諮 問 庁 : 防 衛 大 臣 諮 問 日 : 平 成 23 年 6 月 23 日 ( 平 成 23 年 ( 行 情 ) 諮 問 第 324 号 ) 答 申 日 : 平 成 23 年 8 月 8 日 ( 平 成 23 年 度 ( 行 情 ) 答 申 第 192 号 ) 事 件 名 : 護 衛 艦 ちょうかい のイージス 装 置 に 係 る 装 備 認 定 試 験 等 の 審 査 結 果 について 等 の 一 部 開 示 決 定 に 関 する 件 答 申 書 第 1 審 査 会 の 結 論 次 に 掲 げる2 文 書 ( 以 下, 併 せて 本 件 対 象 文 書 という )につき, 文 書 2の 一 部 を 不 開 示 とした 決 定 は, 妥 当 である 文 書 1 護 衛 艦 ちょうかい のイージス 装 置 に 係 る 装 備 認 定 試 験 等 の 審 査 結 果 について( 報 告 )( 護 艦 隊 ( 訓 ) 第 1677 号 20.1 2.12)( 添 付 書 類 2を 除 く ) 文 書 2 護 衛 艦 ちょうかい のイージス 装 置 に 係 る 装 備 認 定 試 験 等 の 審 議 結 果 について( 報 告 )( 訓 指 群 訓 第 415 号 20.12.1 1) 第 2 異 議 申 立 人 の 主 張 の 要 旨 1 異 議 申 立 ての 趣 旨 行 政 機 関 の 保 有 する 情 報 の 公 開 に 関 する 法 律 ( 以 下 法 という )3 条 の 規 定 に 基 づく 本 件 対 象 文 書 の 開 示 請 求 に 対 し, 平 成 23 年 3 月 17 日 付 け 防 官 文 第 2895 号 により 防 衛 大 臣 ( 以 下 処 分 庁 又 は 諮 問 庁 と いう )が 行 った 一 部 開 示 決 定 ( 以 下 原 処 分 という )について,その 取 消 しを 求 める 2 異 議 申 立 ての 理 由 記 録 された 内 容 を 精 査 し, 支 障 が 生 じない 部 分 については 開 示 すべきで ある 第 3 諮 問 庁 の 説 明 の 要 旨 1 経 緯 本 件 開 示 請 求 は, 2009.1.5- 本 本 B1145 及 び2009. 5.7- 本 本 B137における 開 示 対 象 文 書 * 審 査 会 において 両 者 が 一 緒 に 答 申 されておりますので, 相 互 に 密 接 な 関 連 を 有 する 行 政 文 書 1 件 と して 請 求 致 します * 重 複 する 文 書 については1 件 に 絞 る の 開 示 を 求 めるものであり,これに 該 当 する 行 政 文 書 として, 本 件 対 象 文 書 を 特 定 し, その 一 部 が 法 5 条 3 号 の 不 開 示 情 報 に 該 当 することから, 当 該 部 分 を 不 開 - 1 -
示 とする 原 処 分 を 行 ったところ 異 議 申 立 てが 提 起 されたものである なお, 本 件 対 象 文 書 の 一 部 開 示 決 定 に 係 る 審 査 会 への 諮 問 は2 度 目 であ り, 前 回 の 一 部 開 示 決 定 について,その 決 定 は 妥 当 である 旨 の 答 申 ( 平 成 22 年 度 ( 行 情 ) 答 申 第 56 号 及 び 同 第 57 号 以 下, 併 せて 先 例 答 申 という )を 得 ているところであり, 不 開 示 とした 部 分 の 法 5 条 3 号 の 該 当 性 に 関 して, 原 処 分 においても 同 様 であり, 前 回 の 一 部 開 示 決 定 と 異 な る 判 断 をすべき 事 情 の 変 更 がないことから, 原 処 分 の 維 持 は 妥 当 と 考 える 2 法 5 条 の 該 当 性 について (1) 文 書 2の 別 冊 2 頁 中, 試 験 等 の 区 分 の 一 部 については,これを 公 にし た 場 合, 試 験 内 容 が 明 らかとなり 装 備 品 の 能 力 が 推 察 され, 防 衛 省 自 衛 隊 の 効 果 的 な 任 務 の 遂 行 に 支 障 が 生 じるおそれがあることから, 法 5 条 3 号 に 該 当 する (2) 文 書 2の 別 冊 2 頁 ないし4 頁 中, 米 海 軍 等 の 協 力 部 隊 及 び 協 力 内 容 に ついては,これを 公 にした 場 合, 我 が 国 と 米 国 との 間 の 信 頼 関 係 を 損 な うおそれがあるとともに,イージス 装 置 における 装 備 品 の 能 力 が 推 察 さ れ, 防 衛 省 自 衛 隊 の 効 果 的 な 任 務 の 遂 行 に 支 障 が 生 じるおそれがある ことから, 法 5 条 3 号 に 該 当 する (3) 文 書 2の 別 冊 5 頁 中, 3 所 見 の 一 部 については,これを 公 にし た 場 合, 自 衛 艦 の 装 備 品 の 運 用 状 況 が 推 察 され, 防 衛 省 自 衛 隊 の 効 果 的 な 任 務 の 遂 行 に 支 障 が 生 じるおそれがあることから, 法 5 条 3 号 に 該 当 する (4) 文 書 2の 別 冊 6 頁 中,COSAL 物 品 の 充 足 状 況, 同 10 頁 中,SQ T 期 間 中 の 不 具 合 / 復 旧 状 況, 同 11 頁 中,システムの 稼 働 状 況 及 び 同 12 頁 中, 乗 員 整 備 計 画 基 準 及 びSQT WITプラン 基 準 については, これを 公 にした 場 合, 装 備 品 の 質 的 能 力 や 整 備 態 勢 及 び 乗 員 の 練 度 が 推 察 され, 防 衛 省 自 衛 隊 の 効 果 的 な 任 務 の 遂 行 に 支 障 が 生 じるおそれが あることから, 法 5 条 3 号 に 該 当 する (5) 文 書 2の 別 冊 中, 審 議 検 討 項 目 に 対 する 評 価 並 びにその 他 必 要 と 認 め る 事 項 及 び 改 善 提 案 事 項 の 一 部 については,これを 公 にした 場 合, 装 備 品 の 質 的 能 力 や 整 備 態 勢 及 び 乗 員 の 練 度 が 推 察 されるとともに,イージ ス 装 置 の 運 用 における 問 題 点 が 明 らかとなり, 防 衛 省 自 衛 隊 の 効 果 的 な 任 務 の 遂 行 に 支 障 が 生 じるおそれがあることから, 法 5 条 3 号 に 該 当 する 3 異 議 申 立 人 の 主 張 について 異 議 申 立 人 は, 記 録 された 内 容 を 精 査 し, 支 障 が 生 じない 部 分 につい ては 開 示 すべきである として, 原 処 分 の 取 消 しを 主 張 するが, 本 件 対 - 2 -
象 文 書 の 法 5 条 該 当 性 を 十 分 に 検 討 した 結 果,その 一 部 が 上 記 2のとおり 同 条 3 号 に 該 当 することから 当 該 部 分 を 不 開 示 としたが,その 他 の 部 分 に ついては 開 示 しており, 異 議 申 立 人 の 主 張 は 当 たらない 第 4 調 査 審 議 の 経 過 当 審 査 会 は, 本 件 諮 問 事 件 について, 以 下 のとおり, 調 査 審 議 を 行 った 1 平 成 23 年 6 月 23 日 諮 問 の 受 理 2 同 日 諮 問 庁 から 理 由 説 明 書 を 収 受 3 同 年 7 月 14 日 審 議 4 同 年 8 月 4 日 本 件 対 象 文 書 の 見 分 及 び 審 議 第 5 審 査 会 の 判 断 の 理 由 1 本 件 対 象 文 書 について 本 件 開 示 請 求 は, 先 例 答 申 に 係 る 情 報 公 開 請 求 事 件 における 開 示 対 象 文 書 を 求 めるものであり, 文 書 1 及 び 文 書 2がこれに 当 たるが, 重 複 する 文 書 については1 件 に 絞 る と 請 求 されていることから, 文 書 2の 添 付 書 類 と 重 複 する 文 書 1の 添 付 書 類 2は 除 外 されることになる 文 書 1 及 び 文 書 2から 成 る 本 件 対 象 文 書 は, 護 衛 艦 ちょうかい の 弾 道 ミサイル 防 衛 に 関 する 装 備 認 定 試 験 を 行 った 際 の 成 果 等 をまとめたもの である 原 処 分 は, 文 書 1を 全 部 開 示 し, 文 書 2の 一 部 を 法 5 条 3 号 に 該 当 する として 不 開 示 としたところ, 諮 問 庁 は 原 処 分 を 妥 当 としていることから, 以 下, 本 件 対 象 文 書 の 見 分 結 果 に 基 づき, 文 書 2の 当 該 部 分 の 不 開 示 情 報 該 当 性 について 検 討 する 2 不 開 示 情 報 該 当 性 について (1) 試 験 の 区 分 及 び 実 施 場 所 の 試 験 等 の 区 分 について 別 冊 本 文 2 頁 中 の 当 該 部 分 には 装 備 認 定 試 験 で 使 用 された 装 備 品 の 名 称 が 記 載 されている そうすると,これを 公 にした 場 合, 試 験 内 容 が 明 らかとなり,イージス 装 置 における 装 備 品 の 能 力 が 推 察 され, 防 衛 省 自 衛 隊 の 効 果 的 な 任 務 の 遂 行 に 支 障 が 生 じるおそれがあり,ひいては 国 の 安 全 を 害 するおそれがあるとの 処 分 庁 の 認 定 判 断 には 相 当 の 理 由 が あると 認 められるので, 法 5 条 3 号 に 該 当 し, 不 開 示 としたことは 妥 当 である (2) 米 海 軍 等 の 協 力 部 隊 及 び 協 力 内 容 について 別 冊 本 文 2 頁 ないし4 頁 の 当 該 部 分 には 今 回 の 装 備 認 定 試 験 に 携 わっ た 米 海 軍 等 の 具 体 的 な 協 力 部 隊 名 及 びその 協 力 内 容 が 記 載 されている ここに 記 載 されている 内 容 が 米 国 における 弾 道 ミサイル 防 衛 に 関 わる 情 報 であることからすると,これを 公 にした 場 合, 我 が 国 と 米 国 との 信 頼 - 3 -
関 係 を 損 なうおそれがあるとともに, 記 載 された 協 力 部 隊 及 び 協 力 内 容 からイージス 装 置 における 装 備 品 の 能 力 が 推 察 され, 防 衛 省 自 衛 隊 の 効 果 的 な 任 務 の 遂 行 に 支 障 が 生 じるおそれがあり,ひいては 国 の 安 全 を 害 するおそれがあるとの 処 分 庁 の 認 定 判 断 には 相 当 の 理 由 があると 認 められるので, 法 5 条 3 号 に 該 当 し, 不 開 示 としたことは 妥 当 である (3) 3 所 見 について 別 冊 本 文 5 頁 中 の 当 該 部 分 には 装 備 品 の 備 蓄 態 勢 やシステム 活 用 状 況, 配 備 先 が 公 にされていない 通 信 手 段 に 係 る 情 報 が 記 載 されていることか らすると,これを 公 にした 場 合, 自 衛 艦 の 装 備 品 やシステムの 運 用 状 況 が 推 察 され, 防 衛 省 自 衛 隊 の 効 果 的 な 任 務 の 遂 行 に 支 障 が 生 じるおそ れがあるとの 処 分 庁 の 認 定 判 断 には 相 当 の 理 由 があると 認 められるの で, 法 5 条 3 号 に 該 当 し, 不 開 示 としたことは 妥 当 である (4)COSAL 物 品 の 充 足 状 況,SQT 期 間 中 の 不 具 合 / 復 旧 状 況, シス テムの 稼 動 状 況 及 び 乗 員 整 備 計 画 基 準 及 び SQT WITプラ ン 基 準 について 別 冊 本 文 6 頁 では 艦 船 に 装 備 又 は 搭 載 すべき 補 給 品 の 充 足 状 況 が, 同 10 頁 では 装 備 認 定 試 験 期 間 における 具 体 的 なイージス 装 置 の 不 具 合 及 び 復 旧 状 況 が, 同 11 頁 では 装 備 認 定 試 験 期 間 中 のイージスシステムの 具 体 的 な 稼 動 状 況 が, 同 12 頁 では 装 備 認 定 試 験 期 間 中 における 乗 員 の 整 備 基 準 及 びイージス 装 置 の 試 験 基 準 がそれぞれ 記 載 されていることか らすると,これを 公 にした 場 合, 装 備 品 の 質 的 能 力 や 整 備 態 勢 及 び 乗 員 の 練 度 が 推 察 され, 防 衛 省 自 衛 隊 の 効 果 的 な 任 務 の 遂 行 に 支 障 が 生 じ るおそれがあり,ひいては 国 の 安 全 を 害 するおそれがあるとの 処 分 庁 の 認 定 判 断 には 相 当 の 理 由 があると 認 められるので, 法 5 条 3 号 に 該 当 し, 不 開 示 としたことは 妥 当 である (5) 審 議 検 討 項 目 に 対 する 評 価 及 びその 他 必 要 と 認 める 事 項 及 び 改 善 提 案 事 項 について 審 議 検 討 項 目 に 対 する 評 価 として, 別 冊 本 文 1 頁 には 審 議 項 目 別 の 審 議 結 果 としての 評 価 が, 同 6 頁 ないし14 頁 には 審 議 項 目 別 の 具 体 的 か つ 詳 細 な 評 価 結 果 がそれぞれ 記 載 されており,また, 同 14 頁 には, 本 件 装 備 認 定 試 験 を 経 て 必 要 と 認 める 事 項 が 具 体 的 かつ 詳 細 に 記 載 され, 同 15 頁 には, 本 件 装 備 認 定 試 験 を 通 じて 得 られた 改 善 提 案 事 項 が 具 体 的 かつ 詳 細 に 記 載 されている そうすると,これを 公 にした 場 合, 装 備 品 の 質 的 能 力 や 整 備 態 勢 及 び 乗 員 の 練 度 が 推 察 されるとともに,イージ ス 装 置 の 運 用 における 問 題 点 が 明 らかとなり, 防 衛 省 自 衛 隊 の 効 果 的 な 任 務 の 遂 行 に 支 障 が 生 じるおそれがあり,ひいては 国 の 安 全 を 害 する - 4 -
おそれがあるとの 処 分 庁 の 認 定 判 断 には 相 当 の 理 由 があると 認 められ るので, 法 5 条 3 号 に 該 当 し, 不 開 示 としたことは 妥 当 である 3 本 件 一 部 開 示 決 定 の 妥 当 性 について 以 上 のことから, 本 件 対 象 文 書 につき, 文 書 2の 一 部 を 法 5 条 3 号 に 該 当 するとして 不 開 示 とした 決 定 については, 不 開 示 とされた 部 分 は 同 号 に 該 当 すると 認 められるので, 妥 当 であると 判 断 した ( 第 1 部 会 ) 委 員 小 林 克 已, 委 員 中 村 晶 子, 委 員 村 上 裕 章 - 5 -