加茂市の遺跡 平 成 19年遺跡発掘調査について 加茂市教育委員会社会教育課係長 伊 計 溺 三 秀 禾口 本年 の遺跡調査 は 開発事業 に関連 した確認調査が 3地 区 本調査が 1事 業 によ り2遺 跡を 対象 に行われた 1.荒 叉遺跡一 古墳 古代一 所 在 地 加 茂市大字下条地 内 調 査 面積 約7 2 1 面 調 査期 間 平成 1 9 年 8 月 8 日 9 月 1 2 日 1地 調 査 原 因 吉 津ナ 区県営 ほ場整備事業 調査 の概要 調 査 区は A 区 B 区 とあ り 上 幅 3mほ どの 細 長 い 調 査 区を対象 と してい 荒叉 太田遺跡位置図 S=1/50,000 る 概 ね現水 田面下約 1 1.2mの 地層 か ら遺構 遺物 が出土 した A区 では河川跡 土坑 溝 ピッ トな どの遺 構 とともに平安時代の上師器 須恵器が出土 した 特別際立 った出土品は 見 られないが 土 坑か ら須恵器長頸瓶 1個 体が出土す るな ど 注 目すべ き点がある なお 調 査 区東部では 4世 紀後半頃 と見 られる古墳時代前期 の壷 甕な どの古式土師器が出土 した 背 後 の丘 陵 に存在す る福 島古墳群や宮 ノ浦 古墳 (通称熊野山)と の 関連を考 える上で貴重である 荒叉遺跡 完 掘 状 況 -7-
2.太 田遺跡 古代一 加 茂市大字下条地 内 調 査 面 積 約3 0 5 面 調 査 期 間 平成 1 9 年 9 月 6 日 1 0 月 1 日 所 在 地 調 査 原 因 吉 津川地 区県営 ほ場整備事業 調査 の概要 調 査 区 は上 幅 2mほ どの細長 い調査 区を対象 としていた 概ね現水 田面下約0.5 m程 の比較的浅 い ところか ら遺構 遺物が出土 した 調査区中央部付近を頂 きに した馬 の背状 の 旧地形 があ り 安定 した立地条件下 で彩 しい遺構 が検 出され た 明確な形ではないが 柱根 の 出土 か ら掘立柱建物跡の存在は確実である 他 に 溝 土坑 ピッ トな どが重複す る形で多 数検 出された 遺物 も多量で 平安時代 の土 師器 須恵器 が 中心 である 中 には墨 書 土器が数 点見 られ る 特殊遺物 としては ガラス丸玉 1点 がある 官衛関連遺跡の馬越遺跡 とは l kmの 距離 にあ り 関連性が注 目され る 太田遺跡 土 層 断 面 太田遺跡 完 掘 状 況 2.開 発 に伴 う市内遺跡試掘 確認調査 信濃川下流災害復 旧等関連緊急事業 に伴 い 山島新 田地内及 び五反田地 内を対象 とし 合計約 160面 と宅地造成工事 に伴 い上条地 区 の舞台遺跡周辺地 で約43面 の試掘調査 4件 を実施 した が 遺構 遺物 ともに確認 されなか った 民俗資料館 だ よ り の 発行 は本号 で 15号 にな りま した 偏 に多 くの人達 の ご後援 の賜物 と感謝 い た してお ります 今後 とも 御指導 御鞭撻 をお願 いいた します 本号 の発行 に 当た り お忙 しい 中 玉稿 をお寄せ いただいた 関正平氏 (加茂市文化財調査審議会委員)に 深 く感 謝 します -8-