経 済 社 会 構 造 分 析 レポート 経 済 構 造 分 析 レポート No.43 労 働 市 場 から 消 えた 25~44 歳 男 性 地 域 間 で 広 がる 格 差 抱 える 問 題 はそれぞれ 異 なる 2016 年 4 月 8 日 全 16 頁 経 済 調 査 部 研 究 員 山 口 茜 [ 要 約 ] 25~44 歳 女 性 就 業 率 は この 30 年 間 で 上 昇 傾 向 が 続 いており 結 婚 や 出 産 育 児 期 に 女 性 の 就 業 率 が 落 ち 込 むM 字 カーブも 大 きく 改 善 している 一 方 で 同 年 代 の 男 性 就 業 率 は 低 下 傾 向 にある 25~44 歳 男 性 就 業 率 の 都 道 府 県 別 データを 見 てみると この 20 年 間 で 就 業 率 が 全 国 的 に 低 下 するとともに 地 域 格 差 が 拡 大 していることが 確 認 された この 20 年 間 で 起 きた 就 業 率 に 関 する 変 化 は 前 半 10 年 と 後 半 10 年 で 異 なる 特 徴 を 持 っている 1992 年 ~2002 年 は 25~44 歳 男 性 就 業 率 が 大 幅 に 低 下 し 地 域 格 差 も 拡 大 した 10 年 間 であった その 原 因 としては バブル 崩 壊 後 の 景 気 変 動 によって 仕 事 に 就 きたくても 就 けない 人 が 増 加 したことが 挙 げられるだろう 一 方 2002~2012 年 は 就 業 率 の 低 下 は 小 幅 にとどまったものの 地 域 格 差 が 拡 大 し 続 けた 10 年 であった 地 域 格 差 が 拡 大 した 原 因 は 就 業 希 望 非 求 職 者 や 非 就 業 希 望 者 といった いわゆる 非 労 働 力 人 口 が 大 幅 に 増 加 した 地 域 が 存 在 したことにある ゆえに 2002~2012 年 の 10 年 間 で 拡 大 した 地 域 格 差 は 非 労 働 力 人 口 を 考 慮 に 入 れない 完 全 失 業 率 などの 尺 度 では 確 認 できない 25~44 歳 男 性 就 業 率 に 関 して 地 域 ごとに 抱 える 問 題 は 異 なる 従 って 25~44 歳 男 性 の 就 業 率 を 上 昇 させるためには 全 国 で 画 一 的 な 施 策 をとるよりも 地 域 ごとの 実 情 に 合 わせた 施 策 をとることが 必 要 であろう 例 えば 単 に 労 働 需 要 を 増 やすだけでは 就 業 率 を 上 昇 させるのが 難 しい 地 域 も 存 在 する そのような 地 域 では 病 気 けがを 患 っ ている 人 の 多 さ 就 業 未 経 験 者 の 多 さ 明 確 な 阻 害 要 因 はないが 就 業 を 希 望 しない 人 の 多 さ 求 職 意 欲 喪 失 者 の 多 さ など 様 々な 観 点 から 現 状 を 分 析 し それぞれの 地 域 が 抱 えている 問 題 をしっかりと 把 握 した 上 で その 問 題 に 対 処 していくことが 必 要 だ 本 稿 では 25~44 歳 男 性 就 業 率 が 過 去 の 水 準 まで 上 昇 した 時 の 試 算 も 行 った 1992 年 水 準 では 80 万 人 の 就 業 者 増 1.94 兆 ~3.82 兆 円 の 所 得 増 が 見 込 まれる また 2002 年 水 準 では 22 万 人 の 就 業 者 増 0.54 兆 ~1.06 兆 円 の 所 得 増 が 見 込 まれる 株 式 会 社 大 和 総 研 丸 の 内 オフィス 100-6756 千 代 田 区 丸 の 内 一 丁 目 9 番 1 号 グラントウキョウ ノースタワー このレポートは 投 資 勧 誘 を 意 図 して 提 供 するものではありません このレポートの 掲 載 情 報 は 信 頼 できると 考 えられる 情 報 源 から 作 成 しておりますが その 正 確 性 完 全 性 を 保 証 する ものではありません また 記 載 された 意 見 や 予 測 等 は 作 成 時 点 のものであり 今 後 予 告 なく 変 更 されることがあります 大 和 総 研 の 親 会 社 である 大 和 総 研 ホールディングスと 大 和 証 券 は 大 和 証 券 グループ 本 社 を 親 会 社 とする 大 和 証 券 グループの 会 社 です 内 容 に 関 する 一 切 の 権 利 は 大 和 総 研 にあります 無 断 での 複 製 転 載 転 送 等 はご 遠 慮 ください
2 / 16 1.はじめに 上 昇 する 女 性 就 業 率 一 方 男 性 就 業 率 は 低 下 傾 向 第 三 次 安 倍 改 造 内 閣 の 目 玉 政 策 として 掲 げられた 一 億 総 活 躍 社 会 今 年 の5 月 には 一 億 総 活 躍 社 会 の 実 現 に 向 けた 工 程 表 ニッポン 一 億 総 活 躍 プラン を 取 りまとめる 予 定 だ 人 口 減 少 超 少 子 高 齢 社 会 が 深 刻 化 している 日 本 にとって 一 億 総 活 躍 社 会 の 実 現 は 欠 かせない なかでも 女 性 の 活 躍 を 推 進 させようとする 動 きは 近 年 ますます 強 くなっている 実 際 女 性 の 25~44 歳 就 業 率 はこの 30 年 間 で 上 昇 傾 向 が 続 いており( 図 表 1 左 ) その 結 果 結 婚 や 出 産 育 児 期 に 女 性 の 就 業 率 が 落 ち 込 むM 字 カーブも 大 きく 改 善 している 一 方 で 同 年 代 の 男 性 就 業 率 は 景 気 によって 多 少 の 増 減 はあるものの 低 下 傾 向 にある( 図 表 1 右 ) 就 業 率 の 水 準 としては 依 然 として 男 性 の 方 が 高 いことに 変 わりはないが 就 業 率 の 推 移 は 男 女 で 正 反 対 の 傾 向 が 見 られる 図 表 1 25~44 歳 就 業 率 の 推 移 ( 左 : 女 性 右 : 男 性 ) 75 73 71 69 67 65 63 61 59 57 (%) (2010 年 =100) 55 80 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 25~44 歳 女 性 就 業 率 ( 左 軸 ) ( 年 ) 景 気 動 向 指 数 CI(2010 年 基 準 ) 一 致 指 数 ( 右 軸 ) 120 115 110 105 100 95 90 85 (%) (2010 年 =100) 97 120 96 95 94 93 92 91 90 80 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 115 110 105 100 25~44 歳 男 性 就 業 率 ( 左 軸 ) ( 年 ) 景 気 動 向 指 数 CI(2010 年 基 準 ) 一 致 指 数 ( 右 軸 ) 95 90 85 ( 出 所 ) 総 務 省 労 働 力 調 査 内 閣 府 景 気 動 向 指 数 より 大 和 総 研 作 成 一 億 総 活 躍 社 会 に 向 けて 女 性 や 高 齢 者 などが 働 きやすい 環 境 を 作 ることはもちろん 大 切 な ことだ しかし それだけではなく 陰 に 隠 れてしまいがちな 男 性 の 働 きについても 注 意 を 向 ける 必 要 があるだろう かつては 労 働 市 場 にいた 男 性 がどこかへ 消 えている これでは せっ かく 上 昇 した 女 性 就 業 率 や 高 齢 者 就 業 率 の 増 加 分 もいくらか 相 殺 されてしまう また 近 藤 [2014] 1 でも 長 期 的 にみて 人 口 の 減 少 が 不 可 避 の 中 では 将 来 の 労 働 力 を 確 保 す るという 観 点 から 絶 対 水 準 が 低 い 女 性 や 高 齢 者 の 就 業 率 を 引 き 上 げる 方 策 を 検 討 すべきであ ろうし 数 字 上 は 引 き 上 げる 余 地 はある ただ 様 々な 制 度 変 更 ( 究 極 的 には 出 生 率 の 引 き 上 げ)を 伴 うことから 効 果 が 表 れるには 時 間 がかかる 可 能 性 が 高 い それよりも 就 業 経 験 の ある 者 や 出 産 育 児 の 影 響 が 小 さい 男 性 の 就 業 率 を 引 き 上 げる 方 が 目 先 の 人 手 不 足 ( 量 的 なイ 1 近 藤 智 也 [2014] 日 本 の 労 働 市 場 の 課 題 大 和 総 研 調 査 季 報 2014 年 7 月 夏 季 号 Vol.15 大 和 総 研 pp.66-67
3 / 16 メージ) 人 材 不 足 ( 質 も 加 味 したイメージ)に 対 応 しやすいだろう とし 男 性 活 用 の 必 要 性 を 指 摘 している 働 き 盛 りともいえる 25~44 歳 の 男 性 が 同 年 代 の 女 性 とは 対 照 的 に 労 働 市 場 から 消 えてい っている 現 状 をどのように 捉 えるべきなのだろうか 本 稿 では 都 道 府 県 別 に 25~44 歳 男 性 の 状 況 を 確 認 し 今 後 この 年 代 の 男 性 の 就 業 率 を 上 げるための 課 題 を 探 る なお 本 稿 では 主 に 総 務 省 就 業 構 造 基 本 調 査 のデータを 用 いて 議 論 を 進 めていくが 総 務 省 労 働 力 調 査 における 用 語 とは 定 義 上 の 違 いがあることに 注 意 が 必 要 である ただし 大 まかには 図 表 2 で 示 すように 用 語 が 対 応 している また 本 稿 では 就 業 構 造 基 本 調 査 における 有 業 率 を 就 業 率 として 議 論 を 進 めていく 就 業 率 = 有 業 者 有 業 者 + 無 業 者 業 率 は 上 昇 する さらに 完 全 失 業 率 = 100(%)であり 有 業 者 が 増 加 (あるいは 無 業 者 が 減 少 )すれば 就 就 業 希 望 求 職 無 業 者 有 業 者 + 就 業 希 望 求 職 無 業 者 100(%)であり 就 業 希 望 求 職 無 業 者 ( 普 段 仕 事 をしていないが 就 業 を 希 望 し 実 際 に 求 職 活 動 を 行 っている 者 いわゆ る 完 全 失 業 者 )が 減 少 すれば 完 全 失 業 率 は 低 下 する 図 表 2 2つの 調 査 における 用 語 の 定 義 の 違 いと 対 応 就 業 構 造 基 本 調 査 労 働 力 調 査 15 歳 以 上 人 口 有 業 者 無 業 者 就 業 希 望 者 非 就 業 希 望 者 求 職 者 非 求 職 者 15 歳 以 上 人 口 労 働 力 人 口 非 労 働 力 人 口 就 業 者 完 全 失 業 者 時 間 軸 普 段 の 状 態 調 査 週 間 ( 月 末 1 週 間 )の 状 態 時 間 軸 年 齢 調 査 年 の9 月 30 日 現 在 の 満 年 齢 調 査 月 の 末 日 現 在 の 満 年 齢 年 齢 無 業 者 有 業 者 就 業 希 望 求 職 者 就 業 希 望 非 求 職 者 普 段 収 入 を 得 ることを 目 的 として 仕 事 をしており 調 査 日 以 降 もしていくことになっている 者 及 び 仕 事 は 持 っているが 現 在 は 休 んでいる 者 普 段 仕 事 をしていない 者 で 何 か 収 入 になる 仕 事 をし たいと 思 っており 実 際 に 仕 事 を 探 したり 準 備 したり している 者 普 段 仕 事 をしていない 者 で 何 か 収 入 になる 仕 事 をし たいと 思 っているが 実 際 に 仕 事 を 探 したり 準 備 し たりしていない 者 調 査 週 間 中 に 賃 金, 給 料, 諸 手 当, 内 職 収 入 などの 収 入 を 伴 う 仕 事 を1 時 間 以 上 した 者 及 び 仕 事 を 持 ちながら, 調 査 週 間 中 に 少 しも 仕 事 をしなかった 者 の うち 雇 用 者 で 給 料 賃 金 の 支 払 を 受 けている 者 又 は 受 けることになっている 者 非 就 業 者 のうち 仕 事 があればすぐ 就 くことができ かつ 調 査 週 間 中 に 仕 事 を 探 す 活 動 や 事 業 を 始 め る 準 備 をしていた 者 就 業 者 と 完 全 失 業 者 以 外 の 者 就 業 者 完 全 失 業 者 労 働 力 人 口 非 労 働 力 人 口 非 就 業 希 望 者 普 段 仕 事 をしていない 者 で 仕 事 をする 意 思 のない 者 本 稿 での 就 業 率 15 歳 以 上 人 口 ( 有 業 者 + 無 業 者 )に 占 める 有 業 者 の 割 合 ( 年 代 を 限 定 する 場 合 :その 年 代 の 人 口 に 占 め る 有 業 者 の 割 合 ) 15 歳 以 上 人 口 ( 労 働 力 人 口 + 非 労 働 力 人 口 )に 占 め る 就 業 者 の 割 合 ( 年 代 を 限 定 する 場 合 :その 年 代 の 人 口 に 占 める 就 業 者 の 割 合 ) 就 業 率 本 稿 での 完 全 失 業 率 有 業 者 + 就 業 希 望 求 職 無 業 者 に 占 める 就 業 希 望 求 職 無 業 者 の 割 合 労 働 力 人 口 ( 就 業 者 + 完 全 失 業 者 )に 占 める 完 全 失 業 者 の 割 合 完 全 失 業 率 ( 注 )さらに 細 かな 定 義 については それぞれの 調 査 の 用 語 解 説 2 を 参 照 されたい ( 出 所 ) 総 務 省 就 業 構 造 基 本 調 査 労 働 力 調 査 より 大 和 総 研 作 成 2 総 務 省 就 業 構 造 基 本 調 査 用 語 の 解 説 http://www.stat.go.jp/data/shugyou/2012/pdf/yogo.pdf 同 労 働 力 調 査 用 語 の 解 説 http://www.stat.go.jp/data/roudou/definit.htm
4 / 16 2. 都 道 府 県 別 に 見 る 25~44 歳 男 性 就 業 率 の 現 状 低 下 する 就 業 率 拡 大 する 地 域 格 差 図 表 3 は 都 道 府 県 別 の 25~44 歳 男 性 の 就 業 率 を 示 している 1992 年 ~2002 年 の 10 年 間 で 全 国 的 に 就 業 率 は 大 きく(4.0%pt) 低 下 している また 2002 年 ~2012 年 の 10 年 間 でも 先 の 10 年 と 比 較 すると 小 幅 (0.6%pt)ながらも 低 下 している 図 表 3 都 道 府 県 別 25~44 歳 男 性 就 業 率 98 (%) 1992 年 分 散 :0.98 最 高 と 最 低 の 差 ( 除 く):3.6%pt 96 94 92 90 88 86 98 96 94 92 90 88 (%) 2002 1992 全 年 国 平 均 分 散 :2.14 2002 最 高 全 と 国 最 平 低 均 の 差 ( 沖 縄 2012 県 除 全 く):6.0%pt 国 平 均 86 98 (%) 2012 1992 全 年 国 平 均 分 散 :2.34 2002 最 高 全 と 国 最 平 低 均 の 差 ( 沖 縄 2012 県 除 全 く):7.1%pt 国 平 均 96 94 92 90 88 86 ( 注 1) 就 業 率 = 有 業 者 /( 有 業 者 + 無 業 者 ) 100 ( 注 2) 全 国 平 均 は 加 重 平 均 ( 出 所 ) 総 務 省 就 業 構 造 基 本 調 査 より 大 和 総 研 作 成 1992 全 国 平 均 2002 全 国 平 均 2012 全 国 平 均
5 / 16 さらに 25~44 歳 男 性 就 業 率 の 地 域 格 差 も 拡 大 している 1992 年 時 点 では 分 散 3 σ =0.98 最 高 と 最 低 の 差 ( 以 下 を 除 く 4 )は 3.6%pt( 最 高 : 最 低 : )であった しかし 2002 年 時 点 では 分 散 σ =2.14 最 高 と 最 低 の 差 は 6.0%pt( 最 高 : 最 低 : ) と 格 差 が 拡 大 している そして 2012 年 時 点 では 分 散 σ =2.34 最 高 と 最 低 の 差 は 7.1%pt( 最 高 : 最 低 : ) とさらに 格 差 は 拡 大 している このことから こ の 20 年 間 で 25~44 歳 男 性 就 業 率 の 地 域 格 差 は 拡 大 し 続 けてきたということが 分 かる なお ここでの 就 業 率 は 通 学 しているため 就 業 していない 人 も 無 業 者 として 数 えている 図 表 4 の 〇 は 通 学 のため 就 業 を 希 望 しない 無 業 者 を 分 母 から 除 いた 時 の 就 業 率 を 示 している が 25~44 歳 という 年 齢 階 層 を 選 んでいることもあり 通 学 を 理 由 とした 無 業 者 を 含 めた 就 業 率 と 大 きな 違 いはない 図 表 4 様 々な 条 件 で 見 る 就 業 率 (25~44 歳 男 性 2012 年 ) 通 常 通 学 のため 非 就 業 希 望 の 無 業 者 を 除 いた 時 通 学 / 病 気 けがのため 非 就 業 希 望 の 無 業 者 を 除 いた 時 分 散 2.34 2.21 1.57 最 高 と 最 低 の 差 ( を 除 く) 7.1%pt 7.0%pt 5.6%pt 96 (%) 94 92 90 88 86 就 業 率 通 学 のため 非 就 業 希 望 の 無 業 者 を 除 いた 時 の 就 業 率 通 学 のため/ 病 気 けがのため 非 就 業 希 望 の 無 業 者 を 除 いた 時 の 就 業 率 ( 注 ) 分 母 からそれぞれの 条 件 の 者 を 除 いた 時 の 就 業 率 ( 出 所 ) 総 務 省 就 業 構 造 基 本 調 査 より 大 和 総 研 作 成 3 ( 母 集 団 ) 分 散 であり 値 が 大 きい 方 が 全 体 のばらつきが 大 きいことを 示 す ここでは 47( 都 道 府 県 数 ) なお 平 均 は 各 都 道 府 県 の 就 業 率 の 算 術 平 均 であり 図 表 3 で 示 す 加 重 平 均 とは 異 なる 4 は 1992 年 から 今 に 至 るまで 一 貫 して 25~44 歳 男 性 就 業 率 が 低 く また 後 述 するように 有 効 求 人 倍 率 も 他 地 域 と 比 較 して 非 常 に 低 く 特 異 性 があることから ここでは 除 外 した 以 下 を 除 いて 議 論 をす る 際 は 同 様 の 理 由 によるものである の 雇 用 問 題 について 南 西 地 域 産 業 活 性 化 センター[2014]では 本 県 の 高 失 業 率 の 特 徴 として 若 年 者 の 失 業 率 の 高 さが 指 摘 されてきた まず 卒 業 後 の 学 卒 未 就 職 者 の 割 合 が 全 国 を 大 きく 上 回 っていることが 挙 げ られる この 主 な 背 景 としては 学 生 の 就 業 意 識 の 弱 さや 県 内 志 向 公 務 員 志 向 親 の 容 認 と 親 の 県 内 志 向 県 内 企 業 の 求 人 の 少 なさ 県 内 企 業 の 採 用 時 期 の 遅 さなどが 指 摘 されてきた 次 に 若 年 者 の 失 業 率 が 高 いも うひとつの 特 徴 が 就 職 後 の 離 職 率 転 職 率 の 高 さである この 背 景 として 就 職 時 のミスマッチや 県 内 企 業 の 脆 弱 性 自 分 や 家 族 の 都 合 による 離 職 非 正 規 社 員 の 増 加 職 業 観 の 多 様 化 などが 挙 げられる としている 一 般 財 団 法 人 南 西 地 域 産 業 活 性 化 センター[2014] の 就 業 構 造 と 失 業 に 関 する 調 査 研 究 ( 概 要 版 ) p.14
6 / 16 また 学 生 の 他 に 有 業 者 になるのが 難 しい 状 況 に 置 かれた 存 在 として 病 気 けがを 理 由 に 就 業 を 希 望 しない 人 の 存 在 が 挙 げられる そこで 図 表 4 の では 通 学 に 加 え 病 気 けが を 理 由 に 就 業 を 希 望 しない 者 を 分 母 から 除 いた 時 の 就 業 率 を 示 した これについては 後 ほど 触 れる 3. 就 業 率 低 下 地 域 格 差 拡 大 の 原 因 は 何 か 労 働 需 要 の 低 迷 非 労 働 力 人 口 の 地 域 差 が 就 業 率 低 下 格 差 拡 大 の 原 因 この 20 年 間 で 25~44 歳 男 性 就 業 率 が 低 下 (= 無 業 率 が 上 昇 )し 地 域 格 差 が 拡 大 したのは なぜか 図 表 5 では 無 業 率 上 昇 の 要 因 分 解 を 行 った 図 表 5 25~44 歳 男 性 無 業 率 上 昇 の 要 因 分 解 7 6 5 4 3 2 1 0 1 2 (%pt) 1992 年 ~2002 年 全 国 4 3 2 1 0 1 2 (%pt) 就 業 希 望 求 職 者 就 業 希 望 非 求 職 者 2002 年 ~2012 年 3 全 国 就 業 希 望 求 職 者 就 業 希 望 非 求 職 者 非 就 業 希 望 者 総 数 ( 注 ) 全 国 平 均 は 加 重 平 均 ( 出 所 ) 総 務 省 就 業 構 造 基 本 調 査 より 大 和 総 研 作 成
7 / 16 1992 年 ~2002 年 の 10 年 間 では いわゆる 完 全 失 業 者 に 相 当 する 就 業 希 望 求 職 者 の 増 加 が 大 きな 割 合 を 占 めている これは バブル 崩 壊 後 の 景 気 変 動 によって 仕 事 に 就 きたくても 就 けない 人 が 増 加 したことが 一 因 として 挙 げられるだろう 一 方 下 の 図 の 2002 年 ~2012 年 の 10 年 間 では その 割 合 は 大 きくない むしろ 就 業 希 望 求 職 者 は 多 くの 都 道 府 県 で 減 少 傾 向 が 見 て 取 れる 2002 年 ~2012 年 の 10 年 間 で 無 業 率 を 上 昇 させた 要 因 としては 主 に 就 業 希 望 非 求 職 者 や 非 就 業 希 望 者 といった いわゆる 非 労 働 力 人 口 の 増 加 が 挙 げられる ただし 2002 年 ~2012 年 の 10 年 間 で 減 少 した 就 業 希 望 求 職 者 は 非 労 働 力 人 口 の 増 加 分 や 1992 年 ~2002 年 の 10 年 間 の 就 業 希 望 求 職 者 増 加 分 を 相 殺 するほどではない 図 表 3 と 合 わせて 考 えると 現 在 の 日 本 が 抱 えている 25~44 歳 男 性 就 業 率 の 問 題 は バブル 崩 壊 後 減 少 した 労 働 需 要 が 十 分 に 回 復 していないことに 加 え 非 労 働 力 化 した 無 業 者 が 増 加 したこと そして その 状 況 には 大 きな 地 域 差 があることと 言 えるだろう 雇 用 に 関 する 地 域 格 差 について 厚 生 労 働 省 [2003] 5 では バブル 期 後 各 地 域 とも 完 全 失 業 率 が 上 昇 し 有 効 求 人 倍 率 が 低 下 しているが この 間 地 域 格 差 は 縮 小 している これまで 雇 用 情 勢 が 良 かった 地 域 で 大 きく 悪 化 したためである と 指 摘 している しかし 25~44 歳 男 性 に 関 しては 地 域 格 差 が 拡 大 しているという 逆 の 現 象 が 起 きている これは 図 表 3 でみた 就 業 率 に 関 しても 言 えることだが 完 全 失 業 率 6 に 関 しても バブル 期 後 の 1992 年 と 比 較 して 地 域 格 差 が 拡 大 していることが 確 認 できた ( 図 表 6) 図 表 6 就 業 率 と 完 全 失 業 率 で 見 る 地 域 格 差 (25~44 歳 男 性 ) 就 業 率 完 全 失 業 率 1992 年 2002 年 2012 年 1992 年 2002 年 2012 年 分 散 0.98 2.14 2.34 0.51 0.88 0.64 最 高 と 最 低 の 差 ( を 除 く) 3.6%pt 6.0%pt 7.1%pt 2.1%pt 4.0%pt 2.9%pt ( 注 1) 就 業 率 = 有 業 者 /( 有 業 者 + 無 業 者 ) 100 ( 注 2) 完 全 失 業 率 = 就 業 希 望 求 職 無 業 者 /( 有 業 者 + 就 業 希 望 求 職 無 業 者 ) 100 ( 出 所 ) 総 務 省 就 業 構 造 基 本 調 査 より 大 和 総 研 作 成 完 全 失 業 率 に 関 して 1992 年 時 点 では 分 散 σ =0.51 最 高 と 最 低 の 差 ( 以 下 を 除 く)は 2.1%pt であった しかし 2002 年 時 点 では 分 散 σ =0.88 最 高 と 最 低 の 差 は 4.0% pt と 格 差 が 拡 大 している さらに 2012 年 時 点 では 分 散 σ =0.64 最 高 と 最 低 の 差 は 2.9% pt と 2002 年 時 点 と 比 較 すると 格 差 は 縮 小 しているが 1992 年 時 点 と 比 較 すると 格 差 は 拡 大 し 5 厚 生 労 働 省 [2003] 平 成 15 年 版 労 働 経 済 の 分 析 ( 要 約 ) 6 データは 総 務 省 就 業 構 造 基 本 調 査 に 基 づく 定 義 は 図 表 2 本 稿 での 完 全 失 業 率 参 照
8 / 16 ていることが 分 かる 2002 年 と 2012 年 を 比 較 した 時 に 就 業 率 の 格 差 は 拡 大 しているにもかかわらず 完 全 失 業 率 の 格 差 は 縮 小 しているのはなぜか それは 2002 年 ~2012 年 の 10 年 間 で 就 業 率 の 地 域 格 差 を 拡 大 させた 主 な 原 因 である 就 業 希 望 非 求 職 者 や 非 就 業 希 望 者 といった いわゆる 非 労 働 力 人 口 は 完 全 失 業 率 では 考 慮 されないためである したがって 1992 年 ~2002 年 の 10 年 間 で 生 じた 各 地 域 の 変 化 は 非 労 働 力 人 口 を 考 慮 しな い 完 全 失 業 率 などの 尺 度 においても 確 認 できるが 2002 年 ~2012 年 の 10 年 間 で 生 じた 各 地 域 の 変 化 は 非 労 働 力 人 口 を 考 慮 しない 尺 度 では 確 認 し 難 い 4.25~44 歳 男 性 就 業 率 上 昇 に 向 けて 残 された 課 題 地 域 ごとに 抱 える 問 題 は 様 々 地 域 の 実 情 にあった 施 策 が 求 められる 以 上 では 25~44 歳 男 性 就 業 率 の 低 下 と 地 域 格 差 拡 大 の 原 因 を 確 認 したが ここでは 低 下 した 就 業 率 を 上 昇 させるにはどのような 施 策 を 行 えばよいのか その 課 題 を 探 る 7 (1) 労 働 需 要 まず 1つ 考 えられることとして 地 域 ごとに 就 業 率 のばらつきがあるのは 地 域 によって 労 働 需 要 の 大 きさに 違 いがあるためだ ということが 挙 げられる 仮 にそれが 正 しいとすれば 労 働 需 要 の 小 さい 地 域 で 労 働 需 要 を 増 大 させ 地 域 格 差 を 是 正 さえすれば 就 業 率 は 上 昇 し その 格 差 もなくなるだろう そこで 就 業 率 のばらつきは 労 働 需 要 の 大 小 によるものか 確 認 するため 図 表 7 で 都 道 府 県 別 の 25~44 歳 男 性 就 業 率 と 有 効 求 人 倍 率 8 の 関 係 を 示 した これによると 就 業 率 と 有 効 求 人 倍 率 にはある 程 度 の 相 関 が 見 られるものの 回 帰 線 から 大 幅 にかい 離 している 地 域 も 見 られる したがって 25~44 歳 男 性 就 業 率 の 地 域 間 の 違 いが 労 働 需 要 の 大 小 に 起 因 するものとは 一 概 に は 言 えない 先 に 述 べたように ここ 20 年 で 25~44 歳 男 性 就 業 率 が 大 きく 低 下 したのは バブル 崩 壊 後 に 減 少 した 労 働 需 要 が 十 分 に 回 復 していないことが 背 景 にある したがって 25~44 歳 男 性 就 業 率 を 高 めるため 全 国 的 に 労 働 需 要 を 増 大 させることは 確 かに 必 要 なことだ しかし それ 7 本 稿 では 詳 しく 触 れていないが 現 在 介 護 離 職 ( 介 護 の 必 要 性 に 迫 られて 仕 事 を 退 職 すること)が 社 会 問 題 となっている 25~44 歳 男 性 では 介 護 看 護 を 理 由 に 非 就 業 希 望 非 求 職 の 無 業 者 は 全 国 平 均 0.07% ( 総 務 省 平 成 24 年 就 業 構 造 基 本 調 査 )と 決 して 高 くはない 状 況 である ( 同 調 査 によると 全 国 平 均 は 0.97% 女 性 に 限 ると 1.52%であった )しかし 高 齢 化 に 伴 う 介 護 需 要 の 高 まりから 今 後 介 護 離 職 が 25~44 歳 男 性 就 業 率 に 影 響 してくる 可 能 性 も 考 えられ 引 き 続 き 注 目 していく 必 要 があるだろう 8 有 効 求 職 者 に 対 する 有 効 求 人 数 の 割 合 倍 率 が 高 いほど 人 を 求 めている 企 業 が 多 いということを 示 す
9 / 16 だけでは 不 十 分 だろう 例 えば のように 有 効 求 人 倍 率 は 比 較 的 高 いものの 就 業 率 が 低 い 県 では 問 題 は 労 働 需 要 の 小 ささではなく 他 にある のような 地 域 では 労 働 需 要 を 増 大 させるだけでは 問 題 を 解 決 することは 難 しい 図 表 7 25~44 歳 男 性 就 業 率 と 有 効 求 人 倍 率 の 関 係 (2012 年 ) 有 効 求 人 倍 率 ( 倍 ) 1.3 1.2 1.1 1.0 0.9 0.8 0.7 0.6 0.5 徳 島 宮 城 震 災 の 影 響 あり 福 島 香 川 岡 山 岩 手 福 井 滋 賀 0.4 沖 縄 0.3 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 25~44 歳 男 性 就 業 率 (%) ( 注 ) の 有 効 求 人 倍 率 は 震 災 の 影 響 により 高 くなっている 可 能 性 がある ( 出 所 ) 総 務 省 就 業 構 造 基 本 調 査 厚 生 労 働 省 一 般 職 業 紹 介 状 況 より 大 和 総 研 作 成 (2) 病 気 けが そこで 次 に 労 働 需 要 の 面 以 外 での 課 題 を 考 える 先 の 図 表 4 の は 通 学 のため 非 就 業 希 望 の 無 業 者 と 病 気 けがのため 非 就 業 希 望 の 無 業 者 を 分 母 から 除 いた 時 の 就 業 率 を 示 して いる 除 く 前 と 比 べて 就 業 率 が 大 きく 増 加 している 地 域 もあり 中 には 約 2%pt 上 昇 している 県 も 存 在 する 同 じく 図 表 4 の 〇 で 示 される 通 学 のため 非 就 業 希 望 の 無 業 者 を 分 母 から 除 い た 就 業 率 は 除 く 前 の 就 業 率 と 大 差 ないことから 一 部 の 地 域 では 病 気 けが という 理 由 が 就 業 率 低 下 の 一 因 となっている 可 能 性 が 考 えられる そこで 各 都 道 府 県 の 病 気 けがを 理 由 に 就 業 できない 人 の 割 合 を 示 した( 図 表 8) これ を 見 てみると 都 道 府 県 ごとにかなりばらつきがあることが 分 かる また 5 年 前 のデータと 比 較 すると( 図 表 8 の ) 全 国 平 均 では 微 増 だが など 大 きく 増 加 が 見 られる 地 域 も 存 在 している このような 地 域 では その 病 気 けがの 背 景 9 や 具 体 的 内 容 をさらに 細 かく 分 析 し 対 応 していくことが 必 要 となるだろう 9 病 気 けがで 就 業 できない 人 の 割 合 は その 地 域 特 有 の 様 々な 要 素 が 影 響 を 与 えていると 考 えられるが 地 域 の 産 業 構 造 も 影 響 している 可 能 性 がある 例 えば 25~44 歳 男 性 の 農 林 水 産 業 比 率 が 高 い 上 位 10 都 道 府 県 ( 平 成 24 年 就 業 構 造 基 本 調 査 より)の 病 気 けがを 理 由 とした 非 求 職 者 非 就 業 希 望 者 の 割 合 は 全 て 全 国 平 均 を 上 回 っていた 詳 しくはさらなる 分 析 が 必 要 だが 農 林 水 産 業 では 病 気 けがになる 人 が 多 い あるいは 逆 に けがなどをした 場 合 にデスクワーク 等 では 就 業 可 能 な 状 況 でも 農 林 水 産 業 では 就 業 が 困 難 になりやすい な どの 可 能 性 が 考 えられる
10 / 16 図 表 8 病 気 けがを 理 由 とした 非 求 職 者 非 就 業 希 望 者 の 割 合 (25~44 歳 男 性 ) 2.0 1.8 1.6 1.4 1.2 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 (%) 全 国 2012 年 2007 年 ( 注 1)25~44 歳 男 性 人 口 に 占 める 病 気 けがが 理 由 の 就 業 希 望 非 求 職 無 業 者 非 就 業 希 望 無 業 者 の 割 合 ( 注 2) 全 国 平 均 は 加 重 平 均 ( 出 所 ) 総 務 省 就 業 構 造 基 本 調 査 より 大 和 総 研 作 成 (3) 明 確 な 阻 害 要 因 がない 非 就 業 希 望 者 図 表 9 は 非 就 業 希 望 無 業 者 のうち 仕 事 をする 自 信 がない 特 に 理 由 はない 理 由 の 割 合 を 示 している 非 就 業 希 望 無 業 者 のうち 全 国 平 均 で 約 19%の 人 が 働 く 上 での 明 確 な 阻 害 要 因 ( 通 学 病 気 けが 介 護 家 事 など)がないにもかかわらず 就 業 を 希 望 していない 図 表 9 非 就 業 希 望 無 業 者 のうち 仕 事 をする 自 信 がない 特 に 理 由 はない 理 由 の 割 合 35 (%) 30 25 20 15 10 5 0 全 国 仕 事 をする 自 信 がない 特 に 理 由 はない ( 注 1)データは 25~44 歳 男 性 2012 年 ( 注 2) 全 国 平 均 は 加 重 平 均 ( 出 所 ) 総 務 省 就 業 構 造 基 本 調 査 より 大 和 総 研 作 成 このような 人 たちは 阻 害 要 因 がないのだから 就 業 することも 簡 単 なように 思 えるが 逆 に 考 えると 阻 害 要 因 がないにもかかわらず 就 業 していない 人 に 働 く 気 を 起 こさせることはなか
11 / 16 なか 難 しいことである 10 このような 人 たちが 多 い 地 域 では 例 えば 職 業 訓 練 で 働 く 自 信 をつ ける 施 策 や 働 くインセンティブをより 感 じさせる 施 策 が 必 要 であろう (4) 就 業 未 経 験 の 就 業 希 望 者 次 に 無 業 者 の 中 で 就 業 を 希 望 している 人 に 残 された 課 題 を 探 る 図 表 10 は 就 業 を 希 望 する 無 業 者 のうち これまで 就 業 経 験 のない 人 の 割 合 を 示 している これを 見 てみると 地 域 ごとにかなり 差 があるものの 全 国 平 均 では 就 業 希 望 無 業 者 の 約 17%が 就 業 したことがない という 結 果 が 出 ている これは 就 業 希 望 者 に 占 める 割 合 であるが 非 就 業 希 望 者 も 含 めた 無 業 者 全 体 の 中 では さ らにその 割 合 は 大 きくなると 考 えられる 特 に 先 に 述 べたような 仕 事 をする 自 信 がない 特 に 理 由 はない という 理 由 で 就 業 を 希 望 しない 人 の 中 には 働 いたことがないため 仕 事 を する 自 信 がない 働 いたことがないため 特 に 理 由 はないが 就 業 しようと 思 わない とい った 人 も 少 なくないのではないか 図 表 10 就 業 希 望 の 無 業 者 のうち 就 業 未 経 験 の 人 の 割 合 (25~44 歳 男 性 2012 年 ) 25 (%) 20 15 10 5 0 全 国 平 均 ( 注 1) 就 業 希 望 無 業 者 に 占 める 1983 年 以 降 に 前 職 を 辞 めた 就 業 希 望 無 業 者 以 外 の 人 の 割 合 を 示 す ( 注 2)2012 年 に 25~44 歳 の 人 は 1983 年 時 点 で 生 まれる 前 ~15 歳 であるから 1983 年 以 降 に 前 職 を 辞 めた ことがない 無 業 者 =これまで 就 業 未 経 験 の 無 業 者 とみなした ( 注 3) 全 国 平 均 は 加 重 平 均 ( 出 所 ) 総 務 省 就 業 構 造 基 本 調 査 より 大 和 総 研 作 成 10 就 業 上 の 明 確 な 阻 害 要 因 がないにもかかわらず 就 業 を 希 望 しない 可 能 性 の1つに 特 に 若 年 層 では 親 元 に いるため 生 活 に 不 自 由 していないということが 考 えられる しかし 労 働 政 策 研 究 研 修 機 構 [2012]では 低 学 歴 層 では 比 較 的 年 収 の 高 い( 決 して 余 裕 がある 水 準 ではない) 世 帯 出 身 者 のほうが 高 学 歴 層 では 年 収 の 低 い 世 帯 出 身 者 のほうが 求 職 活 動 をしていない 傾 向 があるということで 一 概 に 豊 かな 親 元 にいるからニート 状 態 を 選 択 しているともいえないし 貧 困 家 庭 だからニート 状 態 に 陥 るともいえない 求 職 活 動 をしていない 状 態 の 背 後 にはより 多 様 な 要 因 が 絡 んでいると 思 われる としている なお 引 用 文 における 求 職 活 動 をして いない 者 は 就 業 希 望 の 非 求 職 者 と 非 就 業 希 望 者 をあわせたものである 独 立 行 政 法 人 労 働 政 策 研 究 研 修 機 構 [2012] 若 年 者 の 就 業 状 況 キャリア 職 業 能 力 開 発 の 現 状 2 資 料 シリーズ No.144 2014 年 9 月 10 日 pp.14-15
12 / 16 就 業 経 験 のない 人 が 新 たに 就 業 することは 就 業 経 験 者 のそれと 比 べて 難 易 度 はさらに 高 まるだろう 就 業 未 経 験 者 が 多 く 存 在 する 地 域 では 職 業 訓 練 や 短 期 間 のお 試 し 雇 用 など まずは 就 業 体 験 機 会 を 与 える 施 策 が 必 要 であろう (5) 求 職 意 欲 喪 失 者 また 就 業 希 望 者 に 関 して 他 に 考 慮 すべきこととして 求 職 意 欲 喪 失 者 (OECD におけるディ スカレッジドワーカー) の 存 在 が 挙 げられる 求 職 意 欲 喪 失 者 とは 仕 事 が 見 つからない 状 況 が 続 き 就 業 を 希 望 しているが 職 探 しをあきらめて 非 労 働 力 化 してしまった 者 のことである 内 閣 府 [2011] 11 では G7の 求 職 意 欲 喪 失 者 比 率 12 (2000 年 代 平 均 )を 比 べると 我 が 国 は2% 程 度 であり イタリアと 並 んで 非 常 に 高 い と 指 摘 している この2%とは 男 女 計 の 数 値 であ るが 同 資 料 によると 男 性 のみの 求 職 意 欲 喪 失 者 比 率 (2000 年 代 平 均 )は 約 1%である 図 表 11 は 25~44 歳 男 性 の 都 道 府 県 別 求 職 意 欲 喪 失 者 比 率 13 を 示 している これによると 先 の 内 閣 府 の 男 女 年 齢 計 の 数 値 や 男 性 年 齢 計 の 数 値 よりはどの 地 域 においても 低 いものの 地 域 ごとにかなりばらつきがあることが 分 かる また この 10 年 間 で 求 職 意 欲 喪 失 者 比 率 が 大 幅 に 上 昇 した 地 域 も 見 られる 求 職 意 欲 喪 失 者 が 多 い 地 域 また 求 職 意 欲 喪 失 者 の 増 加 が 著 しい 地 域 では 職 業 紹 介 機 能 をさらに 強 化 する 等 の 対 策 が 求 められる 図 表 11 求 職 意 欲 喪 失 者 比 率 (25~44 歳 男 性 2002 年 2012 年 ) 0.9 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0.0 (%) 全 国 2012 年 2002 年 ( 注 1)25~44 歳 人 口 に 占 める 求 職 意 欲 喪 失 者 の 割 合 ( 注 2)ここでの 求 職 意 欲 喪 失 者 とは 就 業 希 望 の 非 求 職 者 のうち 探 したが 見 つからなかった 希 望 する 仕 事 がありそうにない を 非 求 職 理 由 とした 者 ( 注 3) 全 国 平 均 は 加 重 平 均 ( 出 所 ) 総 務 省 就 業 構 造 基 本 調 査 より 大 和 総 研 作 成 11 内 閣 府 [2011] 平 成 23 年 度 年 次 経 済 財 政 報 告 p.263 12 求 職 意 欲 喪 失 者 における 非 求 職 理 由 の 規 定 とその 範 囲 は 国 によって 差 異 があることに 留 意 日 本 における 求 職 意 欲 喪 失 者 は 就 業 希 望 の 非 労 働 力 人 口 のうち 適 当 な 仕 事 がありそうにない ことを 非 求 職 理 由 とする 者 ( 内 閣 府 [2011] p.263) 13 なお 就 業 希 望 の 非 求 職 者 に 占 める 求 職 意 欲 喪 失 者 の 割 合 は 全 国 平 均 ( 加 重 平 均 )で 15.6%であった
13 / 16 5.25~44 歳 男 性 就 業 率 が 増 加 した 場 合 の 試 算 2002 年 水 準 で 22 万 人 の 就 業 者 増 0.54 兆 ~1.06 兆 円 の 所 得 増 が 見 込 まれる 以 上 では 25~44 歳 男 性 の 就 業 率 が 低 下 している 現 状 を 見 てきたが ここで 低 下 した 25~ 44 歳 男 性 就 業 率 が 10 年 前 20 年 前 の 水 準 に 戻 った 場 合 の 影 響 を 試 算 した 各 都 道 府 県 の 各 年 代 の 平 均 賃 金 をもとにしたケースとともに 実 際 には 無 業 者 が 職 に 新 しく 就 いた 場 合 得 ら れる 賃 金 は 同 じ 年 代 の 平 均 賃 金 よりも 低 い 場 合 が 想 定 されるため 平 均 年 収 の8 割 が 得 られる ケース さらに 各 都 道 府 県 の 新 卒 初 任 給 14 を 年 収 としたケース 14 の 試 算 を 行 った 結 果 は 図 表 12 の 通 りで 就 業 者 数 については 2002 年 水 準 で 約 22 万 人 の 増 加 1992 年 水 準 で 約 80 万 人 の 増 加 が 見 込 まれる また 全 体 の 所 得 については 2002 年 水 準 で 約 0.54 兆 円 ~ 1.06 兆 円 の 増 加 1992 年 水 準 で 約 1.94 兆 ~3.82 兆 円 の 増 加 が 見 込 まれる 図 表 12 各 都 道 府 県 で 25~44 歳 男 性 の 就 業 率 が 過 去 の 水 準 に 戻 った 時 の 影 響 ( 試 算 ) 全 体 の 所 得 の 増 加 分 (1 年 ) 就 業 率 の 水 準 各 都 道 府 県 各 年 代 の 平 均 年 収 ケース 各 都 道 府 県 各 年 代 の 平 均 年 収 0.8 ケース 各 都 道 府 県 新 卒 初 任 給 14 ケース 就 業 者 数 の 増 加 2002 年 1.06 兆 円 0.85 兆 円 0.54 兆 円 22.1 万 人 1992 年 3.82 兆 円 3.05 兆 円 1.94 兆 円 79.9 万 人 ( 内 訳 ) 就 業 率 の 水 準 2002 年 1992 年 年 齢 各 都 道 府 県 各 年 代 の 平 均 年 収 ケース 全 体 の 所 得 の 増 加 分 (1 年 ) 各 都 道 府 県 各 年 代 の 平 均 年 収 0.8 ケース 各 都 道 府 県 新 卒 初 任 給 14 ケース 就 業 者 数 の 増 加 25~29 歳 2,103 億 円 1,683 億 円 1,359 億 円 5.6 万 人 30~34 歳 1,520 億 円 1,216 億 円 856 億 円 3.5 万 人 35~39 歳 2,603 億 円 2,082 億 円 1,275 億 円 5.3 万 人 40~44 歳 4,382 億 円 3,506 億 円 1,862 億 円 7.7 万 人 25~29 歳 9,051 億 円 7,241 億 円 5,701 億 円 23.5 万 人 30~34 歳 8,133 億 円 6,506 億 円 4,391 億 円 18.1 万 人 35~39 歳 9,181 億 円 7,344 億 円 4,355 億 円 18.0 万 人 40~44 歳 11,823 億 円 9,458 億 円 4,906 億 円 20.2 万 人 ( 注 1)2012 年 の 各 都 道 府 県 の 25~44 歳 男 性 を 都 道 府 県 別 5 歳 刻 み 年 代 ごとの 就 業 率 (その 年 代 の 人 口 に 占 め る 就 業 者 の 割 合 )を 算 出 基 準 となる 年 (ここでは 2002 年 1992 年 )と 比 較 し 基 準 年 を 下 回 っているところ で 下 回 っている 分 だけ 就 業 率 を 増 加 させた 時 の 影 響 を 算 出 した 基 準 年 を 上 回 っているところでは そのま まの 就 業 率 水 準 を 保 つものとした ( 注 2) 全 体 の 所 得 の 増 加 分 は 2012 年 の 賃 金 データをもとに 算 出 している ( 注 3) 賃 金 データは 一 般 労 働 者 男 性 産 業 学 歴 計 ( 注 4)ここでは 一 般 労 働 者 15 として 就 業 することを 想 定 している ( 出 所 ) 総 務 省 就 業 構 造 基 本 調 査 厚 生 労 働 省 賃 金 構 造 基 本 統 計 調 査 より 大 和 総 研 作 成 14 年 収 が 所 定 内 給 与 の 何 カ 月 分 に 相 当 するか 各 年 代 で 全 国 平 均 ( 算 術 平 均 )をとったところ 25~29 歳 で 14.1 カ 月 分 30~34 歳 で 14.3 カ 月 分 35~39 歳 で 14.4 カ 月 分 40~44 歳 で 14.6 カ 月 分 であった よって ここ では 新 卒 初 任 給 14 を 年 収 とするケースを 設 定 した なお 新 卒 初 任 給 は 厚 生 労 働 省 賃 金 構 造 基 本 統 計 調 査 における 2012 年 の 男 性 学 歴 計 産 業 計 企 業 規 模 計 (10 人 以 上 )のデータ 15 短 時 間 労 働 者 でない 労 働 者 のこと
14 / 16 なお 本 稿 の 議 論 はデータの 制 約 上 各 都 道 府 県 の 2012 年 のデータをもとにしているが こ こ 数 年 で 人 手 不 足 感 は 高 まっており( 図 表 13 左 ) 現 在 25~44 歳 男 性 の 就 業 率 は 2012 年 と 比 較 して 上 昇 している( 図 表 13 右 ) ただし 前 掲 図 表 7 で 確 認 したように 各 都 道 府 県 の 25~ 44 歳 男 性 の 就 業 率 は 労 働 需 要 の 多 さと 必 ずしも 関 連 性 があるというわけではないため 今 な お 25~44 歳 男 性 の 就 業 率 の 低 下 の 問 題 を 抱 えている 地 域 は 存 在 すると 推 測 される 図 表 13 雇 用 人 員 判 断 DIの 推 移 ( 左 図 ) 男 性 (25~44 歳 )の 就 業 率 の 推 移 ( 右 図 ) 40 (%pt) 98 (%) 30 96 20 10 0 過 剰 94 92 10 20 不 足 90 88 30 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 ( 年 ) 産 業 計 製 造 業 非 製 造 業 86 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 25~44 歳 合 計 25~29 歳 30~34 歳 ( 年 ) 35~39 歳 40~44 歳 ( 注 ) 雇 用 人 員 判 断 DI= 過 剰 - 不 足 ( 出 所 ) 総 務 省 労 働 力 調 査 より 大 和 総 研 作 成 ( 出 所 ) 日 本 銀 行 短 観 より 大 和 総 研 作 成 6.まとめ 25~44 歳 女 性 就 業 率 は この 30 年 間 で 上 昇 傾 向 が 続 いており 結 婚 や 出 産 育 児 期 に 女 性 の 就 業 率 が 落 ち 込 むM 字 カーブも 大 きく 改 善 している 一 方 で 同 年 代 の 男 性 就 業 率 は 低 下 傾 向 にある 25~44 歳 男 性 就 業 率 の 都 道 府 県 別 データを 見 てみると この 20 年 間 で 就 業 率 が 全 国 的 に 低 下 するとともに 地 域 格 差 が 拡 大 していることが 確 認 された この 20 年 間 で 起 きた 就 業 率 に 関 する 変 化 は 前 半 10 年 と 後 半 10 年 で 異 なる 特 徴 を 持 ってい る 1992 年 ~2002 年 は 25~44 歳 男 性 就 業 率 が 大 幅 に 低 下 し 地 域 格 差 も 拡 大 した 10 年 間 で あった その 原 因 としては バブル 崩 壊 後 の 景 気 変 動 によって 仕 事 に 就 きたくても 就 けない 人 が 増 加 したことが 挙 げられるだろう 一 方 2002~2012 年 は 就 業 率 の 低 下 は 小 幅 にとどま ったものの 地 域 格 差 が 拡 大 し 続 けた 10 年 であった 地 域 格 差 が 拡 大 した 原 因 は 就 業 希 望 非 求 職 者 や 非 就 業 希 望 者 といった いわゆる 非 労 働 力 人 口 が 大 幅 に 増 加 した 地 域 が 存 在 したこ とにある ゆえに 2002~2012 年 の 10 年 間 で 拡 大 した 地 域 格 差 は 非 労 働 力 人 口 を 考 慮 に 入 れ ない 完 全 失 業 率 などの 尺 度 では 確 認 できない 25~44 歳 男 性 就 業 率 に 関 して 地 域 ごとに 抱 える 問 題 は 異 なる 従 って 25~44 歳 男 性 の 就 業 率 を 上 昇 させるためには 全 国 で 画 一 的 な 施 策 をとるよりも 地 域 ごとの 実 情 に 合 わせた 施 策 をとることが 必 要 であろう 例 えば 単 に 労 働 需 要 を 増 やすだけでは 就 業 率 を 上 昇 させるの
15 / 16 が 難 しい 地 域 も 存 在 する そのような 地 域 では 病 気 けがを 患 っている 人 の 多 さ 就 業 未 経 験 者 の 多 さ 明 確 な 阻 害 要 因 はないが 就 業 を 希 望 しない 人 の 多 さ 求 職 意 欲 喪 失 者 の 多 さ な ど 様 々な 観 点 から 現 状 を 分 析 し それぞれの 地 域 が 抱 えている 問 題 をしっかりと 把 握 した 上 で その 問 題 に 対 処 していくことが 求 められる 一 億 総 活 躍 社 会 に 向 けて 男 性 女 性 若 者 高 齢 者 全 てが 活 躍 し 経 済 を 活 性 化 させて いく 社 会 を 築 いていくには 細 やかな 現 状 分 析 それに 合 わせた 細 やかな 対 策 が 必 要 だ 以 上
16 / 16 経 済 構 造 分 析 レポート No.42 石 橋 未 来 同 一 労 働 同 一 賃 金 の 議 論 に 不 足 するもの- 人 重 視 の 戦 略 で 生 産 性 向 上 を 図 るスウェーデンを 参 考 に 2016 年 4 月 4 日 No.41 溝 端 幹 雄 生 産 性 を 高 める 新 しい 雇 用 慣 行 - 慣 行 が 変 化 していく 条 件 2016 年 3 月 29 日 No.40 溝 端 幹 雄 超 少 子 高 齢 社 会 で 消 費 を 増 やすには?- 効 率 的 に 所 得 を 生 み 出 す 経 済 構 造 の 構 築 と 世 代 間 分 配 の 適 正 化 を 2016 年 2 月 29 日 No.39 山 口 茜 溝 端 幹 雄 賃 金 が 上 昇 しない 原 因 - 労 働 需 給 雇 用 形 態 の 変 化 から 考 える 2016 年 2 月 23 日 近 藤 智 也 溝 端 幹 雄 石 橋 未 来 濱 田 真 也 山 口 茜 日 本 経 済 中 期 予 測 (2015 年 2 月 )- 世 界 の 不 透 明 感 が 増 す 中 成 長 と 分 配 の 好 循 環 を 探 る 2016 年 2 月 3 日 No.38 石 橋 未 来 人 材 不 足 が 課 題 の 介 護 離 職 ゼロ -スウェーデンの 取 り 組 みを 参 考 に 2016 年 1 月 28 日 No.37 濱 田 真 也 長 期 化 の 様 相 を 呈 する 世 界 貿 易 の 停 滞 - 構 造 的 要 因 の 分 析 と 将 来 の 見 通 し 2016 年 1 月 28 日 No.36 溝 端 幹 雄 設 備 投 資 が 伸 び 悩 む 原 因 (2)- 高 まる 研 究 開 発 リスクを 社 会 全 体 で 分 散 する 仕 組 みを 2016 年 1 月 27 日 No.35 溝 端 幹 雄 設 備 投 資 が 伸 び 悩 む 原 因 (1)- 業 種 間 の 資 本 蓄 積 の 歪 みと 製 造 業 が 直 面 する 不 確 実 性 2016 年 1 月 27 日 No.34 溝 端 幹 雄 今 後 10 年 間 の 消 費 市 場 の 展 望 -コーホート=データと 人 口 推 計 を 用 いた 消 費 の 予 測 2015 年 11 月 20 日 No.33 溝 端 幹 雄 人 材 力 を 活 かした 生 産 性 向 上 を 目 指 せ- 高 度 人 材 の 育 成 雇 用 流 動 化 地 域 人 口 の 集 約 化 による 成 長 戦 略 2015 年 8 月 21 日 No.32 石 橋 未 来 高 齢 者 の 移 住 で 地 方 は 創 生 するか- 米 国 の CCRC との 比 較 でみる 日 本 版 CCRC の 課 題 2015 年 8 月 14 日 No.31 近 藤 智 也 溝 端 幹 雄 石 橋 未 来 変 貌 する 高 齢 者 の 家 計 と 次 世 代 への 課 題 - 世 代 間 連 鎖 する 格 差 は 政 策 によって 克 服 できるか 2015 年 8 月 7 日 No.30 溝 端 幹 雄 地 方 創 生 を 加 速 する 地 方 歳 入 の 再 設 計 - 地 方 法 人 二 税 と 地 方 交 付 税 の 改 革 を 2015 年 5 月 25 日 レポートは 弊 社 ホームページにてご 覧 頂 けます URL:http://www.dir.co.jp/