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Q1 4 月 から 児 童 手 当 の 支 給 額 はどうなるのですか? Q2 児 童 手 当 には 所 得 制 限 が 設 けられるとのことですが 具 体 的 な 基 準 はどのよう になるのですか? Q3 4 月 以 降 児 童 手 当 を 受 け 取 るためには 手 続 きが 必 要 ですか?

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Transcription:

Legal and Tax Report 父 親 の 育 児 休 業 取 得 と 経 済 的 負 担 2010 年 5 月 25 日 全 9 頁 制 度 調 査 部 是 枝 俊 悟 育 児 休 業 給 付 金 税 社 会 保 険 料 を 考 慮 した 世 帯 手 取 り 収 入 の 変 化 の 試 算 [ 要 約 ] 2010 年 6 月 30 日 から 改 正 育 児 介 護 休 業 法 が 施 行 される 改 正 育 児 介 護 休 業 法 では 父 親 の 育 児 休 業 取 得 を 促 すことをねらいとした 改 正 がなされている 育 児 休 業 取 得 中 は 雇 用 保 険 から 育 児 休 業 給 付 金 ( 月 給 分 の 50%)が 支 給 される この 他 にも 社 会 保 険 料 の 免 除 措 置 がある 本 レポートでは 父 親 が 育 児 休 業 を 取 得 した 際 に 税 社 会 保 険 料 を 考 慮 した 手 取 り 収 入 がどの 程 度 確 保 されるのかの 試 算 を 行 った 試 算 では 例 えば 専 業 主 婦 世 帯 で 夫 が 育 児 休 業 を 2 ヶ 月 取 得 した 場 合 夫 の 給 料 の 減 収 分 の 6 割 強 が 育 児 休 業 給 付 金 や 税 社 会 保 険 料 の 負 担 減 で 補 填 されることがわかった 共 働 き 世 帯 では 夫 の 方 が 年 収 が 多 い 場 合 夫 婦 で 育 児 休 業 を 分 け 合 うと 妻 のみが 育 児 休 業 を 取 得 するよりも 世 帯 の 手 取 り 年 収 が 4~8% 程 度 減 少 することがわかった また 夫 婦 の 年 収 が 同 じ 場 合 は 夫 婦 で 育 児 休 業 を 分 け 合 うと 妻 のみが 育 児 休 業 を 取 得 するよりも 世 帯 の 手 取 り 収 入 が 増 加 することがわかった 1. 育 児 介 護 休 業 法 の 改 正 2010 年 6 月 30 日 に 改 正 育 児 介 護 休 業 法 が 施 行 される 改 正 育 児 介 護 休 業 法 では 父 親 の 育 児 休 業 取 得 を 促 す 改 正 がなされている 1 改 正 法 施 行 後 は 父 親 が 出 産 後 8 週 間 以 内 に 育 児 休 業 を 取 得 した 場 合 再 度 育 児 休 業 を 取 得 可 能 とな る また 改 正 法 の 施 行 により 父 母 ともに 育 児 休 業 を 取 得 する 場 合 育 児 休 業 を 取 得 可 能 な 期 間 が 原 則 子 が 1 歳 に 達 するまで から 1 歳 2 ヶ 月 に 達 するまで に 延 長 される これらの 施 策 により 共 働 きの 夫 婦 が 交 代 で 育 児 休 業 を 取 ったり 子 育 てが 大 変 な 時 期 について 夫 婦 同 時 に 育 児 休 業 を 取 得 し たりすることが 容 易 になる また これまでの 育 児 休 業 制 度 では 労 使 協 定 を 結 ぶことにより 育 児 休 業 の 取 得 対 象 者 から 配 偶 者 等 が 常 態 として 子 を 養 育 できるものとして 厚 生 労 働 省 令 で 定 める 者 ( 職 業 に 就 いていない 者 等 ) につ いては 除 外 できる 規 定 があった この 規 定 により 例 えば 妻 が 専 業 主 婦 である 父 親 は 育 児 休 業 を 取 得 1 法 律 上 は 育 児 休 業 の 取 得 要 件 については 性 別 による 限 定 はないが 実 態 として 父 親 の 育 児 休 業 取 得 率 は 1.23%( 厚 生 労 働 省 平 成 20 年 度 雇 用 均 等 基 本 調 査 より)と 非 常 に 低 い そのため 父 親 が 育 児 休 業 を 取 得 しやすくすることを 狙 いと して 改 正 が 行 われている 株 式 会 社 大 和 総 研 丸 の 内 オフィス 100-6756 東 京 都 千 代 田 区 丸 の 内 一 丁 目 9 番 1 号 グラントウキョウ ノースタワー このレポートは 投 資 の 参 考 となる 情 報 提 供 を 目 的 としたもので 投 資 勧 誘 を 意 図 するものではありません 投 資 の 決 定 はご 自 身 の 判 断 と 責 任 でなされますようお 願 い 申 し 上 げます レポートに 記 載 された 内 容 等 は 作 成 時 点 のものであり 正 確 性 完 全 性 を 保 証 するものではなく 今 後 予 告 なく 修 正 変 更 されることがあります 大 和 総 研 の 親 会 社 である 大 和 総 研 ホールディングスと 大 和 証 券 キャピタル マーケッツ 及 び 大 和 証 券 は 大 和 証 券 グループ 本 社 を 親 会 社 とする 大 和 証 券 グループの 会 社 です 内 容 に 関 する 一 切 の 権 利 は 大 和 総 研 にあります 事 前 の 了 承 なく 複 製 または 転 送 等 を 行 わないようお 願 いします

2 / 9 できないことが 多 かった 改 正 法 施 行 後 は この 規 定 が 削 除 され 例 えば 妻 が 専 業 主 婦 である 父 親 も 育 児 休 業 を 取 得 できるようになった これらの 改 正 施 策 は 以 下 の 図 表 1のようにまとめられる 図 表 1 改 正 育 児 介 護 休 業 法 による 父 親 の 育 児 休 業 取 得 の 促 進 ( 出 所 ) 厚 生 労 働 省 資 料 2. 育 児 休 業 中 の 所 得 保 障 について 育 児 休 業 中 の 所 得 保 障 については それぞれ 以 下 のような 規 定 がある 事 業 主 ( 会 社 )からの 給 料 社 員 が 育 児 休 業 を 取 得 した 場 合 法 律 上 事 業 主 ( 会 社 )はその 期 間 について 給 料 を 支 払 う 義 務 はない ただ し 労 使 協 約 等 により 育 児 休 業 中 も 給 料 を 支 払 うものとしている 会 社 もある 雇 用 保 険 からの 育 児 休 業 給 付 金 育 児 休 業 取 得 中 は 雇 用 保 険 から 育 児 休 業 給 付 金 が 支 給 される 育 児 休 業 給 付 金 は 所 得 税 住 民 税 の 課 税 対 象 とならない 育 児 休 業 給 付 金 の 額 は 休 業 開 始 時 賃 金 日 額 の 50% 育 児 休 業 取 得 日 数 2 である 休 業 開 始 時 賃 金 日 額 2 育 児 休 業 取 得 日 数 は 育 児 休 業 の 取 得 開 始 日 から 終 了 日 までの 日 数 をいい 営 業 日 数 ではない したがって 土 日 祝 日 な ども 含 めてカウントされ 1 ヶ 月 は 実 際 の 暦 にしたがって 30 日 31 日 等 と 換 算 される

3 / 9 は 原 則 として 育 児 休 業 開 始 前 6 ヶ 月 間 に 支 払 われた 賃 金 総 額 ( 月 給 分 のみ 3 ボーナス 分 は 含 まない)を 180 で 割 った 金 額 である ただし 休 業 開 始 時 賃 金 日 額 の 上 限 は 13,980 円 ( 月 給 換 算 ではこれを 30 倍 した 41 万 9,400 円 )である 年 収 に 占 めるボーナスの 割 合 を 20%とすると 年 収 約 600 万 円 ( 月 給 約 40 万 円 )でこの 休 業 開 始 時 賃 金 日 額 の 上 限 に 達 する この 上 限 を 超 えると 育 児 休 業 給 付 金 の 支 給 額 は 月 給 分 の 50%を 下 回 ることになる 社 会 保 険 料 の 免 除 規 定 育 児 休 業 取 得 中 は 健 康 保 険 および 厚 生 年 金 の 保 険 料 の 支 払 いが 免 除 される( 公 務 員 の 共 済 組 合 にも 同 様 の 規 定 がある) なお 厚 生 年 金 の 支 給 額 の 算 定 の 際 には 育 児 休 業 取 得 前 の 給 料 ( 標 準 報 酬 月 額 )に 基 づいて 保 険 料 を 払 ったものとみなされるため この 免 除 規 定 により 将 来 の 年 金 受 給 額 が 減 少 することはない 雇 用 保 険 については 育 児 休 業 取 得 中 の 免 除 規 定 はない しかし 雇 用 保 険 の 保 険 料 は 毎 月 の 給 料 に 対 して 一 定 率 が 徴 収 される 方 式 のため 育 児 休 業 中 に 会 社 から 給 料 が 支 払 われていなければ 結 果 的 に 雇 用 保 険 の 保 険 料 も 支 払 わなくてよいことになる 3. 育 児 休 業 取 得 時 の 手 取 り 収 入 の 変 化 の 試 算 大 和 総 研 制 度 調 査 部 では 父 親 が 育 児 休 業 を 取 得 した 場 合 税 社 会 保 険 料 を 考 慮 した 手 取 り 収 入 がどのよう に 変 化 するのか 試 算 を 行 った (1) 専 業 主 婦 世 帯 で 夫 が 育 児 休 業 を 取 得 するケース (2) 共 働 き 世 帯 で 育 児 休 業 を 分 け 合 うケースの2つ のケースで 試 算 を 行 った 両 ケースで 共 通 の 前 提 は 以 下 の 通 りである 協 会 けんぽ( 保 険 料 率 は 東 京 都 のものを 用 いる) 厚 生 年 金 に 加 入 長 子 の 出 産 であり 他 に 子 はいない 育 児 休 業 中 は 月 給 が 支 給 されず ボーナスについても 育 児 休 業 取 得 期 間 分 は 月 割 で 控 除 される 年 収 のうち 80%が 月 給 として 20%がボーナスとして 支 払 われている (1) 専 業 主 婦 世 帯 で 夫 が 育 児 休 業 を 取 得 するケース 夫 はサラリーマン 妻 は 専 業 主 婦 (または 出 産 を 機 に 退 職 )である 2010 年 に 妻 の 出 産 を 機 に 夫 が 2 ヶ 月 の 育 児 休 業 の 取 得 を 検 討 している 育 児 休 業 を 取 得 した 場 合 育 児 休 業 を 取 得 せずに 働 き 続 けた 場 合 と 比 べてど の 程 度 税 引 き 後 の 手 取 り 収 入 が 減 少 するのか また 育 児 休 業 給 付 金 などの 制 度 によりどの 程 度 補 填 されるの か 以 下 の 前 提 で 試 算 を 行 った 育 児 休 業 を 取 得 しない 場 合 の 夫 の 税 込 み 年 収 は 300 万 円 ~1,000 万 円 夫 が 育 児 休 業 を 2 ヶ 月 (61 日 ) 取 得 すると その 期 間 会 社 からの 月 給 は 支 給 されず 年 間 のボーナスは 育 児 休 業 取 得 期 間 相 当 分 の 2/12 がカットされる つまり 税 込 み 年 収 は 10/12 になる 税 額 の 計 算 にあたっては 社 会 保 険 料 控 除 配 偶 者 控 除 扶 養 控 除 基 礎 控 除 生 命 保 険 料 控 除 ( 所 得 税 5 万 円 住 民 税 3.5 万 円 )を 適 用 する 3 基 本 給 だけでなく 家 族 手 当 や 超 過 勤 務 手 当 等 の 諸 手 当 も 含 まれる

4 / 9 以 上 の 前 提 条 件 の 下 で 育 児 休 業 を 取 得 しなかった 場 合 と 比 較 した 手 取 り 収 入 の 減 少 額 ( 図 表 2の D)および 休 業 中 会 社 から 支 給 されない 給 料 の 額 に 対 して 各 種 制 度 で 補 填 される 割 合 ( 図 表 2の E)は 以 下 のように 算 出 された 図 表 2 専 業 主 婦 世 帯 で 夫 が 2 ヶ 月 に 育 児 休 業 を 取 得 した 場 合 の 手 取 り 収 入 の 変 化 ( 単 位 : 万 円 ) 夫 の( 育 児 休 業 を 取 得 しない 場 合 の) 税 込 み 年 収 300 400 500 600 700 800 900 1000 A 育 児 休 業 を 取 得 しない 場 合 の 手 取 り 収 入 253.96 331.72 408.57 483.76 556.47 623.37 687.19 751.02 B 育 児 休 業 取 得 による 給 料 ボーナスの 減 少 -50.00-66.67-83.33-100.00-116.67-133.33-150.00-166.67 C 育 児 休 業 給 付 と 税 社 会 保 険 料 負 担 減 の 合 計 31.16 42.14 53.18 65.48 74.34 85.24 96.91 102.94 C 育 児 休 業 給 付 金 の 支 給 (20.33) (27.11) (33.89) (40.67) (42.64) (42.64) (42.64) (42.64) の 社 会 保 険 料 の 負 担 軽 減 額 (6.56) (8.74) (10.93) (13.11) (15.30) (17.48) (19.67) (21.85) 内 所 得 税 の 負 担 軽 減 額 ( 1) (1.42) (2.10) (2.79) (5.01) (8.20) (14.86) (23.07) (25.63) 訳 住 民 税 の 負 担 軽 減 額 ( 1) (2.84) (4.19) (5.57) (6.69) (8.20) (10.25) (11.53) (12.81) D 育 児 休 業 を 取 得 する 場 合 の 手 取 り 収 入 (A+B+C) 235.12 307.19 378.42 449.24 514.15 575.28 634.10 687.29 E 育 児 休 業 を 取 得 することによる 手 取 り 収 入 減 (D-A) -18.84-24.53-30.16-34.52-42.32-48.10-53.09-63.73 F 休 業 中 の 手 取 り 収 入 の 補 填 割 合 (-C/B) 62.31% 63.21% 63.81% 65.48% 63.72% 63.93% 64.60% 61.76% ( 1) 所 得 税 の 負 担 減 は 毎 月 の 源 泉 徴 収 時 だけでなく 年 末 調 整 時 にも 行 われる また 住 民 税 の 負 担 減 は 育 児 休 業 を 取 得 した 年 の 翌 年 度 ( 翌 年 6 月 ~ 翌 々 年 5 月 )の 特 別 徴 収 額 が 減 ることで 調 整 される そのため 育 児 休 業 の 取 得 時 期 と 負 担 が 軽 減 される 時 期 にはずれがある ( 2) 手 取 り 収 入 が 増 える 方 向 の 変 化 をプラスで 手 取 り 収 入 が 減 少 する 方 向 の 変 化 をマイナスで 表 示 している ( 3) 百 円 未 満 の 数 値 を 四 捨 五 入 して 表 示 しているため 表 中 のD-AがEと 一 致 しないこと 等 がある ( 出 所 ) 大 和 総 研 制 度 調 査 部 試 算 夫 の 年 収 が 600 万 円 の 場 合 を 例 に 育 児 休 業 を 取 得 した 場 合 の 手 取 り 収 入 の 変 化 について 説 明 する 育 児 休 業 を 取 得 しない 場 合 の 手 取 り 収 入 は 483 万 7,600 円 である(A) 育 児 休 業 を 取 得 することにより 会 社 から 支 給 される 税 込 みの 年 収 は 育 児 休 業 を 取 得 しない 場 合 と 比 べて 100 万 円 減 少 する(B) 育 児 休 業 給 付 金 は 月 給 分 の 61 日 分 の 50%が 支 給 される この 場 合 月 給 は 40 万 円 であるので 40 万 6,700 円 が 支 給 される 4 社 会 保 険 料 は 育 児 休 業 取 得 期 間 分 の 2 か 月 分 が 徴 収 されず 13 万 1,100 円 が 軽 減 される 育 児 休 業 給 付 金 に 対 しては 所 得 税 および 住 民 税 は 課 税 されない したがって 育 児 休 業 取 得 により 会 社 か ら 支 給 される 給 料 が 減 少 した 分 だけ 5 所 得 税 および 住 民 税 の 課 税 所 得 が 減 少 し 所 得 税 および 住 民 税 の 負 担 が 軽 減 されることになる このことにより 所 得 税 5 万 100 円 住 民 税 6 万 6,900 円 が 軽 減 される 育 児 休 業 給 付 と 税 社 会 保 険 料 負 担 減 の 合 計 金 額 は 65 万 4,800 円 となる(C) 育 児 休 業 を 取 得 した 場 合 の 手 取 り 収 入 は A-B+C により 449 万 2,400 円 となる(D) 育 児 休 業 を 取 得 しない 場 合 と 比 較 すると 手 取 り 収 入 の 減 少 額 は 34 万 5,200 円 である(E) 育 児 休 業 を 取 得 しなければ 会 社 から 得 られた 税 込 みの 収 入 と 比 較 すると 休 業 中 の 手 取 り 収 入 は 実 質 65.48% 補 填 されているといえる(F) 夫 の 年 収 が 300 万 円 ~1,000 万 円 の 場 合 のシミュレーションでは 休 業 中 の 手 取 り 収 入 の 補 填 割 合 (F)は 61.76%~65.48%となり 多 少 のばらつきはあるものの 概 ね 6 割 強 であるといえる 育 児 休 業 給 付 金 だけを 見 ると 休 業 中 の 収 入 減 に 対 する 補 填 割 合 は 5 割 に 満 たないが 税 や 社 会 保 険 の 負 担 軽 減 も 考 慮 した 実 質 的 な 休 業 中 の 手 取 り 収 入 の 補 填 割 合 は 上 乗 せされ 6 割 強 となった 4 正 確 な 計 算 は 40 万 円 /30 日 61 日 50% =40 万 6,667 円 100 円 未 満 を 四 捨 五 入 した 40 万 6,700 円 が 支 給 される 5 正 確 には 減 少 した 給 料 の 額 から 給 与 所 得 控 除 額 を 差 し 引 いた 分 だけ 課 税 所 得 が 減 少 する

5 / 9 育 児 休 業 給 付 金 の 給 付 額 は 上 限 があり 年 収 700 万 円 以 上 では 上 限 の 42 万 6,400 円 となっている そのため 年 収 700 万 円 以 上 では 年 収 が 多 い 場 合 ほど 育 児 休 業 中 に 育 児 休 業 給 付 金 によって 手 取 り 収 入 が 補 填 される 割 合 は 低 下 する 一 方 年 収 が 高 くなるほど 育 児 休 業 取 得 による 所 得 税 の 負 担 軽 減 額 は 累 進 的 に 増 加 する これは 所 得 税 が 年 収 が 高 くなるほど 適 用 される 税 率 が 高 くなる 超 過 累 進 税 率 のしくみをとっているためである この2つの 効 果 が 打 ち 消 しあうため 年 収 700 万 円 以 上 であり 育 児 休 業 給 付 金 の 支 給 額 が 上 限 に 達 しても 年 収 1,000 万 円 程 度 までであれば 休 業 中 の 手 取 り 収 入 の 補 填 割 合 (F)には 大 きな 変 化 がなく 6 割 強 が 維 持 され ていた (2) 共 働 き 世 帯 で 育 児 休 業 を 分 け 合 うケース 夫 婦 ともに 会 社 員 で 共 働 きである 2010 年 に 出 産 し 妻 は 8 週 間 の 産 後 休 業 を 取 った 後 子 どもが 1 歳 に 達 するまで 10 ヶ 月 間 の 育 児 休 業 の 取 得 をする 予 定 である ここで 夫 婦 で 育 児 休 業 を 分 け 合 った 場 合 ( 妻 が 4 ヶ 月 [ 産 後 休 業 と 合 わせて 6 ヶ 月 ] 6 ヶ 月 とした 場 合 ) 妻 のみが 10 ヶ 月 育 児 休 業 を 取 得 した 場 合 と 比 べ どの 程 度 手 取 り 収 入 が 減 少 するのか 各 種 制 度 を 考 慮 して 試 算 を 行 う 以 下 の 前 提 で 試 算 を 行 った 育 児 休 業 を 取 得 しない 場 合 の 夫 の 税 込 み 年 収 は 400 万 円 ~1,000 万 円 育 児 休 業 を 取 得 しない 場 合 の 妻 の 税 込 み 年 収 は 夫 婦 間 で 年 収 に 差 があるケース( 妻 の 年 収 が 夫 の 2/3)の 場 合 と 夫 婦 間 で 年 収 に 差 がないケース( 夫 と 同 額 )の2ケースを 想 定 育 児 休 業 を 取 得 すると その 期 間 会 社 からの 月 給 は 支 給 されず 年 間 のボーナスは 育 児 休 業 取 得 期 間 相 当 分 がカットされる( 妻 が 産 後 休 業 を 取 得 した 場 合 も 同 様 とする) つまり 妻 のみが 育 児 休 業 を 取 得 した 場 合 妻 の 会 社 からの 収 入 は0となり 夫 の 会 社 からの 収 入 は 全 額 が 維 持 される 一 方 夫 婦 で 育 児 休 業 を 分 け 合 っ た 場 合 妻 の 会 社 からの 収 入 夫 の 会 社 からの 収 入 はともに 1/2 に 減 少 する 育 児 休 業 給 付 金 の 計 算 にあたっては 4 ヶ 月 =122 日 6 ヶ 月 =183 日 10 ヶ 月 =305 日 とする 税 額 の 計 算 にあたっては 社 会 保 険 料 控 除 扶 養 控 除 ( 子 どもは 夫 の 扶 養 扱 いとする) 基 礎 控 除 生 命 保 険 料 控 除 ( 夫 婦 ともに 所 得 税 5 万 円 住 民 税 3.5 万 円 )を 適 用 する 妻 のみが 育 児 休 業 を 取 得 した 場 合 夫 に は 配 偶 者 控 除 が 適 用 される

6 / 9 夫 婦 の 年 収 に 差 がある 場 合 夫 婦 の 年 収 に 差 がある( 妻 の 年 収 が 夫 の 2/3 である) 場 合 において 妻 のみが 育 児 休 業 を 取 得 する 場 合 と 夫 婦 で 育 児 休 業 を 分 け 合 って 取 得 する 場 合 の 世 帯 の 手 取 り 収 入 の 違 いを 試 算 したものが 以 下 の 図 表 3である 図 表 3 夫 婦 で 育 児 休 業 を 分 け 合 った 場 合 の 手 取 り 収 入 の 変 化 夫 婦 の 年 収 に 差 がある 場 合 ( 単 位 : 万 円 ) 夫 の( 育 児 休 業 を 取 得 しない 場 合 の) 税 込 み 年 収 400 500 600 700 800 900 1,000 妻 の( 育 児 休 業 を 取 得 しない 場 合 の) 税 込 み 年 収 267 333 400 467 533 600 667 A 妻 のみが 育 児 休 業 を 取 得 する 場 合 の 世 帯 手 取 り 収 入 435.49 538.29 639.42 738.07 830.92 920.68 997.72 夫 の 手 取 り 収 入 (331.72) (408.57) (483.76) (556.47) (623.37) (687.19) (751.02) 妻 の 手 取 り 収 入 (103.77) (129.72) (155.66) (181.60) (207.54) (233.49) (246.70) B 夫 婦 で 育 児 休 業 を 分 け 合 った 場 合 の 世 帯 手 取 り 収 入 416.15 513.13 611.55 695.36 772.65 849.79 921.62 夫 の 手 取 り 収 入 (251.74) (311.25) (370.76) (415.86) (454.44) (492.86) (531.07) 妻 の 手 取 り 収 入 (164.41) (201.87) (240.79) (279.50) (318.21) (356.93) (390.55) C 夫 婦 で 育 児 休 業 を 分 うことによる 世 帯 手 取 り 収 入 の 変 化 (B-A) -19.34-25.16-27.87-42.72-58.27-70.89-76.10 給 与 ボーナスの 変 化 額 ( 世 帯 合 算 ) (-66.67) (-83.33) (-100.00) (-116.67) (-133.33) (-150.00) (-166.67) C 育 児 休 業 給 付 金 の 増 加 額 ( 世 帯 合 算 ) (27.11) (33.89) (40.67) (33.03) (19.47) (5.92) (0.00) の 社 会 保 険 料 の 負 担 軽 減 額 ( 世 帯 合 算 ) (8.74) (10.93) (13.11) (15.30) (17.48) (19.67) (21.85) 内 所 得 税 の 負 担 軽 減 額 ( 世 帯 合 算 )( 1) (3.87) (4.50) (7.28) (12.07) (21.86) (34.69) (47.30) 訳 住 民 税 の 負 担 軽 減 額 ( 世 帯 合 算 )( 1) (7.60) (8.85) (11.07) (13.56) (16.25) (18.83) (21.42) D 夫 婦 で 育 児 休 業 を 分 け 合 うことによる 世 帯 手 取 り 収 入 の 変 化 率 (1-B/A) -4.44% -4.67% -4.36% -5.79% -7.01% -7.70% -7.63% ( 1) 所 得 税 の 負 担 減 は 毎 月 の 源 泉 徴 収 時 だけでなく 年 末 調 整 時 にも 行 われる また 住 民 税 の 負 担 減 は 育 児 休 業 を 取 得 した 年 の 翌 年 度 ( 翌 年 6 月 ~ 翌 々 年 5 月 )の 特 別 徴 収 額 が 減 ることで 調 整 される そのため 育 児 休 業 の 取 得 時 期 と 負 担 が 軽 減 される 時 期 にはずれがある ( 2) 手 取 り 収 入 が 増 える 方 向 の 変 化 をプラスで 手 取 り 収 入 が 減 少 する 方 向 の 変 化 をマイナスで 表 示 している ( 3) 百 円 未 満 の 数 値 を 四 捨 五 入 して 表 示 しているため 表 中 のB-AがCと 一 致 しないこと 等 がある ( 出 所 ) 大 和 総 研 制 度 調 査 部 試 算 夫 の 年 収 が 600 万 円 妻 の 年 収 が 400 万 円 の 場 合 を 例 に 夫 婦 で 育 児 休 業 を 分 け 合 った 場 合 の 手 取 り 収 入 の 変 化 について 説 明 する 妻 のみが 育 児 休 業 を 取 得 する 場 合 夫 は 会 社 からの 給 料 ボーナスが 600 万 円 支 給 される 夫 の 税 負 担 は 所 得 税 13 万 800 円 住 民 税 24 万 4,800 円 社 会 保 険 料 は 78 万 6,700 円 となり これらを 引 いた 後 の 手 取 り 収 入 は 483 万 7,600 円 * になる 妻 は 1 年 間 を 通 じて 会 社 を 休 むため 会 社 からの 給 料 ボーナスは 支 給 されないが 産 後 の 出 産 手 当 金 6 28 万 4,400 円 と 育 児 休 業 給 付 金 135 万 5,600 円 が 支 給 される 課 税 所 得 がゼロなので 所 得 税 住 民 税 の 負 担 はな いが 産 後 休 業 中 の 社 会 保 険 料 8 万 3,400 円 が 徴 収 されるため 妻 の 手 取 り 収 入 は 155 万 6,600 円 となる 妻 のみが 育 児 休 業 を 取 得 する 場 合 世 帯 合 計 の 手 取 り 収 入 は 合 わせて 639 万 4,200 円 となる(A) 夫 婦 で 育 児 休 業 を 分 け 合 った 場 合 夫 も 妻 も 6 ヶ 月 間 休 業 するため 会 社 からの 給 料 ボーナスの 支 給 額 は 本 来 の 半 分 になる 夫 は 会 社 からの 給 料 ボーナスの 300 万 円 から 所 得 税 3 万 5,800 円 住 民 税 8 万 3,200 円 社 会 保 険 料 39 万 3,400 円 が 控 除 される 一 方 育 児 休 業 給 付 金 が 122 万 円 支 給 され 手 取 り 収 入 は 370 万 7,600 円 とな る 妻 は 会 社 からの 給 料 ボーナスの 200 万 円 から 所 得 税 2 万 2,200 円 住 民 税 50,900 円 社 会 保 険 料 34 万 5,700 円 が 控 除 される 一 方 出 産 手 当 金 が 28 万 4,400 円 育 児 休 業 給 付 金 が 54 万 2,200 円 支 給 され 手 取 り 収 入 は 240 万 7,900 円 * となる 夫 婦 で 育 児 休 業 を 分 け 合 った 場 合 世 帯 の 手 取 り 収 入 は 合 わせて 611 万 5,500 円 となる(B) B-A により 夫 婦 で 育 児 休 業 を 分 け 合 った 場 合 妻 のみが 育 児 休 業 を 取 得 する 場 合 に 比 べて 世 帯 の 手 取 り 収 入 は 27 万 8,700 円 減 少 しており(C) 変 化 率 でいうと 4.36%の 減 少 になる(D) * 税 社 会 保 険 料 給 付 金 等 は 100 円 未 満 を 四 捨 五 入 して 表 示 しているため 端 数 計 算 により 合 計 金 額 が 一 致 しない 6 産 前 産 後 休 業 前 の 標 準 報 酬 月 額 の 2/3 が 健 康 保 険 より 支 給 される

7 / 9 C の 内 訳 をみると 夫 の 方 が 年 収 が 高 い 場 合 育 児 休 業 を 分 け 合 うと 夫 の 給 料 ボーナスの 減 少 額 (300 万 円 )が 妻 の 給 料 ボーナスの 増 加 額 (200 万 円 )を 上 回 るため 世 帯 合 算 の 給 料 ボーナスの 額 は 100 万 円 減 少 している 一 方 夫 の 方 が 妻 よりも 1 日 あたりの 育 児 休 業 給 付 金 が 高 いため 世 帯 合 算 の 育 児 休 業 給 * 付 金 は 40 万 6,700 円 増 加 する また 夫 のほうが 妻 よりも 社 会 保 険 料 が 高 いため 社 会 保 険 料 を 免 除 さ * れる 金 額 が 13 万 1,100 円 増 加 する 所 得 税 と 住 民 税 についても 給 与 収 入 が 減 少 したこと 等 に 伴 い 7 負 担 が 軽 減 されている( 所 得 税 7 万 2,800 円 住 民 税 11 万 700 円 ) 夫 婦 の 年 収 に 差 があり 夫 の 方 が 年 収 が 多 い 場 合 年 収 の 少 ない 妻 のみが 育 児 休 業 を 取 り 夫 が 働 き 続 けるこ とに 経 済 合 理 性 がある しかしながら 育 児 休 業 給 付 金 や 各 種 の 負 担 軽 減 措 置 も 考 慮 すると 夫 婦 で 育 児 休 業 を 分 け 合 ったとしても 妻 のみが 育 児 休 業 を 取 る 場 合 と 比 べて 年 間 の 世 帯 手 取 り 収 入 の 減 少 は 4.36~7.70% に 留 まっており 比 率 的 にはあまり 大 きくない 夫 婦 の 年 収 が 同 じ 場 合 夫 婦 の 年 収 が 同 じ 場 合 において 妻 のみが 育 児 休 業 を 取 得 する 場 合 と 夫 婦 で 育 児 休 業 を 分 け 合 って 取 得 する 場 合 の 世 帯 の 手 取 り 収 入 の 違 いを 試 算 したものが 以 下 の 図 表 4である 図 表 4 夫 婦 で 育 児 休 業 を 分 け 合 った 場 合 の 手 取 り 収 入 の 変 化 夫 婦 の 年 収 が 同 じ 場 合 ( 単 位 : 万 円 ) 夫 の( 育 児 休 業 を 取 得 しない 場 合 の) 税 込 み 年 収 400 500 600 700 800 900 1,000 妻 の( 育 児 休 業 を 取 得 しない 場 合 の) 税 込 み 年 収 400 500 600 700 800 900 1,000 A 妻 のみが 育 児 休 業 を 取 得 する 場 合 の 世 帯 手 取 り 収 入 487.38 603.15 717.25 804.85 876.77 945.62 1,014.47 夫 の 手 取 り 収 入 (331.72) (408.57) (483.76) (556.47) (623.37) (687.19) (751.02) 妻 の 手 取 り 収 入 (155.66) (194.57) (233.49) (248.38) (253.40) (258.43) (263.45) B 夫 婦 で 育 児 休 業 を 分 け 合 った 場 合 の 世 帯 手 取 り 収 入 492.53 610.11 727.69 821.25 903.74 985.94 1,066.83 夫 の 手 取 り 収 入 (251.74) (311.25) (370.76) (415.86) (454.44) (492.86) (531.07) 妻 の 手 取 り 収 入 (240.79) (298.86) (356.93) (405.39) (449.31) (493.07) (535.76) C 夫 婦 で 育 児 休 業 を 分 うことによる 世 帯 手 取 り 収 入 の 変 化 (B-A) +5.15 +6.96 +10.44 +16.40 +26.97 +40.31 +52.36 給 与 ボーナスの 変 化 額 ( 世 帯 合 算 ) (0.00) (0.00) (0.00) (0.00) (0.00) (0.00) (0.00) C 育 児 休 業 給 付 金 の 増 加 額 ( 世 帯 合 算 ) (0.00) (0.00) (0.00) (0.00) (0.00) (0.00) (0.00) の 社 会 保 険 料 の 負 担 軽 減 額 ( 世 帯 合 算 ) (0.00) (0.00) (0.00) (0.00) (0.00) (0.00) (0.00) 内 所 得 税 の 負 担 軽 減 額 ( 世 帯 合 算 )( 1) (1.77) (2.37) (4.64) (8.99) (18.15) (30.29) (41.12) 訳 住 民 税 の 負 担 軽 減 額 ( 世 帯 合 算 )( 1) (3.38) (4.59) (5.80) (7.41) (8.82) (10.03) (11.24) D 夫 婦 で 育 児 休 業 を 分 け 合 うことによる 世 帯 手 取 り 収 入 の 変 化 率 (1-B/A) +1.06% +1.15% +1.46% +2.04% +3.08% +4.26% +5.16% ( 1) 所 得 税 の 負 担 減 は 毎 月 の 源 泉 徴 収 時 だけでなく 年 末 調 整 時 にも 行 われる また 住 民 税 の 負 担 減 は 育 児 休 業 を 取 得 した 年 の 翌 年 度 ( 翌 年 6 月 ~ 翌 々 年 5 月 )の 特 別 徴 収 額 が 減 ることで 調 整 される そのため 育 児 休 業 の 取 得 時 期 と 負 担 が 軽 減 される 時 期 にはずれがある ( 2) 手 取 り 収 入 が 増 える 方 向 の 変 化 をプラスで 手 取 り 収 入 が 減 少 する 方 向 の 変 化 をマイナスで 表 示 している ( 3) 百 円 未 満 の 数 値 を 四 捨 五 入 して 表 示 しているため 表 中 のB-AがCと 一 致 しないこと 等 がある ( 出 所 ) 大 和 総 研 制 度 調 査 部 試 算 夫 婦 ともに 年 収 600 万 円 である 場 合 を 例 に 夫 婦 で 育 児 休 業 を 分 け 合 った 場 合 の 手 取 り 収 入 の 変 化 について 説 明 する 妻 のみが 育 児 休 業 を 取 得 する 場 合 夫 は 会 社 からの 給 料 ボーナスが 600 万 円 支 給 される 夫 の 税 負 担 は 所 得 税 13 万 800 円 住 民 税 24 万 4,800 円 社 会 保 険 料 は 78 万 6,700 円 であり これらを 引 いた 後 の 手 取 り 収 入 は 483 万 7,600 円 * になる 妻 は 1 年 間 を 通 じて 会 社 を 休 むため 会 社 からの 給 料 ボーナスは 支 給 されないが 産 後 の 出 産 手 当 金 42 万 6,700 円 育 児 休 業 給 付 金 203 万 3,300 円 が 支 給 される 課 税 所 得 がゼロなので 所 得 税 住 民 税 の 負 担 はな いが 産 後 休 業 中 の 社 会 保 険 料 12 万 5,100 円 が 徴 収 されるため 妻 の 手 取 り 収 入 は 233 万 4,900 円 となる 妻 のみが 育 児 休 業 を 取 得 する 場 合 世 帯 合 計 の 手 取 り 収 入 は 合 わせて 717 万 2,500 円 となる(A) 7 7 ページの 例 で 述 べているように 所 得 税 住 民 税 の 負 担 が 減 っている 理 由 には 夫 婦 合 算 の 給 与 収 入 が 減 少 しているだ けでなく 課 税 所 得 金 額 や 適 用 税 率 が 下 がっていることも 理 由 としてあげられる

8 / 9 夫 婦 で 育 児 休 業 を 分 け 合 った 場 合 夫 も 妻 も 6 ヶ 月 間 休 業 するため 会 社 からの 給 料 ボーナスの 支 給 額 は 本 来 の 半 分 になる 夫 は 会 社 からの 給 料 ボーナスは 300 万 円 となり 所 得 税 3 万 5,800 円 住 民 税 8 万 3,200 円 社 会 保 険 料 39 万 3,400 円 が 控 除 される 一 方 育 児 休 業 給 付 金 が 122 万 円 支 給 され 手 取 り 収 入 は 370 万 7,600 円 と なる 妻 は 会 社 からの 給 料 ボーナスは 300 万 円 となり 所 得 税 4 万 8,600 円 住 民 税 10 万 3,700 円 社 会 保 険 料 51 万 8,500 円 が 控 除 される 一 方 出 産 手 当 金 が 42 万 6,700 円 育 児 休 業 給 付 金 が 81 万 3,300 円 支 給 され 手 取 り 収 入 は 356 万 9,300 円 * となる( 夫 に 扶 養 控 除 を 適 用 したため 夫 の 方 が 所 得 税 住 民 税 が 少 なくなっている) 夫 婦 で 育 児 休 業 を 分 け 合 った 場 合 世 帯 の 手 取 り 収 入 は 合 計 727 万 6,900 円 となる B-A により 夫 婦 で 育 児 休 業 を 分 け 合 った 場 合 妻 のみが 育 児 休 業 を 取 得 する 場 合 に 比 べて 世 帯 の 手 取 り 収 入 は 10 万 4,400 円 増 加 しており(C) 変 化 率 でいうと 1.46%の 増 加 になる(D) C の 内 訳 をみると 夫 婦 の 年 収 が 同 じため 会 社 から 支 給 される 給 料 ボーナスには 変 化 がなく 育 児 休 業 給 付 金 や 社 会 保 険 料 にも 変 化 がない 妻 のみが 育 児 休 業 を 取 得 する 場 合 と 比 べて 夫 婦 で 育 児 休 業 を 分 け 合 った 方 が 所 得 税 と 住 民 税 の 負 担 が 軽 く なっていることが 分 かる 所 得 税 は 個 人 単 位 の 超 過 累 進 税 率 となっており 個 人 単 位 の 年 収 が 高 くなるほど 適 用 される 税 率 が 高 くな る したがって 夫 のみが 600 万 円 の 収 入 がある 場 合 よりも 夫 婦 ともに 300 万 円 ずつの 収 入 がある 場 合 の 方 が 適 用 される 税 率 が 低 くなり 8 世 帯 の 合 計 で 納 めるべき 税 額 が 少 なくなる 住 民 税 は 一 律 10%であるが 給 与 所 得 控 除 や 各 種 所 得 控 除 によって 年 収 が 一 定 金 額 までであれば 所 得 割 が 課 されない そのため 夫 のみが 600 万 円 の 収 入 がある 場 合 よりも 夫 婦 ともに 300 万 円 ずつの 収 入 がある 場 合 の 方 が 合 計 の 課 税 所 得 金 額 が 低 くなり 世 帯 の 合 計 で 納 めるべき 税 額 が 少 なくなる 夫 婦 の 年 収 が 同 じ 場 合 は 妻 のみが 育 児 休 業 を 取 得 するよりも 夫 婦 で 育 児 休 業 を 分 け 合 った 方 が 世 帯 手 取 り 収 入 が 増 加 する このため 妻 のみが 育 児 休 業 を 取 得 することは 収 入 面 だけでいうと 経 済 合 理 性 がない 妻 のみが 育 児 休 業 を 取 得 する 場 合 と 比 べて 夫 婦 で 育 児 休 業 を 分 け 合 った 場 合 に 増 加 する 世 帯 手 取 り 収 入 は 年 間 の 世 帯 手 取 り 収 入 の 1.06~5.16%であり 年 収 が 多 いほどその 増 加 率 は 高 くなっている 年 収 が 多 いほど 増 加 率 が 高 くなる 理 由 は 年 収 が 高 いほど 適 用 されている 所 得 税 率 が 高 くなるため 夫 婦 で 育 児 休 業 を 分 け 合 う( 年 収 を 分 け 合 う)ことによる 税 率 軽 減 のメリットが 大 きくなるためである 4.まとめ 今 回 の 試 算 により 専 業 主 婦 世 帯 で 夫 が 育 児 休 業 を 2 ヶ 月 取 得 する 場 合 育 児 休 業 給 付 金 や 税 社 会 保 険 料 の 軽 減 を 考 慮 すると 概 ね 休 業 中 の 給 料 の 6 割 強 が 実 質 補 填 されることがわかった 共 働 き 世 帯 では 夫 婦 の 年 収 に 差 がある( 妻 の 年 収 が 夫 の 2/3 である) 場 合 妻 だけが 育 児 休 業 を 10 ヶ 月 取 8 所 得 税 においても 住 民 税 の 話 と 同 様 に 夫 のみが 600 万 円 の 収 入 がある 場 合 よりも 夫 婦 ともに 300 万 円 ずつの 収 入 が ある 場 合 の 方 が 世 帯 合 計 の 課 税 所 得 金 額 も 少 なくなっている

9 / 9 得 する 場 合 と 比 べ 夫 婦 で 育 児 休 業 を 分 け 合 った 場 合 ( 妻 4 ヶ 月 夫 6 ヶ 月 取 得 ) 世 帯 の 手 取 り 年 収 は4~8% 程 度 減 少 することがわかった 共 働 き 世 帯 で 夫 婦 の 年 収 が 同 じである 場 合 は 妻 だけが 育 児 休 業 を 10 ヶ 月 取 得 するよりも 夫 婦 で 育 児 休 業 を 分 け 合 った( 妻 4 ヶ 月 夫 6 ヶ 月 取 得 ) 方 が 世 帯 の 手 取 り 年 収 が1~5% 程 度 増 加 することがわかった 育 児 休 業 取 得 時 の 税 社 会 保 険 の 扱 いを 詳 細 に 分 析 してみると 男 性 が 育 児 休 業 を 取 得 した 場 合 の 減 収 につい て 個 々 人 により 感 じ 方 は 異 なるかもしれないが 大 幅 な 収 入 減 にはならないことがわかる 特 に 共 働 き 世 帯 で 夫 婦 の 年 収 があまり 変 わらない 場 合 妻 のみが 育 児 休 業 を 取 得 し 夫 が 育 児 休 業 を 取 得 しないことについ て 経 済 的 合 理 性 は 認 められない 男 性 の 育 児 休 業 取 得 率 は 1.23%と 女 性 の 90.6%に 対 して 非 常 に 低 い 9 男 性 が 育 児 休 業 を 取 得 しない 理 由 と しては 子 を 見 てくれる 人 がいたので 休 む 必 要 がなかったから や 職 場 の 人 に 迷 惑 がかかるから が 上 位 にあげられるが 取 得 すると 収 入 が 減 るから としている 割 合 も 少 なくない 10 男 性 が 育 児 休 業 を 取 得 し ない 原 因 の1つには 育 児 休 業 給 付 金 や 各 種 の 負 担 軽 減 措 置 についての 理 解 が 進 まず 夫 が 育 児 休 業 を 取 得 すると 世 帯 の 手 取 り 収 入 が 大 きく 減 少 する と 思 われていることもあげられるかもしれない 男 性 の 育 児 休 業 取 得 を 広 げるためには 育 児 介 護 休 業 法 の 改 正 などの 法 制 度 の 整 備 や 職 場 におけるワークラ イフバランスの 充 実 などだけでなく 育 児 休 業 給 付 金 や 各 種 の 負 担 軽 減 措 置 についての 理 解 を 国 民 に 広 めるこ とも 大 事 になるだろう 9 厚 生 労 働 省 平 成 20 年 度 雇 用 均 等 基 本 調 査 より 10 平 成 20 年 度 東 京 都 男 女 雇 用 平 等 参 画 状 況 調 査 結 果 報 告 書 によると 父 親 が 育 児 休 業 を 取 得 しなかった 理 由 として 1 位 に 子 を 見 てくれる 人 がいたので 休 む 必 要 がなかったから (72.4%) 2 位 に 職 場 の 人 に 迷 惑 がかかるから (8.6%) 3 位 に 収 入 が 減 り 経 済 的 に 困 るから (6.6%)が 挙 げられている http://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.jp:80/monthly/koyou/sankaku_20/index.html