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Title 竹 久 夢 二 の 人 形 制 作 活 動 ( Abstract_ 要 旨 ) Author(s) 王, 文 萱 Citation Kyoto University ( 京 都 大 学 ) Issue Date 2015-09-24 URL http://dx.doi.org/10.14989/doctor.k Right 学 位 規 則 第 9 条 第 2 項 により 要 約 公 開 ; 許 諾 条 件 により 要 約 は2016-07-01に 公 開 Type Thesis or Dissertation Textversion none Kyoto University

( 続 紙 1 ) 京 都 大 学 博 士 ( 人 間 環 境 学 ) 氏 名 王 文 萱 論 文 題 目 竹 久 夢 二 の 人 形 制 作 活 動 ( 論 文 内 容 の 要 旨 ) 本 論 文 は 大 正 時 代 を 中 心 に 活 躍 した 芸 術 家 竹 久 夢 二 (1884~1934 明 治 17~ 昭 和 9)による 人 形 制 作 活 動 を 考 察 しようとするものである 全 体 は 四 章 から 構 成 される 夢 二 は 生 涯 をかけて 人 形 というモチーフに 執 着 した 彼 の 文 学 や 絵 画 作 品 には し ばしば 人 形 に 関 する 内 容 が 出 ている そこで 本 論 文 の 第 一 章 では まず 夢 二 が 幼 年 時 代 に 人 形 に 関 する 芸 能 に 触 れた 経 験 や 人 形 への 愛 着 に 着 目 しつつ 彼 が 人 形 制 作 に 着 手 する 理 由 を 探 る 夢 二 が 制 作 した 人 形 は 現 在 あまり 残 されていないため 第 二 章 では 当 時 の 雑 誌 や 写 真 記 事 文 章 などによって 夢 二 の 人 形 制 作 を 跡 づける 1930( 昭 和 5) 年 夢 二 は どんたく 社 という 人 形 制 作 グループを 結 成 し そのグループによる 雛 に 寄 す る 展 覧 会 を 同 年 2 月 21 日 から 23 日 にかけて 銀 座 の 資 生 堂 ギャラリーで 開 催 した 同 人 には 後 に 人 形 作 家 として 重 要 無 形 文 化 財 保 持 者 となった 堀 柳 女 に 加 え 岡 山 さ だみ 檀 女 礼 (ダンメレー)など 人 形 作 家 としてはアマチュアの 女 性 たちがいた この 人 形 制 作 グループ どんたく 社 を 設 立 する 経 緯 夢 二 の 人 形 制 作 方 法 人 形 を 出 展 した 展 覧 会 の 様 子 などをあぶり 出 す そのような 作 業 の 結 果 夢 二 が 作 った 人 形 は 人 形 劇 の 一 場 面 のような 作 品 であると 推 察 される さらには 雛 に 寄 する 展 覧 会 自 体 が 制 作 者 が 一 方 的 に 観 客 に 作 品 を 見 せる 展 覧 会 ではなく 観 客 も 参 加 して 人 形 制 作 者 とともに 完 成 するよう 誘 われる 一 つの 大 がかりな 作 品 だと 考 えられるのであ る 第 三 章 では 人 形 制 作 活 動 により 夢 二 が 自 らの 芸 術 生 涯 にどのような 新 境 地 を 開 いたのか 人 形 制 作 をどのような 方 向 に 発 展 させようとしたのか を 論 じる 人 形 を 制 作 する 以 前 の 夢 二 は 関 東 大 震 災 を 境 に 人 気 が 下 降 線 をたどっていた 創 作 の 行 き 詰 まりを 打 破 するため 夢 二 は 心 中 深 くに 育 んでいた 人 形 制 作 という 手 段 を 選 んだ と 思 われる 立 体 的 な 人 形 を 使 い 会 場 を 利 用 して 全 体 的 に 劇 的 な 空 間 を 創 り 上 げ ることは 夢 二 が 自 分 の 才 能 を 最 大 限 に 発 揮 するために 最 も 相 応 しい 表 現 方 法 だった と 考 えられるのである 雛 に 寄 する 展 覧 会 が 成 功 を 収 めた 後 夢 二 は 榛 名 山 美 術 研 究 所 建 設 につき という 宣 言 文 を 発 表 した 榛 名 山 美 術 研 究 所 の 建 設 につい ては 宣 言 文 が 発 表 されただけで 実 現 されはしなかった したがって どのように 運 営 し 発 展 させていくかについて 明 確 な 指 示 は 見 当 たらないが 散 在 するエッセ イや 書 簡 などによると 夢 二 が 心 の 中 に 描 いた 美 術 研 究 所 とは 人 形 制 作 を 出 発 点 と するものではなかったか と 推 察 される 雛 に 寄 する 展 覧 会 の 翌 年 夢 二 はアメ リカのカーメルで 展 覧 会 を 開 いたが 出 展 された 人 形 は 全 く 売 れることはなかった

その 原 因 についても 推 測 する 第 四 章 では 夢 二 の 人 形 制 作 活 動 に 焦 点 を 当 てるだけでなく 夢 二 が 率 いた どん たく 社 の 人 形 制 作 活 動 の 日 本 人 形 史 における 意 義 も 論 じる 雛 に 寄 する 展 覧 会 が 開 催 された 昭 和 初 期 は ちょうど 人 形 芸 術 運 動 が 進 行 していた 時 期 であった ど んたく 社 とほぼ 同 じ 時 期 伝 統 技 法 を 受 け 継 いだ 職 人 たちが 結 成 した 白 澤 会 が 人 形 芸 術 運 動 の 幕 を 開 けたというのは 通 説 であるが 白 澤 会 が 最 初 追 い 求 めたの は 芸 術 としての 人 形 よりも 装 飾 を 目 的 とする 鑑 賞 用 の 人 形 であった 夢 二 と どんたく 社 が 追 い 求 めた 人 形 とは 目 的 が 随 分 異 なっていることを 論 じる では どんたく 社 の 同 人 たちは 夢 二 から 教 わった 人 形 制 作 方 法 を 用 いて 後 にどのように 発 展 させていったのか 画 家 奈 知 安 太 郎 と 結 婚 した 舞 踊 家 檀 女 礼 は 奈 知 と 共 同 制 作 で 童 画 と 人 形 展 を 開 いたこともある 岡 山 さだみは 意 識 的 に 夢 二 の 画 風 を 人 形 によって 再 現 し 夢 二 から 教 わった 人 形 制 作 方 法 を 何 十 年 も 続 けて 人 形 を 作 った また 人 形 作 家 として 重 要 無 形 文 化 財 保 持 者 となった 堀 柳 女 は 本 格 的 な 人 形 制 作 技 法 を 追 求 し 自 分 の 道 を 切 り 開 いた 彼 女 の 初 期 の 作 品 には どんた く 人 形 に 似 ている 部 分 が 見 られるが 夢 二 からの 影 響 は 次 第 に 薄 くなった ただし 夢 二 が 堀 に 与 えた 影 響 は 人 形 だけではなく 芸 術 に 対 するあらゆる 概 念 に 及 ぶので ある 最 後 に 夢 二 の 人 形 と 出 会 い 刺 激 を 受 けて 本 格 的 な 人 形 制 作 を 開 始 した 中 原 淳 一 の 人 形 制 作 活 動 にも 触 れる 現 代 の 人 形 芸 術 について 言 及 する 際 に 夢 二 およびどんたく 社 同 人 の 名 前 を 挙 げる 文 章 は 少 なくはない 一 方 で 夢 二 の 人 形 制 作 活 動 と 雛 に 寄 する 展 覧 会 自 体 につ いて 語 る 論 は 少 ないのである 本 論 文 はそのような 空 白 を 埋 めることで 夢 二 の 人 形 制 作 活 動 の 全 体 像 をより 明 確 にすることを 目 的 としている また それによって 人 形 制 作 活 動 が 夢 二 の 制 作 活 動 全 体 の 中 で どのような 位 置 づけになっているかという 点 についても 改 めて 考 察 しようとするのである

( 続 紙 2 ) ( 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨 ) 本 論 文 は 竹 久 夢 二 (1884~1934 明 治 17~ 昭 和 9)の 活 動 の 中 でも とりわけ 人 形 制 作 活 動 に 着 目 し 考 察 を 加 えている そこに まずもって 評 価 されるべき 斬 新 な 視 点 がある なぜなら 夢 二 といえば 絵 画 やデザイン あるいは 文 学 によって 知 ら れてはいても 人 形 制 作 によって 注 目 されることは 稀 だったからである たとえ 注 目 されることがあるにせよ あくまで 周 辺 的 な 仕 事 としてだったといってよい その 大 きな 理 由 の 一 つとして そもそも 夢 二 が 制 作 した 人 形 が あまり 残 されていないこ とが 考 えられるだろう しかし 本 論 文 は 夢 二 にとって 人 形 制 作 が いかに 重 要 だ ったかを 検 証 してみせるのである 人 形 制 作 の 重 要 性 に 関 して 本 論 文 は まず 夢 二 の 幼 年 時 代 にさかのぼって 人 形 に 関 する 芸 能 に 触 れた 経 験 や 人 形 への 愛 着 を 探 り 当 てる 夢 二 の 文 学 作 品 や 絵 画 にしばしば 人 形 が 取 り 扱 われている 理 由 のみならず 彼 が 人 形 制 作 に 着 手 する 理 由 も また そのような 幼 年 時 代 から 跡 づけられると 推 察 するのである 人 形 制 作 の 重 要 性 に 関 して 本 論 文 は つぎに 雛 に 寄 する 展 覧 会 に 注 目 する 1930( 昭 和 5) 年 夢 二 は どんたく 社 という 人 形 制 作 グループを 結 成 し そのグ ループによる 展 覧 会 を 同 年 2 月 21 日 から 23 日 にかけて 銀 座 の 資 生 堂 ギャラリー で 開 催 した それが 雛 に 寄 する 展 覧 会 である どんたく 社 同 人 には 後 に 人 形 作 家 として 重 要 無 形 文 化 財 保 持 者 となった 堀 柳 女 に 加 え 岡 山 さだみ 檀 女 礼 (ダ ンメレー)など 人 形 作 家 としてはアマチュアの 女 性 たちもいた この 展 覧 会 こそ 夢 二 にとっての 人 形 制 作 の 重 要 性 を 証 し 立 てるものと 見 なされる なぜなら それは 夢 二 の 人 形 制 作 活 動 の 頂 点 を 記 すものであるとともに 夢 二 の 作 家 活 動 の 頂 点 を 示 す ものでもあるからである そのように 高 く 評 価 するに 当 たって 本 論 文 は 主 に 二 つの 点 に 着 目 する まず 関 東 大 震 災 を 境 に 夢 二 人 気 が 下 降 線 をたどっていたことである 創 作 の 行 き 詰 まり を 打 破 するため 夢 二 は 心 中 深 くに 育 んでいた 人 形 制 作 という 手 段 を 選 んだのではな いかと 推 察 するのである 第 二 に 雛 に 寄 する 展 覧 会 のあり 方 そのものがある 夢 二 が 作 った 人 形 は 人 形 劇 の 一 場 面 のような 作 品 であると 推 察 され 雛 に 寄 する 展 覧 会 自 体 が 制 作 者 が 一 方 的 に 観 客 に 作 品 を 見 せる 展 覧 会 ではなく 観 客 も 参 加 し て 人 形 制 作 者 とともに 完 成 するよう 誘 われる 一 つの 大 がかりな 作 品 一 種 の 異 交 通 装 置 だと 考 えられるのである このように 人 形 を 使 って 全 体 的 に 劇 的 な 空 間 を 創 り 上 げることこそ 夢 二 が 自 分 の 才 能 を 最 大 限 に 発 揮 するために 最 も 相 応 しい 表 現 方 法 だ ったと 本 論 文 は 考 えるのである そして 以 後 の 夢 二 に そのように 恵 まれた 機 会 は 訪 れなかった 雛 に 寄 する 展 覧 会 が 夢 二 の 人 形 制 作 活 動 にとっても 作 家 活 動 全 般 にとっても 頂 点 を 画 するものと 見 なされる 所 以 である 以 上 に 示 したとおり 夢 二 の 人 形 制 作 活 動 を 追 跡 するとともに それを 夢 二 の 作 家 活 動 全 体 の 中 に 位 置 づけてみせる さらに 夢 二 以 後 の 日 本 の 人 形 史 の 中 にも 位 置 づ

けてみせるのである すでに 触 れたとおり 夢 二 が 制 作 した 人 形 は 少 ししか 残 されていない したがって その 人 形 制 作 活 動 については 当 時 の 雑 誌 や 写 真 記 事 文 章 などによって 跡 づけ るほかない 雛 に 寄 する 展 覧 会 に 出 品 された 人 形 作 品 にしたところで タイトル はわかっても 実 物 どころか 作 品 写 真 さえ 残 っていないものがほとんどである ま た それらのタイトルはタイトルで 暗 示 的 な 言 葉 が 用 いられているのに タイトル の 意 味 やタイトル 相 互 の 関 係 について 本 論 文 では 究 明 がなされているとはいいが たい そのような 状 況 で 雛 に 寄 する 展 覧 会 に 夢 二 の 作 家 としての 頂 点 を 見 ると いっても 説 得 力 には 限 界 があるのではないか そのような 疑 問 が 湧 くのは 押 さえが たいし 事 実 調 査 委 員 から そのような 疑 問 が 呈 されもした とはいえ 散 在 する 膨 大 な 資 料 から 夢 二 の 人 形 制 作 活 動 をあぶり 出 し 夢 二 の 作 家 活 動 全 体 の 中 に 位 置 づけ 夢 二 以 後 の 日 本 の 人 形 芸 術 史 にまで 説 き 及 んだ 功 績 については 高 く 評 価 すべ きと 思 われる よって 本 論 文 は 博 士 ( 人 間 環 境 学 )の 学 位 論 文 として 価 値 あるものと 認 める また 平 成 27 年 6 月 26 日 論 文 内 容 とそれに 関 連 した 事 項 について 試 問 を 行 った 結 果 合 格 と 認 めた なお 本 論 文 は 京 都 大 学 学 位 規 程 第 14 条 第 2 項 に 該 当 するものと 判 断 し 公 表 に 際 しては 当 該 論 文 の 全 文 に 代 えてその 内 容 を 要 約 したものとすることを 認 める 要 旨 公 表 可 能 日 : 平 成 年 月 日 以 降