16 裁 大 法 廷 判 決 ( 最 高 裁 大 法 廷 昭 和 四 八 年 一 二 月 一 二 曰 判 決 判 例 時 報 七 二 四 号 一 八 頁 )であり もう 一 つは 経 歴 詐 (4) 称 に 関 わる 裁 判 例 である と 考 える 三 菱 樹 脂 の 最 高 裁 大 法 廷 判



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接 支 払 制 度 を 活 用 するか 意 思 を 確 認 する 確 認 に 当 たっては 次 の 各 号 に 掲 げる 事 項 について 書 面 により 世 帯 主 の 合 意 を 得 て 代 理 契 約 を 締 結 するものとする (1) 医 療 機 関 等 が 本 市 に 対 し 世 帯 主

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(2) 検 体 採 取 に 応 ずること (3) ドーピング 防 止 と 関 連 して 自 己 が 摂 取 し 使 用 するものに 責 任 をもつこと (4) 医 師 に 禁 止 物 質 及 び 禁 止 方 法 を 使 用 してはならないという 自 己 の 義 務 を 伝 え 自 己 に 施 される

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特 集 一 雇 用 差 別 禁 止 法 制 について はじめに 従 来 から 部 落 差 別 が 典 型 的 に 現 象 となるのは 結 婚 差 別 と 就 職 差 別 であるといういわれ 方 をしてきた そして 結 婚 と 就 職 は 人 の 社 会 生 活 にとって 非 常 に 重 大 な 事 柄 であるがゆえに 差 別 の 深 刻 さを 物 語 るものと 位 置 づけ てられているのではないかと 思 える この 二 つの 重 大 な 局 卯 面 に 関 する 法 的 救 済 制 度 やその 事 例 などを 見 てみると 肱 結 婚 に 関 しては 民 事 裁 判 例 が 多 く 積 み 重 ねられてきて 缶 法 いることや 裁 判 例 の 発 展 などを 看 取 することができるよ (1) 靴 うに 思 われる もっとも これらの 規 制 救 済 として 民 1 割 事 訴 訟 制 度 が 最 善 のものであるかどうかは 大 いに 議 論 の 駅 あるところであろうが この 点 は 本 稿 では 立 ち 入 らな 5い これと 対 比 すると 就 職 差 別 に 関 する 民 事 裁 判 例 と 1 竹 下 政 行 (2) いうのは 非 常 に 乏 しい しかし そのこし は 就 職 に 関 する 差 別 事 象 が 存 在 しないとか 極 めて 少 ないとかいうこ (3) し を 意 味 するものではない 実 態 的 に 存 在 していながら 民 事 訴 訟 刑 事 訴 訟 を 含 めた 裁 判 制 度 による 規 制 救 済 の 実 例 に 乏 しいことは この 分 野 における 制 度 やその 運 用 に 問 題 があるのではないか その 問 題 とは 何 か さら に それを 克 服 する 展 望 はどのような 方 向 に 見 出 される のかということを 考 えてみることには 意 味 があると 思 う 本 稿 では 右 のような 課 題 意 識 からいくつかのポイ ントを 記 述 してみたい 二 裁 判 例 などについて 就 職 差 別 そのものではないが 就 職 に 関 わる 労 働 裁 判 例 をみるときに 重 要 なのは 一 つは 三 菱 樹 脂 事 件 最 高

16 裁 大 法 廷 判 決 ( 最 高 裁 大 法 廷 昭 和 四 八 年 一 二 月 一 二 曰 判 決 判 例 時 報 七 二 四 号 一 八 頁 )であり もう 一 つは 経 歴 詐 (4) 称 に 関 わる 裁 判 例 である と 考 える 三 菱 樹 脂 の 最 高 裁 大 法 廷 判 決 は あまりにも 有 名 であ り これを 詳 細 に 紹 介 するのは 差 し 控 えるが 本 稿 の 課 題 意 識 との 関 係 では 1 憲 法 は 思 想 信 条 の 自 由 や 法 の 下 の 平 等 を 保 障 すると 同 時 に 他 方 一 三 条 一 一 九 条 などにおいて 財 産 権 の 行 使 営 業 その 他 広 く 経 済 活 動 の 自 由 をも 基 本 的 人 権 として 保 障 している それゆえ 企 業 者 は かような 経 済 活 動 の 一 環 としてする 契 約 締 結 の 自 由 を 有 し 自 己 の 営 業 のために 労 働 者 を 一 雇 用 するに あたり いかなる 者 を 一 雇 い 入 れるか いかなる 条 件 でこ れを 一 雇 うかについて 法 律 その 他 による 特 別 の 制 限 がな い 限 り 原 則 として 自 由 にこれを 決 定 できる 2 労 働 基 準 法 三 条 は 労 働 者 の 信 条 によって 賃 金 その 他 の 労 働 条 件 についての 制 限 であって 一 雇 い 入 れそのものを 制 約 す る 規 定 ではない 3 企 業 者 が 雇 用 の 自 由 を 有 し 思 想 信 条 を 理 由 として 一 雇 い 入 れを 拒 んでもこれを 目 して 違 法 とすることができない 以 上 企 業 者 が 労 働 者 の 採 否 決 定 にあたり 労 働 者 の 思 想 信 条 を 調 査 し そのためそ の 者 からこれに 関 連 する 事 項 についての 申 告 を 求 めるこ とも これを 法 律 上 禁 止 された 違 法 行 為 とすべき 理 由 は ない という 判 旨 部 分 をあげる つぎに 経 歴 詐 称 問 題 に 関 する 裁 判 例 についてであ る 経 歴 詐 称 問 題 とは これは 労 働 者 が 就 職 の 際 に 申 告 した 事 柄 について 丙 後 にそれが 事 実 ではないという ことが 判 明 したとき( 事 実 ではない 経 歴 を 述 べたと いうことから 詐 称 というようにいわれている しか し 詐 称 という 用 語 は 詐 術 と 同 義 ないし 類 似 し た 多 分 に 否 定 的 な 意 味 合 いを 含 んだものであり 概 念 としては 適 当 さを 欠 くように 思 える) 企 業 側 がそのこと を 理 由 に 解 一 層 あるいは 懲 戒 解 一 展 をすることができるか という 問 題 である 個 々の 裁 判 例 の 中 では 問 題 となっ ている 経 歴 の 性 質 内 容 や 詐 称 の 程 度 などから 企 業 のした 解 一 展 ( 懲 戒 解 一 層 )の 適 法 性 を 検 討 判 断 して いるのであるが 右 の 検 討 判 断 は 裏 返 せば 就 職 に あたって いかなる 事 項 について 真 実 を 申 告 すべき 義 務 があるのかという 問 題 とも 関 連 性 がないとはいえないと 思 われる そのような 経 歴 詐 称 に 関 わる 裁 判 例 の 一 つと して 炭 研 精 工 事 件 がある この 事 件 は 大 学 中 退 の 経 歴 および 二 度 の 刑 事 事 件 で 懲 役 刑 に 処 せられたことを 申 告 しなかったことを 理 由 としてなされた 懲 戒 解 一 屋 に 関 す る 事 例 である 右 事 件 に 関 する 東 京 高 裁 判 決 ( 東 京 高 等 裁 判 所 平 成 三 年 一 一 月 二 日 判 決 労 働 判 例 五 九 一 一 号 七 七

17 雇 用 差 別 禁 止 法 制 について 頁 )は 一 雇 用 関 係 は 労 働 力 の 給 付 を 中 核 としながらも 労 働 者 と 使 用 者 との 相 互 の 信 頼 関 係 に 基 礎 を 置 く 継 続 的 な 契 約 関 係 であるということができるから 使 用 者 が 雇 用 契 約 の 締 結 に 先 立 ち 雇 用 しようとする 労 働 者 に 対 し その 労 働 力 評 価 に 直 接 関 わる 事 項 ばかりではなく 当 該 企 業 あるいは 職 場 への 適 応 性 貢 献 意 欲 企 業 の 信 用 の 保 持 など 企 業 秩 序 の 維 持 に 関 係 する 事 項 についても 必 要 かつ 合 理 的 な 範 囲 内 で 申 告 を 求 めた 場 合 には 労 働 者 は 信 義 則 上 真 実 を 告 知 すべき 義 務 をおうというべ きである そして 最 終 学 歴 は 単 に 労 働 者 の 労 働 力 評 価 に 関 わるだけではなく 雇 い 入 れようとする 会 社 の 企 業 秩 序 の 維 持 にも 関 係 する 事 項 であることは 明 らか であるから 労 働 者 はこれについて 真 実 を 申 告 すべき 義 務 を 有 していたということができる と 説 示 をしている また 刑 事 事 件 に 関 するものについては 履 歴 書 の 賞 罰 欄 については 一 般 的 には 確 定 した 有 罪 判 決 をいうもの と 解 されるから 公 判 係 属 中 である 本 件 にあって 賞 罰 なしと 申 告 したことは 事 実 に 反 するものではない 上 採 用 面 接 にあたり 公 判 係 属 事 件 について 具 体 的 に 質 問 を 受 けたこともないから 応 募 者 が 自 ら 公 判 係 属 の 事 実 を 積 極 的 に 申 告 すべき 義 務 があったということは 相 当 では ない と 判 断 している なお 東 京 高 裁 は 結 論 として (5) 本 件 懲 戒 解 一 層 の 効 力 たこ 有 効 とした 右 東 京 高 裁 判 決 の 判 旨 は 必 要 かつ 合 理 的 な 範 囲 内 という 限 定 を 付 してはいるものの 応 募 者 が 真 実 を 申 告 しなければならない 事 項 を 労 働 力 評 価 に 直 接 関 わる 事 項 のほか 企 業 秩 序 の 維 持 に 関 係 する 事 項 について もこれを 認 めているという 点 において 非 常 に 大 きな 問 題 (6) を 含 んでいる し 考 えられる 三 行 政 的 な 取 り 組 みとの 関 係 について ところで 就 職 にあたっての 差 別 事 象 については こ れを 許 さないとする 取 り 組 みが 労 働 行 政 教 育 行 政 あ るいは 部 落 解 放 運 動 労 働 組 合 運 動 さらには 企 業 団 体 の 参 画 によって 進 められてきたことは 周 知 のことである これらの 取 り 組 みの 全 体 を 叙 述 するだけの 準 備 が 私 には できていないのであるが 就 職 の 選 考 過 程 における 調 査 面 接 における 質 問 事 項 などについて 直 接 的 あるい は 間 接 的 に 差 別 そのものであり あるいは 差 別 と 関 連 性 をもつ 事 柄 を 除 去 することを 目 的 とし 応 募 用 紙 の 記 載 事 項 を 規 制 し 提 出 書 類 についての 制 限 を 行 い また 実 効 性 を 監 視 する 方 法 ( 受 験 報 告 書 制 度 など)などが 行 われている

18 利 利 益 を 擁 護 する 視 点 に 欠 けている と 指 摘 せざるを 得 (8) ない また 古 い 裁 判 例 の 中 には 就 職 における 差 別 事 を 生 じるおそれがあるのみならず そもそも 応 募 者 の 権 の 説 示 は それが 一 人 歩 きすることになると 大 変 な 誤 解 しかし 三 菱 樹 脂 事 件 や 炭 研 精 工 事 件 に 関 する 裁 判 所 これらの 取 り 組 みを 支 える 法 的 確 信 あるいは 公 序 を 形 成 (7) しているといってよい で 一 致 しているのであり そのような 社 会 的 協 力 関 係 は 土 差 別 につながる 採 用 選 考 があってはならないという 点 府 も 使 用 者 団 体 も 就 職 差 別 は 撤 廃 されるべきとされ ということはできないと 考 える むしろ 現 在 の 曰 本 政 判 断 しているものとはいえないのだから 整 合 性 がない 事 裁 判 例 も 企 業 の 調 査 質 問 が 無 制 約 的 に 許 されると 囲 といういい 方 をしているのであるから いずれの 民 炭 研 精 工 事 件 の 東 京 高 裁 判 決 も 必 要 かつ 合 理 的 な 範 則 として 自 由 である という 判 示 をしているのであるし については 法 律 その 他 の 特 別 の 制 限 のない 場 合 には 原 高 裁 判 決 は 思 想 信 条 に 関 する 募 集 企 業 の 調 査 の 自 由 提 起 され 得 る しかし 先 に 示 したように 三 菱 樹 脂 最 に 述 べた 民 事 裁 判 例 と 整 合 するのかどうかという 問 題 が その 方 法 も 合 理 的 なものであると 私 も 考 えているが 先 これらの 取 り 組 みの 目 的 は 正 当 なものであり また 象 の 撤 廃 を 目 的 として 近 畿 高 等 学 校 進 路 指 導 連 絡 協 議 会 の 取 り 組 みがあるがゆえに 企 業 側 は 応 募 した 生 徒 の 資 質 能 力 適 正 などを 総 合 的 に 評 価 するのは 難 しい 状 況 にある したがって このように 採 用 時 に 企 業 独 自 の 調 査 が 相 当 大 幅 に 規 制 されている 下 での 卒 業 予 定 者 との 一 雇 用 契 約 については 通 常 新 規 卒 業 生 について 社 会 一 般 が 予 想 するところにはずれる 点 が 後 曰 判 明 し かつそのよ うな 事 由 があれば 不 採 用 になってもしかたがないといえ る 社 会 的 相 当 性 さえあれば 前 記 規 制 の 反 面 としてそれ だけゆるやかに さきになされた 採 用 決 定 の 取 り 消 しを 承 認 しなければならない という 判 断 を 示 すものがある (9) が これなどは 無 理 解 の 度 いが 著 しい 四 立 法 的 課 題 について 私 は これらの 裁 判 例 が 生 じた 根 本 的 な 問 題 は( 採 用 選 考 すなわち 一 雇 い 入 れについて 差 別 を 禁 止 するという 明 文 の 法 律 が 存 在 しないことにある と 考 えている 就 職 に 関 する 差 別 規 制 に 関 係 する 現 行 法 の 代 表 的 なも のとして 労 働 基 準 法 一 一 一 条 ( 罰 則 一 一 九 条 一 号 ) 同 一 三 条 三 項 ( 罰 則 二 九 条 一 号 ) 職 業 安 定 法 三 条 国 家 公 務 員 法 一 一 七 条 ( 罰 則 一 九 条 八 号 ) 地 方 公 務 員 法 一 三 条 ( 罰

19 雇 用 差 別 禁 止 法 制 について 則 六 条 一 号 )がある どれらの 規 定 の 内 民 間 企 業 とその 応 募 者 に 関 係 する のは 労 基 法 および 職 安 法 であるが その 問 題 点 の 概 略 を 指 摘 する 労 基 法 三 条 に 関 しては 先 に 引 用 した 三 菱 樹 脂 最 高 裁 判 例 が 説 示 するとおり 雇 い 入 れを 含 まない と 明 示 的 に 判 断 されているのであり かつ この 判 例 変 ( 皿 ) 更 が ロ 理 的 に 期 待 できる 状 況 にあるとはいえない 労 基 法 一 三 条 三 項 は 労 働 者 の 就 業 を 妨 げることを 目 的 とし て 国 籍 信 条 社 会 的 身 分 もしくは 労 働 組 合 運 動 に 関 する 通 信 などを 禁 止 するという 正 当 な 指 向 性 を 有 してい ると 考 えられるものの 文 理 上 その 適 用 場 面 は 著 しく ( ) 制 限 されている という 問 題 がある そして 職 安 法 一 二 条 については 労 基 法 各 規 定 と 異 なり 罰 則 規 定 ( 刑 事 罰 )もなく 実 際 上 憲 章 的 宣 言 的 意 義 をもつに 止 ま ると 指 摘 せざるを 得 ない 規 定 に 止 まる(しかし 近 時 重 要 な 意 義 をもつ 立 法 的 整 備 がなされた) これらに 対 して 公 務 員 法 の 関 係 では 国 家 公 務 員 法 も 地 方 公 務 員 法 も すべて 国 民 は この 法 律 の 適 用 にお いて という 文 理 から 明 らかなとおり 国 籍 による 差 別 という 重 要 な 例 外 を 除 き 民 間 企 業 の 場 合 の 一 雇 い 入 れに 相 当 する 任 用 が 含 まれると 解 され 職 員 となろうとする 者 に 対 する 差 別 も 右 各 公 務 員 法 に 違 反 し 罰 則 の 適 用 が ( ) とのうCO ところで 就 職 差 別 の 撤 廃 に 向 けて ILO 一 一 一 号 条 約 の 批 准 という 目 的 が 語 られることが 多 い それは 同 条 約 一 条 一 項 (a)において 条 約 上 の 差 別 待 遇 の 意 義 を 人 種 皮 膚 の 色 性 宗 教 政 治 的 見 解 民 族 的 出 身 又 は 社 会 的 出 身 に 基 づいて 行 われるすべての 差 別 除 外 又 は 優 先 であって 雇 用 又 は 職 業 における 機 会 又 は 待 遇 における 均 等 を 破 り 又 は 害 する 結 果 となる 者 と 規 定 し 同 条 三 項 が この 条 約 の 適 用 上 雇 用 および 職 業 とは 職 業 上 の 訓 練 を 受 けること 雇 用 されること および 個 々の 職 業 に 従 事 すること 並 びに 雇 用 の 条 件 をい う と 規 定 していることから 明 確 に 一 雇 い 入 れについて の 差 別 を 禁 止 しているからである 中 山 和 久 教 授 は 日 本 が 右 条 約 を 批 准 するには 労 働 基 準 法 三 条 を 改 正 して その 禁 止 の 範 囲 を 拡 大 するか 三 菱 樹 脂 最 高 裁 判 例 を 変 ( 週 ) 更 しなければならないし 述 べる この 点 に 関 して 私 は 最 高 裁 判 例 を 変 更 できるのは 最 高 裁 だけがなしうること であるところ そのようなことが 想 定 できる 状 況 にはな いと 考 えるので 労 基 法 三 条 の 改 正 すなわち 雇 い 入 れについての 差 別 を 禁 止 する 改 正 を 行 うことがほぼ 唯 一 の 方 策 と 考 えている そもそも 日 本 政 府 代 表 は ILO 総 会 において 二

20 一 号 条 約 (および 同 名 の 一 二 号 勧 告 )の 採 択 に 賛 成 票 を 投 じている(なお 曰 本 の 使 用 者 代 表 は 条 約 に 反 対 (M) 勧 告 について 投 壺 示 を 棄 権 した)のであるから 批 准 にむ けての 努 力 をすべき 義 務 を 国 際 社 会 に 対 して 負 ってい る そして 先 にも 述 べたとおり 就 職 差 別 の 撤 廃 およ び 差 別 につながる 採 用 選 考 の 除 去 をめざすべきことは 政 府 および 今 曰 の 企 業 団 体 の 提 唱 するところであるのだ から 批 准 にむけた 具 体 的 な 法 整 備 具 体 的 には 労 基 法 三 条 の 改 正 を 早 急 に 行 うべきであると 考 えるのである なお 念 のために 述 べるが 三 菱 樹 脂 大 法 廷 判 決 は 現 行 法 の 解 釈 を 示 したものであるに 過 ぎず しかも 前 述 のとおり 雇 い 入 れ 企 業 の 一 雇 い 入 れの 自 由 に 関 し 法 律 その 他 による 特 別 の 制 限 がない 限 り 原 則 として 自 由 だといっているのであって 法 律 による 制 限 を 許 容 する ことを 明 示 しているのだから この 判 決 が 現 在 において 右 に 記 したような 新 たな 立 法 を 行 う 障 害 となることはあ り 得 ない また 前 述 のように すでに 現 行 公 務 員 法 は 任 用 すなわち 職 員 となろうとする 者 の 選 考 についても 差 別 的 取 り 扱 いを 刑 事 罰 の 制 裁 をもって 禁 じていると 解 さ れる これは 応 募 者 について 差 別 的 取 り 扱 いを 受 け ない 権 利 自 由 が 法 的 に 保 障 されていることを 窺 わせ る 先 にも 言 及 したとおり 民 間 企 業 に 対 して 適 用 のあ る 労 基 法 一 三 条 三 項 も 文 理 上 は 極 めて 人 為 的 に 適 用 領 域 が 限 定 されてしまっているものの 就 業 をしようとする 労 働 者 の 差 別 的 取 り 扱 いを 受 けない 権 利 利 益 が 法 的 保 護 に 値 することを 承 認 している 趣 旨 が 表 現 されてい ると 見 ることが 可 能 である そうすると 民 間 企 業 に 対 する 応 募 者 に 限 って 選 考 採 用 に 関 して 差 別 的 取 り 扱 いを 受 けない 権 利 自 由 が 法 的 に 保 護 されていないとい う 現 行 の 立 法 政 策 を 継 続 することは 明 らかに 合 理 性 を 欠 いている というべきである 五 各 論 的 事 項 についての 課 題 右 に 記 したような 立 法 論 的 課 題 が 解 決 されたとして も 法 律 の 禁 じる 差 別 は 合 理 的 理 由 に 基 づかない 差 別 で あるのだから 禁 止 される 差 別 は 何 かという 解 釈 に 委 ね られた 課 題 が 残 ることになるであろうし また 立 法 論 とは 別 に 撤 廃 されなければならない 採 用 選 考 におけ る 質 問 調 査 事 項 とは 何 か そして その 方 法 はいかに あるべきかということが 現 在 の 実 務 としても 検 討 されな ( 巧 ) ければならない この 問 題 について 抽 象 的 あるいは 概 念 的 議 論 は そ

21 雇 用 差 別 禁 止 法 制 について 労 基 法 三 条 において 一 雇 い 入 れに 関 する 差 別 禁 止 が 創 設 ついて 一 ハ 実 効 性 の 確 保 監 視 あるいは 救 済 制 度 に したい ただ 裁 判 例 の 集 積 にあまり 期 待 をすることが (Ⅳ) できないこと 応 募 者 の 法 的 地 位 は 極 めて 脆 弱 であり 他 方 差 別 的 取 り 扱 いを 受 けることの 被 害 の 深 刻 牲 は 極 めて 強 固 であることから 予 防 法 学 的 見 地 に 立 って 行 為 準 則 的 なものが 策 定 されるのが 適 切 であるように 考 え ( 岨 ) られる 実 務 的 に 重 要 なことは 具 体 的 事 項 項 目 に 関 して 調 査 質 問 が 許 容 されるかどうか 許 容 されるとしてそ の 要 件 条 件 は 何 か ということである この 点 は 大 変 にデリケートであり かつ 多 面 的 な 考 察 が 必 要 な 問 題 で ( 昭 ) あるだろう 具 体 的 な 項 目 についての 検 討 はさらに 研 究 し れとしてまったく 意 味 がないわけではない 先 に 引 用 し た 炭 研 精 工 事 件 に 関 する 東 京 高 裁 の 説 示 は 極 めて 広 範 囲 であり 現 行 法 の 解 釈 としても 妥 当 性 を 欠 く 抽 象 的 あるいは 概 念 的 議 論 としては 労 働 力 の 評 価 に 直 接 関 連 する 事 項 に 限 定 されるべきだと 私 は 考 えているが そ れだけで 問 題 が 解 決 することはないといわざるを 得 な 員 代 表 委 員 会 が 同 意 したことしか 応 募 者 に 質 問 すること ができず それに 違 反 した 場 合 にはおいては 応 募 者 が 事 を 有 するものとされている この 同 意 権 は 要 するに 応 募 者 が 個 人 的 事 情 を 詮 索 されることに 対 する 事 前 抑 制 の 機 能 を 果 たし 得 るとされている 使 用 者 は 従 業 表 委 員 会 は 人 事 調 査 票 および 評 価 原 則 について 同 意 権 が 参 画 できる 手 掛 かりが 存 在 する すなわち 従 業 員 代 織 法 上 企 業 の 質 問 調 査 を 制 約 することに 労 働 者 代 表 してはドイツの 裁 判 上 および 学 説 上 の 議 論 を 紹 介 し ( 別 ) たが 右 論 文 中 で 一 一 一 曰 及 したとおり ドイツでは 事 業 所 組 からの 質 問 ( 調 査 )が 許 されるのかどうかという 点 に 関 りである かって 私 は 採 用 選 考 をめぐって 企 業 側 っは 労 働 組 合 なり 従 業 員 代 表 制 度 などの 関 与 関 わ その 方 向 性 に 関 わる 議 論 としての 提 起 をしたい 実 強 化 されていくべきと 考 える いて 営 々と 築 き 上 げられてきた 取 り 組 みが 貫 徹 され 充 規 制 救 済 については 従 来 からの 創 意 と 工 夫 に 基 づ IA O 時 的 確 な 救 済 が 十 分 に 整 備 されたことにはならない 懸 ( 四 ) 念 があるので 制 度 的 な 面 についての 若 干 の 二 珊 及 をした 関 する 差 別 事 象 の 実 態 を 実 効 的 に 規 制 し あるいは 適 されるという 立 法 がなされても そのことだけで 就 職 に

22 実 と 異 なる 回 答 をしてもそれを 理 由 として 労 働 契 約 の 解 消 をすることができない とされているのである 従 業 員 代 表 委 員 会 は さらに 応 募 者 に 対 する 評 価 の 一 般 原 ( 皿 ) 則 についての 同 一 思 権 が 与 えられている 先 にも 論 及 した とおり 労 働 力 評 価 に 直 接 関 わる 事 項 にせよ 企 業 秩 序 維 持 に 関 係 する 事 項 とは 何 か さらに それらの 中 で 必 要 かつ 合 理 的 な 範 囲 とは 何 かということは 非 常 にデ リケートで 多 面 的 な 考 察 が 必 要 とされることは 否 めな い 場 合 によっては 当 該 具 体 的 企 業 の 当 該 具 体 的 職 務 に 即 して 検 討 されるべき 部 分 が 残 る 余 地 があり 得 るが しかし これらのすべてを 使 用 者 の 専 権 的 決 定 事 項 とし たのでは 窓 意 的 判 断 に 偏 る 危 険 性 がある したがって 従 業 員 代 表 による 関 与 を 制 度 として 取 り 入 れる 必 要 性 合 理 性 があると 考 える そして 右 のように 採 用 選 考 過 程 に 従 業 員 代 表 が 関 与 するということは 労 働 者 の 集 団 である 労 働 組 合 にと っても 関 連 性 がある あるいは 労 働 組 合 にとっての 新 たな 可 能 性 を 提 供 することにつながるといってもよいの ではないか と 私 は 思 っている 曰 本 の 労 働 組 合 が 応 募 者 の 人 権 を 擁 護 する 目 的 で 活 動 してきた 実 績 があると は 考 えるが なお 募 集 採 用 選 考 は 労 働 組 合 にと って 具 体 的 には 関 与 しにくかったことは 否 定 できまい しかし 従 業 員 代 表 が 採 用 選 考 における 質 問 調 査 に 関 与 することになれば 労 働 組 合 としての 関 与 が 従 来 以 上 に 具 体 的 に 展 開 可 能 となるはずである 応 募 者 は いわば 労 働 者 となろうとする 者 であり 経 済 的 社 会 的 あるいは 集 団 的 労 働 法 的 関 係 においては 労 働 者 の 仲 間 であると 認 められるのではなかろうか そし て この 応 募 者 は 二 雇 用 された 労 働 者 と 比 べると 格 段 に 弱 い 存 在 である もっとも 弱 い 立 場 にいる 仲 間 に 対 し その 人 権 を 擁 護 する 具 体 的 活 動 を 提 供 することは 今 日 の 労 働 組 合 にとって 非 常 に 意 義 のあることだと ( 皿 ) 思 う わが 国 で 応 募 者 の 人 権 を 擁 護 するために 採 用 選 考 にあたる 企 業 の 活 動 を 監 視 し 事 前 抑 制 の 機 能 を 果 た してきたのは 統 一 応 募 用 紙 の 策 定 受 験 報 告 書 制 度 な どの 取 り 組 みをしてきたことは 前 述 のとおりであるが これと 同 質 の 機 能 を 果 たす 法 制 度 がドイツで 右 に 記 した ように 存 在 していることは これからの 日 本 法 を 考 える にあたって 重 要 な 示 唆 を 与 えるものと 考 えるP 二 つは 最 近 の 職 業 安 定 法 改 正 によって 創 設 された 労 働 大 臣 に 対 する 申 告 制 度 である( 改 正 職 業 安 定 法 四 八 条 の 四 ) これについては 条 文 を 参 照 した 程 度 であり 十 分 な 議 論 の 素 材 を 提 供 し 得 ないが この 制 度 自 体 の 整 備 と

23 雇 用 差 別 禁 止 法 制 について 併 せ 既 存 の 労 基 法 上 の 制 度 ( 労 基 法 一 四 条 の 申 告 制 度 ) や 前 述 してきている 受 験 報 告 書 制 度 などとの 関 連 性 や 整 合 性 が 検 討 されるべきと 考 える 七 結 びに いろんな 機 会 に 考 えたり 話 したりしたことを 本 執 筆 の 過 程 で 纏 めたものであるが たくさんのことが 研 究 検 討 不 足 であることに 改 めて 気 が 付 いた さらに 深 めたい 王 CQ (1) 結 婚 差 別 の 裁 判 例 の 検 討 は 戦 後 部 落 問 題 関 係 判 例 解 説 編 ( 九 九 五 年 部 落 解 放 研 究 所 ) 一 頁 以 下 参 照 (2) 採 用 内 定 段 階 からあるいは 試 用 期 間 段 階 から 本 採 用 に 至 る 段 階 における 差 別 については 現 在 の 判 例 理 論 によれ ば 解 一 展 権 濫 用 法 理 が 適 用 ないし 準 用 されるのであり 民 事 裁 判 的 救 済 が 可 能 である 有 名 な 曰 立 就 職 差 別 事 件 の 裁 判 例 ( 横 浜 地 方 裁 判 所 昭 和 四 九 年 六 月 一 九 日 判 決 判 例 時 報 七 四 四 号 一 一 九 頁 )も 採 用 内 定 取 り 消 しに 関 する 裁 判 例 といえるだろう しかし これらの 段 階 における 部 落 差 別 を 理 由 とする 裁 判 例 は 見 いだせていない また 採 用 内 選 ( 第 六 版 ) 一 一 一 一 一 一 頁 )とする (7)いわゆる 部 落 地 名 総 鑑 事 件 について 当 時 の 労 働 大 臣 が 異 例 の 書 簡 を 各 企 業 に 送 付 した 外 アイビー リック 両 社 の 差 別 身 元 調 査 事 件 についても 平 成 二 年 四 月 曰 本 政 府 働 判 例 六 一 五 号 一 六 頁 ) (6) 例 えば 加 藤 俊 平 教 授 は 判 旨 が 企 業 秩 序 維 持 関 連 事 項 の 例 示 とする 企 業 あるいは 職 場 への 適 応 性 貢 献 度 はすぐれて 主 観 的 な 事 柄 であり これを 必 要 かつ 合 理 的 な 範 囲 に 限 ったとしても 詐 称 という 尺 度 で 判 断 しう る 性 質 のものか 疑 問 大 とするところである 亀 労 働 判 例 (5)なお この 東 京 高 裁 の 判 断 は 最 高 裁 判 所 によって 是 認 ざ れている( 最 高 裁 第 一 小 法 廷 平 成 三 年 九 月 一 九 日 判 決 労 る 0 提 起 されている と 記 述 されている (4)ここで 本 稿 で 取 り 上 げたのは 就 職 差 別 を 撤 廃 すること をめざす 立 場 で 気 になる 裁 判 例 という 意 味 合 いであ よれば 平 成 一 年 度 の 同 和 地 区 出 身 者 雇 用 促 進 会 議 の 高 校 専 門 医 委 員 会 では 一 五 五 件 大 学 等 専 門 委 員 会 では 一 四 九 件 の 問 題 事 象 があることが 受 験 報 告 書 によって (3) 大 阪 府 労 働 部 作 成 平 成 二 年 度 採 用 と 人 権 七 六 頁 に なくてもあまりない 定 に 至 るまでの 選 考 についての 裁 判 例 は 部 落 問 題 に 限 ら

24 関 する 高 度 の 判 断 力 や 指 導 力 を 必 要 とされるという 点 で 信 条 が 職 業 的 関 連 性 を 有 していた 幹 部 要 員 の 採 用 事 案 に おける 判 旨 と 理 解 すべきとの 見 解 が 有 力 な 学 者 からもさ れている( 菅 野 和 夫 労 働 法 第 五 版 員 一 九 九 九 年 弘 文 堂 二 九 頁 )のであり 判 旨 の 一 人 歩 きがいかに 不 公 正 であるかが 強 く 危 倶 されているといえる なお 私 は 範 囲 での 判 断 がなされるに 過 ぎないこと したがって 応 募 の 段 階 における 直 接 の 調 査 質 問 自 体 が 裁 判 上 の 主 題 となっているわけではない また 三 菱 樹 脂 事 件 大 法 廷 判 決 が 言 及 する 調 査 の 自 由 についても これは 企 業 経 営 に (8) 経 歴 詐 称 に 関 する 裁 判 例 は あくまで 当 該 の 解 一 展 ( 懲 戒 解 一 展 )の 効 力 を 判 断 するものであり あてはめられる 法 規 は 解 雇 権 濫 用 法 理 懲 戒 解 一 展 濫 用 法 理 であり 濫 用 とし て 無 効 とするか 否 かを 具 体 的 に 判 定 する 法 規 があるわけ ではないこと 裁 判 はあくまで 個 別 事 件 の 解 決 に 必 要 な る は 企 業 等 における 公 正 な 採 用 選 考 にかかる 労 働 大 臣 要 請 を 経 済 団 体 などになし さらに 社 団 法 人 経 済 団 体 連 合 会 外 三 団 体 は 同 年 二 月 に 部 落 差 別 身 元 調 査 事 件 につ いて と 題 し 採 用 選 考 に 当 たっては 応 募 者 の 基 本 的 人 権 の 尊 重 を 旨 とし 公 正 な 採 用 選 考 システムの 確 立 を 図 る よう 企 業 団 体 に 周 知 徹 底 したい との 見 解 を 公 表 してい 右 菅 野 教 授 の 見 解 は 判 旨 の 読 み 方 としては 無 理 がある のであり 百 歩 譲 っても 限 界 付 けを 怠 った 最 高 裁 大 法 廷 判 決 は 今 曰 厳 しい 批 判 を 受 けざるを 得 ないというべきか と 考 える (9) 桑 畑 電 気 事 件 ( 大 阪 地 裁 昭 和 五 一 年 七 月 一 曰 決 定 労 民 集 一 一 七 巻 三 四 号 一 一 一 一 三 頁 以 下 ) なお この 判 決 につい て 中 川 福 督 内 定 前 後 の 企 業 対 応 の 実 態 部 落 解 放 部 落 解 放 四 一 号 を 参 照 ( 皿 ) 学 説 上 は 厳 しい 批 判 があるが 下 級 審 において この 判 例 を 変 更 するべきとの 判 断 が 出 されている 状 況 にはない (u)この 条 文 は 一 読 して 理 解 するのが 困 難 である ブッラク リストの 禁 止 という 発 想 に 基 づくと 思 われる 使 用 者 は 労 働 者 の 一 雇 用 を 妨 げることを 目 的 とする 通 信 をしてはな らない という 条 項 案 は 昭 和 二 一 年 八 月 七 日 の 労 務 法 制 審 議 会 仮 案 ではじめて 登 場 したようであり この 仮 案 に 対 する 公 聴 会 で 使 用 者 側 から 他 の 使 用 者 からの 照 会 に 対 して 事 実 を 叙 述 する 単 なる 回 答 は 認 められるべきであ る 本 条 はかかる 回 答 を 禁 ずるものではない 旨 を 明 記 す るか 又 は 目 的 とすることのみを 規 定 すべきである との 意 見 が 出 されたということである( 寺 本 廣 作 労 働 基 準 法 解 説 六 八 頁 参 照 ) 現 行 条 文 が 実 際 上 どのような 顧 慮 に 基 づいて 制 定 されたのかなどについてはさらに 研 究 が 必

25 雇 用 差 別 禁 止 法 制 について 要 であると 自 覚 している ( 皿 ) 鹿 児 島 重 治 逐 条 地 方 公 務 員 法 第 六 次 改 訂 版 ( 一 九 九 八 年 学 陽 書 房 ) 一 六 一 頁 以 下 参 照 (Ⅲ) 中 山 和 久 教 材 国 際 労 働 法 ( 一 九 九 八 年 三 省 堂 ) 八 一 頁 (u) 中 山 和 久 ILO 条 約 と 曰 本 ( 一 九 八 三 年 岩 波 書 店 ) 一 九 四 頁 ( 咽 ) 平 成 一 年 六 月 に 労 働 大 臣 官 房 政 策 調 査 部 が 労 働 者 の 個 人 情 報 保 護 に 関 する 研 究 会 報 告 書 を 纏 めているが こ の 報 告 書 は 採 用 選 考 にあたって 企 業 が 応 募 者 から 収 集 しうる 情 報 についても 相 当 に 論 及 していて 大 変 に 興 味 深 い 右 報 告 書 の 内 容 は 本 誌 にも 抜 粋 が 掲 載 された (M) 盃 )の 報 告 書 では センシティブデータの 取 り 扱 いに ついて 事 項 毎 に 収 集 が 許 される 要 件 を 数 段 階 ないし 数 種 類 のグレードを 策 定 して 提 言 しており ひとつの 考 察 あるいは 分 析 手 法 を 提 案 している 各 論 的 事 項 の 検 討 と しては 右 報 告 書 の 考 察 分 析 方 法 を 叩 き 台 としていくこ とが 大 変 に 有 益 ではないかと 感 じている (Ⅳ) 先 にも 述 べたように 経 歴 詐 称 事 件 の 検 討 はあまり 役 に 立 たないと 私 は 考 えている そして 応 募 段 階 の 採 用 選 考 過 程 は 応 募 者 に 可 視 的 でない 場 合 もあり また 可 視 的 であった 場 合 にも その 企 業 に 対 し 損 害 賠 償 請 求 をす るのは その 企 業 に 就 職 が 決 定 したときにはもちろん 他 の 企 業 に 勤 務 するようになったとしても 大 変 に 難 しい 状 況 にあるように 考 える ともかく 採 用 内 定 取 り 消 しとか 解 雇 の 無 効 を 争 うという 一 旦 確 保 された 法 的 地 位 を 防 衛 するというようなタイプの 訴 訟 と 違 うということがい えるのであり そうなるとさまざまな 事 例 について さま ざまな 裁 判 所 の 判 断 が 集 積 しているということは 考 えに くいのである ( 肥 ) 私 は かって 本 誌 にイギリス 人 種 関 係 法 に 基 づく 行 為 準 則 の 翻 訳 と 若 干 の 解 説 を 掲 載 したことがあったが( イギ リスの 一 雇 用 機 会 の 平 等 の 促 進 1 人 種 関 係 法 に 基 づく 行 為 準 則 部 落 解 放 研 究 六 五 号 一 九 八 八 年 一 二 月 九 一 頁 以 下 ) 例 えば そのような 行 為 準 則 を 念 頭 に 置 いて いる 右 行 為 準 則 の 一 蛆 同 Ⅲなどが 募 集 や 採 用 に 関 わ る 内 容 である なお 行 為 準 則 の 法 的 性 質 については 右 解 説 に 記 したとおり 準 則 違 反 行 為 について 違 法 が 推 定 さ れるというものであり この 点 も 曰 本 の 今 後 を 展 望 する 上 で 参 考 になると 思 量 される ( ) 先 に 挙 げた 現 行 法 の 差 別 禁 止 規 定 には 刑 事 罰 の 罰 則 があ るが これが 発 動 されたという 事 例 に 私 はまったく 接 し ていない これらの 法 律 違 反 事 例 に 対 しては 刑 事 罰 以 外 の 救 済 も 用 意 されているが それらの 実 例 も 聞 かない し

26 嚇 鯛 繍 蝋 料 蝋 鵬 脚 部 落 解 放 人 権 研 究 所 編 展 望 部 落 解 放 人 権 研 究 所 綴 大 阪 発 解 放 教 育 の 展 望 てはならないし さらに 特 別 司 法 警 察 員 としての 活 動 を 背 景 とした 監 督 行 政 の 発 動 も 可 能 となることなどの 実 際 上 のメリットも 大 きいと 考 えている るはずである 組 合 の 存 在 意 義 を 実 感 する 絶 好 の 機 会 を 得 ることにもな 合 の 活 動 が 明 確 に 応 募 者 に 意 識 されるということは 労 働 しているといえる そこで 新 たに 立 法 される 憲 章 的 意 義 をもつ 法 律 がそのような 誤 解 を 招 来 させることになっ 現 れている) 新 たな 労 働 者 を 迎 え 入 れる 段 階 から 労 働 組 ある( 受 験 報 告 書 の 問 題 事 象 の 数 が 膨 大 であることにも 規 定 ではないという 誤 解 を 生 じさせかねないことを 示 をしたことを 実 際 に 経 験 したことがある 者 は 多 いはずで 六 五 頁 )と 記 述 しているが これは 罰 則 がないことは 実 体 用 選 考 であれ 差 別 的 侮 辱 的 あるいは 不 愉 快 な 思 い 的 規 定 であることを 端 的 に 示 すものである ( 前 掲 書 選 考 自 体 であれ あるいは 他 の 応 募 したところでの 採 てはそれぞれ 罰 則 が 定 められていることは これが 実 体 用 選 考 を 経 ている 現 在 所 属 している 企 業 などの 採 用 をした 者 および 労 働 基 準 法 第 三 条 に 違 反 した 者 に 対 し 壷 ) 企 業 官 庁 などに 所 属 している 労 働 者 は 誰 であれ 採 言 規 定 ではなく 実 体 的 規 定 である 本 条 に 違 反 して 差 別 社 ) 一 一 九 頁 以 下 を 参 照 かし 右 のようにいうのは 刑 事 罰 を 科 すことに 意 味 がな いなどということを 意 味 するものでは 全 くない 前 注 ( )の 鹿 児 島 は 平 等 取 り 扱 いの 規 定 は: 単 なる 宣 西 谷 敏 外 訳 現 代 ドイツ 労 働 法 二 九 九 五 年 法 律 文 化 (Ⅲ) 以 上 の 記 述 については マンフレッド レーピィッシュ 著 ( 別 ) 採 用 面 接 と 労 働 権 本 誌 第 一 九 号 九 頁 以 下 繭 twr 函 函 o