思春期の非行・自殺

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Transcription:

思 春 期 思 春 期 の 非 行 自 殺 お 宮 城 県 精 神 保 健 福 祉 センター 所 長 小 の 野 よし 善 ろう 郎 キーワード 少 年 非 行 自 殺 思 春 期 の 精 神 保 健 攻 撃 性 はじめに 思 春 期 にみられる 激 しい 行 動 化 の 典 型 が 非 行 と 自 殺 である 攻 撃 的 で 反 社 会 的 な 行 動 化 である 非 行 と 内 面 的 で 自 己 破 壊 的 な 自 殺 とは 一 見 正 反 対 の ようにも 見 えるが 両 者 は 攻 撃 性 という 精 神 病 理 を 基 盤 としている 点 で 共 通 している 非 行 は 他 者 へ 向 かう 攻 撃 性 であるのに 対 して 自 殺 は 自 己 に 向 かう 攻 撃 性 である 実 際 非 行 は 自 殺 の 主 要 な リスク 因 子 として 知 られており 疫 学 的 な 関 連 性 も 認 められている 1) 攻 撃 性 はまさに 思 春 期 で もっとも 重 要 な 精 神 病 理 であり 非 行 や 自 殺 は 思 春 期 において 非 常 にリスクが 高 い 問 題 である ど ちらの 行 動 も 本 人 に 大 きなダメージがあるだけで なく 家 族 や 社 会 にも 影 響 を 及 ぼす 行 動 であるこ とから 予 防 的 な 取 り 組 みが 重 要 である 1. 非 行 1) 非 行 の 定 義 非 行 とは 良 くない 行 い という 意 味 の 言 葉 で あるが 一 般 的 には 未 成 年 の 反 社 会 的 行 動 である 少 年 非 行 の 意 味 で 用 いられることが 多 い 少 年 非 行 は 社 会 的 に 許 容 されない 行 動 であるので 少 年 法 や 児 童 福 祉 法 によって 処 遇 される 対 象 になる 少 年 法 では 家 庭 裁 判 所 の 審 判 に 付 するべき 少 年 と して 非 行 少 年 を 次 のように 定 義 している 1 罪 を 犯 した 少 年 ( 犯 罪 少 年 ) 2 14 歳 に 満 たないで 刑 罰 法 令 に 触 れる 行 為 をし た 少 年 ( 触 法 少 年 ) 3 保 護 者 の 正 当 な 監 督 に 服 しない 性 癖 などの 事 由 があって その 性 格 又 は 環 境 に 照 して 将 来 罪 を 犯 し 又 は 刑 罰 法 令 に 触 れる 行 為 をする おそれのある 少 年 (ぐ 犯 少 年 ) 非 行 行 為 は 基 本 的 に 刑 法 またはその 他 の 刑 罰 法 令 を 犯 す 行 為 であるが 同 じ 違 法 行 為 でも 14 歳 未 満 の 場 合 は 責 任 能 力 がないので 犯 罪 行 為 ではな く 触 法 行 為 と 表 現 される また ぐ 犯 は 未 成 年 に のみ 適 用 される 非 行 行 為 であるが 飲 酒 喫 煙 深 夜 徘 徊 などの 比 較 的 軽 微 な 違 反 行 為 やいわゆる 不 良 行 為 などが 含 まれる このような 行 為 が ある 少 年 は 補 導 の 対 象 になる 精 神 医 学 では 非 行 に 相 当 する 行 動 を 素 行 の 問 題 (conduct problem) と 呼 んでいる 素 行 の 問 題 が 反 復 し 持 続 する 場 合 には 素 行 障 害 ( 注 : 従 来 は 行 為 障 害 日 本 精 神 神 経 学 会 用 語 集 の 改 訂 により 素 行 [ 品 行 ] 障 害 に 変 更 されている) と 診 断 される 素 行 障 害 の 診 断 基 準 (DSM-IV- TR)は 他 者 の 基 本 的 人 権 または 年 齢 相 応 の 主 要 な 社 会 的 規 範 または 規 則 を 侵 害 する 行 為 とし て 1 人 や 動 物 に 対 する 攻 撃 性 ( 人 や 動 物 への 暴 力 強 盗 性 的 加 害 など) 2 所 有 物 の 破 壊 ( 放 火 や 器 物 損 壊 ) 3 嘘 をつくことや 窃 盗 ( 窃 盗 万 引 きなど) 4 重 大 な 規 則 違 反 ( 深 夜 徘 徊 家 出 怠 学 )が 挙 げられている 2) これらの 行 為 は 非 行 とほぼ 共 通 しているが 両 者 は 必 ずし も 同 義 ではなく 素 行 障 害 は 非 行 行 為 が 反 復 持 続 する 障 害 であり 1 回 だけの 違 法 行 為 で 診 断 されることはない それに 対 して 少 年 司 法 や 児 童 福 祉 では 1 回 だけの 万 引 きでも 非 行 に 相 当 する 67

2) 最 近 の 非 行 の 傾 向 ティーンエージャーの 非 行 はいつの 時 代 にも 主 要 な 社 会 問 題 であり 決 して 現 代 社 会 特 有 の 問 題 ではない ただし かつての 非 行 の 背 景 には 貧 困 による 生 活 困 窮 があったのに 対 し 最 近 では 経 済 的 な 要 因 よりも 親 からの 虐 待 や 暴 力 的 なしつけな どの 不 適 切 な 養 育 との 関 連 が 注 目 されてきてい る 非 行 少 年 を 指 導 する 児 童 自 立 支 援 施 設 や 少 年 院 では 半 数 以 上 の 子 どもたちに 被 虐 待 歴 があるこ とが 知 られている 3,4) 非 行 の 頻 度 については 警 察 庁 の 犯 罪 少 年 の 検 挙 人 員 と 触 法 少 年 の 補 導 人 員 から 推 測 することがで きる 5) 刑 法 犯 少 年 の 検 挙 人 員 の 人 口 比 (14 歳 から 19 歳 の 少 年 人 口 1,000 人 あたりの 検 挙 人 員 ) は 戦 後 いくつかのピークを 示 しながら 増 加 して きたが 近 年 では 減 少 傾 向 が 続 いている 一 方 14 歳 未 満 の 触 法 少 年 の 補 導 人 員 の 人 口 比 は 平 成 5 年 頃 までは 犯 罪 少 年 の 補 導 人 員 と 同 様 の 推 移 を 示 していたが それ 以 後 はほぼ 横 這 いの 状 態 が 続 いている( 図 1) もっとも 一 般 的 な 非 行 は 犯 罪 少 年 でも 触 法 少 年 でも 万 引 き 自 転 車 盗 やオー トバイ 盗 などの 窃 盗 占 有 離 脱 物 横 領 ( 放 置 自 転 車 の 乗 り 逃 げなど)で 凶 悪 犯 ( 殺 人 強 盗 放 火 強 姦 )は 犯 罪 少 年 触 法 少 年 ともに 全 体 の 1.0% であった( 平 成 19 年 ) 平 成 9 年 頃 から 少 年 によ る 殺 人 事 件 が 多 発 し 凶 悪 な 少 年 事 件 への 関 心 が 集 まったが 平 成 16 年 以 降 は 減 少 してきている 最 近 は 女 子 の 非 行 への 関 心 が 高 まってきてい る 犯 罪 少 年 の 検 挙 人 員 には 大 きな 変 動 はないが 14 歳 未 満 の 補 導 件 数 では 男 子 は 減 少 しているの に 対 して 女 子 は 増 加 している 覚 醒 剤 や 向 精 神 薬 の 薬 物 乱 用 は 女 子 が 半 数 以 上 を 占 めるようになっ てきている 一 般 に 女 子 の 非 行 は 男 子 よりも 始 まる 年 齢 が 遅 いが 15 歳 以 降 では 男 子 と 同 じ 程 度 に 見 られるようになるといわれている 女 子 の 攻 撃 性 は 男 子 のようにあからさまな 暴 力 加 害 行 為 というよりも 集 団 を 操 作 して 特 定 の 女 子 を 仲 間 はずれにしたり 悪 い 噂 を 広 めるような 間 接 的 関 係 的 攻 撃 性 が 多 いため 非 行 として 認 知 さ れにくいのが 特 徴 である このようなタイプの 攻 撃 性 にも 注 目 していくと 女 子 の 非 行 はこれまで 考 えられていた 以 上 に 重 大 な 問 題 である 可 能 性 が ある 6) 2. 自 殺 1) 自 殺 行 動 の 定 義 と 分 類 自 殺 とは その 結 果 を 予 測 しつつ 自 ら 意 図 し て 自 らを 殺 す 行 為 と 定 義 され 自 らの 死 の 意 図 と 結 果 予 測 性 が 重 視 されている 7) しか し 実 際 にはこれらの 条 件 を 確 認 することはでき 図 1. 犯 罪 少 年 と 触 法 少 年 の 人 口 比 の 推 移 ( 刑 法 犯 ) 68

ないことも 多 く 自 らの 身 体 に 危 害 を 及 ぼす 行 動 を 幅 広 く 自 殺 行 動 としてとらえて 自 殺 予 防 の 対 象 としている 自 殺 行 動 は 人 間 の 攻 撃 的 行 動 のうち 自 己 に 向 け られる 形 のものであり それは 以 下 の 3 段 階 の 行 動 で 構 成 される すなわち 意 図 的 な 自 傷 または 死 について 考 える( 自 殺 念 慮 ) 実 際 に 意 図 的 に 自 己 を 傷 つける 行 動 ( 自 殺 企 図 ) 実 際 に 死 に 至 る 行 動 ( 自 殺 )である 一 般 に 自 殺 企 図 は 自 殺 よりも 10 から 20 倍 多 く 自 殺 念 慮 は 自 殺 企 図 よ りもさらに 多 いことから 8) 自 殺 行 動 の 範 囲 は 非 常 に 広 範 であるといえる 2) 自 殺 の 疫 学 日 本 は 1950 年 代 には 世 界 でもっとも 自 殺 率 が 高 い 国 であったが 中 高 年 者 の 自 殺 が 多 い 今 日 と は 異 なり その 多 くは 青 年 たちの 自 殺 であった 1955 年 の 15 ~ 19 歳 の 10 万 人 あたりの 自 殺 率 は 男 性 37.2 女 性 26.1 であった 1) この 年 齢 で の 自 殺 率 は 2007 年 には 男 性 8.9 女 性 5.7 と 低 下 している しかし 若 年 者 の 死 亡 数 が 極 めて 少 な くなっている 今 日 においては 自 殺 は 主 要 な 死 因 の 上 位 を 占 めることになり 2007 年 の 人 口 動 態 統 計 9) によれば 自 殺 は 10 ~ 14 歳 で 死 因 の 第 3 位 15 ~ 19 歳 では 第 2 位 となり 20 歳 以 上 にな ると 第 2 位 を 大 きく 引 き 離 してトップになってい る 総 死 亡 数 に 対 する 自 殺 の 割 合 は 15 ~ 19 歳 では 28.5% 20 ~ 24 歳 では 45.7%に 達 し 自 殺 数 のもっとも 多 い 55 ~ 59 歳 の 39.9%に 匹 敵 して おり この 数 字 からも 若 年 者 の 自 殺 予 防 の 重 要 性 が 示 唆 される 自 殺 は 年 齢 と 性 別 によって 頻 度 が 大 きく 異 な るのが 特 徴 である 自 殺 は 思 春 期 以 降 増 加 してい き 男 性 では 50 歳 代 後 半 がピークになり 女 性 は 80 歳 代 以 降 まで 緩 やかではあるが 増 加 し 続 け る いずれの 年 代 でも 男 性 の 方 が 女 性 よりも 自 殺 は 多 く 成 人 期 以 降 では 男 性 の 自 殺 率 は 女 性 の 2 ~ 3 倍 になっており 自 殺 は 男 性 に 優 位 であるこ とは 明 らかである( 図 2) 3) 若 年 者 の 自 殺 の 特 徴 自 殺 は 思 春 期 以 降 に 始 まる 行 為 で 10 歳 未 満 の 自 殺 はほとんどない 思 春 期 から 20 歳 代 前 半 までの 若 年 者 の 自 殺 の 特 徴 は 性 差 が 小 さいこと で この 年 代 に 限 っては 自 殺 は 必 ずしも 男 性 優 位 ではない さらに 思 春 期 の 女 性 にはリストカッ トや 過 量 服 薬 などの 自 殺 企 図 が 非 常 に 多 く 自 殺 既 遂 だけでなく 自 殺 企 図 も 含 めて 見 れば 性 差 は さらに 小 さくなるか 女 性 の 方 が 有 意 になる 可 能 性 がある(リストカットや 過 量 服 薬 については 必 ずしも 死 を 目 的 とした 行 為 とは 限 らないので 最 近 は 意 図 的 自 傷 (deliberate self-harm) とし 図 2. 年 齢 性 別 ごとの 10 万 人 あたりの 自 殺 率 ( 平 成 19 年 ) 69

て 自 殺 企 図 と 区 別 されることが 多 い) 前 思 春 期 の 子 どもの 自 殺 は 稀 であるが 自 殺 念 慮 を 持 つことは 少 なくない 年 少 の 子 どもたちは 衝 動 的 に 首 を 吊 ったり 高 いところから 飛 び 降 りる などの 死 ぬ 可 能 性 の 高 い 行 動 をとる 危 険 性 がある ことから 自 殺 念 慮 にも 十 分 に 注 意 を 払 う 必 要 性 がある また 子 どもの 自 殺 行 動 はメディアの 影 響 を 受 けやすいことも 知 られている 一 定 の 地 域 で 短 い 期 間 内 に 多 くの 自 殺 が 起 こる 現 象 は 群 発 自 殺 と 呼 ばれており 模 倣 的 な 行 動 と 考 えられている 自 殺 報 道 小 説 や 映 画 などの 影 響 による 自 殺 は ウェ ルテル 効 果 Werther effect とも 呼 ばれている わが 国 でも アイドル 歌 手 の 自 殺 やいじめを 苦 に した 中 学 生 の 自 殺 報 道 に 関 連 した 群 発 自 殺 の 例 が 知 られている 最 近 では インターネットを 介 し た 自 殺 情 報 の 影 響 や 集 団 自 殺 など いわゆる 自 殺 サイトが 大 きな 社 会 問 題 になってきている 1) 成 人 の 自 殺 ではうつ 病 アルコール 症 統 合 失 調 症 などの 精 神 疾 患 の 関 連 が 強 いこと 知 られてい るが 思 春 期 においてもうつ 病 やアルコール 乱 用 との 関 連 が 強 いことが 明 らかにされている 思 春 期 の 自 殺 では さらに 素 行 障 害 との 関 連 も 強 いこ とが 欧 米 の 研 究 で 示 されているが わが 国 ではこ の 点 について 十 分 な 研 究 が 行 われていない その 一 方 で わが 国 では 広 汎 性 発 達 障 害 と 自 殺 行 動 と の 関 連 を 示 唆 する 報 告 10) があるものの これに ついては 欧 米 からの 報 告 はなく 思 春 期 の 自 殺 行 動 に 関 連 する 精 神 疾 患 については 今 後 さらに 研 究 を 進 める 必 要 がある 3. 非 行 と 自 殺 の 予 防 非 行 も 自 殺 も 思 春 期 の 重 要 な 精 神 保 健 の 問 題 で ある 子 どもから 成 人 への 移 行 期 である 思 春 期 に は 身 体 的 な 変 化 だけでなく 親 子 関 係 や 仲 間 関 係 さらには 社 会 的 役 割 の 変 化 などの 非 常 に 困 難 な 心 理 的 発 達 課 題 に 直 面 する 時 期 であり 情 緒 や 行 動 に 表 れる 精 神 医 学 的 な 問 題 が 発 現 しやすい この 時 期 に 多 い 不 登 校 は 今 日 では 子 どもの 精 神 保 健 の 代 表 的 な 問 題 と 認 識 されており カウンセリン グや 心 理 療 法 が 行 われてきているが 非 行 や 自 殺 については 思 春 期 の 精 神 保 健 の 問 題 としての 取 り 組 みはまだまだ 不 十 分 な 状 況 にある 思 春 期 の 非 行 の 多 くは 一 過 性 で 思 春 期 後 期 以 降 は 減 少 して 適 応 的 な 成 人 になることがほとんど である 6) 思 春 期 にはアイデンティティを 模 索 し ながら 親 や 社 会 に 反 抗 する 行 動 が 顕 在 化 するが やがて 社 会 の 一 員 としての 自 分 の 居 場 所 を 見 つけ ていくとともに 権 威 に 対 する 攻 撃 性 は 低 下 してい くのが 通 常 の 発 達 過 程 である このような 典 型 的 な 非 行 はあまり 深 刻 な 精 神 障 害 にはあたらない が 子 ども 虐 待 や 不 適 切 な 養 育 環 境 などの 悪 条 件 が 伴 う 場 合 にはより 複 雑 な 精 神 症 状 が 伴 うことも あり 精 神 医 学 的 心 理 学 的 なケアが 必 要 である 逆 に 非 行 を 示 す 子 どもへの 対 応 においては 非 行 行 動 の 背 後 に 虐 待 やその 他 のトラウマ 体 験 がある 可 能 性 に 常 に 注 意 を 払 い 子 どもを 援 助 するきっ かけとしての 重 要 性 を 認 識 する 必 要 もある 幼 児 期 からの 攻 撃 的 行 動 を 予 防 することとともに 虐 待 やいじめなどの 暴 力 被 害 から 守 ることが 思 春 期 の 非 行 のリスクを 下 げるためには 重 要 である 一 方 自 殺 は 今 後 小 学 生 や 中 学 生 の 精 神 保 健 の 問 題 として 取 り 組 んで 行 かなければならない 重 要 な 課 題 である 既 に 述 べたように 自 殺 はうつ 病 などの 精 神 疾 患 との 関 連 が 非 常 に 強 いことから 自 殺 予 防 は 精 神 保 健 活 動 として 位 置 づけられるよ うになっているが 思 春 期 の 自 殺 については 精 神 保 健 の 問 題 として 十 分 には 認 識 されていない 傾 向 がある いじめが 関 連 した 自 殺 に 注 目 が 集 まった ことから 中 学 生 や 高 校 生 の 自 殺 はいじめを 巡 る 学 校 管 理 に 関 する 議 論 にすり 替 えられてしまい この 年 代 の 子 どもたちの 精 神 保 健 対 策 についての 議 論 が 十 分 にできていないことが 懸 念 される 近 年 の 疫 学 的 研 究 では 小 学 生 の 約 1 割 中 学 生 の 約 2 割 に 有 意 な 抑 うつ 症 状 があることが 報 告 され ており 11) この 年 代 の 子 どもたちにもうつ 病 は 無 縁 でないことが 示 唆 されている そうだとすれ ば 子 どもの 自 殺 を 予 防 していくためには 成 人 の 自 殺 予 防 活 動 と 同 様 に 気 分 障 害 を 早 期 発 見 し て 治 療 することが 重 要 な 方 法 のひとつになるので 70

ある いずれにしても 非 行 も 自 殺 も 思 春 期 の 重 要 な 精 神 保 健 の 課 題 であり 地 域 や 学 校 での 子 どもの 精 神 保 健 活 動 で 積 極 的 に 取 り 組 んでいかなければ ならない 問 題 である おわりに 思 春 期 は 子 どもにとってとても 生 き 抜 くのが 大 変 な 時 期 でもある それは 命 がけの 課 題 であり まさに 第 二 の 出 生 といえる 非 行 が 一 時 的 な 行 動 化 に 終 わらず 反 社 会 的 な 成 人 になれば それ は 社 会 的 な 死 になりうるし 自 殺 を 遂 げてし まえば 本 当 の 死 となる この 困 難 な 時 期 を 乗 り 越 えて 人 間 の 子 どもは 初 めて 成 体 に 達 する ことができるのである 子 どもにとっては 危 機 であるが 支 援 する 側 から 見 れば 支 援 のきっかけ でもある 思 春 期 の 激 しい 行 動 化 は 単 に 思 春 期 の 問 題 では なく 乳 幼 児 期 からの 累 積 的 問 題 の 表 れでもある その 場 だけの 援 助 だけでなく その 子 どもの 育 ち も 含 めた 視 点 からの 援 助 が 激 しい 思 春 期 を 乗 り 越 えて 適 応 的 な 成 人 に 成 長 していくための 重 要 な 支 援 である 文 献 1.Ono Y, Suicide in children and adolescents: a Japanese perspective, In Garralda ME, & Raynaud JP(eds.), : Culture and Conflict in Child and Adolescent Mental Health, 171-189, Lanham, MD: Jason Aronson, 2008 2.American Psychiatric Association 高 橋 三 郎 大 野 裕 染 矢 俊 幸 訳 DSM-IV-TR: 精 神 疾 患 の 診 断 統 計 マニュアル 新 訂 版 医 学 書 院 2004 3. 国 立 武 蔵 野 学 院 児 童 自 立 支 援 施 設 の 入 所 児 童 の 被 虐 待 体 験 に 関 する 研 究 国 立 武 蔵 野 学 院 2000 4. 法 務 省 総 合 研 究 所 法 務 研 究 所 研 究 部 報 告 11 児 童 虐 待 に 関 する 研 究 ( 第 1 報 告 ) 2001 5. 警 察 庁 生 活 安 全 局 少 年 課 平 成 19 年 中 における 少 年 の 補 導 及 び 保 護 の 概 況 http://www.npa.go.jp/safetylife/syonen39/ syonen19.pdf 6.Conner DF 著 小 野 善 郎 訳 子 どもと 青 年 の 攻 撃 性 と 反 社 会 的 行 動 -その 発 達 理 論 と 臨 床 介 入 のすべて 明 石 書 店 2008 7. 自 殺 予 防 総 合 対 策 センター 自 殺 対 策 の 基 礎 知 識 ~ 地 域 や 職 場 で 自 殺 対 策 に 取 り 組 むために~ 国 立 精 神 神 経 センター 精 神 保 健 研 究 所 2008 8.Sudak HS, Suicide, In Sadock BJ, & Sadock VA(eds.), Kaplan & Sadock's Comprehensive Textbook of Psychiatry, the 8th edition, Lippincott Williams & Wilkins, 2442-2453, 2004 9. 厚 生 労 働 省 大 臣 官 房 統 計 情 報 部 人 口 動 態 保 健 情 報 課 (2009) 平 成 19 年 人 口 動 態 調 査 http://www.e-stat.go.jp/sg1/estat/list. do?lid=000001032157 10. 三 上 克 央 大 屋 彰 利 赤 坂 邦 ほか 青 年 期 アス ペルガー 障 害 における 自 殺 企 図 の 1 例 精 神 神 経 学 雑 誌 108(6):587-596 2006 11. 傳 田 健 三 子 どものうつ 病 - 見 逃 されてきた 重 大 な 疾 患 金 剛 出 版 2002 * * * 71