会 員 だより ( 今 回 は 仙 台 市 神 戸 市 から 寄 稿 していただきました この 会 員 だよりは 協 会 のホー ムページにも 掲 載 しておりま) 仙 台 市 交 通 局 地 下 鉄 東 西 線 の 建 設 工 事 す 仙 台 市 では これまで 人 口 の 増 加 とともに 市 街 地 の 外 延 化 が 進 み これに 応 じた 基 盤 整 備 を 進 めてきましたが 今 後 人 口 減 少 少 子 高 齢 化 社 会 を 迎 える 中 地 球 環 境 にも 配 慮 し 自 動 車 交 通 に 過 度 に 依 存 しない 鉄 道 交 通 を 基 軸 とした 集 約 型 の 市 街 地 形 成 を 目 指 しておりま 東 西 線 の 建 設 は こうした 新 たな 仙 台 の 創 造 に 向 けて 東 西 方 向 の 高 次 な 都 市 機 能 を 連 携 させ 南 北 線 と 一 体 となって 本 市 の 骨 格 となる 都 市 軸 を 形 成 するための 重 要 なプロジェクトであり 平 成 27 年 度 の 開 業 を 目 標 に 事 業 を 推 進 していま 路 線 は 市 南 西 部 の 八 木 山 動 物 公 園 付 近 から 東 北 大 学 のある 青 葉 山 を 経 由 し 都 心 部 を 経 て 流 通 業 務 が 集 積 する 東 部 地 区 に 至 る 約 14kmで 導 入 するリニアモーター 式 地 下 鉄 は トンネ ル 断 面 積 が 南 北 線 の2/3 程 度 と 小 さく 建 設 費 の 低 減 が 可 能 であることに 加 え 曲 線 半 径 を 小 さ くでき 登 坂 能 力 にも 優 れていることから 東 西 線 の 路 線 特 性 に 適 合 した 運 行 システムで 東 西 線 の 建 設 事 業 は まず 平 成 15 年 6 月 に 国 土 交 通 大 臣 に 対 して 鉄 道 事 業 法 に 基 づく 事 業 許 可 申 請 ( 同 年 8 月 に 追 加 申 請 )を 行 い 同 年 9 月 に 許 可 を 取 得 しました 平 成 17 年 8 月 には 工 事 施 行 認 可 を 受 け 同 月 都 市 計 画 決 定 の 告 示 環 境 影 響 評 価 書 の 公 告 縦 覧 を 行 うとともに 同 年 11 月 には 鉄 道 線 路 の 道 路 への 敷 設 許 可 を 取 得 するなど 主 な 法 的 手 続 きを 完 了 しました 平 成 18 年 度 以 降 駅 やトンネル 等 地 下 鉄 本 体 の 土 木 工 事 に 順 次 着 手 し 平 成 21 年 度 までに 全 ての 区 間 で 工 事 平 成 22 年 度 は 駅 部 の 掘 削 構 築 をさらに 進 めるとともに 新 たにシールドマシンによるトン ネル 掘 削 を 開 始 するほか 出 入 口 工 事 に 着 手 しま 建 築 設 備 関 係 については 可 動 式 ホーム 柵 による 安 全 性 の 確 保 エレベーターや 下 りを 含 むエスカレーター 等 によるバリアフリー 化 はも とより 各 駅 のデザインに 地 域 の 方 々 等 の 意 向 を 反 映 させるよう 引 き 続 き 設 計 を 行 っていきま さらに 運 転 業 務 や 駅 務 業 務 等 の 運 営 体 制 についても 検 討 を 進 め 開 業 に 向 けた 取 組 みを 一 層 本 格 化 させていきままた 事 業 の 推 進 にあたっては 市 政 だよりやパンフレット マスメ ディア 等 による 情 報 提 供 駅 付 近 へのPR 看 板 の 設 置 と 併 せ 沿 線 での 説 明 会 や 現 場 見 学 会 を 開 催 するなど さまざまな 機 会 を 通 じて 市 民 への 広 報 を 行 いながら 理 解 と 協 力 が 得 られるよう 努 め ているところで その 建 設 計 画 の 概 要 及 び 工 事 の 進 捗 状 況 等 についてご 紹 介 いたしま 1. 建 設 計 画 の 概 要 ( 事 業 許 可 申 請 時 ) 1 建 設 区 間 動 物 公 園 駅 ~ 荒 井 駅 2 建 設 キロ 14.44km( 地 上 部 0.58km 地 下 部 13.86km)
3 営 業 キロ 13.93km 4 駅 数 13( 地 下 駅 ) 5 駅 間 距 離 最 長 2.07km( 動 物 公 園 ~ 青 葉 山 ) 最 短 0.64km( 川 内 ~ 国 際 センター) 平 均 1.16km 6 建 設 期 間 平 成 15 年 度 ~ 平 成 26 年 度 7 開 業 予 定 平 成 27 年 度 8 建 設 費 2,735 億 円 (190 億 円 /km) 9 工 法 開 削 シールド NATM 橋 梁 高 架 橋 10 軌 間 1,435mm 11 集 電 方 式 直 流 1,500V 架 空 線 方 式 12 車 両 基 地 62,100m2 13 変 電 所 3か 所 ( 青 葉 山 新 寺 卸 町 ) 14 車 両 リニアモーター 駆 動 車 両 15 保 安 設 備 ATC( 自 動 列 車 制 御 装 置 ) ATO( 自 動 列 車 運 転 装 置 ) 列 車 無 線 運 行 管 理 システム 可 動 式 ホーム 柵 16 駅 舎 エスカレーター( 全 駅 ) エレベーター( 全 駅 ) 駅 冷 房 2 駅 ( 一 番 町 仙 台 ) 17 駅 務 機 器 自 動 券 売 機 自 動 精 算 機 自 動 改 集 札 機 ( 全 駅 ) 18 予 測 利 用 者 数 11 万 9 千 人 / 日 ( 開 業 時 ) 19 資 金 計 画 出 資 金 市 負 担 額 :547 億 円 補 助 金 市 負 担 額 :670 億 円 国 負 担 額 :603 億 円 借 入 金 915 億 円 20 収 支 計 画 損 益 収 支 単 年 度 黒 字 化 年 度 : 開 業 9 年 目 累 計 黒 字 化 年 度 : 開 業 20 年 目 資 金 収 支 単 年 度 黒 字 化 年 度 : 開 業 10 年 目 累 計 黒 字 化 年 度 : 開 業 19 年 目
2. 整 備 の 必 要 性 仙 台 市 では 一 定 のまとまりを 持 った 集 約 的 な 都 市 の 形 成 を 誘 導 し 省 資 源 省 エネルギー で 環 境 負 荷 が 少 なく 市 民 相 互 の 交 流 が 高 まる 生 活 しやすいコンパクトな 都 市 の 形 成 を 目 指 し ていま そのためにはこれまでの 外 延 的 な 市 街 化 の 拡 大 を 防 止 し 地 下 鉄 やJR 線 などの 軌 道 系 交 通 機 関 を 都 市 交 通 の 主 役 に 据 え 市 街 地 をその 沿 線 に 誘 導 して できるだけ 自 動 車 に 頼 らずに 軌 道 系 交 通 機 関 を 中 心 としたまとまりあるまち を 目 指 す 必 要 がありま 環 境 負 荷 の 少 ない 公 共 交 通 機 関 の 利 用 を 中 心 とした 暮 らしやすく 動 きやすいまちづくりを 先 導 する 上 で 地 下 鉄 南 北 線 と 一 体 となって 骨 格 交 通 軸 を 形 成 する 東 西 線 の 整 備 が 必 要 不 可 欠 で 東 西 線 の 整 備 により 現 在 1 日 約 15 万 人 の 市 民 に 利 用 されている 南 北 線 やJR 線 とともに 安 全 性 と 定 時 性 に 優 れた 環 境 にやさしい 交 通 ネットワークができま 3. 整 備 効 果 1) 交 通 利 用 者 への 効 果 (1) 移 動 時 間 の 短 縮 効 果 は 年 間 約 220 億 円 東 西 線 ができると 南 北 線 や JR 線 と 一 体 となって 便 利 な 鉄 道 網 が 形 成 され 短 時 間 かつ 定 時 に 目 的 地 に 到 達 することが 可 能 となりままた 道 路 混 雑 が 緩 和 され 自 動 車 による 移 動 時 間 も 短 縮 されることになりまこれらの 時 間 短 縮 は 年 間 約 616 万 時 間 (1 日 当 たり 約 1 万 7 千 時 間 )と 見 込 まれ 鉄 道 利 用 により 短 縮 された 時 間 を 金 額 に 換 算 すると 年 間 約 220 億 円 の 効 果 となりま (2) 経 費 節 減 効 果 は 年 間 約 15 億 円 東 西 線 を 利 用 できる 地 域 では 交 通 手 段 を 東 西 線 に 転 換 する 人 が 多 くなりまこれによ る 移 動 経 費 ( 運 賃 や 自 動 車 燃 料 費 )の 節 約 額 は 年 間 約 15 億 円 (1 日 当 たり 約 397 万 円 )と 見 込 まれま 2) 環 境 への 効 果 (1) 道 路 交 通 の 混 雑 緩 和 効 果 東 西 線 整 備 により 市 民 の 移 動 手 段 が 自 動 車 から 鉄 道 に 転 換 し 自 動 車 交 通 が 減 少 しま 自 動 車 の 総 走 行 キロは1 日 あたり 延 べ 19 万 8 千 kmの 減 少 が 見 込 まれまこのため 交 通 事 故 の 減 少 や 大 気 汚 染 地 球 温 暖 化 等 環 境 負 荷 への 改 善 効 果 が 期 待 できま (2) 交 通 事 故 被 害 の 軽 減 額 は 年 間 約 1 億 8 千 万 円 東 西 線 整 備 によって 自 動 車 交 通 量 が 減 少 することにより 自 動 車 事 故 の 発 生 件 数 は 年 間 約 87 件 減 少 することが 見 込 まれまこれを 金 額 換 算 すると 交 通 事 故 被 害 の 軽 減 額 は 年 間 約 1 億 8 千 万 円 となりま (3) 大 気 汚 染 の 改 善 効 果 は 年 間 約 1 億 3 千 万 円 東 西 線 整 備 によって 自 動 車 交 通 量 が 減 少 し 自 動 車 が 排 出 する 窒 素 酸 化 物 (N0x)が 約 65 トン/ 年 減 少 しまこの NOx の 削 減 量 を 金 額 換 算 するとその 効 果 は 年 間 約 1 億 3 千 万 円 と 見 込 まれま
(4) 地 球 温 暖 化 への 改 善 額 は 年 間 約 4 千 万 円 東 西 線 整 備 によって 自 動 車 交 通 量 が 減 少 し 自 動 車 が 排 出 する 二 酸 化 炭 素 (CO2)が 約 6 万 トン/ 年 減 少 しまこの CO2 の 削 減 量 を 金 額 換 算 するとその 効 果 は 年 間 約 4 千 万 円 と 見 込 まれま (5) 自 動 車 騒 音 の 改 善 額 は 年 間 約 6 億 4 千 万 円 東 西 線 整 備 によって 自 動 車 交 通 量 が 減 少 し 騒 音 は 約 430db(A) 減 少 しま 道 路 沿 線 の 騒 音 低 減 効 果 を 金 額 換 算 すると 年 間 約 6 億 4 千 万 円 と 見 込 まれま 3) その 他 の 効 果 地 域 企 業 市 民 への 効 果 として 次 のような 効 果 も 期 待 されま (1) 土 地 利 用 への 効 果 荒 井 地 区 の 大 規 模 な 住 宅 開 発 や 既 存 市 街 地 内 での 鉄 道 沿 線 での 住 居 系 開 発 が 見 込 まれ 適 正 な 土 地 利 用 が 図 られ 都 市 構 造 の 再 編 に 寄 与 しま (2) 地 域 経 済 への 効 果 都 心 地 域 と 東 部 流 通 工 業 地 区 の2 大 業 務 集 積 地 を 結 ぶだけでなく 東 北 大 学 や 国 際 センタ ーなどが 立 地 する 青 葉 山 地 区 も 結 び 業 務 活 動 の 更 なる 活 性 化 や 市 民 所 得 の 向 上 が 期 待 され ま 以 上 のような 整 備 効 果 をまとめると 交 通 施 設 整 備 の 社 会 的 効 率 性 を 判 断 する 指 標 である 費 用 対 効 果 は 整 備 後 30 年 間 分 を 計 算 すると 東 西 線 においては 1.62 となり 仙 台 都 市 圏 とりわ け 仙 台 市 にとって 社 会 的 にみて 非 常 に 大 きな 効 果 のある 事 業 であることが 確 認 されました 4. 工 事 の 進 捗 状 況 工 区 別 工 事 の 進 捗 状 況 は 以 下 の 通 りとなっておりま 工 区 名 ( 工 概 要 現 在 の 工 事 状 況 動 物 公 園 駅 工 区 ( 開 削 工 動 物 公 園 駅 ( 約 137m) 留 置 線 部 ( 約 59m) 工 期 : 平 成 23 年 5 月 頃 まで
八 木 山 トンネ ル 工 区 (NATM 工 法 及 び 開 削 工 トンネル 工 事 ( 約 649m) 開 削 トンネル 工 事 ( 約 76m) 竜 の 口 橋 りょう 下 部 工 竜 の 口 橋 りょう 下 部 工 事 を 進 め ていま 竜 の 口 橋 りょ う 工 区 竜 の 口 橋 りょうの 桁 等 の 製 作, 運 搬, 架 設 ( 約 202m) 橋 桁 をつくる 工 事 の 準 備 を 進 め ていま 青 葉 山 トンネ ル 工 区 ( NATM 工 青 葉 山 トンネル( 青 葉 山 駅 ~ 竜 の 口 橋 りょう 間 約 1,120m) 竜 の 口 橋 りょう 下 部 工 期 : 平 成 23 年 8 月 頃 まで トンネルの 構 築 工 事 を 進 めてい ま 竜 の 口 橋 りょう 下 部 工 事 を 進 め ていま 青 葉 山 駅 工 区 ( 開 削 工 青 葉 山 駅 ( 約 55m) 工 期 : 平 成 23 年 12 月 頃 まで 駅 部 の 埋 戻 し 工 事 及 び 出 入 口 の 掘 削 工 事 を 進 め ていま 亀 岡 トンネル 工 区 (NATM 工 法 及 び 開 削 工 亀 岡 トンネル( 青 葉 山 駅 ~ 川 内 駅 間 約 1,326m) 工 期 : 平 成 24 年 3 月 頃 まで トンネルの 掘 削 工 事 及 び 構 築 工 事
川 内 駅 工 区 ( 開 削 工 川 内 駅 ( 約 150m) トンネル 工 事 ( 約 141m) 工 期 : 平 成 24 年 11 月 頃 まで 杭 打 ち 工 事 を 進 めていま 扇 坂 トンネル 工 区 ( 開 削 工 開 削 トンネル 工 事 ( 約 449m) 工 期 : 平 成 24 年 12 月 頃 まで 杭 打 ち 工 事 を 進 めていま 国 際 センター 駅 工 区 ( 開 削 工 国 際 センター 駅 ( 約 170m) 杭 打 ち 工 事 の 準 備 広 瀬 川 橋 りょ う 外 工 区 西 公 園 工 区 ( 駅 部 及 び 西 公 園 トンネル 部 : 開 削 工 法, 青 葉 通 トンネ ル 部 :NATM 工 広 瀬 川 橋 りょう( 約 172m) 西 公 園 高 架 橋 ( 約 118m) 広 瀬 川 よう 壁 ( 約 23m) 西 公 園 駅 ( 約 187m) 西 公 園 トンネル( 約 118m) 青 葉 通 トンネル( 約 527m) 橋 をかけていま 平 成 22 年 秋 から 橋 げたを やじろべえのよ うに 伸 ばしてい きま 西 公 園 高 架 橋 の 掘 削 工 事 を 進 め ていま 駅 部 の 掘 削 工 事
一 番 町 工 区 一 番 町 駅 ( 約 182m) 東 二 番 丁 トンネル( 約 568m) 工 期 : 平 成 25 年 6 月 頃 まで 駅 部 の 掘 削 工 事 仙 台 駅 工 区 ( 開 削 工 仙 台 駅 ( 約 219m) 工 期 : 平 成 25 年 1 月 頃 まで 駅 部 の 掘 削 工 事 新 寺 工 区 新 寺 駅 ( 約 133m) 及 び 仙 台 駅 トンネル( 新 寺 駅 ~ 仙 台 駅 間 約 532m) 工 期 : 平 成 25 年 1 月 頃 まで 連 坊 工 区 連 坊 駅 ( 約 164m) 及 び 新 寺 ト ンネル( 連 坊 駅 ~ 新 寺 駅 間 約 1,099m) 工 期 : 平 成 25 年 1 月 頃 まで 薬 師 堂 工 区 薬 師 堂 駅 ( 約 149m) 及 び 木 ノ 下 トンネル( 薬 師 堂 駅 ~ 連 坊 駅 間 約 999m) 工 期 : 平 成 25 年 6 月 頃 まで
卸 町 工 区 卸 町 駅 ( 約 156m) 及 び 大 和 町 トンネル( 卸 町 駅 ~ 薬 師 堂 駅 間 約 1,339m) 工 期 : 平 成 25 年 6 月 頃 まで 駅 部 の 掘 削 工 事 六 丁 の 目 工 区 六 丁 の 目 駅 ( 約 112m) 及 び 六 丁 の 目 トンネル( 六 丁 の 目 駅 ~ 卸 町 駅 間 約 1,151m) 工 期 : 平 成 24 年 9 月 頃 まで 及 び 出 入 口 の 地 盤 改 良 工 事 を 進 めていま 荒 井 トンネル 工 区 荒 井 トンネル( 約 1484m) 荒 井 駅 の 一 部 ( 約 23m) 工 期 : 平 成 24 年 3 月 頃 まで トンネル 部 の 掘 進 工 事 を 進 めて いま 荒 井 駅 工 区 ( 開 削 工 荒 井 駅 ( 約 223m) 工 期 : 平 成 23 年 9 月 頃 まで 掘 削 工 事 を 進 め ていま 荒 井 車 庫 工 区 荒 井 車 庫 ( 約 6.5ha)における 盛 土 及 び 擁 壁 工 事 等 留 置 線 ( 約 158m) 入 出 庫 線 ( 約 464m) 工 期 : 平 成 24 年 3 月 頃 まで 車 庫 の 盛 土 及 び 擁 壁 工 事 等 を 進 めていま 留 置 線 部 及 び 入 出 庫 線 部 の 杭 打 ち 工 事 を 進 めて いま
5. 開 業 までのスケジュール