既 納 品 リニューアルガイド 2011 年 版 2011 年 12 月 社 団 法 人 リビングアメニティ 協 会
既 納 品 リニューアルガイド 目 次 1. リニューアルのすすめ P.3 1.1 リニューアル 工 事 の 必 要 性 P.3 1.2 リニューアル 工 事 をすれば P.3 1.3 リニューアル 工 事 のお 勧 め 内 容 P.4 2. リニューアルの 時 期 P.5 2.1 エレベーターの 耐 用 年 数 とリニューアルの 必 要 性 P.6 2.2 社 会 的 要 求 の 変 化 P.7 3. リニューアルの 方 法 P.8 3.1 全 撤 去 リニューアル P.8 3.2 部 分 リニューアル P.8 4. リニューアルの 種 類 P.9 4.1 安 心 安 全 P.9 4.2 利 便 快 適 P.10 4.3 省 エネ 省 コスト P.12 4.4 防 犯 防 災 P.13 4.5 バリアフリー P.14 4.6 耐 震 強 化 P.16 5. 既 存 不 適 格 について P.18 6. リニューアル 時 の 注 意 点 P.20 2
1. リニューアルのすすめ 1.1 リニューアル 工 事 の 必 要 性 エレベーター 設 備 は 他 の 建 築 設 備 と 同 様 に 適 切 な 保 守 点 検 をしていても エレベーターの 安 全 性 機 能 性 意 匠 性 は 維 持 されていますが エレベーターシステム 全 体 としての 物 理 的 劣 化 は 避 けられません また 社 会 環 境 の 変 化 に 伴 い エレベーターに 要 求 される 機 能 安 全 性 等 も 年 々 高 度 化 しています 1.2 リニューアル 工 事 をすれば 安 全 快 適 省 エネ 防 犯 バリアフリー 耐 震 等 の 側 面 からエレベーター 設 備 のリニュー アル 工 事 ( 改 修 工 事 )をすることにより お 客 様 の 所 有 されるマンションの 資 産 価 値 を 高 め ます また 様 々な 社 会 情 勢 の 変 化 により 改 定 される 法 令 に 適 合 するためのリニューアルを 行 い お 客 様 のエレベーターをより 安 全 なものにすることが 出 来 ます 3
1.3 リニューアル 工 事 のお 勧 め 内 容 マンションを 含 め 建 物 の 大 規 模 なリニューアル 工 事 は10 年 ~15 年 の 周 期 で 行 われてい ることが 一 般 的 です エレベーターの 初 期 性 能 は 保 守 によって 維 持 されていますが それでも 少 しずつ 微 妙 に 劣 化 が 進 んでいます よってエレベーターも 年 数 に 合 わせた 計 画 的 リニューアル 工 事 が 必 要 とな ります エレベーターの 場 合 長 年 適 正 な 保 守 を 続 けても 日 進 月 歩 の 技 術 革 新 で 機 能 は 旧 式 になっ てます そのために いつ どのような リニューアル 工 事 を 行 うかが 快 適 住 環 境 の 維 持 向 上 を 目 指 す 重 要 なポイントになります 従 って このリニューアルガイドは 時 代 の 変 化 にうまく 対 応 した 計 画 的 なリニューアル 工 事 をお 客 様 にお 勧 めするものです お 勧 め 内 容 安 心 安 全 乗 降 時 の 安 全 機 能 利 用 時 の 安 全 機 能 有 事 の 際 の 安 心 機 能 利 便 快 適 インフォメーション 機 能 かご 内 環 境 の 改 善 省 エネ 省 コスト VF 方 式 の 採 用 LED 照 明 低 コストリニューアルの 提 案 防 犯 防 災 セキュリティーの 改 善 ( 防 犯 カメラ) 遮 煙 EV ドアの 設 置 管 制 運 転 の 付 加 バリアフリー 車 いす 仕 様 視 覚 障 がい 者 仕 様 聴 覚 障 がい 者 仕 様 耐 震 強 化 最 新 耐 震 基 準 の 適 用 耐 震 クラスの UP 地 震 感 知 器 の 設 置 最 新 基 準 の 適 用 既 存 不 適 格 の 解 消 最 新 機 能 採 用 による 安 全 性 の 向 上 4
2. リニューアルの 時 期 エレベーターの 定 期 的 なメンテナンスでは 性 能 の 維 持 故 障 の 低 減 など 安 全 性 や 快 適 性 の 維 持 管 理 を 目 的 として 設 置 年 数 や 走 行 時 間 に 対 応 した 点 検 調 整 部 品 交 換 及 び 修 理 を 行 っ ております しかし 適 切 なメンテナンスを 行 っていても 使 用 部 品 の 摩 耗 劣 化 あるい は 製 造 中 止 などの 物 理 的 な 理 由 によって 初 期 性 能 特 性 を 維 持 する 事 が 難 しくなり 他 の 建 築 設 備 と 同 様 にエレベーターにも 寿 命 が 生 じます 一 般 的 に 建 物 の 寿 命 は50~60 年 といわれていますが エレベーターの 計 画 耐 用 年 数 は2 5 年 *と 設 定 されています 従 って 20~25 年 以 上 経 過 したエレベーターについては 信 頼 性 安 全 性 運 転 効 率 省 エネルギーなどの 性 能 が 向 上 した 最 新 機 種 へのリニューア ルをお 勧 めします * 公 益 社 団 法 人 ロングライフビル 推 進 協 会 の LCC(ライフサイクルコスト) 評 価 指 針 による 5
2.1 エレベーターの 耐 用 年 数 とリニューアルの 必 要 性 主 要 装 置 平 均 耐 用 年 数 公 益 社 団 法 人 ロングライフビル 推 進 協 会 (BELCA)のライフサイクル 評 価 指 針 による エレベーターの 主 要 機 器 ( 制 御 盤 等 )の 平 均 的 な 耐 用 年 数 で20 年 と 定 められています 法 定 償 却 耐 用 年 数 減 価 償 却 資 産 の 耐 用 年 数 等 に 関 する 省 令 は 税 法 における 減 価 償 却 資 産 の 耐 用 年 数 について 課 税 の 公 平 性 を 図 るために 設 けられた 基 準 で 法 定 償 却 耐 用 年 数 と 言 った 場 合 この 省 令 に 定 められた 耐 用 年 数 を 指 し エレベーターの 場 合 17 年 と 定 められています ただし この 年 数 を 過 ぎたからと 言 ってすぐにエレベーターが 使 用 出 来 なくなる 訳 では 有 りません POG 契 約 POG とは Parts(パーツ) Oil(オイル) Grease(グリス)の 頭 文 字 のこと つ まり POG 契 約 とは 定 期 点 検 管 理 仕 様 範 囲 内 の 消 耗 品 の 交 換 を 含 む 契 約 です 1 回 分 のメンテナンスにかかるコストを 最 低 限 に 抑 える 一 方 そのほかの 消 耗 品 や 部 品 の 交 換 修 理 については 別 途 費 用 が 必 要 です フルメンテナンス 契 約 フルメンテナンス 契 約 とは 通 常 使 用 において 発 生 する 消 耗 品 や 部 品 の 交 換 修 理 を 含 んだ 契 約 のことです その 都 度 見 積 もりや 支 払 いを 行 う 必 要 がないため 分 譲 マン ションなど 予 め 予 算 計 上 をしておきたい 場 合 に 適 しています 6
2.2 社 会 的 要 求 の 変 化 エレベーターに 求 められる 機 能 や 安 全 基 準 などの 社 会 的 要 求 も 年 々 変 化 しています バリア フリー 地 震 対 策 省 エネルギーなど 社 会 的 要 求 に 応 えることは 建 物 の 資 産 価 値 向 上 のた めにも 重 要 です エレベーターは 建 物 の 重 要 な 交 通 手 段 です 利 用 する 方 に不 便 をかけないよう 必 要 なとこ ろから 効 率 的 にリニューアルすることをお 勧 めします 7
3.リニューアルの 方 法 エレベーターのリニューアル 手 段 (エレベーターの 再 生 )には 全 撤 去 リニューアルと 部 分 リニューアルがあります 部 分 リニューアルには 機 器 の 入 れ 換 えと 仕 様 の 追 加 の2 種 類 の 方 法 があります 3.1 全 撤 去 リニューアル 既 設 エレベーターの 関 係 機 器 を 全 て 撤 去 後 エレベーターを 新 設 する 方 法 です 例 機 械 室 があるエレベーターから マシンルームレス 型 エレベーターへの 撤 去 新 設 3.2 部 分 リニューアル 機 器 の 入 れ 換 え 既 設 エレベーター 機 器 の 一 部 を 残 し 機 器 を 入 れ 換 えて 改 修 する 方 法 です 例 駆 動 装 置 制 御 器 の 更 新 インバーター 化 戸 開 走 保 護 装 置 対 応 電 気 部 品 ( 昇 降 路 内 スイッチ その 他 )の 更 新 ワイヤーロープの 更 新 ( 素 線 切 れ) シーブの 更 新 ( 溝 の 摩 耗 による 劣 化 ) 意 匠 面 (かご 内 仕 上 等 )の 更 新 操 作 盤 ( 液 晶 パネル 押 しボタン 等 の 変 更 ) の 更 新 仕 様 の 追 加 仕 様 を 追 加 するという 方 法 で 新 たな 機 能 が 加 わる 方 法 です 例 車 いす 仕 様 への 更 新 地 震 時 管 制 運 転 装 置 (P 波 センサー 付 リスタート 機 能 付 )の 付 加 停 電 時 自 動 着 床 装 置 の 付 加 火 災 時 管 制 運 転 装 置 の 付 加 かご 内 防 犯 カメラの 付 加 遠 隔 監 視 装 置 の 付 加 遮 煙 性 能 付 乗 場 扉 への 更 新 耐 震 性 向 上 対 策 8
4. リニューアルの 種 類 4.1 安 心 安 全 着 床 誤 差 改 善 制 御 系 の 刷 新 により 着 床 誤 差 が 改 善 され より 正 確 により 優 しくエレベーターは 動 作 します 非 接 触 のドアセンサー 非 接 触 の 多 光 軸 センサー 採 用 で ドアにはさまれにくくなります 戸 袋 引 き 込 まれ 防 止 かごドアの 戸 袋 に 手 が 引 き 込 まれるのを 防 止 するセンサーです ドア 繰 返 し 開 閉 動 作 ドアに 異 常 があった 場 合 は 自 動 でドア 繰 返 し 開 閉 動 作 を 行 い 異 常 を 解 消 します ドア 過 負 荷 反 転 装 置 ドアに 加 わる 力 が 一 定 値 を 越 えた 場 合 にドアを 反 転 させる 装 置 です 敷 居 間 のすき 間 を 削 減 かごと 乗 場 の 敷 居 間 のすき 間 を 削 減 し 落 下 物 軽 減 と 台 車 などの 脱 輪 防 止 になります ゴミつまり 対 策 ゴミつまりによるドアの 動 作 不 良 解 消 の 為 敷 居 の 溝 にゴミ 落 としの 穴 を 設 けています 故 障 時 最 寄 階 自 動 着 床 運 転 エレベーターの 戸 が 開 かなかったり 故 障 などで 階 と 階 の 間 で 停 止 してしまった 場 合 に 故 障 の 程 度 を 自 動 的 に 判 別 し エレベーターを 最 寄 階 まで 走 行 し 安 全 に 外 に 出 る 事 が 出 来 ます ユニバーサルデザイン 仕 様 車 いすご 利 用 の 方 視 覚 障 がい 者 の 方 に 対 応 する 仕 様 です 非 接 触 のドアセンサー 敷 居 間 のすき 間 を 削 減 9
4.2 利 便 快 適 エレベーターのリニューアルは 意 匠 が 新 しくなるだけでなく 基 本 性 能 の 向 上 により 快 適 な 乗 り 心 地 が 得 られます 利 用 状 況 に 応 じた 音 声 表 示 による 案 内 機 能 や 運 転 効 率 を 低 下 させる 操 作 のリセット 機 能 な ど 利 便 性 も 向 上 し 安 心 して 長 くお 使 いいただくための 最 新 のメンテナンスサービスもご 提 供 可 能 となります 天 井 照 明 や 操 作 盤 などの 意 匠 面 がリフレッシュ 明 るくモダンな 天 井 照 明 や 木 目 調 のかご 側 板 など 最 新 の 意 匠 バリエーションをラインア ップ ユニバーサルデザインに 配 慮 した 操 作 盤 のボタンは 意 匠 性 のほか 操 作 性 も 向 上 これらを 採 用 することで 全 く 新 しいエレベーターに 生 まれ 変 わります マイコン 制 御 の 採 用 で 基 本 性 能 が 向 上 マイコン 制 御 の 採 用 により エレベーター 走 行 中 の 振 動 や 騒 音 スタート ストップ 時 の ショックを 低 減 され 静 かで 滑 らかな 乗 り 心 地 を 実 現 します また ドアの 開 閉 もスムーズになり 安 全 性 の 向 上 が 図 れます 気 くばりの 行 き 届 いた 音 声 案 内 と 多 彩 な 液 晶 表 示 機 能 かごの 乗 り 降 り 状 況 や 混 み 具 合 ボタンの 操 作 状 況 に 合 せて 音 声 で 注 意 喚 起 する 機 能 が 搭 載 されています また 液 晶 を 採 用 したインジケーターでは 運 転 方 向 や 階 床 表 示 のほか 非 常 時 には 状 況 に 応 じた 適 切 な 案 内 が 表 示 されます さらに 液 晶 インジケーターでは かご 内 の 防 犯 カメラ 映 像 を 表 示 させることができるた め 防 犯 にも 効 果 的 です 通 常 時 非 常 時 カメラ 使 用 時 10
ちょっとした 操 作 の 誤 りやいたずらにも 柔 軟 に 対 応 操 作 盤 の 行 き 先 階 ボタンを 誤 って 押 してしまった 場 合 でも 連 続 して 数 回 押 すこと 等 *で 行 き 先 階 の 登 録 を 取 り 消 すことができます (*メーカーにより 方 法 は 異 なります) また 利 用 者 がいない 状 態 で 行 き 先 階 ボタンが 多 数 押 されているなど 不 自 然 な 状 態 を 検 出 すると 呼 び 登 録 をキャンセルします 最 新 のメンテンテナンス 技 術 と 充 実 のサポート 体 制 24 時 間 365 日 機 能 運 行 状 況 を 遠 隔 で 監 視 診 断 する 最 新 のメンテナンスシステム で 点 検 時 間 を 大 幅 に 短 縮 します ( メンテナンス 契 約 が 必 要 です) 非 常 時 には 管 制 センターに 自 動 通 報 し かご 内 のインターホンで 管 制 センターの 係 員 と 会 話 ができるなど サポート 体 制 も 充 実 します 11
4.3 省 エネ 省 コスト 耐 震 基 準 福 祉 対 策 新 安 全 基 準 の 制 定 等 エレベーターを 取 り 巻 く 環 境 は 年 々 変 化 してお り 安 全 安 心 利 便 快 適 性 への 要 望 が 強 くなるとともに エレベーターを 含 むビル 設 備 の 省 エネ 化 に 対 するニーズも 高 まっています 従 来 型 のエレベーターと 比 較 し 最 新 型 のエ レベーターでは 制 御 方 式 の 高 度 化 等 エレベーター 技 術 も 年 々 進 化 しており 新 型 のエレ ベーターへのリニューアルにより 従 来 型 のエレベーターと 比 較 し 消 費 電 力 を 大 幅 に 低 減 す ることが 可 能 です また 消 費 電 力 を 低 減 することにより 電 気 料 金 を 節 約 できます さらに 消 費 電 力 低 減 による 省 エネ 化 の 実 現 により CO2 排 出 量 削 減 に 貢 献 できます :インバーターを 用 いて 可 変 の 電 圧 周 波 数 の 交 流 電 源 により 電 動 モーターの 速 度 を 制 御 する 方 式 本 方 式 は 省 エネ 効 果 もあり 近 年 利 用 分 野 が 拡 大 している 新 型 ギアレス 巻 上 機 とインバーター 制 御 巻 上 機 に 永 久 磁 石 式 モーターを 搭 載 したギアレス 巻 上 機 を 採 用 また 制 御 盤 はインバータ ー 制 御 を 採 用 したことにより 消 費 電 力 を 低 減 できます 低 消 費 電 力 で 長 寿 命 なLED 照 明 従 来 かご 天 井 の 照 明 には 蛍 光 灯 を 使 用 してきましたが LED 照 明 を 採 用 することにより 消 費 電 力 を 低 減 できます LED Light Emitting Diode とは 導 電 することによって 発 光 する 半 導 体 素 子 のことであり 発 光 ダイオードとも 呼 ぶ 寿 命 が 白 熱 灯 と 比 較 し 圧 倒 的 に 長 いため 近 年 ビルの 照 明 に 採 用 され 始 めてきており 次 世 代 の 照 明 として 期 待 されている かご 照 明 換 気 扇 の 自 動 休 止 一 定 時 間 エレベーターの 利 用 がない 時 に かご 室 内 の 照 明 や 換 気 扇 を 自 動 的 に 休 止 し 消 費 電 力 を 低 減 できます 12
4.4 防 犯 防 災 4.4.1 防 犯 防 犯 カメラ(デジタルレコーダー モニター) かご 内 に 防 犯 カメラを 取 り 付 け 管 理 人 室 又 はかご 上 にデジタルレコーダーを 設 置 して 映 像 を 記 録 することができる 装 置 です カメラで 監 視 されていることで 犯 罪 の 抑 止 効 果 による 安 心 感 と 犯 罪 が 起 きた 場 合 に 記 録 された 映 像 により 犯 罪 の 解 決 に 寄 与 します 乗 場 等 にモニターを 設 置 し リアルタイムで かご 内 の 映 像 を 写 すこともできます 警 報 装 置 かご 内 の 非 常 ボタンを 押 すことにより かご 上 や 外 部 の 警 報 装 置 を 鳴 動 させると 共 に 各 階 停 止 運 転 を 行 う 装 置 です かご 内 での 異 常 を 感 じられた 時 に 非 常 ボタンを 押 すことにより 外 部 に 通 報 することができます またエレベーターが 昇 降 中 の 場 合 は 最 寄 階 に 着 床 して 戸 が 開 きますので 直 ぐにかご 内 から 退 避 することができます 防 犯 窓 ドアに 防 犯 窓 を 設 けて かご 内 の 状 況 が 乗 場 から 見 えるガラス 製 の 窓 です かご 内 の 状 況 が 見 えることにより 犯 罪 やいたずらを 抑 止 することができます また 従 来 サイズの 防 犯 窓 を 現 在 主 流 の 大 型 防 犯 窓 にすることにより 視 角 が 広 がり さらに 安 心 感 が 増 えます 4.4.2 防 災 地 震 時 管 制 運 転 装 置 (P 波 センサー 付 リスタート 機 能 付 ) P 波 センサーで 初 期 微 動 を 感 知 して 地 震 時 管 制 運 転 を 行 い 自 動 的 に 最 寄 階 に 着 床 して 戸 を 開 く 装 置 です 本 震 (S 波 )が 来 る 前 に 管 制 運 転 を 行 うため 利 用 者 の 閉 じ 込 めや 機 器 の 損 傷 被 害 の 拡 大 を 防 止 します また リスタート 機 能 付 の 場 合 は 地 震 の 揺 れで 安 全 装 置 が 作 動 し エレベーターが 停 止 しても 安 全 装 置 の 復 帰 を 確 認 し 管 制 運 転 を 再 開 して 閉 じ 込 めを 防 止 します 停 電 時 自 動 着 床 装 置 停 電 時 にバッテリーに 切 り 替 え 最 寄 階 まで 運 転 し 戸 を 開 く 装 置 です 停 電 が 発 生 した 場 合 に 自 動 的 にバッテリー 電 源 に 切 り 替 え エレベーターを 最 寄 階 まで 低 速 運 転 させて 戸 を 開 き 利 用 者 の 閉 じ 込 めを 防 止 します 火 災 時 管 制 運 転 装 置 火 災 信 号 を 受 信 すると 避 難 階 まで 直 行 運 転 し 戸 を 開 く 装 置 です 避 難 階 に 停 止 時 は 直 ぐ に 戸 が 開 き 他 階 にいる 場 合 は 避 難 階 まで 運 転 して 戸 が 開 き かご 内 から 利 用 者 が 避 難 す ることができます 13
4.5 バリアフリー 高 齢 者 障 がい 者 等 の 移 動 等 の 円 滑 化 の 促 進 に 関 する 法 律 (バリアフリー 法 ) が 平 成 18 年 (2006 年 )12 月 20 日 に 施 行 されました 高 齢 者 車 いす 利 用 者 視 覚 障 がい 害 者 の 方 にも 利 用 しやすいエレベーターにリニューアル することをお 勧 めします バリアフリー かご 内 に 手 摺 を 設 置 することで 高 齢 者 や 足 の 不 自 由 な 方 へのサポートができます 見 やすい 液 晶 またはLEDインジケーターでエレベーターの 運 転 方 向 や 位 置 をお 知 らせ します 聴 覚 障 がい 者 の 方 にも 御 利 用 しやすくなります リニューアル 前 リニューアル 後 光 電 ビームセンサーが 検 知 している 間 一 定 時 間 ドアが 開 きつづける 安 全 装 置 です 高 齢 者 車 いす 利 用 者 視 覚 障 がい 者 の 方 にもより 一 層 安 全 に 使 用 頂 けます リニューアル 前 リニューアル 後 14
車 いす 仕 様 車 いすの 利 用 者 にも 押 しやすい 高 さに 乗 場 ボタンを 設 置 します 車 いすの 利 用 者 にも 押 しやすい 高 さにカゴ 操 作 盤 を 設 置 します 車 いす 用 かご 内 背 面 鏡 の 設 置 で 車 いすの 方 でも 背 後 の 様 子 が 確 認 でき 降 りる 際 に 大 変 便 利 です 敷 居 の 隙 間 を10mmにすることで 車 いすの 脱 輪 を 防 止 し 安 心 して 御 利 用 頂 けます リニューアル 前 リニューアル 後 視 覚 障 がい 者 仕 様 視 覚 障 がい 者 の 方 でも 利 用 しやすい 様 に 点 字 プレートを 設 置 します ボタンを 押 すとピッと 音 を 鳴 らし 行 き 先 が 登 録 されたことをお 知 らせします 音 声 で 戸 開 戸 閉 の 案 内 や 着 床 の 案 内 をします 視 覚 障 がい 者 の 方 でも 安 心 してご 利 用 頂 けます 15
4.6 耐 震 強 化 エレベーターの 耐 震 基 準 は 今 日 まで 大 きな 地 震 が 発 生 する 度 に 制 定 または 見 直 しされてい ます リニューアルすることによって 最 新 の 耐 震 基 準 をクリアし 地 震 に 対 して 強 いエレ ベーターとなります かご おもり 脱 レール 防 止 巻 上 機 制 御 盤 転 倒 防 止 地 震 時 管 制 運 転 より 一 層 の 耐 震 性 強 化 ( 運 行 限 界 の 向 上 ) おもりブロック 脱 落 防 止 更 なる 耐 震 性 強 化 ( 運 行 限 界 の 向 上 ) 長 周 期 地 震 動 対 策 更 なる 耐 震 性 強 化 ( 運 行 限 界 の 向 上 ) ~ 1970 1980 1990 2000 2010 ~ メーカー 自 主 基 準 1972 年 制 定 日 本 エレベータ 協 会 1981 年 制 定 昇 降 機 防 災 対 策 基 準 エレベーター 耐 震 設 計 施 工 指 針 サンフェルナンド 地 震 宮 城 県 沖 地 震 釣 合 おもりの 脱 レールや 巻 上 機 制 御 盤 の 移 動 転 倒 が 多 発 再 び 釣 合 おもりの 脱 レールや 巻 上 機 制 御 盤 の 移 動 転 倒 が 多 発 1998 年 制 定 昇 降 機 耐 震 設 計 施 工 指 針 兵 庫 県 南 部 地 震 新 潟 県 中 越 地 震 千 葉 県 北 西 部 を 震 源 とする 地 震 過 去 発 生 しなかったおもりブロック の 脱 落 など 発 生 2009 年 制 定 昇 降 機 耐 震 設 計 施 工 指 針 2009 年 版 長 周 期 地 震 動 によるロープ 類 の 引 っ 掛 り 発 生 地 震 管 制 運 転 による 閉 じ 込 め 多 発 耐 震 強 度 を 強 化 地 震 時 の 故 障 損 傷 を 防 止 します 16
ロー ープなどの 引 っ 掛 り 防 止 対 策 長 周 期 地 震 によってロープなどが 振 れ 昇 降 路 内 の 突 出 物 に 引 っ 掛 って 運 行 不 能 となるの を 防 止 します 長 周 期 地 震 長 周 期 時 震 とは 通 常 の 地 震 とは 異 なり ゆっ っくりとした 周 期 でゆれる 地 震 のことで す 建 物 との 共 振 によるロープ 類 の揺 れに 対 する 対 策 強 化 を 行 います かご 釣 合 おもりの 脱 レー ール 防 止 対 策 およびおもりブロック 脱 落 防 止 対 策 かごや 釣 合 おもりがレールから 外 れてお 互 いに 衝 突 してしまうような 危 険 をなくします 運 行 限 界 の 向 上 による 地 震 管 制 運 転 機 能 での 閉 じ 込 め 防 止 P 波 を 感 知 して 最 寄 階 に 着 床 耐 震 性 強 化 によってより 強 い 地 震 でも 運 行 可 能 となり 閉 じ 込 めを 防 ぎます 17
5. 既 存 不 適 格 について 既 存 不 適 格 とは? 建 設 当 時 には 適 法 に 建 てられた 建 築 物 であって その 後 法 令 の 改 正 等 によって 現 行 法 令 に 対 して 不 適 格 な 部 分 が 生 じた 建 築 物 のことをいいます (エレベーターも 同 様 です ) 建 築 基 準 法 第 3 条 第 2 項 適 用 の 除 外 ( 不 遡 及 の 原 則 )の 規 定 により 既 存 建 築 物 に 対 して 新 たに 定 められた 法 令 の 規 定 が 適 用 されないことが 定 められており 違 法 ではあり ません そのため 従 前 どおり 継 続 して 使 用 が 可 能 です ただし 確 認 申 請 を 必 要 とす るエレベーターの 改 修 等 の 際 には 現 行 法 令 に 適 合 することが 求 められます また 年 1 回 の 定 期 検 査 では 既 存 不 適 格 と 指 摘 されます 耐 震 性 安 全 性 の 向 上 や 社 会 環 境 への 適 応 といった 観 点 からも 改 善 することを 推 奨 いたし ます エレベーターの 法 令 改 正 は 複 数 回 おこなわれており 設 置 時 期 により 既 存 不 適 格 の 内 容 が 異 なります 以 下 では 設 置 時 期 別 に 既 存 不 適 格 の 内 容 を 解 説 いたします 改 正 の 概 要 下 表 はエレベーターに 関 する 年 代 別 の 法 令 改 正 ( 基 準 の 追 加 等 ) 内 容 です それぞれの 年 代 以 前 に 設 置 されたエレベーターは その 後 の 各 年 代 の 法 令 改 正 内 容 につい て 既 存 不 適 格 となります 18
戸 開 走 行 保 護 装 置 の 設 置 (ブレーキの 二 重 化 )の 例 地 震 時 管 制 運 転 装 置 の 設 置 ( 予 備 電 源 付 )の 例 安 全 に 係 わる 技 術 基 準 の 明 確 化 の 例 ( 耐 震 対 策 の 例 ) 1 滑 節 構 造 部 の 外 れ 防 止 措 置 2 駆 動 装 置 制 御 器 の 転 倒 移 動 防 止 措 置 3ロープ 滑 車 溝 外 れ 防 止 措 置 4 昇 降 路 内 突 出 物 の 保 護 措 置 19
6. リニューアル 時 の 注 意 点 エレベーターの 確 認 申 請 の 提 出 リニューアル 内 容 によりエレベーターの 確 認 申 請 を 提 出 する 必 要 が 有 ります 下 記 の 場 合 は 確 認 申 請 が 必 要 となります 1) 機 械 室 を 移 設 する 時 2)エレベーターを 全 部 取 り 換 える 時 ( 乗 場 戸 三 方 枠 レールを 残 す 場 合 も 全 部 取 り 換 えとみなす ) 3)エレベーターの 用 途 を 変 更 する 時 4) 定 員 積 載 荷 重 速 度 を 変 更 する 時 5) 昇 降 行 程 を 延 長 する 時 また これ 以 外 でも 確 認 申 請 の 提 出 が 必 要 な 場 合 が 有 りますので 管 轄 の 特 定 行 政 庁 また は 指 定 機 関 等 に 確 認 が 必 要 です 建 物 強 度 の 確 認 エレベーター 構 造 の 変 更 により 建 物 に 掛 かる 荷 重 条 件 が 変 わる 場 合 建 物 の 強 度 確 認 が 必 要 となる 場 合 が 有 ります 昇 降 路 の 防 火 区 画 の 確 認 現 行 の 建 築 基 準 法 施 行 令 第 112 条 に 適 合 しているか 確 認 下 さい エレベーターの 乗 場 扉 を 遮 煙 性 能 を 満 たす 構 造 とする 必 要 が 有 る 場 合 が 有 ります 電 気 設 備 の 確 認 動 力 線 遮 断 器 の 容 量 及 び 電 線 の 引 込 経 路 を 確 認 下 さい また 故 障 自 動 通 報 装 置 等 を 新 たに 設 置 する 場 合 は 専 用 の 電 話 回 線 が 必 要 となります 昇 降 路 頂 部 に 煙 感 知 器 の 設 置 が 必 要 になる 場 合 が 有 ります エレベーター 利 用 者 への 注 意 喚 起 リニューアル 工 事 期 間 中 はエレベーターが 使 用 できませんので その 旨 を 利 用 者 へお 伝 え 下 さい 20