巨 津 波 の 基 本 特 性 の 把 握 と 対 津 波 設 計 への 活 用 国 土 交 通 省 国 土 技 術 政 策 総 合 研 究 所 危 機 管 理 技 術 研 究 センター 地 震 防 災 研 究 室 防 災 減 災 に 向 けた 研 究 成 果 報 告 会 ~ 東 日 本 震 災 から3 年 ~ 平 成 26 年 3 月 19 日
背 景 と 目 的 - 東 日 本 震 災 では の 上 部 構 造 の 流 出 が 多 発 - は 復 旧 に 時 間 を 要 する 一 方 交 通 機 能 の 回 復 は 待 ったなし 活 動 項 目 数 活 動 項 目 数 ( 全 体 ) 50 40 30 20 10 全 体 は24hで ピーク その 後 漸 減 救 助 救 急 医 療 消 火 活 動 は72hで ほぼ 終 息 保 健 衛 生 活 動 は24hで 急 増 その 後 も 継 続 160 救 助 救 急 医 療 消 火 緊 急 輸 送 交 通 の 確 保 緊 急 輸 送 避 難 収 容 情 報 提 供 活 動 物 資 の 調 達 供 給 活 動 保 健 衛 生 防 疫 遺 体 の 処 理 応 急 復 旧 二 次 複 合 災 害 防 止 その 他 事 務 分 掌 全 体 物 資 調 達 供 給 活 動 24h 以 降 に 本 格 化 1m 後 まで 増 加 傾 向 0 0 1 2 3 4 5 6 7 8 発 災 ~3h ~24h ~72h ~1w ~1m 1m~ 災 害 時 の 道 路 へのニーズ ( 諸 機 関 の 防 災 計 画 等 から) 0 避 難 収 容 情 報 提 供 活 動 は3h 以 降 本 格 化 1w 後 まで 継 続 1
背 景 と 目 的 - は 復 旧 に 時 間 を 要 する 一 方 交 通 機 能 の 回 復 は 待 ったなし - 震 災 前 は 津 波 の 影 響 を 特 別 には 考 慮 しない 設 計 道 路 示 方 書 Ⅴ 耐 震 設 計 編 (2012.2 改 定 ) 2.1 耐 震 設 計 の 基 本 方 針 (2) 耐 震 設 計 にあたっては, 地 形 地 質 地 盤 条 件, 立 地 条 件, 津 波 に 関 する 地 域 の 防 災 計 画 等 を 考 慮 した 上 で 構 造 を 計 画 する 同 解 説 - 津 波 の 高 さに 対 して 桁 下 空 間 を 確 保 - 津 波 の 影 響 を 受 けにくいような 構 造 的 工 夫 を 施 す - 上 部 構 造 が 流 出 しても 復 旧 しやすいように 構 造 的 な 配 慮 をする 支 承 部 落 防 止 構 造 フェアリング アンカー: 固 定 (9-Φ32), 可 動 (9-Φ25) 変 位 制 限 構 造 :5 基 ( 幅 500 奥 250 高 300) 九 州 工 業 学 (2010) 土 木 研 究 所 (2013) 2
具 体 的 に どの をどうするか? 33 384 44 195 32 - 多 様 な 道 路 交 通 ニーズ - 種 々の 構 造 対 応 策 56 - 異 なるハザードレベル 36 14 浦 戸 南 海 トラフ 巨 地 震 津 波 による 浸 水 予 測 ( 内 閣 府 )に 加 筆 3
地 震 津 波 被 害 想 定 の 例 ( 資 料, 2008) 梁 道 路 が 津 波 で 冠 水 道 路 利 用 者 は 要 避 難 浸 水 域 内 で 道 路 被 災 復 旧 活 動 に 障 害 南 海 地 震 時 の 須 崎 市 周 辺 の 道 路 施 設 ( 一 部 拡 ) 4
被 害 想 定 に 基 づく 地 震 津 波 対 策 ( 資 料, 2008) 地 震 津 波 被 害 想 定 防 災 訓 練 の 実 施 と 課 題 の 抽 出 浸 水 域 での 情 報 提 供 の 改 善 避 難 路 避 難 場 所 の 確 認 と 確 保 応 急 復 旧 計 画 の 立 案 土 地 利 用 計 画 の 見 直 し ( 移 転 等 ) 課 題 を 解 決 する 方 策 の 立 案 実 施 孤 立 危 険 地 区 の 特 定 特 に 応 急 復 旧 の 障 害 となる 施 設 の 特 定 応 急 復 旧 に 必 要 な 人 員 資 機 材 の 確 保 と 配 備 ハード 対 策 孤 立 危 険 地 区 の 解 消 に 必 要 な 施 設 の 補 強 特 に 応 急 復 旧 の 障 害 となる 施 設 の 補 強 ソフト 対 策 ハード ソフト 対 策 代 替 路 の 計 画 補 強 検 討 総 合 的 な 防 災 減 災 の 一 環 としての 対 津 波 設 計 5
津 波 浸 水 シミュレーション 津 波 の 被 害 想 定 や 防 災 計 画 の 策 定 には 津 波 の 推 定 が 必 須 想 定 する 地 震 ( 津 波 の 波 源 モデル)の 設 定 対 象 地 点 に 来 襲 する 津 波 の 推 定 津 波 浸 水 シミュレーションにより 推 定 可 能 ( 国 土 交 通 省 津 波 浸 水 想 定 の 設 定 の 手 引 き ) 2011 東 北 津 波 6
推 定 された 津 波 特 性 の 検 証 ( 昨 年 の 報 告 会 より) 7 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 小 泉 新 相 川 沼 田 跨 線 1 沼 田 跨 線 2 気 仙 1 気 仙 2 歌 津 1 歌 津 2 新 北 上 1 二 十 一 浜 矢 の 浦 川 原 川 歌 津 3 歌 津 4 新 北 上 2 片 岸 1 片 岸 2 波 力 - 抵 抗 力 比 水 平 波 力 / 抵 抗 力 鉛 直 波 力 / 抵 抗 力 流 出 せず 上 部 構 造 流 出 浸 水 深 だけでなく 流 速 も 再 現 可 能 であることを 検 証 動 画 から 得 られた 漂 流 物 の 移 動 速 度 とも 整 合
津 波 の 基 本 特 性 の 検 討 対 象 地 点 に 来 襲 する 津 波 は 流 速 も 含 め 津 波 浸 水 シミュレーションにより 推 定 可 能 一 方 どういう 条 件 でどの 程 度 きく/ 小 さくなる 現 象? 波 高 流 速 はなぜこの きさなのか? なぜ 他 の 場 所 と 違 うのか? 津 波 高 (m) 40 ー 痕 跡 高 30 ー 計 算 津 波 高 20 10 0 津 波 の 基 本 特 性 の 把 握 東 北 地 方 太 平 洋 沖 地 震 の 津 波 痕 跡 高 の 比 較 ( 内 閣 府 検 討 会 資 料 ) 千 葉 県 地 点 北 海 道 8
津 波 の 基 本 特 性 の 検 討 津 波 の 波 高 流 速 は 既 往 の 研 究 や 水 理 公 式 等 で どこまで 表 せるか? 1. 巨 津 波 の 特 性 - 湾 口 部 での 波 高 マグニチュードM 波 源 域 - 湾 口 部 での 流 速 2. 湾 内 での 津 波 特 性 の 変 化 - 波 高 の 増 伝 播 距 離 X 湾 口 部 湾 幅, 水 深 - 流 速 の 増 3.まとめと 今 後 の 展 望 湾 内 湾 幅, 水 深 9
津 波 高 の 経 験 的 予 測 式 (Abe, 1981) log log. : 津 波 高 が 頭 打 ちになる 距 離 のとき とする log.. [m]: 津 波 高 ( 検 潮 儀 で 観 測 される 最 全 振 幅 ) [km]: 震 央 距 離 ( 震 央 からの 最 短 津 波 伝 播 距 離 ) 津 波 高 [m] 20 15 10 5 頭 打 ち Mw9.0 Mw8.0 Mw7.0 津 波 高 [m] 100 10 1 10 倍 対 数 軸 Mw9.0 Mw8.0 Mw7.0 10 倍 0 0 500 1000 [km] 0.1 10 100 1000 [km] 10
波 源 ~ 湾 口 部 までの 津 波 ( 浸 水 シミュレーション) 津 波 の 痕 跡 データから 波 源 モデルを 検 証 -3-2 -1 0 1 2 3 [m] 1707 宝 永 (Mw8.7) 1944 昭 和 東 南 海 (Mw8.3) Furumura (2011) 安 中 (2003) 竹 内 (2005) 内 閣 府 (2012) 1896 明 治 三 陸 (Mw8.4) 2011 東 北 地 方 太 平 洋 沖 (Mw9.0) 11
波 源 ~ 湾 口 部 までの 津 波 ( 浸 水 シミュレーション) 湾 口 部 の 津 波 推 定 地 点 の 位 置 ( 代 表 地 点 ) 12
湾 口 部 での 波 高 の 解 析 結 果 湾 口 部 の 津 波 推 定 地 点 での 波 高 と 波 源 域 からの 距 離 の 関 係 10 頭 打 ち 東 北 地 方 太 平 洋 沖 地 震 明 治 三 陸 地 震 昭 和 東 南 海 地 震 宝 永 地 震 H0 [m] 1 0.1 10 100 1,000 X [km] 13
湾 口 部 での 波 高 の 解 析 結 果 と 推 定 式 の 比 較 log. log. のとき とする :すべりの 鉛 直 成 分 のみ 考 慮 した 地 震 規 模 減 衰 10 頭 打 ち : 津 波 高 が 頭 打 ちになる 距 離 log.. Abe(1981) 東 北 地 方 太 平 洋 沖 地 震 明 治 三 陸 地 震 昭 和 東 南 海 地 震 宝 永 地 震 H0 [m] 1.. 0.1 10 100 1,000 X [km].. 14
湾 口 部 での 流 速 の 解 析 結 果 と 公 式 の 比 較 長 波 の 流 速 式 5.0 4.5 4.0 との 比 較 : 波 高 : 重 力 加 速 度 : 水 深 推 定 式 による 流 速 (m/s) 3.5 3.0 2.5 2.0 1.5 東 北 地 方 太 平 洋 沖 地 震 1.0 明 治 三 陸 地 震 0.5 0.0 昭 和 東 南 海 地 震 宝 永 地 震 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0 解 析 による 流 速 (m/s) 15
湾 内 での 波 高 の 増 津 波 の 波 高 に 関 するグリーンの 式 ( 気 象 庁 の 津 波 予 報 でも 使 用 ) 解 析 対 象 地 点 : 推 定 地 点 の 波 高 : 推 定 地 点 の 湾 幅 : 推 定 地 点 の 水 深 : 基 準 点 の 波 高 : 基 準 点 の 湾 幅 : 基 準 点 の 水 深 湾 が 狭 く 水 深 が 浅 くなると 波 高 が 増 16
湾 内 の 波 高 増 加 率 の 解 析 結 果 と 公 式 の 比 較 グリーンの 式 により 傾 向 はつかめるが ばらつきも きい 17
湾 内 での 流 速 の 増 遡 上 域 3 遡 上 域 遡 上 域 流 速 増 率 2 1 0 1 201 401 601 801 解 析 地 点 番 号 18
まとめと 今 後 の 展 望 - 災 害 時 の 道 路 交 通 ニーズとそれに 応 える 道 路 構 造 物 の 対 津 波 設 計 の 考 え 方 - 津 波 浸 水 シミュレーションで 得 られた 湾 口 部 での 波 高 流 速 湾 内 での 波 高 流 速 の 増 加 率 を 水 理 公 式 等 による 推 定 値 と 比 較 津 波 の 基 本 特 性 の 把 握 ( 課 題 あり) - 総 合 的 な 防 災 減 災 の 一 環 としての 対 津 波 設 計 について 今 後 も 検 討 を 進 める の 要 求 性 能 設 計 で 想 定 する 津 波 の 抵 抗 力 向 上 作 用 軽 減 19