平成 20 年度の消費生活相談傾向 1 相談件数平成 20 年度の相談件数は 5,372 件 ( 静岡相談窓口 4,467 件 清水相談窓口 905 件 ) で 平成 19 年度 5,715 件の 0.94 倍 (343 件減 ) になりました これは 19 年度は架空請求 不当請求が 1,337 件だったものが 20 年度は 649 件になり 688 件減少した事が大きな要因と言えます このうち苦情相談が 4,674 件 問合せが 692 件 要望が 6 件となっていました 相談方法は来訪が 1,730 件 電話が 3,630 件 文書が 12 件で電話が 67.6% を占めました 問合せ 692 件 12.9% 相談内容 苦情 4,674 件 87.0% 要望 6 件 0.1% 文書 12 件 0.2% 相談方法 電話 3,630 件 67.6% 来訪 1,730 件 32.2% 静岡市消費生活センターの相談件数の年度別推移 ( 件数 ) 10000 清水相談窓口 静岡相談窓口 8000 3,600 6000 1,816 2,805 2,560 870 905 4000 2000 0 839 707 924 858 695 428 500 422 423 2,203 2,673 2,829 5,463 4,790 5,001 4,845 4,467 3,914 734 1,007 1,099 1,259 1,435 1,546 6 年 7 年 8 年 9 年 10 年 11 年 12 年 13 年 14 年 15 年 16 年 17 年 18 年 19 年 20 年 ( 年度 ) 19 年度に電話相談を静岡窓口に一本化した - 1 -
2 契約当事者の特徴契約当事者の性別は 男性 2,479 件 女性 2,670 件 団体 181 件 不明 27 件 NA15 件で 女性が 49.7% を占めました 職業別では 給与生活者 (2,159 件 ) 家事従事者(1,083 件 ) 無職 (1,012 件 ) の順に多くなっていました 年代別では 30 代 (914 件 ) 70 歳以上 (909 件 ) 40 代 (839 件 ) の順でした 年代別の相談件数を平成 19 年度と比較すると 60 歳以上は 1,490 人から 1,633 人に増え それ以外の世代は減りました 20 代以上すべての年代で 融資サービス に関する相談が増えましたが 20 代 ~50 代は 架空 不当請求 に関する相談件数が減ったことがこの減少につながったと考えられます NA No Answer 契約当事者の性別 団体 181 件 3.4% 不明 27 件 0.5% NA 15 件 0.3% 団体 182 3.4% 契約当事者の職業 その他 不明 315 5.9% 女性 2,670 件 49.7% 男性 2,479 件 46.1% 学生 185 3.4% 無職 1,012 18.8% 家事従事者 1,083 20.2% 給与生活者 2,159 40.2% 自営 自由業 436 8.1% ( 件数 ) 4,500 4,000 3,500 契約当事者の職業別件数 19 年度 20 年度 3,000 2,500 2,327 2,159 2,000 1,500 1,000 500 430 436 1,285 1,083 269 185 1,012 871 175 182 358 315 0 給与生活者 自営 自由業 家事従事者 学生 無職 団体 その他 不明 ( 職業 ) - 2 -
( 件数 ) 1,200 契約当事者の年代別件数 1,000 800 19 年度 20 年度 997 914 637 987 839 862 758 724 670 820 909 600 572 534 520 400 200 208 136 0 20 歳未満 20 代 30 代 40 代 50 代 60 代 70 歳以上 NA ( 年代 ) 3 年代別にみた相談の多い商品 20 年度は多重債務に関する相談がかなり増加したため これに関連した 融資サービス の相談がどの世代でも共通して多くなっており 相談全体の約 2 割を占めていました 架空請求 不当請求の相談は平成 16 年度をピークに年々減少していますがどの年代でも多く これに関連した 他の運輸 通信 商品一般 がそれぞれ全体の2 位 3 位でした また 還付金詐欺やオレオレ詐欺などの 相談その他 が全体の中でも4 位にランクし 40 歳以上の方の相談でも上位を占めました 20 歳未満の 2 位の 健康食品 はマルチ商法で知人などから大量に購入し 親が相談して来るケースが多数含まれました 同じく 2 位の自動車には店舗での契約 解約トラブルだけでなく ネットオークションで購入した中古車などの相談がありました 20 代から 50 代の相談で上位を占めていた レンタル リース 貸借 は賃貸アパートや賃貸マンションの退去時の敷金や礼金の返還に関するトラブルが多く含まれました 20 代では美顔や痩身エステなどの 理美容 やマルチ商法やキャッチセールスなどで購入した アクセサリー に関する相談が多くみられました 70 歳以上の4 位の 他の教養娯楽サービス は海外宝くじに関する相談がほとんどでした 5 位の 預貯金 証券等 は証券会社から購入した株だけでなく 未公開株に関する相談も多く 契約金額もかなり高額なものがありました - 3 -
契約当事者年代別に見た上位商品 サービス ( 注 ) 商品 役務の説明 他の運輸 通信 放送サービスやオンライン等関連サービス 電話情報提供サービスなど 相談では 出会い系サイト アダルトサイトなどの架空 不当請求が多い 商品一般 商品の相談であることが明確であるが 商品を特定できない または特定する必要のない相談 相談では総合消費料金など商品名を明らかにしていない架空請求が多い 融資サービス 商品の契約と融資契約が別個で 単に資金調達に関するトラブル 相談では 融資保証金詐欺や多重債務者からの債務整理方法や利息についての問合せが多い レンタル リース 貸借 商品の賃貸借に関する相談 賃貸アパート マンション( 敷金や原状回復費用に関する相談を含む ) やレンタルビデオ 電話機や節電器のリース契約の相談 相談その他 消費者問題以外の相談 ( 還付金詐欺やオレオレ詐欺など ) 理美容 理髪サービスやエステサービスに係る相談 学習教材 学校教育の範ちゅうに属する学習 教育のための教材 図書 玩具 遊具 主に 乳幼児 児童が遊ぶ目的で使用するもの 自動車 道路運送車両法に定める自動車 原付 および自動車部品 健康食品 ダイエット食品 健康補助食品 その他いろいろ 書籍 印刷物 辞書 年鑑 紳士録等 新聞の家庭訪販による強引な勧誘もみられる アクセサリー アポイントメントセールス等 販売方法に関するトラブルが多い 工事 建築 加工 増改築 屋根 壁 塗装 リフォーム工事 加工 仕立てサービス等 他の教養娯楽サービス 海外宝くじ パチンコ攻略法など 預貯金 証券等 銀行等預金 株 投資信託 - 4 -
4 販売方法別の特徴 ( 販売方法別の相談件数 ) 販売方法別の相談件数では 通信販売 (1,100 件 ) 訪問販売(560 件 ) 電話勧誘販売 (304 件 ) など 店舗販売以外のいわゆる特殊販売が 2,150 件で 相変わらず多く 全体に占める割合は 40.0% でした 販売形態別相談件数 不明 無関係 1,475 件 27.5% 特殊販売 2,150 件 40.0% 店舗購入 1,747 件 32.5% ネガティブ オプション 12 件 0.6% マルチ マルチまがい 112 件 5.2% 特殊販売の内訳 電話勧誘販売 304 件 14.1% 通信販売 1,100 件 51.2% 訪問販売 560 件 26.0% その他無店舗 62 件 2.9% 店舗購入では 融資サービス に関する相談が突出しており 2 位の 5 倍以上の相談が寄せられました 2 位にはアパートやマンションの賃貸契約が大半を占める レンタル リース 貸借 3 位にはエステなどの 理美容 がランクしています 訪問販売では 屋根や壁工事などの 工事 建築 加工 が 1 位で二次被害を含むふとんやマットなどの 家具 寝具 が 2 位 昨年 1 位だった 学習教材 が 3 位になりました 通信販売では 携帯電話やパソコンのサイト料金の架空 不当請求に関連した 他の運輸 通信 が圧倒的に多く 海外宝くじやパチンコ攻略法などの 他の教養 娯楽サービス が 2 位 ヤミ金 融資保証金詐欺などの 融資サービス が 3 位でした 電話勧誘販売では 職場や自宅に何度もかけてくる投資目的のマンション勧誘などの 集合住宅 が 1 位となりました マルチでは 健康食品 が昨年に引き続き 1 位でした 販売形態別に見た上位商品 サービス - 5 -
医療 原則として薬事法に定める医療用具 電気マッサージ器や低周波治療器 温熱治療器 磁気治療器具などの相談 家具 寝具 家具および寝具類 他の住居品 防災 防犯用品の訪問販売による相談など 集合住宅 マンション 公団集合住宅 公営集合住宅等に関する相談 電報 電話 直収型固定電話サービス 移動電話サービスなどに関する相談 電話代が安くなるなど電話関連サービスに関する相談が多い 文具 事務用品 文房具類および事務用品 化粧品 基礎化粧品 メイクアップ化粧品 頭髪用化粧品など 5 契約金額契約金額が明らかになっている相談は 2,902 件あり 金額は約 89 億円で 19 年度より 51 億円ほど増加しました 1 件当たりの契約金額は約 308 万円でこれについても 19 年度より約 158 万円増加しました 販売方法別の契約金額は下記の表のとおりです 販売方法ごとの最高額は 店舗購入が 8 億円 ( 多重債務 ) 訪問販売が 2 億円 ( マンション建設 ) 通信販売が 3,500 万円 ( 和牛預託オーナー契約 ) 不明 無関係が 1 億 4,674 万円 ( 借金の相続 ) 電話勧誘販売が 7,000 万円 ( 未公開株 ) その他無店舗が 2,100 万円 ( 新築工事 ) マルチ マルチまがいが 800 万円 ( 匿名組合出資 ) ネガティブ オプションが 4.8 万円 ( 皇室関係の額 ) でした 販売購入形態別契約金額 - 6 -
6 平成 20 年度の相談の特徴 多重債務に関する相談が年々増加多重債務に関する相談は年々増加しており 20 年度は 1,077 件となり 19 年度の 559 件より約 1.9 倍に増加しました これは 消費生活相談員による平日の相談の他に 法律専門家による毎週火曜日の定例多重債務者相談会や日曜 夜間多重債務者相談会を実施したことや 広報紙 町内会 自治会に依頼しての組回覧のチラシ 市税や国保料などの滞納者への通知に同封したチラシなどにより 借金問題は必ず解決できること 消費生活センターは気軽に相談が受けられる場所であること 等の具体的な事例を交えた啓発に努めた成果と思われます 相談の内容は 1 転職が原因で減収となり 生活費の補てんのため借入がかさんだ 2 数年前から消費者金融数社から借金 利息のみを何とか支払ってきたが苦しい 3 事業資金で借り入れがあり 商売をたたんでも借金が残る 4 自己破産したいが 弁護士費用が払えない どうしたらよいか 5 借金の整理をしたいが マイホームを手放さないで整理する方法はないか 6 消費者金融から郵便ポストに融資のチラシが入っていたが信用できるか など さまざまでした 消費生活センターでは このような相談については 借り入れの経緯 現在の収入や返済状況などを細かく丁寧に聞き取り 債権者一覧表を作成し 静岡県弁護士会消費者委員会所属の弁護士や静岡県司法書士会の 受任司法書士 法テラス等へ相談をつないでいます 食料品に関する相談が増加食料品に関する相談が 20 年度は 254 件となり 19 年度の 213 件より 41 件増加しました 内容は健康食品に関する相談が約 4 割で最も多く 内容としては1 健康食品を2 年分購入したが 効果がないので返品したい 2ネットで購入した健康食品の支払いにトラブルが生じた 3 自分の子供が健康食品のマルチに加入してしまったがやめさせたい 4 注文した覚えのない健康食品が送られてきた などでした 健康食品以外では 1 頼んでいないのにカニなどの魚介類が送られてきた 2 訪問販売でりんごジュースを購入したが 表示が全くない 飲んでも大丈夫か 3 自宅にいた高齢の母が訪問販売で強引に高価なネーブルを買わされた などがありました また 昨年は 中国産冷凍ギョウザによる食中每事件 事故米の食用転用問題 中国産牛乳へのメラミン混入問題や食品の産地偽装などが発覚し 消費者の食への不安が高まり 自分が購入した食品は大丈夫なのかという相談も何件かありました 光熱水品に関する相談が増加光熱水品に関する相談は 19 年度より 13 件増加の 48 件でした ガスに関する相談が多く 主な内容は 1 自分が契約しているプロパンガス業者の料金は高いのではないか 2 訪問してきたプロパンガス業者に料金が安くなると勧められたが 信用できるのか などでした 原油や液化天然ガスの価格の上昇により 電気 ガス料金の値上げがあったことも影響していると考えられます - 7 -