1.H26年エイズ発生動向年報ー概要



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Ⅰ 人 口 の 現 状 分 析 Ⅰ 人 口 の 現 状 分 析 1 人

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(2) 宿 泊 施 設 の 現 状 1 回 答 状 況 及 び 集 計 方 法 今 回 の 調 査 対 象 とした 174( 平 成 23 年 度 新 規 開 業 した 1 施 設 を 含 む) 施 設 のうち 調 査 で 廃 休 業 などが 判 明 した 4 施 設 を 除 く 170 施 設 を

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頸 がん 予 防 措 置 の 実 施 の 推 進 のために 講 ずる 具 体 的 な 施 策 等 について 定 めることにより 子 宮 頸 がんの 確 実 な 予 防 を 図 ることを 目 的 とする ( 定 義 ) 第 二 条 この 法 律 において 子 宮 頸 がん 予 防 措 置 とは 子 宮

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17 外 国 人 看 護 師 候 補 者 就 労 研 修 支 援 18 看 護 職 員 の 就 労 環 境 改 善 運 動 推 進 特 別 20 歯 科 医 療 安 全 管 理 体 制 推 進 特 別 21 在 宅 歯 科 医 療 連 携 室 整 備 22 地 域 災 害 拠 点 病

決 勝 を 行 う 予 選 での6 種 目 の 各 種 目 ベスト4の 得 点 総 合 計 により 上 位 18 チームを 選 び そのチームによって 決 勝 を 行 う 成 績 順 位 は 決 勝 における6 種 目 の 各 種 目 ベスト4の 得 点 総 合 計 によって 決 定 する 女 子


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2 積 極 的 な 接 種 勧 奨 の 差 し 控 え 国 は 平 成 25 年 4 月 から 定 期 接 種 化 したが ワクチン 接 種 との 関 連 を 否 定 できない 持 続 的 な 痛 みなどの 症 状 が 接 種 後 に 見 られたことから 平 成 25 年 6 月 定 期 接 種 と

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統 計 表 1 措 置 入 院 患 者 数 医 療 保 護 入 院 届 出 数, 年 次 別 措 置 入 院 患 者 数 ( 人 ) ( 各 年 ( 度 ) 末 現 在 ) 統 計 表 2 措 置 入 院 患 者 数 ( 人 口 10 万 対 ) ( 各 年 ( 度 ) 末 現 在 ) 主 な 生

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81 平 均 寿 命 女 単 位 : 年 全 国 長 野 県 島 根 県 沖 縄 県 熊 本 県 新 潟 県 三 重 県 岩 手 県 茨 城 県 和 歌


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2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

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も 上 昇 すると 見 込 まれる (P.8 11 表 3-2) 2030 年 の 就 業 率 は ゼロ 成 長 参 加 現 状 で 53.2%と 2014 年 の 57.3%から 低 下 するが 経 済 再 生 参 加 進 展 では 59.0%に 上 昇 すると 見 込 まれる (P

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第1回未決拘禁者の処遇等に関する有識者会議配布資料

設 問 一 覧 全 員 にお 聞 きします 103 万 円 の 壁 130 万 円 の 壁 について 知 っていますか?...(SA) あなたの 年 収 を 教 えてください...(SA) 年 収 が 103 万 円 以 下 103 万 円 超 130 万 円 以 下 と 答 えた 人 あなたは 年

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 23 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 号 給 の 給 料 月 額 最 高 号 給 の 給 料 月 額 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 ( 単 位 : ) 6 級 7 級 8 級 135, , ,900 2

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( 別 紙 ) 以 下 法 とあるのは 改 正 法 第 5 条 の 規 定 による 改 正 後 の 健 康 保 険 法 を 指 す ( 施 行 期 日 は 平 成 28 年 4 月 1 日 ) 1. 標 準 報 酬 月 額 の 等 級 区 分 の 追 加 について 問 1 法 改 正 により 追 加


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                         庁議案件No

(2) 特 別 障 害 給 付 金 国 民 年 金 に 任 意 加 入 していなかったことにより 障 害 基 礎 年 金 等 を 受 給 していない 障 がい 者 の 方 に 対 し 福 祉 的 措 置 として 給 付 金 の 支 給 を 行 う 制 度 です 支 給 対 象 者 平 成 3 年 3

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36 東 京 私 桜 美 林 大 学 大 学 院 心 理 学 研 究 科 37 東 京 私 大 妻 女 子 大 学 大 学 院 人 間 文 化 研 究 科 38 東 京 私 学 習 院 大 学 大 学 院 人 文 科 学 研 究 科 39 東 京 私 国 際 医 療 福 祉 大 学 大 学 院 医

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図 3. 新 規 HIV 感 染 者 報 告 数 の 国 籍 別 性 別 年 次 数 推 移 図 4. 新 規 AIDS 患 者 報 告 数 の 国 籍 別 性 別 年 次 推 移 (2) 感 染 経 路 1HIV 感 染 者 2014 年 の HIV 感 染 者 報 告 例 の 感 染 経 路 は 異 性 間 の 性 的 接 触 が 179 件 (16.4%) 同 性 間 の 性 的 接 触 が 789 件 (72.3%)で 性 的 接 触 によるものは 合 わせて 968 件 (88.7%)を 占 めた( 図 5) また 母 子 感 染 は 昨 年 に 引 き 続 き 1 件 報 告 があった 日 本 国 籍 例 では 男 性 同 性 間 の 性 的 接 触 は 736 件 ( 前 年 727 件 )であり 異 性 間 の 性 的 接 触 は 男 性 が 126 件 ( 前 年 142 件 ) 女 性 が 32 件 ( 前 年 26 件 )であった 男 性 同 性 間 の 性 的 接 触 による 感 染 者 数 は 2007 年 以 降 ほぼ 横 ばいの 推 移 である( 図 6) 日 本 国 籍 男 性 の 静 注 薬 物 使 用 は 2001 年 以 降 毎 年 1-5 件 報 告 が 続 いて おり 前 年 (2013 年 )は 0 件 だったが 2014 年 は 3 件 の 報 告 があった これまでの 累 計 において 日 本 国 籍 男 性 の HIV 感 染 者 の 主 要 な 感 染 経 路 はいずれの 年 齢 階 級 において も 同 性 間 性 的 接 触 例 の 割 合 がもっとも 高 い( 図 8) 年 齢 が 上 がるに 従 い 異 性 間 性 的 接 触 の 割 合 が 高 くなる 傾 向 がみられた 図 5.2014 年 に 報 告 された 新 規 HIV 感 染 者 の 感 染 経 路 別 内 訳 図 6. 日 本 国 籍 男 性 の 新 規 HIV 感 染 者 報 告 数 の 感 染 経 路 別 年 次 推 移 ( 静 注 薬 物 使 用 母 子 感 染 その 他 は 除 く) 図 7. 日 本 国 籍 女 性 の 新 規 HIV 感 染 者 報 告 数 の 経 路 別 年 次 推 移 ( 静 注 薬 物 使 用 母 子 感 染 その 他 を 除 く) 図 8. 日 本 国 籍 HIV 感 染 者 報 告 数 の 年 齢 別 性 別 感 染 経 路 別 内 訳 ( 累 計 性 的 接 触 に 限 る 年 齢 不 明 を 除 く)

2AIDS 患 者 2014 年 の AIDS 患 者 報 告 例 の 感 染 経 路 は 異 性 間 の 性 的 接 触 による 感 染 が 120 件 (26.4%) 同 性 間 の 性 的 接 触 による 感 染 が 258 件 (56.7%)で 性 的 接 触 による 感 染 は 合 わせて 378 件 (83.1%)を 占 めた( 図 9) 日 本 国 籍 男 性 例 の 感 染 経 路 を 見 ると 同 性 間 性 的 接 触 は 248 件 ( 前 年 263 件 )で 過 去 3 位 である 異 性 間 の 性 的 接 触 は 99 件 ( 前 年 103 件 )で 2000 年 以 降 ほぼ 横 ばいで 推 移 している( 図 10) なお HIV 感 染 者 AIDS 患 者 ともに 静 注 薬 物 使 用 や 母 子 感 染 によるものはいずれも1% 未 満 にとどまって いる ( 図 9) 図 9.2014 年 に 報 告 された 新 規 AIDS 患 者 の 感 染 経 路 別 内 訳 図 10. 日 本 国 籍 男 性 の 新 規 AIDS 患 者 報 告 数 の 感 染 経 路 別 年 次 推 移 ( 静 注 薬 物 使 用 母 子 感 染 その 他 は 除 く) (3) 外 国 国 籍 報 告 2014 年 の 外 国 国 籍 の 報 告 例 は HIV 感 染 者 が 97 件 ( 前 年 110 件 ) AIDS 患 者 では 33 件 ( 前 年 35 件 )であった HIV 感 染 者 AIDS 患 者 共 に 異 性 間 の 性 的 接 触 による 感 染 例 は 増 減 を 繰 り 返 しつつほぼ 横 ばいの 状 況 にある また 男 性 同 性 間 の 性 的 接 触 による HIV 感 染 者 は 2006 年 に 大 きく 増 加 して 以 降 ほぼ 横 ばいの 状 況 が 続 いていたが 2010 年 以 降 増 加 に 転 じ 2014 年 は 過 去 最 高 だった 昨 年 (53 件 )に 続 き50 件 を 越 えた(53 件 ) ( 図 11) また 図 11. 外 国 国 籍 男 性 の 新 規 HIV 感 染 者 の 感 染 経 路 別 年 次 推 移 ( 静 注 薬 物 使 用 母 子 感 染 その 他 は 除 く) 昨 年 (2013 年 ) 静 中 薬 物 使 用 が HIV 感 染 者 で 2 件 AIDS 患 者 では 3 件 の 報 告 があったが 2014 年 は 0 件 だ った 推 定 感 染 地 域 は 男 性 HIV 感 染 者 で 2001 年 以 降 継 続 して 国 内 感 染 が 国 外 感 染 を 上 回 っている ま た 2014 年 の 外 国 国 籍 例 (130 件 )の 報 告 地 は 26 都 府 県 で 東 京 都 (48 件 ) 愛 知 県 (15 件 ) 神 奈 川 県 (9 件 ) 大 阪 府 (9 件 ) 埼 玉 県 (7 件 )の 順 で 多 かった (4) 推 定 される 感 染 地 域 および 報 告 地 HIV 感 染 者 の 推 定 感 染 地 域 は 全 体 の 87.2%(951 件 )が 国 内 感 染 で 日 本 国 籍 例 (994 件 )では 90.6% (901 件 )を 占 めていた AIDS 患 者 の 推 定 感 染 地 域 は 全 体 の 78.9%(359 件 )が 国 内 感 染 で 日 本 国 籍 例 (422 件 )では 82.7%(349 件 )を 占 めていた 報 告 地 では HIV 感 染 者 は 東 京 都 を 含 む 関 東 甲 信 越 からの 報 告 が 多 く 2014 年 の 報 告 では 53.3%(581 件 )を 占 める 東 京 都 からの 報 告 は 1996 年 頃 から 増 加 傾 向 となり 2008 年 をピークに 横 ばい 傾 向 にある 東 京 都 を 除 く 関 東 甲 信 越 では 2010 年 以 降 やや 増 加 傾 向 がみられていたが 2014 年 は 減 少 した 東 京 都 を 含 む 関 東 甲 信 越 に 次 いで 報 告 が 多 い 近 畿 は 全 体 のうち 2014 年 の 報 告 では 18.9%を 占 める 近 畿 からの 報 告 数 も1998 年 以 降 増 加 傾 向 であったが 2008 年 以 降 横 ばい 傾 向 にある その 他 の 地 域 についても 近 年 は 全 体 的 に 横 ばいの 傾 向 が 認 められるが 2010 年 以 降 九 州 からの 報 告 数 が 増 加 傾 向 にあり 2014 年 は 初 めて 100 件 を 越 えた(109 件 ) ( 図 12)

AIDS 患 者 の 報 告 地 別 分 布 は HIV 感 染 者 とほぼ 同 様 で 東 京 都 を 含 む 関 東 甲 信 越 に 2014 年 の 報 告 で は 44.6%(203 件 )と 集 中 している 2014 年 は 東 京 都 が 96 件 と 過 去 最 高 だった 前 年 (110 件 )から 14 件 減 少 し たものの 依 然 全 体 の 21.1%を 占 めている 東 京 都 を 除 く 関 東 甲 信 越 では 2009 年 以 降 増 加 が 続 き 2012 年 以 降 は 横 ばい 傾 向 にある 近 畿 は 1995 年 以 降 2009 年 まで 増 加 傾 向 で 以 降 横 ばいで 推 移 している 2014 年 の 報 告 で 18.0%(82 件 )と 東 京 都 を 含 む 関 東 甲 信 越 に 次 いで 多 い 状 況 が 依 然 続 いている 唯 一 2 年 続 けて 増 加 した 九 州 は 初 めて 東 海 を 上 回 り 近 畿 に 次 ぐ 報 告 数 であった(58 件 ) 2011 年 まで 東 海 は 増 加 傾 向 にあったが 2012 年 以 降 横 ばい 傾 向 にある 中 国 四 国 北 陸 はゆるやかな 増 加 傾 向 から 横 ばいへと 移 行 してきている 北 海 道 東 北 はほぼ 横 ばいの 推 移 が 続 いている( 図 13) 東 京 都 と 大 阪 府 およびその2 府 県 を 除 いた 他 のブロックの 新 規 報 告 件 数 に 占 めるAIDS 患 者 の 割 合 を2000 年 以 降 プロットすると 東 京 都 は 2000 年 に 30%だった 割 合 が 漸 減 し 2007 年 以 降 は 20% 前 後 で 推 移 した 一 方 大 阪 府 は 2006 年 までは 東 京 都 と 同 様 に 減 少 し 一 旦 20% 以 下 まで 低 下 するが 翌 年 から 増 加 に 転 じ 近 年 は 25% 前 後 で 推 移 している 東 京 都 と 大 阪 府 を 除 いた 他 のブロックの 平 均 は 2007 年 以 降 は 30% 台 後 半 で 推 移 している( 図 14) 図 12. 新 規 HIV 感 染 者 報 告 数 の 報 告 地 (ブロック) 別 年 次 推 移 図 13. 新 規 AIDS 患 者 報 告 数 の 報 告 地 (ブロック) 別 年 次 推 移 図 14. 新 規 報 告 件 数 に 占 める AIDS 患 者 の 割 合 年 次 推 移 : 東 京 都 大 阪 府 とその 他 の 地 域 の 比 較

2014 年 報 告 数 の 上 位 10 位 は HIV 感 染 者 では 東 京 都 大 阪 府 神 奈 川 県 愛 知 県 福 岡 県 千 葉 県 埼 玉 県 兵 庫 県 沖 縄 県 北 海 道 で AIDS 患 者 では 東 京 都 大 阪 府 愛 知 県 神 奈 川 県 福 岡 県 埼 玉 県 千 葉 県 沖 縄 県 茨 城 県 岐 阜 県 兵 庫 県 であった( 表 ) なお 人 口 10 万 対 では HIV 感 染 者 では 石 川 県 大 分 県 宮 崎 県 群 馬 県 が また AIDS 患 者 では 福 井 県 鳥 取 県 栃 木 県 宮 崎 県 奈 良 県 が 上 位 に 加 わる 昨 年 は 九 州 から 報 告 数 で10 位 以 内 に 入 っていたのは 福 岡 県 だ けであったが 2014 年 は HIV 感 染 者 と AIDS 患 者 のど ちらにも 沖 縄 県 が 入 っている また 人 口 10 万 対 でみる と HIV 感 染 者 では 九 州 から 4 県 ( 沖 縄 福 岡 大 分 宮 崎 ) AIDS 患 者 では 3 県 ( 沖 縄 福 岡 宮 崎 )が 10 位 内 に 入 っており 沖 縄 は 1 位 である 表 新 規 HIV 感 染 者 AIDS 患 者 上 位 10 位 の 自 治 体 2. まとめ 2014 年 の HIV 感 染 者 および AIDS 患 者 の 両 者 を 合 わせた 新 規 報 告 数 は 1,546 件 ( 前 年 1,590 件 )であっ た HIV 感 染 者 報 告 数 は 2007 年 より 年 間 1,000 件 を 越 えており 2008 年 をピークとしてその 後 横 ばい 傾 向 に あるが 2014 年 はこれまでで 3 番 目 に 多 かった AIDS 患 者 報 告 件 数 (455 件 )は 2013 年 (484 件 ) 2011 年 (473 件 ) 2010 年 (469 件 )に 次 いで4 番 であった 報 告 例 の 大 半 を 占 める 日 本 国 籍 男 性 のHIV 感 染 者 数 は 2008 年 以 降 増 加 から 横 ばい 傾 向 にある 感 染 経 路 では HIV 感 染 者 の 72.3%(789 件 ) AIDS 患 者 の 56.7%(258 件 )を 同 性 間 性 的 接 触 による 感 染 例 が 占 める そのうち 日 本 国 籍 男 性 の 同 性 間 性 的 感 染 は HIV 感 染 者 では 2008 年 をピークとしてその 後 5 年 間 は 横 ばい 傾 向 で AIDS 患 者 では 2011 年 から 横 ばい 傾 向 にある 日 本 国 籍 男 性 のHIV 感 染 者 と AIDS 患 者 の 両 方 で 静 注 薬 物 使 用 の 報 告 が 昨 年 0 件 だったが 2014 年 はそれぞれ 3 件 と 4 件 あった 年 齢 では HIV 感 染 者 は 20 30 歳 代 に 集 中 しており 2014 年 は 2002 年 以 来 12 年 ぶりに 20 歳 代 の 合 計 件 数 (349 件 )が 30 歳 代 (347 件 )を 上 回 った また 65-69 歳 (19 件 )および 70-74 歳 (5 件 )で 前 年 より 増 加 した AIDS 患 者 では 20 歳 以 上 に 幅 広 く 分 布 し 特 に 30 歳 代 40 歳 代 に 多 い 傾 向 が 続 いている 報 告 地 では HIV 感 染 者 については ほとんどの 地 域 で 横 ばい 傾 向 を 示 したが 九 州 は 増 加 傾 向 が 続 い ている AIDS 患 者 については 2014 年 は 東 京 都 で 96 件 あり 過 去 最 高 だった 前 年 (110 件 )と 比 較 してやや 減 少 したものの 全 体 の 21.1%を 占 めている ここ 数 年 全 体 としては 横 ばい 傾 向 が 続 いていると 言 えるが 唯 一 九 州 からの 報 告 数 が 2 年 続 けて 増 加 しており 2014 年 は 初 めて 100 件 を 越 えた(109 件 ) 特 に 沖 縄 は 2014 年 の AIDS 患 者 報 告 数 の 人 口 10 万 対 が 1 位 となった また 2014 年 の 保 健 所 等 での HIV 検 査 件 数 は 145,048 件 ( 前 年 136,400 件 )と 前 年 から 増 加 となり 相 談 件 数 は 150,993 件 ( 前 年 145,401 件 )と 増 加 となった HIV 感 染 者 AIDS 患 者 の 早 期 発 見 早 期 治 療 のため に 検 査 の 必 要 性 をこれまで 以 上 に 広 報 する 事 が 求 められる また 陽 性 者 への 支 援 や 医 療 福 祉 等 の 整 備 も よりいっそう 進 める 必 要 がある 新 規 HIV 感 染 者 AIDS 患 者 報 告 数 が 毎 年 増 加 していた 2000 年 代 前 半 までと 比 較 して ここ 数 年 間 の 新 規 HIV 感 染 者 AIDS 患 者 報 告 数 は 横 ばい 傾 向 に 見 受 けられる しかし 2007 年 以 降 常 に 年 間 1,500 件 前 後 の 新 規 報 告 が 続 いている 状 況 にあり 累 積 報 告 件 数 ( 凝 固 因 子 製 剤 による 感 染 例 を 除 く)は 2014 年 末 に 24,561 件 に 達 した 特 に 新 規 AIDS 患 者 の 動 向 は 減 少 なく 早 期 診 断 を 行 うための 更 なる 対 策 が 急 務 である 新 規 報 告 数 に 占 める AIDS 患 者 の 割 合 は 未 だ 30% 前 後 と 高 い 値 を 維 持 しており 男 性 異 性 間 に 限 れば 40% を 越 えている( 図 15) また 年 代 別 人 口 で 10 万 対 の 発 生 数 を 比 較 すると ほとんどの 年 代 で 罹 患 率 が 上 昇

傾 向 にあり 特 に 20-24 歳 と 25-29 歳 で 顕 著 である( 図 16) 20 歳 代 の HIV 罹 患 率 の 高 さと 60 歳 以 上 の HIV 感 染 者 および AIDS 患 者 数 の 増 加 に 対 し 早 急 な 対 策 が 必 要 であろう 国 においては HIV 感 染 の 現 状 と 正 確 な 情 報 を 広 く 国 民 に 向 けて 広 報 し また 各 自 治 体 にあっては 地 域 の 発 生 状 況 に 基 づいた HIV 感 染 対 策 に 取 り 組 むことが 求 められる 特 に 近 年 増 加 傾 向 が 見 られる 九 州 ブロッ クの 特 に 沖 縄 県 においては 積 極 的 な 自 治 体 の 関 与 が 必 要 と 言 える 感 染 者 の 過 半 数 が 男 性 同 性 間 性 的 接 触 によること ならびに 男 性 異 性 間 性 的 接 触 による 感 染 者 にエ イズ 発 症 割 合 が 高 い 傾 向 にあることをふまえ 外 国 国 籍 の 感 染 者 も 含 め エイズ 予 防 指 針 に 基 づき 予 防 啓 発 早 期 発 見 早 期 治 療 に 向 けた 対 策 相 談 等 の 支 援 などの 対 策 を 進 める 必 要 がある 図 15. 新 規 報 告 件 数 に 占 める AIDS 患 者 の 割 合 の 感 染 経 路 年 次 推 移 図 16. 年 齢 階 級 別 新 規 HIV 感 染 者 罹 患 率 の 年 次 推 移