212/9/13 東 京 都 港 区 南 青 山 2--2 TEL: 3-77-373 URL:http://www.tdb.co.jp/ はじめに 全 国 の 企 業 は 歳 ~ 都 道 府 県 別 では 山 形 県 の 4 歳 がトップ ~ 長 引 く 不 況 や 震 災 を 機 に 長 寿 企 業 への 注 目 が 高 まっている 環 境 の 変 化 に 対 応 しながら 戦 争 や 災 害 を 生 き 抜 いてきた 長 寿 企 業 には 学 ぶべき 点 は 多 い 一 方 で 新 しい 企 業 が 増 えて 新 たな 価 値 を 生 み 出 したり 生 産 性 の 低 い 企 業 が 淘 汰 されたりすることも 産 業 の 活 性 化 のためには 重 要 である 帝 国 データバンクでは 企 業 概 要 ファイル COSMOS2 (143 万 社 収 録 )をもとに 企 業 の を 算 出 業 種 別 や 規 模 別 に 集 計 し 1912 年 ( 明 治 末 年 = 大 正 元 年 ) 末 までに 創 業 し 1 歳 を 超 える 長 寿 企 業 2 万 4792 社 の 構 成 比 と 比 較 分 析 を 行 った 各 企 業 の 年 齢 は 創 業 月 まで 判 明 しない 場 合 もあるため 一 律 基 準 年 - 創 業 年 とした 調 査 結 果 ( 要 旨 ) 1. 212 年 の 企 業 は 歳 となり 前 年 を. 歳 上 回 った 年 代 別 の 構 成 比 を 見 ると 概 ね 年 代 が 上 がるにつれ 構 成 比 は 低 くなり 長 寿 企 業 は 全 体 の %となった 2. 業 種 別 に 見 ると 製 造 業 の 4.4 歳 が 最 も 高 かった 一 方 最 も 低 かったのは サービス 業 の 26.8 歳 で 約 2 歳 の 差 となった 3. 年 商 規 模 別 に 見 ると 総 じて 規 模 が 大 きいほど が 高 くなった 4. 都 道 府 県 別 に 見 ると 最 も 高 かったのは 山 形 県 の 4 歳 次 いで 京 都 府 (4.7 歳 ) 新 潟 県 (4.6 歳 )の 順 となった 一 方 最 も 低 かったのは 沖 縄 県 の 2.9 歳 で 全 国 で 唯 一 2 歳 代 となった 2 年 代 別 の 構 成 比 1 1 12. 17.2 17.1 16.8 1.8 1 歳 未 満 1 歳 ~ 2 歳 ~ 3 歳 ~ 4 歳 ~ 歳 ~ 6 歳 ~ 7 歳 ~ 8 歳 ~ 9 歳 ~ 1 歳 以 上 2 歳 未 満 3 歳 未 満 4 歳 未 満 歳 未 満 6 歳 未 満 7 歳 未 満 8 歳 未 満 9 歳 未 満 1 歳 未 満 9.2 6.7 1
212/9/13 1. の 推 移 と 年 代 別 構 成 比 212 年 の 企 業 は 歳 となり 前 年 を. 歳 上 回 った 年 代 別 の 構 成 比 を 見 ると 最 も 高 かったのは 2 歳 ~3 歳 未 満 の 17.2% 以 下 概 ね 年 代 が 上 がるにつれ 構 成 比 は 低 くなっ ている このうち 1912 年 末 までに 創 業 された 1 歳 以 上 の 長 寿 企 業 は 2 万 4792 社 判 明 し 全 体 の %を 占 めた 企 業 の 推 移 年 28 3.9 29 3.7 21 3.1 211 3.1 212 2 1 1 12. 1 歳 未 満 1 歳 ~ 2 歳 未 満 17.2 2 歳 ~ 3 歳 未 満 17.1 3 歳 ~ 4 歳 未 満 年 代 別 の 構 成 比 16.8 4 歳 ~ 歳 未 満 9.2 歳 ~ 6 歳 未 満 6.7 6 歳 ~ 7 歳 未 満 7 歳 ~ 8 歳 未 満 1.8 8 歳 ~ 9 歳 ~ 1 歳 以 上 9 歳 未 満 1 歳 未 満 2. 業 種 別 業 種 別 に 見 ると 製 造 業 の 4.4 歳 が 最 も 高 く 次 いで 小 売 業 (41.4 歳 ) 卸 売 業 (39.6 歳 )の 順 となった 一 方 サービス 業 は 26.8 歳 と 最 も 低 くなり 製 造 業 とは 2 歳 近 い 差 となった 最 も 高 かった 製 造 業 は 技 術 やノウハウの 蓄 積 が 重 要 なた めに 参 入 障 壁 が 高 い 側 面 もあり 業 歴 の 長 い 企 業 が 多 数 を 占 める 逆 に 最 も 低 かった サービス 業 は IT 関 連 をはじめとして 比 較 的 先 行 投 資 が 少 な くて 済 む 業 態 が 多 く 近 年 創 業 された ケースが 目 立 つためこのような 結 果 と 4 4 3 3 2 4. 3. 3. 2. 2. 1. 1.. 26.8 業 種 別 企 業 なった 業 種 別 の 長 寿 企 業 構 成 比 を 見 ると 企 業 の 高 かった 製 造 業 (3.4%) 小 売 業 (3.7%) 卸 売 業 (3.1%)の 3 業 種 は ともに 全 業 種 平 均 の %を 大 きく 上 回 る 3% 台 とな っており 長 寿 企 業 の 多 さが 業 種 全 体 の 企 業 に 影 響 を 与 えていることがわかる 一 方 で 最 も 構 成 比 が 低 かった 建 設 業 (.6%)は 長 寿 企 業 は 少 ないが 企 業 が 低 いわけで はない 19~6 年 代 に 創 業 され 高 度 経 済 成 長 期 を 支 えた 企 業 群 が 多 いことに 起 因 している 31.6 34.4 サービ ス 業 不 動 産 業 建 設 業 全 体 運 輸 通 信 業 卸 売 業 小 売 業 製 造 業.7 39.6 業 種 別 長 寿 企 業 構 成 比.6 サービ ス 業 不 動 産 業 建 設 業 全 体 運 輸 通 信 業 卸 売 業 小 売 業 製 造 業.7 3.1 41.4 3.7 4.4 3.4 2
212/9/13 長 寿 企 業 を 業 種 細 分 類 で 見 ると 構 成 比 の 高 かった 製 造 業 小 売 業 卸 売 業 のなかでも 品 目 として 食 品 や 日 用 品 を 扱 う 業 種 が 多 い 上 位 では 清 酒 製 造 (691 社 ) 酒 小 売 (77 社 )や 呉 服 服 地 小 売 (8 社 )などがこれにあたり 古 くから 人 々の 暮 らしに 密 着 し 愛 され 続 けてきたことがうか がえる 2 位 となった 貸 事 務 所 業 (81 社 )は 従 前 より 所 有 していた 不 動 産 を 貸 し 出 し その 賃 貸 収 入 が 本 業 より 大 きく なったようなケースが 多 くを 占 め 長 寿 企 業 の 特 徴 を 端 的 に 表 している 長 寿 企 業 の 業 種 細 分 類 別 上 位 業 種 細 分 類 社 数 1 清 酒 製 造 691 2 貸 事 務 所 業 81 3 酒 小 売 77 4 呉 服 服 地 小 売 8 旅 館 ホテル 3 6 婦 人 子 供 服 小 売 468 7 酒 類 卸 4 8 木 造 建 築 工 事 業 331 9 ガソリンスタンド 329 1 一 般 土 木 建 築 工 事 業 323 3. 年 商 規 模 別 年 商 規 模 別 に 見 ると 1 億 円 以 上 が 67.4 歳 で 最 も 高 かった 一 方 最 も 低 かったのは 1 億 円 未 満 の 33.6 歳 となった 総 じて 規 模 が 大 きいほど 企 業 が 高 い 結 果 となった 長 寿 企 業 の 構 成 比 を 見 ても 同 様 に 規 模 が 大 きいほど 構 成 比 が 高 くなっており 長 寿 企 業 の 多 さが 企 業 を 押 し 上 げていることがわかる 7 6 年 商 規 模 別 67.4 4 44. 48..8 6.2 3 33.6 37.4 1 億 円 未 満 全 体 1 億 ~ 1 億 円 未 満 1 億 ~ 億 円 未 満 億 ~ 1 億 円 未 満 1 億 ~ 億 ~ 億 円 未 満 1 億 円 未 満 1 億 円 ~ 16 14 12 1 年 商 規 模 別 長 寿 企 業 構 成 比 8 6 4 2 1.3 2. 1 億 円 未 満 全 体 1 億 ~ 1 億 円 未 満 3. 1 億 ~ 億 円 未 満 4. 億 ~ 1 億 円 未 満 7.9.8 1 億 ~ 億 ~ 億 円 未 満 1 億 円 未 満 1 億 円 ~ 3
212/9/13 4. 都 道 府 県 別 都 道 府 県 別 に 見 ると 最 も 高 かったのは 山 形 県 の 4 歳 次 いで 京 都 府 (4.7 歳 ) 新 潟 県 (4.6 歳 )の 順 で 長 寿 企 業 の 多 い 地 域 が 上 位 を 占 めた 一 方 最 も 低 かったのは 沖 縄 県 の 2.9 歳 で 全 国 で 唯 一 2 歳 代 となったほか 東 京 都 などの 都 市 部 がこれに 続 いた 長 寿 企 業 の 構 成 比 では トップは 京 都 府 の 3.8%となった 山 形 県 (3.71%) 新 潟 県 (3.49%)がこれに 続 く 戦 争 の 被 害 が 少 なかった 地 域 や 城 下 町 港 町 などを 有 し 古 くから 交 易 の 盛 んな 地 域 が 上 位 を 占 め これらが 企 業 を 押 し 上 げていることがわかる 逆 に 神 奈 川 県 (.99%)や 東 京 都 (4%)などの 都 市 部 は 長 寿 企 業 数 も 多 いが 新 設 される 企 業 数 も 多 いため 構 成 比 は 低 かった そのため これらの 地 域 は 企 業 も 低 くな っている. 主 な 長 寿 企 業 都 道 府 県 別 企 業 1 山 形 県 4 38 宮 崎 県 34.8 2 京 都 府 4.7 39 大 分 県 34.6 3 新 潟 県 4.6 4 埼 玉 県 33.9 4 徳 島 県 4.3 41 福 岡 県 33. 福 井 県 4.1 42 北 海 道 33.2 6 長 野 県 39.9 42 宮 城 県 33.2 6 和 歌 山 県 39.9 44 神 奈 川 県 32.8 8 岐 阜 県 39.7 4 千 葉 県 32.1 9 島 根 県 39. 46 東 京 都 31.6 1 富 山 県 39.3 47 沖 縄 県 2.9 都 道 府 県 別 長 寿 企 業 構 成 比 長 寿 構 成 比 長 寿 構 成 比 企 業 数 企 業 数 1 京 都 府 1,87 3.8 38 大 阪 府 1,273 1.33 2 山 形 県 3.71 39 千 葉 県 616 1.26 3 新 潟 県 1,123 3.49 4 福 岡 県 614 7 4 島 根 県 329 3.48 41 東 京 都 2,343 4 滋 賀 県 423 3.16 42 埼 玉 県 683 3 6 長 野 県 774 3. 43 北 海 道 742 1.4 7 福 井 県 433 2.98 43 宮 崎 県 146 1.4 8 三 重 県 1 2.87 4 神 奈 川 県 694.99 9 富 山 県 43 2.84 4 鹿 児 島 県 166.99 1 鳥 取 県 198 2.9 47 沖 縄 県 1.1 企 業 コード 商 号 業 種 所 在 地 創 業 年 ( 西 暦 ) 8232991 ( 株 ) 金 剛 組 寺 社 建 築 工 事 大 阪 府 78 11131 ( 財 ) 池 坊 華 道 会 生 花 教 授 京 都 府 87 28932 ( 有 ) 西 山 温 泉 慶 雲 舘 旅 館 経 営 山 梨 県 7 69178198 ( 株 ) 古 まん 旅 館 経 営 兵 庫 県 717 3886 ( 有 ) 善 吾 楼 旅 館 経 営 石 川 県 718 439 ( 株 ) 田 中 伊 雅 仏 具 製 造 京 都 府 88 413224 ( 株 ) 中 村 社 寺 寺 社 建 築 工 事 愛 知 県 97 834474 ( 株 ) 一 文 字 屋 和 輔 和 菓 子 製 造 販 売 京 都 府 1 13182 ( 株 ) 夏 油 温 泉 旅 館 経 営 岩 手 県 1134 2693 須 藤 本 家 ( 株 ) 清 酒 製 造 茨 城 県 1141 4
212/9/13 6. まとめ 調 査 の 結 果 全 体 の 企 業 は 歳 となったが 業 種 や 規 模 地 域 によって 大 きく 差 が あることが 判 明 した また これらの 差 には 長 寿 企 業 の 多 寡 が 影 響 を 及 ぼしていることも 明 らか になった とりわけ 製 造 業 の 4.4 歳 という 数 字 は 日 本 の 基 幹 産 業 を 長 寿 企 業 が 支 えてきたこと を 端 的 に 表 しており その 貢 献 度 は 計 り 知 れない 一 方 で 7 月 31 日 に 閣 議 決 定 された 日 本 再 生 戦 略 では 22 年 までに 開 業 率 が 廃 業 率 を 定 常 的 に 上 回 ることを 目 標 の 一 つとしている これを 受 け 経 済 産 業 省 は 多 様 な 起 業 創 業 を 支 援 するための ちいさな 企 業 未 来 補 助 金 を 概 算 要 求 に 盛 り 込 むなど 新 たに 企 業 を 生 み 育 てる ことにより 経 済 地 域 の 発 展 を 目 指 す 動 きが 強 まってきている 工 夫 や 努 力 の 結 果 永 きに 亘 り 生 き 抜 いてきた 長 寿 企 業 に 学 びながらも 同 時 に 多 くの 企 業 が 新 設 され 日 本 経 済 に 活 力 を 与 えてくれることにも 期 待 したい 内 容 に 関 する 問 い 合 わせ 先 ( 株 ) 帝 国 データバンク 産 業 調 査 部 石 田 卓 也 TEL 3-77-373 FAX 3-77-3169 e-mail takuya.ishida@mail.tdb.co.jp 当 レポートの 著 作 権 は 株 式 会 社 帝 国 データバンクに 帰 属 します 当 レポートはプレスリリース 用 資 料 として 作 成 しております 報 道 目 的 以 外 の 利 用 につきましては 著 作 権 法 の 範 囲 内 で ご 利 用 いただき 私 的 利 用 を 超 えた 複 製 および 無 断 引 用 を 固 く 禁 じます