~ 受 理 )
山田 魚類血清ビテ ロジェニ ン測定法開発の現状 されるが 精巣の成熟度との関係は明瞭で はなかっ ク質で 分子量が約 200 000のサブユニット 2個 か たと報告されている ら形成される 2量体である サブユニットは 分 このように EDCの魚類に対する影響解明の 2 0 000の重鎖と約 3 1 000の軽鎖の 2つのペ 子量約 1 研究では 汚染が認められな い対照水域の雄魚類 プチドから構成される 一方 もう 一つの構成成 血 清 な ど き わ め て 低 濃 度 の VTGから汚染水域の 分であるホスビチンは リンを. 5%含 む 分子量 比較的高濃度の VTG あるいは EDCの魚類暴 約 35 000 ~ 40 000 のタンパク質である 構成アミ 露試験における陽性対照魚類の血清など高濃度の ノ酸の 50%以上がセ リンであり しかもほとんど VTG すなわち 低濃度から高濃度の広い濃度 がリン酸化されて いる また 通常のタンパ ク染 範囲の VTGを検出 定量する手法が必要である 色方法では染色できない特徴を有する 各種の魚 このような状況において本稿では 魚類を対象 種について VTGが精製され その化 学的及び生 と して VTGの化 学的特性を 概観するとともに 化学的特性が研究されてきた これらの多くの研 VTGの検出 定量手法の開発 発展状況につい 究の 一 部 分 に つ い て 分 子 量 を ま と め る と 分 て取りまとめ 水域汚染実態把握調査に求め られ 子量は マ イ ワ シ ( S d m S )で るVTGの検出 定量手法について今後の方向性 450kD ( M b. 14) マダイ ( P を検討する mj) で 486kD (藤井 2000) ギ ン ザ ケ H. ( O y k ) で 540kD ( 2 ビテロジェニンの化学的特性 1 3) 大西洋サケ ( Sm )で 520kD ( S. 1 8 5) であると報告されている また 魚類の VTGは カノレシ ウム 鉄 亜鉛 カロ H ( 1 8 7) に よ り ニ ジ マ ス ( O y テノイドを結合し 1 %の糖 1 2%の脂質. 3% myk ) サケ ( O y k )及 び ウ ナ ギ のリンを含む脂糖リンタン パ ク質 ( A f j )のVTGの分子量は それぞれ ( y ) である VTGの構造は 600kD 600kD 及び 350kDと報告されている 有国 ( 18) により F.のように模式的に示さ 魚種により分子量が異なるので VTGを構成す れている VTGは リポビテリン ホスビチン及 る リポビテ リン ホス ビチン及び 'ーコンポーネ びか ー コンポーネン トで構 成 される また 分子 ントのペプチドの大きさ及びアミノ酸配列等も魚 量 は約 46万で分子量約 20万の 2つのサブユニ ッ ト 種により異なることが考えられる ) から構成される 2量体である(原 1 Okb.( 2003)はマハゼ ( A b j v m ) のVTG を生化学的及び免疫化学的に L d P 研究した ハイ ドロ キシアパタイトによる吸着 ク ロマトグラフ ィー S 6によるゲノレ施過ク ロマ トグラフィ ー及 び MQによるイオン交換 クロマトグラフィーを用 いるクロマ 卜グラフィー V の手法により精製 したと ころ クロマトグラフィー に対する反応性や溶 出位置から分子量が 530kD と320kDと推定される 2種類の VTGが存在するこ とが 明 らかになった Okb.( 2003) に m富 富岡 よると 分子量の大きい VTGは脂質及び リン含 L v 有量から 他 の魚種にお いても報告されている 一般 的な VTGであり 分子量の 小 さい VTGは リン含 震雪 有量が低いことからティラピア 量雪 ( K d d 3) 及 びゼブラフィッシュ ( W S k 1 m P v F. 1S ff m v.. 2000) で報告されている 別 なタイプの VTG (ホスビチンが含有されない VTG) である ことを 報告している この よ うに魚類の VTGにはいく VTGを構成するリポ ビテリンは 20%の脂質及 つかの異なった分子種が存在する ことが次第に明. 5%のリンを含む分子量 400 000のリボタン パ び0 らかになって い るが それらの機能や役割の解明 -3 4-
山田 魚類血清ビテロ ジェニン測定法開発の現状 は今 後の課題である Okb.( 2003b) は 合 法 は F. 2に 模 式 的 に示すように特異抗体に対 これ ら2種類の VTGに対する特異抗体を作製する 例 えば ラジオアイ し識別できる 2種類の 抗原 ( とともに 後述する酵素免疫測定法を確立し マ %%減 九九~1 ハゼの 2種類の VTG濃度をそれぞれ区別して測定 している 3 R d C v y :B ビテロジェニン の検出 測定法 初期の VTGの検出 測 定 方 法 は タ ン パ ク 質 の研究に用いられてきた手法を応用したものが多 BI B/B > B2 B/B BJ BB > F. 2 P f dmm y f m 0 ff m v d巴 か った 上述したように VTGは 1 % 弱のリンを ソトープで標識した VTG及 び 非 標 識 VTG) を反 含むタンパク質であることから 血清を電気泳動 応 さ せ 抗 原 抗 体 複 合 体中 の放射 能値から抗原 した後にリンを染色し 発色した色の強度をデン ( VTG) を定量する方法である 競合法は抗原抗 シ トメーターで測定する方法により定量された 体反応が起こる部位が少なし 小 さい分子量の抗原 また VTGはアノレカリで不安定なリンを含有す の定量に適している方法であり ラジオイムノアッ る唯一の血清タンパク質である特性に着目してア セイは競合法に分類さ れ る ノレカリで遊離する リンを測定する間接的定量法が ) 一方 分子量が大きい 用いられた(原 1 0 非競合法の 測定原理は以下の通 りである VTG の特異抗体(捕獲抗体)と抗原を反応させ 抗原 こと及びタンパク質の 特性に着目してゲ レ櫨過ク を捕獲抗体に結合さ せ る 捕獲された抗原に酵素 ロマトグラフィ一法及びイオン交換クロマトグラ 標識されている抗体 をさらに反応させる 最後に 280m) の吸 フ法で VTGを分離した後に紫外線 ( 発色あるいは発光基質を添加 し 発色ある いは発 光度測定により定量する方法も検討されてきた 光強度を測定する 捕獲抗 体 抗原 酵 素 標 識 抗 しか し これらの方法は検出感度や再現性が悪く 体の系が形成され 抗原が 2種類の抗体に挟まれ 定量性が良くないために広く普及しな かっ た るのでサンドイツチ法とも言われる また F.3 EDCの魚類に対する 作用機構の 解 明や影響実態 に示すように酵素標識抗体の代 わりにビオチン化 の解明 評価のためには 雄血清のように低濃度 抗体で抗原をサンドイツチし さらに 酵素標識 VTGの測定が必要であり 従 来 の 方 法 以 上 に 特 アビジン(ビオチンと特異的 に結合する)と反応 異性が高く(生体試料 のように多種多様なタンパ させる方法もある 抗体を標識する場合 酵素よ ク質の中に目的のタンパク質が微量存在する場合 りもビオチンの方が標識し易いこと 市販されて に 目的タンパク質のみを正確に区別すること) し る種々の酵素標識アビジンが使用 できるため応 定量 性の良い(低濃度であっても検出でき 再現 用が広がることなどから近年ではこの方法が 一般 性 が良いこと) 測定法の確 立が要求される これ 化している 非競合法は数種の抗体を使用するた らの目的を達成するために VTGに対する特異 めに 抗原抗体反応が 起 こる部位が複数必要とな 抗体を用いる 抗原 抗体反応 に基づく免疫学的定 斗 法(固相法 サンドイツチ法とも 言 う)に大別さ れる 直接法は 特異抗体と抗原を直接接触させ 複合体に取り込まれた抗体の量を酵素反応により ' V ノ 川 V T二 発色させる方法あるいは抗原抗体複合体量 を直接 : J : J b; ' 抗原抗体反応を起こさせる 形成された抗原抗体 降三 三 m v d 山ハり@口 )4 6-w y y dw b dy fv @問 ろ 一 叩の@自よ 免疫 学的定量法は 直接法 競合法及び非競合 ~ 0 b b d b dy 川 一 円い 己 3.1免疫学的定量法 ロ人 v 中 人 量法が開発されてきた 測定する方法により抗原 (ここでは VTG) の量 を定量する方法である 後述する寒天ゲ ル内 一元 放射免疫拡散法が直接法の代表的な例である 競 F.3P f z Y1 k d 1 1 b 1 y( ELISA) f d m f白 v.( f Kwd S. 2 0 0 3 ) 一 一3 5一 一
山田:魚類血清ビテロジェニン測定法開発の現状 るので タンパク質など大きな分子の検出 定量 フィーの手法により精製 し 抗卵抽出液ウサギ抗 に適している また 同一の試料(タンパク質) 体を得る なお 雄血清による吸収操作は 雄血 に対し 捕獲抗体と 2次抗体の 2種類の抗体を使用 清中に存在するタンパク質を抗卵抽 出液ウサギ抗 するために特異性が非常に高い方法である 体中に存在するタンパク質と結合 沈殿 除去す VTGの免疫学的定量においては 測定対象魚 ることにより抗体を精製する ことを目的として次 類の VTGに対する抗体を作製する必要がある の操作で行われる 先ず 抗体(抗血清)に同 量 3. 1. 1魚類 V T G Iこ対する抗体の作製方法 の雄血清を混合し 40Cで一昼夜放置することに 免疫学的検出 定量のためには VTGに特異 より タンパク質を結合 沈殿させる 沈殿し 物を 的な抗体を作製する必要がある 精製した VTG 遠心分離 ( 5 000G 40C 30分)及び孔径 0. 45 あるいは成熟した 卵巣卵抽 出物(未受精卵の卵黄 μmのj 慮紙による 櫨過 により除去する 抽出物)を用いて作成する方法が 一般的である このようにして得られた抗 VTGウサギ抗体及 卵黄は既に述べたように VTGが解裂した結果形 び抗卵抽出液ウサギ抗体 はポリクロナール抗体で 成されるので リポピテリンなどには VTG と共 あり 複数の抗原認識部位を有する したがって 通するアミノ酸配列が存在する したがって 卵 近縁種の VTGには免疫反応(交叉性)を示すこ 黄抽出物に対して得られる 抗 体は VTG ~こ対して ともあり 近縁種の魚種の VTG測定に使用でき も免疫反応を示す る場合がある しかし 免疫反応の低下により 検出感度の低下などの 問題がある VTGの化学 1)V T G Iこ対する抗体の作製 的特性において述べたように 分子量が魚種によっ E2を 成熟した雌ある い はE2を暴露した魚類 ( ても異なることが次第に解 明 され VTGを構成 暴露すると雄 雌いずれについても VTG を誘導 するペプチドのアミノ酸配列 も魚種によって異な するので 雄 雌いずれでも良し )の血清を採集 ることが考えられる したがって 測定しようと し 血 清中の VTGを各種のクロマトグラフィー する魚種毎に抗体を 作製することが望ましいと考 の手法を用いて精製する 精製 VTG試料を免疫 賦活剤(フロイン ト コンプ リー ト アジュパン 卜など)と混合 乳化する この乳化物を以下の 方法でウサギに免疫し 抗 VTG ウサギ抗体を作 0カ所 製する すなわち 乳化物をウサギの背部 1 程 に 皮 下 注 射 さらに2週間 後 に 血 清 ( 0.5mL ) のみを同様に注射 最後に注射した 2週間後にウ サギの耳縁辺部から採血 する 血清を分離後 P Gカラムなどの適 当なクロマトグラフィー 2000)) の手法により精製する(例 えば 藤井 ( 2)卵黄抽出物に対する抗体の作製. %の生理的食 成熟した未受精卵を 摘出 し 0 塩水で 洗浄する リン酸緩衝液を加えホモジナイ ズ後 遠 心分離 C OOOG 40C 1 0分)する 上 層の脂質層と下層の沈殿物 の聞の中間の水層を採 取し 卵抽出液を得る これを各種のクロマトグ ラフィーの手法により精製し リポビテリンを分 取する 精製リポピテ リンを抗原として血清中 VTGの場合と同様にウサギに免疫して抗体を作 製する 抗卵抽出液ウサギ抗体を雄血清で 吸収操作を行っ た後に血清 中VTGに対する 抗 体作製の場合と同 Gカラムなどの適当なクロマトグラ 様に P -3 6 F. 4P ff mv.( 氏 H 1 8 ) : D f v w 巴 巴 10 y d f f m d.t bdy f v 巴I 10 m ff m d x d mfm f d E d v y. T f f m m d x dw bdy d f m d w m m d d w bdy. b: R f d mmd f C fvtg f d f d f f
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雌 血 清 で は 30~40m/mLまで 上 昇 すると 報 告 さ
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( 特 異 タンパク ~Vバイオマーカー) M E. T ~Iz,