愛知大学紀要COM_第37号_本文(4C)(CS5).indd



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Transcription:

論 文 Excelの 文 字 列 関 数 によるテキスト 処 理 と 住 所 録 データベース 構 築 の 演 習 The exercise of text processing by the character string function of Excel and address book database construction 土 橋 喜 ( 愛 知 大 学 現 代 中 国 学 部 ) 要 旨 本 稿 は 情 報 リテラシーの 学 習 を 終 えた 履 修 者 を 対 象 に,Excelの 文 字 列 関 数 を 使 った 簡 単 な テキスト 処 理 を 行 い, 住 所 録 データベースの 構 築 を 行 うために 開 発 した 教 材 である 文 科 系 や 社 会 科 学 系 の 学 生 が, 単 なるデータベースの 体 験 に 留 まらず, 数 千 件 程 度 のアンケート 集 計 な どに 応 用 することを 目 標 に,Excelを 使 い 短 時 間 にテキスト 処 理 とデータベース 構 築 を 体 験 で きる 方 法 をまとめた ウエブページに 公 開 されている 大 学 の 住 所 録 をダウンロードしてエクセ ルに 張 り 付 け, 文 字 列 関 数 を 使 って, 住 所 録 に 必 要 な 項 目 を 抽 出 し, 郵 便 の 宛 名 印 刷 に 必 要 な データベースを 構 築 する 手 順 をまとめた キーワード:エクセル, 文 字 列 関 数,テキスト 処 理,データベース, 住 所 録 1. はじめに 本 稿 は 情 報 リテラシーの 学 習 を 終 えた 履 修 者 を 対 象 に,Excelの 文 字 列 関 数 を 使 った 簡 単 なテキスト 処 理 を 行 い, 住 所 録 データベースの 構 築 演 習 を 行 うために 開 発 した 教 材 である 文 科 系 や 社 会 科 学 系 の 学 生 が,Excelを 使 い 短 時 間 にテキ スト 処 理 とデータベース 構 築 を 体 験 でき る 方 法 を 開 発 した 現 在 では 数 多 くのデータベースが 作 成 されており,インターネットから 利 用 で きるものも 多 く, 日 常 生 活 においても 不 可 欠 なものになっている 大 学 でもデー タベースを 扱 う 授 業 は, 情 報 系 の 学 部 を 中 心 に 以 前 から 実 施 されているが,こ こではワードやエクセルなど 情 報 リテ ラシーの 学 習 を 終 えたレベルの 学 生 に, データベースとはどのようなものかを, 1~2 回 の 授 業 で 体 験 的 に 学 習 させること を 目 標 にしている 主 に 文 科 系 や 社 会 科 学 系 の 学 生 が 対 象 であり, 単 なるデータ ベースの 体 験 に 留 まらず, 数 百 件 から 数 千 件 程 度 のアンケート 集 計 などに 応 用 す ることを 目 標 にしている また 本 稿 で 取 り 上 げた 教 材 は,エクセ ルを 使 った 社 会 データ 分 析 入 門 という 授 業 で 使 っている 社 会 データ 分 析 入 門 の - 1 3 -

授 業 では, 前 半 はおもに 統 計 学 の 基 礎 理 論 を 学 習 し, 後 半 の3~4 回 を 応 用 的 な 学 習 に 充 てている 毎 時 間 エクセルを 使 っ て 演 習 を 行 っており, 本 稿 はそのなかの 一 部 である データベースを 構 築 し 運 用 管 理 を 行 うDBMSには, 大 規 模 システム 向 けでは Oracle,MySQL,Postgre SQLな ど が あ り, 小 規 模 システム 向 けではMicrosoft 社 のAccessが 多 く 使 われている しか し,これらのシステムを 使 って 授 業 を 行 うには, 前 提 となる 知 識 が 多 々 必 要 とな り, 半 期 または 通 年 の 授 業 時 間 を 確 保 し て 行 うのが 一 般 的 である そのため 簡 単 に 試 してみたい 初 心 者 にはハードルが 高 いと 言 わざるを 得 ない エクセルに 備 わっているデータベース 機 能 を 活 用 しても,データ 管 理, 整 列, 検 索, 抽 出, 複 数 の 小 計 の 表 示 など, 多 面 的 な 分 析 が 行 え, 基 本 的 なアンケート 集 計 などには 活 用 できる 加 えて 本 稿 が 対 象 とする 履 修 者 は 情 報 リテラシーでエ クセルを 学 習 している そこでこれらの 機 能 を 使 い, 文 科 系 や 社 会 科 学 系 の 学 生 が, 短 時 間 に 体 験 できる 方 法 を 考 案 した 授 業 で 実 施 する 際 には,データベースの 特 徴 を 理 解 するため, 授 業 時 間 で 可 能 な 限 り 多 くのデータ( 約 900 件 )を 扱 えるよ うに 工 夫 して,データベースを 構 築 する ようにした 以 下 は 教 材 の 内 容 であるが, 履 修 者 が 自 学 自 習 できるように, 解 説 およびエク セルの 操 作 手 順 と 画 面 例 を 記 載 した 2. データベース データベース(database)は, 大 量 の データをコンピュータで 迅 速 にかつ 効 率 よく 管 理 するために 作 成 されたデータお よびそれらのデータを 管 理 するソフトウ エアの 総 称 である データベースという 言 葉 は1950 年 代 になって 米 軍 によって 初 めて 使 われたもので, 分 散 する 資 料 (data)を1か 所 の 基 地 (base)に 集 めて 効 率 よく 活 用 するという 発 想 から 生 まれた と 言 われている データベースにはさまざまなデータを 格 納 することができるのでその 種 類 も 多 数 ある テキストを 主 体 とする 文 献 デー タベースをはじめ, 音 楽 や 画 像 を 集 めた データベース,あるいは 人 口 や 景 気 変 動 などの 数 値 データを 集 めたデータベース などもある 個 人 で 作 成 している 住 所 録 なども 一 種 のデータベースである 最 近 はCD-ROMやDVDに 収 められたデー タベースも 多 くなり,データベースその ものを 持 ち 運 べるなど 扱 い 方 が 便 利 に なっている また 従 来 から 行 われていた 通 信 回 線 を 使 ったオンラインによるデー タベースは, 近 年 のインターネットの 普 及 によって,ウエブページに 広 く 公 開 さ れるようになり,データ 転 送 のさらなる 高 速 化 と 大 容 量 化 が 進 んでいるため,ア クセスが 容 易 になっている - 1 4 -

図 1 日 本 列 島 お 国 自 慢 のホームページ データベースに 格 納 されたデータは, 複 数 の 利 用 者 によって 共 有 されて 同 時 に 利 用 されるのが 一 般 的 であり,その ための 運 用 管 理 システムを 備 えている データベースの 操 作 や 保 守,あるいは 管 理 するためのソフトウエアをDBMS(Data Base Management System)と 呼 んでいる 最 近 ではデータの 集 まりを 複 数 の 表 形 式 で 表 現 するリレーショナルデータベー スが 中 心 となっている また 近 年 では データの 集 合 を, 手 続 きとデータを 一 体 化 してオブジェクトの 集 合 として 扱 うオ ブジェクトデータベースと 呼 ばれる 技 術 が 開 発 されており, 大 規 模 なデータベー スで 利 用 されている 商 用 データベースには, 新 聞 記 事, 雑 誌 記 事, 人 物 企 業 情 報, 文 献 などの 情 報 が 検 索 できるものなどがある 近 年 イ ンターネットのホームページの 情 報 を 収 集 したデータベースがいくつも 作 成 され ており, 検 索 エンジンとともに 社 会 的 に 重 要 な 存 在 となっている 利 用 者 はキーワードやコマンドを 入 力 し て 目 的 とする 記 事 などを 検 索 し,データを ダウンロードしたりすることもできる 最 近 はインターネットから 利 用 できる - 1 5 -

図 2 北 海 道 の 大 学 の 住 所 録 を 表 示 させた 例 ものが 多 くなり,プロバイダによっては 国 内 外 のさまざまな 商 用 データベースへ のゲートウェイサービスを 行 なっている ものもある 3. Excelのデータベース 機 能 Excelにはデータベース 化 した 情 報 か ら 目 的 のデータを 検 索 したり, 項 目 別 に 集 計 したりできる 機 能 が 用 意 されて おり, 一 般 的 に データベース 機 能 とい うことがある またデータベースから 条 件 に 一 致 するデータを 検 索 できる デー タベース 関 数 も 用 意 されている Excel のデータベース 機 能 を 使 うには,データ をExcelがデータベースとして 認 識 でき るように,リスト 形 式 で 作 成 する 必 要 が ある ここではExcelに 備 わっている 機 能 を 使 って, 簡 単 なデータベースの 作 成 と データの 検 索 などを 取 り 上 げる 4. 住 所 録 データベース ここでは 住 所 録 を 簡 単 なデータベース にすることを 考 えてみよう インター - 1 6 -

図 3 貼 り 付 け 後 の 住 所 録 データ ネットに 公 開 されている 大 学 の 住 所 録 を 使 ってデータベースを 作 成 し,そのデー タベースを 使 ってどのようなことができ るかを 学 習 する インターネットに 日 本 列 島 お 国 自 慢 (http://www.towninf.co.jp/)と い う ページが 公 開 されている( 図 1) このWeb サイトには 日 本 各 地 の 観 光 産 業 の 情 報 を 中 心 に, 市 区 町 村 ごとに 分 類 したさまざ まな 地 域 情 報 が 紹 介 されている その 中 に 都 道 府 県 別 に 大 学 の 住 所 録 が 作 成 され ている( 図 2) 大 学 の 住 所 録 を 表 示 させるためには, 表 示 させたい 都 道 府 県 の 名 前 をクリック し, 画 面 の 左 側 にあるメニューの 中 から 大 学 をクリックすればよい 例 えば 北 海 道 にある 大 学 の 住 所 録 を 見 たいときに は, 画 面 の 中 ほどにある 北 海 道 と 表 示 してある 部 分 をクリックし, 次 に 画 面 左 のメニューから 大 学 をクリックする またはトップメニューの 画 面 下 部 にあ る 日 本 地 図 の 形 をした 都 道 府 県 名 一 覧 か ら, 見 たい 県 の 名 前 をクリックする さ らに 同 様 に 画 面 左 のメニューから 大 学 をクリックする - 1 7 -

5. データの 準 備 以 下 で 作 成 する 住 所 録 は 著 作 権 法 によ り, 外 部 に 公 開 したり 配 布 したりするこ とはできないため, 以 下 ではこのことを 念 頭 において 進 める 先 にExcelを 起 動 して, 新 しいシー トを 開 いておく 日 本 列 島 お 国 自 慢 の ページで 大 学 の 名 称 郵 便 番 号 住 所 が 表 示 された 画 面 で, 名 称 が 表 示 してある ところの 先 頭 から 住 所 の 終 わり( 例 えば 北 海 道 ならその 終 わりまで)までをマウ スの 左 ボタンを 押 しながらドラッグし 選 択 する 次 に 選 択 した 部 分 の 上 で 右 ボタ ンを 押 してコピーするか, 編 集 メニュー からコピーを 実 行 する Excelをアクティブにして, B 列 の 先 頭 から 上 でコピーしたデータを 貼 り 付 ける ため, 編 集 メニューから 貼 り 付 けを 実 行 する ひとつの 都 道 府 県 が 終 わったら, 次 の 都 道 府 県 を 表 示 して 同 じようにコ ピーと 貼 り 付 けを 繰 り 返 す( 図 3) なお 名 称 郵 便 番 号 住 所 の 行 は 列 の 先 頭 にだ けあればよいので, 最 初 に 入 力 しておく ここではHTMLのリンクもそのまま 貼 り 付 けておく そうすれば 名 称 と 住 所 がそ れぞれワークシートの 列 ごとに 分 かれて 貼 り 付 けられるので, 後 々の 作 業 に 都 合 がよい またこの 段 階 で 形 式 を 選 択 して 貼 り 付 け から 値 を 指 定 して 貼 り 付 けを 行 うと,テキスト 形 式 でデータが 貼 り 付 け られるが, 列 に 分 割 されないで1つのセ ルに 張 り 付 くため, 何 かの 集 計 などに 使 いたいときは 扱 いにくい なおHTMLのリンクを 削 除 してテキス トデータで 扱 うと 便 利 なこともあるの で,データ 全 体 をテキストにしたいとき は, 列 ごとにデータを 格 納 した 後 に, 全 体 をコピーして 空 いている 列 または 別 の シートに, 形 式 を 選 択 して 貼 り 付 け か ら 値 を 指 定 して 貼 り 付 けを 行 う 6. 大 学 名 と 住 所 データの 編 集 全 部 の 都 道 府 県 の 大 学 住 所 録 をコピー して 貼 り 付 けているとかなり 時 間 がかか るので,ここでは 北 海 道 と 東 北 地 方 ぐら いまでのデータをExcelに 貼 り 付 けたこ とにして 次 に 進 めたい コピーしたデータによっては, 部 分 的 に 形 式 が 異 なっていたり,データの 一 部 が 欠 落 したりする 場 合 もある そのよう なときは 形 式 の 違 う 部 分 を 修 正 したり, 足 りないデータを 補 ったりすることが 必 要 になる Excelの 機 能 でうまく 修 正 で きないときは 手 作 業 で 行 う (1) 大 学 名 の 抽 出 貼 り 付 けた 大 学 の 名 称 と 住 所 は2 行 で ひと 組 のデータになっているが,Excel のピボットテーブルなどで 集 計 したりす るときは,リスト 形 式 のデータになって いるとやりやすい そこで 大 学 の 名 称 と - 1 8 -

図 4 フィルタの 起 動 図 5 フォントの 色 で 並 べ 替 え - 1 9 -

図 6 名 称 データの 貼 り 付 け( 値 のみ) 図 7 名 称 データを 削 除 して 住 所 データを 上 方 向 にシフトした 画 面 - 2 0 -

住 所 をそれぞれ 別 々の 列 に 格 納 するよう に 工 夫 を 行 う まずA1のセルをクリックしておき, ホーム タブにある 並 べ 替 えとフィル タ をクリックして 開 き, フィルタ をク リックする( 図 4) 次 にB1セルに 表 示 されたフィルタボタン をクリックして, 色 で 並 べ 替 え から 青 い 色 のフォントで 並 べ 替 えを 行 う( 図 5) リンクが 張 ってある 大 学 名 は 文 字 の 色 が 青 いので 上 位 に 並 べられ, 住 所 は 文 字 の 色 が 黒 いので 下 部 に 並 べられる 大 学 名 だけ 別 の 列 に 抽 出 するため, 大 学 名 の 部 分 を 全 部 選 択 してコピーする ここでは 大 学 名 をA 列 に 作 成 することに して,コピーした 大 学 名 のデータをA1 セルから 貼 り 付 けを 行 う このときリン クは 不 要 になるので, 貼 り 付 けるときは 形 式 を 選 択 して 貼 り 付 け から 値 をク リックして 貼 り 付 けを 行 う( 図 6) 次 にB 列 の 大 学 名 の 部 分 を 削 除 し, 住 所 のデータだけを 残 す このときに 削 除 した 後 は 住 所 のデータが 上 方 向 にシフト するように 指 定 する また 大 学 名 と 住 所 のデータにずれがなく,1 行 に 納 まっ ているかどうか 確 認 しておくようにする ( 図 7) (2) 郵 便 番 号 の 抽 出 郵 便 番 号 と 住 所 が 一 体 のデータでは, 宛 名 を 作 成 するときに 郵 便 番 号 を 自 動 的 に 入 力 することが 難 しいので,ここでは 郵 便 番 号 と 住 所 を 分 離 してそれぞれ 別 の 列 に 格 納 することにする ここでは 文 字 列 を 操 作 するMID() 関 数 を 使 う MID() 関 数 は 文 字 列 の 指 定 した 位 置 から, 指 定 された 数 の 文 字 を 返 す 関 数 であり, 半 角 と 全 角 の 区 別 なく 一 文 字 を1として 数 える 使 い 方 の 一 般 的 な 形 式 はMID( 文 字 列, 開 始 位 置, 文 字 数 )と なっている MID 関 数 を 使 い, 住 所 を 読 み 込 んで 郵 便 番 号 だけを 抽 出 するため, ここではC1セルに 以 下 の 関 数 を 指 定 す る 以 下 の 指 定 では,B1セルにある 文 字 列 を 読 み 込 み,3 文 字 から 開 始 して8 文 字 (こ こは3+8で11 文 字 まで)を 抽 出 する( 図 8) =MID(B1,3,8) (3) 住 所 の 編 集 郵 便 番 号 を 抽 出 したあとは 住 所 のデー タの 先 頭 から 郵 便 番 号 を 削 除 する 処 理 を 行 う 先 頭 から11 文 字 までは 郵 便 番 号 の データとスペースなので, 住 所 データの 位 置 は 先 頭 から12 文 字 目 にあたる 部 分 が 都 道 府 県 名 の 開 始 位 置 になる そのため 全 体 の 住 所 データの 長 さを 計 算 し,それ から 郵 便 番 号 の 部 分 の 文 字 数 を 引 けば 住 所 だけの 文 字 数 を 求 めることができる Excelでは 文 字 列 の 長 さを 求 める 関 数 にLEN()がある LEN()は 文 字 列 の 長 さ を 文 字 数 として 返 す 関 数 である バイト 数 に 関 係 なく1 文 字 を1として 計 算 する MID()とLEN()を 組 み 合 わせて 以 下 のよ - 2 1 -

郵 便 番 号 の 抽 出 (C1セル) =MID(B1,3,8) 住 所 の 抽 出 (D1セル) =MID(B1,12,LEN(B1)-11) 都 道 府 県 の 抽 出 (E1セル) =MID(B1,12,4) 図 8 郵 便 番 号 の 抽 出 住 所 の 編 集 都 道 府 県 の 抽 出 図 9 貼 り 付 けして 表 の 体 裁 を 整 えた 画 面 - 2 2 -

図 10 フィルタの 起 動 (その1) 図 11 フィルタの 起 動 (その2) - 2 3 -

図 12 オートフィルタのオプション 図 13 オートフィルタオプションの 設 定 画 面 うにD1セルに 関 数 を 入 力 する( 図 8) =MID(B1,12,LEN(B1)-11) (4) 都 道 府 県 名 の 抽 出 エクセルのピボットテーブルで 都 道 府 県 別 の 大 学 キャンパス 数 を 集 計 すること を 考 え, 住 所 のデータから 都 道 府 県 名 だ けを 抽 出 して, 別 のセルに 格 納 する 都 道 府 県 名 は3 文 字 から4 文 字 なので, 郵 便 番 号 を 含 む 住 所 のデータから,MID 関 数 を 使 い 先 頭 の12 文 字 から 開 始 して4 文 字 を 抽 出 する 以 下 のようにE1セルに 関 数 を 入 力 する( 図 8) =MID(B1,12,4) 7. データの 検 索 Excelにはシートに 格 納 されたデータ を 検 索 する 機 能 が 備 わっている フィル タ はデータベース 内 の 大 量 のデータか ら, 手 軽 な 操 作 で 必 要 なデータを 取 り 出 してくれる 機 能 である フィルタを 使 う ときは, ホーム タブの 編 集 にある 並 べ 替 えとフィルタ をクリックし, フィル タ を 選 択 して 起 動 する( 図 10) フィルタが 起 動 すると,セルの 右 端 に 三 角 の 矢 印 が 付 いたボタンが 表 示 され る そのボタンをクリックするとフィル タの 機 能 を 使 うことができる フィルタ の 主 な 機 能 には 次 のようなものがある ( 図 11) (1)すべて すべて をクリックすると 全 部 のデー タを 表 示 する (2) 昇 順, 降 順, 色 で 並 べ 替 え 昇 順, 降 順 に 並 べ 替 えて 表 示 する ま - 2 4 -

た 文 字 などの 色 で 並 べ 替 えができる (3)テキストフィルタ テキストフィルタをクリックすると オートフィルタオプション が 起 動 し, いろいろな 検 索 オプションを 指 定 するこ とができる( 図 12) 例 えば 北 海 道 という 文 字 を 含 むデー タを 検 索 したいときは, 名 称 の 欄 に 北 海 道 を 入 れ, 右 の 選 択 肢 から を 含 む という 表 示 を 選 択 し,OKボタンを 押 すと 検 索 が 実 行 される( 図 13) 検 索 結 果 の 表 示 を 元 に 戻 したいとき は,オートフィルタのメニューから す べて をクリックする 8. ワイルドカード 文 字 と 検 索 ワイルドカードは 該 当 する 文 字 が 分 か らないときや, 複 数 の 表 記 が 使 われてお り,それらを 一 括 して 検 索 したいときな どに 使 われる オートフィルタオプショ ンのワイルドカードには,? ( 疑 問 符 )と * (アスタリスク)がある これらのワ イルドカードに 使 われる 記 号 はいずれも 半 角 文 字 で 入 力 する( 図 13) (1)? ( 疑 問 符 ) 任 意 の1 文 字 を?で 指 定 するときは, 例 えば インターフェ?ス と 入 力 すると インターフェイス や インターフェー ス が 検 索 される あるいは 北 海 道?? 大 学 と 入 力 すると, 北 海 道 工 業 大 学 や 北 海 道 薬 科 大 学 などが 検 索 される (2)* (アスタリスク) 任 意 の 数 の 文 字 を*で 指 定 するときは, 例 えば 北 海 * と 入 力 すると " 北 海 学 園 " や " 北 海 道 大 学 " などが 検 索 される 9. 都 道 府 県 別 大 学 キャンパス 数 ここではピボットテーブルを 使 って, 入 力 したデータから 都 道 府 県 別 の 大 学 の キャンパス 数 を 求 めてみよう なお 学 校 法 人 の 数 とは 異 なり,ひとつの 学 校 法 人 が 複 数 のキャンパスを 持 っていることに 注 意 する (1) まずD 列 の 都 道 府 県 名 から 計 算 す るので,D1のセルからデータの 最 後 まで ドラッグして 選 択 する(D 列 全 体 を 選 択 し ても 計 算 されるが,その 場 合 はピボット テーブルの 最 後 に 空 白 行 が 表 示 され,グ ラフにも 最 後 に 空 白 の 表 示 がなされる しかし 大 きな 問 題 はない) (2) ここではピボットテーブルとピ ボットグラフの 両 方 を 作 成 するため, 挿 入 タブの テーブル から ピボットテー ブル をクリックし, ピボットグラフ を 選 択 して 起 動 する( 図 14) (3) ピボットグラフ を 選 択 すると, ピボットグラフ 付 きピボットテーブル - 2 5 -

図 14 ピボットグラフの 設 定 画 面 の 作 成 が 開 くので, テーブルまたは 範 囲 を 選 択 と 新 規 ワークシート を チェックする( 図 14) (4) OK をクリックすると 新 しいワー クシートに,グラフエリア,ピボット テーブル,ピボットグラフフィルタ,ピ ボットグラフのフィールドリストなどの ピボットグラフツールが 開 く( 図 15) (5) 次 にピボットテーブルを 作 成 す るために, ピボットテーブルのフィー ルドリスト に 表 示 された 都 道 府 県 名 の チェックボックスをクリックする これ によってワークシートに 行 ラベルとデー タが 表 示 され, 軸 フィールドにも 都 道 府 県 名 が 表 示 される( 図 16) (6) 都 道 府 県 別 のデータを 集 計 するた め, ピボットテーブルのフィールドリ スト に 表 示 された 都 道 府 県 名 を 値 のフィールドへドラッグする 値 の フィールドにはデータの 個 数 という 見 出 しが 表 示 される( 図 17) - 2 6 -

図 15 ピボットグラフツールの 表 示 図 16 都 道 府 県 名 をクリックした 後 の 行 ラベルと 軸 フィールド - 2 7 -

図 17 ピボットグラフ 作 成 の 画 面 (7) 以 上 の 操 作 でピボットグラフとピ ボットテーブルが 作 成 される なおピ ボットグラフは 特 別 な 操 作 をしなくても ピボットテーブルと 同 時 に 作 成 される 必 要 に 応 じてグラフの 形 式 や 大 きさなど の 調 整 を 行 い,タイトルや 凡 例 を 適 切 に 入 力 する( 図 17) 10. 日 本 地 図 への 表 示 本 稿 の 内 容 には 都 道 府 県 名 が 含 まれ ているので, 地 理 情 報 システム(GIS)の データとしても 使 えることから,エクセ ルとGISの 連 携 した 活 用 手 法 を 取 り 上 げ ていく 計 画 である 例 えば,MANDARAは 地 理 情 報 システムの 一 つであり, 上 記 の エクセルの 数 値 データに, MAP,TITLE, UNITの3つのタグを 追 加 するだけで,エ クセルのデータを 読 み 込 み, 日 本 地 図 上 に 数 字 のデータをグラフ 化 して 表 示 する ことができる 2) 11. まとめ 以 上 の 内 容 は 今 学 期 の 授 業 で 実 施 した 直 後 のため, 履 修 者 の 評 価 などは 今 後 の - 2 8 -

図 18 エクセルのファイルにMANDARAのタグを 追 加 した 例 図 19 MANDARAによる 描 画 の 例 - 2 9 -

課 題 である しかし,2004 年 にデータの 処 理 方 法 に 文 字 列 関 数 を 使 わないで,ウ エブページからデータを 貼 り 付 けるだけ で, 住 所 録 データベースの 構 築 を 授 業 で 取 り 上 げたことがあったが, 履 修 者 の 反 応 はまずまずであった 履 修 者 によって データベースの 構 築 に 時 間 がかかり, 全 部 のデータを 入 力 する 履 修 者 がいる 一 方 で, 数 十 件 の 入 力 で 留 まっている 履 修 者 が 少 なからずいる 状 況 であった しかし, 今 学 期 は 以 前 と 比 較 してほとんどの 履 修 者 が 全 部 のデータを 入 力 し,データベー スを 完 成 していた 文 献 1) 土 橋 喜 :Excelによるデータ 分 析 の 基 礎, 愛 知 大 学 情 報 処 理 センター 紀 要 COM,Vol.13,No.2( 第 23 号 ),pp.47-129 (2003). 2) 谷 謙 二 著 :MANDARAパーフェクトマス ター, 古 今 書 院,pp.330,2007. URL:http://ktgis.net/mandara/ - 3 0 -