新規文書1

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資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

2018 年度事業計画書 Ⅰ 基本方針 1. 健康関連分野を取り巻く環境と直近の動向 健康医療分野が政府の日本再興戦略の重点分野に位置づけられ 健康 医療戦略が策定されるなど 予防や健康管理 生活支援サービスの充実 医療 介護技術の進化などにより 成長分野としてマーケットは大きく拡大することが期待さ

社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

三鷹市健康福祉総合計画2022

参考 平成 27 年 11 月 政府税制調査会 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する論点整理 において示された個人所得課税についての考え方 4 平成 28 年 11 月 14 日 政府税制調査会から 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する中間報告 が公表され 前記 1 の 配偶

H28秋_24地方税財源

子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案要綱

Microsoft Word - M 平成30年度診療報酬改定の基本方針


資料9

女性の活躍促進や仕事と子育て等の両立支援に取り組む企業に対するインセンティブ付与等 役員 管理職等への女性の登用促進 М 字カーブ問題の解消には企業の取組が不可欠 このため 企業の自主的な取組について 経済的に支援する 経営上のメリットにつなぐ 外部から見えるようにし当該取組の市場評価を高めるよう政

2 保険者協議会からの意見 ( 医療法第 30 条の 4 第 14 項の規定に基づく意見聴取 ) (1) 照会日平成 28 年 3 月 3 日 ( 同日開催の保険者協議会において説明も実施 ) (2) 期限平成 28 年 3 月 30 日 (3) 意見数 25 件 ( 総論 3 件 各論 22 件

女性の活躍推進に向けた公共調達及び補助金の活用に関する取組指針について

問 2 次の文中のの部分を選択肢の中の適切な語句で埋め 完全な文章とせよ なお 本問は平成 28 年厚生労働白書を参照している A とは 地域の事情に応じて高齢者が 可能な限り 住み慣れた地域で B に応じ自立した日常生活を営むことができるよう 医療 介護 介護予防 C 及び自立した日常生活の支援が

23 歳までの育児のための短時間勤務制度の制度普及率について 2012 年度実績の 58.4% に対し 2013 年度は 57.7% と普及率は 0.7 ポイント低下し 目標の 65% を達成することができなかった 事業所規模別では 30 人以上規模では8 割を超える措置率となっているものの 5~2

イドライン が策定されたところです こうした中 平成 30 年 6 月 29 日に第 196 回通常国会で成立した 働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律 ( 以下 働き方改革関連法 という ) に基づく改正後の労働基準法において 建設業については 平成 31 年 4 月の法施行から5

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愛知県アルコール健康障害対策推進計画 の概要 Ⅰ はじめに 1 計画策定の趣旨酒類は私たちの生活に豊かさと潤いを与える一方で 多量の飲酒 未成年者や妊婦の飲酒等の不適切な飲酒は アルコール健康障害の原因となる アルコール健康障害は 本人の健康問題だけでなく 家族への深刻な影響や飲酒運転 自殺等の重大

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挨拶 日本経済団体連合会副会長 木村 康

平成13年度税制改正(租税特別措置)要望事項(新設・拡充・延長)

アレルギー疾患対策基本法 ( 平成二十六年六月二十七日法律第九十八号 ) 最終改正 : 平成二六年六月一三日法律第六七号 第一章総則 ( 第一条 第十条 ) 第二章アレルギー疾患対策基本指針等 ( 第十一条 第十三条 ) 第三章基本的施策第一節アレルギー疾患の重症化の予防及び症状の軽減 ( 第十四条

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消費税 5% 引上げによる社会保障制度の安定財源確保 消費税率 ( 国 地方 ) を 2014 年 4 月より 8% へ 2017 年 4 月より 10% へ段階的に引上げ 消費税収の使い途は 国分については これまで高齢者 3 経費 ( 基礎年金 老人医療 介護 ) となっていたが 今回 社会保障

介護分野における ICT 活用 に関する提言 2013 年 12 月 17 日 社会福祉法人こうほうえん 理事長廣江研

下の図は 平成 25 年 8 月 28 日の社会保障審議会介護保険部会資料であるが 平成 27 年度以降 在宅医療連携拠点事業は 介護保険法の中での恒久的な制度として位置づけられる計画である 在宅医療 介護の連携推進についてのイメージでは 介護の中心的機関である地域包括支援センターと医療サイドから医

地域子育て支援拠点事業について

平成 29 年 4 月 14 日 第 7 回参考資料 : 官民戦略プロジェクト 10 取組状況 首相官邸 平成 29 年 5 月 12 日 第 8 回資料 1:Society5.0で実現する新たな経済 社会システム~ 第 4 次産業革命推進に際しての戦略分野第 8 回資料 2: 日本の 人材力 の抜

NICnet80

平成 31 年度予算案 の概要について 平成 30 年 12 月 人材開発統括官

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第3節 重点的な取り組み

併せて 先進事例を統一的なフォーマットでデータベース化する また 意欲ある地域が先進的な取組みを行った人材に 目的に応じて容易に相談できるよう 内閣官房において 各省の人材システムを再点検し 総合的なコンシェルジュ機能を強化する 各種の既存施策に加え 当面 今通常国会に提出を予定している 都市再生法

計画の今後の方向性

挨拶 本協会会長 稲野和利

市町村における住民自治や住民参加、協働に関する取組状況調査

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福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律 について <1. 特定復興再生拠点区域の復興及び再生を推進するための計画制度の創設 > 従来 帰還困難区域は 将来にわたって居住を制限することを原則とした区域 として設定 平成 29 年 5 月復興庁 地元からの要望や与党からの提言を踏まえ 1 帰還困難区

再生医療の制度的な対応の検討について 薬事法等制度改正についてのとりまとめ平成 24 年 1 月 24 日厚生科学審議会医薬品制度改正部会 1 再生医療製品については 今後も 臓器機能の再生等を通じて 重篤で生命を脅かす疾患等の治療等に ますます重要な役割を果たすことが期待される 特に ips 細胞

児童虐待防止対策体制総合強化プラン 平成 30 年 12 月 18 日 児童虐待防止対策に関する関係府省庁連絡会議決定 1. 目的 2016 年 5 月に全会一致で成立した児童福祉法等の一部を改正する法律 ( 平成 28 年法律第 63 号 以下 平成 28 年改正法 という ) においては 子ども

新規文書1

知創の杜 2016 vol.10

新たな外国人材受入れ制度の検討経緯及び概要 平成 30 年 7 月 12 日 経済産業省 製造産業局 今年 2 月 20 日の経済財政諮問会議において 総理から以下の指示 安倍政権として いわゆる移民政策をとる考えはありません この点は堅持します 他方で 5 年間のアベノミクスによって 有効求人倍率

福利厚生基本計画

厚生労働省告示第六十四号中小企業等経営強化法平成十一年法律第十八号第十二条第一項の規定に基づき職業紹介事業 ( ) 労働者派遣事業分野に係る事業分野別指針を次のように定めたので同条第五項の規定に基づき公 表する平成三十一年三月十四日厚生労働大臣根本匠職業紹介事業 労働者派遣事業分野に係る事業分野別指

( 参考 ) 平成 29 年度予算編成にあたっての財務大臣 厚生労働大臣の合意事項 ( 平成 29 年 12 月 19 日大臣折衝事項の別紙 ) < 医療制度改革 > 別紙 (1) 高額療養費制度の見直し 1 現役並み所得者 - 外来上限特例の上限額を 44,400 円から 57,600 円に引き上


姫路市及びたつの市における連携中枢都市圏形成に係る連携協約 姫路市 ( 以下 甲 という ) 及びたつの市 ( 以下 乙 という ) は 連携中枢都市圏構想推進要綱 ( 平成 26 年 8 月 25 日付け総行市第 200 号総務省自治行政局長通知 ) に基づく連携中枢都市圏である播磨圏域 ( 以下

平成28年度企業主導型保育事業の助成決定について(第1回)

賛同企業が提供するフィールドのイメージ 資料 年 11 月 20 日 大阪ガス株式会社 ハグミュージアム ( 外観 内観 ) 株式会社タブチ 本社工場 ( 外観 内観 ) 日立造船株式会社 先端情報技術センター ( 外観 内観 ) 以上

資料1 第3回災害救助に関する実務検討会における意見に対する回答

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NEWS 2020 速報 の一部を改正する法律案 REPORT 総会の様子 2025 GDP 3 02 vol

資料3

三浦市長 吉 田 英男 新年明けまして おめでとうございます 市民の皆様には 気持ちも新たに 素晴らしい新年をお 迎えになられたこととお喜び申し上げます 昨年は 消えた年金問題 薬害肝炎犠牲者への対応 安倍首相の突然の辞任 ねじれ国会 による審議の停滞など 国政においては 国民に目を向けているとは思

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企業の人材確保支援 中小企業人材支援センターによる採用 定着支援や 障がい者の雇用促進 企業の成長を担うプロ人材の採用支援等により 大阪産業を支える中小企業の人材確保を支援する 大阪働き方改革支援センターの人材確保支援の機能を強化し 大阪人材確保推進会議と協働して製造 運輸 建設の 3 分野を中心に

●アレルギー疾患対策基本法案

京都府がん対策推進条例をここに公布する 平成 23 年 3 月 18 日 京都府知事山田啓二 京都府条例第 7 号 京都府がん対策推進条例 目次 第 1 章 総則 ( 第 1 条 - 第 6 条 ) 第 2 章 がん対策に関する施策 ( 第 7 条 - 第 15 条 ) 第 3 章 がん対策の推進

資料 2-2 平成 31 年度経済産業政策の重点 ( 案 ) < 主要施策集 > 平成 30 年 8 月 経済産業省

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JICA 事業評価ガイドライン ( 第 2 版 ) 独立行政法人国際協力機構 評価部 2014 年 5 月 1

構成 1 第 1 章 IoT 時代の新たな地域資源 1. IoT 時代の新たな地域資源とその可能性 2. 新たな地域資源の活用に向けた基本的視点 第 2 章地域におけるオープンデータ ビッグデータ利活用の推進 1. 地域におけるオープンデータ利活用の現状と課題 2. 地域におけるビッグデータ利活用の

Microsoft Word - 【外務省】インフラ長寿命化(行動計画)

第3章 指導・監査等の実施

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資料 4 医療等に関する個人情報 の範囲について 検討事項 医療等分野において情報の利活用と保護を推進する観点から 医療等に関する個人情報 の範囲をどのように定めるべきか 個別法の対象となる個人情報としては まずは 医療機関などにおいて取り扱われる個人情報が考えられるが そのほかに 介護関係 保健関

次 Ⅰ. 総論 2 Ⅱ. 重点分野 3 Ⅲ. 人材育成 確保 6 Ⅳ. 情報管理 8 Ⅴ. その他 9 1

事業者名称 ( 事業者番号 ): 地域密着型特別養護老人ホームきいと ( ) 提供サービス名 : 地域密着型介護老人福祉施設 TEL 評価年月日 :H30 年 3 月 7 日 評価結果整理表 共通項目 Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織 1 理念 基本方針

女性が働きやすい制度等への見直しについて

第 1 部 施策編 4

●子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案

(0830時点)PR版

介護保険制度改正の全体図 2 総合事業のあり方の検討における基本的な考え方本市における総合事業のあり方を検討するに当たりましては 現在 予防給付として介護保険サービスを受けている対象者の状況や 本市におけるボランティア NPO 等の社会資源の状況などを踏まえるとともに 以下の事項に留意しながら検討を

1) 3 層構造による進捗管理の仕組みを理解しているか 持続可能な開発に向けた意欲目標としての 17 のゴール より具体的な行動目標としての 169 のターゲット 達成度を計測する評価するインディケーターに基づく進捗管理 2) 目標の設定と管理 優先的に取り組む目標( マテリアリティ ) の設定のプ

資料 2-2 成長戦略改訂に向けた地域活性化の取組みについて ( 案 ) 内閣官房地域活性化統合事務局 成長戦略の改訂に向け これまでの施策の成果が実感できない地方において 新たな活力ある地域づくりと地域産業の成長のためのビジョンを提供しその具体化を図る 超高齢化 人口減少社会における持続可能な都市

13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

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未来投資戦略2018(PFI関連部分抜粋)

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中央建設業審議会による提言について ( 平成 24 年 3 月 14 日 ) 建設産業における社会保険の徹底について ( 提言 ) 建設産業においては 下請企業を中心に 雇用 医療 年金保険について 法定福利費を適正に負担しない企業 ( すなわち保険未企業 ) が存在し 技能労働者の医療 年金など

平成 29 年 4 月 12 日サイバーセキュリティタスクフォース IoT セキュリティ対策に関する提言 あらゆるものがインターネット等のネットワークに接続される IoT/AI 時代が到来し それらに対するサイバーセキュリティの確保は 安心安全な国民生活や 社会経済活動確保の観点から極めて重要な課題

藤沢型地域包括ケアシステムの推進について 平成 30 年 2 月藤沢市議会定例会厚生環境常任委員会資料 1 ⅠⅠ 中長期を見据えた検討体制の見直し 1 これまでの経過等について現在, 国では 地域共生社会 の実現に向け, 様々な改革が進められており, 平成 30 年 4 月に施行される社会福祉法の一

学生確保の見通し及び申請者としての取組状況

寄附文化の醸成に係る施策の実施状況 ( 平成 26 年度に講じた施策 ) 別紙 1 < 法律 制度改正 > 総務省 ふるさと納税の制度拡充 ( 平成 27 年 4 月 1 日施行 ) 学校法人等への個人寄附に係る税額控除の要件の緩和 ( 平成 27 年 4 月 1 日施行 ) 特例控除の上限の引上げ

金融円滑化に関する方針 千葉銀行は 地域金融機関として 金融サービスの提供をつうじて 地域のお客さまニーズにお応えし 地域の発展に貢献する という役割 使命を果たす 姿勢を堅持してまいりました 特に 地域への円滑な資金供給をはじめとする金融仲介機能の発揮やお客さまへの経営健全化支援等による地域密着型

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2014 年度事業計画書 2014 年 3 月 25 日 一般社団法人日本テレワーク協会 1

流山市子ども・子育て会議

資料1 第1回会議のポイントについて

平成30年度事業計画書(みだし:HP用)

法人会の税制改正に関する提言の主な実現事項 ( 速報版 ) 本年 1 月 29 日に 平成 25 年度税制改正大綱 が閣議決定されました 平成 25 年度税制改正では 成長と富の創出 の実現に向けた税制上の措置が講じられるともに 社会保障と税の一体改革 を着実に実施するため 所得税 資産税についても

新興国市場開拓事業平成 27 年度概算要求額 15.0 億円 (15.0 億円 ) うち優先課題推進枠 15.0 億円 通商政策局国際経済課 商務情報政策局生活文化創造産業課 /1750 事業の内容 事業の概要 目的 急速に拡大する世界市場を獲得するためには 対象となる国 地

施策の体系 本目標3 地域力と行政の連携がつくる人と地球に優しいまち179

1 外国人傷病者対応 資料 1

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Transcription:

年頭所感 厚生労働大臣根本匠 ( はじめに ) 平成三十一年の新春を迎え 心よりお慶び申し上げます 本年も何とぞよろしくお願い申し上げます 厚生労働大臣に就任してから約三ヶ月が経過しました この間 国民の皆様の安全 安心の確保に万全を期すべく努力してまいりました 引き続き 私自身が常に先頭に立ち 厚生労働省一体となって様々な課題に全力で取り組んでまいります ( 二〇四〇年を展望した社会保障 働き方改革 ) 本年十月の消費税率の引上げ及び社会保障の充実によって 二〇二五年を念頭に進められてきた社会保障 税一体改革が一区切りとなります 今後は 団塊ジュニア世代が高齢者となり 現役世代の減少が進む二〇四〇年頃を見据え 全ての世代が安心できる社会保障制度の構築に向けて取り組みます このため 昨年十月に 私が本部長となって 二〇四〇年を展望した社会保障 働き方改革本部 を厚生労働省内に設置したところであり 今後国民誰もが より長く 元気に活躍できるよう 高齢者をはじめとした多様な就労 社会参加の促進 就労や社会参加の前提となる健康寿命の延伸 労働力の制約が強まる中での医療 福祉サービス改革による生産性の向上などの検討を着実に進めていきます まず 働く意欲のある高齢者がその能力を十分に発揮できるようにするため 七十歳までの雇用と就業機会の確保について しっかりと検討を進めてまいります あわせて 働く方々の主体的なキャリア形成や再チャレンジが可能な社会としていくため 中途採用の拡大に取り組んでまいります 年金制度については 本年に実施する財政検証とその結果を踏まえた制度改正に向け 受給開始時期の選択肢の拡大や短時間労働者への被用者保険の適用拡大 私的年金の充実など 人生百年時代の到来や国民の多様な働き方に対応した年金制度を構築するべく検討を進めてまいります 年金事業運営については 引き続き 事務の適切な実施に努めてまいります ( 健康寿命の延伸等 ) 健康寿命の延伸等を目指し 予防 健康づくりを推進していくことが重要です 健康日本 21 ( 第二次 ) に基づき 健康無関心層を含めた疾病の発症予防や重症化予防に向けた取組を進めるとともに 保険者による特定健診 保健指導や糖尿病の重症化予防などの取組について インセンティブも活用しながら進めます さらに 認知症予防を加えた認知症施策を進めるとともに 介護予防 フレイル対策と生活習慣病等の疾病予防 重症化予防が市町村において一体的に実施

されるよう取組を進めます また 医療 福祉分野において 労働力の制約が強まる中で 専門人材が能力を最大限発揮することができるよう 人材の確保にも取り組みつつ 効率的な業務分担の見直しや効率的な配置の推進 AI ロボット ICT 等のテクノロジーの徹底活用や組織マネジメント改革等を進めます こうした国民の健康寿命の延伸や医療 介護サービスの生産性の向上を図るため 健康 医療 介護に関するデータ利活用基盤の構築を軸に 被保険者の予防 健康づくりなど保険者が果たすべき役割の強化やゲノム医療 AI 等の最先端技術の活用など データヘルス改革を戦略的 一体的に推進します また 医療と介護のレセプト情報等のデータベースの連携 高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施 審査支払機関の改革については こうした取組を進めるための改正法案の提出を目指します さらに 本年十月の消費税率引上げに伴い 診療報酬等の改定を行うとともに 税制上の措置の創設を目指します ( 障害者雇用 ) 障害のある方も含めて 誰もがその能力を存分に発揮できる一億総活躍社会を創り上げることは重要です 昨年は 多数の国の行政機関において障害者の法定雇用率を満たしていない状況にあったことが明らかとなりました 民間の事業主に対し率先して障害者を雇用すべき立場にありながら このような事態に至ったことは誠に遺憾です 障害者雇用施策を推進する立場として こうした事態を重く受け止め 関係閣僚会議でとりまとめた 公務部門における障害者雇用に関する基本方針 に基づき 組織全体として再発防止にしっかり取り組むことはもとより 法定雇用率の速やかな達成と障害者の活躍の場の拡大に向け 政府一体となって取り組んでまいります あわせて 公務部門及び民間企業における障害者雇用の一層の促進を図るための改正法案の提出を目指します ( 各地の災害への対応 東日本大震災への対応等 ) 昨年の夏は 豪雨被害や地震による被害が多く発生しました 全国各地で相次ぐ自然災害からの一日も早い復旧 復興に向けて 関係省庁とも連携しつつ スピード感を持って全力で取り組みます また 前臨時国会で成立した平成三十年度第一次補正予算に基づき 医療施設の災害復旧等の取組を推進します さらに 先般の地震等では 老朽化した水道管が多数破損し長期間の断水が発生しました 前臨時国会で成立した改正水道法に基づき 広域連携 水道事業者の適切な資産管理 多様な官民連携の推進により 老朽化した水道施設の更新 耐震化といった水道事業の基盤強化に取り組みます 東日本大震災の発生からもうすぐ八年が経過します 私はかねてより被災地の復興に取り組んでまいりましたが 引き続き 私自身も復興大臣であるとの強い意識の下 被災者の心のケア 医療 介護提供体制の整備 雇用対策などに全力で取り組みます また 前通常国会で成立した改正食品衛生法に基づき 広域的な食中毒の発生時における国と自治体間の連携強化等を着実に進めます さらに 昨年六月に施行された改正旅館業法に基づき いわゆる 違法民泊 の取締り対策を推進してまいります

( 子ども子育て ) 待機児童の解消に向けて 子育て安心プラン に基づき 二〇二〇年度末までに三十二万人分の保育の受け皿を整備するとともに そのために必要な保育人材の確保や処遇改善等を更に進めます 放課後児童対策についても 待機児童の解消等に向けて 新 放課後子ども総合プラン に基づき 二〇二三年度末までに三十万人の受け皿整備をしっかりと行ってまいります 幼児教育 保育の無償化について 本年十月からの実施を目指して関係省庁とも緊密に連携した上で検討を進めるとともに その質の確保についても検討を進めます 妊娠期から子育て期まで切れ目なく支援する 子育て世代包括支援センター の全国展開 産婦健診や産後ケアの充実 不妊治療への支援等にも取り組みます 児童虐待の防止については 痛ましい虐待事件が二度と繰り返されることのないよう 昨年七月に関係閣僚会議で決定した 児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策 の更なる徹底を図ります また 子どもの命を守る社会づくりを進める観点から 昨年末に策定した 児童虐待防止対策体制総合強化プラン に基づき児童相談所と市町村の体制強化を図るとともに 児童虐待に関する相談支援体制の強化等を図るための改正法案の提出を目指します 虐待などの事情により 親元で暮らせない子どもたちも 温かい家庭的な環境で育まれるようにする必要があります 里親のなり手を増やすため 里親制度の広報啓発や里親家庭に対する相談 援助体制の充実に努めます また 児童養護施設等の小規模 地域分散化や職員配置基準の強化などを推進してまいります 子どもの貧困対策については 特に厳しい経済状況にあるひとり親家庭の支援を充実します 児童扶養手当について 本年十一月から 年六回の支払を着実に実施するほか 就職に有利な資格の取得支援等に取り組みます ( 働き方改革関連法の施行等 ) 前通常国会で成立した働き方改革関連法については 長時間労働の是正 多様で柔軟な働き方の実現 雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保を着実に推進すべく 関係省令等の整備や制度の周知など 円滑な施行に取り組みます 具体的には これらの取組の内容が地方の中小企業まで浸透するよう 四十七都道府県に設置した 働き方改革推進支援センター の活用や 経済界と協力した説明会の開催など 丁寧な周知を行ってまいります 働き方改革の実現 定着に向けて IT 化や業務効率化など生産性向上に取り組む中小企業に対する支援などについて しっかり取り組みます また 長時間労働の事業場への監督指導の徹底等の対応を行います 医師の働き方改革については 医師の健康を守りつつ 地域の医療提供体制が維持できる働き方の実現を目指して検討を行っており 本年三月を目途として 時間外労働規制の具体的な在り方や労働時間の短縮策等についての結論をとりまとめます また 全ての人材がその能力を存分に発揮できる社会や個々人の人生の再設計が可能となる社会を実現するため リカレント教育をはじめとした人材育成の強化 女性 若者 高齢者 障害者等の就労支援等を実施します 女性の職業生活における活躍を推進するとともに 働きやすい職場環境を整備するため 女性活躍推進法の施行後三年の見直し パワーハラスメント セクシュアルハラスメントの防止対策の強化等について 労働政策審議会の建議を踏まえ 改正法案の提出を目指します 前臨時国会で成立した改正出入国管理法に基づく一定の専門性 技能を有する新たな外国人材の受入れについては 厚生労働省としては 本年四月の施行に向けて 労働条件 安全衛生等に

関する雇用管理の改善 適切な社会保険の適用促進 安心 安全に医療機関を受診できる環境の整備などに取り組み 外国人材がその能力を有効に発揮できる環境を整備してまいります 最低賃金については 働き方改革実行計画 等において 年率三 % 程度を目途として引上げ 全国加重平均千円を目指すとされています 昨年度は全国加重平均で二十六円引き上げ 時給換算になった平成十四年度以降 最大の上げ幅となりました 中小企業 小規模事業者が賃上げしやすい環境を整備するため 生産性向上のための支援を進めます また 二〇二三年の技能五輪国際大会の我が国への招致を通じた技能尊重機運の醸成に取り組むとともに 我が国産業の基盤である ものづくり技能の一層の向上に努めます ( 障害者支援 社会福祉等 ) 障害のある方々が生き生きと地域生活を営むことができるよう 生活や就労の支援 グループホームの整備 文化芸術活動の推進などに引き続き取り組みます また 精神障害のある方々が地域の一員として自分らしい暮らしをすることができるよう 包括的な支援を受けられる仕組みづくりを進めます さらに 障害福祉人材の更なる処遇改善を行います アルコール健康障害対策をはじめとする依存症対策については 医療体制の整備や民間団体の活動支援等に取り組みます 特に ギャンブル等依存症対策は ギャンブル等依存症対策基本法の趣旨を踏まえ 関係省庁と共に必要な取組を進めてまいります 生活困窮者自立支援制度及び生活保護制度については 前通常国会で成立した改正生活困窮者自立支援法及び改正生活保護法に基づき 就労 家計 住まい等に関する包括的な支援体制の強化に向けた取組等を着実に進めます 自殺対策については 自殺総合対策大綱や座間市における事件の再発防止策に基づき 若者が利用するSNS 等を活用した相談対応の強化を図るなど 関係府省と連携し 誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現に向けた取組を推進します 今後とも 地域住民が抱える様々な生活課題を解決につなげていくための包括的な支援体制の構築等を進めることで 地域共生社会 の実現を目指します ( 地域包括ケアシステムの構築 医療等 ) 地域包括ケアシステムの構築を一層推進します 質が高く効率的なサービス提供体制の整備や自立支援 重度化防止に資するサービスの実現など 国民一人ひとりに必要なサービスが提供され 地域で安心して暮らすことができる体制の構築を目指します また 家族の介護のために離職せざるを得ない状況を防ぎ 働き続けられる社会の実現を目指します このため 介護の受け皿五十万人分の整備を進めるとともに 他の産業との賃金格差をなくしていくための介護職員の更なる処遇改善のほか 介護分野へのアクティブシニア等の参入促進 介護の仕事の魅力の全国的発信など 介護人材の確保に総合的に取り組み 二〇二〇年代初頭までに 介護離職ゼロ を目指します 地域医療構想の実現に向け 医療機関ごとの具体的対応方針の速やかな策定を進めます 前通常国会で成立した改正医療法及び改正医師法に基づき 医師の偏在を可視化できる指標を整備し 都道府県が主体的に医師確保対策を推進する体制を構築するなど 医師の地域偏在 診療科偏在の解消に着実に取り組みます 外国人による医療保険の利用については 加入要件の確認を厳格に行うなどの取組を行っており 更に 適正な利用に向けて取組を進めてまいります

( 医薬品 医療機器 がん対策 受動喫煙対策等 ) 医薬品 医療機器産業については 革新的な医薬品等の開発を促進する環境の整備に取り組むとともに 後発医薬品の使用促進やベンチャー企業への支援を実施します また 医薬品等の品質 有効性 安全性の確保 かかりつけ薬剤師 薬局の推進を図るとともに これらに関する制度の見直しのための改正法案の提出を目指します さらに 第五次薬物乱用防止五か年戦略 に基づき 覚醒剤や大麻等の取締りや啓発等に取り組みます 受動喫煙対策については 二〇二〇年の東京オリンピック パラリンピックに向けて対策を徹底することが必要です このため 前通常国会で成立した改正健康増進法の円滑な施行に向けた準備等を進め 望まない受動喫煙のない社会の実現を目指します がん対策については 第三期がん対策推進基本計画 に基づき がんゲノム医療の提供体制の実現 思春期世代や若年成人世代のがん対策 治療と仕事の両立支援 地域での相談支援体制の充実等を推進します 昨年七月以降 風しんの患者数が増加しています 昨年は 患者数が多い地域において妊娠を希望する女性の方などに風しんの抗体検査及び予防接種を受けていただくよう環境整備を行ってまいりました 今後は 追加的対策として 抗体保有率の低い世代の男性に対して 抗体検査を原則無料で受けていただいた上で 三年間原則無料で定期接種の実施を行うなど さらなる環境の整備に取り組んでまいります 国際保健の分野においても ユニバーサル ヘルス カバレッジの推進 薬剤耐性菌を含む感染症対策等のグローバルな課題に的確に対応します (G20 関係閣僚会合 ) 本年 我が国はG20の議長国となります 厚生労働分野においても 九月には愛媛県松山市においてG20 労働雇用大臣会合を開催し 十月には岡山県岡山市においてG20 保健大臣会合を開催する予定です 開催地の地方自治体と一体となって全力を挙げて取り組み 国際社会に貢献してまいります ( 援護施策 ) 援護施策については 戦没者遺骨収集推進法に基づき 国の責務として 可能な限り多くの御遺骨を収容し 御遺族に引き渡すことができるよう 全力を尽くします また 慰霊事業に着実に取り組むとともに 戦傷病者や戦没者遺族に対する年金等の支給 中国残留邦人等に対する支援策について 引き続き きめ細かく実施します 以上 厚生労働行政には多くの課題が山積しています 国民の皆様には 一層の御理解と御協力をお願い申し上げ 年頭にあたっての私の挨拶といたします 平成三十一年元旦 厚生労働大臣根本匠

新年のご挨拶 経済産業大臣世耕弘成 ( はじめに ) 平成 31 年の新春を迎え 謹んでお慶び申し上げます この 30 年間で 経済 社会構造は大きく変化しました そしてその変化は 今尚 大き なうねりとして続いています 例えば 企業を取り巻く競争環境は劇的に変化しています 第 4 次産業革命により AI や IoT ロボット技術が進展 従来の 産業ごとのモノ売りだけではなく こうした技術を活用した 業種を超えたサービスとの連動が拡大しています また 所有ではなく共有という消費者マインドの変化とシェアリングサービスの台頭は 既存のビジネスモデルに変革を迫っています 通商政策を取り巻く環境も大きく変化しています 多くの国々が グローバル化 国家主権 民主主義のトリレンマに直面し 外交と内政の難しいかじ取りを迫られています こうした中 世界的に保護主義的な動きが広まり 貿易摩擦などの問題が発生するのと同時に データ流通や電子商取引など 新たな国際枠組みが求められる分野が生まれています さらに 経済 社会の基盤も 変化の必要に迫られています 例えば 2020 年から適用されるパリ協定は 今世紀後半に温室効果ガスの排出を正味ゼロにすることを目指すとしており エネルギー政策には 脱炭素化がより強く求められています また 少子高齢化をはじめとする経済 社会構造の変化により 労働人口の減少や生産性向上の必要といった課題への対応が必要になっています 以上を踏まえ 経済産業省としては 大きく 5 つの取組を進めていきます ( Connected Industries の実現) 1 つ目に 変革する競争環境の中で勝ち残り 世界をリードしていく企業を後押ししていきます そのために重要なことが 4 点あります まずは Connected Industries の実現です このコンセプトは データを介して 様々な繋がりが生まれることで 新たな産業や付加価値の創出 社会課題の解決につなげていくものです 例えば 日本の強みはものづくりの現場にある と言われますが 日本の製造業

は深刻な人手不足に直面しています こうした現場に AI IoT などの技術を導入することで 人材育成や技能の伝承などを実現していきます これまで Connected Industries 重点 5 分野を設定し 各分野でのデータ共有や AI な どによるデータ利活用の取組を進めてきました 引き続き IoT 投資に対する法人税減税など を通じ データ連携を推進します 次に IT 人材の育成やサイバーセキュリティの確保といった データの利活用を進める上での基盤の整備です IT 人材の育成については 第四次産業革命スキル習得講座認定制度を活用し データサイエンスやサイバーセキュリティなどの社会人のリカレント教育を進めます また サプライチェーン全体でサイバーセキュリティを確保するための指針を策定し 産業への実装を進めます 世界で活躍するスタートアップを生み出すことも不可欠です 有望な技術やサービスを提供するスタートアップを J-Startup 企業として選定した上で 大企業との連携や 国内外のスタートアップイベントへの出展を支援し グローバル展開の後押しをします また 政府調達の門戸を広げ これまで限定的だったスタートアップの採択を増やし その活躍の場を更に拡大させます 最後に 知的財産権制度の強化です 新しい技術や市場のサービス化に対応し スタートアップをはじめとするイノベーションの促進にこれまで以上に貢献できるよう インターネット上の画像など新たなデザインの保護や 知財訴訟制度の充実を図っていきます ( 通商 対外経済 ) 2 つ目に 国内政治 経済問題に起因して 世界的に保護主義の動きが広まる中 日本としては 自由で公正な国際ビジネス環境構築のため 様々な取り組みを進めます まず TPP11 の更なる拡大を目指します また 2 月 1 日に発効する日 EU EPA を含め EPA を活用した中堅 中小企業の海外展開を積極的に支援します RCEP については 今年中の妥結を目指して交渉を進めていきます WTO 改革の議論や 有志国間での電子商取引についてのルール形成を 日米欧の三極貿易大臣会合や 我が国が議長国となる今年 6 月の G20 を活用し 主導します 米国とは 貿易 投資の更なる拡大に加え インフラやエネルギー デジタルの分野で協力を推進し 両国の関係を更に深化させます 中国とは 首脳会談の成果を踏まえ 幅広い分野での経済関係の強化を図ります 昨年開催された 日中第三国市場協力フォーラム を手始めに 国際スタンダードに基づいた民間企業のビジネス展開を後押しします

日露関係については これまでに 8 項目の 協力プラン の下で 150 件以上の民間プロ ジェクトが生まれ その半数以上で具体的なアクションが始まっています さらに労働生産性向上やデジタル経済分野での協力に取り組み 日露経済関係の深化に取り組んでまいります ( 中小企業 小規模事業者への支援 消費増税対策 ) 3 つ目に 経営者の高齢化や人手不足といった深刻な課題に直面する 中小企業 小規模事業者への支援を行います 法人の事業承継税制の抜本的な拡充に続き 今年は 10 年間限定で 個人事業者の事業承継における贈与税 相続税の負担をゼロにする制度を創設します また 設備投資や IT ツール導入 販路開拓の支援など 生産性向上に資する幅広い取組を切れ目なく行います 昨年相次いだ自然災害の教訓を踏まえ 事業者による防災 減災対策を促進するため 立法措置を視野に税制 予算を含めた支援措置を講じます 今年の 10 月 1 日から 消費税率が現行の 8% から 10% に引き上げられる予定です 国民生活や経済活動に混乱が生じることのないよう あらゆる施策を総動員します 具体的には 昨年 11 月に公表した柔軟な価格設定に関するガイドラインを周知するとともに 需要の落ち込みを抑えるよう 中小 小規模事業者へのキャッシュレス対応やポイント還元等を支援するほか 商店街の支援を行います また 軽減税率制度に円滑に対応できるようレジ システム補助金の措置や周知 広報を実施するとともに 転嫁 Gメンを増員し 転嫁対策に万全を期します ( 全世代型社会保障の実現 ) 4 つ目に 人口減少などの社会構造の変化に対応するため 全世代型社会保障の実現に向けた政府全体の取組に貢献していきます 昨年 9 月には 産業構造審議会に 2050 経済社会構造部会を設置し 高齢者活躍の場の整備や中途採用の促進 保険者による生活習慣病 認知症予防の促進について議論を始めました 厚生労働省とも協力し 未来投資会議での議論を通じて全世代型社会保障の実現に取り組みます ( エネルギー政策の推進 ) 5 つ目に 変化に対して柔軟 強靭なエネルギー政策を構築します 北海道胆振東部地震における大規模停電の教訓を踏まえ 地域間連系線の強化や 燃料供給インフラへの自家発電設備の導入を含む対策を講じ 強靭なエネルギー供給体制を構築していきます 次に 地球温暖化対策も重要です 環境と経済成長との好循環を実現し 日本が世界のエネルギー転換 脱炭素化を牽引するためには 従来の延長にないイノベーションの創出が不可欠です 企業の脱炭素化の取組を 見える化 することでグリーン ファイナンスを活性化す

る さらに環境性能に優れた製品や技術の海外展開を促進することで世界全体の排出削減に貢献する そうした決意の下 成長戦略として パリ協定に基づく長期戦略を策定します そのためには 新しい技術のイノベーションが不可欠です 日本が世界のトップを走る水素技術について 各国と連携した技術開発や規制見直しを進めるため 昨年 10 月に 世界初の水素閣僚会議を日本で開催し 東京宣言を発出しました 再生可能エネルギーについても 主力電源化に向け 昨年成立した新法に基づく洋上風力発電の新たな展開にチャレンジします さらに 原子力については 小型炉を含む海外の開発動向も踏まえながら 官民を挙げて安全性の向上などを実現するイノベーションを推進していきます ( 福島の復興 ) 時代の変化にかかわらず 福島の復興と 安全かつ着実な廃炉 汚染水対策は 経済産業省の最重要課題です 廃炉 汚染水対策については 中長期ロードマップ に基づき 安全確保の最優先 リスク低減重視の姿勢を堅持しつつ 地域 社会とのコミュニケーションを一層強化しながら進めていきます 既に帰還困難区域を除くほとんどの地域で避難指示が解除され 残る区域においても新たなまちづくりが始まるなど 復興 再生に向けた動きが着実に進んでいます こうした流れを本格的な福島の復興につなげていくためには 生活の再建と産業の復興が必要です 引き続き 官民合同チームによる事業 なりわいの再建に向けたきめ細かな支援や 福島イノベーション コースト構想の推進による新たな産業基盤の構築を進めます ( 結言 ) 昨年 11 月には 2025 年の国際博覧会について 大阪 関西で開催されることが決定しました 今後は 万博を成功させるため 政府 自治体 経済界が一体となり オールジャパンで準備を進めていきます また 今年は 6 月に G20 が日本で初めて開催されます さらに 9 月にはラグビーワールドカップが 加えて来年は東京オリンピック パラリンピックが開催されるなど 日本が世界から注目を浴びる機会が立て続けにあります だからこそ 山積する国内外の課題に対して 日本が他国に先駆けて 新たな一歩を踏み出すことが重要です 先が見通せない時代だからこそ 最初の一歩を踏み出すには 強い突破力が求められます 今年は 亥 ( いのしし ) 年 経済産業省の職員一丸となって 思い切った挑戦ができるよう 亥 のような突破力をもって 職務に邁進してまいります 日本が大きな変革の時代を乗り越え 飛躍できる 1 年になるよう 願っております 皆様のより一層の御理解と御支援を賜りますよう よろしくお願い申し上げます 平成 31 年元旦経済産業大臣世耕弘成

新年のご挨拶 内閣官房健康 医療戦略室長和泉洋人 2019 年の新春を迎え 謹んでお慶びを申し上げますとともに 日頃からの多大なる御理解と 御協力に厚く御礼申し上げます 我が国は世界に先駆けて超高齢化社会を迎え 世界最先端の医療技術 サービスを実現し 健康寿命を更に伸ばすとともに 健康長寿社会の形成に資する新たな産業活動の創出やこれらの産業の海外への展開の促進がますます重要となってきています このため 健康 医療戦略 を 2014 年 7 月に閣議決定し 2017 年 4 月には国立研究開発法人日本医療研究開発機構 (AMED) が設立され 革新的医薬品や医療機器の実用化のための研究開発の推進 健康長寿社会の形成に資する新産業の創出 医療の国際展開及び医療のデジタル化 ICT 化に取り組んでまいりました 医療のデジタル化 データの活用に関しては 昨年 5 月に 医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律 ( 次世代医療基盤法 ) が施行されました この法律では 国が認定する認定事業者が アウトカム情報を含む電子カルテなどの医療情報を大規模に収集し 特定の個人を識別できないよう匿名加工した上で 医療分野の研究開発のために産学官の幅広いニーズに応じ提供するという仕組みを整備しています この新しい法制度が革新的な医療機器の開発実現のための情報基盤として広く活用されることを期待しています また 健康 医療戦略本部をはじめとするイノベーションに関連が深い各司令塔会議の横断的かつ実質的な調整を図るため 新たに統合イノベーション戦略推進会議を設置しました 急速に進展しているAIについて 本会議において 健康 医療に関する内容も含めたAI 戦略を策定する予定です 医療の国際展開としては 昨年 7 月にアジア健康構想の基本方針を改訂し アジアと日本が一体となり 持続可能な経済成長と健康長寿社会を実現するべく ヘルスケア分野全般を対象として取り組むこととなりました 同構想は昨秋のASEAN 関連首脳会議や日メコン首脳会議においても 日本のイニシアティブとして取り上げられており インドとはヘルスケアに関する政府間の覚書を作成し 協力の更なる深化に取り組んでいます 引き続き相手国との政策対話等を通じ アジア全体での医療 介護人材の還流 具体的なビジネス連携の組成やアジアにおける日本式の医療 介護サービス拠点構築支援に繋げていきたいと考えています AMEDを通じた医療機器の開発支援としては AMEDでは基礎から実用化まで切れ目ない研究支援を一体的に行っており 医療機器に関しては我が国の高い技術力を生かし 技術シーズの創出と医療機器 システムの実用化へとつなげる研究開発を推進しています また 医療機器の 10 医機連ジャーナル第 104 号 (2019 年 WINTER)

承認審査の迅速化や 伴走コンサルによるソフト面の支援 国際標準化 知財強化にも取り組んでおります 現在の健康 医療戦略の期間は2019 年度までとなっております 本年は これまでの5 年間の取り組みを踏まえ 新たな 健康 医療戦略 を策定することとなりますが 足元の社会の要請に応えつつ まだ見ぬ未来を皆様方と共に拓くものとしていきたいと考えております ( 一社 ) 日本医療機器産業連合会並びに会員団体 会員企業の皆様におかれましては 本年も益々の御理解と御協力を賜りますよう 何卒よろしくお願い申し上げます 最後になりますが 皆様の御健勝と御多幸を心より祈念いたしまして 新年の御挨拶とさせていただきます 医機連ジャーナル第 104 号 (2019 年 WINTER) 11

新年のご挨拶 内閣府政策統括官 ( 科学技術 イノベーション担当 ) 赤石浩一 謹んで新春のお慶びを申し上げます また 旧年中は科学技術イノベーションの推進に対して御理解と御支援を賜りましたこと 心から感謝申し上げます 平成 31 年の年頭に当たり ご挨拶申し上げます 今 世界では従来の延長線上にない破壊的イノベーションが進展し 我が国の科学技術イノベーション創出力の相対的低下が指摘されています 特に 米中を中心としたイノベーションを巡る覇権争いの顕在化 いわゆる プラットフォーム の急拡大と実態経済への進出 創業の役割の変化 持続可能経済への転換等 根本的なゲームチェンジが起こりつつある中で これまでの延長線上で科学技術イノベーション政策を進めることの限界が露呈しています こうした諸課題に対応すべく 政府が一体となって経済社会システム全体を大胆に変革する統合的な政策パッケージ 統合イノベーション戦略 ( 以下 統合戦略という ) を昨年 6 月に閣議決定しました 統合戦略では多岐に亘る政策を盛り込んでいますが ここでは内閣府として注力しているいくつかの取り組みを御紹介します まず 政府で取組んでいるイノベーション関係政策の連携強化です その実現のため 統合イノベーション戦略推進会議 を設置しました これは 特にイノベーションに関連が深い 総合科学技術 イノベーション会議 健康 医療本部 IT 総合戦略推進本部 知財本部 宇宙開発戦略本部 総合海洋政策本部等の司令塔会議について 内閣官房長官を中心とした横断的かつ実質的な調整 推進機能の構築を目的としたものです 昨年 7 月の設置以降 これまでに人工知能 (AI) 安全 安心 バイオ 光 量子の各分野の政策の方向性について議論を重ねています このうち バイオ分野は 医療 非医療分野が一体となった新たなバイオ戦略を策定するものであり 来年夏を目指して取りまとめることとしています ムーンショット型研究開発プログラム の実現にも取り組んでいます これは 内閣府がこれまで実施してきた戦略的イノベーション創造プログラム (SIP) や革新的研究開発推進プログラム (ImPACT) 等の戦略的な研究開発を踏まえ より野心的な構想の下 関係省庁が一体となって集中 重点的にハイリスク ハイインパクトな研究開発を推進する新たな仕組みです 同プログラムに係る予算は平成 30 年度第二次補正予算案及び平成 31 年度当初予算案に盛り込んでおり 現在 公募開始に向けて準備を進めているところです 皆様におかれましても 同プログラムへの積極的な御参加 御協力をお願いいたします

大学改革等によるイノベーション エコシステムの創出も重要です イノベーション創出のためには その担い手である大学や研究機関 研究人材を抜本的に強化し 世界トップレベルに引き上げるとともに 諸外国の先進事例なども参考に 限られた資源の中で 弛まぬ研究開発マネジメント改革を行っていく必要があります そのためには 大学が公的資金や民間資金の投資先としての価値を高め その価値を社会に対して明らかにしていくことが肝要です このことから 統合戦略においては 人事給与マネジメント改革による若手の活躍機会の創出や民間資金の獲得等 財源多様化による経営基盤の強化等が盛り込まれています その実現に向けて 内閣府では 関係省庁と連携しながら政府一体となって関係施策を推進してまいります 以上 日本の科学技術イノベーションの更なる加速と皆様の一層の御健勝 御発展を祈念いたしまして 新年の御挨拶とさせていただきます 引き続き 御支援 御協力を心よりお願い申し上げます

年頭所感 厚生労働省医政局長吉田学 謹んで新年の御挨拶を申し上げます 年頭に当たり 日頃より医療行政に対して御理解 御協力をいただいていることに対しまし て 深く御礼を申し上げますとともに 所信を申しあげます 今後 医療 介護のニーズが増加する中で 質が高く効率的な医療提供体制の構築に向け 地域医療構想の実現に向けた取組を一層進めます この二年間の地域での精力的な議論の積み重ねにより 医療機関ごとの対応方針の具体化が進められております 今年は その議論の成果を検証し 二〇二五年に向けた PDCA サイクルを着実に実施していくことが重要です 構想区域間の好事例の共有により地域の議論を促進するとともに 具体的な対応方針を踏まえた施設整備等に対し 地域医療介護総合確保基金により重点的に支援をするなど 実効的な支援を実施してまいります 医師の偏在解消に向け 昨年成立した 医療法及び医師法の一部を改正する法律 を着実に施行します 国が 医師の多寡を客観的に示した 医師偏在指標 を定め 都道府県がこれを踏まえて 医師確保計画 を策定することで 主体的 実効的に医師偏在対策を講じることができる体制の整備を図ってまいります また 昨年は新専門医制度による研修が開始されるとともに 医道審議会医師分科会の下に医師専門研修部会が立ち上げられ 日本専門医機構や関係学会に対して 地域医療への配慮や医師の研修機会の確保など 同部会の審議を踏まえた改善要望を求める意見を提示したところです 今年も この制度が医師の専門性の確立に資するとともに 地域医療や医師のキャリアプランに配慮されたものとなるよう 日本専門医機構や関係学会と連携しつつ丁寧に制度の運営を進めてまいります 医師の働き方については 一人ひとりの医師が健康に かつ 高い水準の技術の習得や家庭との両立などの希望を実現しながら働き続けることができるよう 改革を進めていく必要があります 地域の医療提供体制に与える影響等を丁寧に分析 整理しながら検討を進め 時間外労働規制の具体的な在り方や労働時間の短縮策等について 本年三月を目途として結論をとりまとめます 四月以降 医療関係者全体の働き方改革を進めるとともに その結論を踏まえ 医師が仕事と家庭を両立し 健康に働き続けることができるよう 関係団体とも協力しながら着実に働き方改革を進めていきます

一連の災害では 多くの医療機関が長期の停電や断水により診療業務の継続に大きな影響を受けました 防災 減災 国土強靱化のための 3 カ年緊急対策に基づき 災害時に重要な役割を担う病院の自家発電設備や給水設備等の強化 人工呼吸器を使用する在宅患者への電源確保支援等の対策を推進します また 病院の耐震化を一層促進するとともに 広域災害 救急医療情報システムを活用した情報収集体制の強化等も進めます 医薬品産業については 日本発の革新的医薬品創出に向けた動きを加速していきます ビッグデータ AI がんゲノム医療の進展や ips 細胞技術の活用などといった治療や創薬のアプローチの変化も捉えつつ バイオ医薬品の研究開発支援や医療系ベンチャーを育てる好循環の確立といった創薬環境強化を進めることで 最終的には 海外市場にも展開する 創薬大国 の実現を目指します また 研究開発税制 の延長 拡充により 研究開発投資に積極的な企業を支援してまいります さらに 昨年 4 月から進めている流通改善ガイドラインに則した取組を継続し 適切な仕切価等の設定 早期妥結と単品単価取引の推進等 更なる流通改善を進めてまいります 医療機器産業については 産官学連携によるオールジャパンでの医療機器開発等 革新的な医療機器等の開発環境の整備に集中的に取り組んでまいります また 医療の国際展開については 未来投資戦略二〇一八 等を踏まえ 我が国の経験や知見の共有 人材育成の支援等により 相手国の実情に応じた医療協力を進め 我が国の医薬品や医療機器等の利用につなげてまいります そして 二〇二〇年開催の東京オリンピック パラリンピック競技大会も見据え 訪日 在留外国人患者が安心 安全に日本の医療機関を受診できるよう 受入環境の更なる充実を目指してまいります 臨床研究 治験については 臨床研究法の適切な運用を図るとともに 今後の臨床研究 治験活性化に係る方向性等について厚生科学審議会臨床研究部会において議論を深め 引き続き 臨床研究に対する国民の信頼の確保や質の高い臨床研究 治験の推進に取り組んでまいります 昨年は閣僚級世界患者安全サミットを主催し 東京宣言が発表されました 東京宣言では 患者安全分野において医療従事者を教育及び訓練することや患者及び患者家族の参加を促す等の取組みを通じて有害事象を最小化することを宣言しています 厚生労働省は このような取組を通じて 更なる医療安全の確保を図ってまいります 今年一年は医療行政にとって 未来を見据えた様々な改革を実行に移していく重要な年になります 施策を進めるに当たり 医療に携わる様々な関係者の思いを汲み取り 医療を受ける皆様の立場に立ちながら 施策の展開に努力してまいります 本年も 医療行政に一層の御理解 御協力をいただきますようお願い申し上げるとともに 皆様にとって本年が実り多き一年となることを心から祈念して 新年の挨拶といたします

新年御挨拶 厚生労働省医薬 生活衛生局長宮本真司 新年明けましておめでとうございます 年頭に当たり 本年の医薬品 医療機器等行政を展望し 所感を申し述べます 近年 少子高齢化の進行 再生医療 AI 等の科学技術の進歩 国際化の進展など 行政を取り巻く環境が大きく変化しております これらを踏まえ 本年も様々な施策を進めてまいります 第一に 本年は医薬品医療機器等法の施行から五年を迎える年にあたります 昨年は 厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会において 薬機法の施行状況に加え 人口構成の変化や技術革新の進展などの環境変化を踏まえ 医薬品 医療機器等を取り巻く現状や課題について御議論をいただきました 本年は議論の結果を踏まえ 薬機法改正を含めた具体的な措置について検討を進めてまいります 第二に 有効かつ安全な医薬品 医療機器等をできる限り早く患者の皆様にお届けできる環境を整備するとともに 安全対策の高度化を図ってまいります 昨年は 先駆け審査指定制度 の四回目の募集を実施いたしました 既にこの制度に指定された医薬品 医療機器 再生医療等製品が承認されており 安全性を担保しつつも国民の皆様により良い製品をより早くお届けすることに貢献ができていると考えております 本年も 先駆け審査指定制度 や 条件付き早期承認制度 を適切に運用することで 革新的な医薬品 医療機器等の早期実用化を推進します また 大規模な医療情報を活用した医薬品の安全対策の取組として 昨年四月に医療情報データベース (MID-NET) の本格運用が開始され 産業界やアカデミアの方にも活用いただけるようになりました 本年は MID-NET の利活用の推進を図るとともに リアルワールドデータを活用した医薬品の安全対策の高度化と効率化をさらに推進します 第三に 地域で暮らす方々が 医薬品等を適切に使用することができる環境づくりに取り組んでまいります まず 患者の皆様が医薬分業のメリットを実感し 安全 安心な薬物療法を受けることのできる環境を整備します 今後 地域包括ケアシステムの構築が進む中で 在宅医療の需要が増大し がんの薬物療法など専門性が高い薬学的管理が継続的に必要となる機会も増大していくことが想定されます この様な状況に適切に対応するため 薬剤師 薬局が 服薬情報の一元的 継続的な把握とそれに基づく薬学的管理 指導を行うことのできる環境を整備することにより かかりつけ薬剤師 薬局を推進してまいります

さらに 違法薬物対策にも力を入れていく必要があります 昨年八月 薬物乱用対策推進会議 において 第五次薬物乱用防止五か年戦略 が策定されました 同戦略に基づき 薬物に対する強力な取締りや広報啓発をはじめとする 総合的かつ積極的な施策を引き続き推進してまいります 第四に 国際的な取組を推進してまいります 近年の国際化の進展に対処するために 国際薬事規制調和戦略 の着実な実施を進めるとともに これまで日本が主体的に参加してきた医薬品規制調和国際会議 (ICH) や国際医療機器規制当局フォーラム (IMDRF) における規制調和の成果を アジア諸国が積極的に取り入れていくよう支援してまいります また本年は 医薬品査察協定 医薬品査察共同スキーム (PIC/S) の総会及びセミナーを日本で開催することとしており 医薬品査察における外国当局との協力を推進するとともに 引き続き国際規制調和における主導的役割を担ってまいります 第五に 血液事業の推進に取り組んでまいります 少子化によって献血可能な人口が減少する中 将来にわたり血液製剤の安定供給を確保すべく 特に若年層への普及啓発活動の強化をはじめとする献血の推進に引き続き取り組みます 加えて 科学技術の発展や血液事業を巡る情勢の変化を踏まえ 血液法の改正に向けた検討を進めてまいります 国民の生命と健康を守ることこそが厚生労働省の使命であり 日々高まる医薬品 医療機器等行政に対するご期待に応えるよう 本年も全力で取り組んでまいります 皆様の一層の御支援 御協力をお願いしますとともに 皆様方のますますの御発展と御多幸をお祈りいたしまして 新年の御挨拶とさせていただきます

新年のご挨拶 経済産業省商務情報政策局商務 サービス審議官藤木俊光 平成 31 年の新春を迎え 謹んでお慶び申し上げます 経済産業省では 誰もが人生を幸せに生ききることができる 生涯現役社会 の実現を目指しております そのためには 未来投資戦略 2018 において重点分野に特定されている 次世代ヘルスケア システムの構築 や 健康寿命の延伸 が必要ですが 医療機器産業はこれらに大きく貢献し 我が国の成長の原動力となる重要な産業であります また グローバル経済においても 40 兆円を超えるなど 産業としても大規模かつ成長している領域です 近年の医療機器産業を取り巻く環境の変化は著しいものです 昨年策定された 医機連産業ビジョン 2018 Society5.0 を支える医療機器産業をめざして- にも掲げられているように 世界に先駆けた高齢化の進展などによって 従来の 治療型 に加え 予防 抑制進行型 介護 などの新たな領域で 医療機器やサービスのイノベーションが起きております また ロボット技術や AI IoT 等の異分野からの技術革新や 異業種 ベンチャーなどの新規プレーヤーの参入も加速しています こうした動きを受けて 経済産業省では 革新的な医療機器の研究開発支援を進めるとともに 医療と産業のより緊密な連携や グローバルなエコシステムとの接続 世界で戦って勝てるベンチャーをいわば 特待生 として認定し 集中的に支援する J-Startup を活用したベンチャー等の新たなプレーヤーの巻き込み サービスと一体化した医療機器の国際展開を引き続き進めていきます また 昨年 11 月には 2025 年国際博覧会の大阪 関西での開催が決まりました これまでの誘致活動への御協力に対し 心から感謝申し上げます テーマである いのち輝く未来社会のデザイン の発信に向け これからが本番です これまで我が国の優れた医療機器や医療技術により実現されてきた医療の進歩や 今日とこれからの我が国の健康長寿社会の在り方を世界にショーケースとして広める好機と捉えております オールジャパン体制で準備を進めてまいりますので 引き続き皆さまのご協力をお願いいたします こうした取組に加え 商務 サービスグループでは 今年 10 月 1 日の消費税率引上げ後の消費平準化及びキャッシュレス推進の観点から 中小 小規模事業者によるキャッシュレス手段を使ったポイント還元 割引を支援します また RFID 活用によるサプライチェーンの合理化 高度化などを通じて 商流 金流 物流のスマート化を実現します 更に サービス

産業の生産性の向上に向けた総合的な取組や 地域の魅力発信によるクールジャパン施策 E dtech など先端技術を活用した教育サービスの高度化などの政策のほか 幅広い所掌という特色を生かし 引き続き 業種横断的な施策 及び業界や消費者の皆さまに寄り添った政策を積極的に実行していきます 皆様の益々のご健勝とご発展を祈念し 新年の御挨拶とさせていただきます

新年のご挨拶 文部科学省研究振興局長磯谷桂介 謹んで新春のお慶びを申し上げるとともに 日頃より文部科学行政への多大なる御理解と御 協力に厚く御礼申し上げます さて 昨年は 京都大学の本庶佑先生がノーベル生理学 医学賞を受賞されるという大変喜ばしい出来事がありました 本庶先生の受賞理由である 免疫チェックポイント阻害因子の発見とがん治療への応用 は 本庶先生の飽くなき知的好奇心により地道な基礎研究を長年継続されてきたことで PD-1 に免疫を抑制する働きがあることを解明し 免疫チェックポイント阻害剤という画期的ながん治療薬の創出につなげられた素晴らしい業績です このような研究者の好奇心や 自由な発想に基づく独創的な研究を支援することの重要性を改めて認識したところです 文部科学省といたしましては 2019 年度から 研究力向上加速プラン として 若手研究者を中心としたリソースの重点投下 制度改革を行うとともに 新興 融合領域の開拓に資する取組の強化や 若手研究者が海外で研さんを積み挑戦する機会の抜本的拡充等を実施してまいります 健康 医療分野 特に医療機器開発におきましても 大学等の基礎研究を推進するとともに 人生 100 年時代を見据えた健康長寿社会の実現に向けて 我が国の高い研究開発力を医療機器の実用化につなげていくため 優れた医療機器開発を進める基礎的な技術シーズの発掘に力を入れております 関係府省や産業界の皆様と連携を図りながら 引き続きオールジャパンでの医療機器開発に取り組んでまいります 申し上げるまでもなく 医療機器の開発に当たっては 我が国の医療現場において活用される現場ニーズにあった研究開発 現場での継続的な改良と修正 最適化が重要です このため 文部科学省では 企業と研究者 医療現場のニーズを把握している臨床医が開発チームを編成し これまでにない医療機器のプロトタイプ機開発などを支援することにより 独創的な技術シーズを切れ目なく発掘する取組を進めております また 革新的な医療機器開発には 人材の育成も重要であり 日本医療機器産業連合会の多大な御支援をいただいているジャパン バイオデザイン プログラムを通じて 医療機器開発のリーダーとなる人材を育成しております 昨年度までに修了生及びバイオデザイン関係者が企業したスタートアップ企業が 3 社立ち上がっておりますが 更にバイオデザイン手法を企

業に広めるためのコンサルティング会社が起業されたと伺っており 今後の発展に期待しております 文部科学省では さらに新しい取組として 筑波大学と慶應義塾大学が連携し ベンチャー企業を設立する医療アントレプレナーを育成するプログラムである Research Studio を今年度から支援しております 今後もこうした医療機器開発のリーダーの育成について取り組んでまいります 基礎的な研究の成果を医療機器の実用化につなげるためには 医療機器の有効性に加えて 安全性の確保や 品質管理等の課題を解決する必要があります それには 産業界の皆様のご協力が不可欠であります 日本医療機器産業連合会の会員団体及び会員企業の皆様のこれまでのご支援に感謝申し上げるとともに 今後より一層のご指導 ご協力を賜りたく存じます 結びに 本年が実り多き一年となりますよう祈念いたしますとともに 皆様のご繁栄とご発展を祈念申し上げ 新年のご挨拶といたします