1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 表 3 フルオロキノロン 系 抗 菌 剤 の 原 体 流 通 量 ( 実 量 ) 種 類 年 次 原 体 流 通 量 (kg) ERFX OFLX OBFX DFLX DNFX 合 計 牛 豚 鶏 肉 牛

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 資 料 5 家 畜 等 に 使 用 するフルオロキノロン 系 抗 菌 剤 による 薬 剤 耐 性 菌 に 関 する 食 品 健 康 影 響 評 価 について( 案 ) Ⅰ. ハザードの 特 定 に 関 する 知 見 1. 名 称 及 び 化 学 構 造 (1) 名 称 評 価 対 象 のフルオロキノロン 系 抗 菌 剤 の 一 般 名 化 学 名 CAS 番 号 分 子 量 分 子 式 を 表 1に 示 した (2) 化 学 構 造 評 価 対 象 のフルオロキノロン 系 抗 菌 剤 の 構 造 式 を 表 2に 示 した (3) 有 効 成 分 の 系 統 フルオロキノロン 系 抗 菌 剤 は ノルフロキサシン(NFLX) 以 降 に 合 成 された 塩 基 性 環 の 6 位 にフッ 素 7 位 に 環 状 塩 基 性 基 を 有 するキノロン 薬 の 総 称 である 動 物 用 医 薬 品 としては 1991 年 ( 平 成 3 年 )11 月 にエンロフロキサシン(ERFX)が 牛 及 び 鶏 用 で 承 認 されて 以 来 動 物 の 細 菌 感 染 症 に 対 する 治 療 剤 として 重 要 な 抗 菌 剤 となっている 食 用 動 物 に 使 用 する 動 物 用 医 薬 品 としては ERFX の 他 に オフロキサシン(OFLX) オルビフロキサシン(OBFX) ジフロキサシン(DFLX) ダノフロキサシン(DNFX) 及 び NFLX が 現 在 承 認 されており OBFX が 新 投 与 経 路 の 承 認 申 請 及 びマルボ フロキサシン(MBFX)が 新 規 承 認 申 請 されている 関 連 する 系 統 としては オールド キノロン 系 の 合 成 抗 菌 剤 として オキソリン 酸 ナリジクス 酸 フルメキン 及 びミロキ サシンが 動 物 用 医 薬 品 として 使 用 されている 2. 使 用 方 法 フルオロキノロン 系 抗 菌 剤 は その 広 い 抗 菌 スペクトルと 強 い 抗 菌 力 により 食 用 動 物 の 呼 吸 器 感 染 症 及 び 消 化 管 感 染 症 ( 大 腸 菌 症 )の 治 療 に 欠 かせないものとなっている 動 物 用 としてのフルオロキノロン 系 抗 菌 剤 は 製 剤 の 販 売 が 1991~1992 年 頃 から 始 ま り 原 体 の 実 量 として 年 間 約 5,800kg(2003 年 )が 流 通 している( 表 3) 1

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 表 3 フルオロキノロン 系 抗 菌 剤 の 原 体 流 通 量 ( 実 量 ) 種 類 年 次 原 体 流 通 量 (kg) ERFX OFLX OBFX DFLX DNFX 合 計 牛 豚 鶏 肉 牛 乳 牛 肉 用 鶏 産 卵 鶏 2001 2,021 171 176 223 1,450-2002 1,641 411 259 216 377-2003 2,862 244 381 246 1,990-2001 1,098 - - - 1,098-2002 166 - - - 166-2003 885 - - - 885-2001 494 147 49 298 - - 2002 362 27 18 317 - - 2003 500 57 38 406 - - 2001 1 - - 1 - - 2002 ( 報 告 なし) - - ( 報 告 なし) - - 2003 163 - - 163 - - 2001 108 15 15 70 8-2002 105 16 16 74 - - 2003 80 12 12 56 - - NFLX 2001 1,982 - - 701 1,025 256 2002 1,828 - - 914 731 183 2003 1,305 - - 419 709 177 合 計 (2003) 5,795 313 431 1,290 3,584 177 評 価 対 象 のフルオロキノロン 系 抗 菌 剤 における 対 象 家 畜 投 与 経 路 用 法 用 量 休 薬 期 間 等 の 詳 細 は 表 4のとおりである また フルオロキノロン 系 抗 菌 剤 は ヒト 用 医 薬 品 としてもその 重 要 性 が 高 いことか ら 食 用 動 物 への 使 用 は 原 則 として 全 て 第 二 次 選 択 薬 かつ 要 指 示 薬 となっており 投 与 期 間 も 最 長 で 5 日 以 内 に 限 定 されている すべてのフルオロキノロン 系 抗 菌 剤 に 共 通 する 一 般 的 な 注 意 事 項 は 以 下 のとおりである (1) 本 剤 は 要 指 示 医 薬 品 であるので 獣 医 師 の 処 方 箋 指 示 により 使 用 すること (2) 本 剤 は 第 一 選 択 薬 が 無 効 の 症 例 のみに 限 り 使 用 すること (3) 本 剤 は 効 能 効 果 において 定 められた 適 応 症 の 治 療 にのみ 使 用 すること (4) 本 剤 は 定 められた 用 法 用 量 を 厳 守 すること なお 用 法 要 領 に 定 められた 期 間 以 内 の 投 与 であっても それを 反 復 する 投 与 は 避 けること 3. 対 象 家 畜 等 における 生 体 内 薬 物 動 態 (1) 吸 収 分 布 フルオロキノロン 系 抗 菌 剤 を 供 試 動 物 に 投 与 した 場 合 の 血 漿 中 濃 度 は 薬 剤 や 供 試 動 物 の 種 類 投 与 経 路 投 与 量 などにより 様 々であるが T max は 概 ね 1~2 時 間 C max は 概 ね0.4~6.0µg/mLであった 組 織 中 濃 度 は 概 ね4 時 間 以 内 に 最 大 値 となり 以 降 2

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 減 少 した (2) 代 謝 排 泄 フルオロキノロン 系 抗 菌 剤 を 供 試 動 物 に 投 与 した 場 合 薬 剤 や 供 試 動 物 の 種 類 投 与 経 路 などにより 様 々であるが 総 じて 未 変 化 体 及 びグルクロンサン 抱 合 体 N- 脱 メチル 体 等 の 代 謝 物 が 糞 尿 に 排 出 された (3) 残 留 フルオロキノロン 系 抗 菌 剤 を 供 試 動 物 に 投 与 した 場 合 の 各 組 織 の 残 留 は 薬 剤 や 供 試 動 物 の 種 類 投 与 経 路 投 与 量 などにより 様 々であるが 全 分 析 対 象 については 概 ね 3~22 日 で 検 出 限 界 未 満 となった 4. 抗 菌 活 性 の 作 用 機 序 及 びタイプ 資 料 29 フルオロキノロン 剤 は 細 菌 特 有 の 酵 素 である DNA ジャイレース 及 びトポイソメラ ーゼⅣの 作 用 を 阻 害 し 殺 菌 的 に 作 用 すると 考 えられている また キノロン 系 抗 菌 剤 の 阻 害 活 性 は 大 腸 菌 においては トポイソメラーゼⅣより も DNA ジャイレースに 対 するほうが 強 く ブドウ 球 菌 おいては DNA ジャイレースよ りもトポイソメラーゼⅣがプライマリーターゲットとなっており グラム 陰 性 菌 とブド ウ 球 菌 におけるキノロン 薬 の 第 1 標 的 酵 素 は 異 なると 報 告 されている (1) 標 的 酵 素 である DNA ジャイレースに 対 する 作 用 機 序 DNA ジャイレースは gyra 遺 伝 子 産 物 であるサブユニット A の 2 分 子 と gyrb 遺 伝 子 産 物 であるサブユニット B の 2 分 子 からなるホロ 酵 素 で DNA の 高 次 ( 立 体 ) 構 造 を 変 化 させ DNA の 複 製 転 写 組 換 え 修 復 などに 重 要 な 役 割 を 果 たしてい る 抗 菌 活 性 の 作 用 機 序 として キノロン 系 抗 菌 剤 が DNA ジャイレースによって 切 断 された 2 本 鎖 DNA の 切 断 面 にはまり 込 み DNA 鎖 の 再 結 合 を 阻 害 することによ って 抗 菌 力 を 発 揮 するというモデルが 提 唱 されている (2) 標 的 酵 素 であるトポイソメラーゼⅣに 対 する 作 用 機 序 トポイソメラーゼⅣは 複 製 後 に 絡 み 合 った 2 本 鎖 DNA の 切 断 と 再 結 合 を 行 うこ とにより 分 裂 後 の 細 胞 に DNA を 効 率 よく 分 配 する 役 割 を 担 っているが キノロン 系 抗 菌 剤 によって 阻 害 されることが 明 らかになっている 5. 抗 菌 スペクトル 及 び 感 受 性 菌 の 分 布 (1) 抗 菌 スペクトル フルオロキノロン 系 抗 菌 剤 は グラム 陽 性 球 菌 群 から 陰 性 菌 群 さらには 結 核 や マイコプラズマ クラミジアなどの 特 殊 病 原 菌 にまで 幅 広 く かつ 殺 菌 的 な 抗 菌 スペ クトルを 示 す( 表 5) (2) 対 象 とする 家 畜 等 の 病 原 体 に 対 する 最 小 発 育 阻 止 濃 度 (MIC)の 分 布 フルオロキノロン 系 抗 菌 剤 の 家 畜 等 由 来 病 原 菌 に 対 する MIC については 表 6 の とおりである (3) 指 標 細 菌 及 び 食 中 毒 由 来 病 原 細 菌 に 対 する MIC の 分 布 フルオロキノロン 系 抗 菌 剤 の 指 標 細 菌 及 び 食 品 由 来 病 原 細 菌 に 対 する MIC は 表 7 のとおりである 3

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 6. 交 差 抵 抗 性 を 生 じる 可 能 性 のあるヒト 用 抗 菌 性 物 質 及 びその 重 要 性 動 物 用 及 びヒト 用 に 共 通 しているフルオロキノロン 系 抗 菌 剤 は OFLX 及 び NFLX で ある また ヒト 用 抗 菌 性 物 質 として 使 用 されているレボフロキサシン(LVFX)は OFLX の 光 学 異 性 体 シプロフロキサシン(CPFX)は 動 物 用 として 使 用 されている ERFX の 代 謝 物 であり 構 造 が 類 似 している その 他 ヒト 用 医 薬 品 として 使 用 されているフルオロキノロン 系 抗 菌 剤 としては 塩 酸 モキシフロキサシン ロメフロキサシン エノキサシン トスフロキサシン スパフ ロキサシン フレロキサシン ガチフロキサシン プルリフロキサシン 及 びバズフロキ サシン 等 がある これらのフルオロキノロン 系 抗 菌 剤 は 食 品 を 介 してヒトの 健 康 に 影 響 を 及 ぼす 細 菌 に 対 する 抗 菌 性 物 質 の 重 要 度 のランク 付 けについて (2006 年 4 月 13 日 食 品 安 全 委 員 会 決 定 )において Ⅰ:きわめて 高 度 に 重 要 とランク 付 けされている 7. 薬 剤 耐 性 菌 及 び 薬 剤 耐 性 決 定 因 子 に 関 する 情 報 資 料 29 (1) 標 的 酵 素 (DNA ジャイレース 及 びトポイソメラーゼⅣ)の 変 化 による 耐 性 1 DNA ジャイレースの 変 異 による 耐 性 大 腸 菌 K-12 株 のキノロン 耐 性 遺 伝 子 (として 見 出 された nfxa nora nala) は DNA ジャイレースのサブユニット A をコードする gyra 遺 伝 子 上 に 変 異 が 起 きたもので 変 異 株 の DNA ジャイレースはキノロン 系 抗 菌 剤 の 阻 害 を 数 十 倍 から 数 百 倍 受 けにくくなっていたという 報 告 がある また サブユニット A の 変 異 部 位 は 比 較 的 狭 い 領 域 (キノロン 耐 性 決 定 領 域 )のアミノ 酸 に 局 在 しており サブユニ ット A DNA キノロンの 3 者 が 相 互 作 用 を 示 す 部 位 と 推 定 されている 大 腸 菌 以 外 の 細 菌 では ブドウ 球 菌 肺 炎 球 菌 緑 膿 菌 結 核 菌 リン 菌 などで もキノロン 耐 性 変 異 部 位 が 明 らかにされており 変 異 部 位 アミノ 酸 変 異 は 極 めて 類 似 していると 報 告 されている 2 トポイソメラーゼⅣの 変 異 による 耐 性 ブドウ 球 菌 では 大 腸 菌 や 緑 膿 菌 と 異 なり キノロン 系 抗 菌 剤 による 耐 性 変 異 は 最 初 にトポイソメラーゼⅣの 変 異 が 起 こることが 明 らかになっている このように 分 離 されたキノロン 耐 性 株 では トポイソメラーゼⅣの ParC 蛋 白 のキノロン 耐 性 決 定 領 域 に 変 異 が 見 られた 段 階 的 にキノロン 系 抗 菌 剤 で 選 択 を 行 い 高 度 耐 性 化 したブドウ 球 菌 の 遺 伝 子 解 析 から 第 1 段 階 では gyla(parc)に 変 異 が 起 こり 第 2 段 階 では gyra 第 3 段 階 では 再 び gyla(parc) 第 4 段 階 では gyra のキノロン 耐 性 決 定 領 域 に 点 変 異 が 認 められ これら 遺 伝 子 の 2 サイクルに 及 ぶ 交 互 変 換 に 基 づく 標 的 酵 素 の 変 異 が キノロン 耐 性 の 上 昇 化 に 関 与 していると 報 告 されている (2) 透 過 性 に 関 する 耐 性 1 薬 剤 取 り 込 みの 低 下 による 耐 性 大 腸 菌 K-12 株 の NFLX 及 び CPFX 耐 性 変 異 株 の 解 析 から ポーリンを 形 成 する 外 膜 蛋 白 質 である OmpF の 減 少 や LPS(リポ 多 糖 体 )の 変 化 がキノロン 系 抗 菌 剤 の 膜 透 過 性 低 下 を 引 き 起 こし キノロン 耐 性 に 関 与 することが 推 定 されている な お OmpF ポーリンを 介 して 菌 体 膜 を 透 過 する 薬 剤 として 知 られているテトラサイ 4

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 クリン クロラムフェニコール セフォキシキンに 対 しても 耐 性 を 示 した 2 薬 剤 の 排 出 ( 汲 み 出 し) 亢 進 による 耐 性 緑 膿 菌 PAO 株 の NFLX 耐 性 変 異 株 の 解 析 から NFLX の 菌 体 内 蓄 積 量 の 低 下 は 透 過 性 の 低 下 ではなく 菌 体 外 への 排 出 ( 汲 み 出 し) 機 能 の 亢 進 によることが 明 ら かにされている (3) 伝 達 性 キノロン 耐 性 遺 伝 子 標 的 酵 素 及 び 膜 透 過 性 の 変 異 によるキノロン 耐 性 遺 伝 子 はいずれも 染 色 体 上 に 存 在 しており 耐 性 遺 伝 子 が 菌 から 菌 へ 伝 播 することはないと 考 えられてきたが プラス ミドにコードされる 伝 達 性 のキノロン 耐 性 遺 伝 子 (qnr)が 報 告 されている qnr がコ ードする Qnr 蛋 白 質 は キノロン 薬 の DNA-DNA ジャイレースとの Cleavable Complex 形 成 を 何 らかの 形 でブロックし qnr 保 有 株 にキノロン 耐 性 を 付 与 している と 考 えられている また 臨 床 での qnr 遺 伝 子 の 分 離 状 況 については 上 海 で 分 離 されたキノロン 高 度 耐 性 大 腸 菌 では 約 8% 米 国 内 で 分 離 されたキノロン 耐 性 の 肺 炎 桿 菌 では 約 11%に qnr の 存 在 が 確 認 されている 8.ハザードの 特 定 (1)ハザードとして 特 定 される 可 能 性 のある 感 染 症 ( 病 原 菌 )の 抽 出 について( 表 8) 重 度 感 染 症 公 衆 衛 生 上 重 要 な 感 染 症 及 び 食 品 由 来 感 染 症 に 指 定 された 感 染 症 につ いて 病 原 体 を 細 菌 に 絞 り かつフルオロキノロン 系 抗 菌 剤 が 第 一 選 択 薬 または 推 奨 治 療 薬 として 指 定 された 感 染 症 を 抽 出 し 過 去 5 年 間 ( 平 成 12~16 年 )の 発 生 件 数 及 びその 代 替 物 質 を 調 査 した その 結 果 重 度 感 染 症 としては ペスト 細 菌 性 赤 痢 腸 チフス パラチフス コ レラ 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 感 染 症 レジオネラ 症 ブルセラ 症 及 び 炭 その 9 種 類 が 抽 出 された 公 衆 衛 生 上 重 要 度 の 高 い 感 染 症 としては 性 器 クラミジア ペニシリン 耐 性 肺 炎 球 菌 感 染 症 及 びサルモネラ 感 染 症 の 3 種 類 が 抽 出 された 食 品 由 来 感 染 症 として は ナグビブリオ 感 染 症 エルシニア 感 染 症 エロモナスハイドロフィア/ソブリア 感 染 症 腸 炎 ビブリオ 及 びプレシオモナスシゲロイデス 感 染 症 の 5 種 類 が 抽 出 された さらに フルオロキノロン 系 抗 菌 剤 が 第 一 次 選 択 薬 ではないとともに その 使 用 が 推 奨 されていないが 日 本 の 代 表 的 な 食 中 毒 の 原 因 であるカンピロバクター 感 染 症 を 追 加 した 合 計 18 種 類 の 感 染 症 ( 病 原 菌 )について 抽 出 した (2)ハザードの 特 定 について 今 回 抽 出 した 18 種 類 の 感 染 症 について 発 生 件 数 感 染 源 及 び 伝 播 ルート 等 に 基 づいて フルオロキノロン 系 抗 菌 剤 の 使 用 による 薬 剤 耐 性 菌 としてのハザードとし て 特 定 されるかどうかを 検 討 した なお 畜 水 産 食 品 であっても 魚 介 類 を 介 する 感 染 症 については フルオロキノロン 系 抗 菌 剤 が 水 産 用 に 許 可 されていないため 今 回 のリスク 評 価 におけるハザードの 対 象 から 除 外 した その 結 果 家 畜 の 腸 内 細 菌 等 に 存 在 し かつ 日 本 における 発 生 頻 度 が 高 い 感 染 症 で ある 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 感 染 症 サルモネラ 感 染 症 及 びカンピロバクター 感 染 症 の 起 因 菌 について ハザードとなる 可 能 性 があると 考 えられたため 検 討 を 行 った 現 在 まで 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 感 染 症 の 病 原 菌 に 対 するフルオロキノロン 系 抗 菌 剤 の 5

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 耐 性 については 報 告 されておらず また サルモネラ 感 染 症 の 起 因 菌 のフルオロキノ ロン 耐 性 についてもほとんど 報 告 されていない 仮 に フルオロキノロン 系 抗 菌 剤 に 耐 性 菌 が 生 じたとしても 両 感 染 症 に 対 する 治 療 薬 の 代 替 薬 が 示 されている フルオ ロキノロン 系 抗 菌 剤 と 交 差 耐 性 を 示 すヒト 用 抗 菌 性 物 質 は 化 学 構 造 が 類 似 するキノ ロン 系 抗 菌 剤 のみと 考 えられることから それらの 代 替 薬 とフルオロキノロン 系 抗 菌 剤 との 交 差 耐 性 が 生 じる 可 能 性 はほとんどないと 考 えられる しかし 近 年 のフルオロキノロン 系 抗 菌 剤 における 耐 性 菌 の 情 勢 を 考 えると 臨 床 現 場 における 重 要 度 という 観 点 から 注 目 される 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 感 染 症 日 本 の 代 表 的 な 食 中 毒 であるサルモネラ 感 染 症 フルオロキノロン 耐 性 が 生 じやすいとされてお り かつ 家 畜 の 腸 内 細 菌 が 起 因 菌 であるカンピロバクター 感 染 症 の 3 種 類 については フルオロキノロン 系 抗 菌 剤 の 使 用 がハザードの 出 現 を 助 長 する 可 能 性 を 完 全 に 否 定 することはできないと 考 えられる また 食 中 毒 の 原 因 菌 である 腸 球 菌 については ヒトの 腸 内 常 在 菌 でもあり 病 原 性 は 弱 い 実 際 ヒトの 臨 床 現 場 において 問 題 となっているのはバンコマイシン 耐 性 腸 球 菌 であり 特 に 術 後 患 者 や 免 疫 機 能 が 低 下 した 患 者 における 院 内 感 染 の 発 生 が 問 題 となっている これらの 伝 播 ルートは 感 染 者 または 保 菌 者 からの 排 出 等 による もので 限 定 されていることから 畜 産 動 物 が 直 接 的 に 媒 介 する 可 能 性 は 極 めて 低 く 今 回 のハザードとしては 重 要 ではないと 考 えられる 以 上 のことから フルオロキノロン 系 抗 菌 剤 の 使 用 による 薬 剤 耐 性 菌 のハザードと しては 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 感 染 症 サルモネラ 感 染 症 及 びカンピロバクター 感 染 症 の 起 因 菌 が 特 定 されるものと 考 えられる Ⅱ. 発 生 評 価 Ⅲ. 暴 露 評 価 Ⅳ. 影 響 評 価 Ⅴ.リスクの 推 定 6

表 1 フルオロキノロン 系 抗 菌 剤 の 概 要 一 般 名 エンロフロキサシン オフロキサシン オルビフロキサシン 塩 酸 ジフロキサシン 化 学 名 1-シクロピル-7-(4-エチル-1-ピペラ ジニル-6-フルオロ-1,4-ジヒドロ-4- オキソ-3-キノリンカルボン 酸 ) 1-Cyclopropyl-7-(4-ethyl-1- piperazinyl)-6-fluoro-1,4-dihydro- 4-oxo-3-qunoline carboxylic acid (±)-9-フルオロ-2,3-ジヒドロ-3- メチル-10-(4-メチル-1-ピペラジニ ル )-7-オキソ-7H-ピリド[1,2,3-de] [1,4] ベンゾクサジン-6-カルボン 酸 (±)-9-Fluoro-2,3-dihydro-3-methyl -10-(4-methyl-1-piperazinyl)-7-oxo -7H-pyrido[1,2,3-de][1,4] benzoxazin-6-carboxylic acid 1-シクロプロピル-5,6,8-トリフルオ ロ-1,4-ジヒドロ-7-(シス-3,5-ジメチ ル-1-ピペラジニル)-4-オキソキノリ ン-3-カルボン 酸 1-cyclopropyl-5,6,8-trifluoro-1,4- dihydro-7-(cis-3,5-dimethyl-1- piperazinyl)-4-oxoquinoline-3- carboxylic acid 6- フルオロ-1-(4- フルオロフェニ ル)-1,4-ジヒドロ-7-(4-メチル-1-ピ ペラジニル)-4-オキソ-3-キノリンカ ルボン 酸 一 塩 酸 塩 6-fluoro-1-(4-fluorophenyl)-1,4- dihydro-7-(4-methyl-1- piperazinyl)-4-oxo-3-quinoline carboxylic acid monohydrochlorid CAS 番 号 93106-60-6 83380-47-6 113617-63-3 98106-17-3 分 子 式 C19H22FN303 C18H20FN3O4 C19H20F3N3O3 C21H19F2N3O3 HCl 分 子 量 359.39 361.37 395.38 435.86 一 般 名 メシル 酸 ダノフロキサシン ノルフロキサシン マルボフロキサシン 化 学 名 (1S)-1-シクロプロピル-6-フルオロ-1,4- ジヒドロ-7-(5-メチル-2,5-ジアザビシク ロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-4-オキソ-3-キ ノリンカルボン 酸 メタスルホン 酸 塩 水 和 物 (1S)-1-Cyclopropyl-6-fluoro-1,4- dihydro-7-(5-methyl-2,5-diazabicyclo[ 2.2.1]hept-2-yl)-4-oxo-3-quinolinecarb oxylic acid methanesulphonate 1-エチル-6-フルオロ-1,4-ジヒドロ -4-オキソ-7-(1-ピペラジニル)-3-キ ノリンカルボン 酸 1-Ethyl-6-fluoro-1,4-dihydro-4-oxo -7-(1-piperazinyl)-3-quinolinecarboxylic acid 9-フルオロ-2,3-ジヒドロ-3-メチル -10-(4-メチル-1-ピペラジニル)-7-オ キソ-7H-ピリド-(3,2,1-ij)(4,1,2)-ベ ンゾキサジアジン-6-カルボキシル 酸 9-fluoro-2,3-dihydro-3-methyl-10- (4-methyl-1-piperazinyl)-7-oxo-7H -pyrido-(3,2,1-ij)(4,1,2)- benzoxadiazine-6-carboxylic acid CAS 番 号 112398-08-0 68077-27-0 115550-35-1 分 子 式 C19H20FN3O3-CH4O3S C16H18FN3O3 C17H19FN4O4 分 子 量 453.49 319.33 362.36 7

表 2 フルオロキノロン 系 抗 菌 剤 の 構 造 式 一 般 名 エンロフロキサシン オフロキサシン オルビフロキサシン 塩 酸 ジフロキサシン 構 造 式 一 般 名 メシル 酸 ダノフロキサシン ノルフロキサシン マルボフロキサシン 構 造 式 8

表 4-1 フルオロキノロン 系 抗 菌 剤 の 使 用 方 法 等 (エンロフロキサシン オフロキサシン) 薬 剤 名 エンロフロキサシン オフロキサシン 対 象 家 畜 牛 牛 豚 鶏 鶏 投 与 経 路 経 口 ( 強 制 ) 注 射 ( 皮 下 ) 注 射 ( 筋 肉 内 ) 経 口 ( 飲 水 ) 経 口 ( 飲 水 ) 対 象 疾 病 肺 炎 大 腸 菌 性 下 痢 症 肺 炎 大 腸 菌 性 下 痢 症 胸 膜 肺 炎 大 腸 菌 性 下 痢 症 呼 吸 器 性 マイコプラズマ 病 大 腸 菌 症 呼 吸 器 性 マイコプラズマ 病 大 腸 菌 症 剤 形 等 経 口 剤 (2.5%HV 液 ) 注 射 剤 (12.5% 5% 10% 液 210% 単 回 液 ) 用 法 用 量 牛 (3 カ 月 齢 を 超 える 牛 を 1 肺 炎 :2.5~5mg/kg 体 重 除 く) (3~5 日 間 ) 肺 炎 :2.5~5mg/kg 体 重 (3 大 腸 菌 性 下 痢 症 : ~5 日 間 ) 2.5mg/kg 体 重 (3 日 間 ) 大 腸 菌 性 下 痢 症 :2.5mg/kg 2 牛 ( 搾 乳 牛 を 除 く) 体 重 (3 日 間 ) 肺 炎 :7.5mg/kg 体 重 (1 回 ) 注 射 剤 (2.5% 5% 10% 液 ) 胸 膜 肺 炎 :2.5~5mg/kg 体 重 (3 日 間 ) 大 腸 菌 性 下 痢 症 :1.25~ 2.5mg/kg 体 重 (1~3 日 間 ) 経 口 剤 (10% 液 ) 経 口 剤 (5% 液 ) 鶏 ( 産 卵 鶏 を 除 く) 呼 吸 器 性 マイコプラズマ 病 及 び 大 腸 菌 症 :50mg/L(3 日 間 ) 鶏 ( 産 卵 鶏 を 除 く):50~ 100mg/L(3~5 日 間 ) 5~ 10mg/kg 体 重 (3~5 日 間 ) 休 薬 期 間 食 用 に 供 するためにと 殺 1 食 用 に 供 するためにと する 前 30 日 間 殺 する 前 21 日 間 または 食 る 前 20 日 間 る 前 7 日 間 る 前 7 日 間 用 に 供 するために 搾 乳 す る 前 96 時 間 2 食 用 に 供 するためにと 殺 する 前 14 日 間 9

表 4-2 フルオロキノロン 系 抗 菌 剤 の 使 用 方 法 等 (オルビフロキサシン 塩 酸 ジフロキサシン) 薬 剤 名 オルビフロキサシン 塩 酸 ジフロキサシン 対 象 家 畜 牛 豚 豚 豚 投 与 経 路 注 射 ( 筋 肉 内 ) 経 口 ( 飲 水 ) 注 射 ( 筋 肉 内 ) 経 口 ( 飲 水 ) 対 象 疾 病 細 菌 性 肺 炎 大 腸 菌 性 下 痢 大 腸 菌 性 下 痢 症 胸 膜 肺 炎 大 腸 菌 性 下 痢 症 胸 膜 肺 炎 細 菌 性 肺 炎 症 マイコプラズマ 性 肺 炎 マイコプラズマ 性 肺 炎 剤 形 等 注 射 剤 経 口 剤 注 射 剤 経 口 剤 (25% 散 剤 ) 用 法 用 量 2.5~5mg/kg 体 重 (3~5 豚 ( 生 後 1 ヶ 月 以 下 のものを 2.5~5mg/kg 体 重 (3~5 日 2.5~5mg/kg 体 重 (3 日 間 ) 日 間 ) 除 く):2.5~5mg/kg 体 重 (3 間 ) 日 間 ) 8 時 間 以 内 で 飲 みきる 飲 水 量 とすること 休 薬 期 間 食 用 に 供 するためにと 殺 する 前 21 日 間 または 食 用 る 前 7 日 間 る 前 14 日 間 る 前 7 日 間 に 供 するために 搾 乳 する 前 72 時 間 10

表 4-3 フルオロキノロン 系 抗 菌 剤 の 使 用 方 法 等 (メシル 酸 ダノフロキサシン ノルフロキサシン) 薬 剤 名 メシル 酸 ダノフロキサシン ノルフロキサシン 対 象 家 畜 牛 豚 鶏 豚 鶏 投 与 経 路 注 射 ( 筋 肉 内 ) 注 射 ( 筋 肉 内 ) 経 口 ( 飲 水 ) 経 口 ( 混 餌 ) 経 口 ( 飲 水 ) 対 象 疾 病 肺 炎 肺 炎 呼 吸 器 性 マイコプラズマ 病 大 腸 菌 症 細 菌 性 下 痢 症 胸 膜 肺 炎 大 腸 菌 症 剤 形 等 注 射 剤 注 射 剤 経 口 剤 ( 散 剤 ) 経 口 剤 ( 散 剤 ) 経 口 剤 (10% 液 ) 用 法 用 量 1.25mg/kg 体 重 ( 重 症 例 に 1.25mg/kg 体 重 ( 重 症 例 に 鶏 ( 産 卵 鶏 を 除 く):5mg/kg 豚 :5~10mg/kg 体 重 (5 日 鶏 ( 産 卵 鶏 を 除 く): 対 しては 2.5mg/kg 体 重 3 対 しては 2.5mg/kg 体 重 体 重 (3 日 間 ) 間 ) 20mg/kg 体 重 (3 日 間 ) 日 間 ) 3 日 間 ) 休 薬 期 間 食 用 に 供 するためにと 殺 食 用 に 供 するためにと 殺 する 前 6 日 間 または 食 用 する 前 25 日 間 る 前 5 日 間 る 前 7 日 間 る 前 7 日 間 に 供 するために 搾 乳 する 前 48 時 間 11

表 4-4 フルオロキノロン 系 抗 菌 剤 の 使 用 方 法 等 (マルボフロキサシン) 薬 剤 名 マルボフロキサシン 対 象 家 畜 牛 牛 豚 投 与 経 路 注 射 ( 静 脈 内 ) 注 射 ( 筋 肉 内 ) 注 射 ( 筋 肉 内 ) 対 象 疾 病 細 菌 性 肺 炎 細 菌 性 肺 炎 胸 膜 肺 炎 剤 形 等 注 射 剤 (2% 10% 液 ) 注 射 剤 (2% 10% 液 ) 注 射 剤 (2% 10% 液 ) 用 法 用 量 2mg/kg 体 重 (3~5 日 間 ) 2mg/kg 体 重 (3~5 日 間 ) 2mg/kg 体 重 (3~5 日 間 ) 休 薬 期 間 食 用 に 供 するためにと 殺 食 用 に 供 するためにと 殺 する 前 3 日 間 または 食 用 する 前 3 日 間 または 食 用 る 前 3 日 間 に 供 するために 搾 乳 する に 供 するために 搾 乳 する 前 48 時 間 前 48 時 間 12

表 5-1 フルオロキノロン 系 抗 菌 剤 の 抗 菌 スペクトル 種 類 菌 種 MIC (µg/ml) Staphylococcus aureus 209P JC-1 0.1 Staphylococcus epidermidis ATCC 122228 0.2 Enterococcus faecalis ATCC 19433 1.6 Pasteurella multocida B-48 0.8 Bacillus subtilis ATCC 6633 0.8 ERFX Escherichia coli NIHJ 0.1 Salmonella Typhimurium LT-2 0.4 Klebsiella pneumoniae 501 0.2 Shigella flexneri 2a 5503 0.1 Proteus mirabilis IFO3849 0.2 Pseudomonas aeruginosa 2063 3.13 Staphylococcus aureus 209P JC-1 0.2 Escherichia coli NIHJ JC-2 0.1 Klebsiella pneumoniae PCI-602 0.025 Bacillus subtilis ATCC 6633 0.05 OFLX Salmonella Typhimurium IID971 0.1 Salmonella Typhi 901 0.025 Salmonella Enteritidis G14 0.025 Proteus mirabilis IFO3849 0.39 Pseudomonas aeruginosa PAO1 0.78 Staphylococcus aureus 209P JC-1 0.39 Staphylococcus epidermidis 8 0.39 Enterococcus faecalis 2473 3.13 Bacillus subtilis PCI219 0.1 OBFX Escherichia coli NIHJ JC-2 0.05 Salmonella Typhimurium S-9 0.05 Klebsiella pneumoniae 13 0.2 Proteus vulgaris OX19 0.05 Pseudomonas aeruginosa Tsuchijima 1.56 Staphylococcus aureus 209P JC-1 0.39 Staphylococcus epidermidis Kawamura 0.2 Enterococcus faecalis CN-478 3.13 Bacillus subtilis ATCC 6633 0.1 DFLX Escherichia coli NIHJ JC-2 0.39 Salmonella Typhi T-58 0.39 Klebsiella pneumoniae PCI-602 0.78 Proteus mirabilis TU-1698 0.78 Pseudomonas aeruginosa TU-408 0.78 備 考 FQ 資 料 3 FQ 資 料 22 FQ 資 料 11 FQ 資 料 14 13

表 5-2 フルオロキノロン 系 抗 菌 剤 の 抗 菌 スペクトル 種 類 菌 種 MIC (µg/ml) 備 考 Staphylococcus aureus 209P 0.2 Escherichia coli NIHJ JC-2 0.5 FQ 資 料 24 Clostridium perfringens NCTC3181 0.39 Haemophilus somnus 0.025 Mannheimia haemolytica 0.1 Pasteurella multocida 0.05 FQ 資 料 24 Mycoplasma bovis 0.78 ( 牛 由 来 ) Mycoplasma bovigenitalium 0.78 Mycoplasma bovirhinis 1.56 Escherichia coli 0.05~0.2 Salmonella spp. 0.10~0.20 DNFX Haemophilus parasuis 0.1 Actinobacillus pleuropneumoniae 0.1 FQ 資 料 24 Pasteurella multocida 0.0125~0.025 ( 豚 由 来 ) Bordetella bronchiseptica 1.56~3.13 Mycoplasma hyopneumoniae 0.05 Treponema hyodysenteriae 6.25 Staphylococcus aureus 0.2 Escherichia coli 0.05~0.10 Haemophilus paragallinarum 0.2 FQ 資 料 24 Clostridium perfringens 1.56 ( 鶏 由 来 ) Mycoplasma gallisepticum 0.05~0.10 Mycoplasma synoviae 1.56 Staphylococcus aureus FDA209P JC-1 0.2 Escherichia coli NIHJ JC-2 0.1 Klebsiella pneumoniae PCI-602 0.025 Bacillus subtilis ATCC 6633 0.05 NFLX Salmonella Typhimurium IID971 0.1 FQ 資 料 22 Salmonella Typhi 901 0.05 Salmonella Enteritidis G14 0.05 Proteus mirabilis IFO3849 0.2 Pseudomonas aeruginosa PAO1 0.78 14

表 5-3 マルボフロキサシンの 抗 菌 スペクトル 種 類 菌 種 MIC 50 MIC 90 (µg/ml) (µg/ml) 備 考 Escherichia coli 0.03 0.03 Klebsiella spp. 0.03 0.1 Salmonella Typhimurium 0.06 Proteus spp. 0.03~0.06 Pasteurella spp. 0.08 Haemophilus spp. 0.025 0.025 Pseudomonas aeruginosa 0.33~0.78 3.13 MBFX Bordetella bronchiseptica 0.8 Campylobacter jejuni 0.2 0.78 MBFX 資 料 1 Staphylococcus spp. 0.39~0.77 0.39 Enterococcus spp. 1.56~6.25 3.13~12.5 Clostridium spp. 3.7 Mycoplasma bovis 0.5 Mycoplasma bovirhinis 0.125 Mycoplasma gallisepticum 0.09 Mycoplasma synoviae 1 15

表 6 フルオロキノロン 系 抗 菌 剤 の 家 畜 等 由 来 病 原 菌 に 対 する 最 小 発 育 阻 止 濃 度 種 類 由 来 菌 種 MIC 50 MIC 90 (µg/ml) (µg/ml) 備 考 牛 Pasteurella multocida 0.025 0.1 牛 Escherichia coli 0.05 0.05 牛 Mycoplasma bovis 0.2 0.39 牛 Mycoplasma bovirhinis 0.1 0.39 ERFX 牛 Ureaplasma diversum 0.39 0.78 豚 Actinobacillus pleuropneumoniae 0.05 0.1 FQ 資 料 1 豚 Pasteurella multocida 0.025 0.025 豚 Escherichia coli 0.025 0.39 鶏 Escherichia coli 0.05 0.1 鶏 Mycoplasma gallisepticum 0.025 0.5 鶏 Escherichia coli OFLX 0.2 1.56 鶏 Mycoplasma gallisepticum 0.1 0.4 FQ 資 料 1 牛 Pasteurella multocida 0.05 牛 Pasteurella haemolytica 0.05 牛 Escherichia coli 0.2 牛 Mycoplasma bovirhinis OBFX 0.1 豚 Actinobacillus pleuropneumoniae 0.1 FQ 資 料 11 豚 Pasteurella multocida 0.0125 豚 Escherichia coli 0.2 豚 Mycoplasma hyopneumoniae 0.1 豚 Actinobacillus pleuropneumoniae (1 型 ) 0.05 豚 Actinobacillus pleuropneumoniae (2 型 ) DFLX 0.05 豚 Actinobacillus pleuropneumoniae (5 型 ) 0.025 FQ 資 料 1 豚 Pasteurella multocida (A 型 ) 0.05 牛 Pasteurella multocida 0.05 0.1 牛 Mannheimia haemolytica 0.2 0.2 牛 Mycoplasma bovis 0.78 0.78 豚 Actinobacillus pleuropneumoniae DNFX 0.1 0.2 豚 Pasteurella multocida 0.05 0.1 FQ 資 料 1 豚 Haemophilus parasuis 0.1 1.56 鶏 Escherichia coli 0.1 0.2 鶏 Mycoplasma gallisepticum 0.1 1.56 豚 Escherichia coli 0.2 豚 Actinobacillus pleuropneumoniae NFLX 0.1 豚 Pasteurella multocida 0.39 FQ 資 料 1 鶏 Escherichia coli 0.2 牛 Pasteurella multocida <0.06 <0.06 牛 Mannheimia haemolytica <0.06 <0.06 MBFX 牛 Mycoplasma bovis 1 2 豚 Actinobacillus pleuropneumoniae <0.06 <0.06 MBFX 資 料 1 豚 Pasteurella multocida <0.06 <0.06 豚 Mycoplasma hyopneumoniae 0.5 2 16

表 7 フルオロキノロン 系 抗 菌 剤 の 指 標 細 菌 ( 大 腸 菌 及 び 腸 球 菌 ) 及 び 食 品 由 来 病 原 細 菌 (サルモネラ 及 びカンピロバクター)に 対 する 最 小 発 育 阻 止 濃 度 種 類 由 来 菌 種 MIC 50 MIC 90 (µg/ml) (µg/ml) 備 考 家 畜 Escherichia coli 0.125 0.25 ERFX 家 畜 Enterococcus spp. 0.5 2 家 畜 Salmonella spp. 0.125 0.125 FQ 資 料 21 家 畜 Campylobacter spp. <0.125 4 家 畜 Escherichia coli 0.25 1 OFLX 家 畜 Enterococcus spp. 4 8 家 畜 Salmonella spp. 0.12 0.5 FQ 資 料 21 家 畜 Campylobacter spp. 0.5 16 牛 Escherichia coli 0.06 0.125 牛 Enterococcus spp. 1 4 豚 Escherichia coli OBFX 0.06 1 豚 Enterococcus spp. 2 16 FQ 資 料 23 豚 Salmonella Typhimurium 0.06 1 豚 Campylobacter spp. 4 32 Escherichia coli 0.12 0.25 Enterococcus spp. 4 8 DFLX Salmonella spp. 0.25 0.25 FQ 資 料 15 Campylobacter jejuni 0.25 0.5 Campylobacter coli 0.125 0.25 牛 Escherichia coli 0.063 64 牛 Enterococcus spp. 1 8 牛 Campylobacter spp. 4 16 DNFX 豚 Escherichia coli 0.063 64 FQ 資 料 25 豚 Enterococcus spp. 1 4 豚 Salmonella Typhimurium 0.063 豚 Campylobacter spp. 2 16 豚 Escherichia coli <0.06 0.5 豚 Enterococcus spp. 2 8 豚 Salmonella spp. <0.06 1 豚 Campylobacter spp. NFLX 8 32 鶏 Escherichia coli 0.5 16 FQ 資 料 26 鶏 Enterococcus spp. 4 8 鶏 Salmonella spp. <0.06 <0.06 鶏 Campylobacter spp. 0.25 16 牛 Escherichia coli <0.06 <0.06 牛 Enterococcus spp. 1 4 牛 Campylobacter spp. <0.06 8 MBFX 豚 Escherichia coli <0.06 0.25 MBFX 資 料 1 豚 Salmonella spp. <0.06 0.5 豚 Enterococcus spp. 1 4 豚 Campylobacter spp. 4 8 17

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