営 ViewPoint 相 談 定 時 株 主 総 会 後 の 事 務 ( 議 事 録 登 記 公 告 ) 宮 澤 正 彦 部 東 京 室 今 回 は 定 時 株 主 総 会 終 了 後 の 事 務 について 議 事 録 の 作 成 登 記 決 算 公 告 につい て 旧 商 法 との 相 違 点 や 留 意 事 項 などを 中 心 に 解 説 します なお ここでは 特 に 断 りのない 限 り 取 締 役 会 設 置 会 社 を 前 提 としています 文 中 で 適 用 条 文 について 触 れている 場 合 は 会 社 法 は 会 会 社 法 施 行 規 則 は 施 行 会 社 計 算 規 則 は 計 算 民 法 は 民 会 社 法 の 施 行 に 伴 う 関 係 法 律 の 整 備 等 に 関 する 法 律 は 整 備 と 略 して 表 示 しています ( 例 ) 会 社 法 施 行 規 則 72 条 2 項 施 行 722 1. 株 主 総 会 の 議 事 録 の 作 成 株 主 総 会 議 事 録 については 旧 商 法 と 大 きく 異 なるところはありません 旧 商 法 で 義 務 付 けら れていた 議 長 および 出 席 取 締 役 の 株 主 総 会 議 事 録 への 署 名 または 記 名 押 印 は 会 社 法 では 義 務 付 けられていません しかし 定 款 で 署 名 または 記 名 押 印 を 義 務 付 けている 場 合 は 当 然 ですが 実 務 的 には 真 実 性 を 担 保 するなどトラブル 回 避 の 観 点 から 従 来 どおり 署 名 または 記 名 押 印 をす ることをお 勧 めします 会 社 法 では 株 主 総 会 を 開 催 したときは その 議 事 について 議 事 録 を 作 成 しなければならないと 定 めています( 会 318) 議 事 録 を 作 成 しなかった 場 合 は 代 表 取 締 役 は100 万 円 以 下 の 過 料 に 処 せ られます( 会 9767) [1] 作 成 方 法 書 面 または 電 磁 的 記 録 により 作 成 します( 施 行 722) [2] 記 載 事 項 記 載 方 法 は 特 に 定 められておらず 箇 条 書 きや 文 章 記 述 方 式 など 各 社 のスタイルで 記 載 しますが 議 事 録 に 記 載 すべき 事 項 は 会 社 法 施 行 規 則 が 以 下 のとおり 定 めています( 施 行 723) 1
なお 通 常 実 務 では これらに 加 え 株 主 総 会 が 適 法 に 成 立 したことを 証 するため 株 主 総 会 の 定 足 数 などを 行 使 することができる 株 主 の 状 況 株 主 数 と 議 決 権 個 数 うち 出 席 株 主 の 状 況 ( 委 任 状 および 議 決 権 行 使 書 提 出 株 主 を 含 む) 株 主 数 と 議 決 権 個 数 などとして 加 えます 1 開 催 日 時 および 場 所 ( 取 締 役 監 査 役 等 または 株 主 が その 場 所 にいないでテレビ 会 議 などで 出 席 した 場 合 は その 出 席 方 法 を 記 載 します) 2 株 主 総 会 の 議 事 の 経 過 の 要 領 およびその 結 果 議 事 の 経 過 の 要 領 としては 次 のような 事 項 について 要 旨 を 記 載 します イ) 報 告 事 項 ロ) 議 案 についての 説 明 の 要 旨 ハ) 質 疑 応 答 についての 重 要 と 思 われる 発 言 の 要 旨 ニ) 株 主 の 発 言 のうち 決 議 に 重 要 な 影 響 を 与 えると 思 われるものの 要 旨 ホ) 議 事 運 営 についての 動 議 や 修 正 動 議 があったときは その 要 旨 議 案 についての 賛 否 の 結 果 記 名 無 記 名 の 投 票 起 立 挙 手 など 決 議 方 法 と 決 議 の 結 果 を 記 載 します 決 議 の 結 果 については 賛 成 した 株 主 の 議 決 権 数 の 記 載 がのぞましいといえますが 過 半 数 の 賛 成 があった 又 は 満 場 一 致 で 可 決 した と 記 載 しても 差 し 支 えありません ただし 定 款 変 更 など 特 別 決 議 を 要 する 場 合 は 3 分 の2( 定 款 でこれを 上 回 る 割 合 を 定 めている 場 合 は その 割 合 ) 以 上 の 多 数 で 可 決 した と 記 載 します 3 株 主 総 会 に 出 席 した 取 締 役 監 査 役 等 または 会 計 監 査 人 の 氏 名 または 名 称 4 議 長 の 氏 名 5 議 事 録 の 作 成 に 係 る 職 務 を 行 った 取 締 役 の 氏 名 6 上 記 のほか 監 査 役 会 計 監 査 人 や 会 計 参 与 の 意 見 陳 述 権 ( 注 1)や 報 告 義 務 に 基 いた 意 見 や 発 言 があるときは その 概 要 を 記 載 します 注 1: 意 見 陳 述 権 には イ) 会 計 参 与 監 査 役 または 会 計 監 査 人 の 選 任 解 任 辞 任 についての 意 見 ロ)これらの 者 が 辞 任 をした 場 合 の 辞 任 の 理 由 ハ) 会 計 参 与 や 監 査 役 の 報 酬 等 についての 意 見 などがあります 注 2: 報 告 義 務 には 監 査 役 の 議 案 書 類 等 に 関 する 法 令 定 款 違 反 に 関 する 調 査 結 果 の 報 告 などがあります 議 事 録 の 作 成 に 係 る 職 務 を 行 った 取 締 役 とは 作 成 した 議 事 録 に 作 成 者 として 最 終 責 任 を 負 う 取 締 役 をいいます この 作 成 者 は 代 表 取 締 役 以 外 の 取 締 役 でもよいとされています( 出 典 : 相 澤 他 論 点 解 説 新 会 社 法 ) ただし 最 高 の 意 思 決 定 機 関 である 株 主 総 会 の 議 事 録 作 成 者 は 会 社 を 代 表 する 者 として 代 表 取 締 役 が 望 まし いと 一 般 的 にはいわれています < 出 席 取 締 役 や 監 査 役 が 署 名 または 記 名 押 印 をする 場 合 の 文 例 > 出 席 取 締 役 議 長 代 表 取 締 役 社 長 ( 議 事 録 作 成 者 ) 印 専 務 取 締 役 印 出 席 監 査 役 印 2
[3] 作 成 期 限 期 限 の 定 めはありませんが 登 記 が 必 要 な 場 合 は2 週 間 以 内 に 議 事 録 を 添 付 して 行 う 必 要 があり ます [4] 備 置 き 作 成 した 議 事 録 は 株 主 総 会 日 から 本 店 では10 年 間 ( 支 店 では 写 しを5 年 間 ) 備 え 置 き 株 主 や 債 権 者 の 閲 覧 に 備 えます 役 員 ( 取 締 役 監 査 役 会 計 参 与 ) 及 び 会 計 監 査 人 の 就 任 承 諾 と 登 記 会 社 と 取 締 役 の 関 係 は 委 任 に 関 する 規 定 に 従 うため( 会 330) 株 主 総 会 における 取 締 役 の 選 任 決 議 のみでは 取 締 役 は 決 定 せず 被 選 任 者 が 就 任 の 意 思 表 示 をして 初 めて 取 締 役 としての 資 格 が 生 じます( 民 643) ただし 会 社 法 では 取 締 役 の 任 期 の 始 期 は 承 諾 の 時 期 に 関 わらず( 就 任 の 時 からではなく) 選 任 の 時 から 起 算 することとされました( 会 3321) 1 役 員 等 が 株 主 総 会 に 出 席 しており その 場 で 就 任 を 承 諾 した 場 合 登 記 申 請 に 際 しては 議 事 録 に 就 任 を 承 諾 した 旨 の 記 載 がある 場 合 別 途 就 任 承 諾 書 の 添 付 は 不 要 です < 議 事 録 の 文 例 > 本 議 案 は 原 案 通 り 可 決 選 任 された 取 締 役 ( 監 査 役 会 計 参 与 )はその 場 で 就 任 を 承 諾 する 旨 を 表 明 したので 上 記 のとおり 確 定 した 2 役 員 等 が 株 主 総 会 には 出 席 せず 事 前 に 承 諾 を 得 ている 場 合 この 場 合 は 事 前 に 承 諾 を 得 ている 旨 を 総 会 議 場 で 報 告 しその 旨 を 議 事 録 に 記 載 しても 登 記 申 請 に 際 しては 別 途 就 任 承 諾 書 の 添 付 が 必 要 です なお 同 様 の 趣 旨 で コラム 株 主 総 会 の 決 議 の 省 略 の 際 の 議 事 録 に 就 任 を 承 諾 した 旨 の 記 載 があっても 株 主 総 会 が 現 実 に 開 催 されていないため 就 任 承 諾 書 として 援 用 できず 登 記 申 請 に 際 しては 別 途 就 任 承 諾 書 が 必 要 です コラム 株 主 総 会 の 決 議 の 省 略 取 締 役 が 株 主 総 会 の 議 案 事 項 について 提 案 をした 場 合 その 提 案 について 書 面 又 は 電 磁 的 記 録 に より 株 主 全 員 が 同 意 の 意 思 表 示 をしたとき その 提 案 を 可 決 する 旨 の 株 主 総 会 の 決 議 があったもの とみなします 株 主 総 会 を 現 実 に 開 催 することなく その 議 案 が 株 主 の 全 員 一 致 により 可 決 された ものとする 制 度 です この 決 議 の 省 略 は 取 締 役 会 決 議 の 省 略 と 異 なり 事 前 に 定 款 で 定 めておく 必 要 はありません この 場 合 も 必 ず 議 事 録 を 作 成 する 必 要 がありますが その 場 合 の 議 事 録 の 記 載 事 項 は 次 のとお りです < 記 載 事 項 > 提 案 議 案 の 内 容 提 案 をした 者 の 氏 名 または 名 称 株 主 総 会 の 決 議 があったものとみなされた 日 議 事 録 の 作 成 に 係 る 職 務 を 行 った 取 締 役 の 氏 名 3
書 面 決 議 による 株 主 総 会 議 事 録 ( 例 ) 1. 提 案 者 株 式 会 社 代 表 取 締 役 社 長 2. 株 主 総 会 の 決 議 があったものとみなされた 事 項 の 内 容 1) 取 締 役 氏 の 死 去 に 伴 う 取 締 役 選 任 の 件 氏 を 取 締 役 に 選 任 した 2) 取 締 役 故 氏 への 退 職 慰 労 金 および 弔 慰 金 支 給 の 件 当 社 の 取 締 役 会 規 程 に 基 き 支 給 することを 決 議 した 3. 株 主 総 会 の 決 議 があったものとみなされた 日 ( 注 1) 平 成 年 月 日 以 上 株 主 総 会 の 決 議 があったものとみなされた 事 項 について 株 主 全 員 の 同 意 があったため 会 社 法 第 319 条 1 項 の 規 定 により 株 主 総 会 の 決 議 があ ったものとみなされたので この 議 事 録 を 作 成 し 議 事 録 作 成 者 代 表 取 締 役 社 長 次 に 記 名 押 印 する 平 成 年 月 日 株 式 会 社 代 表 取 締 役 社 長 ( 印 )( 注 2) 注 1: 全 株 主 からの 同 意 を 得 た 日 を 記 載 します 注 2: 法 令 上 は 株 主 総 会 の 議 事 録 には 署 名 または 記 名 押 印 は 求 められていませんが 原 本 であるこ とを 証 明 するためなど 実 務 上 のトラブル 回 避 のため 作 成 者 の 署 名 または 記 名 押 印 をしておくことが 望 ましいといえます 2. 取 締 役 会 の 開 催 定 時 株 主 総 会 終 了 後 の 取 締 役 会 の 開 催 についても 旧 商 法 と 異 なるところはありません 定 時 株 主 総 会 終 了 直 後 の 取 締 役 会 では 一 般 的 に 1 代 表 取 締 役 の 選 定 2 役 付 取 締 役 の 選 定 3 使 用 人 職 務 の 委 嘱 4 報 酬 等 ( 賞 与 退 職 慰 労 金 を 含 む)の 配 分 の 決 定 などの 議 案 が 審 議 さ れます 4
3. 取 締 役 会 議 事 録 取 締 役 会 議 事 録 についても 旧 商 法 と 異 なるところはありません 株 主 総 会 議 事 録 では 任 意 規 定 となった 出 席 取 締 役 と 監 査 役 の 取 締 役 会 議 事 録 への 署 名 または 記 名 押 印 は 旧 商 法 同 様 会 社 法 でも 義 務 付 けられています [1] 作 成 方 法 書 面 または 電 磁 的 記 録 により 作 成 します なお 議 事 録 が 書 面 で 作 成 されているときは 出 席 し た 取 締 役 と 監 査 役 はこれに 署 名 又 は 記 名 押 印 しなければなりません( 会 3693) [2] 記 載 事 項 記 載 方 法 は 特 に 定 められておらず 箇 条 書 きや 文 章 記 述 方 式 など 各 社 のスタイルで 記 載 しますが 議 事 録 に 記 載 すべき 事 項 は 会 社 法 および 施 行 規 則 が 以 下 のとおり 定 めています( 会 3693 会 社 規 1013) 1 開 催 日 時 および 場 所 ( 取 締 役 監 査 役 または 株 主 等 が その 場 所 にいないでテレビ 会 議 などで 出 席 した 場 合 は その 出 席 方 法 を 記 載 します) 2 特 別 取 締 役 ( 注 )による 取 締 役 会 であるときは その 旨 3 招 集 権 者 以 外 の 取 締 役 や 監 査 役 あるいは 株 主 の 請 求 により 招 集 された 場 合 は その 旨 4 招 集 請 求 をした 取 締 役 や 監 査 役 あるいは 株 主 が 招 集 した 場 合 は その 旨 5 議 事 の 経 過 の 要 領 およびその 結 果 取 締 役 会 の 決 議 に 参 加 した 取 締 役 で 議 事 録 に 異 議 をとどめないものは 決 議 に 賛 成 した ものと 推 定 されます( 会 3695) 6 決 議 事 項 について 特 別 の 利 害 関 係 を 有 する 取 締 役 があるときは 当 該 取 締 役 の 氏 名 7 取 締 役 会 に 出 席 した 執 行 役 会 計 参 与 会 計 監 査 人 または 株 主 の 氏 名 または 名 称 8 取 締 役 会 の 議 長 の 氏 名 9 監 査 役 の 意 見 や 報 告 など 一 定 の 意 見 や 発 言 については その 意 見 または 発 言 の 内 容 の 概 要 < 議 事 録 への 記 載 が 必 要 な 主 な 意 見 や 発 言 > イ. 競 業 取 引 を 行 った 取 締 役 による その 取 引 の 重 要 事 実 についての 報 告 ( 会 3652 4192) ロ. 利 益 相 反 取 引 を 行 った 取 締 役 による その 取 引 の 重 要 事 実 についての 報 告 ( 会 3652 4192) ハ. 計 算 書 類 承 認 の 取 締 役 会 における 会 計 参 与 の 意 見 ( 会 3761) 二. 取 締 役 の 不 正 行 為 や 法 令 違 反 があると 認 めたときの 監 査 役 の 報 告 ( 会 382) ホ. 監 査 役 の 意 見 ( 会 3831) 注 : 取 締 役 の 数 が6 人 以 上 かつ 取 締 役 の1 人 以 上 が 社 外 取 締 役 である 株 式 会 社 では 定 款 に 定 めることにより 重 要 な 財 産 の 処 分 または 譲 受 け と 多 額 の 借 財 についての 取 締 役 会 決 議 を 取 締 役 会 があらかじめ 選 定 した3 人 以 上 の 取 締 役 ( 特 別 取 締 役 )により 行 うことができます( 会 373) この 場 合 は 特 別 取 締 役 による 議 決 の 定 めが ある 旨 特 別 取 締 役 の 氏 名 社 外 取 締 役 の 氏 名 を 登 記 しなければなりません( 会 9113 二 一 ) 5
[3] 作 成 期 限 期 限 の 定 めはありませんが 登 記 が 必 要 な 場 合 は2 週 間 以 内 に 議 事 録 を 添 付 して 行 う 必 要 があります [4] 作 成 方 法 作 成 した 議 事 録 は 取 締 役 会 開 催 日 から10 年 間 本 店 に 備 え 置 かねばなりません < 取 締 役 会 議 事 録 を 閲 覧 できる 場 合 > イ. 監 査 役 を 置 いていない 会 社 および 監 査 役 の 監 査 権 限 を 会 計 監 査 に 限 定 している 会 社 の 株 主 は 営 業 時 間 内 であれば いつでも 取 締 役 会 議 事 録 の 閲 覧 と 謄 写 を 請 求 できます ロ. 監 査 権 限 を 限 定 していない 監 査 役 が 置 かれている 会 社 の 株 主 は 裁 判 所 の 許 可 を 得 た 場 合 に 限 り 取 締 役 会 議 事 録 の 閲 覧 と 謄 写 を 請 求 できます ハ. 取 締 役 会 設 置 会 社 の 債 権 者 が 取 締 役 監 査 役 会 計 参 与 の 責 任 追 及 のため 必 要 がある とき および 親 会 社 の 株 主 がその 権 利 行 使 のため 必 要 があるときは 裁 判 所 の 許 可 を 得 た 場 合 に 限 り 取 締 役 会 議 事 録 の 閲 覧 と 謄 写 を 請 求 できます 代 表 取 締 役 など 被 選 定 予 定 取 締 役 の 選 定 決 議 への 参 加 の 可 否 ( 特 別 利 害 関 係 人 か 否 か)について 代 表 取 締 役 や 役 付 取 締 役 の 選 定 をする 場 合 の 選 定 候 補 者 は 特 別 利 害 関 係 人 にあたらないとさ れており 議 決 に 参 加 することができます なお 任 期 途 中 において 代 表 取 締 役 や 役 付 取 締 役 を 取 締 役 会 で 解 職 する 場 合 解 職 決 議 の 対 象 となっている 代 表 取 締 役 や 役 付 取 締 役 は 特 別 利 害 関 係 人 として 決 議 の 公 正 を 期 するため その 議 決 に 加 わることができないとされています( 会 369 2) 監 査 範 囲 が 会 計 監 査 に 限 定 された 監 査 役 の 取 締 役 会 への 出 席 の 要 否 と 出 席 時 の 署 名 または 記 名 押 印 について 監 査 役 は 原 則 として 取 締 役 会 に 出 席 する 義 務 があり この 場 合 に 必 要 があれば 意 見 を 述 べな ければなりません( 会 3831) ただし この 義 務 は 業 務 監 査 を 行 う 監 査 役 に 限 られており 監 査 役 の 監 査 の 範 囲 を 会 計 監 査 に 限 定 した 会 社 の 監 査 役 は 取 締 役 会 への 出 席 義 務 を 負 いません( 会 3897) ただし 監 査 範 囲 を 限 定 した 監 査 役 であっても 報 告 徴 収 権 や 子 会 社 調 査 権 などを 有 し ており( 会 389) その 権 限 行 使 のために 取 締 役 会 への 出 席 が 必 要 となる 場 合 もあります 出 席 取 締 役 監 査 役 の 署 名 または 記 名 押 印 義 務 の 規 定 について 会 計 監 査 に 限 定 した 監 査 役 は 除 外 されて いないため 任 意 で 取 締 役 会 に 出 席 した 場 合 は その 監 査 役 は 議 事 録 に 署 名 または 記 名 押 印 を 行 う 義 務 を 負 います( 出 典 : 相 澤 他 論 点 解 説 新 会 社 法 ) 代 表 取 締 役 の 就 任 登 記 と 取 締 役 会 議 事 録 への 出 席 取 締 役 の 押 印 する 印 鑑 について 個 人 の 実 印 と 認 印 の 使 い 分 けは 8 ページ 代 表 取 締 役 の 変 更 登 記 の< 注 1>を 参 照 6
コラム 取 締 役 会 の 決 議 の 省 略 株 主 総 会 の 書 面 決 議 ( 決 議 の 省 略 )と 異 なり 取 締 役 会 の 決 議 の 省 略 は 決 議 を 省 略 できる 旨 の 定 款 の 定 めがある 場 合 に 限 り 行 うことができます( 会 370) 取 締 役 会 の 決 議 事 項 について 議 決 に 加 わることができる 全 ての 取 締 役 が 書 面 または 電 磁 的 記 録 により 同 意 の 意 思 表 示 をしたとき( 業 務 監 査 権 限 を 有 する 監 査 役 がその 提 案 について 異 議 を 述 べた 場 合 を 除 く)は その 決 議 事 項 が 可 決 されたものとみなします( 会 370) 取 締 役 会 を 現 実 に 開 催 することなく その 議 案 が 取 締 役 の 全 員 一 致 により 可 決 されたものとする 制 度 です なお 監 査 権 限 を 会 計 監 査 に 限 定 した 監 査 役 は 異 議 を 述 べることはできません この 場 合 も 議 事 録 を 作 成 する 必 要 がありますが 記 載 事 項 については 次 のとおりに 定 められてい ます( 施 行 1014) < 記 載 事 項 > 提 案 議 案 の 内 容 提 案 をした 取 締 役 の 氏 名 取 締 役 会 の 決 議 があったものとみなされた 日 議 事 録 の 作 成 に 係 る 職 務 を 行 った 取 締 役 の 氏 名 注 : 取 締 役 会 の 決 議 の 省 略 時 の 署 名 又 は 記 名 押 印 の 扱 い この 場 合 は 出 席 取 締 役 等 がいないため 取 締 役 会 議 事 録 への 取 締 役 等 の 記 名 押 印 義 務 は 課 せられていません ただ し 代 表 取 締 役 の 選 定 について 取 締 役 会 決 議 が 省 略 された 場 合 は 登 記 申 請 のため 原 則 として 決 議 に 同 意 の 意 思 表 示 をした 取 締 役 全 員 が 個 人 の 実 印 を 押 印 し 印 鑑 証 明 書 を 添 付 する 必 要 があります 個 人 の 実 印 と 認 印 の 使 い 分 け は 8 ページ 代 表 取 締 役 の 変 更 登 記 の< 注 1>を 参 照 して 下 さい 4. 登 記 会 社 法 では 機 関 設 計 の 多 様 化 や 多 様 な 種 類 株 式 の 発 行 など 経 営 の 裁 量 が 大 幅 に 自 由 化 さ れました このことを 公 示 するため 登 記 事 項 が 大 幅 に 増 えています 経 営 に 関 する 諸 施 策 を 実 施 する 際 は それが 定 款 変 更 および 登 記 を 伴 うものであるか 否 かを 確 かめることも 大 切 です 今 回 の 株 主 総 会 で 定 款 変 更 を 議 決 した 会 社 は その 変 更 が 整 備 法 で 定 款 に 記 載 されている とみなされている 項 目 の 明 文 化 だけであるのか それ 以 外 の 変 更 をしているのかを 確 認 して ください 前 者 の 場 合 は その 変 更 が 登 記 事 項 であっても 既 に 職 権 で 登 記 がされていますが 後 者 の 場 合 は その 変 更 が 登 記 を 必 要 とするものであるか 否 かを 確 認 する 必 要 があります 定 時 総 会 の 典 型 的 な 事 後 処 理 として 役 員 ( 取 締 役 監 査 役 会 計 参 与 )および 会 計 監 査 人 に 関 する 登 記 について 解 説 します 1 取 締 役 監 査 役 の 変 更 登 記 会 計 監 査 人 の 再 任 登 記 2 会 計 参 与 会 計 監 査 人 の 新 規 登 記 3 代 表 取 締 役 の 変 更 登 記 について 解 説 します なお 会 社 法 では 会 社 法 や 定 款 で 定 めた 員 数 を 欠 くときなどに 備 えて 補 欠 の 取 締 役 や 監 査 役 を 定 款 の 定 めがなくても 予 め 選 任 することができるようになりましたが この 補 欠 取 締 役 や 監 査 役 は 登 記 事 項 ではないため 具 体 的 に 就 任 するまでは 登 記 はしません 7
[1] 取 締 役 監 査 役 の 変 更 会 計 監 査 人 の 再 任 登 記 取 締 役 監 査 役 の 就 任 ( 退 任 ) 再 任 登 記 事 項 1 取 締 役 の 氏 名 2 就 任 ( 退 任 )し た 旨 3 就 任 ( 退 任 ) 年 月 日 添 付 書 類 その 他 1 株 主 総 会 議 事 録 又 は 決 議 があったこととみなす 書 面 その 取 締 役 監 査 役 が 選 任 ( 退 任 )されたことが 記 載 されて いるもの 2 就 任 を 承 諾 したことを 証 する 書 面 就 任 承 諾 書 又 は 株 主 総 会 議 事 録 による 援 用 ( 注 ) 注 : 議 事 録 による 援 用 については 2 ページ 参 照 会 計 監 査 人 の 再 任 1 会 計 監 査 人 の 氏 名 名 称 2 再 任 年 月 日 株 主 総 会 議 事 録 又 は 決 議 があったこととみなす 書 面 会 計 監 査 人 の 任 期 は 他 に 改 選 される 等 の 場 合 を 除 き 1 年 の 自 動 更 新 が 前 提 のため 改 選 議 案 等 が 記 載 されていないこと により 再 任 を 確 認 します( 就 任 承 諾 書 の 添 付 は 不 要 ) [2] 会 計 参 与 会 計 監 査 人 の 新 規 登 記 機 関 の 新 設 / 就 任 登 記 事 項 1 会 計 参 与 会 計 監 査 人 設 置 会 社 の 定 めを 設 定 した 旨 2 会 計 参 与 会 計 監 査 人 の 氏 名 ( 名 称 ) 3( 会 計 参 与 の 場 合 ) 計 算 書 類 等 の 備 置 き 場 所 4 就 任 年 月 日 添 付 書 類 その 他 1 株 主 総 会 議 事 録 又 は 決 議 があったこととみなす 書 面 会 計 参 与 会 計 監 査 人 設 置 会 社 の 定 めの 設 定 をした 定 款 変 更 決 議 および 会 計 参 与 会 計 監 査 人 を 選 任 したことが 記 載 され ているもの 2 就 任 を 承 諾 したことを 証 する 書 面 就 任 承 諾 書 又 は 株 主 総 会 議 事 録 による 援 用 ( 注 ) 3 会 計 参 与 会 計 監 査 人 が 法 人 であるときは 法 人 の 登 記 事 項 証 明 書 ( 法 人 でない 場 合 は 税 理 士 又 は 公 認 会 計 士 の 資 格 証 明 書 ) 注 : 議 事 録 による 援 用 については 2 ページ 参 照 [3] 代 表 取 締 役 の 変 更 登 記 就 任 登 記 事 項 代 表 取 締 役 の 氏 名 と 住 所 就 任 年 月 日 添 付 書 類 取 締 役 を 選 任 した 株 主 総 会 又 は 種 類 株 主 総 会 の 議 事 録 代 表 取 締 役 を 選 定 した 取 締 役 会 の 議 事 録 ( 注 1) 就 任 を 承 諾 したことを 証 する 書 類 ( 注 2) 注 1: 取 締 役 会 議 事 録 には 原 則 として 出 席 した 取 締 役 および 監 査 役 の 全 員 が 個 人 の 実 印 を 押 印 し 市 区 町 村 長 が 発 行 した 印 鑑 証 明 書 を 添 付 して 代 表 取 締 役 の 就 任 登 記 申 請 を 行 います( 商 業 登 記 規 則 614 三 ) ただし 代 表 取 締 役 が 再 任 される 場 合 や 前 任 の 代 表 取 締 役 が 平 取 締 役 として 出 席 する 場 合 で その 者 が 登 記 所 に 提 出 している 届 出 印 を 押 印 する 場 合 に は 他 の 出 席 取 締 役 および 監 査 役 は 認 印 でよく 実 印 押 印 および 印 鑑 証 明 書 の 添 付 は 不 要 です( 商 業 登 記 規 則 614 三 ただし 書 き) 注 2 代 表 取 締 役 への 就 任 を 承 諾 する 旨 の 就 任 承 諾 書 には 原 則 として 個 人 の 実 印 を 押 印 し 市 区 町 村 長 が 発 行 した 印 鑑 証 明 書 の 添 付 が 必 要 です ( 商 業 登 記 規 則 612 3) ただし 同 じ 人 を 再 度 代 表 取 締 役 として 選 定 した 場 合 は 実 印 の 押 印 と 印 鑑 証 明 書 の 添 付 は 不 要 です 8
監 査 役 設 置 会 社 とは 会 社 法 では 業 務 監 査 権 限 を 有 する 監 査 役 のいる 会 社 をいい 監 査 役 のいる 場 合 でも 監 査 権 限 が 会 計 に 限 定 されている 会 社 は 監 査 役 設 置 会 社 といいません 一 方 登 記 事 項 証 明 書 ( 登 記 簿 の 謄 本 または 抄 本 )に 記 載 されている 監 査 役 設 置 会 社 とは 監 査 役 がいる 会 社 のことであり この 場 合 は 監 査 権 限 が 会 計 に 限 定 されている 監 査 役 がいる 会 社 も 含 まれます したがって 登 記 事 項 証 明 書 を 見 ただけでは 監 査 役 の 監 査 権 限 がいずれであるのか 不 明 であり 定 款 を 見 ない 限 り 監 査 権 限 の 範 囲 は 確 認 できません 5. 決 算 広 告 定 時 株 主 総 会 後 の 公 告 としては 決 算 公 告 があります 旧 商 法 においては 全 ての 株 式 会 社 に 決 算 公 告 が 義 務 付 けられていた 一 方 有 限 会 社 では 義 務 付 けられていませんでした 会 社 法 では 最 低 資 本 金 制 度 が 撤 廃 され1 円 からの 起 業 や1 円 までの 減 資 が 可 能 となったこともあり 債 権 者 保 護 の 観 点 からは 貸 借 対 照 表 ( 大 会 社 は 損 益 計 算 書 も 含 みます)の 開 示 へのニーズが 高 まっ ています コスト 面 から 開 示 を 促 進 するため 官 報 や 日 刊 紙 などの 公 告 に 代 えて 定 時 総 会 終 結 日 から5 年 間 自 社 のウェブ 上 で 貸 借 対 照 表 を 開 示 すればよい 制 度 が 設 けられています さらに 有 価 証 券 報 告 書 提 出 会 社 は 決 算 公 告 よりもより 詳 細 な 情 報 が 開 示 されているため 公 告 は 不 要 とされました(これらの 情 報 は EDINET などで 閲 覧 できます) [1] 開 示 が 必 要 な 会 社 全 ての 株 式 会 社 が 対 象 です( 会 4401) ただし 有 価 証 券 報 告 書 提 出 会 社 は 不 要 です( 会 4404) なお 特 例 有 限 会 社 ( 整 備 法 28)お よび 持 分 会 社 は 開 示 が 義 務 付 けられていません 過 料 規 定 会 社 法 の 規 定 による 公 告 もしくは 通 知 をすることを 怠 ったとき 又 は 不 正 の 公 告 もしくは 通 知 をした 場 合 は 100 万 円 以 下 の 過 料 に 処 すると 規 定 されています( 会 9762) [2] インターネットのウェブ 上 で 開 示 する 場 合 定 時 総 会 の 終 結 後 遅 滞 なく 次 の 要 領 で 掲 載 する 場 合 は 公 告 は 省 略 できます( 会 44013 計 算 175) 貸 借 対 照 表 ( 大 会 社 は 損 益 計 算 書 も 含 みます)を 掲 載 します なお この 場 合 は 下 記 3. と 異 なり 要 旨 だけの 掲 載 はできません 定 時 株 主 総 会 の 終 結 日 から5 年 間 ウェブ 上 で 掲 載 し 続 ける 必 要 があります この 場 合 ウェ ブのアドレスは 登 記 しなければなりません( 会 9113 二 十 七 ) 9
[3] 公 告 する 場 合 官 報 ( 注 1) 日 刊 新 聞 紙 ( 注 1)または 電 子 公 告 ( 注 2)のうち 定 款 で 規 定 した 方 法 によります 定 款 で 定 めていない 場 合 は 官 報 とされます( 会 4401 939) 注 1: 官 報 および 日 刊 新 聞 紙 への 公 告 の 場 合 は 要 旨 でよいとされています なお 要 旨 の 記 載 事 項 は 法 定 されていま す( 会 4402 計 算 164~171) 注 2: 上 記 のウェブ 掲 載 との 整 合 性 から 掲 載 期 間 は 定 時 総 会 終 結 日 から5 年 間 です( 会 94012) さらに この 公 告 については ウェブ 掲 載 を 証 明 する 調 査 機 関 による 調 査 は 不 要 です( 会 941 括 弧 書 ) この 場 合 も 定 時 総 会 の 終 結 後 遅 滞 なく 掲 載 する 必 要 があります( 会 4401) 掲 載 項 目 は 貸 借 対 照 表 を 開 示 します なお 大 会 社 は 損 益 計 算 書 も 開 示 する 必 要 があります( 会 4401) 内 容 は2007 年 5 月 29 日 時 点 の 情 報 に 基 づいて 作 成 されたものです 本 情 報 は 法 律 会 計 税 務 等 の 一 般 的 なご 説 明 をしたものです 個 別 具 体 的 な 法 律 上 会 計 上 税 務 上 等 の 判 断 や 対 策 などについては 専 門 家 ( 弁 護 士 公 認 会 計 士 税 理 士 等 )にご ください また 本 情 報 の 全 部 または 一 部 を 無 断 で 複 写 (コピー)することは 著 作 権 法 上 での 例 外 を 除 き 禁 じられています みずほ 総 合 研 究 所 部 東 京 室 03-3591-7077 / 大 阪 室 06-6226-1701 http://www.mizuho-ri.co.jp/ 10