130 万 円 の 壁 と 30 時 間 の 深 い 河 ( 公 財 ) 年 金 シニアプラン 総 合 研 究 機 構 研 究 主 幹 一 橋 大 学 名 誉 教 授 高 山 憲 之 201 年 月 安 倍 内 閣 は 日 本 再 興 戦 略 の 目 玉 として 女 性 の 活 躍 推 進 を 打 ち 出 し 女 性 の 働 き 方 に 中 立 的 な 税 制 や 社 会 保 障 制 度 を 実 現 すべく 鋭 意 検 討 中 である その 中 で いわゆる 130 万 円 の 壁 が 103 万 円 の 壁 配 偶 者 控 除 とともに 俎 上 に 載 せられている 社 会 保 険 制 度 上 正 規 の 給 与 所 得 者 を 夫 にもつ 妻 が 年 間 で 130 万 円 以 上 の 給 与 を 稼 ぐと 夫 の 被 扶 養 者 ( 年 金 制 度 上 は 第 3 号 被 保 険 者 )ではなくなり 妻 本 人 分 の 年 金 保 険 料 医 療 保 険 料 介 護 保 険 料 を 自 ら 納 付 することになる 妻 の 給 与 が 130 万 円 以 上 になった 途 端 に 手 取 りの 給 与 が 減 り 目 先 だけに 限 定 すると 働 き 損 になってしまう そこで 妻 は 130 万 円 の 手 前 で 就 労 を 抑 制 しがちとなる これが 130 万 円 の 壁 にほかならない( 図 1) 図 1 いわゆる 130 万 円 の 壁 出 所 ) 財 務 省 働 き 方 の 選 択 に 対 して 中 立 的 な 税 制 を 中 心 とした 所 得 税 のあり 方 税 制 調 査 会 参 考 資 料 2014 年 11 月 7 日 3 ページ 1
多 数 の 第 3 号 被 保 険 者 が 年 間 の 給 与 収 入 を 限 りなく 130 万 円 に 近 いところ(たとえば 120 万 円 台 )に 収 める 行 動 を 実 際 にとっているのであれば 130 万 円 の 壁 は 実 在 すること になる 130 万 円 の 壁 は 本 当 に 存 在 するのだろうか この 点 を 調 べるために 世 代 間 問 題 研 究 プロジェクトが 実 施 した 年 金 加 入 記 録 に 基 づく くらしと 仕 事 に 関 するインターネット 調 査 (2011 年 調 査 )のデータを 再 集 計 してみた ( 注 1) すなわち 調 査 対 象 者 本 人 が 女 性 の 第 3 号 被 保 険 者 ( 年 齢 は 30~9 歳 )である 人 を 抜 きだし さらに 本 人 年 収 ゼロの 人 を 除 外 した 31 サンプルに 限 定 して その 本 人 年 収 の 分 布 を 整 理 した その 再 集 計 結 果 をとりまとめたのが 図 2である 2 (%) 図 2 第 3 号 女 性 本 人 の 年 収 分 布 (2010 年 ) 20 1 10 0 ( 万 円 ) 注 ) 調 査 対 象 者 本 人 が 女 性 であり かつ 第 3 号 被 保 険 者 のケースのみを 集 計 した さらに 本 人 年 収 ゼロの 人 は 除 外 した 本 人 年 収 は 前 年 分 であり 130 万 円 以 上 を 含 んでいる 出 所 ) 世 代 間 問 題 研 究 プロジェクト くらしと 仕 事 に 関 するインターネット 調 査 (2011 年 調 査 ) 図 2をみれば 明 らかなように 妻 の 年 収 の 最 頻 値 は 10 万 円 きざみでみると 100~109 万 円 のところにあり 120 万 円 台 にはない 年 収 100~109 万 円 をさらに 細 かく 区 分 すると 年 収 100 万 円 のサンプルが 圧 倒 的 に 多 い( 注 2) なお 年 収 104~109 万 円 のサンプルは 上 記 データでは1つも 観 察 されなかった 妻 の 就 労 を 阻 害 する 壁 があるとすれば それは 130 万 円 の 壁 ではなく むしろ 103 万 円 の 壁 だということになる 130 万 円 の 壁 は 幻 と 言 うほかない 配 偶 者 控 除 と 配 偶 者 特 別 控 除 所 得 税 には かつて 103 万 円 の 壁 が 厳 然 と 存 在 していた 妻 の 給 与 収 入 が 年 間 103 万 円 を 超 えると 夫 は 所 得 税 を 計 算 するさいに 配 偶 者 控 除 が 認 められなくなり 世 帯 全 体 でみた 手 取 り 収 入 がガクンと 減 ってしまったからである しかし このような 手 取 りの 逆 転 を 解 消 するために 配 偶 者 特 別 控 除 が 1987 年 に 創 設 され 今 日 に 到 っている 配 偶 者 特 別 控 除 とは 配 偶 者 の 給 与 収 入 が 103 万 円 を 超 え 141 万 円 までの 場 合 に 適 用 される 所 得 控 除 であり 最 高 38 万 円 配 偶 者 の 給 与 収 入 が 増 えると 控 除 額 が 減 る 夫 の 所 得 が 年 2
間 1000 万 円 以 下 ( 給 与 収 入 では 1230 万 円 程 度 以 下 )の 人 が 対 象 である 図 1に 示 したよ うに 配 偶 者 特 別 控 除 を 追 加 的 に 考 慮 する 場 合 妻 の 収 入 が 103 万 円 を 超 えると 手 取 り 金 額 の 伸 びは 緩 やかになるものの その 落 ちこみはない 税 制 上 103 万 円 の 壁 は 既 に 消 失 しているのである 配 偶 者 手 当 それでは 税 制 以 外 で 103 万 円 の 壁 となっているものは 何 だろうか それは 企 業 がフリ ンジベネフィットの1つとして 支 給 している 配 偶 者 手 当 ( 家 族 手 当 とも 呼 ばれている)で ある 配 偶 者 手 当 は 勤 務 実 績 には 直 接 かかわりのない 形 で 支 給 される 生 活 費 補 助 の1つで あり 日 本 では4 分 の3 強 の 企 業 が 採 用 している その 普 及 度 は 現 在 においても 高 い 手 当 の 月 額 は 全 国 平 均 で 約 1 万 4000 円 強 となっている その 支 給 要 件 は 妻 の 年 収 が 103 万 円 以 下 という 例 が 最 も 多 い( 注 3) 図 3は 配 偶 者 手 当 が 月 額 2 万 円 妻 の 年 収 が 103 万 円 以 下 というケースを 想 定 し 妻 の 給 与 が 増 えるにつれて 世 帯 としての 手 取 り 収 入 がどのように 変 化 していくかを 調 べたも のである 妻 の 年 収 が 103 万 円 のとき 世 帯 ベースの 手 取 りは 一 旦 ピークをうち それ 以 上 では 妻 の 年 収 が 170 万 円 まで 働 き 損 の 状 況 がつづく 妻 の 年 収 が 130 万 円 のところで 世 図 3 いわゆる 103 万 円 の 壁 ( 配 偶 者 手 当 ) 世 帯 の 手 取 り 収 入 推 移 :もっと 怖 いのは 夫 の 勤 務 先 の 妻 扶 養 手 当 がゼロになること! 注 1) 横 軸 は 妻 の 給 与 収 入 ( 年 間 万 円 )を 表 す 注 2) 家 族 構 成 は 夫 婦 ともに 40 歳 以 上 23 区 在 住 夫 は 額 面 年 収 800 万 円 ( 子 どもは 中 学 生 以 下 )の 会 社 員 注 3) 妻 扶 養 手 当 月 2 万 円 支 給 要 件 は 妻 の 年 収 103 万 円 以 下 の 場 合 の 試 算 例 出 所 ) 深 田 晶 恵 パート 主 婦 は 103 万 円 の 壁 を 越 えると 本 当 にソンなのか? DIAMOND online 201 年 1 月 28 日 3
帯 ベースの 手 取 りは 落 ちこんでいるものの そのすぐ 手 前 妻 の 年 収 129 万 円 時 の 世 帯 ベ ースの 手 取 りは 妻 の 年 収 103 万 円 時 のピークには 及 ばない 配 偶 者 手 当 を 考 慮 しても 130 万 円 の 壁 は 実 在 しないのである 配 偶 者 手 当 の 支 給 基 準 は 税 制 上 の 配 偶 者 控 除 に 準 拠 して 定 められた 例 が 多 いようだ 配 偶 者 控 除 の 制 度 が 変 われば 配 偶 者 手 当 の 支 給 基 準 も 変 わる 可 能 性 が 高 い この 意 味 にお いて 103 万 円 の 壁 には 税 制 上 の 取 扱 いが 間 接 的 に 影 響 しており そのことを 否 定 するこ とはできないだろう( 注 4 ) 配 偶 者 手 当 は 欧 米 にはない 日 本 独 自 の 慣 行 だと 言 われて 久 しい( 注 6) ただ 税 制 が 見 直 されるか 否 かに 関 わりなく 最 近 では 配 偶 者 手 当 を 廃 止 する 事 例 が 増 えている ちなみ に 松 屋 デパートでは 1998 年 に 配 偶 者 手 当 を 含 む 家 族 手 当 の 廃 止 に 踏 み 切 った その 廃 止 を 言 いだしたのは 労 働 組 合 であり 労 使 協 議 で 決 めたのである 仕 事 の 実 績 を 給 与 に 一 段 と 反 映 させるための 原 資 に 配 偶 者 手 当 廃 止 に 伴 う 賃 金 分 を 回 したという( 注 7) また 直 近 では トヨタ 自 動 車 が 配 偶 者 手 当 の 廃 止 と その 見 返 りとして 子 ども 手 当 増 額 を 検 討 中 である 家 族 手 当 の 趣 旨 を 生 活 費 補 助 から 子 どもの 教 育 支 援 に 切 りかえるためだという( 共 同 通 信 201 年 2 月 13 日 ) 配 偶 者 手 当 を 事 業 主 が 一 方 的 に 縮 小 廃 止 することは 労 働 条 件 の 不 利 益 変 更 となるおそ れが 強 い 不 利 益 変 更 という 事 態 を 避 けるためには 労 使 間 の 十 分 な 協 議 を 踏 まえた 合 意 形 成 が 事 前 に 必 要 になる 配 偶 者 手 当 の 廃 止 は 独 身 者 への 差 別 を 無 くし 専 業 主 婦 優 遇 を 止 める さらには 正 規 社 員 優 遇 を 止 めるという 効 果 がある もっとも それとは 裏 腹 に 結 婚 についてはディスイ ンセンティブ 効 果 が 多 少 なりとも 生 じ 未 婚 化 や 少 子 化 にいっそう 拍 車 がかかるおそれが ある 週 30 時 間 の 深 い 河 配 偶 者 手 当 とは 比 較 にならないほどの 圧 倒 的 な 力 で 女 性 の 活 躍 を 阻 んでいると 思 われる ものが 実 は 他 にある それは 週 30 時 間 未 満 という 勤 務 条 件 である それは いわば 深 い 河 ( 注 8)として 多 くの 女 性 の 行 く 手 を 遮 っている 週 あたりの 勤 務 時 間 が 30 時 間 以 上 になると 被 用 者 は 原 則 として 厚 生 年 金 や 組 合 健 保 な いし 協 会 健 保 に 加 入 することになる それに 伴 って 事 業 主 や 加 入 者 本 人 には 社 会 保 険 料 負 担 が 納 付 義 務 として 発 生 する 同 時 に 加 入 者 本 人 には 給 付 面 のメリットも 新 たに 発 生 す る( 報 酬 比 例 年 金 や 傷 病 手 当 金 等 ) 社 会 保 険 料 率 が 高 くなると 事 業 主 は 人 件 費 抑 制 のために 社 会 保 険 料 の 負 担 増 を 回 避 し がちである バブル 崩 壊 後 事 業 主 は 正 規 社 員 の 雇 用 をスリム 化 し 週 30 時 間 未 満 の 非 正 規 雇 用 を 拡 大 してきた 正 規 社 員 として 勤 務 することを 希 望 しても その 願 いをかなえて もらえない 女 性 が 少 なくない ちなみに 非 正 規 で 働 く 人 が 今 日 女 性 被 保 険 者 の 61%を 占 めている( 就 業 構 造 基 本 調 査 2012 年 ) 非 正 規 の 被 用 者 比 率 は 女 性 だけでなく 若 者 や 高 齢 者 の 間 でも 高 まっている 実 際 非 正 規 の 被 用 者 比 率 は 直 近 の 2014 年 には 全 体 として 38%となっていた 1990 年 の 20%と くらべると 大 幅 なアップである 正 規 と 非 正 規 を 隔 てる 深 い 河 は 女 性 にとって 深 刻 な 問 題 であるが 女 性 にとどまらず 日 本 全 体 でも 大 問 題 となっている 4
非 正 規 の 短 時 間 労 働 者 は 実 際 どのように 働 いているのだろうか 図 4は 図 2と 同 じデ ータを 利 用 しながら 女 性 の 第 3 号 被 保 険 者 に 着 目 し その 週 あたり 労 働 時 間 の 分 布 を 整 理 した 結 果 である 短 時 間 勤 務 の 既 婚 女 性 は 週 20~29 時 間 で 働 くケースが 0%を 占 め 最 も 多 い(10 時 間 きざみでみた 場 合 ) そこで 週 20~29 時 間 勤 務 の 女 性 第 3 号 被 保 険 者 (83 サンプル)を 抜 きだし 1 時 間 き ざみでそのサンプル 割 合 を 調 べてみた 図 がその 結 果 である 週 20 時 間 の 人 が 突 出 して 多 く 次 に 多 いのは 週 2 時 間 の 人 であった 図 4 第 3 号 女 性 本 人 の 週 労 働 時 間 分 布 (2010 年 ) 40 (%) 3 30 2 20 1 10 0 1~4 ~9 10~14 1~19 20~24 2~29 ( 時 間 ) 注 ) 調 査 対 象 者 本 人 が 女 性 であり かつ 第 3 号 被 保 険 者 のケースのみを 集 計 した そのさい 本 人 年 収 ゼ ロの 人 は 除 外 し さらに 本 人 の 週 労 働 時 間 が 30 時 間 以 上 のサンプルを 除 外 した 出 所 ) 世 代 間 問 題 研 究 プロジェクト くらしと 仕 事 に 関 するインターネット 調 査 (2011 年 調 査 ) 図 第 3 号 女 性 本 人 の 週 労 働 時 間 分 布 (20~29 時 間 の 人 のみ) 0 4 40 3 30 2 20 1 10 0 (%) 20 21 22 23 24 2 26 27 28 29 ( 時 間 ) 注 ) 調 査 対 象 者 本 人 が 女 性 であり かつ 第 3 号 被 保 険 者 のケースのみを 集 計 した そのさい 本 人 年 収 ゼ ロの 人 は 除 外 し さらに 本 人 の 週 労 働 時 間 が 20~29 時 間 の 人 のみを 部 分 抽 出 した 出 所 ) 世 代 間 問 題 研 究 プロジェクト くらしと 仕 事 に 関 するインターネット 調 査 (2011 年 調 査 ) 女 性 の 活 躍 を 推 進 するためだけでなく 若 者 や 高 齢 者 の 活 躍 を 推 進 するためにも この 週 30 時 間 という 深 い 河 問 題 を 克 服 する 必 要 がある 政 府 は 当 面 週 30 時 間 の 縛 りを 週 20 時 間 の 縛 りに 変 更 する 方 向 で 動 いている ただ 究 極 的 な 問 題 解 決 方 法 は 社 会 保 険
料 の 賦 課 ベースを 賃 金 支 払 い 総 額 に 切 りかえることにあり そのことは 論 を 俟 たない 上 記 のように 社 会 保 険 料 の 賦 課 ベースを 切 りかえると 事 業 主 は 社 会 保 険 料 負 担 を 避 け るために 請 負 契 約 や 派 遣 で 採 用 する 短 時 間 労 働 者 を 増 やすおそれがある くわえて 中 長 期 的 にみるかぎり 短 時 間 勤 務 者 の 賃 金 は 抑 制 されるだろう 事 業 主 は 社 会 保 険 料 の 事 業 主 負 担 分 を 多 かれ 少 なかれ 本 人 に 転 嫁 しようとするからである 謝 辞 本 稿 の 作 成 にあたりデータの 処 理 や 図 の 作 成 等 の 作 業 において 富 岡 亜 希 子 さんの ご 協 力 を 得 た お 礼 を 申 しあげる 次 第 である ( 注 ) 1.この 調 査 の 詳 細 については 以 下 のウェブサイト 参 照 http://takayama-online.net/pie/stage3/japanese/d_p/dp2012/dp1/text.pdf 2. 安 部 由 起 子 教 授 ( 北 海 道 大 学 )は 国 民 生 活 基 礎 調 査 の 個 票 を 再 集 計 し 既 婚 女 性 の 給 与 収 入 分 布 に 関 して ほぼ 同 様 の 結 果 を 導 出 している(2012 年 版 男 女 共 同 参 画 白 書 第 1-2-13 図 ) さらに 塩 崎 厚 生 労 働 大 臣 も パートタイム 労 働 者 総 合 実 態 調 査 (2011 年 ) を 特 別 集 計 し 第 3 号 被 保 険 者 の 年 収 について ほぼ 同 様 の 傾 向 があることを 検 出 してい る( 経 済 財 政 諮 問 会 議 提 出 資 料 2014 年 10 月 21 日 2ページ) なお 厚 生 労 働 省 公 的 年 金 加 入 者 等 の 所 得 に 関 する 実 態 調 査 : 結 果 の 概 要 について (2012 年 12 月 )にも 第 3 号 の 本 人 年 収 分 布 ( 表 4-4)が 掲 載 されている ただ それは 年 収 が 0 万 円 きざみとなって おり その 分 布 では 100 万 円 への 集 中 を 確 認 できない 3. 財 務 省 働 き 方 の 選 択 に 対 して 中 立 的 な 税 制 を 中 心 とした 所 得 税 のあり 方 税 制 調 査 会 参 考 資 料 2014 年 11 月 7 日 36 ページ 4. 国 家 公 務 員 の 場 合 配 偶 者 手 当 の 支 給 基 準 は 配 偶 者 の 給 与 収 入 が 年 間 で 130 万 円 未 満 となっている 国 家 公 務 員 用 のこの 基 準 は 税 制 に 準 拠 したものではなく 年 金 をはじめ とする 社 会 保 険 制 度 ( 第 3 号 被 保 険 者 の 要 件 )に 準 拠 している 念 のため. 世 代 間 問 題 研 究 プロジェクト くらしと 仕 事 に 関 するインターネット 調 査 (2011 年 調 査 )によると 第 3 号 の 女 性 がパート 等 の 短 時 間 労 働 者 として 働 く 主 な 理 由 で 最 も 回 答 が 多 かったのは 配 偶 者 控 除 や 130 万 円 の 壁 ( 第 3 号 被 保 険 者 に 留 まるための 要 件 )を 考 慮 して であった(63%) 短 時 間 労 働 者 の 既 婚 女 性 は 税 制 や 社 会 保 障 制 度 における 壁 を 意 識 している 人 が 依 然 として 多 い 6. 太 平 洋 戦 争 時 代 の 1939 年 に 賃 金 の 引 き 上 げが 凍 結 された 中 で 家 族 手 当 の 支 給 増 額 だけが 認 められたため 家 族 手 当 は 爆 発 的 に 普 及 することになった 戦 後 も 一 早 く 典 型 モデルになった 電 産 型 賃 金 体 系 の 一 角 を 占 め 深 く 根 づいたのである 笹 島 芳 雄 なぜ 賃 金 には 様 々な 手 当 がつくのか 日 本 労 働 研 究 雑 誌 2009 年 4 月 号 参 照 7. 詳 細 は 日 本 の 人 事 部 家 族 手 当 の 項 参 照 http://jinjibu.jp/keyword/detl/29/ 8. 黒 人 霊 歌 深 い 河 の 歌 詞 に 登 場 する 神 聖 な 川 (ヨルダン 川 ) 向 う 岸 には すべて が 平 穏 な 約 束 の 地 である 故 郷 がある さらに アメリカ 南 北 戦 争 のさい 北 部 州 と 南 部 州 の 境 界 に 位 置 した 川 も 同 名 (Deep River)であり 自 由 と 隷 属 の 境 の 象 徴 として 語 られ ている 6