事業実施想定区域周辺の陸生植物の生育状況については 当該対象地に隣接する 新門司南地区公有水面埋立事業環境影響評価書北九州市 において平成 13~14 年に実施された現地調査の結果をまとめると 以下のとおりである 調査対象地を図 3.1-26 に示す 確認された植物は 66 科 174 属 261 種であった 主な植物群落をみると アレチハナガサ- セイタカアワダチソウ群落 チガヤ-ヤマアワ群落 クズ群落 ベニバナセンブリ-メリケンカルカヤ群落のほか 植栽による植林帯 播種によるシバ群落等が確認された 事業実施想定区域 図 3.1-26 陸生植物調査地点図 資料 :( 仮称 ) 新 新門司工場建設事業に係る環境影響評価書北九州市平成 16 年 5 月資料 : 新門司南地区公有水面埋立事業環境影響評価書北九州市平成 19 年 4 月 3-32
(b) 陸生動物 北九州市生物多様性戦略 ( 北九州市 平成 22 年 11 月 ) では 北九州市域に生育 生息情報のある生物のうち 一般に広く知られ 里地里山などの陸域 河川などの陸水域 干潟などの沿岸域の生態系の指標となる種 ( 類 ) を身近な生物としてまとめている これら市内の生息状況 ( 陸生動物 ) は表 3.1-21 に示すとおりで そのほとんどは市街地や工場地帯を除く山地や丘陵地 中山間地等に分布している 表 3.1-21 身近な生物の生息状況 ( 陸生動物 ) 分類区分 種名 北九州市内の主な生息状況 哺乳類 キツネ 若松西部や足立山山麓などの農地や樹林地の混在する地域 市街地によって分断 イノシシ 市街地や埋立地および島嶼を除くほぼ市全域 鳥類 アジサシ 若松海岸や曽根干潟周辺 ウグイス 市街地と工場地帯を除く市全域 カイツブリ 市街地と工場地帯を除く開放水面 コアジサシ 若松海岸や曽根干潟周辺や奥洞海 コサギ 山地と工場地帯を除く市全域 サシバ 皿倉山山麓などの樹林地と農地が混在する地域 企救半島 ( 渡り ) シジュウカラ 工場地帯を除く市全域 ジョウビタキ 工場地帯の一部を除く市全域 シロチドリ 曽根干潟や紫川中下流や奥洞海を含む埋立地 ミサゴ 若松北海岸などの自然海岸や埋立地や河内貯水池などの湖沼および周辺の山地 は虫類 シマヘビ 皿倉山山麓などの農地や樹林地が混在する地域 両生類 カスミサンショウウオ 若松西部などの開放水面を含む丘陵地 トノサマガエル 河内貯水池周辺などの山地と農地が混在する地域と埋立地の一部 ニホンアカガエル 若松西部や足立山山麓などの山地と農地が混在する地域 ヤマアカガエル 平尾台から若松西部にかけての山地と農地が混在する地域 昆虫類 オナガアゲハ 山地や丘陵地に点在 オニヤンマ 皿倉山山麓などの山地と農耕地が混在する地域 クモガタヒョウモン 山地や丘陵地に点在 ゲンジボタル 紫川や黒川などの河川の中流から上流 サカハチチョウ 山地や丘陵地に点在資料 : 北九州市生物多様性戦略北九州市平成 22 年 11 月 3-33
事業実施想定区域周辺の動物の生息状況については 平成 13~15 年に北九州市が実施した 新門司南地区公有水面埋立事業環境影響評価書 の現地調査結果をもとにまとめた 調査対象地域を図 3.1-27 に示す 確認されたのは 哺乳類はカヤネズミ ハツカネズミの 2 種 鳥類は 7 目 16 科 50 種 爬虫類はカナヘビ 1 種 両生類はアマガエル ヌマガエル ウシガエルの 3 種 昆虫類は 8 目 51 科 101 種であった 凡例鳥類, 哺乳類, 爬虫類, 両生類, 昆虫類の踏査範囲鳥類昆虫類 事業実施想定区域 図 3.1-27 陸生動物調査地点 資料 : 新門司南地区公有水面埋立事業環境影響評価書北九州市平成 19 年 4 月 3-34
(2) 海生生物 (a) 海生植物事業実施想定区域周辺の海生植物の生育状況については 平成 14~15 年に北九州市が実施した 新門司南地区公有水面埋立事業環境影響評価書 の現地調査結果をもとにまとめた 植物プランクトン及び潮間帯付着植物の調査地点を図 3.1-28 に示す 植物プランクトンの確認種数は 47~67 種 平均細胞数は 49,808~2,367,148 細胞 /L の範囲にあり 種数は高水温期の夏季に最も多い結果であった 分類群別にみると 主な出現種は 珪藻綱 渦鞭毛藻綱に属する種であった 潮間帯付着植物の確認種数は 3~19 種の範囲にあり 冬 ~ 春季に数種 春季に種数が増加する傾向がみられた 分類群別にみると 全体的に紅藻綱に属する種が最も多く 次いで 褐藻綱が多い傾向にあった 代表的な出現種は 緑藻綱のアナアオサ 紅藻綱のマクサ イソダンツウ等であり いずれも瀬戸内海でみられる一般的な海藻類であった 凡例植物プランクトン 事業実施想定区域 潮間帯付着植物 図 3.1-28 海生植物調査地点 資料 : 新門司南地区公有水面埋立事業環境影響評価書北九州市平成 19 年 4 月 3-35
(b) 海生動物事業実施想定区域周辺の海生動物の生息状況については 平成 14 年 ~15 年に北九州市が実施した 新門司南地区公有水面埋立事業環境影響評価書平成 19 年 4 月 の現地調査結果をもとに整理した なお 当該資料にて現地調査対象外の魚類 甲殻類については 北九州市が実施した 曽根干潟環境調査 ( 平成 7 年度 ~17 年度 ) 結果平成 18 年 3 月 を参照した 海生動物 ( 動物プランクトン 魚卵 稚仔魚 潮間帯付着動物 底生動物 ) の調査地点は図 3.1-29 に示すとおりである 動物プランクトンの確認種数は 21~29 種 個体数は 46,325~134,238 個体 /m 3 の範囲にあり 種数は秋季 個体数は夏季に多い傾向がみられた 代表的な出現種は 節足動物門のパラカラヌス科のコペポダイト期幼生 アカルチア属のコペポダイト期幼生 原索動物門のワカレオタマボヤ 多毛類や貝類の幼生等であり 様々な分類群の幼生が多く確認された 魚卵の確認種数は 0~9 種 個体数は 0~3,180 個体 / 曳網の範囲にあり 春季 ~ 夏季にかけて種数 個体数ともに増加傾向がみられた 代表的な出現種は サッパ カタクチイワシ ネズッポ科等であった 稚仔魚の確認種数は 1~10 種 個体数は 1~177 個体 / 曳網の範囲にあり 魚卵と同様に春季 ~ 夏季にかけて種数 個体数が増加する傾向にあった 代表的な出現種はサッパ カタクチイワシ ハゼ科 イソギンポ等であり 当該海域においてよくみられる種であった 底生動物の確認種数は 46~62 種 個体数は 655~1,798 個体 /m 2 の範囲にあり 種数は冬季 個体数は春季に最も多い結果であった 分類群別にみると 全体的に環形動物門の占める割合が高く 次いで 軟体動物門が高い傾向がみられた 代表的な出現種は 環形動物門の Pseudopolydra 属 ヨツバネスピオ B 型 シズクガイ等であり 内湾の砂泥 ~ 泥底に生息する種が多くみられた付着動物の確認種数は 70~108 種 平均出現個体数は 24,978~51,632 個体 /m 2 の範囲にあり 種数 個体数とも秋季に多い傾向がみられた 代表的な出現種は 環形動物門のシロマダラシリス ヒゲブトゴカイ 軟体動物門のタマキビ イボニシ マガキ 節足動物門のイワフジツボ等であった 魚類 甲殻類の確認種数は 1 種 ~17 種の範囲にあり 夏季 秋季に多く 冬季に少ない傾向がみられた 代表的な出現種は 魚類のヒイラギ サッパ スズキ ボラ 甲殻類のシャコ等であった この他 動物の重要な種 の分布 生息の状況および生息環境の状況において 脊椎動物門のスナメリ 節足動物門のカブトガニ等が確認された 3-36
凡例 動物プランクトン魚卵 稚仔魚 事業実施想定区域 底生動物 潮間帯付着動物 図 3.1-29 海生動物調査地点 資料 : 新門司南地区公有水面埋立事業環境影響評価書北九州市平成 19 年 4 月 3-37
(3) 重要な野生生物の生育 生息状況北九州市域及び前述の (1) 陸生生物 及び (2) 海生生物 (3-32~3-37 ページ ) において事業実施想定区域周辺で実施された調査結果により確認された種を対象として 下記 1 ~4の指定状況について以下にまとめる 1 文化財保護法及び条例による天然記念物の指定種 2 福岡県の希少野生生物 - 福岡県レッドデータブック-の掲載種 3 環境省レッドリストの掲載種 4 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律 ( 種の保存法 ) の希少動植物種 (a) 天然記念物指定種 北九州市における天然記念物の指定は表 3.1-22 のとおりで 事業実施想定区域周辺には天然記念物は存在しない 表 3.1-22 北九州市における天然記念物 指定区分名称所在地 国指定天然記念物県指定天然記念物市指定天然記念物 千仏鍾乳洞平尾台夜宮の大珪化木梅花石岩層附梅花石大形置物 1 個大山祗神社の公孫樹 1 本三岳のチシャノキ 1 本白野江のサトザクラ 1 本 - 小倉南区大字新道寺 2764 番地ほか小倉南区大字新道寺 2940 番地ほか戸畑区夜宮二丁目 1 番内門司区大字白野江 514 番地ほか小倉南区大字呼野 872 番地小倉南区大字辻三 466 番地門司区白野江二丁目 7 番内 - 資料 : 北九州市のホームページ 3-38
(b) 希少野生生物 福岡県の希少野生生物- 福岡県レッドデータブック-2014 ( 福岡県 平成 26 年 8 月 ) 及び 福岡県の希少野生生物 - 福岡県レッドデータブック-2011 ( 福岡県 平成 23 年 11 月 ) によると 北九州市に関連する希少な野生生物 ( 植物群落を含む ) は表 3.1-23 に示すように 526 種であった 福岡県レッドデータブック記載種のうち 北九州市の種数は県域の約 31% である 表 3.1-23 地区別の福岡県レッドデータブック記載種 1) 分類区分北九州市福岡県 植物群落 25 89 植物 維管束植物 105 606 その他 - 39 哺乳類 9 24 鳥類 59 90 は虫類 6 7 両生類 10 11 魚類 55 82 昆虫類 141 417 貝類 96 278 甲殻類その他 17 45 クモ形類等 3 12 合計 526 1700 1) 福岡県内に生育 生息する野生の動植物のうち 植物群落 植物 哺乳類及び鳥類の 4 分類群は福岡県レッドデータブック 2011( 福岡県 平成 23 年 11 月 ) を 残りの分類群は福岡県レッドデータブック 2014( 福岡県 平成 26 年 8 月 ) を参照した 資料 : 福岡県レッドデータブック 2014 及び 2011 3-39
(c) 分布の状況 ( ア ) 陸生生物事業実施想定区域周辺における陸域の重要種の分布状況については 北九州市が平成 13~15 年に実施した現地調査結果をまとめると 表 3.1-24 に示すとおりである 植物については 水生植物のタヌキモが 1 種確認された 動物については 哺乳類 1 種 鳥類 13 種 昆虫類 3 種の重要種が確認された 哺乳類の重要種は 草地や河川敷などにみられる小型のネズミ類のカヤネズミであった 鳥類の主な重要種は ミサゴ オオタカ ハヤブサ等の猛禽類 ハマシギ ダイシャクシギ ホウロクシギといった干潟で底生生物を捕食するシギ類 カンムリカイツブリ ズグロカモメといった沿岸海域で越冬する海鳥類等であり いずれも対象地周辺環境が反映された種であった 対象地南西側に位置する曽根干潟は ズグロカモメの国内最大の越冬地である 昆虫類の重要種は 水生甲虫類のケシゲンゴロウ コガムシ チョウ類のヤネホソバであった なお 事業実施想定区域内では確認されなかった 表 3.1-24 重要種の出現状況 ( 陸生生物 ) 番号分類区分種名種の保存法 1) 1) 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律 ( 法律第 75 号平成 5 年 4 月 ) 国内 : 国内希少野生動植物種国際 : 国際希少野生動植物種 2) 環境省報道発表資料第 4 次レッドリストの公表について ( 平成 24 年 8 月, 平成 25 年 2 月 ) EX: 絶滅 CR: 絶滅危惧 ⅠA 類 EN: 絶滅危惧 ⅠB 類 CR+EN: 絶滅危惧 Ⅰ 類 VU: 絶滅危惧類 NT: 準絶滅危惧 DD: 情報不足 LP: 絶滅のおそれのある地域個体群 3) 福岡県の希少野生生物 - 福岡県レッドデータブック 2014( 福岡県 : 平成 26 年 8 月 ) EX: 絶滅 CR: 絶滅危惧 ⅠA 類 EN: 絶滅危惧 ⅠB 類 CR+EN: 絶滅危惧 Ⅰ 類 VU: 絶滅危惧 Ⅱ 類 NT: 準絶滅危惧 DD: 情報不足 LP: 絶滅のおそれのある地域個体群 3-40 環境省 RL 2) 福岡県 RDB 3) 1 植物タヌキモ NT EN 2 哺乳類カヤネズミ VU 3 鳥類カンムリカイツブリ NT 4 ササゴイ NT 5 クロサギ NT 6 ホオジロガモ VU 7 ミサゴ NT 8 オオタカ国内 NT NT 9 ハイイロチュウヒ NT 10 ハヤブサ国内 VU VU 11 ハマシギ NT NT 12 オオソリハシシギ VU NT 13 ダイシャクシギ VU 14 ホウロクシギ VU VU 15 ズグロカモメ VU VU 16 昆虫類ケシゲンゴロウ NT NT 17 コガムシ DD VU 18 ヤネホソバ NT 計 2 種 11 種 16 種
( イ ) 海生生物事業実施想定区域周辺における海域の重要種の分布状況については 北九州市が平成 13~15 年に実施した海生生物の現地調査結果及び曽根干潟環境調査 ( 平成 7 年度 ~17 年度 ) 結果をまとめると 表 3.1-25 に示すとおりである 植物については 重要種の生育は確認されなかった 動物については 哺乳類 1 種 魚類 3 種 軟体動物 5 種 節足動物 2 種 星口動物 1 種の重要種が確認された 哺乳類の重要種は 周辺の周防灘海域に広く分布している小型鯨類のスナメリであった 魚類の重要種は 現在 周防灘海域にのみ生息が確認されるアオギス 干潟や塩生植物帯にみられるトビハゼ 内湾の干潟や河口域にみられるタビラクチの 3 種であった 軟体動物の重要種は いずれも沿岸の砂泥質干潟でみられる貝類であった 節足動物の重要種は 周防灘海域に分布するカブトガニ 砂泥質 ~ 泥質の干潟でみられるヒメムツアシガニであった 星口動物の重要種は 砂泥質 ~ 泥質の干潟でよくみられるアンチラサメハダホシムシであった 海生生物の重要種は 主に貝類 カニ類といった沿岸の干潟でよくみられる底生生物であった 表 3.1-25 重要種の出現状況 ( 海生生物 ) 番号 分類区分種名種の保存法 1) 環境省 RL 2) 福岡県 RDB 3) 1 哺乳類スナメリ国際 NT 2 魚類アオギス CR EN 3 トビハゼ NT VU 4 タビラクチ VU VU 5 軟体動物カミスジカイコガイダマシ VU VU 6 ヒナノズキン CR+EN EN 7 ウズザクラ DD 8 サクラガイ NT NT 9 タガソデモドキ NT DD 10 節足動物カブトガニ CR+EN CR 11 ヒメムツアシガニ NT 12 星口動物アンチラサメハダホシムシ DD 計 1 種 8 種 12 種 1) 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律 ( 法律第 75 号平成 5 年 4 月 ) 国内 : 国内希少野生動植物種国際 : 国際希少野生動植物種 2) 環境省報道発表資料第 4 次レッドリストの公表について ( 平成 24 年 8 月, 平成 25 年 2 月 ) EX: 絶滅 CR: 絶滅危惧 ⅠA 類 EN: 絶滅危惧 ⅠB 類 CR+EN: 絶滅危惧 Ⅰ 類 VU: 絶滅危惧 Ⅱ 類 NT: 準絶滅危惧 DD: 情報不足 LP: 絶滅のおそれのある地域個体群 3) 福岡県の希少野生生物 - 福岡県レッドデータブック 2014( 福岡県 : 平成 26 年 8 月 ) EX: 絶滅 CR: 絶滅危惧 ⅠA 類 EN: 絶滅危惧 ⅠB 類 CR+EN: 絶滅危惧 Ⅰ 類 VU: 絶滅危惧 Ⅱ 類 NT: 準絶滅危惧 DD: 情報不足 LP: 絶滅のおそれのある地域個体群 3-41
森林 草5 平尾台 貫山 5 河内貯水池 道原貯水池 畑貯水池 里地里山(4) 重要な生息 生育環境 北九州市生物多様性戦略 ( 北九州市 平成 22 年 11 月 ) では 既存資料などによる森林 草地 里地里山 陸水域 沿岸域の重要な生息 生育環境及び市民有識者によるアンケート結果と北九州市都市計画などから 図 3.1-30 に示す地点を北九州市の重要な生息 生育環境として抽出している 事業実施想定区域及びその周辺地域では重要な生息 生育環境は認められない 事業実施想定区域 1 福知山地の森林と草地 1 若松西部のため池群 2 皿倉山陸2 大積海岸の流入河川 3 風師山周辺水3 曽根干潟の流入河川原4 足立山周辺域4 紫川の中上流 1 若松西部の丘陵 昭和池 瀬板貯水池及び流出河川 2 石峰山周辺 6 朽網のため池群 3 皿倉山の山麓 1 大積海岸 4 山田緑地周辺 2 柄杓田海岸 5 合馬 新道寺周辺沿3 曽根干潟と後背地 6 金剛山の山麓岸4 紫川河口部 7 朽網周辺域5 藍島 馬島 白島 8 足立山周辺 6 奥洞海 9 企救半島の東部 7 若松北海岸 10 弘善寺 ( 八幡西区穴生 ) の社寺林 8 部崎 和布刈 11 到津の森公園周辺 図 3.1-30 北九州市の重要な生息 生育環境 資料 : 北九州市生物多様性戦略北九州市平成 22 年 11 月 3-42
3.1.6 景観及び人と自然との触れ合いの活動の状況 (1) 景観事業実施想定区域周辺の景観資源等の位置は図 3.1-31 に示すとおりで 最も近いもので津村島が事業実施想定区域の北側約 3km の距離に位置している なお 自然公園等の特に優れた自然景観資源としては 北九州市の東北端に瀬戸内海国立公園が 西北端に玄海国定公園が 市内陸部に北九州国定公園等が指定されている ( 図 3.3-3(3-61 ページ ) 参照 ) 事業実施想定区域の北西約 5km に企救自然道 ( 北九州国定公園域内 ) が位置する 企救自然道 津村島 凡例 景観資源 眺望点 事業実施想定区域 曽根干潟 間島 図 3.1-31 主な景観資源 眺望点の位置 資料 : 北九州市自然百選北九州市環境局及び北九州市ホームページをもとに作成 3-43
(2) 人と自然との触れ合い活動の場事業実施想定区域周辺の公園等の位置を図 3.1-32 に示す 事業実施想定区域は都市計画用途地域上の工業地域 工業専用地域内にあり 野外レクリエーション及び地域住民等の日常的な自然との触れ合い活動の場所や施設の指定は少ない 事業実施想定区域の南西約 4km に位置する曽根干潟には 秋 冬を中心にカモ類 シギ類 カモメ類などの野鳥が飛来し これらの観察場所として知られている 新門司東緑地 高蔵山森林公園 新門司公園 事業実施想定区域 凡例 公園 レクリエーション地 曽根干潟 ( 野鳥観察 ) 図 3.1-32 主な公園 レクリエーション地の位置 資料 : 北九州市自然百選北九州市環境局及び北九州市のホームページをもとに作成 3-44
3.2 社会的状況 3.2.1 人口及び産業の状況 (1) 人口門司区及び北九州市全体の人口 世帯数 1 世帯当たりの人数 面積及び人口密度の推移は表 3.2-1 に示すとおりであり このうち人口の推移を図 3.2-1 に示した 門司区の人口は平成 7 年から平成 27 年にかけて 約 21,000 人減少し 世帯数も約 1,600 世帯減少している 北九州市全体の人口も同様に約 60,000 人減少しているが 世帯数は約 41,000 世帯増加している なお 門司区の人口が北九州市全体に占める割合は平成 27 年 5 月 1 日現在で約 10% である 表 3.2-1 人口等の推移 行政区域項目平成 7 年平成 12 年平成 17 年平成 22 年平成 27 年 門司区 北九州市 人口 120,890 114,750 108,677 104,469 99,704 世帯数 45,188 45,776 44,364 44,232 43,607 人 / 世帯 2.7 2.5 2.4 2.4 2.3 面積 (km 2 ) 72.60 73.37 73.37 73.37 73.67 人口密度 ( 人 /km 2 ) 1,665 1,564 1,481 1,424 1,353 人口 1,019,598 1,011,471 993,525 976,846 959,325 世帯数 388,741 408,080 413,510 420,702 429,942 人 / 世帯 2.6 2.5 2.4 2.3 2.2 面積 (km 2 ) 482.95 484.25 487.66 487.89 491.95 人口密度 ( 人 /km 2 ) 2,111 2,089 2,037 2,002 1,950 注 ) 平成 27 年の人口は 5 月 1 日現在の推計人口 資料 : 北九州市統計年鑑平成 26 年版及び北九州市のホームページ 1,050,000 200,000 1,019,598 1,011,471 北九州市 門司区 1,000,000 993,525 160,000 北九州市 ( 人 ) 950,000 120,890 114,750 108,677 976,846 104,469 959,325 99,704 120,000 門司区 ( 人 ) 900,000 平成 7 年平成 12 年平成 17 年平成 22 年平成 27 年 80,000 注 ) 平成 27 年は 5 月 1 日現在の推計人口 図 3.2-1 人口の推移 資料 : 北九州市統計年鑑平成 26 年版及び北九州市のホームページ 3-45
(2) 産業門司区及び北九州市全体の産業大分類別就業者数 ( 平成 22 年国勢調査 ) は表 3.2-2 に示すとおりで 門司区の就業者数は北九州市全体に対し約 11% を占めている また 門司区ではサービス業及び卸売 小売業等の第三次産業就業者が全体の約 74% で比率が高く 農業等の第一次産業就業者は 1% 程度と少ない 北九州市全体も同様の傾向を示し サービス業及び卸売 小売業を主とした第三次産業就業者の比率が高く 第一次産業就業者は少ない 表 3.2-2 産業大分類別就業者 産業大分類 門司区 北九州市 就業者 ( 人 ) 構成比 (%) 就業者 ( 人 ) 構成比 (%) 農業 198 0.4 2,684 0.6 林業 5 0.0 61 0.0 漁業 103 0.2 507 0.1 第一次産業小計 306 0.7 3,252 0.8 鉱業 67 0.1 234 0.1 建設業 3,444 7.7 38,148 9.0 製造業 5,876 13.1 61,928 14.6 第二次産業小計 9,387 21.0 100,310 23.6 電気 ガス 熱供給 水道業 134 0.3 1,974 0.5 情報通信 運輸 郵便業 5,842 13.1 35,588 8.4 卸売 小売業 8,170 18.3 75,225 17.7 金融, 保険業 924 2.1 9,387 2.2 不動産, 物品賃貸業 588 1.3 7,571 1.8 サービス業 16,189 36.2 156,918 36.9 公務 1,272 2.8 12,638 3.0 第三次産業小計 33,119 74.1 299,301 70.4 分類不能の産業 1,873 4.2 22,506 5.3 合計 44,685 100.0 425,369 100.0 注 ) 小数点以下の四捨五入の関係で合計が 100% にならない場合がある資料 : 平成 22 年国勢調査総務省統計局 3-46
(a) 農業 門司区及び北九州市全体の農家戸数及び経営耕地面積を表 3.2-3 に 農産物の作付 ( 栽培 ) 面積を表 3.2-4 に示す ( ともに 2010 年農林業センサス ) 門司区の農家戸数及び経営耕地面積はそれぞれ北九州市全体の約 10% 約 7% を占めている 作付 ( 栽培 ) 面積では稲が北九州市全体の約 8% 野菜類が約 2% を占めている 表 3.2-3 農家戸数及び経営耕地面積 項目門司区北九州市 農家戸数 ( 戸 ) 経営耕地面積 (ha) 専業農家 52 513 兼業農家 110 1,164 合計 162 1,677 田 113.0 1,367.0 畑 7.1 297.5 樹園地 2.1 105.7 合計 122.2 1,770.3 資料 : 北九州市統計年鑑平成 26 年版 表 3.2-4 農産物の作付 ( 栽培 ) 面積 単位 :ha 農産物の種類 門司区 北九州市 稲 77.0 907.8 麦類 0.0 11.5 雑穀 0.0 0.3 いも類 0.3 7.3 豆類 0.1 2.3 工芸農作物 0.0 0.0 野菜類 7.4 372.8 花き類 花木 0.0 15.5 その他の作物 0.1 1.6 合計 84.9 1,318.9 資料 : 北九州市統計年鑑平成 26 年版 3-47
(b) 林業 門司区及び北九州市全体の保有山林の状況 (2010 年農林業センサス ) は表 3.2-5 に示すとおりで 門司区では 5 経営体あるが面積については公開されていない 表 3.2-5 保有山林 行政区域 経営体数 保有山林 面積 (ha) 門司区 5 X 北九州市 92 2,760.1 注 ) X は該当数字が発表されていないもの 資料 : 北九州市統計年鑑平成 26 年版 (c) 漁業 門司区が面する海域は筑前海区及び豊前海区に属している 門司区及び北九州市全体の漁業における経営体数及び個人経営体数 ( 平成 20 年第 12 次漁業センサス ) は表 3.2-6 に示すとおりで 門司区の漁業経営体数は北九州市全体の約 33% を占め その多くが個人経営体で このうち約 64% が専業者である 門司区及び北九州市全体の漁業種類別延べ経営体数 ( 平成 20 年第 12 次漁業センサス ) は表 3.2-7(3-49 ページ ) に示すとおりで 門司区ではその他の漁業 釣り 刺網が多く かき類養殖も行われている 表 3.2-6 経営体数及び個人経営体数 漁業海域総数会社 漁業共同組合 共同経営 総数 専業 個人兼業総数漁業が主漁業が従 門司区 ( 筑前海区 152 - - 8 144 92 52 26 26 及び豊前海区 ) 北九州市 ( 筑前海区及び豊前海区 ) 464 X X X X X X X X 注 ) - は該当数字なし X は該当数字が発表されていないもの 資料 : 北九州市統計年鑑平成 26 年版 3-48
表 3.2-7 漁業種類別延べ経営体数 経営体項目門司区北九州市 実経営体数 152 464 遠洋底びき網 - X 底びき網 以西底びき網 - X 沖合底びき網 - X 小型底びき網 - X 船びき網 - - まき網 大中型まき網 - X 中小型まき網 - X 刺網 67 X 小型定置網 3 X その他の網漁業 6 X はえ縄 6 X 釣り 71 X 潜水器漁業 - X 採貝 採藻 2 X その他の漁業 74 X 魚類養殖 - X かき類養殖 39 X 海面養殖 わかめ類養殖 1 X のり類養殖 - X その他の養殖 - X 注 ) - は該当数字なし X は該当数字が発表されていないもの 資料 : 北九州市統計年鑑平成 26 年版 3-49
(d) 工業門司区及び北九州市全体の工業の状況 ( 平成 25 年工業統計調査 ) は表 3.2-8 に示すとおりで 門司区は北九州市全体に対し 事業所数で約 14% 従業者数で約 10% 製造品出荷額等で約 7% を占めている 北九州市全体の事業所数では 金属製品は約 16%( 構成比 以下同じ ) 食料品は約 13% の順に上位を占め 従業者数では 鉄鋼は約 17% 金属製品は約 14% の順に 製造品出荷額等では 鉄鋼は約 37% 化学は約 12% の順に上位を占めている 門司区の事業所数では 食料品は約 12% はん用機械器具は約 11% 印刷 同関連は約 11% の順に上位を占め 従業者数では 印刷 同関連は約 23% はん用機械器具は約 12% の順に 製造品出荷額等では 飲料 たばこ 飼料は約 22% 印刷 同関連は約 14% の順に上位を占めている 産業中分類 表 3.2-8 工業の概況 門司区製造品出荷額等事業所数従業者数 ( 万円 ) 事業所数 北九州市製造品出荷額等従業者数 ( 万円 ) 食料品 18 548 1,166,551 134 4,399 7,639,991 飲料 たばこ 飼料 8 234 2,964,172 16 400 3,166,683 繊維 3 46 41,759 39 370 250,535 木材 木製品 ( 家具を除く ) 3 29 11,379 12 201 655,093 家具 装備品 2 31 X 30 333 844,089 パルプ 紙 紙加工品 4 63 81,961 27 629 1,741,370 印刷 同関連 16 1,134 1,905,411 70 2,635 4,367,116 化学 7 148 X 55 3,467 24,083,038 石油製品 石炭製品 1 11 X 11 591 6,151,639 プラスチック製品 6 310 703,064 36 1,107 2,092,217 ゴム製品 3 36 42,123 10 706 5,486,824 なめし革 同製品 毛皮 - - - - - - 窯業 土石製品 12 166 717,713 71 6,287 16,340,006 鉄鋼 1 4 X 74 8,458 72,825,514 非鉄金属 5 545 1,373,068 20 1,376 5,482,822 金属製品 13 242 410,311 172 7,050 17,564,574 はん用機械器具 17 588 1,628,140 52 1,619 3,635,706 生産用機械器具 14 305 528,422 89 3,916 10,761,387 業務用機械器具 2 35 X 19 657 1,542,566 電子部品 デバイス 電子回路 1 10 X 8 286 X 電気機械器具 6 328 677,038 64 2,127 3,656,027 情報通信機械器具 1 45 X 2 52 X 輸送用機械器具 5 41 34,002 19 1,597 6,970,576 その他 2 55 X 38 481 2,334,004 合計 150 4,954 13,533,524 1,068 48,684 198,142,261 注 ) 数値は従業者 4 人以上の事業所 - は該当数字なし X は該当数字が発表されていないもの 資料 : 北九州市統計年鑑平成 26 年版 3-50
(e) 商業門司区及び北九州市全体の商業の状況 ( 平成 19 年商業統計調査 ) は表 3.2-9 に示すとおりである 門司区は北九州市全体に対し 事業所数で約 11% 従業者数で約 9% 年間商品販売額では約 8% を占めている 事業所数と従業者数については 飲食料品小売業が門司区及び北九州市全体とも 3 割前後から 4 割を占めており全体に対する割合は大きい しかし 年間商品販売額については 門司区及び北九州市全体ともに卸売業が 6 割から 7 割を占めている 産業分類 表 3.2-9 商業の概況 事業所数 門司区 従業 年間商品販売 者数 額 ( 万円 ) 事業所数 北九州市 従業 年間商品販売 者数 額 ( 万円 ) 各種商品卸売業 3 30 97,811 16 157 1,329,218 織物 衣服等卸売業 7 23 26,634 98 738 2,002,349 飲食料品卸売業 57 514 4,316,048 522 6,696 48,130,646 建築材料, 鉱物 金属材料等卸売業 75 574 5,822,487 738 6,080 65,106,056 機械器具卸売業 50 335 1,819,118 696 6,144 40,890,411 その他の卸売業 43 303 5,714,288 582 5,853 40,407,584 卸売業計 235 1,779 17,796,456 2,652 25,668 197,866,264 各種商品小売業 3 147 X 51 5,641 18,029,841 織物 衣服 身の回り品小売業 138 588 X 1,592 6,193 7,366,203 飲食料品小売業 557 2,990 3,345,342 4,068 26,219 31,256,609 自動車 自転車小売業 59 305 689,052 582 4,190 12,039,305 家具 じゅう器 機械器具小売業 95 477 949,967 825 4,879 11,701,707 その他の小売業 387 1,812 2,125,728 3,578 18,671 28,645,285 小売業計 1,239 6,319 7,725,199 10,696 65,793 109,038,950 合計 1,474 8,098 25,521,655 13,348 91,461 306,905,214 注 ) 飲食店を除く X は該当数字が発表されていないもの 資料 : 北九州市統計年鑑平成 26 年版 3-51
3.2.2 土地利用の状況 (1) 土地利用の現況門司区及び北九州市の地目別課税地面積は表 3.2-10 に示すとおりで 門司区の総面積は北九州市面積の約 11% を占めている 表 3.2-10 地目別課税地面積 ( 平成 26 年 1 月 1 日現在 ) 単位 :ha 総面積 宅地農地総数商業地工業地住宅地その他田畑 山林 原野 池沼雑種地 門司区 2,475 1,243 52 404 673 115 290 95 541 94 2 212 北九州市 22,674 11,763 580 3,841 6,783 560 2,138 938 4,137 1,577 80 2,042 構成比 1) (%) 11 11 9 11 10 20 14 10 13 6 2 10 1) 北九州市面積に対する門司区面積の構成比 資料 : 北九州市統計年鑑平成 26 年版 (2) 用途地域都市計画法に基づく北九州市域の用途地域の面積区分は表 3.2-11 に示すとおりで 事業実施想定区域は図 3.2-2(3-53 ページ ) に示すとおり工業専用地域となっている 表 3.2-11 都市計画 地域別面積 区域地域区分面積 (ha) 都街市化計区画域区域市第 1 種低層住居専用地域 3,464 第 2 種低層住居専用地域 303 第 1 種中高層住居専用地域 2,961 第 2 種中高層住居専用地域 2 第 1 種住居地域 4,535 第 2 種住居地域 724 準住居地域 25 近隣商業地域 787 商業地域 1,179 準工業地域 1,995 工業地域 569 工業専用地域 3,891 20,435 市街化調整区域 28,430 48,865 市域 1) 48,788 1) 国土地理院平成 20 年 10 月 1 日現在速報値 都市計画区域が市域面積より大きいのは 埋立竣功前の公有水面を都市計画区域に入れているため 資料 : 北九州市のホームページ ( 基準日 : 平成 22 年 10 月 18 日 ) 3-52
事業実施想定区域 0 0.5 1 km 図 3.2-2 事業実施想定区域周辺の都市計画区域 資料 : 北九州都市計画総括図北九州市平成 27 年 4 月 3-53