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Harvard Medical School 実 習 体 験 記 小 田 康 弘 ( 実 習 時 M3) 目 次 * 長 いので 通 読 するよりも 読 みたい 箇 所 から 読 むことをお 勧 めします 0. はじめに p.1 1. 総 論 的 なメッセージ p.2 1.1 海 外 臨 床 実 習 を 考 えている M2 以 下 の 方 へ p.2 1.2 海 外 臨 床 実 習 に 応 募 しようか 迷 っている M3 の 方 へ p.2 1.3 海 外 臨 床 実 習 に 応 募 すると 決 めた M3 の 方 へ p.3 2. 動 機 p.3 3. 準 備 p.4 3.1 学 内 選 考 p.4 3.2 HMS 書 類 送 付 電 話 面 接 p.4 3.3 渡 米 まで p.6 4. 実 習 p.7 4.1 実 習 病 院 について p.7 4.2 実 習 内 容 ( 第 1 週 ) p.8 4.4 実 習 内 容 ( 第 4 週 ) p.13 4.5 学 んだこと p.15 5. 生 活 p.17 5.1 住 まい p.17 5.2 食 事 p.18 5.3 休 日 p.18 6. 費 用 p.19 7. 参 考 p.19 4.3 実 習 内 容 ( 第 2 3 週 ) p.10 0. はじめに 私 は 2014 年 1 月 6 日 から 1 月 31 日 までの 4 週 間 アメリカ 合 衆 国 マサチューセッツ 州 ボストンに 滞 在 し ハーバード 大 学 医 科 大 学 院 (Harvard Medical School: HMS)の 実 習 病 院 (affiliate hospital)である Massachusetts General Hospital (MGH)と Shriners Hospitals for Children Boston で 熱 傷 と 救 急 の 実 習 を 行 いました この 体 験 記 は 国 内 での 実 習 準 備 と 現 地 での 実 習 生 活 について 概 要 をまとめたものです この 体 験 記 が 今 後 アメリカでの 臨 床 実 習 を 希 望 する 人 の 一 助 になることを 祈 っています この 実 習 は 国 際 交 流 室 の 丸 山 稔 之 先 生 と 中 川 敦 子 さまを 始 めとする 大 学 の 先 生 方 のお 力 添 え 複 数 の 奨 学 金 そして 家 族 による 支 援 なくしては 実 現 できませんでした また 現 地 では HMS のスタッフの 皆 様 のみならず 現 地 で 活 躍 されている 日 本 人 の 先 生 方 そして 同 級 生 の 友 人 に 大 変 お 世 話 になりました いただいたご 厚 意 に 心 から 御 礼 申 し 上 げます 1

1. 総 論 的 なメッセージ 1.1 海 外 臨 床 実 習 を 考 えている M2 以 下 の 方 へ いま 是 非 しっかりと 勉 強 することをお 勧 めします 臨 床 の 場 では M2 で 学 ぶ 臨 床 医 学 の 知 識 が 特 に 重 要 ですが M0 M1 で 学 ぶ 基 礎 医 学 の 知 識 が 至 るところで 根 本 的 な 理 解 の 下 支 えになることを 実 感 しました 英 語 が 心 配 な 方 は 逆 にまず 日 本 語 でしっかりと 理 解 す ることをお 勧 めします その 上 で 医 学 用 語 の 英 語 力 を 伸 ばしたり 日 常 的 な 英 会 話 を 使 う 機 会 を 持 ったり 英 語 能 力 試 験 対 策 の 勉 強 をしたりするのが 良 いのではないかと 思 いま す 1.2 海 外 臨 床 実 習 に 応 募 しようか 迷 っている M3 の 方 へ エレクティブ クラークシップの 3 ヶ 月 は 思 い 思 いに 過 ごせる 学 生 最 後 の 期 間 だと 思 い ます 是 非 自 分 のやりたいことについて 時 間 を 取 って 考 えて 3 ヶ 月 の 目 標 を 立 てて 充 実 した 期 間 を 過 ごしてください 私 の 感 じた 海 外 臨 床 実 習 のメリットとデメリットを 紹 介 し ます メリットとして まず 海 外 の 病 院 の 様 子 がスタッフ 側 から 見 られることがあります 日 本 の 病 院 では 当 たり 前 のように 行 われていることが 海 外 では 行 われていないということ またその 逆 のこともあり 日 本 の 診 療 を 相 対 化 して 見 ることができました また 外 国 語 で 診 察 業 務 をするトレーニングになります 将 来 海 外 の 臨 床 の 場 で 働 くことを 考 えてい る 人 はその 経 験 が 役 に 立 つはずです 最 後 に 現 地 の 医 師 とコネクションができることも あるということが 挙 げられます ただしこれは 自 分 に 実 力 があって 相 手 に 認 めてもらえれ ばの 話 であり パフォーマンスが 悪 ければ 逆 の 意 味 で 覚 えられてしまうでしょうから 海 外 臨 床 実 習 に 行 けば 必 ず 付 いてくるというものではありません 一 方 でデメリットとして まず 日 本 語 ほど 自 由 に 使 えないので 同 じ 労 力 をかけた 時 の 学 習 効 率 は 日 本 で 実 習 するのに 比 べて 低 くなりました また 実 習 コースによる 当 たり 外 れ は 大 きく 或 る 程 度 運 に 任 せる 覚 悟 が 必 要 です さらに 実 習 に 受 け 入 れてもらえる 確 証 が 直 前 まで 無 いことが 大 きいため 行 けなくなった 時 の 代 替 案 も 考 えておくのが 賢 明 だと 思 います 最 後 に 応 募 先 によってはお 金 と 準 備 時 間 がたくさんかかってしまいます 海 外 臨 床 実 習 に 応 募 するかどうか 選 択 する 際 の 参 考 になれば 幸 いです 2

1.3 海 外 臨 床 実 習 に 応 募 すると 決 めた M3 の 方 へ とにかく 早 め 早 めに 前 倒 しで 準 備 を 行 うことをお 勧 めします 特 にワクチン 書 類 準 備 英 語 試 験 ビザの 準 備 には 注 意 してください ワクチンについては これまでの 接 種 記 録 が 必 要 になるので 母 子 手 帳 を 手 元 に 用 意 して おきましょう また 抗 体 価 が 十 分 でなくワクチンの 追 加 接 種 が 必 要 な 場 合 何 週 間 おきに ワクチン 接 種 して 何 週 間 おいて 抗 体 価 を 計 測 する というように 長 い 時 間 がかかりますの で 早 めの 検 査 接 種 をお 勧 めします 書 類 準 備 に 関 しては 大 量 の 書 類 を 提 出 する 必 要 があるのに 一 枚 でも 欠 けたら 受 け 入 れ てもらえないという 現 実 があります 後 述 しますが 後 出 しで 追 加 の 提 出 要 請 があったり 思 わぬトラブルも 起 きたりします 国 際 交 流 室 留 学 先 留 学 先 紹 介 元 奨 学 金 ビザ 発 行 大 使 館 など 提 出 先 も 様 々です 英 語 試 験 は 勉 強 する 時 間 申 し 込 んでから 受 けるまでの 時 間 スコアレポートをもら うまでの 時 間 に 加 えて 後 から 新 たに 追 加 でスコアレポートを 申 し 込 む 場 合 はそれが 届 く までの 時 間 も 考 慮 に 入 れる 必 要 があります 最 後 にビザに 関 しては 書 類 準 備 に 時 間 がかかるうえ 面 接 の 予 約 も 空 き 状 況 次 第 です またビザ 申 請 中 はパスポートを 預 けるので 他 国 のビザ 申 請 をしたり 海 外 旅 行 に 行 くなど でパスポートを 使 ったりしているときは 申 請 ができませんので 注 意 してください 上 手 くいくことを 祈 っています 2. 動 機 私 がこの 実 習 を 志 望 したのは アメリカの 病 院 を 中 から 見 てみたい アメリカの 医 学 生 がする 実 習 を 経 験 してみたい そして 何 より 英 語 での 診 療 のトレーニングをしたい と 昔 から 思 っていたからです 志 望 するに 当 たって 応 募 先 を 選 ばないといけませんが 私 は USMLE Step 1 の 資 格 を 取 っていないので USMLE Step 1 の 資 格 を 持 っていなくても 申 請 できる 大 学 を 探 しました またイギリスでの 病 院 実 習 にも 応 募 したかったのですが 英 国 臨 床 実 習 は 大 学 から 推 薦 をもらえる 人 数 が 限 られているので アメリカでの 病 院 実 習 に は 推 薦 をもらえる 人 数 が 限 られていない 大 学 に 応 募 する 必 要 がありました この 条 件 に 合 うのは HMS しかみつからず HMS に 応 募 することに 決 めました ただ 学 費 が$4,300 と 非 常 に 高 いのが 何 よりの 短 所 です もし USMLE Step 1 の 資 格 が 不 要 で 推 薦 人 数 に 制 限 がな くて 学 費 が 安 い 大 学 があれば その 大 学 に 応 募 していたと 思 います 3

3. 準 備 3.1 学 内 選 考 学 内 選 考 はそれほど 忙 しくありませんでした 2013 年 4 月 13 日 に 学 内 選 考 の 要 項 が 発 表 されて 5 月 23 日 に 実 習 先 などを 書 いた 応 募 用 紙 を 提 出 しました 6 月 3 日 に 学 内 選 考 の 面 接 があり 6 月 10 日 に 選 考 結 果 が 通 知 されました HMS は 推 薦 人 数 に 制 限 がないの で HMS に 応 募 する 場 合 この 面 接 は 単 にその 学 生 を 推 薦 しても 大 丈 夫 かを 審 査 するだけの ものだと 思 います 現 地 実 習 への 熱 意 があること そして 現 地 で 少 なくとも 何 とかやって いけるだけの 語 学 力 があることが 見 られているのだろうと 思 います 3.2 HMS 書 類 送 付 電 話 面 接 このプロセスはとても 忙 しかったです まずは HMS Exchange Clerkship Program の 公 式 ウェブサイトで 応 募 の 流 れを 再 確 認 しました 次 に 実 習 を 希 望 する 時 期 を 決 めます HMS は 毎 月 学 外 学 生 を 受 け 入 れていて 月 毎 に 応 募 の 締 切 りを 設 けています 私 の 場 合 英 国 実 習 の 応 募 が 3 月 に 限 られていたので 2014 年 1 月 を 希 望 することにしました ウェ ブサイトを 見 ると この 場 合 は 9 月 30 日 がオンライン 応 募 の 期 限 で 11 月 1 日 が 書 類 送 付 の 期 限 だと 書 いてあったので 準 備 は 夏 休 みが 明 けてから 始 めることにしました 9 月 下 旬 になり まずオンライン 応 募 を 行 いました 希 望 実 習 コースはここで 登 録 します 別 のウェブサイトで 公 開 されているコース 一 覧 から 海 外 実 習 生 も 応 募 できるコースを 最 大 15 コース 選 んで 登 録 できるようになっています 自 分 の 希 望 したコースを 受 講 できるか どうかは 運 が 大 きいようで 友 人 は 第 1 希 望 のコースを 受 講 できましたが 私 は 希 望 した 11 コースのどれも 既 に 定 員 に 達 していて 11 月 下 旬 に 希 望 コースを 追 加 するように 言 われ ました 本 当 に 受 講 したいコースだけを 登 録 することをお 勧 めします 次 に HMS に 送 付 する 書 類 を 準 備 します 必 要 な 書 類 はウェブサイトに 掲 載 されていて 主 に 国 際 交 流 室 と 教 務 係 にお 世 話 になることになります そのうちのいくつかについて 補 足 です! 推 薦 状 (official letter of support)など 発 行 してもらうレター 類 は 内 容 に 間 違 い がないか 完 成 したものを 自 分 の 責 任 で 確 認 することをお 勧 めします! 健 康 保 険 (personal health coverage)は 自 分 で 海 外 旅 行 保 険 を 購 入 して 証 書 のコ ピーを 用 意 します! 抗 体 検 査 結 果 (lab reports)は 検 査 値 が 書 いてある 用 紙 のコピーを 保 健 センター でもらう 他 に 各 抗 体 価 が 陽 性 だと 書 いた 証 明 書 を 準 備 します 前 者 だけを 提 出 4

したところ 11 月 中 旬 に HMS から 連 絡 を 受 けて 抗 体 価 の 記 載 はあるが 陽 性 か 陰 性 かの 記 載 がないので 不 十 分 だと 言 われました そこで 後 者 の 下 書 きを 用 意 し て 丸 山 先 生 に 発 行 していただいて 追 加 で 提 出 しました! 専 門 職 業 賠 償 責 任 医 療 過 誤 保 険 (professional liability and malpractice coverage)の 加 入 証 明 書 の 準 備 は 国 際 交 流 室 に 相 談 してください 書 類 発 送 時 には 推 薦 状 の 中 で 言 及 しただけでしたが 12 月 中 旬 にそれでは 不 十 分 だと HMS から 連 絡 があり 米 国 での 実 習 中 も 保 険 が 適 応 されると 明 記 した 証 明 書 を 追 加 で 提 出 しました! 英 語 能 力 証 明 の 一 環 として TOEFL の 点 数 表 を 提 出 するよう 求 められています 私 はスコアレポートを 別 途 発 注 せずに 手 元 にあった 個 人 向 けスコアレポートの コピーを 提 出 しましたが 問 題 ありませんでした ただいつ 方 針 が 変 わってもお かしくないですし スコアレポートを 別 途 発 注 すると 届 くまで 長 い 時 間 がかかり 得 るので 予 め 電 話 等 で 確 認 するのが 確 実 だと 思 います! 申 請 費 (application fee)は 郵 便 局 で 国 際 郵 便 為 替 を 購 入 しました 手 数 料 は 2,000 円 と 調 べた 中 で 最 も 安 かったです 準 備 がぎりぎりになってしまったため 書 類 は FedEx で 送 付 しました 郵 便 局 の EMS で 発 送 するより 高 いし 予 め 個 人 アカウントの 登 録 が 必 要 ですが いつ 届 くかが 予 め 分 かり 信 頼 性 が 高 いです Green 先 生 からは アメリカの 郵 便 局 は 配 達 が 遅 れることが 多 々ある ので EMS はお 勧 めしないとアドバイスをいただきました 最 後 に 電 話 面 接 (telephone interview)を 受 けました これは 書 類 送 付 より 前 に 行 っても 大 丈 夫 です 以 前 は 最 近 実 習 した 科 を 聞 かれてその 科 にまつわる 知 識 を 問 われたようですが 数 年 前 から 一 般 的 な 質 問 に 変 わったようです 電 話 面 接 を 受 けると 書 いてある 曜 日 と 時 間 に 合 わせて 電 話 をかけて 要 件 を 伝 えると 担 当 者 に 替 わってもらえます 私 は 次 のような 質 問 を 受 けました 思 い 出 して 書 いたので 単 語 も 構 文 も 原 文 から 変 わってしまっていま す 時 間 は 2-3 分 でした! Can you spell your first name and last name?! What is the name of the school you are currently enrolled in?! What language does your school use to teach medicine?! Can you tell me which month you applied for?! Which course did you choose as your best preference?! Can you name the courses you've already rotated in your school?! Have you rotated surgery?! How about pediatric surgery? 5

! Do you usually participate in operations or is it more of an observation?! Have you ever lived in a foreign country?! Have you practiced history taking from patients?! Have you ever done history taking in English?! What kind of doctor are you aiming to become? 担 当 者 は 穏 やかな 方 でした 質 問 が 一 通 り 終 わるとその 場 で 結 果 を 教 えてもらえます あ なたの 英 語 力 で 大 丈 夫 です と 言 われれば 大 丈 夫 ですが 英 語 力 が 足 りないと 判 断 された 場 合 以 前 の 体 験 記 によると あなたの 今 の 英 語 力 では 不 足 なので 改 めてかけ 直 して 下 さ い と 言 われた 人 もいれば あなたの 英 語 力 では 受 け 入 れできません と 言 われた 人 もい るようで チャンスが 一 度 きりかどうかは 分 かりません 以 上 で 書 類 送 付 と 電 話 面 接 が 終 わり 先 方 からの 連 絡 を 待 つこととなります 3.3 渡 米 まで 書 類 送 付 と 電 話 面 接 が 終 わってから 結 果 が 通 知 されるまで 暫 く 時 間 がありますので そ の 間 にビザ 申 請 の 流 れを 確 認 しました また 先 に 書 いたように 11 月 中 旬 に 抗 体 検 査 の 証 明 書 を 追 加 で 送 るように 要 請 されて 下 旬 には 希 望 コースを 追 加 するようにと 連 絡 を 受 けまし た その 後 11 月 23 日 に 受 入 れ 決 定 の 通 知 があり Care of the Injured Patient というコ ースを 受 講 できることが 決 まります 指 導 担 当 教 員 の 連 絡 先 を 教 えてもらえたので 挨 拶 のメールを 送 りました すぐに B-1/B-2 ビザの 準 備 に 取 りかかりました DS-160 ビザ 申 請 書 というフォームにオ ンラインで 記 入 し ビザ 申 請 料 金 17,600 を 払 って オンラインで 面 接 の 予 約 をしました DS-160 では 過 去 のアメリカ 滞 在 日 程 有 れば 過 去 に 受 給 した 米 国 ビザ 過 去 に 訪 れたこ とのある 国 旅 程 が 決 まっていれば 入 国 出 国 の 飛 行 機 等 も 聞 かれます 面 接 には 英 文 の 銀 行 口 座 残 高 証 明 書 成 績 証 明 書 実 習 受 入 れを 通 知 するメール 等 の 書 類 が 必 要 です 面 接 は 空 いている 日 時 の 枠 に 申 し 込 みますが 1-2 週 間 先 まで 予 約 が 埋 まっていることも 多 い そうです 私 は 英 国 ビザの 申 請 もしないといけなかったので 時 間 の 猶 予 がなかったのです が 運 良 く 11 月 27 日 の 面 接 が 予 約 でき 1 週 間 後 にビザが 貼 られたパスポートが 戻 って きました 他 国 のビザも 申 請 する 場 合 は 申 請 する 間 パスポートを 預 けないといけないこ とに 注 意 が 必 要 です ビザ 面 接 の 際 に 実 習 には 学 費 がかからない と 答 えなければいけ ないと 聞 いていましたが ビザ 申 請 要 件 が 記 載 されているウェブサイトでは 学 費 がかかっ てはいけないという 事 項 は 探 した 限 りみつかりませんでした 実 際 に 私 が 面 接 を 受 けたと きは 実 習 受 入 れを 通 知 するメールに 学 費 のことが 書 いてあり 仕 方 がなくそのまま 提 出 し 6

たところ 何 も 言 及 されることなくビザを 発 行 してもらえました ただし 米 国 内 の 病 院 から 報 酬 を 受 け 取 らないこと という 要 件 はウェブサイトにも 明 記 してあり 面 接 でも 確 認 されました 12 月 5 日 には 銀 行 の 窓 口 に 行 き 国 際 送 金 で 学 費 を 支 払 いました 難 航 していた 宿 も 幸 運 に 恵 まれ 決 めることができました これでようやく 準 備 が 終 わりかと 思 っていたところ 先 に 書 いたように 12 月 中 旬 に 専 門 職 業 賠 償 責 任 医 療 過 誤 保 険 の 加 入 証 明 書 が 必 要 だと 言 われ 追 加 書 類 を 提 出 しました 去 年 まで 不 要 だったにも 関 わらず 提 出 を 要 請 された 書 類 はこれで 二 度 目 であり しかも 渡 米 半 月 前 だったので 本 当 に 実 習 に 行 けるのかなと 半 信 半 疑 のまま 年 末 を 過 ごしましたが 無 事 年 明 けに 渡 米 することができました 入 国 審 査 で は 一 つだけしかも 面 倒 そうに 聞 かれたのが Why do you have a VISA? という 質 問 で 拍 子 抜 けしました 4. 実 習 4.1 実 習 病 院 について 第 1 週 は Shriners Hospitals for Children Boston という 病 院 で 実 習 を 行 いました Shriners Hospitals for Children は 米 国 カナダ メキシコに 22 の 病 院 を 持 つグループで 身 体 障 害 のある 小 児 に 無 償 の 医 療 を 行 うという 理 念 のもと 1920 年 に 慈 善 団 体 によって 設 立 されました 現 在 は 熱 傷 整 形 外 科 的 疾 患 口 唇 口 蓋 裂 脊 髄 損 傷 のある 小 児 の 治 療 を 行 っています ボストンの 病 院 は 小 児 熱 傷 の 治 療 で 世 界 的 に 有 名 で 医 師 は 道 を 挟 んで 隣 にある MGH の 熱 傷 部 門 と 往 復 しながら 診 療 をしています 実 習 中 は 裏 庭 で 雪 かきをし ていて 凍 傷 ( 熱 傷 に 含 まれる)になった 男 の 子 もいれば 重 度 の 熱 傷 を 負 ってボリビアから 運 ばれた 女 の 子 もいました とりわけ 入 院 患 者 さんは 南 米 から 来 た 少 年 少 女 が 多 かったです 第 2-4 週 は Massachusetts General Hospital (MGH)で 実 習 を 行 いました MGH は 1811 年 に 貧 しい 人 々をする 治 療 する 理 念 のもと 設 立 された 病 院 で 1812 年 にボストンで 刊 行 された New England Journal of Medicine と 共 に 世 界 の 医 学 研 究 をリードしています 本 院 と 4 つの 分 院 があり 非 常 に 規 模 の 大 きい 病 院 です イ メージし 易 くするために 右 表 を 掲 載 しまし MGH 東 大 病 院 職 員 数 24,500 3,900 病 床 数 950 1,217 年 間 入 院 患 者 数 48,000 28,000 年 間 外 来 診 療 数 150 万 75 万 年 間 救 急 患 者 数 90,000 19,000 年 間 分 娩 数 3,600 850 年 間 手 術 数 38,000 11,000 手 術 室 100 以 上 23 7

たが 数 値 は 概 数 であるうえに 単 一 の 年 度 の 数 値 ばかりではないので あくまで 大 まかな 参 考 値 として 見 てください 両 院 とも wifi が 使 えました 確 かアカウント 登 録 やパスワード 入 力 は 不 要 だったと 思 いま す 4.2 実 習 内 容 ( 第 1 週 ) 第 1 週 は Shriners Hospitals for Children Boston ( 以 下 Shriners)で 実 習 を 行 いました 私 の 他 に オーストラリアの 医 学 部 に 通 うペルー 人 の 学 生 熱 傷 が 専 門 のグアテマラの 医 師 と 中 国 の 医 師 看 護 学 校 の 学 生 ボストンの Northeastern University に 通 う 医 学 大 学 院 志 望 のアメリカ 人 学 生 が 入 れ 替 わり 立 ち 替 わり 研 修 で 来 ていて 非 常 に 多 彩 な 人 が 出 入 り する 環 境 です コースの 担 当 教 官 は American Burn Association の 会 長 も 務 めた Dr. Sheridan で 直 接 指 導 してもらったのは 熱 傷 治 療 を 専 門 とされている Dr. Chang でした Dr. Sheridan は 熱 傷 治 療 の 入 門 書 を 執 筆 されていたので 事 前 にアマゾンで 買 って 予 習 し つつ 現 地 に 持 っていきました 初 日 は 書 類 記 入 学 生 アカウント 登 録 身 分 証 作 成 現 地 でのインフルエンザのワクチン 接 種 Dr. Chang との 4 週 間 のスケジュール 相 談 で 終 わり 実 質 の 実 習 は 2 日 目 からでした 朝 7:30 に 病 棟 に 着 き 回 診 を 始 めます 医 師 看 護 師 OT PT ST 学 生 など 合 わせて 15 人 くらいが 患 者 さん 一 人 一 人 の 病 室 の 前 に 移 動 し て 夜 勤 の 看 護 師 から 患 者 についての 要 約 と 夜 間 の 出 来 事 を 聞 きます Dr. Chang が 司 会 とな って 各 職 種 のスタッフの 報 告 や 意 見 を 聞 いた 後 その 日 のプランを 確 認 して 次 の 患 者 さんの 部 屋 の 前 に 移 動 します 患 者 さんはみんな 子 ども で 十 数 人 がぞろぞろ 部 屋 の 中 に 入 っては 怖 いだろうという 判 断 からか 回 診 は 部 屋 の 外 の 廊 下 で 行 っていました ただ 部 屋 は 広 く 廊 下 に 面 している 壁 はガラス 製 だったので 回 診 中 スタッフに 気 付 いた 子 どもには 笑 顔 で 手 を 振 るなどして 良 い 距 離 を 保 っていたよう に 思 います 患 者 さん 一 人 あたりの 回 診 時 間 は 5-10 分 だったと 思 います 回 診 が 終 わると 手 術 に 入 ります 学 生 は 全 症 例 で 手 洗 い(scrub in)させてもらえました 手 洗 いしても 良 いのか 分 からず 聞 こうと 思 って 手 術 室 にいると Dr. Chang が 入 ってきた 途 端 "Yasu, why are you standing there! Students always scrub in! Go and wash your hands, now!"と 言 われ 慌 てて 手 洗 いに 行 ったほどです 担 当 教 官 によって 方 針 が 違 うかも 8

知 れないので 確 認 した 方 が 良 いとは 思 いますが 一 般 にアメリカの 臨 床 実 習 は 一 般 企 業 のインタ ーンシップのような 参 加 型 のものだと 考 えて 間 違 いないと 思 います 手 術 は Dr. Chang と 二 人 もしくは Dr. Sheridan か 研 修 医 を 合 わせた 三 人 で デブリドマン 皮 膚 移 植 包 帯 交 換 ギ プス 作 成 を 行 いました 他 にレーザー 治 療 チー ムや 指 の 小 手 術 チームの 手 術 に 入 ることもあり ました ほとんどの 手 技 を 少 なくとも 一 度 は 経 験 するようにという 方 針 で 指 導 してもらえ そしてその 時 々で 自 分 にできることを 考 えて 何 々をやりましょうか/やって 良 いですか と 聞 くと 大 抵 歓 迎 されて 自 分 でやらせてもらえたため 実 習 は 常 に 新 鮮 で 充 実 していまし た これが 可 能 だったのは 学 生 が 診 療 に 参 加 することが 歓 迎 どころか 期 待 されたこと 一 件 一 件 の 手 術 が 1-2 時 間 程 度 と 長 くないため 一 日 に 何 例 も 手 術 に 入 れ 手 術 の 流 れを 早 く 理 解 しやすかったこと 術 野 が 大 きい 割 に 入 っている 医 師 の 人 数 が 少 ないため 自 分 が 貢 献 できるスペースをみつけやすかったことが 一 因 だと 思 います 手 術 のない 時 間 には 病 棟 でのケア 外 来 診 療 手 の 空 いている 医 師 による 学 生 向 けレ クチャー 学 生 による 調 べ 学 習 のミニ 発 表 病 院 全 体 の 症 例 カンファレンス MGH の 手 移 植 チームによるスタッフ 向 けミニ 講 演 会 などに 参 加 しました また 火 災 があってからす ぐに 運 ばれてきた 患 者 さんの 初 療 に 携 わることがあり この 時 は ABCDE の 診 察 や 初 期 輸 液 を 含 む 呼 吸 循 環 動 態 の 安 定 化 に 加 え 焼 痂 切 開 などの 初 期 対 応 に 携 わることができまし た 空 いている 時 間 には Dr. Chang に 与 えられた 課 題 の 勉 強 をしました 例 えば 先 に 書 いた Dr. Sheridan の 熱 傷 治 療 入 門 書 の 特 定 の 章 を 読 んで 理 解 すること ある 患 者 に 使 われ ていた cholestyramine と ursodiol について 調 べて 理 解 すること というように 課 題 は 細 か く 指 定 されました 学 んだ 内 容 は 後 で Dr. Chang や 他 の 研 修 生 に 3-5 分 程 度 で 簡 単 に 口 頭 発 表 します 印 象 的 だったのは 初 めて 与 えられた 課 題 として 翌 日 終 わりまでに Dr. Sheridan の 熱 傷 治 療 入 門 書 の 第 1 章 と 第 2 章 を 勉 強 するという 課 題 を 与 えられた 時 です ノート 4 ページ 分 にまとめを 書 いて 翌 日 そのノートをカンペにしながら 発 表 したところ ノートにまとめたのはすごく 良 いけど 原 理 原 則 を 理 解 して 頭 に 入 れて それを 人 に 伝 えられるようにしないとね と 指 導 されました その 学 生 がいま 学 ぶ 必 要 のある 内 容 をそ の 学 生 の 学 習 レベルに 合 わせて 指 定 してもらえたこと 短 期 間 で 達 成 できる 小 さな 課 題 を 繰 り 返 し 設 定 してもらえたこと 原 理 原 則 が 学 べたか 学 生 の 身 になったかというアウトカ ムを 重 視 し 審 査 してもらえたこと 発 表 に 対 して 必 ずフィードバックをもらえたことはと 9

てもためになりました また 日 頃 の 学 習 でもこれらのことを 意 識 しないといけないと 自 省 しました 第 1 週 の 実 習 はこのような 内 容 で 17-19 時 台 には 病 院 を 出 ていました 一 方 で 同 じ 病 棟 にいた 小 児 科 志 望 のペルー 人 の 学 生 は 私 と 同 じく HMS Exchange Clerkship Program で 来 ていましたが 別 の 指 導 教 官 のコースだったため 実 習 内 容 は 異 なりました その 指 導 教 官 は 学 外 での 仕 事 のために 実 習 期 間 のうち 2 週 間 は 病 院 を 離 れていたので 他 の 医 師 の 診 療 を 見 学 したそうですが 上 記 のように 手 術 に 手 洗 いで 入 ったりすることも 継 続 的 に 課 題 を 与 えられる 機 会 もなく また 熱 傷 ケア 以 外 の 内 科 的 な 小 児 科 診 療 を 見 る 機 会 がほとんど 無 いことが 想 定 外 だったため 手 応 えが 少 ないと 残 念 がっていました また 私 は 第 2-4 週 を 後 述 のように MGH で 過 ごしましたが 彼 は 4 週 間 とも Shriners で 実 習 を 行 うコースでし た このようにコースによって 実 習 内 容 は 大 きく 変 わること しかも 応 募 段 階 ではコース による 違 いが 詳 しく 分 からないことも 多 いこと また 同 じコースでも 時 期 によって 指 導 の 充 実 度 が 違 い 得 ることを 理 解 して ある 程 度 は 運 任 せになることを 覚 悟 した 上 で 応 募 せざ るを 得 ないと 思 います 4.3 実 習 内 容 ( 第 2 3 週 ) 第 2-4 週 は MGH で 実 習 を 行 いました このうち 第 2 3 週 は 成 人 の 熱 傷 患 者 さんが 入 院 する Sumner Redstone Burn Center ( 病 棟 のワンフロア)での 実 習 でした 先 立 って 第 1 週 の 土 曜 日 朝 に Dr. Chang の 休 日 回 診 に 連 れて 行 ってもらい やはり 患 者 さんの 部 屋 の 前 を 回 りながら MGH の 研 修 医 二 人 が 報 告 して Dr. Chang が 聞 いて 回 るのに 同 席 しました 元 々MGH での 実 習 は 第 3 4 週 の 予 定 だったのですが 包 帯 交 換 など 簡 単 な 処 置 も 終 えて 昼 に 回 診 が 終 わった 時 に Shriners でアメリカの 病 院 にも 慣 れたでしょ 1 週 間 早 めて 来 週 から 2 週 間 ここで 実 習 しない? と 言 われその 場 で 予 定 が 変 わりました こうしていよ いよ 翌 週 からアメリカの 医 学 生 が 普 段 行 っている 臨 床 実 習 を 経 験 することになりました 朝 5 時 まだ 真 っ 暗 の 時 間 に 病 棟 に 着 いて 病 棟 の 患 者 さんおよそ 10-15 人 のバイタル をメモします MGH はアメリカの 多 くの 病 院 のように 未 だ 紙 ベースの 診 療 録 が 多 く バイ タルを 含 めた 看 護 記 録 の 入 ったバインダーが 患 者 さんの 部 屋 の 前 にある 小 さな 郵 便 受 けの ようなボックスの 中 に 入 っています これを 見 て 過 去 24 時 間 で 最 高 値 の 体 温 (T-max)と 測 定 方 法 直 近 の 体 温 (T-current)と 測 定 方 法 心 拍 数 収 縮 期 拡 張 期 血 圧 呼 吸 回 数 酸 素 飽 和 度 と 測 定 方 法 0 時 からの 水 分 摂 取 排 泄 量 (overnight in s and out s) 過 去 24 時 間 の 水 分 摂 取 排 泄 量 (yesterday s in s and out s)を 自 分 のメモ 帳 に 書 き 写 します なお in s and out s は fluid intake and output の 省 略 形 です また 自 分 の 担 当 患 者 については 10

患 者 さんと 夜 勤 の 担 当 看 護 師 に 会 いに 行 って 現 症 を 確 認 して 夜 間 に 何 かあったかを 聞 き また 電 子 カルテを 見 て 朝 方 に 行 われた 血 算 生 化 学 の 検 査 結 果 を 確 認 します それが 終 わ ると 初 期 研 修 医 1 年 目 の Dr. Grant と 合 流 し バイタルと 担 当 患 者 さんの 詳 細 を 報 告 し ます その 後 に 二 人 で 全 患 者 さんを 回 診 し 挨 拶 をして 何 か 変 わったことがないか 確 認 し ます 必 要 に 応 じて 傷 を 観 察 したりもします 5 時 45 分 になると 初 期 研 修 医 2 年 目 の Dr. Wojcik と 合 流 し 患 者 さん 一 人 ずつについてカウンターで 確 認 してい きます Dr. Grant と 自 分 が 患 者 さんのバイタル 検 査 結 果 夜 間 の 出 来 事 を 報 告 すると Dr. Wojcik が 臓 器 系 統 毎 に 患 者 さんの 状 態 を 整 理 していき 最 後 に 当 日 の 予 定 を 整 理 します 第 3 週 は 自 分 の 担 当 患 者 さんについて 臓 器 系 統 毎 の 状 態 と 当 日 の 予 定 を 自 分 で 整 理 して 発 表 しフィー ドバックをもらうようになりました 患 者 さん 一 人 あたり 2 分 前 後 だったと 思 います 検 査 結 果 に 関 して 印 象 的 だっ たのは 印 に 血 算 草 冠 の 印 に 生 化 学 の 結 果 を 書 くアメ リカ 方 式 の 書 き 方 が 使 われていたほか 患 者 さん 毎 に 注 視 するべき 検 査 結 果 を 以 上 のルー ティンの 検 査 値 に 加 えて 毎 日 報 告 することになっていたことでした 例 えば 前 日 に 変 動 があった 検 査 値 や 新 しく 変 動 があった 検 査 値 を 報 告 することは 勿 論 ですが 糖 尿 病 の 患 者 さんについては 過 去 24 時 間 の 血 糖 値 の 最 高 値 最 低 値 を 報 告 して 血 糖 のコントロールを 評 価 するなどの 申 し 合 わせたような 慣 習 がありました また 臓 器 系 統 別 の 分 析 は neuro, CV, pulm, GI/FEN, GU/renal, ID, heme, endo, wound という 項 目 毎 に 行 っていて 例 えば Neuro: 痛 みに 対 し 鎮 痛 剤 を 頓 用 中 Neuro: 認 知 症 に 対 し 常 用 薬 内 服 中 CV: 安 定 Pulm: 問 題 なし GU/renal: Cre と BUN に 問 題 なし Heme: 深 部 静 脈 血 栓 症 のリス クに 対 し enoxaparin を 服 用 中 Endo: 糖 尿 病 については 誰 々 医 師 が 担 当 中 であるとか Wound: 右 上 肢 皮 膚 移 植 グラフト 部 位 に bacitracin と Adaptic を 使 用 中 Wound: 右 大 腿 皮 膚 移 植 ドナー 部 位 に Mepilex Ag と Kerlix を 使 用 中 明 日 まで といったように ど ういうプロブレムに 対 してどういう 処 置 を 行 っているかを 簡 潔 にまとめます 全 体 を 通 し て 患 者 さんの 評 価 を 項 目 の 漏 れ 無 く 順 序 立 ててシステマティックに 行 っていると 感 じまし た このカウンターでの 確 認 が 終 わると 今 度 は 三 人 で 患 者 さんの 回 診 を 行 います Dr. Wojcik が 患 者 さんに 挨 拶 をして 今 日 のプランを 説 明 し 最 後 に 必 ず 何 か 質 問 はありま すか? と 聞 いていたのが 印 象 的 でした 必 要 に 応 じて 包 帯 交 換 など 簡 単 な 処 置 を 行 うこ ともありました 6 時 45 分 になると アテンディングと 呼 ばれる 上 級 医 の Dr. Goverman と 合 流 します 11

このほか 病 棟 師 長 を 合 わせた 5 人 くらいでもう 一 度 回 診 を 行 います 患 者 さんの 部 屋 の 前 に 移 動 し 患 者 さんの 基 本 情 報 ( 年 齢 性 別 受 傷 後 日 数 と 受 傷 起 点 入 院 日 数 手 術 後 日 数 と 手 術 内 容 など) 夜 間 の 出 来 事 バイタルと 検 査 値 の 変 動 臓 器 系 統 別 の 評 価 今 日 の 予 定 を 報 告 します 患 者 さん 一 人 当 たりの 時 間 は 報 告 と 会 話 のやり 取 りが 合 わせて 1-3 分 挨 拶 が 1 分 程 度 だったと 思 います 私 も 担 当 患 者 さんについては 自 分 で 発 表 しました Dr. Goverman が 気 になった 点 などについて 会 話 のやり 取 りをした 後 患 者 さんに 挨 拶 しま す よく 見 知 った 患 者 さんには 挨 拶 しないこともありましたが 原 則 として 患 者 さんは 毎 朝 3 回 の 回 診 を 受 けることになります これで 長 い 回 診 は 終 わり Dr. Wojcik が 看 護 師 長 と 各 患 者 の 今 日 の 予 定 を 再 度 確 認 したり Dr. Grant が 新 しく 決 まったオーダーをパソコン に 入 力 したりした 後 三 人 の 医 師 は 各 々 手 術 室 に 向 かいます 一 人 目 の 患 者 さんが 入 室 す るのは 朝 8 時 だったと 思 います なお アテンディングの Dr. Goverman はラストネーム で 呼 んでいましたが 研 修 医 の Dr. Wojcik と Dr. Grant は Brandon, Mike というようにフ ァーストネームで 呼 んでいました 学 生 との 距 離 感 が 窺 えると 思 います 手 術 には 医 師 3 人 と 自 分 の 合 わせて 4 人 が 手 洗 いして 入 りました 熱 傷 部 門 用 に 手 術 室 が 一 つ 充 てられていて ここで 一 日 最 大 5 か 6 件 の 手 術 を 次 から 次 に 行 います 内 容 は Shriners での 手 術 と 同 じですが 大 人 は 小 児 に 比 べて 体 表 面 積 が 広 く 熱 傷 面 積 も 広 いこと が 多 いので 手 術 にかかる 時 間 も 使 う 資 材 も 小 児 の 場 合 より 増 えます 手 術 が 終 わると 患 者 さんは 術 後 管 理 センターに 搬 送 されます 手 術 室 の 数 が 100 以 上 と 驚 くほど 多 いだけに 術 後 管 理 センターも 広 く 相 当 数 の 病 床 がありました 搬 送 が 終 わると 次 に 手 術 を 受 ける 患 者 が 手 術 室 に 搬 送 されるまで 一 呼 吸 あり そのようなタイミングにぱぱっと 昼 ご 飯 を 食 べ に 食 堂 に 行 ったり 病 棟 の 様 子 を 見 に 行 ったりしました 手 術 が 終 わると 病 棟 に 戻 り Dr. Wojcik が 看 護 師 長 から 入 院 患 者 の 変 化 や 処 置 等 につい て 報 告 を 受 けます その 後 17 時 くらいから Dr. Wojcik と Dr. Grant に 加 え 自 分 の 三 人 で 夕 方 の 回 診 を 行 います 各 患 者 さんの 部 屋 に 入 り 挨 拶 して 様 子 を 見 るというとてもフラン クな 回 診 です 回 診 が 終 わると 三 人 の 中 で 自 主 的 に 読 むことにしていた 論 文 についてデ ィスカッションをします ここで 取 り 挙 げる 論 文 は 熱 傷 患 者 のケアに 関 わるもので Dr. Wojcik がアテンディングなどにお 勧 めの 論 文 を 尋 ねて 選 んだものです Dr. Wojcik も Dr. Grant もこのひと 月 は 熱 傷 部 門 でのローテーションというように 決 まって 回 ってきている ので その 一 ヶ 月 のうちにできるだけ 有 意 義 な 知 識 を 付 けておこうと 自 ら 努 力 していまし た また この 場 に 限 らず 病 棟 でもディスカッションは 活 発 に 行 われていました 例 えば ある 患 者 さんの 処 置 を 決 めるときや 検 査 結 果 を 評 価 する 際 に 誰 かが 発 言 してその 場 の 流 れで 通 りそうになったものに 疑 問 を 持 ったら でもこれは 何 々じゃないかな こうこうこ ういうことが 考 えられるから と 言 います 元 の 発 言 をした 人 は なるほど でもこうこ 12

うこういうことが 考 えられるから 何 々で 良 いんじゃないかな などと 理 由 を 付 けて 応 えま す このようなディスカッションを 意 図 的 に 行 うことで 一 つ 一 つの 判 断 について 自 分 の 頭 で 考 え 論 拠 を 持 って 考 えを 主 張 する 訓 練 になるだけでなく 自 分 はここまで 理 解 して 考 えている というシグナルを 同 僚 に 送 る 機 会 にしているように 感 じました このような ディスカッションは 年 少 の 医 師 が 指 導 医 に 話 しかけて 始 まることもよくあり( 時 には 上 級 医 への 質 問 という 形 で 行 われていました) 指 導 医 は 誰 に 話 すのとも 変 わらない 口 調 で 論 拠 を 持 って 応 えていました 総 じて 医 師 同 士 は 完 全 にフラットではないものの フラットに 近 い 関 係 でディスカッションをしたように 思 います 18 時 になるとディスカッションも 落 ち 着 いてきて 解 散 します 病 棟 で 各 自 やるべきこ とがあれば 残 るし 帰 りたければ 帰 ります 私 は 診 療 録 を 見 たり 最 終 日 の 課 題 発 表 用 のス ライドを 作 ったりし 19 時 台 に 帰 ることが 多 かったです これが 典 型 的 な 一 日 の 過 ごし 方 でした 木 曜 日 午 前 だけは 研 修 医 の 教 育 時 間 とされ 病 棟 から 離 れてレクチャー 等 を 受 けていました 朝 8-9 時 には 20 分 の 講 演 会 が 三 つ 9:30-10:30 には 一 人 の 指 導 医 が 数 十 人 の 研 修 医 を 前 にして 行 う 臨 床 推 論 のようなセッションがありました この 臨 床 推 論 は 一 つの 症 例 を 挙 げて 鑑 別 診 断 を 当 てるのが 目 的 ではなく ある 症 状 を 前 にした ときに 思 考 を 組 み 立 てて 考 える 頭 のトレーニン グをすることを 目 的 にしていました この 午 前 の 時 間 はどの 研 修 医 のページャー(いわゆる ポケットベルの 一 般 名 詞 )もほとんど 鳴 らなかったことに 感 激 しました 病 棟 のスタッフも この 時 間 は 研 修 医 のページャーなるべく 鳴 らさないようにしようと 配 慮 しているそうです その 他 には 週 に 1 度 行 う 多 職 種 カンファレンスに 参 加 したり 最 終 日 に 課 題 発 表 とし て 病 棟 の 医 師 や 看 護 師 の 前 でプレゼンテーションをしたりしました アメリカの 医 学 生 が 実 習 で 行 うことを 全 く 同 じようにとまではいかないまでも 一 通 り 経 験 できた 感 触 があり ました 4.4 実 習 内 容 ( 第 4 週 ) 第 4 週 は Shriners で 過 ごす 予 定 になっていましたが コース 担 当 教 官 の Dr. Sheridan に 救 急 診 療 に 興 味 があり 救 急 部 で 実 習 をしてみたい と 機 会 があるごとに 話 していたと ころ 最 後 の 三 日 間 を 救 急 部 で 過 ごさせてもらうことができました こういったことは 本 13

来 のカリキュラムから 外 れるものですが 尋 ねてみると 周 りの 皆 さんが 助 けてくれること も 多 いと 思 います 救 急 部 (Emergency Department)は Acute, Urgent, Fast Track, Pedi (pediatrics), APS (Acute Psychiatry Service)といった 部 署 に 分 かれています 患 者 は 来 院 時 に 看 護 師 によっ てトリアージを 受 けて 診 療 を 受 ける 部 署 が 決 まります 救 急 部 の 持 つ 病 床 も 含 めると 合 計 80 床 以 上 あり 大 規 模 でした 情 報 は 電 子 データとして 管 理 されていて それぞれのベッ ドが 空 いているか 使 われているか 清 掃 中 か 使 われているなら 患 者 さんの 名 前 年 齢 性 別 主 訴 に 加 えて 入 室 からの 時 間 がパソコンの 画 面 に 表 示 され 一 目 で 分 かるようになっ ていました その 患 者 さんの 項 目 をクリックすると 電 子 カルテが 開 く 仕 組 みになってい ました 私 は 18 床 ある Acute Unit で 三 日 とも 実 習 を 行 い 交 通 外 傷 意 識 消 失 胸 痛 転 倒 ひど い 腹 痛 などのエピソードのある 患 者 さんを 診 察 しました ここには 救 急 隊 の 無 線 の 一 部 が 聞 こ えるスピーカーがあり 新 患 が 搬 送 されてくる 前 にすぐ 分 かるようになっています Acute 全 体 を 統 括 するリーダーが 一 人 いるほか 2-3 人 の 医 師 で 作 る 診 療 チームが 2 チームあり 8 時 間 交 代 で 勤 務 していました 新 患 が 搬 送 されてくるとどちらかのチームが 患 者 さんを 引 き 受 けて 診 療 します このとき Acute の 統 括 リーダーも 一 緒 に 見 に 行 くことが 多 かったです 患 者 さんが 初 期 治 療 を 終 えて 救 急 部 を 離 れるまで 診 療 を 担 当 するので 一 チームが 同 時 に 5-8 人 の 患 者 さんを 受 け 持 つことになります ここでは 学 生 が 自 ら 予 診 や 初 診 を 行 うことは できず 医 師 や 看 護 師 と 患 者 さんのやり 取 りを 横 から 聞 いて 病 態 を 考 えるに 留 まりました が スタッフに 混 じって 患 者 さんのベッド 移 動 などのケア 心 電 図 や 血 圧 の 測 定 胸 腹 部 エコーや 中 心 静 脈 カテーテルなどの 手 技 の 補 助 などを 行 いました 印 象 に 残 っているシー ンは 心 肺 停 止 の 患 者 さんが 救 急 隊 によって 運 ばれてきた 時 です 心 臓 マッサージを 行 って いる 音 はするのですが 誰 も 胸 部 圧 迫 をしている 様 子 がありませんでした よく 見 てみる と 患 者 さんは 心 臓 マッサージをするポンプのような 機 械 を 取 り 付 けられていて その 機 械 がシュポーンシュポーンと 音 を 立 てながら 一 定 の 強 さ 一 定 のリズムで 胸 骨 圧 迫 をしてい るのです 両 脇 から 胸 の 上 に 伸 びるアーチ 型 の 足 に 両 腕 を 乗 せて 頂 部 で 手 を 括 りつけ 頂 部 から 垂 直 下 方 向 に 圧 迫 するピコピコハンマー 様 のものが 上 がり 下 がりしています その ような 機 械 が 存 在 していることすら 知 らなかったので 何 とも 無 機 質 なシーンを 目 前 にして とても 驚 きましたが 確 かに 人 手 は 空 くし 正 確 で 絶 え 間 ない 胸 骨 圧 迫 ができていました 14

その 患 者 さんは 残 念 ながら 蘇 生 せず 家 族 が 納 得 した 時 点 で 蘇 生 をやめることとなり 胸 骨 圧 迫 の 機 械 が 止 めて 外 されました なお その 機 械 は 救 急 隊 の 備 品 だったようで 救 急 隊 が 持 ち 帰 っていました 日 本 では 見 たことのない 光 景 でした 4.5 学 んだこと このように 普 段 と 全 く 異 なる 実 習 だったため 毎 日 が 新 鮮 で 多 くのことを 学 ぶことがで きました まず 医 学 的 知 識 としては 熱 傷 患 者 の 治 療 法 を 学 ぶことができました 日 本 では 熱 傷 患 者 さんを 診 察 したことがなかったうえ 治 療 法 について 詳 しく 勉 強 したことがなかったので 貴 重 な 機 会 になりました 初 期 対 応 として ABCDE の 診 察 呼 吸 循 環 動 態 の 安 定 化 そ のための 初 期 輸 液 として 適 切 な 種 類 の 輸 液 を 適 切 な 速 度 で 投 与 必 要 なら 焼 痂 切 開 を 行 い ます 続 いて 壊 死 組 織 のデブリドマン 必 要 に 応 じて 適 切 な 種 類 の 皮 膚 移 植 を 行 います ただ 治 療 の 場 に 参 加 して 覚 えていくのではなく 入 門 レベルの 本 を 用 いて 体 系 的 に 学 ぶこ とで 正 確 で 整 理 された 知 識 を 得 ることができました またアメリカでの 診 療 業 務 の 方 法 を 実 践 的 に 学 ぶことができました 患 者 さんの 状 態 を 臓 器 系 統 別 に 評 価 することは 自 分 が 漏 れ 無 く 整 理 して 把 握 するために 有 用 であるだけ でなく 患 者 さんについて 同 僚 に 伝 えるときの 共 通 フォーマットとしても 役 立 っていまし た またカルテの 構 成 や 書 き 方 も 学 びました カルテの 構 成 は 病 院 によって 異 なると 思 い ますが MGH の 場 合 は 各 病 室 の 入 り 口 に 置 いてある 当 日 の 患 者 さんのバイタルや 看 護 記 録 が 入 ったバインダー スタッフステーションに 置 いてある 前 日 までのバイタル 看 護 記 録 に 加 え 同 意 書 や 医 師 の 毎 日 の 診 療 記 録 シートを 保 管 するバインダー そしてオーダー 検 査 結 果 コメディカル 診 療 記 録 レター コンサルト 診 療 記 録 レターなどが 管 理 されてい るコンピューターのシステムがありました 医 師 によるカルテは 日 本 のような 追 記 式 では なく コンピューターで 管 理 される 現 病 歴 欄 に 保 存 されている 簡 潔 な 現 病 歴 のまとめと 今 後 の 予 定 を 毎 日 必 要 なだけ 書 き 直 して 更 新 するというものです 体 位 や 絶 飲 食 など 患 者 さ んに 関 する 指 示 は 全 て 薬 剤 投 与 指 示 と 同 じオーダーシステムに 一 元 管 理 されていました このように 日 本 で 広 く 使 われている 電 子 カルテシステムとは 大 きく 異 なります 便 利 な 部 分 もありつつも 電 子 化 は 随 分 と 遅 れていて 2016 年 には 大 幅 に 電 子 化 するそうですが アメリカの 病 院 は 電 子 化 が 進 んでいると 思 っていたため 予 想 と 異 なり 意 外 に 思 いました このほか カルテで 頻 用 する 略 語 も 学 びました QD (quaque die: 1 日 1 回 ), BID (bis in die: 1 日 2 回 ), TID (ter in die: 1 日 3 回 ), QID (quater in die: 1 日 4 回 ), Q4H (quaque 4 hora: 4 時 間 毎, 数 字 は 任 意 ), PRN (pro re nata: 頓 用 ), BRP (bathroom privileges: トイレに 自 由 15

に 行 って 良 い, 転 じて 尿 量 計 測 できずの 意 にも), DTV (due to void: もうすぐ 排 尿, 転 じて 尿 道 カテーテル 抜 去 後 数 時 間 以 内 の 排 尿 量 要 確 認 の 意 にも), NPO (nil per os: 絶 飲 食 ), BM (bowel movement: 排 便 )などの 略 語 が 頻 用 されています また 病 棟 診 療 で 頻 用 する 簡 単 な 評 価 記 載 の 方 法 も 学 びました 例 えば 意 識 見 当 識 レベルを 簡 単 に 評 価 記 載 する 方 法 として AAOx4 (awake, alert and oriented to person, place, time and situation/event)とい う 書 き 方 が 使 われています 見 当 識 は 自 分 の 名 前 今 いる 場 所 大 凡 の 時 刻 最 近 の 出 来 事 が 言 えれば 順 に Ox1, Ox2, Ox3, Ox4 と 評 価 しますが 自 分 の 名 前 も 言 えなければ Ox0 と 評 価 します このような 細 かい 各 論 的 な 方 法 論 に 加 え 病 棟 の 雰 囲 気 を 自 ら 体 感 で きたことは アメリカでの 診 療 業 務 の 実 際 を 学 ぶ 上 で 非 常 に 貴 重 な 経 験 でした 制 度 文 化 価 値 観 の 違 いによる 業 務 やコミュニケーシ ョンの 違 いを 学 べたことも 大 きな 収 穫 でした 例 えば 看 護 師 のなかでも 特 定 看 護 師 (registered nurse: RN)とその 他 の 看 護 師 では 仕 事 の 内 容 判 断 の 裁 量 責 任 範 囲 が 全 く 異 なり 特 定 看 護 師 の 裁 量 が 広 いことで 医 師 のページャーで の 呼 び 出 しが 日 本 に 比 べて 圧 倒 的 に 少 ないように 思 えま した また 医 師 看 護 師 OT PT ST 場 合 によって は 学 生 も 含 め 全 スタッフが 各 個 人 を 尊 重 したフラットに 近 い 関 係 でコミュニケーションをしていて 誰 かが 誰 かを 部 下 扱 いする 即 ち 自 分 の 指 示 系 統 下 にあるとして 指 令 す るというようなコミュニケーションは 見 られず みながお 互 いを 同 僚 扱 いしていました その 代 わり 研 修 医 でも 誰 でも 自 分 の 行 動 には 自 分 で 責 任 を 持 っていて 自 分 の 行 動 の 理 由 を 問 われた 時 に 誰 々に 言 われたので と 答 えるのは 認 められません 例 え 最 適 な 根 拠 や 行 動 でなくても 行 動 の 根 拠 があって 論 理 的 に 考 えて 行 動 を 起 こしたなら 認 められ 最 適 でなかったり 間 違 っていたりすれば 訂 正 されるし 良 い 判 断 であれば 本 人 の 力 量 として 評 価 されていました また 患 者 さんとのコミュニケーションにも 違 いがありました 必 ず 朝 の 回 診 で 治 療 の 現 状 やその 日 の 予 定 を 説 明 し 言 い 終 わると Any questions? と 聞 いて 患 者 さんに 会 話 のボールを 投 げていました また 話 しかけるときは 必 ず 患 者 さんの 名 前 を 含 めます お 互 いの 認 識 が 共 有 でき 同 意 があって 初 めて 診 療 が 成 り 立 つ という 認 識 を 感 じました 患 者 さんの 見 当 識 が 著 しく 悪 かったり 重 度 の 認 知 症 であったりしても 患 者 さ んに 語 りかけるという 原 則 は 守 ったうえで ご 家 族 と 話 をしていました また 十 分 に 機 能 しているようには 見 えませんでしたが 各 病 室 の 壁 にホワイトボードがあって 今 日 の 日 付 患 者 さんの 呼 び 名 担 当 看 護 師 名 担 当 医 名 ケアチーム 名 退 院 予 定 日 今 日 の 目 標 医 療 スタッフに 聞 きたいことを 書 く 欄 が 用 意 されていたのは 面 白 かったです 他 に 16

は 病 院 外 のかかりつけ 医 (primary care physician: PCP)の 存 在 や 温 度 は 華 氏 重 さはグ ラム 長 さはメートル インチの 単 位 系 を 主 に 使 うことを 知 りました 英 語 表 現 の 違 いも 面 白 く 例 えば 手 術 室 は operating room ( 英 国 は operating theatre) CT スキャンはしば しば CAT scan と 呼 ばれていて 今 のところ 全 て 大 丈 夫 ですかと 聞 く 時 は You re all set? と 聞 くなど アメリカ 独 特 の 表 現 が 使 われていました ただ 意 外 にも 米 国 の 民 間 保 険 の 影 響 を 垣 間 見 ることはできませんでした 経 営 に 余 裕 があるからか 熱 傷 患 者 病 棟 という 性 質 上 からかは 分 かりませんが MGH にはホームレスの 患 者 さんも 少 なからず 入 院 されていました Shriners はそもそも 誰 にも 治 療 費 を 請 求 しま せん このような 環 境 のため 加 入 している 保 険 によって 治 療 が 変 わったり 選 択 肢 が 狭 ま ったりするシーンに 立 ち 会 うことはありませんでした 以 上 のような 日 米 間 の 様 々な 違 いを 学 べたことは 非 常 に 面 白 かったですが 一 方 で 医 療 を 行 う 上 で 大 切 な 原 則 は 世 界 どこでも 共 通 なのだろうとも 感 じました 例 えば 患 者 さん に 寄 り 添 うこと 患 者 さんをよく 観 察 すること 諸 検 査 結 果 を 解 読 すること プロブレム があれば 鑑 別 を 挙 げてから 絞 り 込 むこと 同 僚 とよくコミュニケーションを 取 ること 緊 急 を 要 する 事 態 であるほど 冷 静 に 振 る 舞 い 考 えて 行 動 すること などの 原 則 は 日 本 と 変 わ りませんでした また 日 米 の 病 院 では 使 う 医 療 器 具 にも 共 通 のものが 多 かったです よ く 経 済 は 国 境 を 越 えると 言 われますが 医 療 も 国 境 を 越 えて 共 通 の 目 標 共 通 の 技 術 を 共 有 しあい 得 るものだと 強 く 実 感 しました 最 後 に このような 研 修 医 / 指 導 医 になりたいと 思 える 医 師 に 出 会 えたことも 大 きな 収 穫 の 一 つでした 5. 生 活 5.1 住 まい 残 念 ながらボストンは 中 心 部 から 郊 外 まで 住 宅 の 供 給 が 需 要 の 割 に 少 なく 一 般 に 家 賃 が 高 いです 賃 料 を 抑 えようとしても 上 手 くみつかりにくいと 思 いますし 安 くても 生 活 し 辛 い 場 所 だとただでさえ 普 段 と 異 なる 環 境 での 実 習 を 続 けるのはストレスフルで 疲 れも 溜 まります このため 費 用 がかかってしまうことを 予 め 受 け 入 れて 予 算 に 入 れておく 方 が 良 いと 思 います 私 の 場 合 11 月 中 旬 から craigslist の sublet ( 又 貸 し) 物 件 や Airbnb を 調 べたりエイブル のボストン 支 店 に 連 絡 したりしましたが 賃 料 が 高 かったり 問 い 合 わせの 連 絡 に 返 事 が 来 なかったりして 中 々 思 うような 物 件 がみつかりませんでした 12 月 中 旬 になって facebook 17

のボストン 日 本 人 研 究 者 交 流 会 というページで 知 り 合 った 方 が 一 ヶ 月 ボストンを 離 れる 間 ご 自 宅 を 貸 してくださるという 幸 運 に 恵 まれ 家 賃 をお 支 払 いしてお 借 りすることになり ました ただし facebook を 使 って 探 すのは 確 実 性 の 低 い 方 法 なのでお 勧 めはしません 友 人 は John Jeffries House という B&B に 泊 まっていましたが MGH 周 辺 の 物 件 とし ては 立 地 も 良 く 価 格 も 相 場 相 応 で 信 頼 性 があり 良 い 物 件 だと 思 います 但 し HMS の 自 習 病 院 は MGH のほか Longwood 地 区 の 病 院 など 複 数 の 場 所 にあるので 自 分 の 実 習 病 院 の 場 所 を 確 かめてから 住 まいの 予 約 をする 必 要 があります 5.2 食 事 普 段 は 朝 ご 飯 と 夜 ご 飯 は 家 で 昼 ご 飯 は 病 院 で 食 べていました 家 での 食 事 は すぐ 近 くにある Whole Foods Market というスーパーで 食 品 を 買 ってきて 朝 はシリアルとパ ン 夜 はトマトソーススパゲッティとサラダを 食 べ 続 けました 病 院 での 昼 ご 飯 は 主 に 病 院 の 食 堂 で 食 べましたが 時 間 が 無 い 時 は 手 術 室 でサンドイッチを 買 って 手 術 の 合 間 に 食 べました 病 院 での 昼 ご 飯 は 量 に 応 じて 4-7 ドル 程 度 かかります 5.3 休 日 休 日 は 観 光 をしたほか 友 人 と 会 ったり 現 地 で 活 躍 されている 日 本 人 医 師 研 究 者 の 先 生 方 を 尋 ねたりすることができました なかでも MGH や 他 の HMS の 関 連 機 関 で 臨 床 研 究 に 従 事 されている 鉄 門 出 身 の 先 生 方 にお 会 いできたことと 以 前 MD 研 究 者 育 成 プログラムでお 世 話 になっていた 倉 知 慎 先 生 を 始 めペンシルベニア 大 学 で 研 究 をされてい る 先 生 方 にアメリカ 東 海 岸 各 地 で 同 時 期 に 実 習 していた M3 の 同 級 生 と 一 緒 にお 会 いでき たことはとても 貴 重 な 経 験 でした 場 合 によってはラボを 見 学 させていただきながら 現 地 で 仕 事 のお 話 を 伺 える 機 会 は 滅 多 にありません 貴 重 なお 時 間 を 下 さった 先 生 方 に 改 めて 御 礼 申 し 上 げます なお ボストンは 沢 山 の 観 光 スポットがコンパクトにまとまった 街 で 割 合 簡 単 に 歩 き 回 れます もし 予 算 に 余 裕 があれば 同 じアメリカ 東 海 岸 のペンシルベニア ニューヨー ク ワシントン D.C.などを 訪 れてみるのもお 勧 めです 18

6. 費 用 1 ドル= 実 質 107 円 として! 45 万 円 学 費 送 金 手 数 料! 21 万 円 航 空 券! 16 万 円 宿 泊! 6.5 万 円 食 費 (うち 外 食 3.9 万 円 )! 1.7 万 円 ビザ 申 請! 1.7 万 円 生 活 用 品 米 国 インフルエンザワクチン 市 内 交 通 雑 費 合 計 92 万 円 ( 週 末 のフィラデルフィア 旅 行 を 除 く) 7. 参 考 HMS Exchange Clerkship Program ウェブサイト http://ecommons.med.harvard.edu/org.asp?exclerk HMS Elective Course Catalog http://www.medcatalog.harvard.edu/subjectareas.aspx Morning Report Tips (Keck School of Medicine, University of Southern California) http://keck.usc.edu/en/education/academic_department_and_divisions/departme nt_of_medicine/education_and_training/chief_resident/~/media/docs/departmen ts/medicine/chief%20resident/education/morning%20report%20tips.pdf Crash Course for Third Year (Stritch School of Medicine, Loyola University of Chicago) http://www.stritch.luc.edu/sas/sites/default/files/site_hsd_sas/m3_crash_course.pdf 連 載 これから 始 めるアメリカ 臨 床 留 学 ( 医 学 書 院 ) http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2002dir/n2470dir/n2470_12.htm http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2002dir/n2474dir/n2474_09.htm#00 以 上 19