平 成 26 年 度 における 東 北 地 区 の 独 占 禁 止 法 の 運 用 状 況 等 について 平 成 27 年 6 月 10 日 公 正 取 引 委 員 会 事 務 総 局 東 北 事 務 所 第 1 独 占 禁 止 法 違 反 事 件 の 処 理 状 況 1 公 正 取 引 委 員 会 は, 迅 速 かつ 実 効 性 のある 事 件 審 査 を 行 うとの 基 本 方 針 の 下, 国 民 生 活 に 影 響 の 大 きい 価 格 カルテル 入 札 談 合 受 注 調 整, 中 小 事 業 者 等 に 不 当 に 不 利 益 をもたらす 優 越 的 地 位 の 濫 用 や 不 当 廉 売 など, 社 会 的 ニーズに 的 確 に 対 応 した 多 様 な 事 件 に 厳 正 かつ 積 極 的 に 対 処 することとしている そして, 公 正 取 引 委 員 会 は, 一 般 から 提 供 された 情 報 ( 申 告 ), 自 ら 探 知 した 事 実 等 を 検 討 し, 必 要 な 審 査 を 行 い, 審 査 の 結 果, 違 反 行 為 が 認 められたときは, 当 該 行 為 をした 事 業 者 等 に 対 し, 違 反 行 為 を 排 除 するために 必 要 な 措 置 等 を 命 じている 違 反 行 為 のうち, 価 格 カルテル 入 札 談 合 受 注 調 整, 優 越 的 地 位 の 濫 用 等 については, 違 反 行 為 をした 事 業 者 に 対 して 課 徴 金 の 納 付 を 命 じている 2 最 近 の 独 占 禁 止 法 違 反 事 件 の 処 理 状 況 ( 不 当 廉 売 事 案 で 迅 速 処 理 したものを 除 く ) 最 近 の5 年 間 における 東 北 地 区 の 独 占 禁 止 法 違 反 事 件 の 処 理 状 況 は, 次 のとおりで ある 独 占 禁 止 法 違 反 事 件 の 処 理 件 数 ( 単 位 : 件 ) 年 度 処 理 内 容 審 前 年 度 からの 繰 越 し 1 0 0 0 1 査 年 度 内 新 規 着 手 8 9 12 24 14 件 数 合 計 9 9 12 24 15 法 的 措 置 排 除 措 置 命 令 等 ( 注 1) 1 0 0 0 0 処 警 告 ( 注 2) 0 0 0 0 1 理 そ の 他 注 意 ( 注 3) 7 9 8 19 9 件 打 切 り( 注 4) 1 0 4 4 1 数 小 計 8 9 12 23 11 合 計 9 9 12 23 11 次 年 度 への 繰 越 し 0 0 0 1 4 ( 注 1) 法 的 措 置 とは, 排 除 措 置 命 令 及 び 課 徴 金 納 付 命 令 であり,1つの 事 件 について, 排 除 措 置 命 令 と 課 徴 金 納 付 命 令 がともにな されている 場 合 には, 法 的 措 置 件 数 を 1 件 としている ( 注 2) 警 告 とは, 排 除 措 置 命 令 等 の 法 的 措 置 を 採 るに 足 る 証 拠 が 得 られないが, 違 反 の 疑 いがある 場 合 に 行 う 措 置 である ( 注 3) 注 意 とは, 違 反 行 為 の 存 在 を 疑 うに 足 る 証 拠 が 得 られないが, 将 来 違 反 につながるおそれがある 場 合 に 行 う 措 置 である ( 注 4) 打 切 り とは, 違 反 行 為 が 認 められない 等 により, 審 査 を 打 ち 切 る 場 合 をいう 独 占 禁 止 法 違 反 事 件 の 処 理 状 況 に 関 する 問 い 合 わせ 先 公 正 取 引 委 員 会 事 務 総 局 東 北 事 務 所 第 一 審 査 課 電 話 022-225-8421( 直 通 ) 企 業 結 合 関 係 届 出 等 の 状 況 に 関 する 問 い 合 わせ 先 公 正 取 引 委 員 会 事 務 総 局 東 北 事 務 所 総 務 課 電 話 022-225-7095( 直 通 ) 広 報 活 動 等 に 関 する 問 い 合 わせ 先 公 正 取 引 委 員 会 事 務 総 局 東 北 事 務 所 総 務 課 電 話 022-225-7095( 直 通 ) ホ-ムペ-ジ http://www.jftc.go.jp/regional_office/tohoku/ 1
3 独 占 禁 止 法 違 反 事 件 の 概 要 (1) 価 格 カルテル 山 形 県 の 庄 内 地 区 に 所 在 する5 農 協 が, 特 定 主 食 用 米 の 販 売 手 数 料 について, 平 成 23 年 1 月 13 日 に 山 形 県 酒 田 市 所 在 の 全 国 農 業 協 同 組 合 連 合 会 の 山 形 県 本 部 庄 内 統 括 事 務 所 で 開 催 した5 農 協 の 組 合 長 による 会 合 において, 特 定 主 食 用 米 の 販 売 手 数 料 を 平 成 23 年 産 米 から 定 額 とするとともに,その 算 定 方 式 及 び 金 額 については, 営 農 担 当 部 長 級 の 者 の 間 で 検 討 することとし,それを 受 けて 同 年 2 月 1 日 に 同 所 で 開 催 した5 農 協 の 営 農 担 当 部 長 級 の 者 による 会 合 において, 特 定 主 食 用 米 の 販 売 手 数 料 を 平 成 23 年 産 米 から1 俵 当 たり410 円 ( 消 費 税 相 当 額 を 除 く )を 目 安 として 定 額 とすることとし, 特 定 主 食 用 米 の 集 荷 分 野 における 競 争 を 実 質 的 に 制 限 していた 疑 い があり, 独 占 禁 止 法 第 3 条 ( 不 当 な 取 引 制 限 の 禁 止 )の 規 定 に 違 反 するおそれがある ことから, 山 形 県 の 庄 内 地 区 に 所 在 する5 農 協 に 対 し, 警 告 を 行 った( 平 成 26 年 9 月 11 日 ) (2) 優 越 的 地 位 の 濫 用 公 正 取 引 委 員 会 は, 優 越 的 地 位 の 濫 用 に 係 る 情 報 に 接 した 場 合 には, 効 率 的 かつ 効 果 的 な 調 査 を 行 い, 独 占 禁 止 法 違 反 につながるおそれのある 行 為 が 認 められた 場 合 には, 未 然 防 止 の 観 点 から 注 意 するほか, 独 占 禁 止 法 違 反 が 認 められた 場 合 は 厳 正 に 対 処 することとしている なお, 平 成 26 年 度 においては,4 件 の 注 意 を 行 ったところ,その 主 な 事 例 は 以 下 のとおりである ( 注 ) ( 注 ) 次 の 各 事 例 は, 記 載 された 行 為 が 行 われていた 疑 いがあり, 独 占 禁 止 法 違 反 につながるおそれがあった ものである ア 宿 泊 業 を 営 むAは, 購 買 担 当 者 から 取 引 先 事 業 者 に 対 し,Aの 運 営 するホテル において 開 催 される 食 事 イベントについて, 参 加 希 望 人 数 を 指 定 するなどして 利 用 を 要 請 していた イ 宿 泊 業 を 営 むBは,Bの 運 営 するホテルにおいて 開 催 されるディナーショーの 抽 選 会 で 使 用 される 景 品 について, 取 引 先 事 業 者 に 対 し, 提 供 希 望 数 量 を 提 示 の 上, 無 償 で 景 品 を 提 供 するよう 要 請 していた (3) 不 当 廉 売 不 当 廉 売 は, 総 販 売 原 価 を 著 しく 下 回 る 価 格 で 継 続 して 販 売 するほか, 不 当 に 低 い 価 格 で 販 売 することにより, 他 の 事 業 者 の 事 業 活 動 を 困 難 にさせるおそれのある 行 為 であり, 独 占 禁 止 法 第 19 条 で 禁 止 されるものである 申 告 のあった 小 売 業 に 係 る 不 当 廉 売 事 案 については, 迅 速 に 処 理 するとの 方 針 の 下 で 対 処 しているほか, 大 規 模 事 業 者 による 不 当 廉 売 等 周 辺 の 中 小 事 業 者 に 対 する 影 響 が 大 きいと 考 えられ る 事 案 については 厳 正 に 対 処 することとしている なお, 迅 速 に 処 理 するとの 上 記 方 針 の 下, 平 成 26 年 度 においては, 酒 類 及 び 石 油 製 品 の 小 売 業 について, 不 当 廉 売 につながるおそれがあるとして27 件 の 事 案 に ついて 注 意 を 行 った 2
第 2 企 業 結 合 関 係 届 出 及 び 協 同 組 合 届 出 の 状 況 1 企 業 結 合 関 係 届 出 独 占 禁 止 法 では 第 4 章 において, 事 業 支 配 力 が 過 度 に 集 中 することとなる 会 社 の 設 立 等 の 禁 止 ( 第 9 条 ) 及 び 銀 行 業 又 は 保 険 業 を 営 む 会 社 の 議 決 権 取 得 保 有 の 制 限 ( 第 11 条 )について 規 定 しているほか, 一 定 の 取 引 分 野 における 競 争 を 実 質 的 に 制 限 す ることとなる 場 合 及 び 不 公 正 な 取 引 方 法 による 場 合 の 会 社 等 の 株 式 取 得 所 有, 役 員 兼 任, 合 併, 分 割, 共 同 株 式 移 転 及 び 事 業 譲 受 け 等 の 禁 止 並 びに 一 定 の 条 件 を 満 たす 企 業 結 合 についての 届 出 義 務 ( 第 10 条 及 び 第 13 条 から 第 16 条 まで)を 規 定 して いる 公 正 取 引 委 員 会 では,これら 株 式 取 得 所 有, 合 併 等 について 独 占 禁 止 法 上 の 問 題 の 有 無 について 審 査 を 行 っている 最 近 5 年 間 における 東 北 地 区 の 企 業 結 合 関 係 届 出 の 状 況 は, 次 のとおりである 企 業 結 合 関 係 届 出 受 理 件 数 ( 単 位 : 件 ) 株 式 取 得 届 出 受 理 0 0 1 4 8 合 併 届 出 受 理 0 1 0 0 0 分 割 届 出 受 理 0 0 0 0 0 共 同 株 式 移 転 届 出 受 理 0 1 1 0 0 事 業 譲 受 け 等 届 出 受 理 0 2 0 0 0 合 計 0 4 2 4 8 2 協 同 組 合 届 出 中 小 企 業 等 協 同 組 合 法 は, 同 法 に 基 づき 設 立 された 事 業 協 同 組 合 及 び 信 用 協 同 組 合 に 対 し, 同 法 第 7 条 第 1 項 第 1 号 で 規 定 する 小 規 模 事 業 者 以 外 の 事 業 者 が 加 入 したと き 又 は 組 合 員 が 同 小 規 模 事 業 者 でなくなったときには,その 旨 を 公 正 取 引 委 員 会 に 届 け 出 ることを 義 務 付 けている( 同 法 第 7 条 第 3 項 ) 最 近 5 年 間 における 東 北 地 区 の 協 同 組 合 届 出 件 数 は, 次 のとおりである 中 小 企 業 等 協 同 組 合 法 第 7 条 第 3 項 に 基 づく 届 出 件 数 ( 単 位 : 件 ) 中 協 法 第 7 条 第 3 項 届 出 7 6 7 8 9 第 3 広 報 広 聴 活 動 公 正 取 引 委 員 会 では, 独 占 禁 止 法 及 び 下 請 法 の 普 及 啓 発 並 びに 競 争 政 策 の 運 営 に 資 するため, 次 のような 広 報 広 聴 活 動 を 行 っている 1 独 占 禁 止 政 策 協 力 委 員 制 度 競 争 政 策 への 理 解 の 促 進 と 地 域 の 経 済 社 会 の 実 情 に 即 した 政 策 運 営 に 資 するため, 平 成 11 年 度 から, 独 占 禁 止 政 策 協 力 委 員 制 度 を 設 置 しており, 公 正 取 引 委 員 会 が 行 う 広 報 活 動 等 に 御 協 力 いただくとともに, 独 占 禁 止 法 等 の 運 用 や 競 争 政 策 の 運 営 等 に ついて 意 見 聴 取 を 行 っている 平 成 26 年 度 においては, 上 半 期 に(1) 公 正 取 引 委 員 会 の 今 後 の 活 動, 公 正 取 引 委 員 会 に 期 待 することについて,(2) 消 費 税 転 嫁 対 策 特 別 措 置 法 施 行 に 係 る 公 正 取 引 3
委 員 会 の 取 組 について,(3) 競 争 環 境 の 整 備 に 係 る 調 査 提 言 について,(4) 広 報 広 聴 活 動 についてなど, 下 半 期 に(1) 公 正 取 引 委 員 会 の 今 後 の 活 動 について,(2) 消 費 税 転 嫁 対 策 に 係 る 公 正 取 引 委 員 会 の 取 組 について,(3) 下 請 法 優 越 的 地 位 の 濫 用 規 制 の 普 及 啓 発 についてなどの 意 見 聴 取 を 行 った 2 有 識 者 との 懇 談 会 各 地 の 有 識 者 と 公 正 取 引 委 員 会 の 委 員 長, 委 員 等 との 懇 談 及 び 講 演 会 を 通 して, 競 争 政 策 についてより 一 層 の 理 解 を 求 めるとともに, 幅 広 い 意 見, 要 望 を 把 握 し, 今 後 の 競 争 政 策 の 有 効 かつ 適 切 な 推 進 に 資 するため, 昭 和 47 年 度 以 降, 毎 年, 全 国 各 地 において 有 識 者 との 懇 談 会 を 開 催 している 東 北 地 区 では, 管 内 6 県 の 県 庁 所 在 地 の 輪 番 により 開 催 しており, 平 成 26 年 度 は 秋 田 市 において, 秋 田 商 工 会 議 所, 秋 田 県 商 工 会 連 合 会 等 の 経 済 団 体, 消 費 者 団 体, 学 識 経 験 者 等 の 有 識 者 との 懇 談 会 を 実 施 し, 同 時 に 成 長 の 基 盤 たる 競 争 政 策 と 公 正 取 引 委 員 会 をテーマに 講 演 会 を 開 催 した また, 平 成 4 年 度 から 東 北 事 務 所 長 等 と 各 地 の 有 識 者 等 との 意 見 交 換 会 ( 懇 談 会 ) を 開 催 しており, 平 成 26 年 度 は 青 森 市, 青 森 県 上 北 郡 野 辺 地 町, 岩 手 県 一 関 市, 仙 台 市, 宮 城 県 黒 川 郡 大 和 町, 秋 田 県 大 仙 市, 福 島 県 いわき 市 及 び 同 県 本 宮 市 の 計 8か 所 において 開 催 した 3 独 占 禁 止 法 説 明 会 等 公 正 取 引 委 員 会 では, 独 占 禁 止 法 等 の 違 反 の 未 然 防 止 を 図 るため, 説 明 会 講 習 会 等 を 自 ら 主 催 しているほか, 各 種 業 界 団 体 等 から 要 請 を 受 けて 講 習 会 等 へ 講 師 を 派 遣 している 東 北 地 区 では, 平 成 26 年 度 は 独 占 禁 止 法 に 関 する 説 明 会 等 を6 回 実 施 した また, 入 札 談 合 等 関 与 行 為 防 止 法 に 関 する 研 修 会 等 を28 回 実 施 した 4 学 生 に 対 する 独 占 禁 止 法 教 室 の 実 施 消 費 者 であり,また, 将 来, 経 済 活 動 に 参 加 する 中 学 生, 高 校 生 及 び 大 学 生 を 対 象 に, 独 占 禁 止 法 等 についての 理 解 を 深 めてもらうことを 目 的 として, 当 委 員 会 の 職 員 による 独 占 禁 止 法 教 室 を 開 催 している 東 北 地 区 では, 平 成 26 年 度 は 中 学 生 向 け 独 占 禁 止 法 教 室 を6 回, 高 校 生 向 け 独 占 禁 止 法 教 室 を4 回, 大 学 生 向 け 独 占 禁 止 法 教 室 を4 回 開 催 した 5 一 日 公 正 取 引 委 員 会 本 局 及 び 地 方 事 務 所 等 の 所 在 地 以 外 の 都 市 において, 独 占 禁 止 法 及 び 下 請 法 の 普 及 啓 発 活 動 や 相 談 対 応 の 一 層 の 充 実 を 図 るため, 独 占 禁 止 法 講 演 会, 下 請 法 講 習 会, 入 札 談 合 等 関 与 行 為 防 止 法 研 修 会, 消 費 者 セミナー, 独 占 禁 止 法 教 室, 報 道 機 関 との 懇 談 会, 相 談 コーナーなどを1か 所 の 会 場 で 開 催 する 一 日 公 正 取 引 委 員 会 を 開 催 し ている 東 北 地 区 では, 平 成 26 年 度 は 青 森 市 において,12 月 10 日 に 一 日 公 正 取 引 委 員 会 を 開 催 した 4
6 消 費 者 セミナー 一 般 消 費 者 に 独 占 禁 止 法 の 内 容 や 公 正 取 引 委 員 会 の 活 動 について,より 一 層 の 理 解 を 深 めてもらうことを 目 的 として, 地 域 の 一 般 消 費 者 を 対 象 としたセミナーを 開 催 し ているほか, 公 正 取 引 委 員 会 の 職 員 を 消 費 者 団 体 等 の 勉 強 会 等 に 講 師 として 派 遣 して いる 東 北 地 区 では, 平 成 26 年 度 は 青 森 市, 青 森 県 むつ 市, 仙 台 市, 秋 田 市 (2か 所 ) 及 び 福 島 市 の 計 6か 所 において,セミナーを 開 催 するなどした 7 相 談 業 務 公 正 取 引 委 員 会 では, 法 運 用 に 対 する 理 解 を 深 め, 違 反 行 為 の 未 然 防 止 を 図 るため, 相 談 を 受 け 付 けている 最 近 5 年 間 の 相 談 受 付 件 数 は 次 のとおりである 相 談 受 付 件 数 ( 単 位 : 件 ) 独 占 禁 止 法 132 142 197 194 159 下 請 法 140 152 192 168 154 合 計 272 294 389 362 313 5