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39 キリスト 教 と 文 化 は 衝 突 したか RCCの 歩 みを 振 り 返 って 1 はじめに 本 稿 は 2011 年 12 月 13 日 に 開 催 されたRCCミニフォーラムにおける 林 忠 良 氏 ( 前 経 済 部 宗 教 主 事 RCC 初 代 センター 長 )の 講 演 内 容 を 受 けて 林 氏 が 明 ら かにした RCC 設 立 時 に 意 図 されていた 性 格 や 目 的 が その 後 どのように 継 承 されていったか(またされなかったか)を 検 証 すると 共 に 林 氏 が 指 摘 してい るRCCの 喫 緊 の 課 題 すなわち キリスト 教 主 義 が 大 の 研 究 教 育 に 果 たし 得 る 積 極 的 な 意 義 を 歴 史 的 経 緯 に 依 存 するのではなくて その 現 在 における 意 義 として 再 構 築 すること ( 当 日 配 布 のレジュメ8 頁 ) 2 について 若 干 の 私 見 を 述 べるものである 筆 者 自 身 関 西 院 大 に 奉 職 していた1997 年 4 月 から2007 年 3 月 の 間 に RCCの 主 任 研 究 員 また 研 究 プロジェクトのメンバーとして その 活 動 に 深 く 1 本 稿 は 2012 年 5 月 28 日 開 催 の 関 西 院 大 キリスト 教 と 文 化 研 究 センター( 以 下 RCC と 略 記 )ミニフォーラム( 研 究 プロジェクト 関 西 院 におけるキリスト 教 主 義 教 育 の 展 開 主 催 )における 講 演 の 第 Ⅰ 部 と 第 Ⅱ 部 を 講 演 時 以 降 のRCC の 歩 みをも 踏 まえて 文 章 化 した ものである 故 栗 林 輝 夫 教 授 は 法 部 宗 教 主 事 としての 務 めと 並 んで RCC における 働 き に 力 を 入 れておられた 後 述 する キリスト 教 平 和 事 典 はその 大 きな 成 果 の 一 つであるが 栗 林 教 授 はRCCの 活 動 に 大 きく 貢 献 され キリスト 教 と 文 化 という 関 西 院 大 の 研 究 と 教 育 における 大 事 な 課 題 を 担 う 中 心 的 な 役 割 を 果 たしてこられた その 貴 重 なお 働 きへの 感 謝 を 込 めて 本 稿 を 栗 林 教 授 に 謹 んで 献 呈 したい 2 林 氏 によるこの 講 演 は 残 念 ながらまだ 文 章 化 されていない 早 い 時 期 の 実 現 が 望 まれる

40 関 わりを 持 ってきた 3 本 稿 は その 経 験 も 踏 まえた 上 での RCC 発 足 以 来 の 歩 みに 関 する 考 察 である Ⅰ 問 題 設 定 RCCは1997 年 4 月 1 日 に 発 足 した 初 年 度 の 年 次 報 告 には センターの 活 動 基 本 方 針 が4つ 記 されている 第 1は センターの 目 的 が キリスト 教 と 人 間 世 界 文 化 自 然 の 諸 問 題 に 関 する 総 合 的 調 査 研 究 と 本 のキリスト 教 主 義 教 育 の 内 実 化 ( 規 程 第 2 条 )にあることを 規 定 し 第 2は センターの 考 える 文 化 が 最 も 広 義 に 人 間 のかかわる 現 代 的 な 課 題 を 包 摂 する 概 念 であることを 述 べている 注 目 されるべきは 活 動 基 本 方 針 の 第 3と 第 4である 3.< と > の 強 調 ( 際 性 ) <キリスト 教 >とそれらの 諸 問 題 とが 触 れ 合 う 接 点 で 生 じる 問 題 に 焦 点 を 合 わせる 従 って <キリスト 教 >の 延 長 線 上 で 問 題 解 決 を 探 ることよりも キリ スト 教 の< 外 >からなされる 問 題 提 起 を 真 摯 に 受 け 止 め それとの 折 衝 ( 葛 藤 や 緊 張 をふくむ)のなかで 課 題 をになうことに 努 力 する そのため 研 究 員 の 構 成 も 研 究 も<キリスト 教 >に 縮 約 しないように 配 慮 する また 非 キリスト 者 との 共 同 外 との 共 同 外 国 との 共 同 を 積 極 的 に 図 る ( 下 線 原 文 ) 4.キリスト 教 主 義 教 育 の 内 実 化 本 研 究 センター 活 動 は<キリスト 教 主 義 教 育 >の 研 究 に 特 化 させず 当 面 は 上 記 の 研 究 方 向 の 基 盤 整 備 に 努 力 を 傾 注 し それを 通 じて キリスト 教 主 義 教 育 の 内 実 化 に 寄 与 することを 目 指 す 3 主 任 研 究 員 :1998 1999( 春 期 のみ) 2002 2003 2004( 春 期 のみ) 2005 2006 年 度 研 究 プロジェクト 暴 力 とキリスト 教 メンバー:2002~2003 年 度 (2004 年 度 より 総 合 コースとして 授 業 提 供 ) 研 究 プロジェクト 聖 典 と 今 日 の 課 題 メンバー:2005~2006 年 度 その 他 複 数 分 野 専 攻 制 (MDS 後 述 参 照 )における 副 専 攻 プログラム 授 業 (1998~2000 年 度 ) 父 母 のためのキリスト 教 講 座 ( 後 述 参 照 )(2000 年 度 春 期 2006 年 3 月 24 日 特 別 講 座 2007 年 度 春 期 )も 担 当 した

キリスト 教 と 文 化 は 衝 突 したか 41 つまり キリスト 教 と 文 化 が 触 れ 合 い ぶつかる 接 点 で 生 じる 諸 問 題 を 研 究 課 題 とするのがRCCの 役 割 だというのである そのために 組 織 の 面 でも キリスト 教 内 部 の 人 間 だけで 固 まらないように 配 慮 するという また キリ スト 教 主 義 教 育 について 考 察 するにあたっても キリスト 教 内 部 での 議 論 を 展 開 するのではなく キリスト 教 と 文 化 の 接 点 という 視 点 でなされた 研 究 の 成 果 を 盛 り 込 むことによって キリスト 教 主 義 教 育 の 内 実 化 を 図 るという 手 法 がとられることになる 本 稿 の 課 題 は この 活 動 基 本 方 針 が 果 たしてその 後 どのように 維 持 され 展 開 されてきたかを 組 織 活 動 の 歴 史 を 振 り 返 って 検 証 することにある Ⅱ RCC の 歩 みを 振 り 返 る 1. 研 究 員 の 人 選 RCCには センター 長 1 名 副 センター 長 2 名 主 任 研 究 員 4 名 (いずれも 任 期 2 年 )の 他 若 干 名 の 研 究 員 を 置 くことになっている このうちセンター 長 と 副 センター 長 そして 主 任 研 究 員 は 大 所 属 の 宗 教 主 事 と 神 部 教 員 で 構 成 さ れるが 研 究 員 はそれ 以 外 の 大 教 員 にも 委 嘱 される というのも 上 述 の 活 動 基 本 方 針 に 研 究 員 の 構 成 も 研 究 も<キリスト 教 >に 縮 約 しないように 配 慮 する と 謳 われているからであり この 点 にRCCの 活 動 の 特 色 が 現 れるはず だからである そこで この 研 究 員 に 関 する 検 証 から 始 めることにしよう いわゆる キリ スト 教 スタッフ ( 神 部 教 員 宗 教 主 事 宣 教 師 ) 以 外 の 研 究 員 を 以 下 に 挙 げる 最 後 の (+ 名 ) は キリスト 教 スタッフの 研 究 員 数 である( 敬 称 略 *は 研 究 会 での 発 題 者 **はフォーラムないしミニフォーラムでの[ 研 究 プロジェクト メンバーでない] 講 演 者 )

42 1997-1998 年 度 : 田 中 きく 代 *( 文 部 ) 荻 野 昌 弘 *( 社 会 部 ) 矢 倉 達 夫 *( 理 部 ) 高 畑 由 起 夫 *( 総 合 政 策 部 )(いずれも1997 年 度 に 発 題 1998 年 度 は 研 究 会 での 発 題 者 なし) 1999 年 度 : 荻 野 昌 弘 ( 社 会 部 ) 岡 本 仁 宏 *( 法 部 ) 阪 智 香 *( 商 部 ) 高 山 奨 **( 理 部 ) 矢 倉 達 夫 ( 理 部 ) 高 畑 由 起 夫 ( 総 合 政 策 部 ) 2000 年 度 : 岩 武 昭 男 ( 文 部 ) 荻 野 昌 弘 ( 社 会 部 ) 岡 本 仁 宏 ( 法 部 ) 矢 倉 達 夫 ( 理 部 ) 藤 田 太 寅 ( 総 合 政 策 部 ) 高 畑 由 起 夫 ( 総 合 政 策 部 )(+1 名 ) 2001-2002 年 度 : 成 田 靜 香 ( 文 部 ) 荻 野 昌 弘 ( 社 会 部 ) 岡 本 仁 宏 ( 法 部 ) 矢 倉 達 夫 ( 理 部 ) 藤 田 太 寅 *( 総 合 政 策 部 ) 高 畑 由 起 夫 ( 総 合 政 策 部 )(+ 1 名 ) 2003-2004 年 度 : 後 藤 裕 加 子 ( 文 部 ) 成 田 靜 香 ( 文 部 ) 荻 野 昌 弘 ( 社 会 部 ) 武 田 丈 ( 社 会 部 ) 山 本 剛 郎 ( 社 会 部 ) 岡 本 仁 宏 *( 法 部 ) 矢 倉 達 夫 ( 理 工 部 ) 高 畑 由 起 夫 ( 総 合 政 策 部 ) 村 田 俊 一 *( 総 合 政 策 部 )(+1 名 )( 発 題 者 はすべて2003 年 度 2004 年 度 は 研 究 会 開 催 なし) 2005 年 度 : 対 馬 路 人 ( 社 会 部 ) 山 上 浩 嗣 ( 社 会 部 ) 大 庭 昭 博 *( 客 員 研 究 員 青 山 院 大 )(+8 名 ) 2006 年 度 : 対 馬 路 人 ( 社 会 部 ) 山 上 浩 嗣 ( 社 会 部 )(+7 名 )(この 年 度 以 降 全 体 での 研 究 会 開 催 なし) 2007 年 度 : 山 上 浩 嗣 ( 社 会 部 )(+5 名 ) 2008 年 度 : 山 上 浩 嗣 ( 社 会 部 ) オムリ ブージッド( 総 合 政 策 研 究 科 研 究 員 )(+5 名 ) 2009 年 度 :オムリ ブージッド*( 総 合 政 策 研 究 科 研 究 員 )(+4 名 ) 2010 年 度 :オムリ ブージッド( 総 合 政 策 研 究 科 研 究 員 )(+5 名 ) 2011-2012 年 度 : 奥 野 卓 司 ( 社 会 部 ) オムリ ブージッド*( 総 合 政 策 研 究 科 研 究 員 ) 近 藤 剛 ( 神 戸 国 際 大 ) 徐 亦 猛 ( 神 戸 中 華 教 会 )(+9 名 ) 2013-2014 年 度 : 鈴 木 慎 一 郎 ( 社 会 部 ) 水 戸 考 道 ( 法 部 ) 白 波 瀬 達 也 ( 社 会 部 教 務 補 佐 ) 三 阪 夕 芽 子 ( 社 会 部 大 院 生 ) 金 永 完 ( 中 国 山 東 大 學 法 院 ) 梁 陽 日 ( 立 命 館 大 )(+6 名 ) このリストからすぐに 見 て 取 れることは 二 つある 一 つは 研 究 員 による 活 動 のあり 方 が 変 化 しているということである すなわち 最 初 は 非 キリスト 教 スタッフ 研 究 員 による 研 究 会 での 発 題 が 積 極 的 になされていたのに その 数 が 次 第 に 減 少 している これは キリスト 教 と 文 化 の 文 化 の 側 からの 問 題 提 起 が 少 なくなったことを 意 味 する また 2004 年 度 を 境 にして 研 究 会 自 体

キリスト 教 と 文 化 は 衝 突 したか 43 が 開 催 されなくなっている このことはおそらく 後 述 のように RCCが 研 究 プロジェクト 単 位 での 研 究 を 推 し 進 めるようになったことと 関 係 があるだろう( 後 述 4 参 照 ) もう 一 つは メンバー 構 成 の 変 化 である 2005 年 度 から 急 に 所 謂 キリス ト 教 スタッフ の 研 究 員 が 増 加 している これは この 年 度 から キリスト 教 平 和 事 典 ( 教 文 館 )の 編 集 に 着 手 していることに 伴 う 人 選 と 考 えられるのだが ただし 同 書 の 出 版 (2009 年 9 月 )が 終 わった2010 年 度 の 研 究 員 人 選 にも 同 じ 傾 向 が 認 められる つまり 研 究 員 の 活 動 から 見 ても 人 員 構 成 から 見 ても RCC の 活 動 は キリスト 教 の 側 に 大 きく 重 心 が 移 ったことがうかがわれるのである 研 究 員 の 顔 ぶれには2011 年 度 にも 大 きな 変 化 がある それは この 年 度 か ら 研 究 プロジェクト( 後 述 )のメンバー 全 員 を 研 究 員 扱 いにしたことである これは プロジェクト 中 心 に 運 営 される 体 制 へと RCC が 移 行 したため プロジェ クトの 構 成 員 とは 別 にセンター 自 体 の 研 究 員 を 置 くことが 意 味 を 持 たなくなっ たからであろう 研 究 プロジェクトの 構 成 員 に キリスト 教 スタッフ 以 外 の 研 究 者 が 加 わったことで その 人 々が 自 動 的 に 研 究 員 となり RCCの 研 究 に 再 び 文 化 の 側 からの 問 題 提 起 が 強 まったことは 歓 迎 されるが しかしこ のような 形 で 研 究 員 という 資 格 を 維 持 する 必 要 があるのかは 疑 問 でもある 研 究 費 の 執 行 資 格 などをめぐる 問 題 も 関 係 しているのかもしれないが プロジェ クト 単 位 で 動 く 体 制 を 採 る 以 上 もはや RCC 研 究 員 という 立 場 が 本 来 担 っ ていた 文 化 の 側 からの 問 いかけをなしていくという 役 割 は 曖 昧 になってい るように 思 われる 2. 複 数 分 野 専 攻 制 (MDS) 4 の 授 業 担 当 者 RCCは1999 年 度 より 複 数 分 野 専 攻 制 の 副 専 攻 プログラム キリスト 教 と 文 化 を 開 設 し 授 業 科 目 を 提 供 し 始 めた 4 Multidisciplinary Studiesの 略 ただしこの 制 度 は2014 年 度 から 略 称 を MS に 変 更 し ている

44 その 科 目 担 当 者 は 以 下 の 通 りで 下 線 はキリスト 教 スタッフ 以 外 の 担 当 者 で ある 下 線 の 担 当 者 についてのみ 担 当 科 目 名 を 付 記 した 1998 年 度 : 前 島 宗 甫 宮 谷 宣 史 松 木 真 一 岩 武 昭 男 ( 文 部 キリスト 教 と 諸 宗 教 A) 舟 木 讓 1999 年 度 : 同 上 2000 年 度 : 前 島 宗 甫 John Conway Perkin( 客 員 キリスト 教 と 社 会 C) 田 淵 結 松 木 真 一 岩 武 昭 男 ( 文 部 キリスト 教 と 諸 宗 教 A) 舟 木 讓 大 石 真 一 郎 ( 兼 任 講 師 キリスト 教 と 諸 宗 教 B) 2001 年 度 : 前 島 宗 甫 栗 林 輝 夫 加 藤 知 ( 理 部 キリスト 教 と 自 然 A) 松 木 真 一 中 道 基 夫 2002 年 度 : 前 島 宗 甫 加 藤 知 ( 理 部 キリスト 教 と 自 然 A) 松 木 真 一 Joseph DeChicchis( 総 合 政 策 部 キリスト 教 と 諸 宗 教 A B) 舟 木 讓 中 道 基 夫 2003 年 度 : 前 島 宗 甫 宮 谷 宣 史 栗 林 輝 夫 矢 倉 達 夫 ( 理 部 キリスト 教 と 自 然 C) 松 木 真 一 Joseph DeChicchis( 総 合 政 策 部 キリスト 教 と 諸 宗 教 A B) 高 畑 由 起 夫 ( 総 合 政 策 部 キリスト 教 と 自 然 D) 舟 木 讓 中 道 基 夫 冨 浪 貴 志 ( 非 常 勤 講 師 キリスト 教 と 芸 術 A B) この 副 専 攻 プログラムにおける 授 業 は 主 にキリスト 教 スタッフによって 担 当 されてはいるものの それ 以 外 の 教 員 による 科 目 開 講 も 行 われており キリ スト 教 と 文 化 のぶつかり 合 いが 意 識 された 構 成 と 言 い 得 るように 思 う 問 題 は 神 部 に 科 目 が 移 管 された2004 年 度 以 降 5 もこの 問 題 意 識 が 継 続 され ているかということにある また 副 専 攻 プログラムを 失 ったRCCは その 意 識 を 教 育 活 動 に 還 元 する 場 が 少 なくなった 3. 講 演 会 等 RCCが 一 番 内 外 の 注 目 を 集 める 機 会 は 当 初 から 主 催 講 演 会 RCCフォー 5 したがって 神 部 が 複 数 分 野 専 攻 制 を 設 けたのは2004 年 度 からであり 現 在 の 関 西 院 大 教 務 機 構 ウェブサイトで 神 部 が1997 年 度 から 科 目 提 供 しているかのように 記 され ているのは 不 正 確 である(http://www.kwansei.ac.jp/a_affairs/a_affairs_000539.html 2015 年 12 月 12 日 確 認 )

キリスト 教 と 文 化 は 衝 突 したか 45 ラム であった この RCCフォーラム は 原 則 として 各 年 度 に 設 定 されて いるRCC 全 体 の 研 究 テーマに 沿 った 講 演 会 であるため RCCがどのような 問 題 に 関 心 を 向 けて 研 究 活 動 を 展 開 しているかを 示 す 役 割 も 担 っている 以 下 は RCCが 各 年 度 に 設 定 した 研 究 テーマと 主 催 した フォーラム およびそれ 以 外 の 講 演 会 一 覧 である 6 ( 敬 称 略 所 属 は 当 時 のもの *はRCCフォーラム ミ ニフォーラム 以 外 の 講 演 会 ) (1997 年 度 ) 研 究 テーマ: 当 面 取 り 組 む 問 題 圏 として(1) 生 命 ( 倫 理 )の 問 題 (2) 自 然 環 境 の 問 題 (3) 現 代 社 会 と 宗 教 ( 新 宗 教 や 民 族 等 )の 問 題 (4) 地 域 文 化 の 問 題 等 村 上 陽 一 郎 ( 国 際 基 督 教 大 ) 現 代 社 会 と 科 技 術 中 村 桂 子 ( 生 命 誌 研 究 館 ) DNAから 見 えてきた 生 命 像 と 科 像 森 岡 正 博 ( 大 阪 府 立 大 ) 現 代 日 本 社 会 における 生 命 の 意 味 * ベンジャミン エスクロポロ 神 父 今 フィリピンは ネグロスから ( 宗 教 センターと 共 催 ) (1998 年 度 ) 研 究 テーマ: 生 命 倫 理 を 中 心 とした 問 題 山 極 寿 一 ( 京 都 大 ) 動 物 と 人 間 の 接 点 ゴリラの 心 をフィールド ワークする 河 合 隼 雄 ( 国 際 日 本 文 化 研 究 センター) 心 理 療 法 と 宗 教 木 村 利 人 ( 早 稲 田 大 ) あなたのいのちは 今? * 木 村 公 一 (インドネシア アブディエル 神 大 ) スハルト 王 朝 の 崩 壊 激 動 の インドネシアの 読 み 方 ( 宗 教 センターと 共 催 ) * 清 水 康 子 ( 国 連 難 民 高 等 弁 務 官 ) 紛 争 と 援 助 コソボより ( 宗 教 センターと 共 催 ) (1999 年 度 ) 研 究 テーマ: 生 命 倫 理 野 村 祐 之 ( 青 山 院 女 子 短 期 大 ) 生 (ビオス)の 奴 隷 からの 解 放 輝 く 命 の 明 日 に 向 けて 波 平 恵 美 子 (お 茶 の 水 女 子 大 ) 脳 死 臓 器 移 植 に 見 られる 日 本 人 の 個 人 の 始 り と 終 りについての 考 え 方 高 山 奨 ( 関 西 院 大 理 部 ) 生 命 科 的 視 点 による 文 明 の 意 味 6 所 属 身 分 は 当 時 のもの * は RCC フォーラム ミニフォーラム 以 外 の 講 演 会

46 * 小 塩 節 (フェリス 女 院 ) もっと 光 を *ライフ スキプステズ(デンマーク 王 立 獣 医 農 高 等 研 究 所 ) 19 世 紀 デンマー クの 自 然 科 (H. C. Ørstedを 中 心 に) キェルケゴールとその 時 代 (キェ ルケゴール 研 究 センター 神 部 と 共 催 ) * 白 方 誠 彌 ( 日 本 バプテスト 病 院 ) 脳 死 移 植 とキリスト 教 倫 理 ( 宗 教 活 動 委 員 会 教 育 研 究 部 主 催 RCC 共 催 ) * 講 演 会 理 部 RCC 共 催 生 命 科 生 命 倫 理 公 開 講 演 会 Richard J. Cogdell( グ ラ ス ゴ ー 大 ) Can Photosynthesis Provide a Biological Blueprint for the Design of Novel Solar Cells? 京 極 好 正 ( 福 井 工 業 大 ) 生 命 科 におけるタンパク 質 研 究 ポストゲノム 科 白 方 誠 彌 ( 日 本 バプテスト 病 院 ) 脳 死 と 臓 器 移 植 をめぐる 諸 問 題 * 呉 明 峰 ( 中 国 基 督 教 協 会 ) 中 国 の 教 会 から ( 特 別 講 演 会 神 部 文 部 合 同 チャ ペル) * 韓 文 藻 ( 中 国 基 督 教 協 会 ) 中 国 の 教 会 事 情 ( 特 別 講 演 会 ) (2000 年 度 ) 研 究 テーマ: 民 族 と 宗 教 池 明 観 ( 韓 国 翰 林 大 ) 東 アジア と 日 本 花 崎 皋 平 日 本 のナショナリズムと 宗 教 阿 満 利 麿 ( 明 治 院 大 ) 無 宗 教 社 会 日 本 の 課 題 エスター ユスフ(NGO 祖 国 と 国 民 連 帯 ) インドネシアにおける 宗 教 対 立 と 和 解 (ミニフォーラム) *S. フォレンヴァイダー(ベルン 大 ) パウロにおける 義 認 古 い 見 解 及 び 新 しい 見 解 ( 神 部 と 共 催 ) *J. ヘンキース(ベルリン フンボルト 大 ) ボンヘッファーの 神 と 讃 美 歌 ( 神 部 と 共 催 ) * 韓 国 日 本 国 際 キェルケゴール カンファレンス 表 在 明 ( 高 麗 大 學 ) 金 龍 一 ( 啓 明 大 學 ) 韓 国 のキリスト 教 キェルケゴール ( 韓 国 キェルケゴール 學 会 日 本 キェ ルケゴール 研 究 センター 主 催 神 部 RCC 共 催 ) (2001 年 度 ) 研 究 テーマ: 民 族 と 宗 教 小 田 淑 子 ( 関 西 大 ) イスラームにおける 信 仰 と 律 法 イスラームの 宗 教 性 小 杉 泰 ( 京 都 大 ) 現 代 イスラームと 民 族 問 題 中 田 考 ( 山 口 大 ) イスラームの 世 界 観 と 宗 教 対 話 *ブースィ スニール バーヌ インドの 宗 教 とカースト 差 別 ( 神 部 と 共 催 日 本 基 督 教 団 兵 庫 教 区 後 援 )

キリスト 教 と 文 化 は 衝 突 したか 47 * フィリス トリブル ミリアムを 回 復 して ( 神 部 と 共 催 ) (2002 年 度 ) 研 究 テーマ: 民 族 と 宗 教 森 孝 一 ( 同 志 社 大 ) God Bless America と 星 条 旗 同 時 多 発 テロ 後 のア メリカを 読 み 解 く Olivie Millet(スイス バーゼル 大 ) Dominique Millet-Gerard(パリ ソルボン ヌ 大 ) ヨーロッパ 知 識 人 から 見 たイスラーム エーバーハルト ブッシュ(ゲッティンゲン 大 ) バルト 神 と 反 ナチ 闘 争 ユ ダヤ 人 問 題 を 中 心 に ( 神 部 と 共 催 ) 板 垣 雄 三 ( 東 京 大 ) 日 本 社 会 のイスラーム 理 解 を 再 検 討 する パネルディスカッション 民 族 宗 教 紛 争 多 宗 教 社 会 日 本 からキリスト 教 と イスラームを 問 う ( 宮 谷 宣 史 [ 神 部 ] 後 藤 裕 加 子 [ 文 部 ] 畑 祥 雄 [ 総 合 政 策 部 ]) * 長 倉 洋 海 (フォトジャーナリスト) アフガニスタンを 生 きる ( 宗 教 活 動 委 員 会 と 共 催 ) (2003 年 度 ) 研 究 テーマ:エスニシティ 宗 教 グローバリズムを 問 う 栗 林 輝 夫 ( 関 西 院 大 法 部 ) ブッシュの 戦 争 とキリスト 教 原 理 主 義 グロー バリズムとアメリカの 宗 教 戦 略 木 村 公 一 ( 伊 都 キリスト 教 会 ) パックス アメリカーナ(アメリカの 平 和 )とエス ニシティー インドネシアとイラクにおける 経 験 から C ダグラス ラミス( 元 津 田 塾 大 ) アメリカは 変 わったか 村 井 吉 敬 ( 上 智 大 ) 民 族 宗 教 戦 争 とグローバル 化 インドネシアを 事 例 とし て 藤 井 創 ( 金 城 院 大 ) アメリカ 的 キリスト 教 の 検 証 9.11 自 爆 攻 撃 の 煙 の 中 から 姿 を 現 わしたアメリカ 教 の 素 顔 (2004 年 度 ) 研 究 テーマ:エスニシティ 宗 教 グローバリズム( 春 期 ) キリスト 教 と 平 和 戦 略 研 究 ( 秋 期 ) Ditlev Tamm(コペンハーゲン 大 ) 世 俗 化 社 会 のデンマーク キリスト 教 会 グロスボェル 事 件 を 手 がかりに (ミニフォーラム) 岡 本 厚 ( 岩 波 書 店 世 界 編 集 長 ) グローバリズム 下 の 東 北 アジア 平 和 をどう 求 めるか 西 垣 敬 子 ( 宝 塚 アフガニスタン 友 好 協 会 ) アフガニスタンの 女 性 と 子 ども (ミニ

48 フォーラム) 野 田 正 彰 ( 関 西 院 大 ) 罪 責 と 平 和 アジアの 中 の 日 本 ロニー アレキサンダー( 神 戸 大 ) 平 和 武 力 紛 争 ジェンダーと 私 たち 私 たちが 創 り 出 す 平 和 へ 向 けて * ウルリッヒ ルツ(ベルン 大 ) イエスの 死 ( 神 部 主 催 RCC 共 催 ) (2005 年 度 ) 研 究 テーマ:キリスト 教 と 平 和 戦 略 研 究 ( 研 究 プロジェクト キリスト 教 と 平 和 戦 略 と 発 展 的 に 合 併 キリスト 教 平 和 事 典 編 集 に 着 手 ) 最 上 敏 樹 ( 国 際 基 督 教 大 ) 敵 意 の 中 垣 を 超 えて 国 連 体 制 に 欠 けるもの 富 岡 幸 一 郎 ( 関 東 院 大 ) 内 村 鑑 三 の 平 和 論 ベルンハルト ノイエンシュヴァンダー(スイス ベルン 州 改 革 派 教 会 ) スピリチュ アリティ 研 究 と 平 和 の 推 進 (ミニフォーラム) ハインツ クラウトケ(ドイツ 福 音 主 義 教 会 ) ドイツにおけるイスラーム 教 徒 市 民 との 共 生 キリスト 教 徒 とイスラーム 教 徒 の 出 会 いのかたち (ミニフォーラム) *イルゼ テート(ハイデルベルク 大 ) 神 の 平 和 の 戒 めを 求 めるボンヘッファーの 冒 険 (ミニフォーラム ボンヘッファー 生 誕 100 年 記 念 講 演 会 日 本 ボンヘッファー 協 会 協 賛 ) * 近 藤 紘 子 (チルドレン アズ ザ ピースメーカーズ) ヒロシマ: 平 和 運 動 と 関 西 院 ( 公 開 講 演 会 院 史 編 纂 室 主 催 RCC 共 催 ) *チョン ヒョンギョン(ニューヨーク ユニオン 神 校 ) 宗 教 間 の 対 話 フェミ ニストの 視 点 から ( 公 開 講 演 会 神 部 主 催 RCC 共 催 ) (2006 年 度 ) 研 究 テーマ:キリスト 教 と 平 和 戦 略 研 究 ( 研 究 プロジェクト キリスト 教 と 平 和 戦 略 と 発 展 的 に 合 併 キリスト 教 平 和 事 典 編 集 ) 山 﨑 和 明 ( 四 国 院 大 ) D. ボンヘッファーの 平 和 思 想 呉 在 植 ( 韓 国 アジア 教 育 院 ) 東 北 アジアの 平 和 と 日 本 の 役 割 韓 国 キリスト 者 からの 提 言 水 野 隆 一 ( 関 西 院 大 神 部 ) ヘブライ 語 聖 書 は 平 和 について 何 を 語 るか 前 島 宗 甫 ( 関 西 院 大 RCC) 平 和 を 創 る あるNGO の 軌 跡 から Christian M. Hermansen( 関 西 院 大 法 部 ) 仏 教 の 聖 典 観 音 経 の 場 合 (ミニフォーラム 研 究 プロジェクト 聖 典 と 今 日 の 課 題 主 催 ) 中 村 明 日 香 ( 同 志 社 大 ) 救 世 者 を 待 つ 国 の 選 択 イラン イスラーム 共 和 国 とその 社 会 (ミニフォーラム 研 究 プロジェクト 聖 典 と 今 日 の 課 題 主 催 ) 東 馬 場 郁 生 ( 天 理 教 校 研 究 所 ) 天 理 教 の 聖 典 について (ミニフォーラム 研 究 プロジェ クト 聖 典 と 今 日 の 課 題 主 催 )

キリスト 教 と 文 化 は 衝 突 したか 49 斉 藤 泰 ( 宗 教 法 人 大 本 総 局 公 室 企 画 部 ) 大 本 の 聖 典 (ミニフォーラム 研 究 プ ロジェクト 聖 典 と 今 日 の 課 題 主 催 ) ( 関 西 院 大 商 部 ) 正 しい 終 わり 方 新 約 後 期 文 書 におけるパウロ 受 容 と 終 末 論 (ミニフォーラム 研 究 プロジェクト 聖 典 と 今 日 の 課 題 主 催 ) (2007 年 度 ) 研 究 テーマ: キリスト 教 平 和 事 典 編 集 作 業 奥 本 京 子 ( 大 阪 女 院 大 ) 思 考 停 止 をやめる! 紛 争 転 換 と 非 暴 力 で 平 和 を 創 ろう 大 橋 毅 彦 ( 関 西 院 大 文 部 ) 上 海 から 平 和 を 考 える オムリ ブージッド( 関 西 院 大 大 院 総 合 政 策 研 究 科 ) イスラームと 平 和 アラブから 見 えてくるもの *ジ ジャンフォン( 中 国 基 督 教 協 会 ) 今 日 の 中 国 におけるキリスト 教 ( 公 開 講 演 会 神 部 と 共 催 ) * 亀 井 伸 孝 ( 関 西 院 大 大 院 社 会 研 究 科 ) アフリカろう 教 育 の 父 フォスターと キリスト 教 ミッション ( 公 開 講 演 会 ) * 芦 名 定 道 ( 京 都 大 ) ティリッヒの 平 和 の 神 ( 公 開 講 演 会 神 部 と 共 催 ) (2008 年 度 ) 研 究 テーマ: キリスト 教 平 和 事 典 編 集 根 本 かおる( 日 本 UNHCR 協 会 ) 私 と 貴 方 の 難 民 支 援 国 連 の 援 助 活 動 の 現 場 から 古 屋 安 雄 ( 聖 院 大 ) 宣 教 150 周 年 を 迎 えるに 際 して どうしたら1%をこ えられるか * 賀 川 督 明 ( 賀 川 豊 彦 献 身 100 年 事 業 コア100) 私 たちの 賀 川 豊 彦 献 身 100 年 ( 公 開 講 演 会 関 西 院 大 生 活 協 同 組 合 50 周 年 企 画 委 員 会 と 共 催 ) * 関 根 清 三 ( 東 京 大 ) イサク 奉 献 の 物 語 ( 創 世 記 22 章 )を 哲 する ( 公 開 講 演 会 神 部 と 共 催 ) * 佐 藤 研 ( 立 教 大 ) 禅 と キリスト 教 は 矛 盾 しないのか? ( 公 開 講 演 会 神 部 と 共 催 ) (2009 年 度 ) 研 究 テーマ: キリスト 教 平 和 事 典 編 集 ジェフ ハーパー( 人 類 者 ) ナイム アティーク( 聖 公 会 司 祭 ) パレスチナとイ スラエルの 平 和 ガザと 占 領 小 中 陽 太 郎 ( 星 槎 大 ) 小 田 実 と 歩 いた 世 界 オムリ ブージッド(RCC 研 究 員 ) クルアーンとパレスチナ 問 題 (ミニフォーラム 研 究 プロジェクト 聖 典 と 今 日 の 課 題 主 催 )

50 * 佐 竹 明 ( 広 島 大 フェリス 女 院 大 ) ヨハネ 黙 示 録 を 読 む ( 公 開 講 演 会 神 部 と 共 催 ) * 水 垣 渉 ( 京 都 大 ) 殺 す 人 (ホモ ネカーンス) いのち をキリスト 教 的 に 考 えるとはどのようなことか ( 公 開 講 演 会 神 部 と 共 催 ) *スティーブン リーパー( 広 島 平 和 文 化 センター) 未 来 を 決 める4ケ 月 NPT 再 検 討 会 議 に 向 けて (RCC キリスト 教 平 和 事 典 出 版 記 念 講 演 会 ) (2010 年 度 ) センター 全 体 としての 研 究 テーマなし( 年 次 報 告 に 記 載 されていない) *この 年 度 以 降 はRCC フォーラムが 開 催 されていない 斉 藤 泰 ( 宗 教 法 人 大 本 総 局 公 室 企 画 部 ) 大 本 と 臓 器 移 植 の 問 題 (ミニフォーラム 研 究 プロジェクト 聖 典 と 今 日 の 課 題 研 究 会 を 兼 ねる) 松 田 史 ( 真 言 宗 御 室 派 僧 侶 NCC 宗 教 研 究 所 ) 仏 教 の 老 病 死 と 現 代 における 命 の 問 題 (ミニフォーラム 研 究 プロジェクト 聖 典 と 今 日 の 課 題 研 究 会 を 兼 ねる) 新 井 アサハン( 神 戸 モスク) 神 戸 モスクの 歴 史 と 地 域 社 会 とのつながり (ミニフォー ラム 研 究 プロジェクト ミナト 神 戸 に 宗 教 多 元 主 義 を 探 る 主 催 ) * 寺 園 喜 基 ( 西 南 院 ) バルト 神 の 意 義 ( 公 開 講 演 会 神 部 と 共 催 ) *Kim, Hong Ki( 韓 国 監 理 教 神 大 ) ジョン ウェスレーの 聖 化 論 と 現 代 的 霊 性 訓 練 ( 公 開 講 演 会 神 部 と 共 催 ) * 島 薗 進 ( 東 京 大 ) 近 代 日 本 人 の 死 生 観 の 変 容 明 治 後 期 から 現 在 まで ( 公 開 講 演 会 神 部 と 共 催 ) * 内 田 樹 ( 神 戸 女 院 大 ) 召 命 (vocation) 呼 ばれることについて ( 公 開 講 演 会 ) *G. タイセン(ハイデルベルク 大 名 誉 教 授 ) 史 的 イエスとケーリュグマ 問 的 構 成 と 信 仰 への 道 ( 公 開 講 演 会 神 部 同 志 社 大 神 部 と 共 催 ) 7 (2011 年 度 ) 研 究 テーマ? *RCCフォーラムの 開 催 なし オムリ ブージッド(RCC 研 究 員 ) チュニジアとジャスミン 革 命 その 発 端 現 状 と 影 響 (ミニフォーラム 研 究 プロジェクト ミナト 神 戸 に 宗 教 多 元 主 義 を 探 る 主 催 ) 大 宮 有 博 ( 名 古 屋 院 大 ) わたしたちの 命 の 源 に 目 を 向 ける 名 古 屋 院 大 での 実 験 動 物 感 謝 記 念 礼 拝 の 取 り 組 み (ミニフォーラム 研 究 プロジェクト 自 然 の 問 題 と 聖 典 第 2 回 研 究 会 を 兼 ねる) 7 2010 年 9 月 13 日 に 日 本 基 督 教 団 東 梅 田 教 会 で 開 催 されたこの 講 演 会 については RCC の 2010 年 度 年 次 報 告 に 記 載 がない

キリスト 教 と 文 化 は 衝 突 したか 51 林 忠 良 ( 関 西 院 大 名 誉 教 授 ) キリスト 教 と 文 化 研 究 センター 開 設 の 経 緯 をめ ぐって (ミニフォーラム 研 究 プロジェクト 関 西 院 におけるキリスト 教 主 義 教 育 の 展 開 第 1 回 研 究 会 を 兼 ねる) 岡 田 裕 成 ( 大 阪 大 ) 新 大 陸 スペイン 植 民 地 の 先 住 民 社 会 とキリスト 教 美 術 (ミニ フォーラム) * 岡 本 仁 宏 ( 法 部 教 授 ) 野 口 啓 示 ( 社 会 福 祉 法 人 神 戸 少 年 の 町 施 設 長 ) 関 西 院 と 震 災 ボランティア 阪 神 淡 路 大 震 災 の 経 験 から ( 公 開 講 演 会 院 史 編 纂 室 と 共 催 ) * 井 上 順 孝 ( 國 學 院 大 學 教 授 ) 現 代 社 会 に 息 づく 宗 教 文 化 ( 公 開 講 演 会 神 部 と 共 催 ) *W. リーネマン(スイス ベルン 大 名 誉 教 授 ) 原 子 力 エネルギーと 被 造 物 への 責 任 キリスト 教 神 の 立 場 から ( 公 開 講 演 会 神 部 と 共 催 ) * 桃 井 和 馬 ( 写 真 家 ジャーナリスト) 宗 教 は 戦 争 の 原 因 なのか? ( 公 開 講 演 会 ) (2012 年 度 ) 研 究 テーマ? *この 年 もRCCフォーラムの 開 催 なし ( 広 島 大 教 授 ) キリスト 教 と 文 化 は 衝 突 したか RCCの 歩 みと 関 のキ リスト 教 主 義 教 育 (ミニフォーラム 研 究 プロジェクト 関 西 院 における キリスト 教 主 義 教 育 の 展 開 主 催 ) 加 藤 隆 久 ( 生 田 神 社 宮 司 神 戸 女 子 大 名 誉 教 授 ) 地 域 に 生 きる 神 社 を 求 めて (ミ ニフォーラム 研 究 プロジェクト ミナト 神 戸 に 宗 教 多 元 主 義 を 探 る 第 2 回 研 究 会 を 兼 ねる) 内 藤 新 吾 ( 日 本 福 音 ルーテル 稔 台 教 会 牧 師 ) 原 発 問 題 とキリスト 教 平 和 環 境 人 権 (ミニフォーラム 研 究 プロジェクト 自 然 の 問 題 と 正 典 第 3 回 研 究 会 を 兼 ねる) 松 田 史 ( 真 言 宗 御 室 派 法 園 寺 副 住 職 NCC 宗 教 研 究 所 研 究 員 ) 自 然 環 境 問 題 と 仏 教 (ミニフォーラム 研 究 プロジェクト 自 然 の 問 題 と 正 典 第 5 回 研 究 会 を 兼 ねる) * 畠 山 重 篤 ( 国 連 フォレスト ヒーローズ 受 賞 者 ) 森 は 海 の 恋 人 人 の 心 に 木 を 植 える ( 公 開 講 演 会 ) * 宮 下 規 久 朗 ( 神 戸 大 准 教 授 ) カラヴァッジョとキリスト 教 ( 公 開 講 演 会 神 部 と 共 催 ) * 山 浦 玄 嗣 ( 医 療 法 人 隆 玄 理 事 長 ) 日 本 人 の 心 に 届 く ことば を 求 めて 津 波 を 越 えて 闇 から 光 へ ( 公 開 講 演 会 ) (2013 年 度 ) 研 究 テーマ? *この 年 もRCCフォーラムの 開 催 なし

52 徐 正 敏 ( 明 治 院 大 客 員 教 授 ) 東 アジアの 和 解 と 平 和 日 韓 キリスト 教 史 の 視 点 から (ミニフォーラム 研 究 プロジェクト 東 アジアの 平 和 と 多 元 的 な 宗 教 NGO 市 民 社 会 の 役 割 第 1 回 研 究 会 を 兼 ねる) * 佐 藤 八 寿 子 8 ミッション スクール 神 戸 の 坂 道 から 見 えるもの ( 公 開 講 演 会 ) * 辛 淑 玉 ( 人 材 育 成 コンサルタント) 東 アジアの 和 解 とレイシズム ヘイトスピー チを 支 える 日 本 社 会 を 問 う ( 公 開 講 演 会 ) (2014 年 度 ) 研 究 テーマ? *この 年 はミニフォーラムも 開 催 されていない * 加 藤 敏 ( 自 治 医 科 大 教 授 ) キリスト 教 と 医 医 療 の 密 接 なかかわり 現 代 社 会 を 考 える 一 つの 糸 口 として ( 公 開 講 演 会 神 部 と 共 催 ) * 櫻 井 義 秀 ( 北 海 道 大 教 授 ) 大 のカルト 対 策 信 教 の 自 由 を 守 るために ( 公 開 講 演 会 ) * 岡 田 温 司 ( 京 都 大 教 授 ) 黙 示 録 の 功 罪 氾 濫 するイメージたち ( 公 開 講 演 会 ) RCCフォーラムは RCCが キリスト 教 と 文 化 の 衝 突 する 接 点 で 生 じ る 諸 問 題 に 焦 点 を 合 わせ その 問 題 との 折 衝 の 中 で 課 題 を 担 う 研 究 センターで あることを 内 外 に 認 識 させる 役 割 を 担 っている(そのため 外 の 著 名 な 研 究 者 また 内 の 非 キリスト 教 スタッフによる 講 演 を 主 として 開 催 してきた) そ の 役 割 は 十 分 に 果 たされてきたと 思 うが フォーラムは 単 発 の 講 演 会 であるた め そこで 提 示 された 問 題 や 議 論 がセンターの 中 で 深 められたり 講 演 者 との より 深 い 対 話 へと 結 びついたりすることが 難 しい( 例 えば 同 志 社 大 の 一 神 教 際 センターは 講 演 者 を 中 心 とした 非 公 開 研 究 会 を 同 時 に 開 催 することでこ の 点 を 克 服 している) RCCの 研 究 会 や 研 究 プロジェクトには 議 論 の 深 化 とい うこの 大 事 な 役 割 を 担 うことが 期 待 されるが 果 たしてセンター 全 体 の 研 究 テー マやRCCフォーラムで 提 示 された 問 題 との 連 携 を 意 識 した 議 論 が 展 開 できてい るだろうか 目 につくのは 2010 年 度 以 降 RCCフォーラムが 開 催 されていないことで 9 8 2013 年 度 年 次 報 告 の 当 該 欄 には 肩 書 きの 記 載 がなく Ⅰ. 概 況 のところに ミッショ ン スクール あこがれの 園 著 者 とある 9 2013 年 度 の 年 次 報 告 には 今 年 度 からは 公 開 講 演 会 もこのプロジェクトの 研 究 テーマ

キリスト 教 と 文 化 は 衝 突 したか 53 これは 2009 年 に キリスト 教 平 和 事 典 が 刊 行 されたことと 関 連 している ように 思 われる RCCフォーラムは RCCがセンター 全 体 として 担 っている 研 究 課 題 を 内 外 に 示 す 意 味 も 持 っている したがって センター 全 体 をあげて 取 り 組 んできた キリスト 教 平 和 事 典 が 完 成 された 後 に 全 体 としての 研 究 テー マがなくなった(?)のに 応 じて フォーラムも 開 催 が 難 しくなったように 見 えるのである もう 一 方 では RCCが 研 究 プロジェクトの 集 合 体 へと 変 化 した ことも 関 係 していよう この 点 は センター 全 体 としての 方 向 性 がはっきりし ていたそれまでの 傾 向 から 明 らかに 変 化 しており キリスト 教 と 文 化 の 衝 突 を 研 究 対 象 とするという RCCの 初 期 理 念 がどのように 継 続 されるのかが 問 われている 同 様 に 目 立 つのは 2007 年 以 降 神 部 との 共 催 による 講 演 会 が 急 増 してい ることであり しかも 内 容 的 には 神 部 が 単 独 で 開 催 するのがふさわしいと 思 われる 講 演 が 多 い この 背 後 には 講 演 にかかる 諸 経 費 の 共 同 負 担 という 事 情 もあると 考 えられるが RCCの 研 究 テーマとの 関 連 が 見 えにくい 講 演 会 を( 共 催 であっても) 開 催 することは RCC 本 来 の 目 的 に 適 っているかどうかが 問 わ れると 同 時 に 神 部 とRCCとが 並 立 していることの 意 義 をぼやけさせる 危 険 をも 孕 んでいる 4. 研 究 プロジェクト RCCは 2000 年 度 からの3 年 間 の 総 合 研 究 主 題 を 民 族 と 宗 教 として 主 題 に 基 づいた RCC フォーラムなどの 活 動 を 行 なったが それとは 別 に 研 究 プロジェ クト 暴 力 とキリスト 教 を2002 年 度 に 立 ち 上 げた( 筆 者 もそのメンバーであっ た) センター 内 に 特 定 の 研 究 プロジェクトを 置 き 共 同 研 究 を 展 開 するという 形 は それまでのRCCにはなかったものであり RCCの 新 しい 活 動 形 態 を 切 り に 沿 ったもので 行 うこととし とあり 公 開 講 演 会 をRCCフォーラムに 相 当 するものと 見 なして いる 様 子 がうかがえる しかし 公 開 講 演 会 は 元 来 フォーラムの 枠 に 入 らないものを 指 しており 全 体 が 第 回 という 通 し 番 号 で 表 されるRCCフォーラムとは 別 物 のはずである この 問 題 に 関 する 記 載 は 年 次 報 告 には 見 られない

54 開 くこととなった 10 これを 端 緒 として RCCの 研 究 活 動 は 研 究 プロジェクト 単 位 で 展 開 される 体 制 へと 移 行 していくことになる 以 下 がプロジェクトおよ びメンバーの 一 覧 である( 所 属 は 当 時 のもの) * 暴 力 とキリスト 教 (2002-2003 年 度 ) 前 島 宗 甫 (RCC) 水 野 隆 一 ( 神 部 ) 平 林 孝 裕 ( 神 部 ) 中 道 基 夫 ( 神 部 ) 舟 木 讓 ( 経 済 部 宗 教 主 事 ) ( 商 部 宗 教 主 事 ) * スピリチュアリティと 宗 教 (2003-2006 年 度 ) 窪 寺 俊 之 ( 神 部 ) D. ヴィダー( 神 部 ) 平 林 孝 裕 ( 神 部 ) 對 馬 路 人 ( 社 会 部 ) 舟 木 讓 ( 経 済 部 宗 教 主 事 ) * 聖 典 と 今 日 の 課 題 (2005-2010 年 度 ) 樋 口 進 (RCC) 水 野 隆 一 ( 神 部 ) 嶺 重 淑 ( 神 部 人 間 福 祉 部 宗 教 主 事 ) ( 商 部 宗 教 主 事 2006 年 度 まで) 土 井 健 司 ( 神 部 2007 年 度 より) * 聖 餐 の 理 論 と 実 践 (2005-2008 年 度 ) 打 樋 啓 史 ( 社 会 部 宗 教 主 事 ) 中 道 基 夫 ( 神 部 ) 山 上 浩 嗣 ( 社 会 部 ) Christian M. Hermansen( 法 部 宣 教 師 ) Andreas H. Rusterholz( 文 部 宣 教 師 ) * キリスト 教 と 平 和 構 築 (2005 年 度 センター 全 体 の 研 究 テーマと 合 併 ) 神 田 健 次 ( 神 部 ) 平 林 孝 裕 ( 神 部 ) Ruth Grubel( 社 会 部 宣 教 師 ) 栗 林 輝 夫 ( 法 部 宗 教 主 事 ) 舟 木 讓 ( 経 済 部 宗 教 主 事 ) * 関 西 におけるキリスト 教 の 文 化 形 成 力 (2007-2008 年 度 ) 平 林 孝 裕 ( 神 部 ) 中 道 基 夫 ( 神 部 ) 打 樋 啓 史 ( 社 会 部 宗 教 主 事 ) 舟 木 讓 ( 経 済 部 宗 教 主 事 ) ( 広 島 大 ) * ミナト 神 戸 に 宗 教 多 元 主 義 を 探 る 海 のシルクロード の 文 化 と 宗 教 的 共 生 (2010-2012 年 度 ) 神 田 健 次 ( 神 部 ) 山 本 俊 正 ( 商 部 宗 教 主 事 ) 栗 林 輝 夫 ( 法 部 宗 教 主 事 ) 畠 山 保 男 (RCC) Christian M. Hermansen( 法 部 宣 教 師 ) 村 瀬 義 史 ( 総 合 政 策 部 宗 教 主 事 ) オムリ ブージッド( 総 合 政 策 研 究 科 研 究 員 ) 徐 亦 猛 ( 神 戸 中 華 教 会 2011 年 度 より) * 文 化 / 社 会 抵 抗 における 原 動 力 としての 聖 書 受 容 の 諸 相 (2010 年 度 ) 浅 野 淳 博 ( 神 部 ) 岩 野 祐 介 ( 神 部 ) 10 研 究 プロジェクト 暴 力 とキリスト 教 は 2003 年 度 から 大 共 同 研 究 として 採 択 され その 研 究 成 果 を 2004 年 度 からは 総 合 コースとして 授 業 の 形 で 提 供 すると 共 に 2005 年 3 月 には 関 西 院 大 出 版 会 から 暴 力 を 考 える:キリスト 教 の 視 点 から ( 前 島 宗 甫 [ 編 著 ] 関 西 院 大 共 同 研 究 暴 力 とキリスト 教 研 究 会 [ 編 ])を 刊 行 した

キリスト 教 と 文 化 は 衝 突 したか 55 * 関 西 院 大 におけるキリスト 教 主 義 教 育 の 現 在 (2010 年 度 ) 平 林 孝 裕 ( 国 際 部 宗 教 主 事 ) 山 本 俊 正 ( 商 部 宗 教 主 事 2011 年 度 より) 舟 木 讓 ( 経 済 部 宗 教 主 事 同 ) 打 樋 啓 史 ( 社 会 部 宗 教 主 事 同 ) 嶺 重 淑 ( 人 間 福 祉 部 宗 教 主 事 同 ) * 自 然 の 問 題 と 聖 典 (2011-2012 年 度 ) 樋 口 進 (RCC) 嶺 重 淑 ( 人 間 福 祉 部 宗 教 主 事 ) 土 井 健 司 ( 神 部 ) 平 林 孝 裕 ( 国 際 部 宗 教 主 事 ) 水 野 隆 一 ( 神 部 ) 奥 野 卓 司 ( 社 会 部 ) 近 藤 剛 ( 神 戸 国 際 大 ) 大 宮 有 博 ( 名 古 屋 院 大 ) * 東 アジアの 平 和 と 多 元 的 な 宗 教 NGO 市 民 社 会 の 役 割 (2013 年 度 ) 山 本 俊 正 ( 商 部 宗 教 主 事 ) 榎 本 てる 子 ( 神 部 ) 村 瀬 義 史 ( 総 合 政 策 部 宗 教 主 事 ) Christian M. Hermansen( 法 部 宣 教 師 ) 水 戸 考 道 ( 法 部 ) 金 永 完 ( 中 国 山 東 大 學 副 教 授 ) 梁 陽 日 ( 立 命 館 大 ) * 現 代 文 化 とキリスト 教 (2013 年 度 ) 水 野 隆 一 ( 神 部 ) 打 樋 啓 史 ( 社 会 部 宗 教 主 事 ) 東 よしみ( 神 部 ) 畠 山 保 男 (RCC) 鈴 木 慎 一 郎 ( 社 会 部 ) 舟 木 讓 ( 経 済 部 宗 教 主 事 ) 白 波 瀬 達 也 ( 社 会 部 教 務 補 佐 ) 三 阪 夕 芽 子 ( 社 会 部 大 院 生 ) 2002 年 度 から 始 まった これら 研 究 プロジェクトを 主 体 とする 研 究 体 制 は RCCフォーラムに 外 部 講 師 を 招 くスタイルに 依 存 する 割 合 が 高 かったセンター の 研 究 を 内 部 発 信 型 へと 発 展 させていくのに 寄 与 したと 言 える ただしその 一 方 で プロジェクト 単 位 の 研 究 内 容 が センター 全 体 の 研 究 課 題 とどう 結 びつくのかがわかりにくい 内 容 になる 恐 れもある 実 際 キリスト 教 平 和 事 典 刊 行 事 業 が 終 了 した2009 年 度 から 後 のプロジェクトには RCC としてのまとまりが 見 えにくい また センターの 元 来 の 趣 旨 である キリス ト 教 と 文 化 のぶつかる 接 点 で 見 えてくる 課 題 を 共 有 し キリスト 教 の 外 から 投 げかけられる 問 題 提 起 を 受 け 止 め 折 衝 する( 上 述 Ⅰ 参 照 )というプロジェ クトになっていなければ RCCのプロジェクトとしてふさわしいとは 言 えない であろう その 点 を 考 えると 所 謂 キリスト 教 スタッフのみで 構 成 されている 研 究 プロジェクトが 目 立 つが これは キリスト 教 徒 が 種 々の 問 題 を 一 緒 に 研 究 する 場 という 性 格 を 帯 びやすく( 外 からの 問 題 提 起 を 受 けるという 動 機 が 薄 くなる) 非 常 に 注 意 が 必 要 である RCCの 設 立 経 緯 を 十 分 に 踏 まえつつ 昔

56 のキリスト 教 主 義 教 育 研 究 室 ( 後 述 参 照 )でも 出 来 たような 内 容 になっていな いか また 神 部 主 体 の 共 同 研 究 でも 良 いような 内 容 の 研 究 ではないかという 点 を 常 に 検 証 することが 求 められる さらには 複 数 分 野 専 攻 制 の 副 専 攻 プロ グラムを 神 部 に 移 管 させたことで RCCの 研 究 成 果 を 教 育 へと 還 元 する 手 段 が 少 なくなっている 現 状 に 鑑 みれば( 上 述 2) 暴 力 とキリスト 教 プロジェ クトが 行 なったように 研 究 プロジェクトが 授 業 実 施 の 単 位 となっていくこと も 今 後 さらに 期 待 される 5. 評 価 ここまでの 検 証 を 踏 まえた 結 果 として 言 えるのは センターの 趣 旨 ( 上 述 ) を 実 現 するためには 研 究 員 の 構 成 においても 研 究 の 方 向 内 容 において も 本 研 究 センターが キリスト 教 に 縮 約 してしまわないように 配 慮 する (1997 年 度 第 1 回 センター 長 室 会 記 録 )という 文 言 が 持 っている 視 点 は その 後 のRCCの 歩 みに 照 らして 見 ると 必 ずしも 忠 実 に 守 られてきたとは 言 えないと いうことである 研 究 員 構 成 は 2005 年 度 から 急 にキリスト 教 スタッフに 偏 った したがって キリスト 教 の 外 から 投 げかけられている 問 題 提 起 を 真 摯 に 受 け 止 め ( 同 記 録 )る 場 としての 研 究 員 体 制 が 機 能 しなくなった 近 年 は キリスト 教 スタッ フ 以 外 の 研 究 員 を 置 く 方 向 が 再 び 見 え 始 めているが 研 究 プロジェクトのメンバー 全 員 をRCCの 研 究 員 としているので 研 究 員 という 立 場 の 持 つ 意 味 合 いが RCC 発 足 当 初 とは 大 きく 変 化 したことになる RCCフォーラムはそのような 場 として 機 能 してきたが 1 回 性 が 強 いので そ こで 投 げかけられた 課 題 を 共 有 して 議 論 していくことが 困 難 である また 近 年 は RCCが 主 催 共 催 する 意 味 がわかりにくい 講 演 会 (とりわけ 神 部 との 共 催 講 演 ) が 目 立 つが これはRCCの 存 在 意 義 を 外 部 から 見 えにくくさせる 危 険 を 孕 むの で( 神 部 とどう 違 うのかがわからない) 注 意 が 必 要 である 研 究 プロジェクト 体 制 は 個 別 の 研 究 活 動 を 活 発 化 させたが センター 全 体 のテーマ 設 定 が( キリスト 教 平 和 事 典 の 編 纂 という 事 業 を 除 くと) 曖 昧 に

キリスト 教 と 文 化 は 衝 突 したか 57 なり センターの 向 かう 方 向 性 が 見 えにくくなるという 現 象 を 伴 うことになった また 個 々のプロジェクトにおいても キリスト 教 スタッフが 構 成 員 のほぼ 全 て である 場 合 が 少 なくないため キリスト 教 徒 が 色 々な 問 題 を 研 究 するという 形 になりやすく キリスト 教 と 文 化 の 衝 突 する 接 点 で 見 えてくる 課 題 を 受 け 止 め キリスト 教 主 義 の 課 題 とするという センター 本 来 の 趣 旨 が 弱 まりや すい (もっとも 新 しいプロジェクトの 中 には キリスト 教 スタッフ 以 外 をメ ンバーに 加 えることで この 問 題 点 を 克 服 しようとしているものが 見 られる ) 4 4 4 4 4 4 キリスト 教 と 文 化 の 衝 突 という RCCならではの 視 点 が 見 えにくくなるよ うな 歩 みに 至 った 要 因 としては 次 の2 点 が 考 えられる ⑴ 宗 教 主 事 と 神 部 教 員 の 世 代 交 代 RCC 設 立 時 の 趣 旨 が 十 分 に 継 承 されたか どうか また 趣 旨 を 知 っていたはずのメンバーがそのことをきちんと 伝 え ていたか(あるいは そのメンバーたち 自 身 が 林 忠 良 初 代 センター 長 の 意 図 を 共 有 していたか)も 問 われる ⑵キリスト 教 主 義 教 育 研 究 室 との 関 係 整 理 がきちんと 出 来 なかったこと その 違 いを 明 確 にしようと 試 みながらも 施 設 や 資 料 をそのまま 継 承 してしまっ たことも 手 伝 って あたかもRCCが キリスト 教 主 義 教 育 研 究 室 を 発 展 的 に 改 組 11 したものであるかのような 印 象 を 持 たせることになってしまった(お そらく 関 係 者 の 中 にもそう 考 えていた 人 間 がいたので このような 事 実 と 異 なる 記 述 がなされることになった) Ⅲ RCC の 課 題 と 困 難 RCC には 自 らの 存 在 意 義 が 内 (と 外 )で 理 解 されるために 境 界 線 をはっ きりさせるべき 二 つの 存 在 がある すなわち キリスト 教 主 義 教 育 研 究 室 (お よび 宗 教 センター)と 神 部 である 1.RCCは キリスト 教 スタッフないしクリスチャン 教 員 がキリスト 教 主 義 11 関 西 院 事 典 (2001 年 ) 82 頁 なお 事 実 に 反 するこの 記 述 は 増 補 改 訂 版 (2014 年 ) で は 削 除 さ れ キ リスト 教 と 文 化 研 究 セ ンタ ー の 項 目 全 体 が 大 幅 に 書 き 改 め ら れ て い る

58 教 育 について 研 究 する 場 所 ではない RCCは キリスト 教 と 文 化 の 衝 突 によっ て 生 まれる 際 的 研 究 を 通 して キリスト 教 を 問 い 直 すと 同 時 に キリスト 教 外 の 知 的 営 みをもキリスト 教 的 視 点 から 問 い 直 す 場 であり その 相 互 作 用 を 教 育 の 場 に 還 元 しようとする( 還 元 の 主 体 には 非 クリスチャンの 教 員 も 含 まれ 非 キリスト 教 的 用 語 でキリスト 教 主 義 が 語 られることも 当 然 あり 得 る) チャペ ルやキリスト 教 講 義 もそのような 還 元 の 場 として 理 解 されることで 存 在 意 義 を 持 ち 得 る(キリスト 教 の 授 業 時 間 がしばしばRCCフォーラム 等 に 提 供 され てきたのは その 理 解 に 基 づく) しかしこの 違 いが 内 で 十 分 に 認 識 されてい るようには( 少 なくとも 私 の 在 職 中 には) 見 えず キリスト 教 のことはキリス ト 教 の 教 員 がやるものという 意 識 が 相 変 わらず 見 え 隠 れしていた RCCは そのようなキリスト 教 理 解 を 打 破 する(=キリスト 教 主 義 教 育 の 内 実 化!) 意 図 を 持 っているはずであるが その 意 図 には 本 来 そぐわないプログ ラム( 例 えば 父 母 のためのキリスト 教 講 座 12 これは 本 来 宗 教 センターの 管 轄 になるのがふさわしい)も 抱 えてしまっている また ( 祭 司 としての!) 宗 教 主 事 がやっているセンターだというので 宗 教 センターとの 区 別 も 曖 昧 に 理 解 されている 場 合 さえある 結 局 のところ ( 神 部 を 含 む) 各 部 でのキリス ト 教 プログラムがRCCの 意 図 とどう 連 動 しているかが 打 開 の 唯 一 の 鍵 であるよ うに 思 われる 2. 神 部 は 元 来 キリスト 教 の 専 門 家 を 養 成 する 機 関 であることが その 不 可 欠 の 存 立 意 義 である それゆえ 研 究 教 育 の 営 みの 基 本 的 枠 組 としてキリ スト 教 的 神 信 仰 の 立 場 を 前 提 とする 13 しかし キリスト 教 と 文 化 の 衝 突 に 重 きを 置 くRCCの 研 究 はそのような 前 提 を 持 たず 非 キリスト 教 徒 による 問 題 提 起 もまたRCCの 研 究 の 重 要 な 構 成 要 素 である この 研 究 性 格 の 違 いが 常 に はっきりと 示 されていないと 神 部 とRCCの 違 い(そして 並 存 する 意 味 )は 12 2014 年 度 からは RCCキリスト 教 講 座 と 改 称 され 大 在 生 の 父 母 ( 保 証 人 ) 以 外 にも 公 開 されている (http://www.kwansei.ac.jp/c_rcc/c_rcc_001812_2.html 2015 年 12 月 14 日 確 認 ) 13 神 はそうだが キリスト 教 はそうではない 後 者 はキリスト 教 という 宗 教 につい ての 研 究 であり 研 究 者 の 信 仰 的 立 場 を 問 わない

キリスト 教 と 文 化 は 衝 突 したか 59 外 部 から 見 えなくなる ところが 神 部 が2004 年 度 に キリスト 教 思 想 文 化 コース を 設 置 し 元 来 RCCが 設 置 していたMDSの 授 業 が 神 部 に 移 管 され たことにより その 違 いはわかりにくくなった(どちらかと 言 えば 神 部 が RCCの 領 域 に 踏 み 込 んだのであるから これは 神 部 の 存 立 意 義 を 見 えにくく させる 事 態 なのかもしれない) 難 しいのは RCCで 活 動 するキリスト 教 スタッフ( 神 部 教 員 宗 教 主 事 宣 教 師 )はそのほとんどが( 宣 教 師 は 必 ずしもそうでない) 神 諸 科 を 本 来 の 研 究 領 域 としていることである したがって どうしても 神 部 的 関 心 が 共 同 研 究 でも 前 面 に 出 て 来 る 傾 向 が 強 くなり 共 同 研 究 の 場 がRCCである 必 然 性 が 弱 くなる 危 険 を 孕 む( 神 部 を 舞 台 としても 良 いはずなのに 伝 統 的 に 神 部 が 宗 教 主 事 を 遠 ざけてきたという 歴 史 的 経 緯 のせいで RCCが 使 われ る) だとすれば RCCにとって 重 要 なのは キリスト 教 の 外 からの 問 題 提 起 を( 個 々の 研 究 プロジェクトにおいても またRCC 全 体 の 活 動 においても) いかに 活 発 化 させるかということであろう この 点 が 疎 かになると RCC は 拡 大 神 部 と 化 す Ⅳ 終 わりに 冒 頭 で 述 べたように 林 忠 良 氏 は キリスト 教 主 義 が 大 の 研 究 教 育 に 果 たし 得 る 積 極 的 な 意 義 を 歴 史 的 経 緯 に 依 存 するのではなくて その 現 在 における 意 義 として 再 構 築 することが RCCの 喫 緊 の 課 題 である と 指 摘 している( 講 演 レジュメ8 頁 ) その 積 極 的 な 意 義 とは キリスト 教 主 義 を 示 しつつも キリスト 教 的 専 門 用 語 で 語 られるものであってはならないとい う 難 しさをも 持 つ 非 キリスト 教 徒 である 構 成 員 が 理 解 し 自 らも 生 に 説 明 できる 意 義 の 提 示 が 求 められている その 課 題 を 果 たすために RCCはど のような 歩 みをしてきただろうか それが 本 稿 の 問 いであった キリスト 教 と 文 化 の 衝 突 するところに 研 究 課 題 を 見 出 し その 課 題 と 取 り 組 むことによって キリスト 教 主 義 の 現 代 的 意 義 を 再 構 築 するという RCC

60 の 目 的 が 果 たされるかどうかは まさしく 関 西 院 全 体 のキリスト 教 主 義 の 存 亡 に 関 わる それゆえ RCCがキリスト 教 スタッフによる 研 究 と 運 営 に 偏 るこ となく キリスト 教 と 文 化 との 衝 突 という 視 点 を 実 践 し その 成 果 を 広 く わかりやすい 形 で 発 信 していくことが 今 後 も 求 められるであろうし この 視 点 が 維 持 される 限 り RCCは 神 部 とは 異 なる 独 自 の 存 在 意 義 を 持 ち 続 けること ができるはずである いまやRCCの 中 心 ともなっている 個 々の 研 究 プロジェク トが RCC 全 体 の 課 題 を 意 識 しつつ 運 営 され その 成 果 を 大 全 体 に 還 元 して いくことを 期 待 したい