東 日 本 大 震 災 からの 復 興 支 援 に 係 る 様 々な 取 組 み UR's Various Supports in Recovery after the Great East Japan Earthquake 本 社 震 災 復 興 支 援 室 事 業 チーム 主 幹 概 要 UR 都 市 機 構 では 発 災 直 後 より 被 災 地 へ 職 員 を 派 遣 し 復 旧 復 興 活 動 に 取 り 組 んできました 発 災 から4 年 半 が 経 過 し 事 業 のピークを 迎 え 工 事 が 本 格 稼 働 している 現 在 は 復 興 市 街 地 整 備 や 災 害 公 営 住 宅 の 建 設 等 事 業 進 捗 に 応 じた 組 織 強 化 体 制 確 保 を 行 いながら 一 日 も 早 い 宅 地 建 物 の 完 成 引 渡 しを 目 指 して 事 業 を 着 実 に 進 めています ここでは URが 実 施 す る 復 興 支 援 の 事 例 と 様 々な 取 組 みについて 紹 介 します 森 岡 拓 也 キーワード: 東 日 本 大 震 災 復 興 支 援 Google ストリートビュー 復 興 フォト&スケッチ 展 1.はじめに 東 日 本 大 震 災 発 生 から4 年 半 が 経 過 し 各 地 で 復 興 事 業 が 本 格 化 しています URにおいても 22 の 被 災 自 治 体 と 復 興 まちづくりを 協 力 して 推 進 するた めの 覚 書 協 定 等 を 締 結 し 平 成 27 年 8 月 1 日 現 在 現 地 430 名 の 体 制 で 復 興 市 街 地 整 備 や 災 害 公 営 住 宅 整 備 等 の 復 興 まちづくりを 支 援 しています 本 稿 では 前 半 で URにおける 復 興 支 援 事 業 の 取 組 み 全 般 を 紹 介 し 後 半 で 復 興 支 援 に 係 る 様 々 な 取 組 みについて 紹 介 します (3)コーディネート 業 務 被 災 自 治 体 からの 委 託 に 基 づき 被 災 自 治 体 の 発 注 事 務 の 軽 減 に 資 する 工 事 発 注 支 援 や 戸 建 災 害 公 営 住 宅 買 取 事 業 への 技 術 支 援 被 災 自 治 体 自 らが 実 施 する 土 地 区 画 整 理 事 業 の 総 合 支 援 復 興 まちづくり 事 業 計 画 の 策 定 支 援 等 様 々な 支 援 を 行 っています 支 援 地 区 一 覧 ( 平 成 27 年 8 月 1 時 点 ) 2. 震 災 復 興 支 援 メニュ- URが 行 う 震 災 復 興 の 支 援 メニュ-は 以 下 の 通 り (1) 復 興 市 街 地 整 備 事 業 (12 市 町 村 22 地 区 1,300ha の 面 整 備 を 受 託 ) 東 日 本 大 震 災 復 興 特 別 区 域 法 又 は 福 島 復 興 再 生 特 別 措 置 法 に 基 づき 被 災 自 治 体 からの 委 託 に より URが 土 地 区 画 整 理 事 業 防 災 集 団 移 転 促 進 事 業 等 を 実 施 しています また 中 心 市 街 地 では 面 整 備 事 業 をフルパッケ ージ( 計 画 換 地 補 償 工 事 調 整 )で 事 業 を 受 託 しています (2) 災 害 公 営 住 宅 の 建 設 及 び 譲 渡 ( 市 町 村 実 施 原 発 避 難 者 向 け 等 約 5,900 戸 を 建 設 ) 被 災 自 治 体 からURへの 建 設 要 請 ( 機 構 法 に 基 づ く 法 定 要 請 )を 受 け URは 災 害 公 営 住 宅 を 建 設 し 被 災 自 治 体 に 譲 渡 しています 被 災 自 治 体 は 完 成 後 の 一 括 譲 渡 になるため 事 務 負 担 が 軽 減 されます 45
3. 事 業 地 区 の 事 例 (1) 宮 城 県 女 川 町 女 川 町 は 死 者 行 方 不 明 者 800 人 超 損 壊 建 物 約 90%という 甚 大 な 被 害 を 受 けました URは 平 成 24 年 3 月 に 町 と パートナーシップ 協 定 を 締 結 し 離 半 島 部 も 含 めた 町 全 体 の 復 興 に 向 け 総 合 的 に 町 をサポートしています URは 町 からの 要 請 に 応 じ 安 全 な 高 台 住 宅 地 の 整 備 や 商 業 水 産 業 の 再 生 に 資 する 宅 地 整 備 とい った 復 興 市 街 地 整 備 を 行 うとともに 災 害 公 営 住 宅 の 建 設 等 を 行 っています ここでは 早 期 復 興 に 向 けて 様 々な 取 組 みを 実 施 しています 復 興 市 街 地 整 備 については 計 画 が 決 まった 部 分 から 段 階 的 に 工 事 着 手 する 工 事 エリアを 広 範 囲 に 確 保 する といった 様 々な 取 組 みを 実 施 しています その 結 果 平 成 24 年 12 月 に 水 産 加 工 団 地 昨 年 7 月 に 高 台 団 地 の 一 部 引 渡 しを 行 うとともに 今 年 3 月 にはJR 女 川 駅 を 再 開 し 駅 周 辺 のまちびらきを 行 いました また 災 害 公 営 住 宅 建 設 についても 造 成 の 必 要 のない 陸 上 競 技 場 の 用 地 を 活 用 し PC 化 工 法 によ る 工 期 短 縮 を 図 ることで 平 成 26 年 3 月 に200 戸 (R C 造 )の 集 合 住 宅 を 完 成 しています 女 川 町 JR 女 川 駅 周 辺 (2) 岩 手 県 宮 古 市 田 老 地 区 宮 古 市 田 老 地 区 は 総 延 長 約 2.4km の 巨 大 X 堤 防 が 決 壊 し 死 者 行 方 不 明 者 約 200 人 超 市 街 全 域 が 壊 滅 するなど 甚 大 な 被 害 を 受 けました 当 地 区 の 復 興 は 住 宅 地 は 安 全 な 高 台 に 移 転 旧 市 街 地 は 一 部 を 商 業 水 産 業 用 地 等 として 整 備 する 計 画 となっており URは 市 からの 要 請 に 応 じ 高 台 住 宅 地 及 び 旧 市 街 地 部 の 整 備 を 実 施 しています 津 波 被 災 地 では 時 間 の 経 過 とともに 住 民 の 帰 還 希 望 者 が 減 少 する という 傾 向 にあります 当 地 区 では 住 民 の 帰 還 促 進 に 向 けて 早 期 完 成 に 努 める とともに 被 災 者 の 帰 還 意 欲 の 向 上 を 目 的 として 造 成 工 事 中 に 高 台 住 宅 地 の 現 地 見 学 会 を 実 施 してい ます 現 地 見 学 会 は 工 事 進 捗 に 併 せて 計 3 回 実 施 し 延 べ 約 500 名 が 参 加 しました 見 学 会 においては できるだけ 実 際 に 住 むイメージが 湧 くよう 住 宅 地 の 完 成 イメージ 工 事 進 捗 状 況 や 今 後 のスケジュー ルなどを 説 明 しています その 結 果 昨 年 12 月 の 抽 選 会 では ほとんどの 画 地 に 対 して 申 込 みがありました(161 画 地 中 159 画 地 が 決 定 ) 今 年 10 月 には 宅 地 が 完 成 し 今 後 住 民 の 帰 還 が 始 まる 予 定 です 宮 古 市 田 老 地 区 現 地 見 学 会 の 様 子 女 川 町 民 陸 上 競 技 場 跡 地 地 区 宮 古 市 田 老 地 区 宅 地 整 備 状 況 (H27.9 時 点 ) 46
(3) 岩 手 県 陸 前 高 田 市 下 和 野 地 区 陸 前 高 田 市 は 河 口 部 で 約 14mもの 高 さの 津 波 が 約 8kmも 遡 上 し 甚 大 な 被 害 を 受 けました そのため 大 規 模 な 嵩 上 げ 等 を 行 う 必 要 があり 下 和 野 地 区 を 含 む 高 田 地 区 今 泉 地 区 では ベルト コンベアーを 用 いた 大 規 模 な 土 地 区 画 整 理 事 業 を 行 っています URは 陸 前 高 田 市 で 土 地 区 画 整 理 事 業 と 災 害 公 営 住 宅 建 設 の 両 方 を 支 援 していたことから 大 規 模 な 嵩 上 げを 行 うにあたっての 試 験 盛 土 を 下 和 野 地 区 で 行 うことにより 下 和 野 地 区 の 完 成 時 期 を 1 年 前 倒 しすることができました また 下 和 野 地 区 では コミュニティが 生 まれや すく 災 害 時 の 避 難 が 可 能 な 建 物 を 目 指 して 最 上 階 に 100 人 程 度 避 難 可 能 な 集 会 所 や 屋 外 デッキ ま ちかど 広 場 2 階 レベルをデッキで 連 結 しコミュニ ティスペ-ス(ミニコモン)を 確 保 する 整 備 を 行 い ました なお 1 階 部 分 には 店 舗 市 が 運 営 する 相 談 室 交 流 プラザ 等 の 福 祉 施 設 を 整 備 しており 福 祉 施 設 は 居 住 者 同 士 の 交 流 の 場 になっています (4) 宮 城 県 多 賀 城 市 桜 木 地 区 多 賀 城 市 は 浸 水 範 囲 が 市 域 面 積 の 約 3 分 の1に 及 び 甚 大 な 被 害 を 受 けました 桜 木 地 区 は 浸 水 した 地 区 に 立 地 するため 安 全 性 に 配 慮 し 2 階 以 上 に 住 宅 を 配 置 するとともに 外 部 階 段 からあがれる 屋 上 に 避 難 スペ-スと 防 災 倉 庫 を 整 備 することで 津 波 避 難 機 能 を 持 つ 地 域 の 防 災 拠 点 としました また コミュニティが 生 まれやすい 建 物 を 目 指 し て 2 階 レベルをデッキで 連 結 し デッキに 面 して みんなのリビング という 交 流 スペースや 地 域 に 開 かれた 集 会 所 を 設 けるなど 居 住 者 のみならず 地 域 住 民 も 交 流 できる 場 を 整 備 しました なお 災 害 公 営 住 宅 の 整 備 にあわせて 高 齢 者 生 活 相 談 所 を 併 設 し 地 区 内 に 被 災 した 保 育 所 を 再 建 す るなど 高 齢 者 や 子 育 て 世 代 などの 多 様 な 世 代 が 共 生 する ミクストコミュニティが 実 現 しやすい 環 境 になっています 当 事 業 は 建 物 の 工 夫 が 評 価 され 平 成 26 年 度 全 建 賞 を 受 賞 しました 下 和 野 地 区 桜 木 地 区 最 上 階 に 集 会 所 と 屋 外 デッキ 試 験 盛 土 によりTP+12 に 嵩 上 げされた 土 地 を 活 用 下 和 野 地 区 桜 木 地 区 47
4 被災地現場内の Google ストリートビュー撮影 この取組みは 岩手震災復興支援本部の若手職員 が社内でプロジェクトチームを組み 復興に向け たソフト面での取組みを何かできないか と議論し たところから始まりました その中で 誰でも現場の様子を見ることができ ないか という意見があったことから 被災前のま ち並みから新しいまちに至る過程を時系列的につな ぐことや 正確な位置情報を持って地域一体を包括 的にカバーし いつでも誰でも使え 長期間保管さ れる記録を残すこと を目的としてストリートビュ ーを展開している Google 社の機能に着目しました 一般車両が通行禁止となっている工事現場内を撮 影することができない Google 社にとって URの申 し出は貴重なものであり また URや各市町は 直接的な投資をしなくても復興の記録を長く伝える ことができる大変有意義な取組みと考えたことから 両者の思惑は一致し ストリートビューの撮影に向 けて動き出しました 昨年 10 月からの Google 社との打合せの結果 今 年1月に撮影機材を借用することができ URが受 託する地区の復興事業の工事現場を撮影しました URの役割は 当日の撮影 市町調整 確認等 撮影に伴う工事現場との調整 ルートの検討等であ り Google 社の役割は 撮影機材の提供 画像処理 公開でした 取組みを通じて ①遠方の被災者等への工事進捗 状況の報告 ②まちづくり検討会等での復興への成 り立ちの確認 活用 ③将来に役立つ震災復興の記 録保存等 を図ることができました また 撮影の様子等のPR動画を作成して YouTube にて公開するとともに 記者発表を通じて 新聞 マスコミへの情報提供を行い URの認知度 向上を図りました なお 撮影した画像は Google 未来へのキオク サイト内の UR都市機構復興支援事業アーカイブ 特設ページや Google マップから閲覧が可能となっ ています あわせて 宮城県 福島県内被災地の工事現場に おいても 今年5月から6月にかけて撮影を行い 映像が公開される予定です 公開されたストリートビュー 陸前高田市 撮影の様子 車両撮影の様子 48
5. 復 興 フォト&スケッチ 展 平 成 26 年 度 に 復 興 フォト&スケッチ 展 を 初 めて 開 催 しました 当 初 予 定 されていた 展 示 会 場 は 東 京 福 島 市 仙 台 市 盛 岡 市 のみであり 被 災 沿 岸 地 域 での 展 示 予 定 がなかったことから 撮 影 現 場 となっている 沿 岸 部 でも 展 示 の 機 会 を 設 け 復 興 が 前 進 していることを 被 災 された 方 々にも 感 じてもら いたい と 考 えた 岩 手 震 災 復 興 支 援 本 部 の 若 手 職 員 がプロジェクトチームを 組 み URの 事 業 地 区 であ る6 市 町 において 追 加 の 展 示 会 を 企 画 開 催 しまし た 若 手 職 員 は 展 示 会 場 借 用 の 交 渉 も 行 いました が いずれの 会 場 も 復 興 支 援 の 取 組 みをしたい という 趣 旨 に 賛 同 して 快 く 貸 し 出 してくれ その 結 果 多 くの 方 に 作 品 をご 覧 いただきました また 復 興 の 今 を 写 真 で 伝 えるまちづくりフォト 活 動 を 行 っていた 陸 前 高 田 子 どもまちづくりクラ ブ と 連 携 して URの 復 興 事 業 現 場 の 写 真 撮 影 会 を 実 施 し 撮 影 した 写 真 をURの 復 興 フォト&スケ ッチ 展 の 会 場 にて 展 示 しました 子 どもまちづくりクラブ とは まちのために 何 かしたい と 考 える 子 どもたちの 声 を 受 け 公 益 社 団 法 人 セ-ブ ザ チルドレン ジャパンが 支 援 する 子 どもたちの 活 動 です 現 在 岩 手 県 山 田 町 陸 前 高 田 市 宮 城 県 石 巻 市 の3つの 地 域 において 小 学 生 から 高 校 生 までの 子 どもたちが まちづくりについて 話 し 合 い その 結 果 を 市 町 長 に 直 接 要 望 書 として 提 出 するなど 精 力 的 に 活 動 しています 陸 前 高 田 子 どもまちづくりクラブ の 子 どもた ちには まずは 復 興 事 業 を 知 ってもらうために 今 年 1 月 24 日 にURの 復 興 事 業 の 現 場 見 学 会 を 開 催 し その 後 31 日 に 陸 前 高 田 の 復 興 事 業 現 場 のフォト 撮 影 会 を 行 いました 撮 影 した 写 真 は2 月 28 日 に 陸 前 高 田 から 始 まった 復 興 フォト&スケッチ 展 の 展 示 会 で 併 せて 展 示 し その 後 も 岩 手 県 内 の 各 市 町 で 一 緒 に 展 示 しました 展 示 会 をご 覧 になった 方 々には 復 興 への 想 いを 桜 の 花 びらに 記 載 していただき 現 在 では 岩 手 本 部 の 受 付 に 飾 っています 写 真 撮 影 会 の 集 合 写 真 展 示 会 の 様 子 また 今 回 の 取 組 みは Google ストリ-トビュ- と 同 様 に 復 興 事 業 の 情 報 発 信 やURの 認 知 度 向 上 に つながっておりますが 被 災 地 の 将 来 を 担 う 地 元 の 子 どもたちに 復 興 事 業 の 内 容 を 知 ってもらうことが できたこと 地 元 の 子 どもたちとの 触 れ 合 いにより 職 員 のモチベーションアップを 図 ることができたこ とも 成 果 のひとつです なお フォト&スケッチ 展 の 展 示 会 は 宮 城 県 福 島 県 の 沿 岸 部 でも 開 催 し 合 計 17 会 場 での 開 催 とな り 多 くの 方 に 作 品 をご 覧 いただきました 49
6. 災 害 公 営 住 宅 のコミュニティ 形 成 支 援 災 害 公 営 住 宅 の 入 居 希 望 世 帯 は 高 齢 者 世 帯 かつ 単 身 や 夫 婦 のみの 小 規 模 世 帯 の 割 合 が 高 いため 高 齢 者 世 帯 の 孤 立 化 引 きこもり 等 が 懸 念 されていま す したがって 入 居 後 においても 継 続 した 見 守 り 等 の 生 活 支 援 サ-ビスや 新 しい 暮 らしでのコミュ ニティ 形 成 の 支 援 等 が 求 められています そこで URが 災 害 公 営 住 宅 事 業 において 住 宅 の 建 設 (ハード)だけではなくコミュニティ 形 成 の 支 援 (ソフト)を 取 り 組 んだ 事 例 を 紹 介 します (1) 大 槌 町 大 ケ 口 地 区 当 地 区 では 災 害 公 営 住 宅 竣 工 後 に 入 居 者 から 土 いじりをしたい との 声 を 受 け 住 民 同 士 の 交 流 機 会 の 創 出 に 向 けて URが 大 槌 町 と 共 に 自 治 会 と 調 整 を 行 い 住 民 による 花 植 え お 茶 っこイベントの 企 画 運 営 をサポ-トを 行 いました 植 栽 する 花 は 陸 前 高 田 市 の 高 田 町 森 の 前 地 区 に ある 花 畑 から プランタ-や 土 壌 などは 公 益 財 団 法 人 都 市 緑 化 機 構 からご 提 供 いただき 実 現 しました また 当 地 区 では 様 々な 地 域 の 方 々が 入 居 し 交 流 の 場 が 少 ない 状 況 でしたが 取 組 みをきっかけ に 親 交 が 深 まり その 後 に 新 年 会 も 開 催 されました なお 当 イベントは 新 聞 でも 取 り 上 げられ U Rの 取 組 みとして 報 道 されました 大 ケ 口 地 区 (2) 大 船 渡 市 赤 沢 他 3 地 区 大 船 渡 市 における 赤 沢 他 3 地 区 では 災 害 公 営 住 宅 竣 工 後 に 入 居 者 コミュニティが 形 成 できていな い 集 会 室 が 利 用 されていない という 状 況 のまま 入 居 者 移 転 後 数 ヶ 月 が 経 過 していました 入 居 者 に 高 齢 者 も 多 いため 見 守 りの 観 点 からも 早 期 のコミュニティ 形 成 が 重 要 だと 考 え URは 岩 手 大 学 コミュニティ 再 建 支 援 の 専 門 家 と 連 携 し 今 まで 培 ってきた 賃 貸 住 宅 におけるノウハウをもとに 災 害 公 営 住 宅 入 居 者 の 自 治 組 織 の 立 ち 上 げや 入 居 者 や 地 域 住 民 の 集 会 所 等 の 利 用 促 進 と 共 に 自 助 共 助 の 成 り 立 つ 自 立 的 なコミュニティ 形 成 に 向 け 集 会 所 活 用 のサポ-トを 行 いました 自 治 会 ル-ル 等 の 説 明 顔 あわせ 代 表 者 の 決 定 市 への 要 望 集 会 所 備 品 の 整 備 等 を 行 い 自 助 共 助 を 阻 害 せず 自 立 につながる 取 組 みが 望 ましい と 住 民 主 体 性 の 醸 成 を 提 言 する 専 門 家 の 言 葉 通 り その 後 に 書 道 教 室 や 花 壇 作 り 等 の 住 民 主 体 のイベン ト 等 も 開 催 されました 今 回 の 取 組 みを 通 して 初 動 期 におけるコミュニ ティ 形 成 支 援 の 大 切 さを 確 認 することができました 今 年 度 竣 工 する 大 船 渡 市 内 の3 地 区 でも 同 様 の 取 組 みを 行 う 予 定 です 赤 沢 地 区 取 組 みの 様 子 取 組 みの 様 子 取 組 みの 様 子 50
7.おわりに 被 災 者 の 安 定 した 居 住 環 境 の 確 保 のため 一 日 も 早 い 復 興 まちづくりが 求 められている 一 方 で 被 災 地 では 工 事 が 本 格 稼 働 している 中 資 材 等 の 調 達 難 労 働 者 不 足 やそれに 伴 う 工 事 遅 延 工 事 費 高 騰 が 懸 念 され 一 部 では 顕 在 化 しています そのため URでは 設 計 と 工 事 の 一 括 発 注 や 工 種 をまとめた 総 合 発 注 を 採 用 し 事 業 期 間 の 短 縮 に 努 めるほか 入 札 の 不 調 不 落 による 事 業 期 間 の 遅 延 を 防 止 すべく 競 争 参 加 者 から 見 積 を 徴 収 し 被 災 地 の 労 務 市 場 の 実 勢 価 格 を 見 極 めながら 事 業 を 進 めているところです 一 方 で 今 回 の 被 災 地 の 多 くは 元 々 高 齢 化 が 進 み 被 災 を 契 機 に 人 口 減 少 が 懸 念 される 地 域 である ため 復 興 まちづくり(ハード)だけではなく ま ちの 入 居 者 や 被 災 者 に 対 するコミュニティ 形 成 等 の 支 援 (ソフト)が 必 要 とされており URでも 一 部 の 地 区 で 鋭 意 取 り 組 んでいるところです 今 年 は 東 日 本 大 震 災 から5 年 の 節 目 の 年 であり 津 波 被 害 地 域 での 復 興 事 業 はピークを 迎 えておりま す URでは 引 き 続 き 安 全 管 理 品 質 管 理 に 努 めつ つ 全 力 をあげて 復 興 支 援 に 取 り 組 む 所 存 ですので 引 き 続 き 関 係 者 のご 理 解 とご 支 援 をよろしくお 願 い します 51