 現行 DECT 方式と sxgp 方式 (5MHz-BW) が同じ周波数を使用する場合 過去報告書によると 現行 DECT 方式は単独システム利用時と比較して 11% sxgp 方式 (5MHz-BW) は単独システム利用時と比較して 58% の利用効率となるため 共存可能ではあるものの利用効率は大きく劣化し 既に運用中の無線局がある場合にはサービス品質を満足できなくなるケースが想定されます 民間規格にて 無線局を設置する場合 後発者の責任で電波干渉回避対策の調整を実施する協調対応が示されてはおりますが 予め異なる方式のシステム間では共用しない周波数を設ける等 周波数配置を考慮する必要があるかもしれません 20