腸 管 出 血 性 大 腸 菌 Q&A 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 の 特 徴 について 1 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 って 何 ですか? 2 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 の O157 ってどういう 意 味 ですか? 3 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 のほかに 病 気 を 起 こす 大 腸 菌 がありますか? 4 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 は 毒 素 を 出 すと 聞 いたけれど どのようなものですか? 5 DNAパターン 分 析 って 何 ですか? 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 の 発 生 状 況 について 6 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 は 最 近 見 つかった 細 菌 ですか? 7 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 はどこからうつるのですか? 8 これまでにどのような 食 中 毒 事 例 がありましたか? 9 これまでどのくらい 発 生 があったのですか? 10 これからも 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 は 発 生 しそうなのですか? 11 どんな 時 期 に 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 は 発 生 しやすいのですか? 12 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 がハエについているのですか? 13 動 物 からの 感 染 事 例 はありますか? 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 の 予 防 方 法 について ( 家 庭 での 予 防 ) 14 予 防 は 可 能 なのですか? 15 予 防 方 法 はどうすればよいのですか? 16 最 近 HACCP(ハサップ)ってよく 聞 くけど 何 ですか? 17 食 品 はどうやって 殺 菌 したらいいのですか? 18 野 菜 にも 気 をつけた 方 がよいのでしょうか? 19 まな 板 やフキンをしっかり 洗 うようにと 言 われますが どのように 洗 えばよいので すか? 20 電 子 レンジで 加 熱 すれば 菌 は 死 滅 するのですか? 21 食 器 乾 燥 機 を 使 うと 菌 は 抑 えられますか? ( 食 品 の 安 全 性 ) 22 食 肉 の 安 全 対 策 はどのように 実 施 されていますか? 23 食 肉 は 熱 を 通 せば 大 丈 夫 ですか? 24 牛 タタキ 等 加 熱 不 十 分 な 食 肉 を 製 造 調 理 販 売 する 上 で 注 意 することは 何 です か?
25 生 ハムなどは 大 丈 夫 ですか? 26 低 温 殺 菌 の 牛 乳 では 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 も 殺 菌 されていますか? 27 子 供 にヨーグルトを 食 べさせたいのですが ヨーグルトの 衛 生 管 理 は 大 丈 夫 です か? 28 輸 入 食 品 はどんな 検 査 をしているのですか? 29 水 道 水 は 安 全 だと 聞 きましたが 井 戸 水 やマンションの 受 水 槽 の 水 も 安 全 です か? 30 浄 水 器 を 通 すと 残 留 塩 素 が 除 去 できると 聞 きましたが 飲 んでも 安 全 ですか? (その 他 ) 31 外 食 する 時 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 に 感 染 しないか 心 配 です 大 丈 夫 でしょうか? 32 プールで 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 に 感 染 することがありますか? 33 公 衆 浴 場 温 泉 で 感 染 することがありますか? 34 動 物 とのふれあいの 際 にはどのようなことに 注 意 すればよいですか? 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 の 症 状 と 診 断 について 35 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 に 感 染 するとどんな 症 状 になるのですか? 36 血 便 があるのですが 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 に 感 染 したのでしょうか? 37 HUSって 何 ですか? 38 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 は 人 からうつるのですか? 39 母 乳 から 感 染 することはありますか? 40 どんな 検 査 をすると 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 だとわかるのですか? 41 診 断 薬 は 開 発 されたのですか? 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 の 治 療 方 法 について 42 下 痢 の 時 にはどうしたらいいのですか? 43 市 販 の 薬 はつかっていいのですか? 44 治 療 薬 はできたのでしょうか? 45 万 一 感 染 していたら 家 族 はどんなことに 注 意 したらいいのですか? 46 便 の 検 査 を 受 けたところ 症 状 はないのですが 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 が 検 出 されたと いわれましたがどうすればよいですか? 感 染 症 法 について 47 感 染 症 法 では どのような 取 扱 いになっていますか? 48 飲 食 店 を 経 営 していますが 感 染 症 法 が 適 用 されるとどうなるのですか? 49 飲 食 店 のウェイトレス 等 が 感 染 した 場 合 に 業 務 から 離 れなければいけません か?
行 政 の 対 応 について 50 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 感 染 症 の 患 者 が 発 生 した 場 合 どんな 調 査 が 行 われます か? 51 厚 生 労 働 省 ではどんな 対 策 を 行 っているのですか? 52 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 についてどんな 研 究 をしているのですか? 53 どこに 相 談 すればいいのですか? Q1 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 って 何 ですか? 大 腸 菌 は 家 畜 や 人 の 腸 内 にも 存 在 します ほとんどのものは 無 害 ですが このう ちいくつかのものは 人 に 下 痢 などの 消 化 器 症 状 や 合 併 症 を 起 こすことがあり 病 原 大 腸 菌 と 呼 ばれています 病 原 大 腸 菌 の 中 には 毒 素 を 産 生 し 出 血 を 伴 う 腸 炎 や 溶 血 性 尿 毒 症 症 候 群 (HUS)を 起 こす 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 と 呼 ばれるものがあります 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 は 菌 の 成 分 ( 表 面 抗 原 や べん 毛 抗 原 などと 呼 ばれていま す)によりさらにいくつかに 分 類 されています 代 表 的 なものは 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 O 157 で そのほかに O26 や O111 などが 知 られています 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 は 牛 などの 家 畜 や 人 の 糞 便 中 に 時 々 見 つかります 家 畜 では 症 状 を 出 さないことが 多 く 外 から 見 ただけでは 菌 を 保 有 する 家 畜 かどうかの 判 別 は 困 難 です Q2 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 の O157 ってどういう 意 味 ですか? 大 腸 菌 は 菌 の 表 面 にあるO 抗 原 ( 細 胞 壁 由 来 )とH 抗 原 (べん 毛 由 来 )により 細 か く 分 類 されています O157 とはO 抗 原 として157 番 目 に 発 見 されたものを 持 つと いう 意 味 です( 現 在 約 180に 分 類 されています) さらに 細 かく 分 類 するとO157でも 毒 素 (ベロ 毒 素 )を 産 生 し 溶 血 性 尿 毒 症 症 候 群 (HUS)などの 重 篤 な 症 状 を 起 こすものは H 抗 原 がH7(O157:H7)とH-(マイナ ス)のもの(O157:H-)の2 種 類 です Q3 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 のほかに 病 気 を 起 こす 大 腸 菌 がありますか? 大 腸 菌 には 病 原 性 のないものから 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 のように 強 い 病 原 性 を 有 す るものまで 様 々な 種 類 のものがあります 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 は 菌 の 構 成 成 分 の 性 質 からみた 分 類 ですが 大 腸 菌 は 病 気 の 起 こし 方 によって 主 として 以 下 の5つに 分 類 されます 1. 腸 管 病 原 性 大 腸 菌 : 小 腸 に 感 染 して 腸 炎 等 を 起 こします 2. 腸 管 組 織 侵 入 性 大 腸 菌 : 大 腸 ( 結 腸 ) 粘 膜 上 皮 細 胞 に 侵 入 増 殖 し 粘 膜 固 有 層 に 糜 爛 (びらん)と 潰 瘍 を 形 成 する 結 果 赤 痢 様 の 激 しい 症 状 を 引 き 起 こします
3. 腸 管 毒 素 原 性 大 腸 菌 : 小 腸 上 部 に 感 染 し コレラ 様 のエンテロトキシンを 産 生 する 結 果 腹 痛 と 水 様 性 の 下 痢 を 引 き 起 こします 4. 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 (ベロ 毒 素 産 生 性 大 腸 菌 志 賀 毒 素 産 生 性 大 腸 菌 ): 赤 痢 菌 が 産 生 する 志 賀 毒 素 類 似 のベロ 毒 素 を 産 生 し 激 しい 腹 痛 水 様 性 の 下 痢 血 便 を 特 徴 とし 特 に 小 児 や 老 人 では 溶 血 性 尿 毒 症 や 脳 症 (けいれんや 意 識 障 害 な ど)を 引 き 起 こしやすいので 注 意 が 必 要 です 近 年 食 中 毒 の 原 因 となっているものは O157がほとんどですが 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 にはこの 他 にO26 O111 O128およびO145などがあります 5. 腸 管 凝 集 性 大 腸 菌 : 主 として 熱 帯 や 亜 熱 帯 の 開 発 途 上 国 で 長 期 に 続 く 小 児 などの 下 痢 の 原 因 菌 となります 我 が 国 ではまだほとんどこの 菌 による 患 者 発 生 の 報 告 がありません Q4 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 は 毒 素 を 出 すと 聞 いたけれど どのようなものですか? 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 は 毒 力 の 強 いベロ 毒 素 ( 志 賀 毒 素 群 毒 素 )を 出 し 溶 血 性 尿 毒 症 症 候 群 (HUS)などの 合 併 症 を 引 き 起 こすのが 特 徴 です 溶 血 性 尿 毒 症 症 候 群 が 発 症 する 機 構 は 十 分 には 解 明 されていませんが この 毒 素 が 身 体 の 中 で 様 々な 障 害 を 起 こすことによって 全 身 性 の 重 篤 な 症 状 を 出 すものと 考 えられています ベロ 毒 素 には 赤 痢 菌 の 出 す 志 賀 毒 素 と 同 じ1 型 (VT1)と それと 異 なる 構 造 を 持 つ2 型 (VT2) 及 びこれらの 亜 型 があります 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 には これらの 毒 素 のうち1つもしくは 複 数 を 出 すものがありま す Q5 DNAパターン 分 析 って 何 ですか? 生 物 の 遺 伝 情 報 をつかさどるDNAはA(アデニン) G(グアニン) C(シトシン) T(チミ ン)の4 種 の 塩 基 からなり この 配 列 はそれぞれの 菌 株 により 異 なっていることがわか っています これを 利 用 して 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 をDNA 分 析 と 呼 ばれる 方 法 で 解 析 すると 汚 染 原 因 菌 の 由 来 が 同 じ 株 によるものかどうか 更 には 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 による 汚 染 源 が 同 じかどうかを 推 定 することができます 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 に 対 す るDNA 分 析 法 として 現 在 主 に パルスフィールドゲル 電 気 泳 動 (PFGE) と 呼 ばれ る 方 法 がもちいられています これは 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 のDNA を 制 限 酵 素 で 切 断 処 理 後 寒 天 (ゲル)の 中 で 特 殊 な 電 気 泳 動 を 行 い そこから 得 られるDNAのパターンを 比 較 する 方 法 です こ のパターンは 数 十 本 からなるDNAの 断 片 が 作 り 出 すもので 丁 度 いろいろな 商 品 についているバーコードの 帯 に 似 ています これまで 国 内 で 集 団 発 生 を 起 こした 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 のDNAパターンの 分 析 結 果 から 細 かくみると 数 千 種 類 のパターンがみられています
Q6 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 は 最 近 みつかった 細 菌 ですか? 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 は 昭 和 57 年 (1982 年 )アメリカオレゴン 州 とミシガン 州 でハンバ ーガーによる 集 団 食 中 毒 事 件 があり 患 者 の 糞 便 からO157が 原 因 菌 として 見 つか ったのが 最 初 で その 後 アメリカだけでなくアルゼンチン イギリス イタリア インド オーストラリア カナダ スウェーデン スペイン チリ ドイツ ニュージーランド フラ ンス ロシア 中 国 南 アフリカなど 世 界 各 地 で 見 つかっています Q7 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 はどこからうつるのですか? 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 O157の 感 染 事 例 の 原 因 食 品 等 と 特 定 あるいは 推 定 されたも のは 国 内 では 井 戸 水 牛 肉 牛 レバー 刺 し ハンバーグ 牛 角 切 りステーキ 牛 タタ キ ローストビーフ シカ 肉 サラダ 貝 割 れ 大 根 キャベツ メロン 白 菜 漬 け 日 本 そば シーフードソースなどです 海 外 では ハンバーガー ローストビーフ ミートパ イ アルファルファ レタス ホウレンソウ アップルジュースなどです また 国 内 で 流 通 している 食 品 の 汚 染 実 態 を 調 査 したところ 牛 肉 内 臓 肉 及 び 菓 子 から 本 菌 が 見 つかったという 報 告 もあります 平 成 9 年 4~5 月 に 開 催 された 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 O157に 関 する 世 界 保 健 機 関 (W HO)の 専 門 家 の 会 議 でも ハンバーガー ローストビーフ 生 乳 アップルジュース ヨーグルト チーズ 発 酵 ソーセージ 調 理 トウモロコシ マヨネーズ レタス 貝 割 れ 大 根 のような 生 食 用 の 発 芽 野 菜 が 原 因 として 指 摘 されています このように 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 は 様 々な 食 品 や 食 材 から 見 つかっていますので 食 品 の 洗 浄 や 加 熱 な ど 衛 生 的 な 取 扱 いが 大 切 です なお 動 物 と 接 触 することにより 感 染 した 事 例 も 報 告 されております Q8 これまでにどのような 食 中 毒 事 例 がありましたか? 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 による 食 中 毒 事 例 については 国 内 では 焼 肉 店 などの 飲 食 店 や 食 肉 販 売 業 者 が 提 供 した 食 肉 を 生 や 加 熱 不 足 で 食 べて 感 染 する 事 例 が 多 くな っています 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 に 汚 染 された 食 品 が 広 域 に 流 通 していたために 複 数 の 自 治 体 で 患 者 が 発 生 する 事 例 もみられます 海 外 では 肉 類 の 他 生 鮮 野 菜 を 食 べて 感 染 した 事 例 も 発 生 しています 米 国 で 発 生 した 生 のホウレンソウによる 食 中 毒 事 例 では 複 数 の 州 で 患 者 が 発 生 し アメリカ 食 品 医 薬 品 局 (FDA)では 感 染 原 因 となったホウレンソウの 回 収 や 生 のホウレンソ ウの 摂 取 を 避 ける 旨 の 勧 告 を 行 いました なお 本 事 例 におけるホウレンソウの 汚 染 原 因 として 菌 を 持 つイノシシが 農 場 に 入 り 農 場 を 汚 染 したことが 推 測 されていま す
Q9 これまでどのくらい 発 生 があったのですか? 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 感 染 症 の 患 者 報 告 数 ( 無 症 状 病 原 体 保 有 者 を 含 む)は 平 成 1 6 年 は3,715 件 平 成 17 年 は3,589 件 平 成 18 年 は3,910 件 ありました( 平 成 1 8 年 は 概 数 ) なお 平 成 8 年 以 降 の 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 による 食 中 毒 の 発 生 状 況 は 次 のとおりで す 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 による 食 中 毒 の 発 生 状 況 発 生 件 数 患 者 数 死 者 数 平 成 8 年 87 10,322 8 平 成 9 年 25 211 0 平 成 10 年 13 88 3 平 成 11 年 8 46 0 平 成 12 年 16 113 1 平 成 13 年 24 378 0 平 成 14 年 13 273 9 平 成 15 年 12 184 1 平 成 16 年 18 70 0 平 成 17 年 24 105 0 平 成 18 年 24 179 0 注 ) 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 による 食 中 毒 事 件 として 厚 生 労 働 省 に 報 告 があったものを 集 計 しています 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 による 食 中 毒 は 年 間 10~30 件 患 者 数 は100~300 人 で 推 移 しています 平 成 14 年 には 病 院 での 集 団 食 中 毒 により9 人 が 亡 くなるなど 近 年 で も 死 者 の 出 た 事 例 が 発 生 しています なお 感 染 症 法 に 基 づく 報 告 数 と 比 べて 食 中 毒 の 患 者 数 が 少 ない 理 由 は 感 染 経 路 がヒトからヒトへの 感 染 と 推 定 される 事 例 があることや 患 者 が1 人 の 場 合 に 感 染 原 因 を 特 定 することが 難 しく 飲 食 物 を 介 した 感 染 であると 判 断 される 事 例 が 少 な いことなどが 考 えられます Q10 これからも 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 感 染 症 は 発 生 しそうなのですか? 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 感 染 症 ( 無 症 状 病 原 体 保 有 者 を 含 む)の 平 成 19 年 の 発 生 状 況 を 見 ますと7 月 22 日 現 在 で 47 都 道 府 県 から1,538 名 の 報 告 が 出 ています( 最 新
の 発 生 状 況 については http://idsc.nih.go.jp/idwr/pdf-j.html にて 感 染 症 発 生 動 向 調 査 週 報 の 最 新 号 をダウンロードの 上 ご 覧 頂 けます ) また 海 外 でも 発 生 が 続 いています 前 述 (Q7)の 世 界 保 健 機 関 (WHO)の 専 門 家 の 会 議 でも 広 範 な 食 品 が 感 染 の 原 因 となっており 注 意 が 必 要 と 指 摘 しています さらに これまでの 多 くは 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 感 染 症 は 夏 場 に 発 生 していますが その 他 の 季 節 にも 発 生 していることから 常 に 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 感 染 症 の 発 生 はあ るものと 警 戒 し 十 分 に 注 意 することが 必 要 です Q11 どんな 時 期 に 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 食 中 毒 は 発 生 しやすいのですか? 食 中 毒 は 一 般 に 気 温 が 高 い 初 夏 から 初 秋 にかけて 多 発 します この 時 期 は 食 中 毒 菌 が 増 えるのに 適 した 気 温 であり これに 人 の 体 力 の 低 下 や 食 品 などの 不 衛 生 な 取 扱 いなどの 条 件 が 重 なることにより 発 生 しやすくなると 考 えられます 平 成 18 年 の 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 の 食 中 毒 発 生 状 況 をみますと 4 月 に4 件 12 人 6 月 に4 件 78 人 7 月 に3 件 18 人 8 月 に9 件 46 人 9 月 に2 件 20 人 10 月 に2 件 5 人 と なっており 夏 ~ 秋 にかけて 多 いのが 分 かります したがって 初 夏 ~ 初 秋 は 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 多 発 期 として 十 分 注 意 が 必 要 です しかしながら 気 温 の 低 い 時 期 でも 発 生 が 見 られることから 夏 以 外 の 季 節 も 注 意 が 必 要 です Q12 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 がハエについているのですか? 平 成 8 年 11 月 に 佐 賀 県 内 の 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 O157の 感 染 者 が 発 生 した 施 設 において 採 取 されたイエバエからも 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 O157が 検 出 されました そ の 後 他 の 県 でも 採 取 されたイエバエから 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 O157が 検 出 された 例 があります これまでのところ ハエと 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 O157 伝 播 との 直 接 的 な 因 果 関 係 につ いては 不 明 ですが ハエ 等 のいわゆる 衛 生 害 虫 が 消 化 器 系 感 染 症 の 原 因 となりう ることは 昔 から 知 られています 食 品 関 係 施 設 はもちろん 一 般 家 庭 においても ハエ 等 の 害 虫 対 策 にも 注 意 を 払 っ て 下 さい Q13 動 物 からの 感 染 事 例 はありますか? これまでに ふれあい 動 物 イベント 搾 乳 体 験 などを 原 因 とする 感 染 事 例 が 報 告 されて います 牛 などの 反 芻 動 物 では O157をはじめとする 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 を 保 菌 してい ることがあります また 反 芻 動 物 の 糞 便 に 汚 染 されたウサギなどの 小 動 物 の 体 表 から 二 次 的 にヒトが 感 染 した 事 例 もあります
Q14 予 防 は 可 能 なのですか? 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 はサルモネラや 腸 炎 ビブリオなどの 食 中 毒 菌 と 同 様 加 熱 や 消 毒 薬 により 死 滅 します したがって 通 常 の 食 中 毒 対 策 を 確 実 に 実 施 することで 十 分 に 予 防 可 能 です Q15 予 防 方 法 はどうすればよいのですか? 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 の 予 防 のポイントは 食 品 の 衛 生 的 取 扱 いです そのため 次 の 家 庭 でできる 食 中 毒 予 防 の6つのポイントを 確 実 に 実 行 し 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 の 感 染 を 予 防 しましょう 家 庭 でできる 食 中 毒 予 防 の6つのポイント - 家 庭 で 行 うHACCP(ハサップ: 宇 宙 食 から 生 まれた 衛 生 管 理 )- 食 中 毒 というと レストランや 旅 館 などの 飲 食 店 での 食 事 が 原 因 と 思 われがちです が 毎 日 食 べている 家 庭 の 食 事 でも 発 生 しており 発 生 する 危 険 性 がたくさん 潜 んで います ただ 家 庭 での 発 生 では 発 症 する 人 が1 人 や2 人 のことが 多 く また 症 状 が 軽 かっ たり 風 邪 や 寝 冷 えなどと 思 われがちで 食 中 毒 とは 気 づかずに 重 症 になったり 死 亡 する 例 もあります あなたの 食 事 作 りをチェックしてみましょう! 食 中 毒 予 防 のポイントは6つです ポイント 1 食 品 の 購 入 ポイント 2 家 庭 での 保 存 ポイント 3 下 準 備 ポイント 4 調 理 ポイント 5 食 事 ポイント 6 残 った 食 品 ポイント 1 食 品 の 購 入 肉 魚 野 菜 などの 生 鮮 食 品 は 新 鮮 な 物 を 購 入 しましょう 表 示 のある 食 品 は 消 費 期 限 などを 確 認 し 購 入 しましょう 購 入 した 食 品 は 肉 汁 や 魚 などの 水 分 がもれないようにビニール 袋 などにそれぞれ 分 けて 包 み 持 ち 帰 りましょう
特 に 生 鮮 食 品 などのように 冷 蔵 や 冷 凍 などの 温 度 管 理 の 必 要 な 食 品 の 購 入 は 買 い 物 の 最 後 にし 購 入 したら 早 めに 帰 るようにしましょう ポイント 2 家 庭 での 保 存 冷 蔵 や 冷 凍 の 必 要 な 食 品 は 持 ち 帰 ったら すぐに 冷 蔵 庫 や 冷 凍 庫 に 入 れましょ う 冷 蔵 庫 や 冷 凍 庫 の 詰 めすぎに 注 意 しましょう めやすは 冷 蔵 庫 や 冷 凍 庫 の7 割 程 度 です 冷 蔵 庫 は10 以 下 冷 凍 庫 は-15 以 下 に 維 持 することがめやすです 温 度 計 を 使 って 時 々 温 度 を 計 るとよいでしょう 細 菌 の 多 くは 10 では 増 殖 がゆっくりとなり -15 では 増 殖 が 停 止 していま す しかし 細 菌 が 死 ぬわけではありません 早 めに 使 いきるようにしましょう 肉 や 魚 などは ビニール 袋 や 容 器 に 入 れ 冷 蔵 庫 の 中 の 他 の 食 品 に 肉 汁 などがか からないようにしましょう 肉 魚 卵 などを 取 り 扱 う 時 は 取 り 扱 う 前 と 後 に 必 ず 手 を 洗 いましょう 簡 単 なことですが 細 菌 汚 染 を 防 ぐ 良 い 方 法 です 食 品 を 流 し 台 の 下 に 保 存 する 場 合 は 水 漏 れなどに 注 意 しましょう ポイント 3 下 準 備 台 所 を 見 渡 してみましょう ゴミはきちんと 捨 ててありますか? タオルやふきんは 清 潔 なものと 交 換 してありますか? せっけんは 用 意 してありますか? 調 理 台 の 上 は かたづけて 広 く 使 えるようになって いますか?もう 一 度 チェックをしましょう 井 戸 水 を 使 用 している 家 庭 では 水 質 に 十 分 注 意 してください 手 を 洗 いましょう 生 の 肉 魚 卵 を 取 り 扱 った 後 には 手 を 洗 いましょう 途 中 でペット 等 動 物 に 触 ったり トイレに 行 ったり おむつを 交 換 したり 鼻 をかんだ りした 後 の 手 洗 いも 大 切 です 生 の 肉 や 魚 などの 汁 が 果 物 やサラダなど 生 で 食 べる 物 や 調 理 の 済 んだ 食 品 にか からないようにしましょう 生 の 肉 や 魚 を 切 った 後 その 包 丁 やまな 板 を 洗 わずに 続 けて 果 物 や 野 菜 など 生 で 食 べる 食 品 や 調 理 の 終 わった 食 品 を 切 ることはやめましょう 生 の 肉 や 魚 を 切 っ た 包 丁 やまな 板 は 洗 ってから 熱 湯 をかけたのち 使 うことが 大 切 です 包 丁 やまな 板 は 肉 用 魚 用 野 菜 用 と 別 々にそろえて 使 い 分 けるとさらに 安 全 で す
ラップしてある 野 菜 やカット 野 菜 もよく 洗 いましょう 冷 凍 食 品 など 凍 結 している 食 品 を 調 理 台 に 放 置 したまま 解 凍 するのはやめましょ う 室 温 で 解 凍 すると 食 中 毒 菌 が 増 える 場 合 があります 解 凍 は 冷 蔵 庫 の 中 や 電 子 レンジで 行 うとよいでしょう また 水 を 使 って 解 凍 する 場 合 には 気 密 性 の 容 器 に 入 れ 流 水 を 使 います 料 理 に 使 う 分 だけ 解 凍 し 解 凍 が 終 わったらすぐ 調 理 しましょう 解 凍 した 食 品 をやっぱり 使 わないからといって 冷 凍 や 解 凍 を 繰 り 返 すのは 危 険 で す 冷 凍 や 解 凍 を 繰 り 返 すと 食 中 毒 菌 が 増 殖 したりする 場 合 もあります 包 丁 食 器 まな 板 ふきん たわし スポンジなどは 使 った 後 すぐに 洗 剤 と 流 水 で 良 く 洗 いましょう ふきんのよごれがひどい 時 には 清 潔 なものと 交 換 しましょう 漂 白 剤 に1 晩 つけ 込 むと 消 毒 効 果 があります 包 丁 食 器 まな 板 などは 洗 った 後 熱 湯 をかけたりすると 消 毒 効 果 があります たわしやスポンジは 煮 沸 すればなお 確 かです ポイント 4 調 理 調 理 を 始 める 前 にもう 一 度 台 所 を 見 渡 してみましょう 下 準 備 で 台 所 がよごれていませんか?タオルやふきんは 乾 いて 清 潔 なものと 交 換 しましょう そして 手 を 洗 いましょう 加 熱 して 調 理 する 食 品 は 十 分 に 加 熱 しましょう 加 熱 を 十 分 に 行 うことで もし 食 中 毒 菌 がいたとしても 殺 菌 することができます め やすは 中 心 部 の 温 度 が75 で1 分 間 以 上 加 熱 することです 料 理 を 途 中 でやめてそのまま 室 温 に 放 置 すると 細 菌 が 食 品 に 付 いたり 増 えたり します 途 中 でやめるような 時 は 冷 蔵 庫 に 入 れましょう 再 び 調 理 をするときは 十 分 に 加 熱 しましょう 電 子 レンジを 使 う 場 合 は 電 子 レンジ 用 の 容 器 ふたを 使 い 調 理 時 間 に 気 を 付 け 熱 の 伝 わりにくい 物 は 時 々かき 混 ぜることも 必 要 です ポイント 5 食 事 食 事 の 前 には 手 を 洗 いましょう 清 潔 な 手 で 清 潔 な 器 具 を 使 い 清 潔 な 食 器 に 盛 りつけましょう 温 かく 食 べる 料 理 は 温 かく 冷 やして 食 べる 料 理 は 冷 たくしておきましょう めやす は 温 かい 料 理 は65 以 上 冷 やして 食 べる 料 理 は10 以 下 です 調 理 前 の 食 品 や 調 理 後 の 食 品 は 室 温 に 長 く 放 置 してはいけません 例 えば O 157は 室 温 でも15~20 分 で2 倍 に 増 えます 乳 幼 児 やお 年 寄 りのO157などの 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 感 染 症 は 症 状 が 重 くなりや すく 死 亡 率 も 高 くなります これらの 年 齢 層 の 人 々には 加 熱 が 十 分 でない 食 肉 な
どを 食 べさせないようにした 方 が 安 全 です ポイント 6 残 った 食 品 残 った 食 品 を 扱 う 前 にも 手 を 洗 いましょう 残 った 食 品 はきれいな 器 具 皿 を 使 って 保 存 しましょう 残 った 食 品 は 早 く 冷 えるように 浅 い 容 器 に 小 分 けして 保 存 しましょう 時 間 が 経 ち 過 ぎたら 思 い 切 って 捨 てましょう 残 った 食 品 を 温 め 直 す 時 も 十 分 に 加 熱 しましょう めやすは75 以 上 です 味 噌 汁 やスープなどは 沸 騰 するまで 加 熱 しましょう ちょっとでも 怪 しいと 思 ったら 食 べずに 捨 てましょう 口 に 入 れるのは やめましょ う 食 中 毒 予 防 の 三 原 則 は 食 中 毒 菌 を 付 けない 増 やさない 殺 す です 6つのポイント はこの 三 原 則 から 成 っています これらのポイントをきちんと 行 い 家 庭 から 食 中 毒 をなくしましょう 食 中 毒 は 簡 単 な 予 防 方 法 をきちんと 守 れば 予 防 できます それでも もし 腹 が 痛 くなったり 下 痢 をしたり 気 持 ちが 悪 くなったりしたら お 医 者 さんに 相 談 しましょう Q16 最 近 HACCP(ハサップ) ってよく 聞 くけど 何 ですか? 有 効 な 食 中 毒 対 策 を 行 うためには 食 中 毒 を 起 こす 菌 をよく 知 って これらの 菌 が 食 品 の 製 造 加 工 調 理 過 程 のどこで 食 品 を 汚 染 し 増 殖 するのかを 明 らかにしておく ことが 重 要 です その 上 で 食 中 毒 菌 の 汚 染 や 増 殖 を 防 ぐ 方 法 を 調 理 過 程 に 組 み 込 むことが 必 要 で す このような 予 防 方 法 を 確 実 に 行 うための 新 しい 方 法 が HACCP(ハサップ) と 呼 ばれる 衛 生 管 理 方 法 です これは 米 国 航 空 宇 宙 局 (NASA)での 宇 宙 食 の 開 発 に 当 たって 高 度 に 安 全 性 を 保 証 する 方 式 として 確 立 された 危 害 分 析 に 基 づく 重 要 管 理 点 (HACCP) 方 式 で 食 品 の 生 産 製 造 加 工 消 費 の 工 程 で 発 生 するおそれのある 微 生 物 汚 染 等 の 危 害 を 分 析 し 特 に 原 料 生 産 から 重 点 的 に 管 理 する 事 項 又 は 工 程 を 決 め これが 守 られ ているかを 常 時 監 視 するものです Q17 食 品 はどうやって 殺 菌 したらいいのですか? 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 は75 で1 分 間 以 上 の 加 熱 で 死 滅 します この 他 食 品 に 用 いる 殺 菌 剤 として 次 亜 塩 素 酸 ナトリウムが 食 品 添 加 物 としてそ
の 使 用 が 認 められています この 効 果 や 使 用 方 法 は 濃 度 つけおき 時 間 食 品 の 種 類 によって 異 なりますので 各 製 品 の 使 用 説 明 書 をよく 読 んで 使 ってください なお 野 菜 の 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 を 除 菌 するには 湯 がき(100 の 湯 で5 秒 間 程 度 )が 有 効 であるとされています Q18 野 菜 にも 気 をつけた 方 がよいのでしょうか? 野 菜 が 原 因 とされる 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 の 感 染 例 も 報 告 されています したがって 野 菜 の 衛 生 管 理 にも 十 分 注 意 して 下 さい 具 体 的 には 以 下 の 事 項 に 気 をつけて 下 さ い (1) 野 菜 は 新 鮮 なものを 購 入 し 冷 蔵 庫 で 保 管 するなど 保 存 に 気 をつける (2) ブロッコリーやカリフラワーなどの 形 が 複 雑 なものは 熱 湯 で 湯 がく (3) レタスなどの 葉 菜 類 は 一 枚 ずつはがして 流 水 で 十 分 に 洗 う (4) きゅうりやトマト りんごなどの 果 実 もよく 洗 い 皮 をむいて 食 べる (5) 食 品 用 の 洗 浄 剤 や 次 亜 塩 素 酸 ナトリウムなどの 殺 菌 剤 を 使 ったり 加 熱 するこ とにより 殺 菌 効 果 はより 高 まります Q19 まな 板 やフキンをしっかり 洗 うようにとよく 言 われますが どのように 洗 えばよいのです か? まな 板 は 使 用 の 都 度 洗 浄 剤 でしっかり 洗 い 熱 湯 または 次 亜 塩 素 酸 ナトリウム 製 剤 ( 台 所 用 漂 白 剤 )で 消 毒 するとよいでしょう また 野 菜 や 果 実 など 生 食 用 食 品 に 用 いるまな 板 と 肉 や 魚 などに 用 いるまな 板 は 使 い 分 けることが 必 要 です まな 板 は (1) 洗 剤 ( 台 所 用 合 成 洗 剤 ) 洗 浄 水 洗 浄 湯 (55 )すすぎ 沸 騰 水 かけ (2) 洗 剤 ( 台 所 用 合 成 洗 剤 ) 洗 浄 水 洗 浄 湯 (55 )すすぎ 次 亜 塩 素 酸 ナト リウム( 濃 度 200ppm 1 時 間 浸 漬 ) (1) (2)いずれの 方 法 でも 大 腸 菌 群 は 検 出 されなくなります なお 傷 ついた 古 いまな 板 ( 特 に 木 製 )は 表 面 が 洗 浄 されにくいので 十 分 に 注 意 しましょう フキンやスポンジは 菌 が 増 殖 しやすいので 十 分 に 煮 沸 や 消 毒 し よく 乾 燥 してお くことを 心 がけましょう Q20 電 子 レンジで 加 熱 すれば 菌 は 死 滅 するのですか?
腸 管 出 血 性 大 腸 菌 は75 で1 分 間 以 上 の 加 熱 で 死 滅 します レンジで 調 理 する 時 も 食 品 全 体 をむらなく75 で1 分 間 以 上 加 熱 すれば 菌 は 死 滅 します 電 子 レンジを 使 う 場 合 は 電 子 レンジ 用 の 容 器 ふたを 使 い 調 理 時 間 に 気 を 付 け 熱 の 伝 わりにくい 物 は 時 々かき 混 ぜることも 必 要 です しかし 食 べ 物 を 単 に 温 めるだけでは 菌 は 死 滅 しないので 注 意 が 必 要 です Q21 食 器 乾 燥 機 を 使 うと 菌 は 抑 えられますか? 細 菌 が 増 えるためには 水 分 が 必 要 です 従 って 細 菌 の 増 殖 を 防 止 するために 食 器 類 を 十 分 洗 った 後 水 滴 を 拭 き 取 り 乾 燥 させることが 有 効 です また 十 分 な 加 熱 により 菌 は 死 滅 します このため 食 器 乾 燥 機 で 食 器 を 加 熱 乾 燥 させることは 菌 を 死 滅 させたり 菌 の 増 殖 を 抑 えるために 有 効 と 考 えられます Q22 食 肉 の 安 全 対 策 はどのように 実 施 されていますか? 牛 等 を 食 用 に 供 する 目 的 でとさつ 解 体 することは と 畜 場 法 によりと 畜 場 以 外 では 行 ってはならないとされています と 畜 場 に 搬 入 され とさつ 解 体 される 牛 等 は すべ てと 畜 検 査 員 の 検 査 を 受 けなければなりません 検 査 は まず 生 体 検 査 を 行 い 合 格 したものだけがとさつを 許 され 次 いで 解 体 前 の 検 査 を 行 い 合 格 したものが 解 体 を 許 されます さらに 解 体 後 の 内 臓 及 び 枝 肉 等 の 検 査 を 行 い すべてに 合 格 したもの のみが 食 用 に 供 することを 認 められます また と 畜 場 では 検 査 員 の 監 督 下 で 衛 生 的 な 処 理 が 行 われていますが 平 成 8 年 の 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 の 集 団 食 中 毒 事 件 の 多 発 を 踏 まえ 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 が 存 在 するとされる 家 畜 の 腸 内 容 物 や 体 表 面 の 汚 染 物 に 食 肉 が 汚 染 されることのないよう と 畜 場 法 に 基 づく 処 理 や 消 毒 方 法 施 設 設 備 の 基 準 を 改 正 しました と 畜 場 の 総 合 的 な 衛 生 状 態 を 監 視 するために 枝 肉 の 微 生 物 検 査 が 行 われ 汚 染 が 高 い 場 合 その 原 因 の 究 明 処 理 工 程 の 見 直 し 等 を 行 うことにより と 畜 場 の 衛 生 管 理 システムの 向 上 が 図 られています (Q51 1(3) 参 照 ) Q23 食 肉 は 熱 を 通 せば 大 丈 夫 ですか? 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 は75 で1 分 間 以 上 の 加 熱 で 死 滅 しますので 食 肉 も 加 熱 して 食 べる 限 り 安 全 です 特 に ハンバーグなどの 挽 肉 を 使 った 食 品 テンダライズ 処 理 ( 針 状 の 刃 を 刺 し 通 し 原 形 を 保 ったまま 硬 い 筋 や 繊 維 を 短 く 切 断 する 処 理 ) タンブリング 処 理 ( 調 味 液 を 機 械 的 に 浸 透 する 処 理 ) 結 着 ( 他 の 食 肉 の 断 片 を 結 着 させ 成 型 する 処 理 )を 行 った 食 肉 は 中 心 部 まで 75 で 1 分 間 以 上 加 熱 して 食 べましょう なお レバー 等 の 食 肉 を 生 で 食 べることはひかえるとともに 加 熱 不 十 分 な 食 肉 ( 牛 タタキ 等 )を 乳 幼 児 やお 年 寄 りには 食 べさせないようにしましょう
Q24 牛 タタキ 等 加 熱 不 十 分 な 食 肉 を 製 造 調 理 販 売 する 上 で 注 意 することは 何 ですか? 厚 生 労 働 省 では 生 食 用 食 肉 に 対 して 次 のような 衛 生 基 準 を 定 めています 生 食 用 食 肉 の 成 分 規 格 目 標 と 畜 場 食 肉 処 理 場 及 び 飲 食 店 における 生 食 用 食 肉 の 加 工 等 基 準 目 標 生 食 用 食 肉 の 保 存 等 基 準 目 標 生 食 用 食 肉 の 表 示 基 準 目 標 また 平 成 13 年 4 月 27 日 に 開 催 された 厚 生 労 働 省 薬 事 食 品 衛 生 審 議 会 食 品 衛 生 分 科 会 食 中 毒 部 会 において 取 りまとめられた 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 の 発 生 防 止 対 策 に 関 する 意 見 は 以 下 のようになっています 加 熱 不 十 分 な 食 肉 ( 牛 タタキ 等 )を 原 因 とする 広 範 な 食 中 毒 の 発 生 を 防 止 するた めには 食 肉 処 理 施 設 において 大 量 に 製 造 し 広 域 流 通 させることは リスクを 高 め るので 飲 食 店 等 において 処 理 し 同 一 施 設 で 速 やかに 喫 食 されることが 望 ましい 原 料 肉 からの 二 次 汚 染 を 防 止 するために 手 指 機 械 器 具 等 の 洗 浄 消 毒 を 徹 底 する 必 要 がある Q25 生 ハムなどは 大 丈 夫 ですか? 生 ハムを 含 め 食 肉 製 品 は 熱 水 分 活 性 ph 及 び 保 存 温 度 により 製 造 基 準 並 び に 保 存 基 準 が 設 けられており 許 可 を 受 けた 施 設 において 適 切 な 方 法 により 製 造 さ れ 適 切 な 温 度 管 理 のもとで 製 造 保 存 されています したがって 定 められた 基 準 を 遵 守 して 製 造 保 存 されているのであれば 食 品 衛 生 上 の 問 題 はありません Q26 低 温 殺 菌 の 牛 乳 では 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 も 殺 菌 されていますか? 低 温 殺 菌 牛 乳 は 殺 菌 条 件 である63 で30 分 の 加 熱 処 理 されており 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 は 死 滅 します Q27 子 供 にヨーグルトを 食 べさせたいのですが ヨーグルトの 衛 生 管 理 は 大 丈 夫 ですか? ヨーグルトは 発 酵 乳 として 規 格 基 準 が 定 められており その 原 料 を62 で30 分 間 加 熱 殺 菌 するか 又 は これと 同 等 以 上 の 殺 菌 効 果 を 有 する 方 法 で 殺 菌 しなければ なりません この 殺 菌 条 件 で 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 は 死 滅 します また 成 分 規 格 では 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 を 含 む 大 腸 菌 群 が 陰 性 であることが 決 められています Q28 輸 入 食 品 はどんな 検 査 をしているのですか? 輸 入 食 品 については 検 疫 所 において 牛 肉 や 野 菜 を 輸 入 する 輸 入 者 に 対 して 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 について 検 査 を 実 施 し 汚 染 がないことを 確 認 するよう 指 導 していま す
また 検 疫 所 において 牛 肉 や 野 菜 について 輸 入 時 の 監 視 を 実 施 しており 違 反 の 可 能 性 が 高 い 食 品 については 輸 入 の 都 度 その 他 の 食 品 は 一 定 の 違 反 を 発 見 で きる 検 体 数 に 基 づく 年 間 計 画 により 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 の 検 査 を 実 施 しています Q29 水 道 水 は 安 全 だと 聞 きましたが 井 戸 水 やマンションの 受 水 槽 の 水 も 安 全 ですか? 水 道 水 の 残 留 塩 素 濃 度 は 水 道 法 で 蛇 口 部 分 で0.1mg/リットル 以 上 と 定 められ ており この 濃 度 で 大 腸 菌 は 十 分 死 滅 します 従 って 一 般 に 水 道 水 は 塩 素 消 毒 がき ちんとされているので 安 全 です ただし 長 期 間 水 道 を 利 用 しなかった 場 合 には 水 道 管 内 に 水 がたまっているため 残 留 塩 素 濃 度 が 低 くなっていることがあります そ のような 場 合 は 水 をしばらく 流 してから 使 用 するようにしてください また 井 戸 水 については 大 腸 菌 の 有 無 共 同 住 宅 (マンションなど)の 受 水 槽 につい ては 残 留 塩 素 の 有 無 を 定 期 的 に 検 査 するよう 設 置 者 又 は 管 理 者 に 指 導 されており この 結 果 に 異 常 がなければ 安 心 です 施 設 の 設 置 者 又 は 管 理 者 は 定 期 的 に 検 査 を 行 うようにしてください Q30 浄 水 器 を 通 すと 残 留 塩 素 が 除 去 できると 聞 きましたが 飲 んでも 安 全 ですか? 塩 素 消 毒 がきちんとされている 水 道 水 であれば 大 腸 菌 については 問 題 ありません しかし 浄 水 器 を 通 した 水 は 残 留 塩 素 が 減 少 しているため 長 期 間 汲 み 置 きした 水 は 飲 まない 方 がよいでしょう また 水 道 を 長 期 間 使 用 しない 場 合 は その 後 に 使 用 する 前 に 水 をしばらく 流 してから 使 用 するようにして 下 さい なお 浄 水 器 について は カートリッジの 使 用 期 限 など 使 用 上 の 注 意 をしっかり 守 り 清 潔 に 保 つことが 重 要 です Q31 外 食 する 時 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 に 感 染 しないか 心 配 です 大 丈 夫 でしょうか? 都 道 府 県 等 において 飲 食 店 に 対 して 衛 生 管 理 の 徹 底 を 指 導 し 安 全 性 の 確 保 に 努 めていますのでいたずらに 不 安 になる 必 要 はありません Q32 プールで 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 に 感 染 することはありますか? 市 民 プール 民 間 のプール 等 のいわゆる 遊 泳 用 プールについては 衛 生 基 準 が 設 定 されており それに 従 い 定 期 的 に 塩 素 濃 度 を 測 定 して 殺 菌 力 が 低 下 した 場 合 には 殺 菌 剤 を 追 加 するとともに プールの 水 に 大 腸 菌 が 含 まれていないかどうか 調 査 して います 家 庭 用 プールについては 水 道 水 を 利 用 し 使 用 のたびに 水 を 交 換 しましょう また 患 者 や 下 痢 をしている 子 供 などは プールに 入 らせないようにしましょう Q33 公 衆 浴 場 温 泉 で 感 染 することがありますか?
公 衆 浴 場 や 温 泉 では 浴 槽 にお 湯 を 常 に 入 れることであふれさせたり 完 全 に 浴 槽 水 を 入 れ 替 えたりして また 循 環 ろ 過 装 置 や 消 毒 剤 を 用 いて 浴 槽 水 をきれいにしてい ます また 公 衆 浴 場 や 温 泉 の 営 業 者 は 利 用 者 が 浴 槽 に 入 る 前 に せっけんを 用 いて 体 を 洗 ってもらったり 下 痢 症 状 のある 方 の 共 同 浴 場 への 入 浴 を 控 えてもらうようお 願 いし 安 全 性 の 確 保 に 努 めています なお 浴 槽 水 を 飲 まないようにしましょう Q34 動 物 とのふれあいの 際 にはどのようなことに 注 意 すればよいですか? 動 物 とのふれあいは 情 操 の 涵 養 (かんよう)などのため 有 意 義 ですが 感 染 予 防 の ため 次 のようなことに 注 意 する 必 要 があります なお 乳 幼 児 などは 監 督 者 による 十 分 な 注 意 が 必 要 です 動 物 とふれあった 後 には 必 ず 石 けんを 使 用 して 十 分 に 手 洗 いをしましょう 動 物 の 糞 便 には 触 れないようにしましょう 動 物 とは キスなどの 過 剰 なふれあいをしないようにしましょう 動 物 とふれあう 場 所 では 飲 食 や 喫 煙 などをしないようにしましょう ( 参 考 ) ガイドライン http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/pdf/02-11.pdf ポスター http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/pdf/02-12.pdf Q35 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 に 感 染 するとどんな 症 状 になるのですか? 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 の 感 染 では 全 く 症 状 がないものから 軽 い 腹 痛 や 下 痢 のみで 終 わるもの さらには 頻 回 の 水 様 便 激 しい 腹 痛 著 しい 血 便 とともに 重 篤 な 合 併 症 を 起 こし 時 には 死 に 至 るものまで 様 々な 巾 があります しかし 多 くの 場 合 ( 感 染 の 機 会 のあった 者 の 約 半 数 )は おおよそ3~8 日 の 潜 伏 期 をおいて 頻 回 の 水 様 便 で 発 病 します さらに 激 しい 腹 痛 を 伴 い まもなく 著 しい 血 便 となることがありますが これが 出 血 性 大 腸 炎 です 発 熱 はあっても 多 くは 一 過 性 です これらの 症 状 の 有 る 者 の6~7%の 人 が 下 痢 などの 初 発 症 状 の 数 日 から2 週 間 以 内 ( 多 くは5~7 日 後 )に 溶 血 性 尿 毒 症 症 侯 群 (HUS)や 脳 症 などの 重 症 合 併 症 を 発 症 するといわれています 激 しい 腹 痛 と 血 便 がある 場 合 には 特 に 注 意 が 必 要 です Q36 血 便 があるのですが 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 に 感 染 したのでしょうか?
血 便 の 原 因 には 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 等 の 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 感 染 症 以 外 にも 細 菌 性 赤 痢 などの 他 の 感 染 症 腸 重 積 大 腸 がん あるいは 痔 疾 (ぢ)など さまざまな 原 因 があります 原 因 を 調 べるためには 医 療 機 関 で 検 査 を 受 けることが 必 要 です 血 便 は 重 要 な 注 意 信 号 の 一 つです 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 感 染 症 だけを 恐 れるのでは なく 症 状 があるときには 医 師 に 相 談 してください Q37 HUSって 何 ですか? HUSとは 溶 血 性 尿 毒 症 症 侯 群 (Hemolytic Uremic Syndrome)の 略 です 様 々な 原 因 によって 生 じる 血 栓 性 微 小 血 管 炎 ( 血 栓 性 血 小 板 減 少 性 血 管 炎 )による 急 性 腎 不 全 であり (1) 破 砕 状 赤 血 球 を 伴 った 貧 血 (2) 血 小 板 減 少 (3) 腎 機 能 障 害 を 特 徴 とし ます HUSの 初 期 には 顔 色 不 良 乏 尿 浮 腫 意 識 障 害 などの 症 状 が 見 られます HUSは 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 感 染 の 重 症 合 併 症 の 一 つであり 子 どもと 高 齢 者 に 起 こ りやすいのでこの 年 齢 層 の 人 々には 特 に 注 意 が 必 要 です Q38 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 は 人 からうつるのですか? 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 の 感 染 は 飲 食 物 を 介 した 経 口 感 染 であり 菌 に 汚 染 された 飲 食 物 を 摂 取 したり 患 者 の 糞 便 に 含 まれる 大 腸 菌 が 直 接 または 間 接 的 に 口 から 入 る ことによって 感 染 します 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 は100 個 程 度 の 菌 数 でも 感 染 すると 言 われていますが 感 染 す るのは 菌 に 汚 染 された 飲 食 物 を 摂 取 したり 患 者 さんや 無 症 状 病 原 体 保 有 者 ( 以 下 患 者 さん 等 と 書 きます )の 糞 便 で 汚 染 されたものを 口 にした 場 合 だけで 職 場 や 学 校 で 話 をしたり 咳 くしゃみ 汗 などでは 感 染 しません ヒトからヒトへの 感 染 を 予 防 する 基 本 は 手 洗 いです 排 便 後 食 事 の 前 下 痢 をして いる 子 どもや 高 齢 者 の 排 泄 物 の 世 話 をした 後 などは せっけんと 流 水 ( 汲 み 置 きでな い 水 )で 十 分 に 手 洗 いをしましょう 空 気 感 染 や 接 触 感 染 をするものではありません 誤 った 知 識 から 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 の 患 者 さんなどが 差 別 や 偏 見 を 受 けることのないように 気 を 付 けましょう Q39 母 乳 から 感 染 することはありますか? 母 乳 の 中 には 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 は 含 まれていないので 母 乳 を 介 して 感 染 するこ とはありません 日 頃 から 清 潔 に 心 がけ 特 に 授 乳 の 際 には 乳 首 等 を 清 潔 にしてくだ さい Q40 どんな 検 査 をすると 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 だとわかるのですか? 下 痢 の 原 因 となる 病 原 体 には 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 等 の 病 原 大 腸 菌 以 外 にもさまざ まな 細 菌 やウイルス 原 虫 などがあります しかし 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 のように 出 血 性 大 腸 炎 をおこし HUS 等 の 合 併 症 をおこすのはベロ 毒 素 を 産 生 する 腸 管 出 血 性 大
腸 菌 といわれるものです 下 痢 の 原 因 が 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 によるものかどうかは 便 の 検 査 によって 調 べる ことができます 便 から 大 腸 菌 が 検 出 された 場 合 には 血 清 型 といわれる 大 腸 菌 の 分 類 の 検 査 やベロ 毒 素 産 生 能 の 検 査 を 行 います ベロ 毒 素 産 生 能 があれば 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 であり 血 清 型 の 分 類 により 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 O157やそれ 以 外 に もO26やO111などであることがわかります Q41 診 断 薬 は 開 発 されたのですか? 人 の 便 中 の 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 を 検 出 する 試 薬 ( 診 断 薬 )として 日 本 で 承 認 されてい るものは 23 製 品 あります( 平 成 19 年 6 月 30 日 現 在 ) これらは 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 O157の 菌 体 を 検 出 するもの あるいは 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 が 産 生 するベロ 毒 素 を 検 出 するものに 分 けられます また これらの 中 には 人 の 便 から 菌 を 培 養 した 後 に 大 腸 菌 が 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 O 157かどうか 判 定 する 診 断 薬 と 糞 便 から 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 O157を 直 接 数 時 間 以 内 に 検 出 する 迅 速 検 査 の 診 断 薬 があります ベロ 毒 素 を 検 出 する 診 断 薬 も 同 じよう に 菌 を 培 養 した 後 に 検 査 するものと 直 接 糞 便 から 迅 速 検 査 を 行 うものがあります さらに これらの 他 血 清 中 の 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 O157に 対 する 抗 体 を 検 出 するた めの 診 断 薬 もあります Q42 下 痢 の 時 にはどうしたらいいのですか? 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 は 下 痢 を 起 こす 原 因 のごく 一 部 にすぎません 下 痢 の 原 因 が 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 であるかどうかを 確 認 するために 必 ず 医 師 の 診 察 を 受 けましょう 下 痢 の 治 療 の 基 本 は 安 静 水 分 補 給 消 化 しやすい 食 事 の 摂 取 などです これら のことに 気 を 付 け 医 師 の 指 示 に 従 いましょう なお 下 痢 便 の 付 着 した 衣 服 については 他 の 人 の 衣 服 と 別 に 洗 濯 するようにしま しょう (Q45 参 照 ) Q43 市 販 の 薬 は 使 っていいのですか? 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 感 染 症 と 診 断 された 場 合 には 医 師 の 診 断 に 基 づいた 治 療 を 受 けることが 最 も 大 切 です 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 による 感 染 症 の 治 療 には 使 わない 方 が 良 いとされる 薬 もあり ます たとえば 腸 管 の 運 動 を 抑 える 働 きの 下 痢 止 め 薬 や 痛 み 止 め 薬 の 中 には ベ ロ 毒 素 が 体 外 に 排 出 されにくくするものがあります 自 分 の 判 断 で 薬 を 服 用 せずに 医 師 の 診 察 を 受 けましょう Q44 治 療 薬 はできたのでしょうか?
現 在 様 々な 方 面 から 研 究 開 発 が 進 められておりますが 特 に, 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 が 産 生 する 毒 素 に 対 して 特 異 的 に 結 合 中 和 する モノクローナル 抗 体 や 中 和 剤 の 開 発 が 進 められています Q45 万 一 感 染 していたら 家 族 はどんなことに 注 意 したらいいのですか? まず 必 要 なことは 患 者 さんと 同 じ 飲 食 物 を 摂 取 した 家 族 が 感 染 していないかどう か あるいは 患 者 さんから 家 族 への 感 染 がないかどうかの 診 断 を 受 けることです こ の 時 に 便 の 検 査 は 症 状 がなくても 行 われることがあります 同 時 に 家 庭 内 の 消 毒 についての 知 識 を 得 て 必 要 な 範 囲 での 消 毒 を 行 います また 2 次 感 染 予 防 のため に 日 常 生 活 での 患 者 さんへの 接 し 方 についての 知 識 を 得 て 実 行 することが 大 切 で す これらのことは 保 健 所 の 職 員 が 指 導 していますので 良 く 聞 いて 分 からないこと があれば 質 問 してください 家 庭 での 主 な 注 意 点 は 以 下 の 通 りです 水 洗 トイレの 取 っ 手 やドアのノブなど 菌 の 汚 染 されやすい 場 所 を 逆 性 石 鹸 や 消 毒 用 アルコールなどを 使 って 消 毒 する 患 者 本 人 は 調 理 や 食 事 の 前 及 び 用 便 後 に 流 水 ( 汲 み 置 きでない 水 )で 十 分 に 手 を 洗 い 逆 性 石 鹸 や 消 毒 用 アルコールで 消 毒 する 家 族 の 者 も 食 事 前 などは 流 水 で 十 分 に 手 を 洗 う 患 者 の 便 を 処 理 する 場 合 (おむつの 交 換 など)にはゴム 手 袋 や 使 い 捨 ての 手 袋 などを 用 いる ゴム 手 袋 を 用 いた 場 合 には 使 用 後 に 消 毒 する また おむつ 交 換 による 汚 染 の 拡 大 を 防 止 するため 決 められた 場 所 で 行 う 患 者 の 便 で 汚 れた 下 着 は 薬 品 などの 消 毒 (つけおき)をしてから 家 族 のも のとは 別 に 洗 濯 する また 煮 沸 をしても 十 分 な 消 毒 効 果 があります 患 者 はできるだけ 浴 槽 につからず シャワー 又 はかけ 湯 を 使 う 患 者 が 風 呂 を 使 用 する 場 合 は 他 の 家 族 と 一 緒 にはいることは 避 け 乳 幼 児 は 患 者 の 後 に 入 浴 しないように 気 を 付 ける 風 呂 の 水 は 毎 日 替 える バスタオル は ひとりで 一 枚 を 使 用 し 共 用 しない Q46 便 の 検 査 を 受 けたところ 症 状 はないのですが 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 が 検 出 されたといわ れましたがどうすればよいですか? 症 状 がないにもかかわらずベロ 毒 素 を 産 生 する 菌 であることが 確 認 された 場 合 こ うした 人 を 無 症 状 病 原 体 保 有 者 といい 本 人 に 症 状 がなくても 他 の 人 にうつす 可 能 性 があります そのため 感 染 症 の 法 律 上 は 患 者 と 同 様 に 便 の 検 査 でベロ 毒 素 産 生 菌 が 陰 性 になるまでの 間 は 飲 食 物 の 製 造 や 飲 食 物 に 直 接 接 触 するような 業 務 につくことが 制 限 されます なお 自 然 に 菌 が 陰 性 化 することもあり 引 き 続 き 便 の 検 査 を 受 けて 菌 が 便 中 にい なくなったかどうかを 観 察 する 必 要 があります また 抗 菌 剤 を 使 って 治 療 することも
菌 の 陰 性 化 に 有 効 ですが これらも 含 めて 診 断 した 医 師 とよく 相 談 して 対 応 を 決 める ことが 大 切 です 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 感 染 症 の 治 療 については 一 次 二 次 医 療 機 関 のための 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 (O157 等 ) 感 染 症 治 療 の 手 引 き( 改 訂 版 ) をご 参 照 ください アドレス http://www1.mhlw.go.jp/o-157/manual.html Q47 感 染 症 法 ではどのような 取 扱 いになっていますか? 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 感 染 症 は 平 成 11 年 4 月 に 施 行 された 感 染 症 の 予 防 及 び 感 染 症 の 患 者 に 対 する 医 療 に 関 する 法 律 ( 感 染 症 法 )では 三 類 感 染 症 に 位 置 づけら れています 三 類 感 染 症 とは 感 染 力 かかった 場 合 の 重 症 度 などからみると 危 険 性 が 非 常 に 高 いとはいえないが 特 定 の 業 務 ( 飲 食 物 を 取 扱 う 業 務 等 )に 従 事 すること によって 他 者 への 感 染 を 起 こす 可 能 性 があるとされるものです 対 応 する 措 置 として は 飲 食 物 を 取 扱 う 業 務 (Q46 参 照 )への 就 業 制 限 消 毒 等 があります 患 者 さん 等 の 治 療 にあたっては 必 要 に 応 じ 医 療 の 観 点 から 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 感 染 症 についても 入 院 して 頂 く 場 合 があります また 便 の 検 査 でベロ 毒 素 産 生 菌 が 陰 性 であること( 病 原 体 を 保 有 していないこと)が 確 認 されれば 就 業 制 限 は 解 除 され ます なお 医 師 は 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 感 染 症 の 患 者 さん 等 を 診 断 したときは 最 寄 りの 保 健 所 長 に 届 け 出 る 義 務 があります Q48 飲 食 店 を 経 営 していますが 感 染 症 法 が 適 用 されるとどうなるのですか? 患 者 さん 等 の 自 覚 に 基 づいて 自 発 的 に 休 暇 を 取 ったり 就 業 制 限 対 象 業 務 以 外 の 業 務 に 一 時 的 についたりすること 等 が 基 本 ですが 感 染 症 法 においては 都 道 府 県 知 事 等 が 当 該 患 者 本 人 に 対 して 必 要 に 応 じて 就 業 制 限 を 通 知 することになって います 就 業 制 限 の 対 象 となるのは 飲 食 物 の 製 造 販 売 調 整 または 飲 食 物 に 直 接 に 触 れる 業 務 です 具 体 的 には Q49 飲 食 店 のウェイトレス 等 が 感 染 した 場 合 に 業 務 から 離 れなければいけませんか? を 参 照 してください また 提 供 した 飲 食 物 が 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 感 染 症 の 原 因 となった 場 合 は 食 品 衛 生 法 に 基 づいて 営 業 の 停 止 等 の 措 置 がなされます Q49 飲 食 店 のウェイトレス 等 が 感 染 した 場 合 に 業 務 から 離 れなければいけませんか? 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 感 染 症 に 対 する 就 業 制 限 は 特 定 の 業 務 に 対 して(Q48 参 照 ) 行 われ その 期 間 は 検 便 で 菌 が 陰 性 化 するまで( 病 原 体 を 保 有 しなくなるまで)の 間 です 従 って 例 えば 飲 食 店 の 調 理 員 等 の 業 務 には 就 業 制 限 がかかりますが その 飲 食 店 の 会 計 係 等 の 飲 食 物 に 直 接 触 れることのない 業 務 には 就 業 制 限 はかかりませ
ん これらの 就 業 制 限 は 一 定 の 業 務 につくことを 制 限 したものであり 当 該 職 場 におけ る 就 業 全 体 を 禁 止 したものではないので 便 中 の 菌 が 陰 性 になるまでの 一 時 的 な 業 務 の 変 更 などで 対 応 可 能 です 誤 った 知 識 や 誤 解 から 患 者 さん 等 が 長 期 の 休 暇 や 解 雇 などの 社 会 的 不 利 益 を 受 けることのないよう 注 意 が 必 要 です Q50 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 感 染 症 の 患 者 が 発 生 した 場 合 どんな 調 査 が 行 われますか? 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 感 染 症 の 患 者 が 発 生 した 場 合 医 師 は 保 健 所 に 届 出 をしなけれ ばなりません 医 師 からの 届 出 により 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 の 感 染 症 又 は 食 中 毒 が 発 生 していること を 探 知 した 保 健 所 は 患 者 の 過 去 の 行 動 調 査 ( 喫 食 調 査 動 物 との 接 触 歴 等 )や 患 者 の 家 族 の 健 康 調 査 利 用 した 施 設 の 調 査 関 係 食 品 等 の 試 験 検 査 等 を 行 います 調 査 の 結 果 食 中 毒 と 判 断 された 場 合 被 害 の 拡 大 防 止 のため 原 因 食 品 の 回 収 廃 棄 や 原 因 施 設 の 営 業 の 禁 停 止 等 の 措 置 がとられます また 感 染 症 であった 場 合 は 感 染 源 の 消 毒 等 が 行 われます なお 複 数 の 地 域 で 単 発 的 に 発 生 しているようにみえても 広 域 に 流 通 する 同 一 食 品 を 原 因 とする 食 中 毒 の 発 生 もあることから 食 中 毒 調 査 では 食 品 の 流 通 状 況 のさ かのぼり 調 査 や 患 者 や 食 品 から 検 出 された 菌 のDNAの 型 の 確 認 を 合 わせて 行 っ ています Q51 厚 生 労 働 省 ではどんな 対 策 を 行 っているのですか? 厚 生 省 ( 当 時 )では 平 成 8 年 3 月 に 食 品 衛 生 調 査 会 食 中 毒 部 会 に 大 規 模 食 中 毒 等 対 策 に 関 する 分 科 会 を 設 置 し 近 年 の 食 中 毒 事 例 の 大 規 模 化 問 題 を 検 討 しておりま したが 平 成 8 年 5 月 以 降 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 O157の 食 中 毒 が 大 量 に 発 生 したこと から 次 の 対 策 を 行 っています 1 発 生 予 防 対 策 ( 食 中 毒 予 防 対 策 ) 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 による 食 中 毒 の 発 生 を 予 防 するため 昨 年 来 集 団 給 食 施 設 等 に 対 する 監 視 指 導 の 強 化 とちく 場 食 肉 処 理 場 における 衛 生 管 理 の 徹 底 等 を 実 施 してきました 具 体 的 には 次 のことに 取 り 組 んでいます (1) 食 中 毒 予 防 のための 家 庭 用 手 引 の 普 及 家 庭 に 対 して 食 中 毒 を 予 防 するための 調 理 上 の 注 意 事 項 を 示 した 家 庭 用 の 手 引 ( 平 成 9 年 3 月 作 成 )の 普 及 を 図 っています
(2) 大 量 調 理 施 設 衛 生 管 理 指 針 の 普 及 集 団 給 食 施 設 等 の 大 量 調 理 施 設 における 食 中 毒 の 発 生 防 止 を 図 るため 調 理 工 程 等 における 重 要 管 理 事 項 を 定 めた 大 量 調 理 施 設 衛 生 管 理 指 針 ( 平 成 9 年 3 月 作 成 )の 普 及 を 図 っています (3) 食 肉 の 衛 生 管 理 の 徹 底 平 成 8 年 及 び9 年 にと 畜 場 法 の 施 設 基 準 及 び 衛 生 管 理 基 準 を 改 正 し と 畜 解 体 処 理 の 過 程 で 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 などの 病 原 微 生 物 を 含 む 牛 等 の 体 表 の 付 着 物 や 消 化 管 の 内 容 物 が 食 肉 を 汚 染 しないよう 措 置 を 講 じました また 枝 肉 の 微 生 物 汚 染 の 全 国 的 な 実 態 を 把 握 し 衛 生 管 理 の 向 上 に 資 するため 毎 年 と 畜 場 における 枝 肉 の 微 生 物 汚 染 実 態 調 査 を 実 施 しています (4) 食 材 の 汚 染 実 態 調 査 平 成 10 年 から 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 を 含 む 病 原 大 腸 菌 サルモネラ 等 について 挽 肉 生 レバー 生 食 用 野 菜 等 の 食 材 の 汚 染 実 態 について 毎 年 約 3000 検 体 の 全 国 的 な 調 査 を 行 い 陽 性 食 品 の 処 分 や 注 意 喚 起 を 行 っています (5) 集 団 給 食 施 設 の 衛 生 管 理 者 の 研 修 集 団 給 食 衛 生 管 理 者 に 対 し 食 品 の 衛 生 管 理 に 関 する 研 修 を 実 施 するよう 都 道 府 県 に 対 し 求 めています (6) 集 団 給 食 施 設 用 指 導 ビデオの 普 及 集 団 給 食 施 設 の 衛 生 管 理 に 関 する 指 導 用 ビデオを 作 成 し その 普 及 を 図 っていま す (7) 国 民 への 普 及 啓 発 多 様 な 媒 体 や 方 法 を 通 じ 国 民 に 対 して 食 中 毒 の 発 生 防 止 に 役 立 つ 情 報 を 提 供 し ています 2 原 因 究 明 対 策 (1) 食 中 毒 発 生 時 の 対 策 要 領 の 改 訂
都 道 府 県 等 において 食 中 毒 が 発 生 した 場 合 の 対 策 要 領 を 予 め 定 める 等 必 要 な 措 置 を 講 じるよう 求 めています( 平 成 9 年 3 月 通 知 ) (2) 食 中 毒 調 査 のための 指 針 の 普 及 保 健 所 が 行 う 食 中 毒 調 査 の 具 体 的 な 実 施 方 法 を 定 めた 食 中 毒 調 査 の 指 針 ( 平 成 9 年 3 月 作 成 )の 普 及 を 図 り 必 要 に 応 じ 菌 のDNAの 型 の 確 認 を 行 うよう 都 道 府 県 等 に 対 して 求 めています (3) 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 の 検 出 解 析 技 術 の 向 上 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 の 迅 速 かつ 確 実 な 検 出 解 析 等 を 行 うため 国 立 感 染 症 研 究 所 において 地 方 衛 生 研 究 所 の 研 究 員 等 を 対 象 として パルスフィールド 電 気 泳 動 法 ビ ーズ 法 による 菌 の 分 離 等 に 関 する 研 修 を 実 施 しました (4) 食 品 からの 検 出 方 法 の 改 訂 研 究 班 の 成 果 を 受 け 食 品 中 からの 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 O157の 検 出 方 法 を 改 訂 し ました( 平 成 9 年 7 月 ) また 平 成 18 年 11 月 には O157に 加 えてO26を 検 出 する 方 法 に 改 訂 しました 3 診 断 治 療 対 策 (1) 一 次 二 次 医 療 機 関 のためのO157 感 染 症 治 療 のマニュアル 医 療 機 関 においてO157を 早 期 に 診 断 し 早 期 に 適 切 な 治 療 が 実 施 できるよう 医 療 機 関 に 対 する 周 知 を 行 っています (2) 治 療 薬 の 開 発 の 推 進 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 が 産 生 する 毒 素 に 対 して 特 異 的 に 結 合 中 和 する 抗 II 型 志 賀 様 毒 素 ヒト 型 化 モノクローナル 抗 体 を 希 少 疾 病 用 医 薬 品 に 指 定 しました( 平 成 13 年 4 月 ) 今 後 助 成 金 の 交 付 試 験 研 究 に 対 する 指 導 助 言 等 を 行 い 開 発 の 推 進 を 図 ります (3) 患 者 さん 等 の 発 生 状 況 の 把 握 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 感 染 症 と 診 断 した 医 師 は 感 染 症 法 に 基 づいて 届 出 を 行 うことと なっています それを 集 計 して 全 国 の 発 生 状 況 は 感 染 症 発 生 動 向 調 査 週 報 (IDWR: 国 立 感 染 症 研 究 所 感 染 症 情 報 センターホームページ)などにより 週 単 位 で 公 表 して おり 地 域 において 発 生 が 異 常 に 多 い 場 合 等 に 把 握 することが 可 能 です
Q52 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 についてどんな 研 究 をしているのですか? 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 の 研 究 はこれまで 多 角 的 な 視 点 から 行 われており 現 在 までに 行 われた 主 な 研 究 成 果 の 一 部 を 紹 介 します 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 感 染 症 の 診 断 法 治 療 法 の 研 究 O157を 含 めた 種 々の 血 清 型 の 菌 体 を 一 度 に 検 出 可 能 な 診 断 法 感 染 後 に 体 内 でベロ 毒 素 を 中 和 細 菌 に 腸 管 粘 膜 への 定 着 を 阻 止 して 合 併 症 の 発 症 を 抑 制 する 新 たな 治 療 法 の 開 発 に 関 する 研 究 を 推 進 しています 免 疫 学 的 検 査 法 の 有 用 性 臨 床 での 迅 速 診 断 には 免 疫 学 的 検 査 法 がPCR 法 や 培 養 法 に 比 較 して 簡 便 性 迅 速 性 において 優 れており 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 の 感 染 を 早 期 に 推 定 し 吸 着 剤 の 適 用 を 決 定 する 手 段 としては 有 用 であると 考 えられています 抗 菌 剤 が 治 療 に 有 効 かどうか 特 にHUSの 合 併 率 を 減 少 させるかどうかの 調 査 研 究 により ホスホマイシンがHUSの 合 併 率 を 減 少 させる 可 能 性 があることがわかっ てきました Q53 どこに 相 談 すればいいのですか? 最 寄 りの 保 健 所 で 健 康 相 談 を 受 けることができます その 上 で 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 に 関 して 二 次 感 染 の 恐 れがあり 健 康 に 不 安 を 抱 いている 方 等 に 関 しては 便 の 検 査 が 受 けられます なお 下 痢 などの 症 状 のある 方 は かかりつけの 医 師 の 受 診 をお 勧 めします 血 便 のある 方 は 速 やかに 受 診 をしてください < 照 会 先 > 健 康 局 結 核 感 染 症 課 :Q9 及 び Q10( 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 感 染 症 について) Q13 及 びQ34( 動 物 からの 感 染 について) Q42~Q46( 治 療 法 について) Q47~Q49( 感 染 症 法 について) 健 康 局 水 道 課 :Q29 及 び Q30( 水 道 水 について) 健 康 局 生 活 衛 生 課 :Q32 及 び Q33(プール 公 衆 浴 場 及 び 温 泉 について) 医 薬 食 品 局 審 査 管 理 課 :Q41( 診 断 薬 について) 医 薬 食 品 局 食 品 安 全 部 監 視 安 全 課 : 食 中 毒 について その 他 <ご 協 力 いただいた 専 門 家 ( 平 成 19 年 8 月 改 訂 五 十 音 順 敬 称 略 )> 品 川 邦 汎 岩 手 大 学 農 学 部 教 授 寺 嶋 淳 国 立 感 染 症 研 究 所 細 菌 第 一 部 第 一 室 長 山 本 茂 貴 国 立 医 薬 品 食 品 衛 生 研 究 所 食 品 衛 生 管 理 部 長
吉 倉 廣 元 国 立 感 染 症 研 究 所 長 渡 邉 治 雄 国 立 感 染 症 研 究 所 副 所 長