仮 トビラ 雑 草 と 呼 ばないで 路 傍 の 草 花 たち えと 文 佐 藤 勝 昭
はしがき 道 端 にしっかりと 根 を 下 ろしている 草 花 たち 栽 培 種 でない 希 少 種 でないという 理 由 で 雑 草 と 呼 ばれ 駆 除 の 対 象 になっていますが どっこい みん なしっかりと 根 を 下 ろして 生 きています 私 は 川 崎 市 北 部 にある 柿 生 地 区 に 住 んでいますが 犬 の 散 歩 の 途 中 公 園 路 傍 または 空 き 地 で 見 つけた 草 花 家 に 持 ち 帰 ってサインペンと 水 彩 でスケッチ うんちくを 添 えてみました スケッチは その 都 度 Facebookに 掲 載 していますが その 際 Facebookの 友 達 から 頂 いた 貴 重 なコメント も 添 えました このスケッチエッセイが 皆 様 の 散 歩 のお 供 になることを 願 っています 205 年 8 月 吉 日 著 者 3
目 はしがき... 3 夏.エノコログサ... 6 2.オヒシバ... 7 3.メヒシバ... 8 4.イヌムギ... 9 5.イヌビエ... 0 6.カヤツリグサ... 7.カゼクサ... 2 8.ヒヨドリバナ... 3 9.イヌホオズキ(バカナス)... 4 0.オオニシキソウ... 5.オオアレチノギク... 6 2.ヒメムカシヨモギ... 7 3.ヘクソカズラ... 8 4.ヤブガラシ... 9 5.ネジバナ... 20 6.ウツボグサ... 2 7.ニワゼキショウ... 22 8.ヨウシュヤマゴボウ(セイヨウヤマゴボウ)... 23 9.オシロイバナ... 24 20.ハンゲショウ... 25 次 秋 2.トコロ... 26 22.キツネノマゴ... 27 23.クワクサ... 28 24.ツルボ... 29 25.ミズヒキ... 30 26.イノコヅチ... 3 27.ヒヨドリジョウゴ... 32 28.イヌタデ... 33 29.オジギソウ... 34 30.カナムグラ... 35 3.オオブタクサ... 36 32.レモンエゴマ... 37 33.センニンソウ... 38 34.カントウヨメナ... 39 35.ママコノシリヌグイ... 40 36.アキノタムラソウ... 4 37.ホトトギス... 42 38.セイタカアワダチソウ... 43 39.ハキダメギク... 44 40.アメリカセンダングサ... 45 あとがき... 47
.エノコログサ えのころ とは 犬 ころのこと ねこじゃらし とも 道 ばたや 線 路 わき 田 畑 など どこにも 見 つかりま す Facebook コメント: 軽 く 結 んだ 手 のひらの 中 に 入 れて 頭 だけちょっと 出 して もごもご 動 かして 毛 虫 に 見 立 てて 遊 びまし た 子 ども 達 にも よくそれをやって 喜 ばれています (Tさん) 娘 のお 気 に 入 りです ゆえに 我 が 家 では 時 に 花 瓶 に も 入 ります これは 雑 草 ではないです (Mさん) 6 単 子 葉 植 物 イネ 科 の 一 年 草 ( 日 本 に 古 くからあるが アワ の 栽 培 と 共 に 導 入 された 外 来 種 アワの 原 種 で 食 用 になる) 英 名 :green foxtail 学 名 :Setaria viridis
2.オヒシバ 根 元 からすっくと 立 ち 上 がり 踏 みつけられても 折 れ ない 丈 夫 な 茎 をもち 夏 の 日 差 しも 平 気 アスファルト の 割 れ 目 にも 育 つ 草 魂 の 持 ち 主 です 2 道 ほそし 相 撲 取 り 草 の 花 の 露 と 詠 まれた 相 撲 取 り 草 はこの 草 だという 説 があり ますが オヒシバの 花 は 目 立 たず 露 がつかないので 相 撲 取 り 草 はオオバコで 茎 と 茎 をからめて 引 っ 張 って 遊 んだのではないか というのが 本 書 を 監 修 して いただいた 藤 井 義 晴 先 生 のお 考 えです 単 子 葉 植 物 イネ 科 オヒシバ 属 和 名 : 雄 日 芝 チカラグサ 学 名 :Eleusine indica 2 松 尾 芭 蕉 笈 日 記 7
3.メヒシバ メヒシバは 地 面 を 茎 で 這 って 立 ち 上 がって 穂 をつけ ます このため しぶとくはびこるので 畑 作 業 の 人 々 にとって 嫌 われものです Facebook コメント: 子 どもの 頃 沢 山 とって 箒 にみたてて 遊 んだ 記 憶 があり ます (この 手 の 草 って とる 時 に 気 をつけないと 手 を 切 ってしまう 繊 維 が 強 いんですよね) 穂 ( 花 )のある 真 ん 中 の 茎 のところを 上 手 に 力 をいれて 抜 くとすーっと 抜 けるのですが (Tさん) 8 単 子 葉 植 物 イネ 科 メヒシバ 属 ( 世 界 中 に 分 布 ) 食 用 になる 和 名 : 雌 日 芝 学 名 :Digitaria ciliaris
4.イヌムギ イヌとつくのは 役 立 たずの 意 味 だそうですが イヌム ギは 牧 草 として 明 治 時 代 に 日 本 に 来 た 南 米 原 産 の 帰 化 植 物 だそうです イヌムギは カラスムギに 似 ていますが もみ 殻 ノギ ( 穎 )の 先 端 に 針 のように 尖 った 部 分 ( 芒 という)が 見 られません 属 が 違 います Facebook コメント: イヌのつく 植 物 は23 種 もあるそうです どうして 犬 = 役 に 立 たない 意 味 なのか 昔 と 今 とでは 犬 との 付 き 合 い 方 が 違 ってきているのかもしれません それに しても23 種 の 名 前 を 変 えるとなると 膨 大 な 辞 典 の 改 定 が 必 要 になっちゃいますよ (Nさん) 単 子 葉 植 物 イネ 科 スズメノチャヒキ 属 学 名 :Bromus catharticus 9
5.イヌビエ インド 原 産 の 帰 化 植 物 食 用 のヒエは 野 生 のイヌビ エの 改 良 品 種 です イヌビエはイネに 擬 態 し 稲 作 のサ イクルに 見 事 に 適 応 した 水 田 雑 草 だそうです 名 前 に イヌ がついていますが 小 鳥 にとっては 重 要 な 食 料 なのですよ 0 単 子 葉 植 物 イネ 科 イヌビエ 属 英 名 :Japanese millet 学 名 :Echinochloa crus-galli var. caudata
6.カヤツリグサ しっかりした 三 角 形 の 断 面 をもつ 茎 の 先 に 大 きな 角 度 をもって 数 本 の 柄 がでて その 先 に 穂 がついています 名 前 は 茎 を 引 き 裂 いて 蚊 帳 を 吊 ったような 四 角 形 を 作 る 昔 の 子 供 の 遊 びに 因 んでつけられたということで す Facebook コメント: この 草 で 蚊 帳 の 形 をつくろうとしたのですが,なかな かきれいな 形 にならない 簡 単 にはできないから 子 ども の 遊 びになったのでしょう (Iさん) 単 子 葉 植 物 和 名 : 蚊 帳 吊 草 莎 草 英 名 :asian flatedge 学 名 :Cyperus microiria イネ 目 カヤツリグサ 科 カヤツリグサ 属
7.カゼクサ はかなげな 小 さな 花 が 風 にゆれます カゼクサってさ わやかな 名 前 です 道 端 でよく 見 かける 植 物 です 一 見 楚 々とした 風 情 ですが しっかりと 地 面 に 根 を 張 ってい て 引 きぬけない 強 靱 さをもっています Facebook コメント: この 草 に この 名 をつけた 人 の 感 性 が 素 晴 らしいと 思 います 学 名 の 意 味 はわかりませんが おそらくそれ 程 ロマンティックではないのかな と 推 測 します 2 単 子 葉 植 物 イネ 目 イネ 科 スズメガヤ 属 和 名 : 風 草 学 名 :Eragrostis ferruginea
8.ヒヨドリバナ 昔 ヒヨドリは 夏 は 山 に 住 み 秋 になると 人 里 にくる 鳥 でした ヒヨドリがやってくる 時 期 に 白 い 花 を 咲 かせ るところから この 名 前 がついたということです 秋 の 七 草 のフジバカマ( 藤 袴 )と 同 属 で 花 だけ 見 るとフジ バカマとそっくりです 双 子 葉 植 物 キク 目 キク 科 ヒヨドリバナ 属 日 本 在 来 種 学 名 :Eupatorium makinoi 3
9.イヌホオズキ (バカナス) 散 歩 の 途 中 駐 車 場 の 石 の 隙 間 に 生 えているド 根 性 植 物 に 出 あいました 花 は 白 いナス 状 の 花 びらに 黄 色 いおしべがついてお り 果 実 は 青 く 小 さいトマトのようです 熟 すと 黒 くな ります ホオズキやナスに 似 ていますが 自 然 毒 のソラニンを 含 み 食 用 に 供 することができません 役 に 立 たないこと からイヌだのバカだのかわいそうな 名 前 がついていま す 4 双 子 葉 植 物 日 本 在 来 種 英 名 :black nightshade 学 名 :Solanum nigrum ナス 目 ナス 科 ナス 属
0.オオニシキソウ 花 は 小 さくmm 程 度 葉 は 対 生 で0mm 20mm この 絵 の 部 分 の 高 さは30mm 程 度 じつに 小 柄 な 植 物 です 帰 化 植 物 で 嫌 われ 者 のようですよ コニシキソウというのもあります 同 じトウダイグサ 科 ですが なんと 地 面 を 這 うような 小 さな 植 物 です Facebook コメント: ふっと 見 過 ごしそうな 花 ですね こういう 植 物 もしっ かり 生 きているんですね^^ (Sさん) 双 子 葉 植 物 トウダイグサ 属 学 名 :Euphorbia トウダイグサ 目 トウダイグサ 科 5
.オオアレチノギク 道 端 でよく 見 かけるキクの 仲 間 です はじめ ボロギ クと 思 っていましたが 図 鑑 で 調 べてみるとオオアレチ ノギクとわかりました 日 本 生 態 学 会 によって 日 本 の 侵 略 的 外 来 種 ワースト 00に 選 定 されており 外 来 生 物 法 にて 要 注 意 外 来 生 物 にも 指 定 されているお 尋 ね 者 だそうです 6 双 子 葉 植 物 キク 目 キク 科 イズハハコ 属 外 来 種 学 名 :Conyza sumatrensis
2.ヒメムカシヨモギ 草 姿 はオオアレチノギクに 似 ていますが 目 立 たない 控 えめな 花 をつけています 葉 縁 部 に 白 色 の 長 毛 がまば らに 生 えていて 葉 を 触 るとザラザラとした 手 触 りがし ます 明 治 維 新 のころから 鉄 道 に 沿 って 広 がったため ゴ イッシングサ メイジソウ テツドウグサなどとも 呼 ば れたという 帰 化 植 物 で 要 注 意 外 来 生 物 に 指 定 されてい ます 双 子 葉 植 物 キク 目 キク 科 イズハハコ 属 外 来 種 学 名 :Conyza canadensis 7
3.ヘクソカズラ 近 所 の 垣 根 にまきついているつる 性 の 植 物 花 は 小 さ く 可 憐 です 悪 臭 があるためヘクソというかわいそうな 名 前 がついていますが 秋 になる 実 が 漢 方 薬 に 使 われる 有 用 な 植 物 です Facebook コメント: 馬 食 わずとも 呼 ばれるんだそうですね とすると 自 衛 のための 進 化 でしょうか 名 前 の 付 け 方 も 人 間 はま あ 勝 手 です しかし 花 言 葉 が 人 嫌 い とは... 先 生 の 絵 だと 好 きになつてしまいますが 絵 は 臭 わ ないから? (Kさん) 8 双 子 葉 植 物 リンドウ 目 アカネ 科 ヘクソカズラ 属 のつる 性 多 年 草 ( 別 名 :ヤイトバナ サオトメバナ) 日 本 在 来 種 学 名 :Paederia scandens
4.ヤブガラシ やぶを 覆 って 枯 らしてしまうほどの 生 育 の 旺 盛 さをも ちます 庭 にあると 貧 相 に 見 えるのでビンボウカズラと もいいます 夏 の 終 わりにオレンジ 色 の 地 味 で 可 憐 な 花 をつけ 初 秋 に 赤 い 実 をつけます ウ レ ン ボ 若 芽 は 茹 でてあく 抜 きすると 烏 歛 苺 といって 利 尿 解 毒 鎮 痛 などに 効 く 生 薬 になります クロウメモドキ 目 ブドウ 科 ヤブガラシ 属 日 本 在 来 種 学 名 :Cayratia japonica 9
5.ネジバナ 道 端 で 見 つけたネジバナ 花 序 が 螺 旋 状 についていて かわいい モジズリともいいます みちのくの しのぶもぢずり 誰 ゆえに 乱 れそめにし 我 ならなくに ( 百 人 一 首 ) Facebook コメント: あ この 花 ネジバナって 言 うのですね 大 学 の 駐 車 場 に 咲 いていて 雑 草 ながらかわいいな~と 思 っていま した (Mさん) たまにねじ 花 見 ます 不 思 議 な 花 のつき 方 面 白 いで す すてきなデッサンと 思 います (Kさん) 20 単 子 葉 植 物 ラン 目 ラン 科 ネジバナ 属 の 多 年 草 日 本 在 来 種 学 名 :Spiranthes sinensis
6.ウツボグサ 草 むらに 紫 色 の 花 穂 が 目 立 ちます 花 穂 が 弓 矢 を 入 れ ウツボ る 靫 に 似 ていることからこの 名 がついたそうです カ ゴ ソウ 花 穂 は 夏 枯 草 という 生 薬 になり 利 尿 消 炎 に 効 くと いわれます 双 子 葉 植 物 シソ 目 シソ 科 ウツボグサ 属 の 多 年 草 日 本 在 来 種 学 名 :Prunella vulgaris subsp. asiatica 2
7.ニワゼキショウ 駐 車 場 で 見 つけたニワゼキショウ 痩 せ 地 でよく 見 か ける 植 物 です アヤメの 仲 間 で 花 弁 の 数 は6 弁 です 北 アメリカ 原 産 で 明 治 時 代 中 期 に 鑑 賞 用 として 輸 入 さ れたものが 野 生 化 して 帰 化 したということです 22 単 子 葉 植 物 ユリ 目 アヤメ 科 ニワゼキショウ 属 の 一 年 草 外 来 種 和 名 : 庭 石 菖 学 名 :Sisyrinchium rosulatum
8.ヨウシュヤマゴボウ (セイヨウヤマゴボウ) 高 台 にある 住 宅 地 の 崖 の 斜 面 に 生 えるたくさんの 野 草 のなかでひときわ 存 在 を 誇 示 しているのがヨウシュヤマ ゴボウです 秋 には ぶどうのような 房 をもった 果 実 ができます が この 赤 い 汁 は 手 や 服 につくとなかなかとれませ ん 根 葉 果 実 に 毒 性 があり 有 害 で 危 険 です Facebook コメント: 小 学 校 年 のとき 学 校 の 授 業 で これでハンカチを 染 めた こういう 経 験 は 忘 れないものですよね (M さん) 双 子 葉 植 物 ナデシコ 目 ヤマゴボウ 科 ヤマゴボウ 属 の 多 年 草 外 来 種 学 名 :Phytolacca americana 23
9.オシロイバナ 道 端 によく 見 かける 南 米 原 産 の 帰 化 植 物 江 戸 時 代 は じめ 頃 に 渡 来 したそうです 夕 刻 に 花 を 開 くことから 英 語 では Four o clockと 呼 ばれます Facebook コメント: 私 が 大 好 きな 花 です においが 好 き この 植 物 はもの すごーく 大 きくなるのに 確 か 一 年 草 なのですよね お 花 は 色 水 種 はそれこそおしろいにして 遊 びました (T さん) オシロイバナ 懐 かしいですね 最 近 あまり 見 かけなく なったけど ちゃんとあるんですね ^^ (S さん) 24 双 子 葉 植 物 ナデシコ 目 オシロイバナ 科 オシロンバナ 属 の 一 年 草 または 多 年 草 外 来 種 学 名 :Mirabilis jalapa
20.ハンゲショウ 半 夏 生 の 頃 近 くの 公 園 で 見 付 けました 穂 状 の 花 序 が 葉 の 付 け 根 にあり 花 のすぐ 下 の 葉 の 表 面 が 白 く 変 化 し 花 弁 の 役 目 を 果 たしています 名 前 の 由 来 は 半 夏 生 の 頃 に 花 を 咲 かせることによるという 説 と 葉 の 一 部 を 残 して 白 く 変 化 するため 半 化 粧 とする 説 があるそうで す Facebook コメント: この 花 は 粋 な 感 じがします さりげなくオシャレな 感 じで(^^) 双 子 葉 植 物 コショウ 目 ドクダミ 科 ハンゲショウ 属 の 多 年 性 落 葉 草 本 植 物 日 本 在 来 種 学 名 :Saururus chinensis 25
2.トコロ 公 園 のフェンス 付 近 のノイバラの 枝 に 絡 みついていま した 漢 字 の 野 老 は 根 の ひげ 根 を 老 人 の ひげ に 見 立 てて 海 の 海 老 に 対 して 山 野 の 野 老 と いうことでこの 名 になったということです トコロ 所 沢 の 地 名 の 由 来 は 諸 説 ありますが 市 章 は 野 老 の 葉 を 図 案 化 したものを 使 っています 26 単 子 葉 植 物 和 名 :トコロ( 野 老 ) 学 名 :Dioscorea tokoro ユリ 目 ヤマノイモ 科 ヤマノイモ 属
22.キツネノマゴ 直 径 4mmくらいの 小 さな 花 楚 々とした 存 在 です キツネノマゴの 名 前 の 由 来 は 花 の 形 がキツネの 顔 に 似 ているからなどといわれますが よくわからないそう です Facebook コメント: 絵 のほうがずっといいです! 写 真 ではうまく 撮 影 で きない (Iさん) 双 子 葉 植 物 シソ 目 キツネノマゴ 科 キツネノマゴ 属 の 一 年 草 学 名 :Justicia procumbens 27
23.クワクサ 道 端 で 見 つけた 小 さな 植 物 葉 は 裏 が 白 っぽくクワの 葉 にそっくり 桑 の 草 バー ジョン 目 立 たない 紫 色 を 帯 びた 緑 色 の 花 を 咲 かせま す Facebook コメント: この 名 前 は 知 りませんでした もっと 道 端 の 雑 草 に 目 を 向 けられる 自 分 になりたいです (Nさん) 葉 の 形 が 桑 に 似 てますね 実 はならないんでしょう ね (Tさん) 実 もなるようです 28 双 子 葉 植 物 クワ 科 クワクサ 属 の 一 年 草 ( 日 本 在 来 種 北 米 に 進 出 して 雑 草 化 している) 和 名 : 桑 草 学 名 :Fatoua villosa
24.ツルボ 秋 になると 公 園 のフェンスのそばに 紫 の 花 が 集 団 で 現 れるかわいい 草 根 っこに 球 根 が 見 つかりました そ れで 宿 根 草 のように 毎 年 咲 くのですね 園 芸 種 はシラー と 呼 ばれているそうです 双 子 葉 植 物 クサスギカズラ 目 クサスギカズラ 科 ツルボ 属 ( 最 近 の 研 究 でユリ 科 からクサスギカズラ 科 に 変 わりました) 日 本 在 来 種 和 名 : 蔓 穂 学 名 :Barnardia japonica var. Scilla scilloides 29
25.ミズヒキ 小 さな 花 よく 見 ると 上 半 分 はピンクで 下 半 分 は 白 な ので 祝 い 事 に 使 う 水 引 に 似 るとしてこの 名 前 がついた とか キンミズヒキはバラ 科 なのでミズヒキとは 別 種 です Facebook コメント: ミズヒキ いいですね 一 輪 ざしにそっと 生 けても 素 敵 です (Sさん) 30 双 子 葉 植 物 タデ 目 タデ 科 イヌタデ 属 日 本 在 来 種 和 名 : 水 引 学 名 :Persicania filiformis var. Antenoron filiforme
26.イノコヅチ 果 実 は 犬 などの 動 物 の 毛 にくっついて 移 動 します ペットの 飼 い 主 から 嫌 われています 双 子 葉 植 物 ナデシコ 目 ヒユ 科 イノコヅチ 属 の 多 年 草 日 本 在 来 種 和 名 : 猪 子 槌 学 名 :Achyranthes bidentata var. japonica 3
27.ヒヨドリジョウゴ つる 性 で 垣 根 の 木 に 絡 みついて 繁 茂 する 寄 生 植 物 で す かわいい 赤 い 実 が 食 料 の 少 ない 冬 になるまで 実 が 残 っているので ヒヨドリのご 馳 走 になります ソラニ ンを 含 むので 人 間 は 食 べられませんが 漢 方 では 白 毛 藤 という 生 薬 になります 32 双 子 葉 植 物 ナス 目 ナス 科 ナス 属 日 本 在 来 種 和 名 : 鵯 上 戸 学 名 :Solanum lyratum
28.イヌタデ 秋 に 穂 を 出 し 小 さな 花 をいっぱいつけます 花 が 終 わると 赤 い 小 さな 果 実 ができます この 実 を 赤 飯 に 見 立 て ままごと 遊 びに 使 ったことから アカマンマとも 呼 ばれるそうです ヤナギタデ 香 辛 料 に 使 う 柳 蓼 に 比 べて 辛 さがなく 役 に 立 たない ことからイヌタデの 名 がついたということです 双 子 葉 植 物 タデ 目 タデ 科 イヌタデ 属 の 一 年 草 日 本 在 来 種 和 名 : 犬 蓼 学 名 :Persicaria longiseta var. Polygonum longisetum 33
29.オジギソウ 葉 は 鳥 の 羽 根 状 の 複 葉 で 手 で 触 ると あっという 間 に 小 葉 が 先 端 から 一 対 ずつ 順 番 に 閉 じ 葉 全 体 がお 辞 儀 をするように 垂 れ 下 がります 夜 になると 葉 が 閉 じて 眠 ります 学 名 はミモザ ギンヨウアカシアのことをミモザと 誤 用 されますが オジギソウが 元 祖 ミモザです 34 双 子 葉 植 物 マメ 目 マメ 科 ネムノキ 亜 科 オジギソウ 属 ( 南 米 原 産 熱 帯 亜 熱 帯 アジアで 雑 草 として 嫌 われる) 和 名 :お 辞 儀 草 含 羞 草 学 名 :Mimosa pudica
30.カナムグラ 葉 はのこぎり 歯 状 で 表 面 はざらざらしています 茎 から 葉 柄 にかけてある 鋭 いとげで 木 などに 絡 みつきま す 多 数 の 淡 緑 色 の 花 がついている 茎 は 雄 株 で 先 端 に 穂 状 の 花 をつけるのは 雌 株 だそうです 万 葉 集 に 出 てくるヤエムグラは このカナムグラを 指 すのだそうです 双 子 葉 植 物 イラクサ 目 アサ 科 カラハナソウ 属 ( 日 本 在 来 種 園 芸 用 として 米 国 に 進 出 して 雑 草 化 ) 和 名 : 鉄 葎 学 名 :Humulus japonicus 35
3.オオブタクサ 952 年 に 北 米 から 大 豆 に 付 着 して 日 本 に 侵 入 した 帰 化 植 物 で ブタクサとともに 花 粉 症 の 原 因 として 知 ら れ 要 注 意 外 来 生 物 に 指 定 された 嫌 われ 者 です Facebook コメント: 愛 嬌 は 感 じられませんが したたかそうなところがい いですね 952 年 とずいぶん 特 定 されているところも 面 白 い 493 という 本 があり コロンブスにより 米 国 大 陸 と 他 の 地 域 がつながった 結 果 世 界 でさまざまな 大 変 動 が 起 きたことが 記 されています これなんかその 最 後 で しょうか (Kさん) 36 双 子 葉 植 物 キク 目 キク 科 ブタクサ 属 (3m に 達 し 大 群 落 を 作 る) 外 来 種 和 名 : 大 豚 草 学 名 :Ambrosia trifida
32.レモンエゴマ 道 端 にシソみたいな 葉 っぱの 植 物 を 見 ました はじ め ナギナタコウジュではないかと 思 いFacebookに 載 せましたら レモンエゴマではないかというご 指 摘 を いただきました レモンの 香 りがして 全 体 の 姿 がエゴマに 似 ているとこ ろから 名 がついたそうです 双 子 葉 植 物 シソ 目 シソ 科 シソ 属 日 本 在 来 種 和 名 : 檸 檬 荏 胡 麻 学 名 :Perilla frutescens var. citriodora 37
33.センニンソウ よく 見 かけるつる 性 の 植 物 多 数 の 白 い 花 をつけま す 4 枚 の 花 弁 に 見 えるのはガク 片 で 本 当 の 花 弁 はあ りません 果 実 についた 白 い 毛 を 仙 人 のヒゲに 見 立 てて この 名 が 付 いたそうです 葉 にプロトアネモニンを 含 み 汁 が 手 につくとかぶれるので 要 注 意 です Facebook コメント: はかなげな 風 情 が 秋 の 一 抹 のさびしさを 感 じさせま すね (Kさん) 趣 がありますね (Nさん) 38 双 子 葉 植 物 キンポウゲ 目 キンポウゲ 科 センニンソウ 属 日 本 外 来 種 和 名 : 仙 人 草 学 名 :Clematis terniflora
34.カントウヨメナ 路 傍 によく 見 かける 背 の 高 い 野 菊 です 薄 紫 色 の 花 が 清 楚 です 葉 の 縁 にはのこぎりの 歯 のようなギザギザが あり 触 るとザラザラします ユウガギクに 似 ています が ユウガギクより 葉 っぱが 狭 いので 区 別 できます Facebook コメント: とても 素 敵 な 絵 ですね 紙 の 色 と 絵 の 色 やタッチが あっていて 涼 しい 秋 風 を 感 じます (Kさん) 双 子 葉 植 物 キク 目 キク 科 ヨメナ 属 の 多 年 草 日 本 在 来 種 学 名 :Kalimeris pseudoyomena 39
35.ママコノシリヌグイ 路 傍 の 可 愛 いピンクの 花 をつけた 草 茎 葉 の 柄 や 葉 の 裏 にもとげがあります このため 憎 い 継 子 の 尻 をぬ ぐうという 発 想 となったということです Facebook コメント: 継 子 の 尻 拭 いとはなんと 痛 ましい 旧 い 家 族 制 度 の 暗 い 歴 史 が 野 草 の 名 前 として 残 されたのですね (Kさん) こわい 名 前 ですね~ (Sさん) 40 双 子 葉 植 物 日 本 在 来 種 和 名 : 継 子 の 尻 拭 い 学 名 :Persicaria senticosa タデ 目 タデ 科 イヌタデ 属
36.アキノタムラソウ まばらな 林 の 中 で 草 丈 30cm ~ 50cmほどの 花 序 の 長 い 草 を 見 つけました 初 秋 に 花 茎 をやや 斜 にして 淡 い 青 紫 色 の 小 さな 花 が 数 段 にわたって 輪 生 します 双 子 葉 植 物 日 本 在 来 種 和 名 : 秋 の 田 村 草 学 名 :Salvia japonica シソ 目 シソ 科 アキギリ 属 の 多 年 草 4
37.ホトトギス 林 の 日 当 たりの 悪 い 場 所 に ひっそりと 咲 いている6 弁 の 花 葉 は 互 生 で 葉 脈 が 縦 に 走 る 名 前 の 由 来 は 鳥 のホトトギスと 同 様 の 斑 点 によるとか Facebook コメント: ホトトギスという 草 花 がある! 知 りませんでした といってもほとんど 知 らないといってよいのですが ト ホホ それにしても 構 図 といい 躍 動 感 色 づかい お 見 事 です!!(Mさん) 42 単 子 葉 植 物 ユリ 目 ユリ 科 ホトトギス 属 の 一 年 草 日 本 在 来 種 ( 固 有 種 ) 和 名 : 杜 鵑 草 学 名 :Tricyrtis pilosa
38.セイタカアワダチソウ 北 アメリカ 原 産 日 本 では 切 り 花 用 の 観 賞 植 物 として 導 入 された 帰 化 植 物 です 当 初 花 粉 症 の 原 因 とい う 汚 名 を 着 せられましたが 虫 媒 花 なので 花 粉 が 飛 散 しないことから いまでは 無 関 係 とされます Facebook コメント: これは 強 いというか どこにでもありますね 河 川 敷 とか 空 地 には 必 ずといっていいくらい でも 小 さ 目 の 花 は 生 け 花 にも 使 えるので まぁいいかって 花 ですね (Kさん) 双 子 葉 植 物 キク 目 キク 科 アキノキリンソウ 属 の 多 年 草 ( 外 来 種 要 注 意 外 来 生 物 に 指 定 されています) 学 名 :Solidago canadensis var. scabra var. Solidago altissima 43
39.ハキダメギク 牧 野 富 太 郎 博 士 が 世 田 谷 の 掃 きだめで 見 つけたので このような 気 の 毒 な 名 前 がついたとか Facebook コメント: 掃 溜 めで 健 気 に 咲 く 小 さな 花 こういうの 好 きです (Kさん) 牧 野 博 士 が 見 つけた 菊 ですが, 一 度 認 識 すると 今 至 るところで 花 を 咲 かせていることに 気 づきますね 小 さいのに 花 びらが 三 裂 しているのがおもしろい 脚 下 照 顧 (Iさん) 牧 野 富 太 郎 博 士 のフィールドが 世 田 谷 の 掃 きだめに 及 んでいたとは 牧 野 博 士 から 川 崎 ( 周 辺 の 丘 陵 地 帯 ) に 自 生 し 絶 滅 が 危 惧 されるタマノカンアオイを 思 い 出 し ました (K さん) 44 双 子 葉 植 物 キク 目 キク 科 コゴメギク 属 の 一 年 草 ( 南 米 原 産 の 外 来 種 です ブラジルでは 花 の 形 から 金 のボタンと 呼 ばれます) 学 名 :Galinsago quadrivadiata var. Galinosoga ciliata
40.アメリカセンダングサ アメリカ 原 産 の 帰 化 植 物 道 端 空 地 に 生 える 種 子 は 扁 平 で 先 端 に 棘 があり これに 小 さな 逆 歯 がついてお り 服 やセーターなどにくっついて 嫌 われる ひっつき 虫 である Facebook コメント: ひっつき 虫 なつかしいです! ほんと とげとげが 食 い 込 んでなかなか 取 れなかったなあ (Kさん) 山 梨 に 親 戚 があり 子 供 の 頃 秋 の 河 原 で 遊 んで 服 に 種 子 が 付 くと バカが 付 いた と 言 われたものです 特 にこの 種 子 がセーターに 付 くと 取 りにくく 思 い 出 に 残 っています (K さん) 双 子 葉 植 物 キク 目 キク 科 センダングサ 属 の 一 年 生 草 木 外 来 種 学 名 :Bidens frondosa 45
あとがき 昭 和 天 皇 の 侍 従 を 長 く 務 めた 入 江 相 政 さんが 編 まれた 宮 中 侍 従 物 語 ( 角 川 書 店 )によると ある 秋 入 江 さんは 陛 下 が 那 須 の 御 用 邸 から 皇 居 に 戻 られる 前 にお 庭 に 茂 る 野 草 を 刈 り 払 わせたという ところが 那 須 か らお 帰 りになった 陛 下 は どうして 庭 を 刈 ったのかね とお 尋 ねになる 雑 草 が 生 い 茂 ってまいりましたの で 一 部 お 刈 りいたしました と 答 えると 陛 下 は 雑 草 ということはない どんな 植 物 でも みな 名 前 が あって それぞれ 自 分 の 好 きな 場 所 で 生 を 営 んでいる 人 間 の 一 方 的 な 考 え 方 でこれを 雑 草 としてきめつけてし まうのはいけない 注 意 するように とお 叱 りになったということです わたしは 路 傍 の 野 草 をスケッチするとき このエピソードを 思 い 起 こします 草 たちは 訴 えています 雑 草 と 呼 ばないで わたしは 物 理 学 を 専 門 とする 科 学 者 ですが 植 物 の 分 類 については 詳 しくありません 各 項 目 の 脚 注 に 記 した 分 類 学 上 の 記 載 については 東 京 農 工 大 学 に 勤 めていたご 縁 で 知 り 合 った 植 物 生 態 学 の 専 門 家 藤 井 義 晴 教 授 にチェックしていただきました ここに 感 謝 します 47
著 者 プロフィール 佐 藤 勝 昭 (さとう かつあき) 洋 画 家 であると 同 時 に 応 用 物 理 学 の 研 究 者 一 般 社 団 法 人 日 本 画 府 ( 日 府 展 ) 理 事 ( 洋 画 部 審 査 員 )を 務 める 銀 座 の 詩 季 画 廊 新 百 合 ヶ 丘 のギャラリー 華 沙 里 などにおいて3 回 の 個 展 を 開 くなど 精 力 的 な 創 作 活 動 を 行 っている 美 術 年 鑑 ( 美 術 年 鑑 社 )の 洋 画 家 の 項 目 に 収 載 東 京 農 工 大 学 名 誉 教 授 ( 工 学 博 士 ) 画 歴 小 学 校 5 年 より 伊 藤 継 郎 の 児 童 画 教 室 で 油 彩 を 手 がける 高 校 で 岡 島 吉 郎 に 学 ぶ 前 職 (NHK) 美 術 部 で 中 島 哲 朗 樋 渡 涓 二 に 師 事 雑 草 と 呼 ばないで 路 傍 の 草 花 たち 205 年 9 月 5 日 初 版 第 刷 発 行 えと 文 佐 藤 勝 昭 発 行 者 瓜 谷 綱 延 発 行 所 株 式 会 社 文 芸 社 60-0022 東 京 都 新 宿 区 新 宿 -0- 電 話 03-5369-3060 ( 編 集 ) 03-5369-2299 ( 販 売 ) 印 刷 所 図 書 印 刷 株 式 会 社 Katsuaki Sato 205 Printed in Japan 乱 丁 本 落 丁 本 はお 手 数 ですが 小 社 販 売 部 宛 にお 送 りください 送 料 小 社 負 担 にてお 取 り 替 えいたします ISBN978-4-286-654-