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著 作 権 について 再 配 布 可 能 とにかくあなたの 名 義 でもいいのでどんどん 広 めてもらえるとうれしいです 2 p Copy right
津 田 沼 大 根 会 社 ささせーるす 佐 々 賢 太 郎 なぜ 理 不 尽 な 環 境 にいる 人 ほど 感 謝 をするのだろう? いやあ はじめまして 私 は 佐 々 賢 太 郎 といいます この 物 語 の 冒 頭 と 最 後 を 担 当 します よろしくお 願 いします ところでよく 私 は 暇 さえあれば 公 民 館 に 行 っては 本 をたくさん 読 んできます 本 を 読 むと 考 える 力 がついてきます でも 本 を 読 んだからといって 頭 が 良 くなるとは 必 ずしもそうではないようです 本 を 読 まなくても 頭 のいい 人 はたくさんいます ずる 賢 い 人 は 本 よりもたくさんの 人 に 出 会 い そしていろんなことを 学 んだ でも 彼 らもそういう 体 験 だけじゃ 足 りないから 本 をよく 読 みます これは 僕 の 友 人 大 根 会 社 という 正 体 不 明 の 会 社 において そこの 社 長 ささが 体 験 した 貴 重 なもので あります その 中 にて 彼 が 心 打 たれた 体 験 をひとつ あなたに 紹 介 しましょう あなたは 年 上 の 人 を 敬 うことができますか? 3 p Copy right
もちろん 敬 うことができる 人 もいれば むしろ 見 下 したくなる 人 もいるでしょう 私 も 敬 う 人 と 見 下 したくなる 人 がいます で あなたに 質 問 ですが 見 下 す 人 に 感 謝 することができますか? 私 が 何 を 言 いたいのか? あな たは 今 五 年 以 上 生 きていると 確 信 しています その 中 において 悔 しいことや 騙 されえ 法 律 さえなけれ ば 殺 してやりたいと 思 ったこともあるでしょう そんな 殺 してやりたいと 思 った 人 に 感 謝 することっ てできますか? なぜ 感 謝 しないといけないのか? それはこういう 人 とは 付 き 合 ってはいけませんよ こんな 人 に なったらあんたもこうなってしまいますよということを 教 えてくれるからです 感 謝 しないとあなた もそういう 嫌 な 部 分 に 気 がつかずに 嫌 な 人 間 のしていることと 同 じ 事 をしている 可 能 性 がありま す 感 謝 することによって 自 分 が 嫌 な 人 間 になるのを 防 ぐのです 嫌 な 奴 のために 感 謝 するのではあ りません 結 果 として 自 分 がのびのびと 誰 にも 邪 魔 されず 生 きていくために 感 謝 しておくのです 今 回 は 大 根 会 社 のささが 体 験 したことをあなたにお 伝 えしましょう まあ 内 容 はちょっと 受 け 入 れ がたいところが 入 っています 何 せ 少 年 を 使 った 犯 罪 ですから 少 年 少 女 の 表 記 だと 書 いている 自 分 としても 不 満 が 出 るので そこを 動 物 ( 犬 猫 オオカミなど)にたとえてお 話 をしていきます こ れらの 物 語 に 出 てくる 動 物 たちはあなたの 想 像 によって 動 物 にも 人 間 にもなることができます 決 し てどっちなのと 固 定 しないでいただくと 読 み 応 えある 内 容 になると 思 います 一 アイスを 要 求 する 子 犬 僕 の 名 前 はささ さっきまでしゃべっていた 佐 々とは 人 間 が 違 う よろしく 僕 の 紹 介 を 簡 単 にしよう 僕 は 北 海 道 釧 路 で 生 まれて ある 日 夢 の 中 に 出 たお 告 げにより はるばる 千 葉 県 船 橋 市 津 田 沼 まで 引 っ 越 してきた 津 田 沼 がどこにあるかわからないならグーグルやヤフーで 検 索 してみるといいよ 町 はおそらくあんたの 栄 えている 町 と 同 じだと 思 ってもらえるといい なぜ 引 っ 越 したのか 最 初 は 後 悔 したよ 何 せ 知 り 合 いも 何 もかもいないからね でも 知 り 合 いはいなくて も 僕 の 噂? を 聞 きつけてその 日 のうちに 野 良 猫 とカラスとスクーター そして 白 い 煙 (どうやらミ ンミンゼミのようだ)がいきなり 日 本 語 でしゃべって あんたの 部 下 になりたいな といってきた 桃 太 郎 みたいな 超 展 開 に 最 初 は 笑 ったよ なぜ 猫 やカラスがしゃべるのだろ? と 思 っていたけれど どうやら 僕 が 引 っ 越 した 千 葉 県 そのもの がおかしくなっていることに 気 がついたんだ 千 葉 県 だけでなく この 世 界 そのものがおかしいって ことに あ でもこれを 書 いている 作 者 なんてもっと 頭 おかしいんだぜ 何 せ 洗 濯 機 を 見 つめていた らそれを 風 呂 代 わりとして 入 っていた 恐 ろしい 男 だからな こんな 作 者 も 含 めて 僕 の 回 りでは 人 間 と 4 p Copy right
動 物 機 械 がコミュニケーションをとっているんだ これってありえないだろ? しかも 彼 らの 動 物 くさい 語 尾 が 面 白 い ですわ にゃん ~だわん など 生 き 物 としての 名 残 ある 語 尾 がきちんとついてくるのだ 僕 は 最 初 とっても 怖 かったよ 何 せ 日 本 語 をしゃべるのは 日 本 人 か あるいは 日 本 語 を 勉 強 した 異 国 の 人 間 だけだと 思 っていたか ら でもそうじゃなくてここでは 動 物 も 機 械 も 家 もみな 日 本 語 でしゃべっている あ そうそう あとひとつ 驚 いたのが 人 間 なのか 動 物 なのか 見 分 けがつかなくなったことかな? 一 度 東 京 に 足 を 運 んだけれど 渋 谷 の 交 差 点 でみかけるのは 人 よりも 犬 猫 ライオンなど 危 険 な 奴 もいればかわいい 奴 もいた リボンをつけた 犬 が 黒 い 猫 の 頬 を 舌 でなめっていたとき 何 をしている んだろう? と 猫 に 聞 いてみたんだ そしたらあれは 風 俗 へ 誘 うためのキスだといった これには 驚 いたよ しかもこいつらが 妙 に 人 間 臭 くてと 思 ったら 俺 らは 人 だというからさらに 驚 いた 彼 らから 観 て 僕 はどんな 動 物 に 見 えるんだろう? まあ あんたもこれを 読 んでいると 果 たしてこい つは 動 物 なのかそれとも 人 間 なのかはたまた 機 械 なのか 本 当 に 戸 惑 うかもしれない だがこの 僕 で すらとまどっているのだ こいつらは 人 間 なのか 動 物 なのかよくわからない 僕 の 話 を 聞 いていてこ いつは 猫 であるにもかかわらず 人 間 みたいだなと 思 ったら あんたの 頭 には 猫 でなく 人 間 を 思 い 描 い てくれ 逆 にこいつ 人 間 なのにどうしてオオカミみたいな 行 動 を 取 っているのだろうと 感 じたら そ のときの 空 想 をオオカミにしてほしい そうしないとあんたの 頭 が 狂 ってしまうからな こんな 地 球 であって 地 球 じゃない 世 界 において 僕 は 一 匹 の 子 犬 (そこらの 少 年 だと 考 えてくれ)と であった この 子 まだ 人 間 の 年 齢 で 言 うと 十 歳 なのにすげえことするし 生 きることの 覚 悟 がそこらの 大 人 よ り 違 うと 今 でも 確 信 している あんたもおそらく 驚 くよ この 子 にどんな 人 生 があったのかってことを 5 p Copy right
社 長 昨 日 販 売 した 舞 台 裏 売 り 上 げ 初 日 で 部 数 三 十 超 えたにゃり うちの 社 員 猫 ことチョビが 言 う ちなみにうちの 猫 はかなりの 切 れ 者 でスパイにももってこいなの だ 偵 察 などそういった 隠 密 任 務 は 全 て 彼 女 に 任 せている 社 長 取 引 先 の 密 告 社 から 連 絡 がきています 静 かに 冷 たく 言 う 秘 書 のカラス 彼 女 はこれでも 元 暴 走 族 クローズド バーズ のヘッドだという のだから 驚 きだ ヘッドだからなのだろうか どんなときでも 冷 静 にクールでいることができる こ の 冷 静 さのおかげでいろんな 取 引 先 が 来 るけれど みんな 帰 りは 涙 目 になりながら 帰 るものだ うおおおお 俺 のタイヤがくるくる 回 るぜーーー 大 きく 燃 えている 奴 それは 僕 の 運 転 係 兼 営 業 係 りのスクーターのカブ 君 彼 はこの 会 社 の 中 で 唯 一 既 婚 者 で 人 情 もろく 特 に 涙 モノに 弱 いから 時 々 騙 されることもある (カブさん そんなに 激 しくやったら 燃 え 尽 きてしまいますよ 誰 かがそっとささやく これは 僕 らの 目 に 見 えないけれど そこにいる そいつの 名 前 はセミ なんと 夏 の 間 だけしか 肉 体 が 存 在 しないのだ それ 以 外 は 冬 眠 すなわち 声 と 空 気 だけで 生 きているようなものである ほら よくホラー 話 にこうあるだろ? 白 い 煙 が 君 の 後 ろを 歩 いているって ちなみに 彼 の 役 割 はほとんどない 本 当 に 空 気 に 近 い 存 在 である でも 彼 がいないと 僕 らは 仕 事 がで きなくなるのだ なぜなのかそこのメカニズムはよくわかっていないけれど とにかくやる 気 と 運 気 をあげてくれる 社 員 として うちの 大 根 会 社 で 働 いているのだ 人 間 はこの 僕 一 人 だけ その 他 はみな 動 物 機 械 でなりたっているのがこの 大 根 会 社 だ でもさ 彼 らが 時 々 人 間 に 見 えるときだってある 僕 ですら 頭 がごっちゃになっているんだ あんたは 余 計 ごっ ちゃになっているだろ? 彼 らは 給 料 よりもえさで 動 く 日 本 人 のように 明 日 や 未 来 を 見 据 えて 生 き るのではなく オーストラリアやコロンビアのように 今 日 よければ 明 日 はどうでもいいと 考 えてい る でも 忠 誠 心 はすごい 人 を 雇 う 上 で 一 番 大 変 なのは 社 員 はそもそも 言 うことを 聞 かないことから はじめないといけないってこと 命 令 されればすぐに 動 くのが 社 員 だけれど 時 には 社 長 の 考 えに 反 して 逸 脱 した 行 動 をとるのも 社 員 だ 僕 は 臨 機 応 変 にそこを 対 処 している 何 せ 僕 があーだこーだ いってもたいていは 言 いくるめられる 負 けてしまうからね 6 p Copy right
社 長 って 意 外 と 普 段 は 弱 い 存 在 なのよ よし ちょっと 休 憩 しようぜ 僕 今 から 何 か 買 ってくるよ 何 がいい? 社 長 は 動 かなくてもいいにゃりよ 猫 が 言 う チョビ お 前 の 気 持 ちありがたいけれど お 前 らがんばってくれているんだ だからこれくらいや らせてくれ ではコーヒー ブラックでお 願 いします カラスが 空 を 見 つめながら 言 う BOSSでいいの? それともジョージア? ジョージアでお 願 いします おいらはついでにガソリンいれるっす じゃあ 二 人 で 行 こうか? そうでんな こうして 僕 は 自 分 からパシリになることを 選 択 して 近 くのスーパーに 足 を 運 んだ コンビニエンス ストアのジュースはスーパーよりも 三 十 円 分 高 い それくらいたいしたことないよといっていると お 金 で 困 ることになるぞ 何 せ 安 いところだったら 歩 いていけるところは 行 くのが 僕 らだから 僕 たちが 買 い 物 を 済 ませると 僕 が 買 ったアイスクリームをほおばりながら これからも 縦 に 業 績 伸 ばしたいな といった するとカブはこう 言 い 返 す 7 p Copy right
おいらは 今 のままでいいっす 何 せ 社 長 の 下 で 働 けるのが 喜 びだからさ いいこと 言 うなあ お 前 と 僕 がアイスを 食 べ 終 えたときだった 僕 の 前 に 一 匹 の 子 犬 が 近 寄 る 彼 は 僕 の 足 を 軸 に 何 度 も 回 った 僕 は 彼 の 頭 をなでる なんだ? 迷 子 か? あのーーー このアイスでもほしいのか? 僕 が 尋 ねると 子 犬 は 小 さく 頷 いた この 子 犬 かなり 度 胸 あるなと 僕 は 思 った あるいは 僕 をなめ てかかっているのか? 真 相 などわからない はい 本 当 でしたら 買 いたいのですが その 買 うことができなくて たかが 百 円 のアイスすら 買 うことができないとなると 親 は 相 当 お 金 の 管 理 に 関 してうるさいんだ な まあ 僕 の 母 親 もそうだったからわかるけれど どうして? お 金 がなくなっていくんです いくら 働 いても 僕 はその 言 葉 の 意 味 を 後 で 知 ることになるが 今 は 僕 の 頭 は? でいっぱいだった でもこういう 子 犬 の 発 言 に 僕 の 右 脳 がささやく こいつは 面 白 そうな 奴 だぞって あんたにはここでこっそりいう 大 根 会 社 は 利 益 を 上 げているけれど 余 計 な 損 失 も 出 ている その 一 番 の 原 因 は 僕 が 余 計 なことに 首 を 突 っ 込 むことなのだ どうしてって? それは 読 んでいてけばわ かることさ なんだ お 母 さんからお 小 遣 いもらっていないのか? お 小 遣 いもらえる 家 庭 は 幸 せですよね ま まあ そうっすな うちの 会 社 の 中 で 結 婚 しているのはカブのみである 僕 は 彼 女 すらいない 独 身 男 だ 笑 わないでく れ 僕 はこうみえてももてるんだ なぜか 人 間 以 外 の 動 物 に すごいだろ? アイスクリームならこれ やるよ 僕 はカラスのために 買 ったアイスクリームをあげた ありがとうございます 8 p Copy right
彼 は 深 くお 辞 儀 した 後 前 足 でアイスクリームをつかんでほおばりながらなめる そしてかむ 何 度 も ありがとう とつぶやきながらアイスクリームを 食 べていた この 光 景 に 僕 とカブはお 互 い 目 を 見 詰 め 合 う (この 犬 の 家 庭 はどれだけ 崩 壊 が 進 んでいるだろう? 親 がネグレクトなのかな) ちなみにネグレクトってのは 育 児 放 棄 親 があまりにも 親 だと 自 分 で 認 めることができない 行 為 から 生 まれるものだ でもおままごとの 世 界 で 親 の 役 割 って 何 かわかるはずなんだけれどなあ おま まごとってちなみにどんな 意 味 かわかるかい? ありがとうございます 本 当 にありがとうございます 子 犬 はアイスクリームを 食 べた 後 何 度 も 僕 とカブに 言 った いや 僕 らは 何 もしていないからさ ね しっかりと 挨 拶 ができているじゃないか また 困 ったら 家 くるっす ううう アイスくらいいくらでもおごってあげますよ すみません ありがとうございます といって 子 犬 は 頭 を 下 げた 後 どこかに 走 り 去 った しつけできてるっすね 家 の 子 も 見 習 わせたいっす 本 当 だな あの 姿 をからすと 猫 にも 教 えてあげよう 僕 らはたった 三 分 の 手 土 産 話 を 手 に 入 れた ふ~~ん それで 私 だけアイスクリームがないと カラスは 僕 らが 言 ったことは 言 い 訳 にしかすぎないように 目 を 吊 り 上 げて 言 う こいつにはいくら 礼 儀 正 しいことが 社 会 生 きるうえで 大 切 だと 言 っても 通 じないだろうな 9 p Copy right
悪 かったよ でも 話 は 本 当 なんだ ふ どうだか? カラスは 僕 をあざけ 笑 うように 言 った こいつこういうところがかわいくない だから 結 婚 もできな いんだろうな まあまあ カラス チョビのアイス 残 り 半 分 あげるにゃり それにしてもそういう 丁 寧 な 犬 もいる にゃりね チョビも 会 いたいにゃり チョビ 全 くその 丁 寧 な 奴 のせいで 私 のアイスがとられたとなると 後 で 買 ってくるよ カラス 僕 はカラスをなだめる 社 長 おかしいですよ 第 一 丁 寧 な 子 だけでもしかしたら 裕 福 な 子 かもしれないじゃないです か? カラスは 礼 儀 正 しい 子 犬 のほうよりも 自 分 のアイスを 子 犬 に 横 取 りされたことに 怒 りを 感 じている ようだ いい 大 人 がこうだと 終 わっているな まあ そうかもしれないけれど でもあの 犬 の 目 を 観 ていたらなんだかわけありな 感 じす るんだよね その 余 計 なお 世 話 でアイスはともかく 利 益 の 四 割 はなくなっているんですよ 雑 損 として 僕 は 経 営 者 失 格 だな 翌 日 も 僕 は 仕 事 の 休 憩 がてら 今 度 はエクレアを 買 った 僕 は 今 モノテール 製 のエクレアにはまって いる 単 価 が 安 いのと 安 心 して 食 べることができるのが 売 りだからね なぜか 僕 は 六 個 買 った 僕 カラス チョビ カブ セミそして 残 りひとつはあの 犬 のためだ と また 僕 が 歩 いていると 犬 が 寄 ってきた 10 p Copy right
よお 昨 日 はありがとうございます 子 犬 はまた 丁 寧 におじぎをする これ 食 べる? ありがとうございます 感 謝 しています 子 犬 は 深 くお 辞 儀 してエクレアをほおばった 君 名 前 は? アリスといいます アリスったらメス 犬 だな かわいい 名 前 だね 僕 オスなんですよ この 名 前 でいじめられて 言 ってはいけないことを 言 ってしまったようだ 悪 かった 君 の 家 では 何 かそうだな マナーについて 教 えてもらっているのか? ええ 母 に 教 えてもらっています マナーいいと 悪 い 奴 よりお 得 だぞって しっかりした 犬 だ それにそういうことを 教 える 母 犬 もたいしたものだなと 僕 は 思 った いい 母 親 だな そうか アリス 君 がアイスクリームなどを 食 べたいと 僕 にせがんだのはもしかし て 親 が 厳 しすぎるからなんだろうな 何 子 犬 にむかって 僕 はわけのわからないことを 言 っているんだろう いいえ 違 います 今 僕 が 何 を 言 ったのかわかったのかな? それはある 意 味 すごい! おかあさんは 優 しいです お 父 さんも 優 しいです 妹 も 弟 も ぴりりりりりり どこからか 携 帯 電 話 のなる 音 がする 僕 はアリスの 瞳 が 固 まるところを 見 逃 さなかった すみません アリスは 僕 に 頭 を 下 げると 僕 から 少 し 離 れたところで 電 話 をかけた 電 話 の 主 は 誰 だろう? でもた 11 p Copy right
だ 事 じゃないなというのは 僕 でもわかった アリスは 僕 に 顔 を 合 わせることなく 電 話 に 出 る そして 携 帯 電 話 をポケットに 入 れた 通 話 が 終 わったのだろう あの 僕 はこれで お その 前 にひとついい? はい アリス 君 は 今 いくつだい? 十 歳 です 犬 の 年 だともうおっさんだが ここではあえて 人 間 の 年 で 考 えてもらいたい そうするとわかるだ ろ? この 子 はまだ 子 供 だって 十 歳 なのにこの 礼 儀 正 しいところはどこからくるのだろうか? じゃあな アリス はい あの お 名 前 を ああ 悪 い 僕 はささだ この 大 根 会 社 ってところの 社 長 さ よろしくな 僕 はアリスに 名 刺 を 渡 した このとき 本 当 に 名 刺 渡 してよかったと 思 っている たった 手 のひらサイズに 書 かれている 情 報 が 人 の 命 を 救 うんだ これって 尊 い 行 為 だよね? 次 の 日 アリスは 姿 を 現 さなかった ちょっと 僕 は 寂 しい 気 持 ちになった 僕 はアリスと 話 をしたい 彼 と 話 すとそこらの 会 社 仲 間 とは 違 う 次 元 の 世 界 が 見 えてくるのだ むし ろ 回 りやテレビでお 笑 い 芸 人 が 話 していることが 本 当 に 程 度 低 いなってことがわかる これが 成 長 と いうものだろうか? 僕 の 子 供 時 代 なんて 本 当 に 遊 んでばかりだった 外 で 遊 んでは 中 でゲームばかりしてよく 親 に 叱 られ 12 p Copy right
たっけ しかも 小 学 校 時 代 ってのは 非 常 に 友 達 がいる いないを 気 にする いじめがなくならないの はいじめられてでも 友 達 になりたいというゆがんだ 心 から 生 まれているものだ 今 の 僕 だったらみん な 無 視 してもありがたいと 思 う 向 こうからかまってきたらやり 返 す そういえばキリストはやられ てもやり 返 すなといっていた 一 方 ハムラビ 法 典 ではやりかえしてしまえと 書 いている 解 釈 はいろ いろとあるけれど 僕 はやり 返 したくてもやり 返 すことができない やはりやり 返 したときに 失 うも のが 多 かったと 表 いるから あのときの 僕 は 本 当 に 意 気 地 なしだった いじめられっこにいわれてい るからね でもおかげで 絶 対 に 会 社 で 働 かないで 会 社 を 作 ってそこで 仕 事 するんだっていう 決 心 だけ はついたものだ いじめっ 子 から 逃 れるためには 彼 らのいない 場 所 を 作 ればいいだけなんだからね 今 の 話 はノンフィクションだ よく 覚 えて 置 けよ いじめられたかったら 忘 れてもいいんだぜ 二 アリスの 秘 密 アリスが 姿 を 現 したのは 五 日 後 だった アリスは 目 だけうつろながらも 僕 と 顔 を 合 わせるとにこっと した おはようございます さささん 今 時 刻 は 午 後 六 時 である この 時 間 におはようございますはおかしいと 思 う でも 仕 事 の 入 りだと よくこの おはようございます が 使 われる そう 十 歳 ながらも 彼 は 働 いているのかもしれな い いや 働 いているんだっけ よう おはよう 仕 事 の 挨 拶 を 僕 も 交 わす どうしたんだい? もう 外 は 暗 いよ 実 はさささんにご 馳 走 を 名 刺 を 頼 りにしてきたのですがわからなくて そうかい それはありがとう あの よければ じゃあ お 言 葉 に 甘 えていただくとしよう 僕 はアリスの 後 についていった するとアリスを 待 っているかのように 三 匹 の 子 犬 がアリスに 近 づく 彼 らから 見 て 僕 はどのくらい 13 p Copy right
巨 人 にみえるのだろう? お 兄 ちゃん 兄 わん にいにい そして 三 匹 の 子 犬 は 僕 をじっとみた 僕 は 作 り 笑 顔 で 彼 らに 返 す 紹 介 します 赤 いリボンをつけたのが 僕 の 妹 タイガ そして 青 いリボンが 僕 の 弟 ユリア そして 黄 色 のリボンをつけたのがジャック よろしく 三 匹 の 子 犬 は 足 元 が 震 えていた まあそれは 緊 張 するよね 彼 らは 無 言 でぺこりと 頭 を 下 げた 僕 の 家 はここです そこは 鉄 の 屋 根 でできていて 木 造 のアパートだった ドアを 開 けるのにアリスがぐっと 力 をいれて ぎゅっと 空 く しまるときなんてのはまるでお 化 けが 出 てきそうないやらしい 音 だった おそらくこ のアパート 失 礼 だけれどホラー 小 説 として 成 り 立 つよ 家 にあがると 二 匹 の 親 犬 が 頭 を 深 く 下 げていた ようこそお 越 しくださいました アリスがお 世 話 になっています アリスの 両 親 だ ささです よろしくお 願 いします こちらこそ よろしくお 願 いします アリスの 父 親 は 聞 くところによると 倉 庫 整 理 をしていて 母 親 はパートで 働 いているとのことだ 三 匹 の 子 犬 はその 間 児 童 館 に 預 けられていて そこで 仲 間 とたっぷり 遊 んだ 後 家 に 帰 ってくるのだそ うだ なんと 幸 せな 家 庭 だろうか? 僕 はちょっと 思 った アリスのお 仕 事 を 知 るまでは アリスの 母 親 は 本 当 に 料 理 がうまい 彼 女 が 作 ったのは 鍋 だった 鶏 肉 をいれて 豆 腐 を 入 れて そ して 白 菜 長 ネギ 玉 ねぎの 甘 さが 味 噌 汁 と 絡 みあう 飲 んでいてほっとしてしまった 時 々 付 き 合 いでキャバクラいくが ここはキャバクラとは 違 った 居 心 地 の 良 さを 感 じる 14 p Copy right
ご 馳 走 様 でした 本 当 にありがとうございます いえ こちらこそお 礼 をいいたくて アリスは 友 達 がいないんです 兄 弟 の 世 話 をしているアリスに 聞 こえないよう 父 親 は 言 う アリスは 夜 十 時 になると 毎 晩 外 に 足 を 運 びます そしていつも 朝 七 時 に 帰 ってきてすぐ 学 校 に 行 き ます アリスはどこに 行 くんですか? それは なぜ 父 親 はこういうことを 言 うのだろう? 何 か 危 険 な 匂 いがする 夜 の 仕 事 でしかも 十 歳 の 少 年 が 働 く 場 所 といえば 僕 が 考 えるのはひとつしかなかった もしかして 危 ないところではありませんよね たとえば 風 俗 とか ち 違 います 母 親 は 首 を 横 に 振 る 知 り 合 いのマウオさんの 手 伝 いをしているって 子 供 は 仕 事 したら 禁 止 のはずでは? 確 かにわかっています 父 親 は 今 にも 泣 きそうな 顔 で 目 を 閉 じる でもいつもアリスは 手 に 一 万 円 を 持 ってきて 帰 ってきます その 1 万 円 がないと 我 々の 生 活 もなり たたないのです 僕 の 1 年 前 を 思 い 出 すな 仕 事 内 容 も 聴 いたらただ ただ 寝 ているだけでいいってことで なるほど 睡 眠 時 間 はそこでとっているんだな でも 睡 眠 時 間 でお 金 を 得 ることができるなんてどん な 生 活 しているんだろうか? いやどうして 寝 るだけでお 金 を 得 ることができるのだろうか? やっ ぱりこれは 僕 の 右 脳 がささやく アリスはきちんと 寝 ているんですね? ああ いつもテストでは 百 点 満 点 ばかりだから その 言 葉 を 聴 いてほっとした 最 後 にひとつきいていいですか? 15 p Copy right
はい アリスはどこで 寝 ているんですか? レディードックという 事 務 所 レディードック 犬 女 という 直 訳 だな 違 うかもしれないが 時 計 を 見 るともう 十 時 になろうとしていた 気 がつくとアリスの 兄 弟 たちはもう 寝 ていた 彼 らの 顔 を 見 ると 世 界 は 純 粋 なんだなと 言 うことがわ かる これからどんどんいろんなことを 知 って 黒 く 染 まっていくのかと 思 うとなんともしがたい 気 持 ちになる 実 際 黒 い 部 分 を 知 らないと 人 間 としていい 奴 には 成 長 できない いいところを 観 て 悪 いと ころを 観 て 体 験 して そうやって 人 間 も 動 物 も 大 人 になっていくのだ さささん 今 日 はここにとまっていかがでしょ? そうしたいのですが 実 は 今 日 ちょっとこれから 打 ち 合 わせがあって これからですか? ええ うちの 仕 事 は 二 四 時 間 ですから といっても 深 夜 十 二 時 以 降 は 全 ての 仕 事 を 停 止 しているん ですけれどね そうですか 夜 道 には 気 をつけて お 父 さん お 母 さん と アリスが 立 っていた 僕 は 気 がつかなかった おお 行 ってくるのか? ええ 行 ってきます アリスは 夜 だというのにこれまでもなくきりっとした 瞳 で 軍 隊 の 整 列 のごとく 立 っている まるで これから 戦 場 に 行 く 青 年 のようだ 気 をつけろよ 僕 もアリスの 父 親 と 同 じことを 言 った 大 丈 夫 です どこまで 行 くんだ? ちょっと 津 田 沼 駅 に そうか 16 p Copy right
じゃあ 送 っていくよ あ 大 丈 夫 です 歩 くのが 日 課 なので そうか 十 分 もかかるけれど 大 丈 夫 ですよ アリスは 口 を 閉 じながらべたーっと 横 に 伸 ばす 気 をつけるのよ お 母 さんもお 父 さんも 仕 事 で 体 壊 さないでくださいね あ ああ 父 親 がアリスをまっすぐ 見 つめなかった 父 親 は 間 違 いなくアリスのしていることを 知 っていると 僕 は 感 じた でも 今 問 いただしても 決 して 口 を 割 ろうとしないだろうな じゃあ 行 ってきます では 僕 もこれで こうして 僕 はアリスの 家 を 後 にした たいてい 礼 儀 正 しいのは 年 の 離 れたしかも 初 対 面 の 他 人 と 接 しているときだ 親 や 兄 弟 それにクラス の 連 中 と 接 しているときはほとんどそうならない 他 人 とたくさん 接 してそこでマナーを 身 につける ことが 大 人 になるための 条 件 であると 僕 は 思 っている あんたはどうだい? あんたは 初 対 面 の 他 人 と 何 人 か 付 き 合 ったことがある? それも 仕 事 や 趣 味 など 共 通 目 的 のないところでさ 三 脅 迫 翌 日 僕 は 会 社 に 行 く 前 に 必 ずニコニコ 動 画 YOUTUBEを 見 てからいく 動 画 を 見 るのではな く 音 楽 を 聴 いてから 会 社 に 行 くのだ ニコニコ 動 画 ってところがある そこの 書 き 込 みでこういう 17 p Copy right
フレーズがあると 笑 ってしまう ---これを 観 てから 毎 日 学 校 に 足 を 運 びます--- こういうのを 観 ると 笑 ってしまう どうやら 人 間 は 戦 闘 に 行 く 前 に 心 を 盛 り 上 げるための 音 楽 が 必 要 になってくるんだなと 僕 はいつものように 会 社 ---といっても 会 社 は 二 階 にあるんだなこれが---に 足 を 運 んだ おはよう おはようございます おはようにゅり おはようっす (おはようございます) 社 員 一 同 みんないるな と カラスが 僕 の 前 に 来 て 手 紙 をみせる 社 長 また 余 計 なことに 足 を 入 れましたね 何 これ 脅 迫 状 ですか カラスが 僕 に 見 せたのは 脅 迫 状 である 文 字 は 全 て 明 朝 で 書 かれており しかも 手 書 きではなくパソ コンだ 二 度 とアリスに 近 づくな もし 近 づいたらお 前 の 事 務 所 は 微 塵 のものとなると 思 え この 一 言 のみだった アリスってあの 子 犬 ですよね? ああ いったい 何 があったんだろう? 脅 迫 状 ごときにビビル 僕 らではない 何 せうちには 元 暴 走 族 のヘッド それに 幽 霊 忍 者 そしてサイ バーテロすら 起 こせる 社 員 がいるのだ まさにある 意 味 無 敵 の 社 員 たちである 18 p Copy right
この 脅 迫 状 送 った 奴 今 度 見 つけたらうちの クローズド バーズ の 仲 間 読 んでぼこぼこにして やる カラスの 瞳 が 静 かに 赤 く 燃 える うちに 脅 迫 状 送 るなんてあほな 奴 もいるにゃりね チョビはニヤニヤしながらパソコンのキーを 叩 いた うちらの 恐 ろしさ 見 せてやりましょうよ カブは 相 変 わらず 車 輪 を 回 している (なんなら 呪 いをかけてやりましょうか? 私 の 仲 間 みな 自 縛 霊 ばかりですから) セミはセミですごい 仲 間 を 連 れているものだ 送 ったやつは 大 体 検 討 ついている レディー ドック この 一 味 だろう おそらくこの 会 社 の 社 員 一 人 が 僕 らを 見 張 ってそしてアリスと 別 れた 後 僕 を 見 張 ったに 違 いない カブ お 前 のパソコン 知 識 を 使 ってレディードックの 情 報 を 教 えてほしい そいつがこのバカ 手 紙 を 送 ってきたっすね? おそらく でも 確 信 がない カブはネット 検 索 で レディードック で 検 索 した 二 百 件 のサイト 数 がヒットする レディードッ クのホームページをはじめとするたくさんのサイトだ ちょっと 話 がずれるけれど 検 索 できたお 客 さんというのはたいてい 情 報 がほしいから 検 索 する そこを 基 点 にしてサイトを 造 るとあら 不 思 議 サイトからバンバン 収 入 が 増 えるというわけだ 話 を 元 に 戻 そう どこかのヘンタイが 書 いたレビューがたくさん 載 っている 僕 は 一 件 ずつそのレ ビューを 見 ていった 正 直 気 持 ちいい 合 法 で 禁 止 されている 十 歳 の 子 は 俺 のリクエストどおりに 動 く くわえろといっ たらくわえてくれるし 入 れるときもかぱっとあけて 入 れてくれる 最 初 は 罪 悪 感 会 ったけれど 彼 らはこういっているから 間 違 いなくこれは 犯 罪 ではない なんていっているのかと 言 うと 私 は 八 歳 のころから 性 の 楽 しさを 知 った 回 りのニ 連 中 をそそ のかしても 全 く 動 いてくれない もう 大 人 でやりたいので 私 が 小 学 生 だからという 理 由 で 誰 もやらせ てくれない そんなときに 一 番 いいのがレディードックだ と 19 p Copy right
ついさっき 十 歳 の 子 犬 とやった でも 子 犬 だけじゃ 物 足 りないから 九 歳 のメス 犬 とオス 猫 を 呼 んで 彼 らにセックスさせた 観 ているだけで 気 持 ちいい 僕 らは 仕 事 を 忘 れていた これは 最 低 すぎる カラスがはきすてるように 言 う 需 要 はあるにゃりね でもこれは 大 人 として 見 過 ごしておけないことにゃりね しかもついさっきって 投 稿 時 間 がたった 1 時 間 前 だから アリス お 前 僕 は 後 悔 した 他 人 のことだからといって 口 を 出 さなかったのだが これは 出 しておけばよかった と 社 長 こいつら 壊 滅 させてあげましょうよ お 前 に 言 われるまでもないよ こいつらはぶっ 潰 す 余 計 なことに 首 を 突 っ 込 む 気 ですか? 社 長? ごめん カラス でも 見 過 ごせない カラスはふうっとため 息 をついた でも 目 は 赤 く 燃 えている 僕 は 正 義 を 気 取 るのが 大 嫌 いだ だって 正 義 のためにしたことが 不 幸 を 呼 ぶことをしっているから それに 正 義 をかもしだしている 連 中 ほど 多 くの 犠 牲 を 正 義 の 名 の 下 平 気 で 不 幸 な 行 為 をしているこ とに 気 がついてない でもこれは 別 だ 正 義 悪 という 考 えを 抜 かして 純 粋 に 腹 がたってきた ぶっ 潰 すのいいけれど 敵 が 何 者 か 情 報 が 少 ないにゃりね チョビ お 前 の 出 番 じゃないか 偵 察 頼 むぞ 仕 事 はどうするんですか? カラスは 冷 静 を 装 って 言 う 20 p Copy right
きちんとこなすさ ちょと 減 らすけれどな 僕 は 買 出 しでコーヒーを 買 った もちろん 社 員 全 員 分 の 僕 はあのレディードックを 潰 すためのことを 考 えていると アリスが 僕 の 後 ろにいたことに 今 気 がついた アリス お 前 どうしたんだ その 傷 アリスは 右 目 が 誰 かに 殴 られているように 腫 れていた しかも 頬 は 昨 日 にはないひっかき 傷 がついて いる 転 んだんです うそをつくな と 僕 は 右 奥 の 電 信 柱 から 殺 気 を 感 じる そうか 大 丈 夫 か? 僕 は 彼 の 前 にかがんだ アリスは 僕 に 涙 を 流 す もちろん 右 奥 の 電 信 柱 からその 涙 など 見 えないが あ すみません ちょっと 痛 くて 涙 でました あきらめるな 小 声 で 僕 は 言 った アリスはゆるんだ 糸 がピンと 張 ったように 僕 を 見 る お 前 のしていること でも 僕 は 君 を 最 低 だと 思 わない 僕 は 僕 は 21 p Copy right
あの 影 にお 前 を 傷 つけた 奴 がいるんだろ? アリスは 無 言 で 三 ミリほど 頷 く おい と 電 信 柱 からオオカミが 出 てきた 瞳 は 常 に 僕 をにらみ 引 き 締 まったからだとナイフのような 手 首 が 温 かい 風 をシベリアのごとくさせる 手 紙 送 ったよな 近 づくと 容 赦 しねえって と 僕 は 気 がつくと 囲 まれていた 気 がつくのが 遅 いな 自 分 でもわざと 僕 を 痛 めつけるためにあら かじめアリスという 罠 を 用 意 したのだ やれ リーダーのオオカミが 言 うと 同 時 に 四 方 八 方 からオオカミが 飛 んでくる 僕 はアリスを 抱 きかかえて すぐにオオカミの 一 匹 に 突 進 した 腕 を 引 っかかれたけれど 同 時 に 突 破 口 も 見 つかる オオカミは 早 い 速 い 突 破 口 を 作 ってもアリスを 逃 がすだけで 十 分 だった もともと 自 分 はぼこぼこにされて もかまわなかった 足 や 腹 をつめで 引 っかかれて あるいは 顔 面 パンチを 食 らった 鏡 なんてみたく ないなあ と 買 ったコーヒー 缶 が 落 ちる と 同 時 にオオカミたちが 消 えていった フォンフォンとサイレンの 音 が 聞 こえる 警 察 か あちこちから 血 が 出 る あいつら 少 しは 容 赦 してほしいものだ アリスは 逃 げることができただろうか? といってもすぐつかまるだろう 何 せアリスの 家 に 行 けば 彼 がいることくらいわかってしまうから この 借 りは 返 さないと じゃねえや アリスは 助 けを 必 要 としている 僕 はコーヒーを 回 収 し て よろよろと 警 察 のパトカーを 待 った 社 長 を 襲 うとは よほど 社 長 が 怖 いんでしょうね 22 p Copy right
カラスはいたって 冷 静 である 彼 女 は 包 帯 を 優 しく 巻 いてくれた こういうところが 女 性 だなと 思 う こういうところだけだが 社 長 大 丈 夫 にゃりか? それはおいといて おいておくのかよ レディードックの 情 報 つかんだにゃり まずそこのアルバイトなんだけれど 平 均 年 齢 十 歳 にゃ り 十 歳 っすか? うん しかも 集 めるのは 小 学 校 にある 掲 示 板 入 り 口 はここにゃりよ とチョビはカブに 命 じてあるサイトを 見 せた これは 学 校 の 書 き 込 みじゃないか 世 間 用 語 では2ちゃんねるのようなものにゃり 匿 名 ということを 利 用 してくだらないことばかり かいているにゃりね 確 かに 読 むと 一 人 の 書 き 込 み 主 に 対 して あいつきもい 死 ねばいいのに 今 度 みんなでしかとしようぜ など いじめを 誘 う 言 葉 が 平 気 でずらずらっと 書 かれている その 中 でもひとつだけ 目 を 引 いたものがあった それは メス 犬 という 名 前 のコメントだ ねえ 性 って 興 味 ない? おい この 書 き 込 みが? 23 p Copy right
そうにゃり カブ 君 がハッキングとスパイソフトを 使 ってホストとIPアドレスをつかんでおいた にャり そしたらこの 書 き 込 みがなんとレディードックからの 書 き 込 みだってことがわかったにゃ り これは ただの 質 問 に 感 じますね (でも メールアドレスがありますよ) セミがそういった 性 に 興 味 ない? セックスって 気 持 ちいいってどこかのエロ 雑 誌 で 知 った 俺 なんて 親 父 から 教 えてもらったぜ セックスってゴムないと 危 険 なんでしょ? 興 味 ある 人 ここにメール 送 ってみて そしたらいい 情 報 教 えてあげるよ メールアドレスは @. これは 誘 導 ですねえ うまいですねえ カラスが 変 に 頭 を 頷 いている 僕 も 思 わず 頷 きたくなった 小 学 生 をけしかけているのか 本 当 に 気 に 食 わないっす 唯 一 子 供 がいるカブは 今 にも 爆 発 しそうである 父 親 として 怒 りを 感 じているな 当 たり 前 っす でもこれは 父 親 でなくても 怒 りを 感 じるだろうな これでむしろ 興 味 を 持 ったらあんたはある 意 味 やばいぞ そしてどうするのさ? 24 p Copy right
そこだよなあ さっき 近 くでボスオオカミにこうぼこぼこにされたわけだけれど あい つ ただぼこぼこにしただけでは 決 してめげてこないと 思 うだ 僕 はあいつの 瞳 を 観 たとき 結 構 地 獄 を 経 験 している 奴 だなと 思 った 異 常 に 抑 揚 のない 声 つかい そしてただ 僕 だけをみているその 瞳 がそう 継 げる 社 長 リーダーのオオカミはすごく 頭 の 切 れる 者 なんですね? ああ おそらく じゃあ ただボコボコにしただけでは 心 身 からくじくことはできませんね さすがカラス 歴 戦 の 勇 士 だからそういうことがわかるんだろうな 奴 をくじくには そうだ ヒントを 知 っている 人 がいるじゃないか そして 僕 はカブに 車 と 命 じてある 場 所 に 足 を 運 んだ アリスの 家 である 今 忙 しいですか? 僕 は 深 く 頭 を 下 げた ちょうどいいところにきた さささん アリスを 知 らないかね? アリスの 父 親 は 今 にも 泣 きそうである いえ 知 りませんが 僕 は 何 か 消 化 できない 異 物 を 胃 袋 に 感 じた 私 のせいだ 私 の 25 p Copy right
僕 に 聞 こえないようにアリスの 父 親 はつぶやいた もしよければ 教 えてもらえませんか? レディードックのことを レディードックにまるで 稲 妻 が 走 るがごとく 父 親 の 体 はピーーんとのびた 私 は 知 らない 僕 は 父 親 の 耳 元 に 向 けてささやいた ここには 盗 聴 器 があるのですか? ない でも 近 くにいつもあいつらが 見 張 っているとなると 父 親 も 僕 の 耳 に 向 かって 言 葉 を 返 す じゃあ 場 所 変 えましょう 僕 は 堂 々とアリスの 父 親 とともに 近 くのカフェで 足 を 運 んだ なぜ 息 子 さんをあそこで 働 かせているんですか? 僕 はこういうことは 直 接 聞 く 間 接 的 に 聞 いていてこれらの 会 話 が 盗 聴 されて 襲 撃 されたりしたら ね 肝 心 の 聞 きたいことが 聞 けないでしょ 私 のせいなんだ さささんは 仲 間 を 裏 切 ったことあるか? 僕 は 裏 切 りによくあっています それに 善 意 でやっていることが 平 気 で 裏 切 っているという こと 結 構 あります そうか お 年 はいくつです? 今 日 で 二 十 になったばかりです 26 p Copy right
私 の 二 十 とは 信 じられないくらいだ 父 親 は 力 なく 笑 った 私 が 二 十 歳 のときの 話 だ 今 から 十 年 前 の 話 になるけれど 今 の 妻 と 私 は 当 時 禁 断 の 恋 におちてい た はぁ 一 緒 にいたカブが 顔 を 赤 くする 私 は 十 年 前 スーダンにいた そこではA 族 とNA 族 が 戦 いを 繰 り 広 げていた 今 もその 紛 争 は 続 いている そこで 私 と 私 のひとつ 上 の 先 輩 マウオさんがA 族 の 戦 士 として 戦 っていた もちろんそ こではやらないとやられるから 人 も 同 じ 生 き 物 も 殺 したりした 今 でも 毎 日 のように 寝 ている 間 うなされる おそらくあなたにはわからないことだと 思 うが 確 かにわからないだろう だって 僕 は 戦 争 も 人 殺 しも 未 経 験 だから それにこういうのは 経 験 すらし たくない 私 が 戦 士 としてとあるNA 族 がいる 地 域 を 攻 めたときのことだ とある 家 をくまなく 探 していたと き 一 人 の 女 性 が 隠 れていたんだ それが 今 の 妻 でさ 命 令 では 一 人 残 らず 殺 さないといけない 子 供 も 赤 ちゃんも 敵 の 民 族 として 生 まれた 以 上 いずれ 我 々A 族 を 脅 かす 存 在 になるから 小 さいうちに 芽 を 摘 んでおかないといけない でも 私 はできなかった もし 妻 がはむかってきたら 殺 していたけれ ど そのとき 妻 は 脅 えていた しかもそこにいるのは 私 と 彼 女 の 二 人 だけだ こつこつと 足 音 が 聞 こ える ほかの 連 中 に 見 つかったら 殺 さなくてはならない 私 はどんな 人 間 であれ もう 殺 しをしたく はなかった だから 私 は 彼 女 をかくまうことに 決 めた そして 時 々お 会 いして まあ そ の そういうことですか 要 するに 裏 切 ったというのは そうだ 敵 の 生 存 者 をひとりも 出 してはいけないのに 出 してしまった それがマウオさんに 知 ら れてしまったんだ あの 人 は 要 求 したよ この 秘 密 家 族 全 員 めちゃくちゃにしたくなければ お 前 とあいつの 産 んだ 子 アリスを 差 し 出 せ 何 大 丈 夫 人 殺 しはさせないよ ちょっと 精 神 的 な 喜 び を 教 えるだけさ と とんでもないS 野 郎 っすね まったくだ あいつは 人 がいじめられることに 喜 びを 感 じているやつだからな でもあいつにはひとつだけ 怖 がっているものがある それが 一 人 きりになることだ 私 はマウオさんは 嫌 いだけれど いつもマウ オさんは 私 の 部 屋 や 部 下 の 部 屋 に 足 を 運 んで 寝 ていた 個 別 の 部 屋 なのにな なぜ 一 人 で 寝 ないのか と 聞 いても 全 く 答 えてくれない へえ 僕 は 父 親 のこの 発 言 にひとつの 邪 悪 な 想 念 が 浮 かんできた 27 p Copy right
それにあいつは 耳 がぶっ 壊 れているのかと 言 うくらい スピーカーからデスメタルを 大 音 量 で 流 し てるよ なるほど じゃあ 蒸 し 返 すような 質 問 ですけれどマウオは 昔 から 一 人 でいることはなかった んですね? 私 の 知 る 限 りではそうだな そうですか そうですか 僕 の 邪 悪 な 心 に 今 魔 王 が 乗 り 移 った 社 長 アリスを 助 け 出 すぞ その 光 が 見 えてきた さささん そうだ レディードックの 場 所 どこにあるか 教 えてもらえませんか? それに 僕 一 度 あのサービス 申 し 込 んでみたいですしね さささん もちろん 性 行 為 なんてしませんよ カブ ビデオカメラと 写 真 レコーダー 用 意 だ 本 当 にあそこ を 潰 すぞ 僕 の 心 は 今 優 しい 魔 王 に 魂 を 預 けている みていろよ マウオ 四 突 破 口 三 日 後 僕 は 変 装 した おい どうしてゴスロリ 服 なんて 着 せるんだよ? 私 の 趣 味 ですから 28 p Copy right
カラスの 趣 味 は 僕 を 女 装 させることらしい こいつはこいつでヘンタイだなと 僕 は 思 った とんでもない 趣 味 にゃりね チョビはにたにたと 笑 う 社 長 高 い 声 であいうえおを え ええ あいうえお 一 瞬 時 が 止 まった それでOK, 今 からこのサイトにあるレディードックに 電 話 をつなげるっすよ そういってカブは 受 話 器 を 僕 に 渡 した ぷるるるるるる 電 話 の 音 が 死 神 の 死 の 宣 告 に 感 じた もしもし お 電 話 ありがとうございますなの レディー ドックなの 電 話 の 声 はなんとも 萌 え 声 で 甘 くとろけそうだった もちろんこれはボイスチェンジャーをつかって いるに 違 いないけれど あ あのー はいなの? なのにより 甘 く 今 にも 溶 けるチョコレートのようなアクセントがかかる 僕 は 軽 くいらっとした あ 遊 びたいんだけれど ありがとうなのです 男 の 子 ですか それとも 女 の 子 ですか? り リクエストあるけれどいいかな? もちろんなのーー こうして 僕 はアリスを 想 定 して 言 った 2 分 後 わかったなの ありがとうございます お 客 ちゃま と 投 げ 捨 てたくなるような 声 で 電 話 を 切 った すごいくらっとくるにゃりね 29 p Copy right
猫 はにたにた 机 をバンバン 叩 いて 言 う チョビ はしたないこと 言 うモンではありません ( 私 今 度 遊 んでこようかしら) セミ ( 冗 談 ですよ) さて ここからが 本 番 だな 一 時 間 後 某 ホテルにて 僕 はアリスを 待 っていた 深 く 帽 子 をかぶって ゴスロリでしかも 薔 薇 の 花 束 を 持 っていると 相 手 に 告 げた つか つかと 犬 がやってくる さささん? よ 早 く 三 〇 三 号 室 へ さささんは 女 装 趣 味 だったんですね それに 違 うよ とにかく 三 〇 三 号 室 に 僕 はアリスの 手 を 握 って 三 〇 三 号 室 に 入 った よし やっとゆっくりと 話 できるな ちょっと 待 ってくださいね とアリスは 言 うと どこかに 電 話 をかけた 場 所 はおそらくレディードックだろう お 前 の 父 さん 心 配 していたぜ 昨 日 は 罰 だ ペナルティだという 名 目 で 一 日 中 オオカミに 遊 ばれて 30 p Copy right
ここまで 読 んだあんた 遊 ぶ 真 の 意 味 くらいわかるよね? ひどいな 僕 は 本 当 はみんなと 同 じく 小 学 校 でスポーツしたいし 勉 強 したいし それに 友 達 作 って 遊 び たい でもそんなことしたら 僕 はマウオに 折 檻 される 折 檻 だけならまだしも 弟 や 妹 までも 今 あそこ で 遊 ばせようとしえいる レディードックで 体 を 売 っている 動 物 たちはみな 好 きでやっていないん だ 僕 は 例 外 だけれどたいていは 学 校 の 掲 示 板 でメールアドレスを 送 って そして 返 信 して 出 会 っ て その 後 みんなレイプされて 弱 みを 取 られて 逃 げ 出 したくても 逃 げ 出 すことができないって 脅 されて この 前 僕 は 同 じ 勤 めている 女 の 子 とやったんだけれど その 子 が 僕 の 席 の 隣 の 子 でびっ くりしたんだ その 子 に 話 を 聞 いたら そういうことを 言 っていた マウオはただのオオカミ じゃない 心 のない 鬼 畜 な 奴 だ 僕 は 今 の 彼 の 発 言 をきちんと 録 音 した もちろん 僕 の 近 くにはカブとカラスと 猫 がいる そうか できるよ でもこれだけは 確 認 したい 何 でしょう? お 前 は 今 の 生 活 マウオに 支 配 されていることにピリオド 打 ちたいんだな? うん わかった 僕 は 一 呼 吸 おいた いいか 今 から 僕 はビデオを 流 すから 正 直 に 答 えてほしい いいね? うん こうしてアリスと 僕 の 会 話 ( 録 音 済 み)は 二 時 間 に 及 んだ アリスと 別 れて 女 装 した 後 僕 は 最 もかけたくない 相 手 だけれど それほど 嫌 いでもない 男 に 電 話 を 31 p Copy right
かけた よお ささちゃんじゃない どぉしたの? 電 話 の 主 は 太 くそしてクールだ おいじゃん ちとおいじゃんの 人 脈 貸 してもらいたい 裏 の 仕 事 があるから 裏 の 仕 事 ね 頼 むよ トップセールスマン 兼 ブラックセールスマンのおいじゃんなら そこらのチーマーくらい いるでしょ? どんな 仕 事 なんだい? 僕 はアリスのこと それにレディードックのことなど 話 した なるほど そういう 強 気 な 犬 を 一 度 くじいてみたいんだ いいよぉ お 金 はどぉする? 僕 のマネーでいいよ お 前 はいつも 損 だな ささちゃん 全 くお 前 のそういうところがかわいいぜ よしてくれよ おいじゃんカミサン 十 人 いるじゃないか 男 の 僕 がまざったらみな 鈍 引 きだぜ かわいいにはいくつもの 意 味 があるのさ まだまだ 青 い 二 〇 歳 だな そうだ 話 に 熱 中 していたけれど 紹 介 が 遅 れたな 今 僕 が 電 話 しているのはおいじゃん 実 際 のモデ ルはもちろんいるけれど 無 許 可 で 登 場 させている 彼 は 表 ではいろんなものを 売 るトップセールスマ ンで 常 に 彼 の 歩 くところにファンが 押 し 寄 せてくる 状 態 だ でも 彼 にはもうひとつ 裏 の 顔 があって そっちはたくさんのチーマーや 暴 走 族 やくざなど 世 間 で 言 う 怖 い 人 たちを 束 ねるリーダーなのだ どんな 経 歴 でリーダーになったのかはわからないけれど とにかく 冷 たくてケンカも 強 くて 今 年 で 四 十 歳 だというのに 僕 が 見 る 限 り 十 九 歳 の 青 年 にしか みえない 逆 に 僕 がふけているくらいだ まあ この 人 は 本 当 にカッコイイけれど 僕 はいつもから かわれる それはそれでいいとしようではないか 次 に 僕 はカブのプログラマー 先 輩 に 電 話 をかけた 世 間 ではいい 加 減 な 性 格 で いい 加 減 なことばかり 言 って 変 人 扱 いされているが 仕 事 能 では 超 一 流 のプログラマーだ いい 加 減 な 正 確 だから 僕 はその 人 をイーカゲンと 呼 んでいる 僕 は 彼 の 本 名 を 知 らない カブも 彼 からたくさんの 技 術 を 学 んでいるが カブも 彼 の 本 名 を 知 らないという イーカゲンさん ささです おっは ささっち おっは 32 p Copy right
なにやら 面 白 いねたを 持 ってきたみたいだね イーカゲンさんの 情 報 網 にはかなわないよ このイーカゲンと 言 う 人 彼 にもモデルはもちろんいるけれど 無 許 可 でつかっている 許 可 必 要 なと きは 改 めてメールでお 願 いするとして そうだ 忘 れていた 許 可 もらっているのチョビだけ だっけ? アレ 確 か 彼 も もういいや 面 白 いねたをイーカゲンに 言 う 彼 は 聞 いているうちに 受 話 器 をゆさぶっており どうやら 僕 のする ことに 興 奮 しているのだろう ということだ ささっちのしていることは 正 義 なのか 悪 なのかわからなくなるときがあるね まあ 僕 は 基 本 的 に 自 己 満 足 だと 思 っているよ カブにPCテクニックを 教 えてよかったわ いいよ 今 からやっておくわ 二 時 間 あればちょちょ いとできるから 待 っておいてね 事 が 運 ぶときはとんとん 拍 子 でいくものだ 五 逆 襲 アリスの 情 報 によると 僕 は 社 員 そして 僕 のすることにとても 面 白 そうな 顔 をしているおいじゃんを 交 えて 言 う 今 夜 アリスはお 仕 事 で しかも 予 定 だと 深 夜 一 時 に 終 わるとの 事 だ だから 結 構 は 深 夜 一 時 頃 だ な ささちゃん オオカミを 懲 らしめるいいアイディア 浮 かんだの? なんとなくね というわけなんだ 僕 はおいじゃんにオオカミを 懲 らしめるアイディアを 言 う おいじゃんは 最 初 意 外 な 目 で 僕 を 観 ていたが 徐 々に 深 くなるにつれて 目 が 真 ん 丸 く 大 きくなる そ して 話 を 終 えると 彼 はあたかも 牛 ステーキを 食 べたような 状 態 で 言 う 33 p Copy right
いいねえ 一 度 オオカミを 追 い 込 んでみたかったんだ でもそのための 小 道 具 は 用 意 している の? 任 せておいてください そこはこれで と カラスはヘッドホンとアイ ポッドを 取 り 出 した 目 隠 しじゃ 怖 がらないだろうからちょっとしたヴァーチャルな 空 間 を 生 み 出 す 覆 面 を 作 っておい たっす イーカゲンさんと 二 人 で なんだい これは? 社 長 かぶってみてください と 僕 は 黒 いビニール 袋 のようなものをかぶった 遠 隔 操 作 でスイッチオンできます カブはそういってスイッチを 押 した すると 僕 の 視 界 から 一 気 に 廃 墟 らしいところが 映 し 出 される 目 をぐるっと 回 した すると 上 も 下 も 廃 墟 そこに 白 い 煙 がふわっと 出 る 僕 は 体 が 震 えた 白 い 煙 はどんどん 僕 に 近 づいて ただうめき 声 をだしている 時 に 白 い 煙 は 人 間 の 形 となって 襲 い 掛 かったり ライオンやトラに 姿 を 変 えてのど を 食 い 尽 くそうとした やめてくれ やめてくれ いくらヴァーチャルでもやることがすごい イーカゲンとカブが 組 み 合 わされば こんな 恐 ろしいも のが 生 まれてくるのだ 僕 はこの 二 人 の 頭 に 今 更 ながら 驚 いた どうですかね? すごいの 一 言 しかでないよ 後 はしゃべれないように 何 か 口 に 詰 め 込 めば 恐 怖 の 出 来 上 がりだな いいアイディアでるぜ オオ カミを 追 い 込 むための おいじゃんは 口 元 がゆるんでいる おそらく 彼 の 頭 は 今 オオカミをいじめている 姿 なのだろうな 時 間 まであとちょっとだな 狸 ですら 寝 ているこの 夜 静 かにニヤニヤしている 連 中 が 六 人 危 険 なことを 考 えるのとセックスの ことを 考 えるのは 夜 が 一 番 だ 朝 はやはりまじめな 人 のための 時 間 で 夜 は 不 真 面 目 な 人 のための 時 間 だ 僕 はそう 思 っている 34 p Copy right
僕 らはアリスがいるであろう 家 から 二 十 分 かかるラブホテルに 足 を 運 んだ チョビが 偵 察 係 りとして 静 かに 中 の 様 子 を 伺 っている 僕 たちはただ 静 かに 車 の 中 でチョビの 電 話 を 待 っていた ぶぶぶぶぶぶぶぶ バイブがゆれる これは 僕 の 携 帯 電 話 だ 僕 はバイブのおかげで 時 々 貴 重 な 情 報 をもらしてしまうこ とだってあるのだ チョビ どうだ? 今 出 たにゃり お 客 はどっかいったにゃり このお 客 おいしい 奴 にゃり 代 議 士 の 畑 野 勇 四 郎 にゃり へえ あの 畑 野 議 員 がね 清 純 なイメージが 崩 れたね 人 間 誰 にでもそういった 部 分 はあるものですよ 私 はむしろ 安 心 しましたよ まさかあの 熱 血 かつ 教 育 問 題 の 最 先 端 というあだ 名 をつく 人 が こういったものが 趣 味 だと は 人 間 は 本 当 にわからない 部 分 のほうが 多 いね 目 的 は 彼 を 捕 まえて 脅 迫 ではないのでこの 際 は 無 視 する マスコミに 売 ればカッコウのネタになるだろうけれど じゃあ カブ あいあいさ カブは 運 転 する 僕 は 足 の 震 えが 止 まらない 怖 いから? ちっとばかりある もしアリスを 助 けることができなかっ たらどうしようという 不 安 はあるさ でももうひとつあるんだ それはあいつを 懲 らしめた 姿 どん な 顔 になるだろう? この 行 為 であいつに 大 きな 損 害 を 与 えることができるだろうか? 夜 中 だから こういう 邪 悪 なことを 平 気 で 考 えてしまう 落 ち 着 きなよ パーティーはまだだぜ 35 p Copy right
おいじゃんが 僕 の 肩 を 叩 く すみません カブの 運 転 する 車 に 沿 ってもう 一 台 車 がついていく もちろんこの 車 はおいじゃんがつれてきた 部 下 の 人 たちだ さらに 空 からはカラスが 呼 んだ 部 隊 クローズド バーズ が 襲 ってくる どんな 結 果 になってもアリスが 痛 めつけられなければ 成 功 したようなものだ おそらく 今 頃 イーカゲンが 適 当 に 編 集 したアリスと 僕 の 会 話 を 警 察 に 届 けている どちらにしろレディー ドックはおしまいだ 僕 が 考 えているうちにアリスを 乗 せた 車 は 止 まった さあ 俺 たちも 降 りよう おいじゃんが 静 かに 言 う 頼 むぞ カラス わかっていますって 最 初 は 私 には 関 係 ないことだからどうでもいいやと 思 っていましたけれど こちらに 危 害 を 加 えるから 潰 さないといけませんね 社 長 からす 遠 まわしに 潰 したいって 言 うなよ 一 番 燃 えているのはカラス お 前 だからよ 僕 たちはターゲットのマウオのそばに 近 寄 った やはりだ マウオはアリスのほかに 三 人 のガードマンを 引 き 連 れている マウオが 車 のドアを 開 けた ガードマンもそれと 同 時 にドアから 出 る おいじゃんは 隠 し 持 っていた 缶 詰 を 投 げ 出 した 缶 詰 は 地 面 に 落 ちると 同 時 に 白 い 粉 が 出 て バンと 爆 発 する 閃 光 さ ささちゃん これくらいうちらの 戦 いじゃ 朝 飯 前 だね おいじゃん 流 石 裏 の 人 間 おいじゃんの 呼 んだ 部 隊 とカラスの 属 している 部 隊 の 行 動 はとっても 早 かった 僕 がすごいと 言 う 言 葉 を 吐 くとともに オオカミのリーダー マウオに 黒 いビニール 袋 をかぶせて ヘッドホンをつけて 口 にSM 道 具 で 使 うボールを 詰 め 込 んだ マウオは 必 死 に 抵 抗 するものの そ こにカラスがスタンガンを 彼 の 手 首 にちくっとあてる ぎゃう と 言 う 声 とともに 彼 はへなへなになった ほかのガードマンはみな 気 絶 している おいじゃんはヘッドホンをさっとはずすとこういった 君 さ もうここにいられないよ 36 p Copy right
それはよくAVビデオで 口 説 くのがうまい 男 優 が 女 性 を 口 説 く 最 後 のささやきに 感 じた 僕 は 本 当 に 思 う こういうときだけだが おいじゃんと 仲 良 くてよかった おいじゃんが 言 うかわい い 存 在 でよかったと 出 なかったら 僕 が 今 頃 こんな 目 にあっているんだろうな おいじゃんの 部 下 たちはマウロを 近 くの 生 ゴミ 捨 て 場 において こういった さあ ずらかろう あいつかわいくないね 僕 は 近 くでただたっていたアリスの 頭 をなでた 終 わったぜ びっくりさせて 悪 かったな いえ ありがとうございます アリスの 唇 はがたがたしていた その 後 の 話 だ イーカゲンさんの 送 ったビデオにより レディードックの 存 在 が 次 々と 明 るみになった 未 成 年 にい かがわしい 行 為 及 びわいせつ 行 為 をさせていること 小 学 校 の 掲 示 板 に 誘 いの 書 き 込 みをしていたこ と そして 脅 迫 してはピンはねして お 客 の 売 り 上 げの 一 割 を 小 学 生 たちに 上 げて 九 割 をぶんどっ ていた まさに 彼 らにすればおいしい 商 売 だっただろう でも 彼 らはひとつだけミスをした それが 僕 たちを 相 手 にしたことである 彼 らからすると 僕 らはそこらにあるポンコツ 会 社 にしかみえなかっ ただろうけれど 裏 までは 読 み 取 ることができなかったようだ 警 察 などのがさ 入 れなどにより レディードックは 事 実 上 の 消 滅 及 びそれにかかわっていた 社 員 ア ルバイトが 次 々と 逮 捕 された なんと 驚 いたことにその 中 には 高 校 生 や 大 学 生 もいたのだ あのとき 僕 を 殴 った 連 中 はこれらのうちの 一 人 だろうな マウオは 両 手 を 縛 られて しかも 奴 の 最 大 の 弱 点 である 独 りでいることがあったのか かなり 衰 弱 し きっていた カラスが 彼 の 悪 事 を 載 せた 文 章 およびビデオをそこらに 巻 いておいたため 彼 は 逮 捕 な がらも 一 応 救 急 車 を 呼 んだ 救 急 車 の 中 で 彼 はしきりにこうつぶやいていたらしいのだ 37 p Copy right
父 さん 母 さん どこにも 行 かないで 僕 は 彼 がどうして 孤 独 を 恐 れているのか 知 らない でもこの 一 言 から 推 測 すると 幼 い 頃 紛 争 によっ て 両 親 をなくしたのだろう 幼 児 にとって 一 人 でいることはまさに 恐 怖 そのものだ この 僕 だって 小 学 校 高 学 年 まで 常 に 親 と 寝 ていたからな 今 となってはいい 思 い 出 だけれどさ まあ 真 相 はわから ない マウオたちにいいように 使 われていた 子 供 たちはただ 泣 いていた アリスももちろんほかの 子 供 たち も 喜 んでいるようだった まあ 僕 が 言 うまでもないけれどむやみに 掲 示 板 に 載 っているところにア クセスしないこと そして 悪 意 ある 文 章 は 管 理 側 がチェックして 消 すことが 大 切 だなと 思 った 今 は それをやってもそういうことを 忘 れたらいずれ 第 二 のマウオが 現 れてそういったことをするのだろう な 僕 はこの 余 計 なお 仕 事 によって 二 十 万 円 の 損 失 を 出 した もちろん 利 益 など 一 円 もない それはそれでいいと 思 う 何 せ 利 益 は 僕 たちの 自 己 満 足 だから 僕 らは 次 の 日 けろっとして 何 事 もなかったかのように 仕 事 をしていた ただ あいつらにぼこぼこ にされた 部 分 はまだまだひりひりするけれど 社 長 ロシア 株 上 昇 しています タイミング 見 逃 すなよ 今 日 はこれから 芸 能 人 の 河 合 咲 と 対 談 だ いろいろと 仕 事 あるなあ ぴんぽん チャイムが 鳴 る 誰 だろう? カブがドアを 開 けると そこにはにこっとしたアリスがいた 38 p Copy right
アリスは 秋 刀 魚 の 甘 露 煮 を 持 ってきている みなさん あのときはありがとうございます これはお 母 さんからのお 礼 です 秋 刀 魚 の 甘 露 煮 か おいしそうだな よし 後 2 時 間 仕 事 したら 休 憩 しようか はい セミ アリスと 遊 んできて (は~~~~い) セミは 白 い 煙 ながらもアリスを 玄 関 外 に 誘 い 込 む アリスにはセミが 見 えているようだ まあ 子 供 は 感 受 性 が 強 いからね え 何 で 僕 も 見 えているかって? それは 僕 も 心 が 子 供 だからさ そういえばマウオの 奴 病 院 でお 母 さん お 父 さん 行 かないでってつぶやいているそうにゃりよ そうらしいな 蒸 し 返 すようにチョビが 言 う 孤 独 を 恐 れる 人 って 基 本 的 に 強 がりなことするにゃりね そうっすね あれ 主 犯 がマウオではなく 違 う 人 だったから よくこういうことわざがありますね 弱 い 奴 ほど 群 れて 行 動 する 僕 はからすの 発 言 に 笑 ってしまった 何 笑 っているのですか? いや 今 のカラスだからそういうことがいえるんだなって ま まあ そうですけれど それはそうとして なんだか 考 えちまったよ 僕 もいつか 人 を 裏 切 るときが 来 るのかなって いきなりどうしたにゃりか 裏 切 られるのが 得 意 の 社 長 がいきなり 裏 切 るなんて いや ただ 言 っただけ 気 がつけば 二 時 間 たっていた そうだ みんなで 僕 が 今 日 の 朝 市 場 で 買 ってきたりんごを 食 べようぜ 39 p Copy right
僕 はりんごの 皮 をむいた さささん 本 当 にありがとうございます 久 々にみたような 気 がするアリスの 丁 寧 なお 辞 儀 これには 僕 たちも 思 わず 頭 を 深 く 下 げた ( 私 たちも 見 習 うところがありますね) 全 くである 特 にからすにはもう 少 し 僕 を 敬 ってほしいものだ 40 p Copy right
六 あとがき 大 変 でしたねえ さささん どうも 筆 者 の 佐 々です ところで 今 回 は 私 の 空 想 で 少 年 少 女 を 使 った 犯 罪 について 書 いたのですが これを 書 いたきっかけ は 性 の 低 年 齢 化 です 最 近 は 中 学 校 や 小 学 校 でもう 初 体 験 を 済 ませている 人 が 多 くて 私 はびっくり の 連 続 です 十 二 歳 のころ 私 が 興 味 持 っていたのはゲームの 攻 略 方 法 のみでした 私 が 釧 路 にいるか らなのかもしれませんが この 頃 から 一 部 の 子 たちはもう 大 人 の 一 歩 手 前 であるセックスをしていた んですねえ 後 薬 局 店 でアルバイトしていたとき よくコンドームを 買 う 人 たちがいたのですけれど その 中 で 以 外 だったのが 中 学 生 が 制 服 姿 で 買 っているところでした 私 服 でなく 制 服 でかうということに 二 度 びっくりです このころはとても 純 粋 な 青 年 でしたので 僕 はショックが 大 きかったですねえ 今 二 十 四 歳 の 僕 は 結 構 黒 い 部 分 も 持 っていて しかも 友 達 や 仲 間 がそういったセックスのプロばか りなので 別 に 驚 くこともないのですが セックスは 確 かに 気 持 ちいいです 僕 の 知 り 合 いの 紹 介 で セックスで 相 手 ( 女 性 )をコテンパにいかせるノウハウをみたときは 呆 れと 尊 敬 の 二 つが 入 り 混 じり ました まだそのとおりにやっていない 自 分 がいるのですけれど そんなくだらない 人 を 疑 うことは この 際 どうでもいいことですね 今 回 このアリスという 子 を 礼 儀 正 しい 設 定 にしました それは 彼 が 理 不 尽 な 環 境 煮 ながらも 日 々 耐 えているところから 子 供 と 大 人 の 境 界 線 を 自 分 なりに 知 ってしまったからだと 僕 は 考 えているから です 本 当 はどんな 環 境 においても 決 してぐれることのないアリスのすごさを 書 きたかったのです が 気 がつけば 性 犯 罪 の 裏 側 を 書 いていました 書 いているうちに 論 点 はずれていきます でもこれが 小 説 の 一 番 の 楽 しみです それではでは 終 わり 41 p Copy right
おまけ くだらない 小 説 を 書 いた 人 間 のブログ セールス らいてぃんぐで 稼 いだ 男 の 話 売 れる 記 事 を 書 いて 月 収 十 万 円 以 上 稼 ぎたいかた 僕 の 書 く 小 説 はかなり 売 れる 文 章 を 意 識 してやっています 売 れる 文 章 というのは 読 んで 思 わずお 買 い 上 げしてしまった 文 章 です これさえ 身 につけておけば なぜ 誰 も 自 分 の 文 章 を 読 んでくれないのか? どうやったら 自 分 の 文 章 を 読 んでくれるのか? どんなことが 読 んでいる 人 の 心 をひきつけるのかがわかります わかるだけでなく 使 うだけで 注 目 の 的 を 得 てしまう 作 品 ができあがります さらに 応 用 すると 人 を 操 ることもできるようになります 恐 ろしいですよ 悪 用 すると そんなちょっと 危 険 なセールス 文 章 術 を 身 につけたい 方 は こちらのページから 42 p Copy right
名 前 メールアドレスを 入 れてくださいませ なお ヤフーメールだと 迷 惑 メールに 入 る 可 能 性 があります 43 p Copy right