非 鉄 金 属 の 需 給 動 向 とその 背 景 平 成 2 年 7 月 経 済 安 全 保 障 課 <ポイント> 非 鉄 金 属 非 鉄 金 属 は 伝 統 的 に 消 費 量 の 多 いアルミニウム 銅 亜 鉛 等 のベースメタル と 消 費 量 は 少 ないが 新 素 材 ( 特 殊 鋼 電 子 材 料 磁 性 材 料 等 )の 原 料 として 重 要 な 役 割 を 果 たしているレアメタル(ニッケル クロム コバルト タングステ ン インジウム レアアース 白 金 族 金 属 等 )がある 需 給 価 格 動 向 ベースメタルは 比 較 的 多 くの 国 に 分 散 しており チリ ペルー メキシコ 等 の 中 南 米 や 豪 州 米 国 カナダ 等 の 先 進 国 も 比 較 的 大 きな 埋 蔵 量 を 確 保 している これに 対 し レアメタルは 資 源 の 偏 在 性 が 著 しく 中 国 南 アフリカ コンゴ( 民 ) ロシア カザフスタン 等 に 集 中 している 鉱 物 資 源 業 界 では 大 手 企 業 間 の 合 併 買 収 が 進 んだ 結 果 寡 占 化 が 顕 著 にな っている 世 界 で 消 費 される 金 属 資 源 量 は 新 興 経 済 国 特 に 中 国 の 急 速 な 経 済 発 展 を 主 要 因 として 大 幅 に 増 大 している 中 国 の 金 属 消 費 量 は 21~7 年 の 6 年 間 で 銅 が 2.1 倍 鉛 3.6 倍 亜 鉛 2.4 倍 アルミニウムは 3.5 倍 ニッケルは 4. 倍 と 急 増 した 金 属 市 況 は 需 要 の 増 大 金 属 市 場 への 投 機 資 金 の 流 入 等 を 要 因 として 3 年 後 半 からほとんどの 金 属 が 高 騰 した 2 年 と 比 較 して 7 年 平 均 金 属 価 格 は 銅 で 4.6 倍 鉛 で 5.7 倍 亜 鉛 で 4.2 倍 ニッケルは 5.5 倍 と 急 騰 した 我 が 国 との 関 係 我 が 国 は 非 鉄 金 属 の 主 要 消 費 国 の 一 つであり ニッケルで 世 界 第 2 位 の 消 費 国 となっている 他 アルミニウム 亜 鉛 で 第 3 位 銅 で 第 4 位 鉛 で 第 5 位 の 消 費 国 金 属 資 源 の 大 部 分 は 海 外 からの 輸 入 に 依 存 非 鉄 金 属 の 中 で 市 場 規 模 の 大 きい 銅 についてみると チリ インドネシア ペルー 等 からの 輸 入 が 多 い 中 国 は 希 少 金 属 資 源 保 護 管 理 の 強 化 自 国 産 業 優 先 の 方 針 を 打 ち 出 しており 中 国 国 内 の 需 要 が 急 増 している 中 我 が 国 としても 中 国 からの 輸 入 に 依 存 してい る 金 属 原 料 について 供 給 先 の 多 様 化 等 の 対 策 を 図 っていく 必 要 がある 1
1. 非 鉄 金 属 とは (1) 概 要 非 鉄 金 属 とは 鉄 以 外 の 金 属 の 総 称 非 鉄 金 属 は 便 宜 上 伝 統 的 に 消 費 量 の 多 いアルミニウ ム 銅 亜 鉛 等 のベースメタルと 消 費 量 は 少 ないが 新 素 材 ( 特 殊 鋼 電 子 材 料 磁 性 材 料 等 )の 原 料 として 重 要 な 役 割 を 果 たしているレアメタル(ニッケル クロム コバルト タ ングステン インジウム レアアース 白 金 族 金 属 等 )がある( 表 1 参 照 製 造 工 程 につき 参 考 1 参 照 ) 我 が 国 は 金 属 鉱 物 資 源 の 大 部 分 を 海 外 からの 輸 入 に 依 存 している (2) 非 鉄 金 属 の 用 途 代 表 的 な 非 鉄 金 属 5 種 ( 銅 鉛 亜 鉛 アルミニウム ニッケル)の 主 な 用 途 は 以 下 の とおり (イ) 銅 銅 は 電 気 及 び 熱 伝 導 性 が 高 い 耐 食 性 に 優 れている 展 延 性 が 高 く 加 工 性 に 優 れている といった 特 徴 がある 国 内 では 6 年 に 1,563 千 トンの 銅 が 消 費 されており そのうち 電 線 が 84 千 トン 伸 銅 品 が 723 千 トンである 製 品 分 野 別 では 電 気 機 械 が 421 千 トン 自 動 車 船 舶 が 29 千 トン 建 設 事 業 が 183 千 トン 金 属 製 品 鉄 鋼 が 154 千 トン 等 となってい る (ロ) 鉛 鉛 は 原 子 量 が 大 きく 安 定 性 が 高 い 金 属 であり 製 錬 が 容 易 で 金 属 として 古 くから 利 用 さ れてきた 6 年 の 国 内 消 費 量 は 31 千 トン( 純 分 量 )であり 蓄 電 池 向 け( 自 動 車 産 業 用 民 生 用 )が 271 千 トンと 9 割 を 占 めている その 他 では ガラス 製 品 塩 ビ 安 定 剤 塗 料 と いった 無 機 薬 品 が 12 千 トン はんだ 銅 合 金 塊 が 8 千 トン 鉛 管 板 が 3 千 トンとなっている EU を 中 心 とした 鉛 使 用 規 制 の 影 響 で 蓄 電 池 以 外 の 需 要 は 減 少 に 向 かっている (ハ) 亜 鉛 亜 鉛 は イオン 化 傾 向 が 大 きく 酸 化 被 膜 を 作 る 特 性 から 鉄 の 防 食 ( 亜 鉛 めっき)に 欠 くことのできない 金 属 6 年 の 国 内 消 費 量 は 557 千 トン( 純 分 量 )であり 亜 鉛 めっき 鋼 板 向 けが 226 万 トン その 他 めっきは 81 千 トンであり 自 動 車 部 材 建 材 構 造 物 電 気 機 器 等 のめっき 用 が 全 体 の 55%を 占 めている その 他 伸 銅 品 が 79 千 トン 無 機 薬 品 (タイヤ 電 子 部 品 塗 料 等 )が 57 千 トン 亜 鉛 ダイカストが 51 千 トン 等 となっている (ニ)アルミニウム アルミニウムは 軽 量 で 耐 食 性 加 工 性 通 電 性 熱 伝 導 性 等 に 優 れており 他 の 金 属 と の 合 金 や 熱 処 理 を 施 すことで 強 度 を 増 すことができるため 自 動 車 鉄 道 車 両 サッシ 精 密 機 器 飲 料 缶 材 等 広 範 囲 に 使 用 されている 6 年 のアルミニウム 最 終 製 品 の 国 内 需 要 は 4,229 千 トン( 純 分 量 )であり 主 な 需 要 分 野 は 輸 送 機 器 ( 自 動 車 鉄 道 車 両 等 )が 1,755 千 トン 土 木 建 築 分 野 ( 建 築 資 材 サッシ 等 )679 千 トン 金 属 製 品 が 513 千 トン 食 品 容 器 包 装 向 け(アルミ 缶 箔 等 )が 434 千 トン 等 となっている (ホ)ニッケル ニッケルは 強 い 磁 性 がある 展 性 や 延 性 に 富 む 水 やアルカリへの 耐 性 に 優 れていると いった 特 徴 がある 7 年 の 国 内 ニッケル 消 費 量 は 144 千 トン( 純 分 量 )であり このうち 特 殊 鋼 向 け(ステンレス 鋼 高 張 力 鋼 機 械 構 造 用 合 金 鋼 耐 熱 鋼 耐 熱 超 合 金 合 金 工 具 鋼 2
等 )が 129 千 トンと 9 割 を 占 めている その 他 めっき 用 ( 自 動 車 自 転 車 )が 2 千 トン 磁 性 合 金 非 鉄 合 金 (ラジオ テレビ 電 子 部 品 )が 3 千 トン 等 となっている 表 1 非 鉄 金 属 の 主 な 用 途 埋 蔵 国 鉱 石 生 産 国 金 属 種 主 な 用 途 主 な 埋 蔵 国 主 な 鉱 石 生 産 国 (27 年 ) 銅 チリ 米 国 イント ネシア ペル 電 線 銅 管 チリ ペルー 米 国 中 国 ー ポーランド メキシコ 半 導 体 豪 州 イント ネシア 中 国 豪 州 鉛 バッテリー 中 国 豪 州 米 国 カサ フスタ 中 国 豪 州 米 国 ペルー ン ペルー メキシコ メキシコ 亜 鉛 めっき 豪 州 中 国 ペルー 米 国 中 国 ペルー 豪 州 米 国 ダイカスト カサ フスタン カナダ インド アルミニウム 圧 延 品 ダイカス ギニア 豪 州 ジャマイカ 豪 州 ブラジル 中 国 イ ト 鋳 物 電 線 ブラジル ンド ギニア シ ャマイカ ニッケル 豪 州 ニューカレト ニア ロシア ロシア カナダ イント ネシア ステンレス キューバ カナダ ブラジ 豪 州 ニューカレト ニア コロンビ 二 次 電 池 ル ア フィリピン クロム ステンレス 耐 熱 カサ フスタン 南 アフリカ イン 南 アフリカ インド カザ 鋼 ド フスタン タングステン 超 硬 工 具 中 国 カナダ ロシア 米 中 国 ロシア カナダ 特 殊 鋼 国 コバルト 耐 熱 鋼 超 硬 工 コンゴ( 民 ) 豪 州 キュ コンゴ( 民 ) カナダ 豪 具 磁 性 材 電 極 ーバ ザンビア ロシア 州 ザンビア ロシア モリブデン 鋼 材 顔 料 触 媒 中 国 米 国 チリ カナダ 中 国 米 国 チリ ペルー ロシア マンガン 鋼 材 アルミ 合 南 アフリカ 中 国 豪 州 ウクライナ 南 アフリカ 豪 州 イン 金 乾 電 池 磁 性 ガボン ブラジル ウクラ ド 中 国 ブラジル 材 イナ インド カサ フスタン レアアース コンデンサ セラ 中 国 CIS 諸 国 米 国 豪 ミック 製 品 永 久 州 磁 石 電 池 中 国 インド 金 宝 飾 品 電 子 機 南 アフリカ 豪 州 ペルー 中 国 南 アフリカ 豪 州 器 歯 科 医 療 ロシア 米 国 米 国 ペルー ロシア 銀 感 光 剤 電 子 機 ポーランド メキシコ ペ ペルー メキシコ 中 国 器 宝 飾 品 ルー 豪 州 チリ 豪 州 ポーランド 白 金 ( 白 金 族 宝 飾 品 排 ガス 用 南 ア ロシア カナダ ジ 南 アフリカ ロシア 金 属 ) 触 媒 歯 科 医 療 ンバブエ 米 国 出 典 :Mineral Commodity Summaries 28, World Metal Statistics Yearbook 28 他 3
2. 非 鉄 金 属 の 需 給 動 向 (1) 主 要 非 鉄 金 属 資 源 の 埋 蔵 量 (Reserves*) 銅 鉛 亜 鉛 アルミニウムといったベースメタルは 比 較 的 多 くの 国 に 分 散 しており チ リ ペルー メキシコ 等 の 中 南 米 や 豪 州 米 国 カナダ 等 の 先 進 国 も 比 較 的 大 きな 埋 蔵 量 を 確 保 している これに 対 し クロム タングステン コバルト 白 金 レアアース マンガ ンといったレアメタルは 資 源 の 偏 在 性 が 著 しく 中 国 南 アフリカ コンゴ( 民 ) ロシア カザフスタン ウクライナ 等 に 集 中 している (*) 地 質 学 的 証 拠 に 基 づき 確 認 推 定 された 資 源 量 (identified resources)の 内 現 在 の 生 産 実 態 によって 経 済 的 に 採 掘 可 能 なもの( 出 典 :Mineral Commodity Summaries 28) (2) 鉱 物 資 源 生 産 の 寡 占 化 鉱 物 資 源 業 界 では 9 年 代 の 市 況 低 迷 期 以 降 大 手 企 業 間 の 合 併 買 収 が 進 んだ 結 果 寡 占 化 が 顕 著 になっている 現 在 資 源 メジャーを 代 表 する 企 業 としては BHP ビリトン( 英 豪 ) アングロ アメリカン( 英 ) リオ ティント( 英 豪 ) ヴァーレ(ブラジル) エクストラータ(スイス)の 5 社 が 挙 げられる なお 7 年 11 月 BHP ビリトンは リオ ティントに 対 し 総 額 14 億 ドルに 及 ぶ 合 併 提 案 を 行 い リオ ティント 側 はこれを 拒 否 し ている (3) 消 費 量 の 拡 大 世 界 で 消 費 される 金 属 資 源 量 は 新 興 経 済 国 特 に 中 国 の 急 速 な 経 済 発 展 を 主 要 因 として 大 幅 に 増 大 している 中 国 の 金 属 消 費 量 は 21~7 年 の 6 年 間 で 銅 が 2.1 倍 鉛 3.6 倍 亜 鉛 2.4 倍 アルミニウムは 3.5 倍 ニッケルは 4. 倍 と 急 増 した 中 国 は 亜 鉛 が 2 年 に 銅 が 2 年 に 鉛 及 びアルミニウムが 4 年 に ニッケルが 5 年 にそれぞれ 世 界 第 1 位 の 消 費 国 となっており これら 5 種 類 の 金 属 に 関 する 中 国 の 消 費 量 は 世 界 の 消 費 量 のうち 4 分 の 1 から 3 分 の 1 を 占 めるまでに 至 った 日 本 は 非 鉄 金 属 の 主 要 消 費 国 の 一 つであり ニッケルで 世 界 第 2 位 の 消 費 国 となっている 他 アルミニウム 亜 鉛 で 第 3 位 銅 で 第 4 位 鉛 で 第 5 位 の 消 費 国 3. 鉱 種 別 概 況 (1) 銅 銅 鉱 石 生 産 量 は チリが 世 界 の 3 分 の 1 を 占 める また ペルー 中 国 ザンビアが 生 産 量 を 増 やしており これら 3 カ 国 は 1~7 年 平 均 で 8% 台 の 伸 びを 示 しており 7 年 にペル ーは 米 国 を 抜 いて 世 界 第 2 位 の 銅 鉱 石 生 産 国 となった 逆 にインドネシア 米 国 カナダ は 1 年 と 比 較 して 7 年 は 生 産 量 を 減 らしており 世 界 全 体 ではこの 間 に 年 平 均 で 2.1%の 低 い 伸 びとなっている 銅 地 金 消 費 は 中 国 では 1~7 年 平 均 で 13%の 顕 著 な 伸 びを 示 し 中 国 の 銅 消 費 シェア は 7 年 に 世 界 消 費 の4 分 の1を 占 めるまでに 至 った ロシアの 銅 消 費 も 年 平 均 18%の 伸 び を 示 し 世 界 第 7 位 の 消 費 国 となり インドも 年 平 均 9% 消 費 が 伸 び 世 界 第 9 位 の 消 費 国 4
となっている 日 本 の 7 年 銅 地 金 消 費 量 は 125 万 トンで 世 界 第 4 位 米 国 ( 銅 消 費 量 世 界 第 2 位 ) フランス( 同 第 1 位 )は 年 平 均 で 3% 程 度 銅 消 費 量 が 減 少 している 世 界 全 体 では 年 平 均 で 3.3% 銅 消 費 量 が 伸 びている 日 本 は 銅 鉱 石 ( 精 鉱 )の 約 半 分 をチリからの 輸 入 に 依 存 しており インドネシアやペル ーからの 鉱 石 輸 入 も 多 い 表 2 銅 の 主 要 生 産 消 費 輸 出 入 国 (27 年 ) (1) 銅 総 量 第 1 位 第 2 位 第 3 位 第 4 位 第 5 位 出 典 27 年 ( 千 トン) 世 界 の 鉱 石 生 産 チリ ペルー 米 国 中 国 豪 州 Copper Bulletin 15,442 5,557 (36.) 1,19 (7.7) 1,177 (7.6) 944 (6.1) 87 (5.6) 世 界 の 鉱 石 輸 出 チリ ペルー イント ネシア 豪 州 カナダ Copper Bulletin 5,434 2,258 (41.6) 789 (14.5) 518 (9.5) 489 (9.) 212 (3.9) 世 界 の 鉱 石 輸 入 日 本 中 国 インド 韓 国 ドイツ Copper Bulletin 5,278 1,47 (26.7) 1,354 (25.7) 479 (9.1) 421 (8.) 39 (7.4) 世 界 の 地 金 生 産 中 国 チリ 日 本 米 国 ロシア Copper Bulletin 18,82 3,545 (19.6) 2,936 (16.2) 1,577 (8.7) 1,38 (7.2) 949 (5.2) 世 界 の 地 金 輸 出 チリ ザンビア 日 本 カサ フスタン ペルー Copper Bulletin 7,724 2,91 (37.7) 491 (6.4) 428 (5.5) 337 (4.4) 335 (4.3) 世 界 の 地 金 輸 入 中 国 ドイツ 米 国 イタリア 台 湾 Copper Bulletin 7,111 1,494 (21.) 844 (11.9) 829 (11.7) 747 (1.5) 615 (8.6) 世 界 の 地 金 消 費 中 国 米 国 ドイツ 日 本 韓 国 Copper Bulletin 18,121 4,933 (27.2) 2,145 (11.8) 1,392 (7.7) 1,252 (6.9) 81 (4.4) 日 本 の 鉱 石 輸 入 チリ イント ネシア ペルー カナダ 豪 州 資 源 エネルキ ー 庁 資 料 1,47 658 (46.8) 193 (13.7) 167 (11.9) 119 (8.5) 113 (8.) 日 本 の 地 金 輸 出 中 国 台 湾 韓 国 タイ イント ネシア 日 本 貿 易 統 計 428 193 (45.1) 131 (3.6) 35 (8.2) 23 (5.4) 21 (4.9) 単 位 : 金 属 量 千 トン ( ) 内 はシェア(%) ( 千 トン) 2, 18, 16, 14, 12, 1, 8, 6, その 他 フランス インド 台 湾 ロシア イタリア 韓 国 日 本 ドイツ 米 国 中 国 4, 2, 21 22 23 24 25 26 27 図 1 銅 の 主 要 国 別 消 費 量 の 推 移 出 典 :Copper Bulletin 5
(2) 鉛 鉛 は EU の RoHS 指 令 ELV 指 令 REACH 規 制 で 有 害 物 質 として 規 制 されており 鉛 の 鉱 石 生 産 消 費 量 は 減 少 している 国 が 多 い 鉛 の 最 大 生 産 国 であり 最 大 消 費 国 である 中 国 は 例 外 であり 鉱 石 生 産 が 1~7 年 平 均 で 14.6% 増 鉛 地 金 消 費 が 同 24% 増 と 顕 著 な 伸 びを 示 し ている リサイクルが 進 んでいる 金 属 でもあり 7 年 の 世 界 の 地 金 生 産 に 対 する 鉱 石 生 産 量 の 割 合 は 44%であり 残 りの 56%はリサイクルにより 得 られているものと 推 定 される 世 界 全 体 では 鉱 石 生 産 が 年 平 均 3.1% 増 地 金 消 費 が 同 3.8% 増 となっている 我 が 国 の 鉛 地 金 消 費 は 28 万 トンで ここ 数 年 間 大 きな 変 化 はなく 世 界 第 5 位 の 鉛 消 費 国 となっている 鉛 鉱 石 輸 入 量 は 9.3 万 トンで 主 に 豪 州 及 び 米 国 から 輸 入 している 表 3 鉛 の 主 要 生 産 消 費 輸 出 入 国 (27 年 ) (2) 鉛 総 量 第 1 位 第 2 位 第 3 位 第 4 位 第 5 位 出 典 27 年 ( 千 トン) 世 界 の 鉱 石 生 産 中 国 豪 州 米 国 ペルー メキシコ Lead and Zinc Statistics 3,591 1,36 (37.9) 594 (16.5) 436 (12.1) 329 (9.2) 129 (3.6) 世 界 の 地 金 生 産 中 国 米 国 ドイツ 日 本 英 国 Lead and Zinc Statistics 8,127 2,757 (33.9) 1,35 (16.1) 45 (5.) 276 (3.4) 275 (3.4) 世 界 の 地 金 輸 出 中 国 豪 州 カナダ ペルー ドイツ World Metal Statistics 1,655 244 (14.8) 222 (13.4) 169 (1.2) 12 (7.3) 113 (6.9) 世 界 の 地 金 輸 入 米 国 スペイン フランス 韓 国 ドイツ World Metal Statistics 1,716 257 (15.) 139 (8.1) 113 (6.6) 112 (6.6) 18 (6.3) 世 界 の 地 金 消 費 中 国 米 国 ドイツ 韓 国 日 本 Lead and Zinc Statistics 8,137 2,543 (31.3) 1,522 (18.7) 398 (4.9) 359 (4.4) 279 (3.4) 日 本 の 鉱 石 輸 入 豪 州 米 国 ペルー ボリビア ロシア 資 源 エネルキ ー 庁 資 料 93 41 (43.8) 36 (39.2) 8 (8.4) 5 (5.3) 2 (2.6) 単 位 : 金 属 量 千 トン ( ) 内 はシェア(%) 千 トン 9, 8, 7, 6, 5, 4, 3, その 他 フランス メキシコ 英 国 スペイン イタリア 日 本 韓 国 ドイツ 米 国 中 国 2, 1, 21 22 23 24 25 26 27 図 2 鉛 の 主 要 国 別 消 費 量 の 推 移 出 典 :Lead and Zinc Statistics 6
(3) 亜 鉛 亜 鉛 は 中 国 が 最 大 の 鉱 石 生 産 国 であり 同 時 に 最 大 の 地 金 消 費 国 となっている 7 年 の 中 国 の 鉱 石 生 産 量 は 295 万 トンで 1~7 年 平 均 で 11%の 高 い 伸 び 地 金 消 費 量 は 359 万 ト ンで 同 16%に 達 している また インドの 7 年 の 鉱 石 生 産 量 は 52 万 トンで 世 界 第 6 位 年 平 均 の 伸 び 率 は 15%であり 地 金 消 費 量 は 46 万 トンで 世 界 第 6 位 年 平 均 の 伸 び 率 は 8.2% 世 界 全 体 では 鉱 山 生 産 の 年 平 均 伸 び 率 が 3.4%であるのに 対 し 地 金 消 費 の 年 平 均 伸 び 率 は 4.%とそれを 上 回 っている 我 が 国 の 7 年 亜 鉛 消 費 量 は 58.8 万 トンであり 世 界 第 3 位 亜 鉛 精 鉱 は ペルー 豪 州 ボリビア 米 国 から 輸 入 している 表 4 亜 鉛 の 主 要 生 産 消 費 輸 出 入 国 (27 年 ) (3) 亜 鉛 総 量 第 1 位 第 2 位 第 3 位 第 4 位 第 5 位 出 典 27 年 ( 千 トン) 世 界 の 鉱 石 生 産 中 国 ペルー 豪 州 米 国 カナダ Lead and Zinc Statistics 1,943 2,95 (27.) 1,444 (13.2) 1,398 (12.8) 78 (7.1) 619 (5.7) 世 界 の 地 金 生 産 中 国 カナダ 韓 国 日 本 スペイン Lead and Zinc Statistics 11,327 3,714 (32.8) 82 (7.1) 691 (6.1) 598 (5.3) 59 (4.5) 世 界 の 地 金 輸 出 カナダ 豪 州 中 国 フィンランド 韓 国 World Metal Statistics 3,253 614 (18.9) 284 (8.7) 276 (8.5) 26 (8.) 254 (7.8) 世 界 の 地 金 輸 入 米 国 ドイツ イタリア 台 湾 ベルギー World Metal Statistics 3,36 742 (22.1) 315 (9.4) 315 (9.4) 229 (6.8) 22 (6.) 世 界 の 地 金 消 費 中 国 米 国 日 本 ドイツ 韓 国 Lead and Zinc Statistics 11,319 3,588 (31.7) 1,41 (9.2) 588 (5.2) 534 (4.7) 511 (4.5) 日 本 の 鉱 石 輸 入 ペルー 豪 州 ボリビア 米 国 メキシコ 資 源 エネルキ ー 庁 資 料 559 28 (37.1) 14 (25.1) 97 (17.3) 67 (12.1) 21 (3.8) 単 位 : 金 属 量 千 トン ( ) 内 はシェア(%) 千 トン 12, 1, 8, 6, 4, その 他 ベルギー イタリア インド 韓 国 ドイツ 日 本 米 国 中 国 2, 21 22 23 24 25 26 27 図 3 亜 鉛 の 主 要 国 別 消 費 量 の 推 移 出 典 :Lead and Zinc Statistics 7
(4)アルミニウム アルミニウム 鉱 石 (ボーキサイト)の 最 大 の 生 産 国 は 豪 州 であり 7 年 に 世 界 の 3 分 の 1 を 生 産 している 2 位 のブラジルは 年 平 均 9%の 高 い 伸 びを 示 し 3 位 中 国 4 位 インドは 共 に 年 平 均 16%の 伸 びと 生 産 が 急 拡 大 している 世 界 全 体 では 年 平 均 5.5% 鉱 石 生 産 量 が 拡 大 している アルミニウム 消 費 は 他 の 金 属 と 比 べて 価 格 が 高 騰 していないことから 世 界 全 体 でも 年 平 均 7.8%と 急 増 している 最 大 消 費 国 である 中 国 の 年 平 均 伸 び 率 は 23%に 達 しており 7 位 のインドは 年 平 均 で 1% 9 位 のブラジルでも 8% 消 費 が 伸 びている 我 が 国 は 世 界 第 3 位 のアルミニウム 消 費 国 であり 主 にロシア 及 び 豪 州 から 地 金 を 輸 入 している 表 5 アルミニウムの 主 要 生 産 消 費 輸 出 入 国 (27 年 ) (4)アルミニウム 総 量 第 1 位 第 2 位 第 3 位 第 4 位 第 5 位 出 典 27 年 ( 千 トン) 世 界 の 鉱 石 生 産 豪 州 ブラジル 中 国 インド ギニア World Metal Statistics (ボーキサイト) 191,655 62,428 (32.6) 22,836 (11.9) 21,6 (11.3) 19,38 (1.1) 18,98 (9.9) 世 界 の 地 金 生 産 中 国 ロシア カナダ 米 国 豪 州 World Metal Statistics 38,87 12,559 (33.) 3,955 (1.4) 3,83 (8.1) 2,56 (6.7) 1,959 (5.1) 世 界 の 地 金 輸 出 ロシア カナダ 豪 州 ノルウェー ブラジル World Metal Statistics 17,671 3,949 (22.3) 2,51 (14.2) 1,659 (9.4) 1,61 (9.1) 823 (4.7) 世 界 の 地 金 輸 入 日 本 米 国 ドイツ 韓 国 イタリア World Metal Statistics ( 合 金 を 含 む) 19,171 2,986 (15.6) 2,951 (15.4) 2,231 (11.6) 1,169 (6.1) 1,79 (5.6) 世 界 の 地 金 消 費 中 国 米 国 日 本 ドイツ イタリア World Metal Statistics 37,246 12,347 (33.1) 5,58 (15.) 2,197 (5.9) 2,8 (5.4) 1,87 (2.9) 日 本 の 地 金 輸 入 ロシア 豪 州 中 国 ブラジル ニューシ ーラント 日 本 貿 易 統 計 ( 合 金 を 含 む) 2,986 729 (24.4) 66 (2.3) 254 (8.5) 228 (7.6) 222 (7.4) 単 位 : 金 属 量 千 トン( 鉱 石 生 産 のみボーキサイト 重 量 千 トン) ( ) 内 はシェア(%) 千 トン 4, 35, 3, 25, 2, 15, 1, その 他 ブラジル ロシア インド 韓 国 イタリア ドイツ 日 本 米 国 中 国 5, 21 22 23 24 25 26 27 図 4 アルミニウム 地 金 の 主 要 国 別 消 費 量 の 推 移 出 典 :World Metal Statistics Yearbook 8
(5)ニッケル 世 界 のニッケル 鉱 石 生 産 量 は 年 平 均 4.6% 増 主 要 生 産 国 は ロシア カナダ インド ネシア 豪 州 等 ニッケル 消 費 では 5 年 に 中 国 が 日 本 を 抜 いて 世 界 第 1 位 となり 7 年 の 消 費 量 は 33 万 トンで 世 界 全 体 の 4 分 の 1 を 占 めている 中 国 のニッケル 消 費 は 1~7 年 平 均 で 26%という 高 い 伸 びを 示 している 7 年 はニッケル 価 格 が 急 騰 したことから ニッケ ルを 使 用 しないクロム 系 ステンレスへの 一 部 代 替 が 起 こり 世 界 的 にニッケル 消 費 量 が 減 少 したが 中 国 だけは 消 費 量 が 前 年 比 29% 増 と 急 増 した 我 が 国 は 世 界 第 2 位 のニッケル 消 費 国 ニッケル 鉱 石 (ニッケルマットを 含 む)の 3 分 の 2 はインドネシアから 輸 入 しており その 他 ニューカレドニア フィリピン 及 び 豪 州 から 輸 入 表 6 ニッケルの 主 要 生 産 消 費 輸 出 入 国 (27 年 ) (5)ニッケル 総 量 第 1 位 第 2 位 第 3 位 第 4 位 第 5 位 出 典 27 年 ( 千 トン) 世 界 の 鉱 石 生 産 ロシア カナダ イント ネシア 豪 州 ニューカレト ニア World Nickel Statistics 1,64 288 (18.) 255 (15.9) 188 (11.7) 184 (11.5) 125 (7.8) 世 界 の 地 金 生 産 ロシア 中 国 カナダ 日 本 豪 州 World Nickel Statistics 1,435 272 (19.) 24 (14.2) 163 (11.3) 162 (11.3) 111 (7.7) 世 界 の 地 金 消 費 中 国 日 本 米 国 ドイツ 台 湾 World Nickel Statistics 1,323 33 (24.9) 169 (12.8) 135 (1.2) 97 (7.3) 7 (5.3) 日 本 の 鉱 石 輸 入 イント ネシア ニューカレト ニア フィリピン 豪 州 - World Nickel Statistics (ニッケルマットを 含 む) 156 16 (67.9) 21 (13.6) 18 (11.7) 9 (5.8) 単 位 : 金 属 量 千 トン ( ) 内 はシェア(%) 千 トン 1,6 1,4 1,2 1, 8 6 その 他 ベルギー スペイン イタリア 韓 国 台 湾 ドイツ 米 国 日 本 中 国 4 2 21 22 23 24 25 26 27 図 5 ニッケルの 主 要 国 別 消 費 量 の 推 移 出 典 :World Nickel Statistics 9
4. 非 鉄 金 属 の 価 格 動 向 (1) 金 属 価 格 の 推 移 199 年 代 後 半 から 22 年 にかけて 金 属 価 格 は 低 迷 期 を 迎 えていたが 3 年 後 半 からほ とんどの 金 属 が 高 騰 した 2 年 と 比 較 して 7 年 平 均 金 属 価 格 は 銅 で 4.6 倍 鉛 で 5.7 倍 亜 鉛 で 4.2 倍 ニッケルは 5.5 倍 と 急 騰 した アルミニウムは 2. 倍 金 が 2.2 倍 白 金 が 2.4 倍 銀 は 2.9 倍 となった 8 年 に 入 り 鉛 亜 鉛 ニッケルは 価 格 を 下 げたが 銅 ア ルミニウム 金 白 金 銀 といった 金 属 価 格 は 上 昇 を 続 けている (2) 金 属 価 格 高 騰 の 要 因 金 属 価 格 高 騰 の 要 因 としては 例 えば 以 下 のようなものが 挙 げられる (i) 世 界 経 済 の 成 長 特 に 中 国 をはじめとするアジア 地 域 での 大 幅 な 需 要 増 大 (ii) 金 利 安 ドル 安 や 原 油 相 場 高 騰 等 を 契 機 とした 金 属 市 場 への 投 機 資 金 等 の 流 入 (iii) 電 力 不 足 地 震 等 の 自 然 災 害 事 故 ストライキ 等 による 一 時 的 又 は 中 期 的 な(1~2 年 程 度 まで) 供 給 障 害 (iv) 資 源 会 社 の 寡 占 化 により 価 格 決 定 に 関 し 売 り 手 側 が 有 利 な 立 場 にあること (v) 採 掘 対 象 となる 鉱 石 の 深 部 化 低 品 位 化 人 件 費 燃 料 費 等 の 上 昇 によるコスト 高 また 急 増 する 金 属 需 要 に 対 し 金 属 資 源 の 供 給 が 追 い 付 かない 要 因 としては (i)9 年 代 後 半 からの 市 況 低 迷 を 背 景 とした 探 鉱 新 規 鉱 山 開 発 の 停 滞 (ii) 鉄 道 道 路 港 湾 電 力 等 資 源 国 におけるインフラの 未 整 備 (iii) 技 術 者 等 の 人 材 不 足 が 挙 げられる US$/トン 銅 アルミニウム 価 格 推 移 1, 9, 8, 7, 6, 5, アルミニウム (US$/t) 銅 (US$/t) 4, 3, 2, 1, 23 24 25 26 27 28 図 6 銅 及 びアルミニウムの 国 際 価 格 の 推 移 1
US$/トン 鉛 亜 鉛 価 格 の 推 移 5, 4,5 4, 3,5 3, 2,5 鉛 (US$/t) 亜 鉛 (US$/t) 2, 1,5 1, 5 23 24 25 26 27 28 図 7 鉛 及 び 亜 鉛 の 国 際 価 格 の 推 移 US$/オンス 金 白 金 の 価 格 推 移 2, 1,5 1, 金 (US$/ounce) 白 金 (US$/ounce) 5 23 24 25 26 27 28 図 8 金 及 び 白 金 の 国 際 価 格 の 推 移 11
US$/トン ニッケルの 価 格 推 移 6, 5, 4, 3, 2, 1, 23 24 25 26 27 28 図 9 ニッケルの 国 際 価 格 の 推 移 5. 世 界 の 金 属 需 給 における 中 国 等 の 影 響 (1) 中 国 の 金 属 消 費 は 急 増 しており 21~7 年 の 6 年 間 の 年 平 均 伸 び 率 を 見 ると 世 界 全 体 の 伸 び 率 がアルミニウムで 7.8% 銅 鉛 亜 鉛 ニッケルではそれぞれ 3~4%で 推 移 しているのに 対 し 中 国 の 金 属 消 費 伸 び 率 は 銅 で 13% 亜 鉛 で 16% アルミニウム 鉛 ニッケルの 3 鉱 種 については 23~26%という 高 い 率 を 維 持 している (2) 供 給 面 では 中 国 は 世 界 有 数 の 資 源 国 であり 鉱 石 生 産 は 鉛 及 び 亜 鉛 で 世 界 第 1 位 アルミニウムで 第 3 位 銅 で 第 4 位 となっている しかし 自 国 の 旺 盛 な 消 費 を 賄 うことは できず 7 年 の 自 給 率 は 亜 鉛 で 82% 鉛 で 53%となっているが 銅 及 びニッケルについ ては 2% 程 度 まで 落 ち 込 んでいる なお 亜 鉛 については 1 年 までは 輸 出 国 であった (3)7 年 の 人 口 当 たり 金 属 消 費 量 をみると 中 国 はドイツや 韓 国 の 4 分 の 1 程 度 であるが 米 国 の 5% 程 度 までに 達 している インフラ 整 備 や 自 動 車 電 化 製 品 の 普 及 が 中 国 沿 岸 部 か ら 内 陸 部 へと 展 開 していくことも 予 想 され 少 なくとも 今 後 数 年 程 度 は 中 国 の 金 属 消 費 量 は 引 き 続 き 年 1~2%と 大 幅 に 拡 大 するとの 見 方 が 強 い また マンガン ニッケル クロ ム 等 の 鉄 鋼 ( 特 殊 鋼 ) 原 料 銅 などを 中 心 に 非 鉄 金 属 の 需 要 がさらに 拡 大 すると 予 想 される (4)インドは 7 年 の 一 人 当 たりの 金 属 消 費 量 は 未 だ 中 国 の 1 分 の1 程 度 に 留 まってい る 11 億 の 人 口 を 有 するインドは 今 後 経 済 発 展 を 加 速 させ 金 属 需 要 が 急 増 する 可 能 性 を 秘 めている 12
% 35 3 25 2 銅 鉛 15 1 亜 鉛 アルミニウ ム ニッケル 5 21 22 23 24 25 26 27 図 1 中 国 の 世 界 に 占 める 金 属 消 費 シェア % 12 1 8 6 銅 鉛 亜 鉛 ニッケル 4 2 21 22 23 24 25 26 27 図 11 中 国 の 金 属 自 給 率 の 推 移 13
3.5 3. 2.5 2. 1.5 銅 鉛 亜 鉛 アルミニウム ニッケル 1..5. 日 本 中 国 米 国 ドイツ 韓 国 イタリア ロシア インド フランス ブラジル 英 国 メキシコ 図 12 主 要 金 属 消 費 国 の 人 口 当 たり 金 属 消 費 量 (27 年 : 日 本 を 1 とした 場 合 ) (5) 我 が 国 は 希 土 類 金 属 鉄 鋼 原 料 等 中 国 に 大 きく 輸 入 を 依 存 している 金 属 原 料 があ る 中 国 は 希 少 金 属 資 源 保 護 管 理 の 強 化 自 国 産 業 優 先 の 方 針 を 打 ち 出 しており 中 国 国 内 の 需 要 が 急 増 している 中 我 が 国 としても 供 給 先 の 多 様 化 等 の 対 策 を 図 っていく 必 要 があ る 表 7 対 中 依 存 度 の 高 い 主 な 金 属 原 料 (27 年 ) 品 名 中 国 からの 輸 入 総 量 中 国 への 輸 入 輸 入 量 (トン) (トン) 依 存 度 (%) 希 土 類 金 属 9,296 9,32 99.7 バナジウム 酸 化 物 2,52 2,66 94.7 三 酸 化 アンチモン 7,391 7,7 96. タングステン 酸 塩 2,77 2,122 97.9 セリウム 化 合 物 15,954 19,28 83.8 酸 化 イットリウム 1,721 1,85 95.3 酸 化 ランタン 3,11 3,31 94. 希 土 類 化 合 物 (その 他 ) 5,73 6,261 91.1 フェロモリブデン 1,448 3,234 44.8 フェロタングステン 947 947 1. アンチモン( 塊 粉 ) 6,82 7,483 9.9 出 典 : 日 本 貿 易 統 計 14
6. 引 用 文 献 石 油 天 然 ガス 金 属 鉱 物 資 源 機 構 (28) 資 源 メジャーの 動 向 27 石 油 天 然 ガス 金 属 鉱 物 資 源 機 構 (28) 鉱 物 資 源 マテリアル フロー 27 総 合 資 源 エネルギー 調 査 会 鉱 業 分 科 会 レアメタル 対 策 部 会 (27) 今 後 のレアメタルの 安 定 供 給 対 策 について ( 了 ) 15
金 属 の 製 造 工 程 ( 参 考 1) (1)アルミニウム 再 生 工 場 スクラップ ボーキ サイト アルミナ アルミ( 地 金 ) 製 品 素 材 採 掘 したアルミニウムの 原 料 であるボーキサイト を 苛 性 ソーダ(NaOH) 液 で 溶 かして アルミナ 分 (Al 2 O 3 )を 抽 出 アルミナを 電 気 分 解 し アルミ 地 金 を 製 造 地 金 を 原 材 料 として 圧 延 押 出 鍛 造 鋳 造 等 によりいろいろな 形 の 製 品 素 材 に 成 形 (2) 銅 スクラップ 銅 鉱 石 銅 精 鉱 粗 銅 精 製 銅 ( 地 金 ) 製 品 素 材 採 掘 した 銅 鉱 石 ( 銅 銅 精 鉱 を 高 温 溶 粗 銅 を 電 気 分 地 金 を 原 材 料 とし 純 分 1% 程 度 )を 粉 解 し 銅 金 属 ( 粗 解 し 銅 純 度 の て 圧 延 押 出 鍛 砕 した 後 銅 鉱 物 を 銅 : 銅 純 分 99% 程 高 い(99.99%) 造 鋳 造 等 によりい 選 別 ( 選 鉱 )し 銅 精 度 )とする 銅 地 金 を 製 造 ろいろな 形 の 製 品 鉱 とする( 銅 純 分 素 材 に 成 形 3% 程 度 ) 16
( 参 考 2) 金 属 価 格 について 非 鉄 金 属 価 格 は 以 前 は 生 産 者 による 価 格 維 持 政 策 が 採 られ 大 手 生 産 者 が 発 表 する 生 産 者 建 値 (Producers Price)が 取 引 価 格 の 基 準 となっていたが 現 在 主 な 非 鉄 金 属 は 市 況 商 品 化 し LME ( 注 ) (London Metal Exchange:ロンドン 金 属 取 引 所 ) 等 での 市 場 価 格 を 基 準 に 売 買 されるようになった 例 :ニッケルの 場 合 ニッケルの 国 際 価 格 は 197 年 代 まではインコ 社 (カナダ) 等 三 大 生 産 者 が 発 表 す る 生 産 者 価 格 が 基 準 となっていた しかし 石 油 危 機 により 世 界 的 な 経 済 不 況 が 進 展 する 中 共 産 圏 からの 輸 出 攻 勢 発 展 途 上 国 での 新 規 鉱 山 開 発 によって ニッケルは 供 給 過 剰 状 態 となり メジャーによる 価 格 支 配 力 は 急 速 に 衰 えた さらに 1979 年 にLMEにニッケルが 上 場 されたことが きっかけとなり 1981 年 末 には 生 産 者 建 値 制 度 が 崩 壊 するに 至 った 現 在 ニッケルの 現 物 取 引 はLME 価 格 を 基 準 とし 輸 送 費 などを 加 えた 上 各 国 の 需 給 状 況 を 反 映 したプレミアムを 上 乗 せした 価 格 で 行 われている また フェロニッケ ルや 酸 化 ニッケルの 取 引 も ニッケルの 純 分 量 をベースにLME 価 格 を 指 標 として 値 決 めされている ( 注 )LME(London Metal Exchange:ロンドン 金 属 取 引 所 ) 1877 年 設 立 現 在 上 場 されている 金 属 は 銅 錫 鉛 亜 鉛 アルミ ニ ッケル 銅 については 世 界 の 非 鉄 金 属 取 引 所 の 取 引 量 の 約 9% その 他 の 上 場 金 属 ではほぼ 1%を 占 めると 言 われている 金 属 毎 に 午 前 2 回 午 後 2 回 ずつ 合 計 4 回 取 引 が 行 われる( リング 取 引 ) 午 前 2 回 目 の 各 金 属 の 取 引 が 終 了 したところでその 日 の 公 式 買 い 価 格 及 び 売 り 価 格 が 発 表 される 公 式 売 り 価 格 はセトルメント 価 格 と 呼 ばれ 世 界 の 現 物 取 引 で 利 用 されている 非 常 に 重 要 な 指 標 価 格 となっている 午 前 と 午 後 のリング 取 引 終 了 後 全 ての 金 属 の 取 引 を 同 時 に 行 う カーブ 取 引 が 行 われる また LME 取 引 は 基 本 的 に 相 対 取 引 であるため 場 外 取 引 により24 時 間 取 引 が 可 能 である 17