これからの感染制御



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有 料 老 ホーム ( ) ( 主 として 要 介 護 状 態 にある を 入 居 させるも のに 限 る ) 第 29 条 ( 届 出 等 ) 第 二 十 九 条 有 料 老 ホーム( 老 を 入 居 させ 入 浴 排 せつ 若 しくは 食 事 の 介 護 食 事 の 提 供 又 はその 他 の

定款

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独立行政法人国立病院機構呉医療センター医療機器安全管理規程

公表表紙

平 成 27 年 11 月 ~ 平 成 28 年 4 月 に 公 開 の 対 象 となった 専 門 協 議 等 における 各 専 門 委 員 等 の 寄 附 金 契 約 金 等 の 受 取 状 況 審 査 ( 別 紙 ) 専 門 協 議 等 の 件 数 専 門 委 員 数 500 万 円 超 の 受

●幼児教育振興法案

3 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 (23 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 平 均 給 与 月 額

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2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 23 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 号 給 の 給 料 月 額 最 高 号 給 の 給 料 月 額 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 ( 単 位 : ) 6 級 7 級 8 級 135, , ,900 2

定款  変更

頸 がん 予 防 措 置 の 実 施 の 推 進 のために 講 ずる 具 体 的 な 施 策 等 について 定 めることにより 子 宮 頸 がんの 確 実 な 予 防 を 図 ることを 目 的 とする ( 定 義 ) 第 二 条 この 法 律 において 子 宮 頸 がん 予 防 措 置 とは 子 宮

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

Taro-01 議案概要.jtd

( 補 助 金 等 交 付 決 定 通 知 に 加 える 条 件 ) 第 7 条 市 長 は 交 付 規 則 第 11 条 に 規 定 するところにより 補 助 金 の 交 付 決 定 に 際 し 次 に 掲 げる 条 件 を 付 するものとする (1) 事 業 完 了 後 に 消 費 税 及 び

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平成16年年金制度改正 ~年金の昔・今・未来を考える~

スライド 1

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2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 ( 単 位 : ) 6 級 7 級 8 級 1 号 給 の 給 料 月 額 135,6 185,8 222,9 261,9 289,2 32,6 366,2 41

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公 営 企 業 職 員 の 状 況 1 水 道 事 業 1 職 員 給 与 費 の 状 況 ア 決 算 区 分 総 費 用 純 利 益 職 員 給 与 費 総 費 用 に 占 める ( 参 考 ) 職 員 給 与 費 比 率 22 年 度 の 総 費 用 に 占 A B B/A める 職 員 給 与

学校法人日本医科大学利益相反マネジメント規程

 

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(\202g22\214\366\225\\.xls)

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

セルフメディケーション推進のための一般用医薬品等に関する所得控除制度の創設(個別要望事項:HP掲載用)

預 金 を 確 保 しつつ 資 金 調 達 手 段 も 確 保 する 収 益 性 を 示 す 指 標 として 営 業 利 益 率 を 採 用 し 営 業 利 益 率 の 目 安 となる 数 値 を 公 表 する 株 主 の 皆 様 への 還 元 については 持 続 的 な 成 長 による 配 当 可

03 平成28年度文部科学省税制改正要望事項

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( 別 紙 ) 以 下 法 とあるのは 改 正 法 第 5 条 の 規 定 による 改 正 後 の 健 康 保 険 法 を 指 す ( 施 行 期 日 は 平 成 28 年 4 月 1 日 ) 1. 標 準 報 酬 月 額 の 等 級 区 分 の 追 加 について 問 1 法 改 正 により 追 加

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為 が 行 われるおそれがある 場 合 に 都 道 府 県 公 安 委 員 会 がその 指 定 暴 力 団 等 を 特 定 抗 争 指 定 暴 力 団 等 として 指 定 し その 所 属 する 指 定 暴 力 団 員 が 警 戒 区 域 内 において 暴 力 団 の 事 務 所 を 新 たに 設

技 能 労 務 職 公 務 員 民 間 参 考 区 分 平 均 年 齢 職 員 数 平 均 給 与 月 額 平 均 給 与 月 額 平 均 給 料 月 額 (A) ( 国 ベース) 平 均 年 齢 平 均 給 与 月 額 対 応 する 民 間 の 類 似 職 種 東 庄 町 51.3 歳 18 77

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財団法人○○会における最初の評議員の選任方法(案)

別 紙 第 号 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 議 案 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 を 次 のように 定 める 平 成 26 年 2 月 日 提 出 高 知 県 知 事 尾

<4D F736F F D D3188C091538AC7979D8B4B92F F292B98CF092CA81698A94816A2E646F63>

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 23 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 単 位 : ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 8 級 1 号 給 の 給 料 月 額 135,6 161,7 222,9 261,9 289,2 32,6 366,2 41

認 し 通 常 の 立 入 検 査 に 際 しても 許 可 内 容 が 遵 守 されていることを 確 認 するこ と 2 学 校 薬 剤 師 業 務 の 兼 任 学 校 薬 剤 師 の 業 務 を 兼 任 する 場 合 の 取 扱 いは 次 のとおりとする (1) 許 可 要 件 1 薬 局 等 の

ていることから それに 先 行 する 形 で 下 請 業 者 についても 対 策 を 講 じることとしまし た 本 県 としましては それまでの 間 に 未 加 入 の 建 設 業 者 に 加 入 していただきますよう 28 年 4 月 から 実 施 することとしました 問 6 公 共 工 事 の

桜井市外国人高齢者及び外国人重度心身障害者特別給付金支給要綱

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●電力自由化推進法案

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 22 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 号 給 の 給 料 月 額 ( 単 位 : ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 135, , , , , ,600

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 現 況 ( 平 成 22 1 号 給 の 給 料 月 額 137,9 188,9 226,7 266,4 294,3 最 高 号 給 の 給 料 月 額 247,9 314,9 362,8 399,9 415,1 ( 注 ) 給 料 月 額 は 給 与 抑 制


根 本 確 根 本 確 民 主 率 運 民 主 率 運 確 施 保 障 確 施 保 障 自 治 本 旨 現 資 自 治 本 旨 現 資 挙 管 挙 管 代 表 監 査 教 育 代 表 監 査 教 育 警 視 総 監 道 府 県 警 察 本 部 市 町 村 警 視 総 監 道 府 県 警 察 本 部

3 職 員 の 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び の 状 況 (24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 ( ベース) 43.7 歳 32, , ,321

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 (24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 号 級 の 給 料 月 額 最 高 号 級 の 給 料 月 額 1 級 ( 単 位 : ) 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 8 級 9 級 1 級 135,6 185,8 222,9 261,

参 考 様 式 再 就 者 から 依 頼 等 を 受 けた 場 合 の 届 出 公 平 委 員 会 委 員 長 様 年 月 日 地 方 公 務 員 法 ( 昭 和 25 年 法 律 第 261 号 ) 第 38 条 の2 第 7 項 規 定 に 基 づき 下 記 のとおり 届 出 を します この

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(5) 給 与 改 定 の 状 況 事 委 員 会 の 設 置 なし 1 月 例 給 事 委 員 会 の 勧 告 民 間 給 与 公 務 員 給 与 較 差 勧 告 A B A-B ( 改 定 率 ) 給 与 改 定 率 ( 参 考 ) 国 の 改 定 率 24 年 度 円 円 円 円 ( ) 改

(3) 育 児 休 業 (この 号 の 規 定 に 該 当 したことにより 当 該 育 児 休 業 に 係 る 子 について 既 にし たものを 除 く )の 終 了 後 3 月 以 上 の 期 間 を 経 過 した 場 合 ( 当 該 育 児 休 業 をした 教 職 員 が 当 該 育 児 休 業

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公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

私立大学等研究設備整備費等補助金(私立大学等

(2)大学・学部・研究科等の理念・目的が、大学構成員(教職員および学生)に周知され、社会に公表されているか

(4) 運 転 する 学 校 職 員 が 交 通 事 故 を 起 こし 若 しくは 交 通 法 規 に 違 反 したことにより 刑 法 ( 明 治 40 年 法 律 第 45 号 ) 若 しくは 道 路 交 通 法 に 基 づく 刑 罰 を 科 せられてから1 年 を 経 過 していない 場 合 同

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 概 要 国 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている 総 合 的

類 ( 番 号 を 記 載 ) 施 設 名 事 所 名 所 在 事 開 始 年 月 日 事 規 模 ( 定 員 ) 公 益 事 必 要 な 者 に 対 し 相 談 情 報 提 供 助 言 行 政 や 福 祉 保 健 医 療 サービス 事 者 等 との 連 絡 調 整 を 行 う 等 の 事 必 要

2 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 22 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 平 均 給 与

該 介 護 休 業 が 終 了 する 日 までに, 当 該 介 護 休 業 に 係 る 対 象 家 族 が 死 亡 したとき 又 は 離 婚, 婚 姻 の 取 消, 離 縁 等 により 当 該 介 護 休 業 に 係 る 対 象 家 族 との 親 族 関 係 が 消 滅 した とき (3) 配 偶

国立研究開発法人土木研究所の役職員の報酬・給与等について

第 7 条 職 員 の 給 与 に 関 する 規 程 ( 以 下 給 与 規 程 という ) 第 21 条 第 1 項 に 規 定 す るそれぞれの 基 準 日 に 育 児 休 業 している 職 員 のうち 基 準 日 以 前 6 月 以 内 の 期 間 にお いて 在 職 した 期 間 がある 職

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代 議 員 会 決 議 内 容 についてお 知 らせします さる3 月 4 日 当 基 金 の 代 議 員 会 を 開 催 し 次 の 議 案 が 審 議 され 可 決 承 認 されました 第 1 号 議 案 : 財 政 再 計 算 について ( 概 要 ) 確 定 給 付 企 業 年 金 法 第

社会保険加入促進計画に盛込むべき内容

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2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 法 人 の 長 A 18,248 11,166 4, ,066 6,42

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 22 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 単 位 : ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 1 号 給 の 給 料 月 額 最 高 号 給 の 給 料 月 額 135,6 243,7 185,8 222,9 261,9

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 23 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 1 号 給 の 給 料 月 額 最 高 号 給 の 給 料 月 額 135,600 円 185,800 円 222,900 円 261,900 円

スライド 1

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- 1 - 総 控 負 傷 疾 病 療 養 産 産 女 性 責 帰 べ 由 試 ~ 8 契 約 契 約 完 了 ほ 契 約 超 締 結 専 門 的 知 識 技 術 験 専 門 的 知 識 高 大 臣 専 門 的 知 識 高 専 門 的 知 識 締 結 契 約 満 歳 締 結 契 約 契 約 係 始

横浜市障害者ガイドヘルプ事業実施要綱

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 24 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 単 位 : 円 ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 1 号 給 の 給 料 月 額 135, , , , , ,600 最

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(4) ラスパイレス 指 数 の 状 況 H H H5.4.1 ( 参 考 値 ) 97.1 H H H H5.4.1 H H5.4.1 ( 参 考

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(3) 職 員 の 初 任 給 の 状 況 ( 平 成 5 年 月 日 現 在 ) 決 定 初 任 給 採 用 年 経 過 後 給 料 月 額 大 学 卒 7, 8, 一 般 行 政 職 短 大 卒 9,8 6, 高 校 卒, 8,5 () 職 員 の 経 験 年 数 別 学 歴 別 平 均 給 料

39_1

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退職手当とは

Transcription:

Vol.8 No.1 2015 The Journal of Healthcare-Associated Infection 2015; 8: 1-9. (1) Review article わが 国 の 感 染 制 御 の 歴 史 鈴 木 明 子 小 林 寬 伊 東 京 医 療 保 健 大 学 大 学 院 The History of Infection Control and Prevention in Japan Akiko Suzuki,Hiroyoshi Kobayashi Division of Infection Prevention and Control, Tokyo Healthcare University Postgraduate School Key words: 感 染 制 御 東 八 幡 平 シンポジウム 日 本 環 境 感 染 学 会 診 療 報 酬 1.はじめに 1959 年 に 登 場 したメチシリンに 対 して 1961 年 に 英 国 でメチシリン 耐 性 黄 色 ブドウ 球 菌 (methicillin-resistant Staphylococcus aureus ; MRSA)による 感 染 症 が 報 告 され た 1) 欧 米 では 1970 年 代 後 半 より MRSA が 医 療 現 場 で 問 題 となっていたが 2) わが 国 においても 1980 年 代 に 入 り MRSA の 分 離 率 は 増 加 した 3) 小 林 の 報 告 によると 東 京 大 学 医 学 部 附 属 病 院 では 1979 年 頃 までは 分 離 され ていなかった MRSA が 臨 床 分 離 される 黄 色 ブドウ 球 菌 (S. aureus)に 占 める MRSA の 分 離 頻 度 は 1984 年 に 6.2% 1985 年 に 17.6% 1986 年 に 36.0% 1987 年 には 58.2%というように 急 速 に 増 大 し 4) 感 染 制 御 の 重 要 性 が 認 識 されるようになった 表 1 に 示 すように 厚 生 労 働 省 院 内 感 染 対 策 サーベイ ランス 事 業 によると 2013 年 入 院 患 者 由 来 の 検 体 のうち 薬 剤 耐 性 菌 で 分 離 患 者 数 が 最 も 多 かった MRSA は 検 体 提 出 患 者 の 7.48%にあたる 118,539 人 より 分 離 された また MRSA 分 離 率 は 2009 年 の 10.01%から 2013 年 は 7.48%と 減 少 傾 向 を 示 している 医 療 機 関 によって 分 離 頻 度 は 異 なるものの 入 院 患 者 から 分 離 されている S. aureus の 50~70%は MRSA が 占 めているとされていた が 近 年 では 感 染 制 御 の 推 進 により 減 少 傾 向 にあると 言 われている 5) そこで 本 稿 では 医 療 関 連 感 染 制 御 に 関 わる 日 本 環 境 感 染 学 会 の 設 立 に 至 る 歴 史 と 診 療 報 酬 の 変 遷 の 双 方 か ら 振 り 返 ることで わが 国 の 感 染 制 御 の 歴 史 を 考 えたい 表 1 MRSAの 分 離 患 者 数 と 分 離 率 の 変 遷 2009 年 2010 年 2011 年 2012 年 2013 年 対 象 医 療 機 関 数 499 495 594 660 745 国 内 医 療 機 関 数 7,714 7,655 7,588 7,529 7,494 対 象 医 療 機 関 数 / 国 内 医 療 機 関 数 (%) 6.5 6.5 7.7 8.8 9.9 検 体 提 出 患 者 数 ( 人 ) 1,056,555 1,069,216 1,309,993 1,453,969 1,584,041 MRSA 患 者 数 ( 人 ) 105,722 100,845 114,933 117,209 118,539 MRSA 分 離 率 (%) 10.01 9.43 8.77 8.06 7.48 厚 生 労 働 省. 院 内 感 染 対 策 サーベイランス 事 業 公 開 情 報 検 査 部 門 年 報 より 作 成 http://www.nih-janis.jp/report/kensa.html -1-

(2) 医 療 関 連 感 染 2. 学 会 の 設 立 2.1 東 八 幡 平 シンポジウム 岩 手 医 科 大 学 医 学 部 細 菌 学 教 室 の 川 名 林 治 教 授 は そ の 当 時 大 きな 問 題 になりつつある 院 内 感 染 について 憂 慮 し その 発 生 要 因 と 対 策 を 考 えるための 本 格 的 な 勉 強 会 として 米 国 の Centers for Disease Control and Prevention(CDC)で 行 っている 国 際 院 内 感 染 シンポジ ウム のようなものを 行 うことができれば 日 本 の 感 染 制 御 を 活 性 化 させるのではないかと 考 えた 東 京 慈 恵 医 科 大 学 内 科 の 上 田 泰 名 誉 教 授 と 東 京 女 子 医 科 大 学 内 科 の 清 水 喜 八 郎 教 授 に 相 談 して 賛 同 を 得 たこと で 感 染 制 御 に 関 わる 中 心 的 医 師 細 菌 検 査 技 師 を 中 心 にして 日 本 化 学 療 法 学 会 および 日 本 感 染 症 学 会 の 理 事 もあわせた small group での 勉 強 会 として 1983 年 に 第 1 回 東 八 幡 平 シンポジウムを 開 催 した 6) 口 頭 発 表 は 8 演 題 であり Serratia marcescens Pseudomonas aeruginosa 検 査 の 立 場 からの 院 内 感 染 ヘルペスウイルス Branhamella catarrhalis 手 術 部 における 病 院 感 染 対 策 および 欧 米 における 現 況 compromised host におけ る 感 染 症 および 消 毒 薬 という 内 容 であった このとき 欧 米 における 現 況 を 発 表 した 東 京 大 学 中 央 手 術 部 の 小 林 寬 伊 助 教 授 は 6 月 27 日 ~28 日 にイギリスの Cambridge で 行 われた Ninth Meeting of Hospital Infection Society に 出 席 し 7,8) そのまま 7 月 2 日 ~3 日 の 東 八 幡 平 シンポジウムに 参 加 した 9) イギリスにおける Hospital Infection Society(HIS)やアメリカの Society of Hospital Epidemiologists というような 組 織 を 日 本 にも 作 ってもら いたいと Cambridge のミーティングで 言 われた こと 7) 英 米 のキーパースンより 2 年 以 内 に 日 本 に 学 会 を 設 立 するよう 強 く 要 請 されたこと 8,9) その 必 要 性 を 小 林 自 身 も 痛 感 していることを シンポジウムのディスカッショ ンで 述 べている 7) 日 発 病 院 の 大 越 正 秋 病 院 長 ( 元 東 海 大 学 医 学 部 泌 尿 器 科 教 授 )も 小 林 先 生 などに 加 わっていただき 今 まで の 我 々の 化 学 療 法 学 会 内 だけの 討 議 よりもより 効 果 があ ったと 思 います と 第 1 回 東 八 幡 平 シンポジウムに 参 加 した 感 想 を 述 べており 一 カ 所 に 少 ない 範 囲 内 の 人 が 固 まらないようなテーマが 選 ばれて 違 う 立 場 からいろい ろ 討 議 する スタイルにより 広 く 院 内 感 染 の 対 策 を 考 える 試 みが 行 われた 筆 者 も 1990 年 に 行 われた 第 8 回 東 八 幡 平 シンポジウ ムで 術 前 手 指 消 毒 について 発 表 した 東 八 幡 平 ロイヤ ルホテルにおいて 1 泊 2 日 で 行 われた 合 宿 のような 勉 強 会 は 会 場 内 の 座 席 も 決 まっている 中 で 順 番 に 発 表 が 行 われた とても 活 発 な 討 議 がなされて 夜 も 出 席 者 と 盛 り 上 がったことを 記 憶 している 筆 者 の 発 表 中 には 発 言 されず 発 表 後 に 席 に 戻 る 筆 者 に 近 寄 り 菌 名 の 表 記 方 法 について 指 導 してくださったのは 大 阪 市 立 大 学 医 学 部 細 菌 学 の 薮 内 英 子 客 員 教 授 であり 若 手 を 育 てるという 雰 囲 気 の 中 でシンポジウムが 行 われていたことが 強 く 印 象 に 残 っている 院 内 感 染 を 語 るという 性 質 上 東 八 幡 平 シンポジ ウムは 限 られた 参 加 者 で 行 われる semi closed の 勉 強 会 で あり 感 染 制 御 の 進 歩 につながるということで 質 疑 応 答 も 含 めた 発 表 の 記 録 を シンポジウム 後 に proceeding として 残 している こうして 東 八 幡 平 シンポジウムは 1983 年 から 川 名 教 授 が 岩 手 医 科 大 学 の 定 年 を 迎 える 前 の 年 まで 11 回 に 渡 り 開 催 された 10) 東 八 幡 平 シンポジ ウムについて 川 名 自 身 は 友 情 や 協 力 を 培 うものであり 忘 れえないシンポジウム と 記 しており 11) この 勉 強 会 で 培 われたネットワークが この 後 のわが 国 の 感 染 制 御 に 大 きく 貢 献 することになる 2.2 日 本 環 境 感 染 学 会 病 院 感 染 の 院 内 の 汚 染 immunocompromised host の 問 題 に 病 院 感 染 をどのように 予 防 するか 対 策 をどう するかという 問 題 を 薬 剤 師 看 護 師 臨 床 検 査 技 師 管 理 者 などさまざまな 立 場 から 意 見 を 出 した 東 八 幡 平 シンポジウムが 母 体 となり 第 3 回 が 終 わった 時 点 で 病 院 感 染 の 学 会 を 創 設 することになった 9) 東 八 幡 平 シン ポジウムは 日 本 環 境 感 染 学 会 の 目 的 とされていること が 集 約 されていて 大 変 印 象 深 い と 神 奈 川 県 衛 生 看 護 専 門 学 校 附 属 病 院 の 松 本 文 夫 副 院 長 も 述 べているとお り 12) 東 八 幡 平 シンポジウムが まさにこの 学 会 の 生 み の 親 という 存 在 である 学 会 の 発 起 人 として 上 田 泰 清 水 喜 八 郎 川 名 林 治 熊 本 悦 明 ( 札 幌 医 科 大 学 泌 尿 器 科 教 授 ) 総 務 として 小 林 寬 伊 と 松 本 文 夫 が 加 わり 9) 準 備 委 員 会 が 1985 年 4 月 2 日 に 赤 門 学 士 会 館 で 開 催 された 8) これにより 小 林 が 1983 年 に Cambridge で 要 請 された 2 年 以 内 という 期 限 内 に 学 会 開 設 に 向 けて 動 き 出 したことになる 8) 1985 年 5 月 21 日 には 発 起 人 が 集 まって 会 則 の 案 を 作 成 した 第 1 回 学 術 集 会 は 上 田 泰 会 長 のもと 1986 年 2 月 1 日 に 開 -2-

Vol.8 No.1 2015 (3) 催 され 231 名 の 参 加 者 が 集 まった 病 院 感 染 関 連 学 会 としては 1980 年 に 英 国 で HIS が 米 国 で Society of Hospital Epidemiologists of America; SHEA(1994 年 以 降 は Society for Healthcare Epidemiology of America)が 設 立 さ れており 9) 欧 米 に 遅 れること 5 年 である 学 会 の 名 称 は 先 駆 的 観 点 から 日 本 環 境 感 染 学 会 Japanese Society for Environmental Infection と 上 田 泰 初 代 理 事 長 によって 名 づけられたが 英 語 名 の 表 記 は 2013 年 10 月 7 日 の 理 事 会 より Japanese Society for Infection Prevention and Control に 変 更 された 13) 2013 年 現 在 日 本 環 境 感 染 学 会 会 員 は 8,500 人 を 超 えており 感 染 制 御 領 域 としては 世 界 最 大 規 模 の 学 会 となっている 14) 感 染 制 御 における 専 門 家 集 団 として わが 国 のみならず 世 界 の 感 染 制 御 を 推 進 させる 役 割 を 担 っていることを 肝 に 銘 じなければならない そして この 学 会 設 立 に 携 わった 先 人 たちが 厚 生 労 働 省 や 医 師 会 に 陳 情 を 重 ね 1996 年 に 診 療 報 酬 の 中 で 初 め て 院 内 感 染 対 策 加 算 が 認 められることになる 15) 3. 院 内 感 染 病 院 感 染 から 医 療 関 連 感 染 へ 富 家 恵 海 子 が 夫 を 手 術 成 功 後 の MRSA 感 染 によって 失 ったことを 1990 年 に 院 内 感 染 という 克 明 なレポー トにして 発 表 した 16) 富 家 は 私 が 院 内 感 染 を 書 か ざるを 得 なかった 1980 年 代 後 半 は 院 内 感 染 という 言 葉 は 一 般 人 はもちろん 医 療 者 にさえ 認 知 されてい ませんでした と 述 べている 17) この 本 が 大 きな 反 響 を 呼 び 院 内 感 染 という 言 葉 がマスコミで 取 り 上 げられ るようになった 厚 生 労 働 省 からの 通 知 も 院 内 感 染 という 言 葉 が 使 われている 1990 年 12 月 日 本 環 境 感 染 学 会 によって 日 本 で 初 めての 感 染 制 御 に 関 するガイドライン 病 院 感 染 防 止 指 針 ( 南 山 堂 東 京 ) 18) が 刊 行 された この 際 に 病 院 感 染 という 表 現 を 学 会 として 正 式 に 採 用 した この 病 院 感 染 という 言 葉 も 欧 米 では 2000 年 以 降 より 幅 広 く 病 院 外 での 医 療 に 関 連 して 惹 起 される 感 染 症 をも 含 めて 考 えるべきという 考 えから 医 療 関 連 感 染 という 概 念 が 使 われるようになった 19, 20) 2007 年 CDC から 公 表 されたガイドラインにおいては nosocomial infection ( 院 内 感 染 ) という 用 語 から healthcareassociated infection( 医 療 関 連 感 染 ) へ 変 更 された 21, 22) 外 来 および 在 宅 については 内 科 的 または 外 科 的 介 入 が 関 連 した 感 染 症 も 医 療 関 連 感 染 としている この 変 更 以 降 日 本 においても 病 院 感 染 にかわり 医 療 関 連 感 染 という 用 語 が 広 く 使 用 されるようになっている 4. 診 療 報 酬 の 変 遷 我 が 国 の 医 療 は 国 民 皆 保 険 制 度 を 取 り 保 険 診 療 の 際 に 医 療 行 為 の 対 価 として 計 算 される 報 酬 が 診 療 報 酬 であ る 報 酬 額 は 診 療 報 酬 点 数 表 に 基 づいて 計 算 され 点 数 で 表 現 されており 患 者 はこの 一 部 を 窓 口 で 支 払 い( 自 己 負 担 ) 残 りは 公 的 医 療 保 険 で 支 払 われる 診 療 報 酬 改 定 は 内 閣 が 予 算 編 成 過 程 を 通 じて 改 定 率 を 決 定 し 社 会 保 障 審 議 会 医 療 保 険 部 会 および 医 療 部 会 で 基 本 方 針 を 策 定 し それらに 基 づき 厚 生 労 働 大 臣 に 諮 問 を 受 けた 中 央 社 会 保 険 医 療 協 議 会 ( 中 医 協 )が 国 民 の 健 康 状 態 や ニーズ 医 療 現 場 の 社 会 的 実 態 に 見 合 うように 具 体 的 な 診 療 報 酬 点 数 の 設 定 を 審 議 し 厚 生 労 働 大 臣 に 答 申 する ことが 2 年 ごとに 行 われる 診 療 報 酬 の 変 遷 という 視 点 から 感 染 制 御 の 状 況 を 考 察 することは 感 染 率 の 推 移 と いう 自 然 科 学 的 側 面 ではなく 社 会 科 学 的 側 面 から 感 染 制 御 を 捉 えるものである 4.1 1996 年 改 定 1996 年 4 月 の 診 療 報 酬 改 定 で 院 内 感 染 防 止 対 策 の 評 価 として 院 内 感 染 防 止 対 策 の 整 備 を 評 価 し 院 内 感 染 防 止 対 策 加 算 として 1 日 5 点 の 入 院 環 境 料 の 加 算 が 新 設 された これが わが 国 で 初 めて 診 療 報 酬 上 で 点 数 化 された 感 染 対 策 費 である この 院 内 感 染 防 止 対 策 費 に 関 する 基 準 とは 表 2 に 示 す 4 項 目 のすべてである 当 該 基 準 に 適 合 していることを 地 方 社 会 保 険 事 務 局 長 へ 届 け 出 ることで 入 院 患 者 1 日 につき 5 点 の 加 算 を 得 るこ とになった 院 内 感 染 防 止 対 策 と 言 っても MRSA に 限 っている ところが 当 時 の MRSA 感 染 の 影 響 力 の 大 きさが 示 され ている 小 林 の MRSA 病 院 感 染 症 全 国 サーベイランスの 調 査 によると 23) 1996 年 の 前 後 では 1994 年 (42 施 設 ) の MRSA 病 院 感 染 数 は 全 症 例 数 に 対 して 0.81% 1999 年 (59 施 設 )のそれは 0.79%である 1996 年 から 次 の 改 定 までの 4 年 間 に 人 材 の 育 成 相 談 体 制 の 構 築 法 律 の 変 化 さらにサーベイランスが 開 始 された 院 内 感 染 対 策 講 習 会 は 1993 年 から 医 師 看 護 師 を 対 -3-

(4) 医 療 関 連 感 染 表 2 診 療 報 酬 の 変 遷 西 暦 1996 加 算 の 名 称 院 内 感 染 防 止 対 策 加 算 内 容 1 日 5 点 要 件 メチシリン 耐 性 黄 色 ブドウ 球 菌 (MRSA) 院 内 感 染 対 策 委 員 会 が 毎 月 開 催 されている 委 員 会 は 各 部 門 の 責 任 者 で 構 成 されている 感 染 情 報 レポートが 週 1 回 程 度 作 成 され 十 分 に 活 用 されている 病 室 入 り 口 に 速 乾 性 擦 式 手 指 消 毒 薬 が 設 置 されている 2000 院 内 感 染 防 止 対 策 加 算 未 実 施 5 点 減 算 2006 医 療 安 全 対 策 加 算 ( 入 院 基 本 料 の 算 定 要 件 の ひとつ) 医 療 安 全 対 策 加 算 入 院 初 日 50 点 入 院 診 療 計 画 院 内 感 染 防 止 対 策 医 療 安 全 管 理 体 制 及 び 褥 瘡 対 策 に 関 する 基 準 2 院 内 感 染 防 止 対 策 に 関 する 基 準 (1) 当 該 保 険 医 療 機 関 において 院 内 感 染 防 止 対 策 が 行 われていること (2) 当 該 医 療 機 関 において 院 内 感 染 防 止 対 策 委 員 会 が 設 置 され 当 該 委 員 会 が 月 1 回 程 度 定 期 的 に 開 催 さ れていること (3) 院 内 感 染 防 止 対 策 委 員 会 は 病 院 長 又 は 診 療 所 長 看 護 部 長 薬 剤 部 門 の 責 任 者 検 査 部 門 の 責 任 者 事 務 部 門 の 責 任 者 感 染 症 対 策 に 関 し 相 当 の 経 験 を 有 する 医 師 等 の 職 員 から 構 成 されていること( 診 療 所 において は 各 部 門 の 責 任 者 を 兼 務 した 者 で 差 し 支 えない ) (4) 当 該 保 険 医 療 機 関 内 において( 病 院 である 保 険 医 療 機 関 においては 当 該 病 院 にある 検 査 部 において) 各 病 棟 ( 有 床 診 療 所 においては 当 該 有 床 診 療 所 の 有 するすべての 病 床 以 下 この 項 において 同 じ )の 微 生 物 学 的 検 査 に 係 る 状 況 等 を 記 した 感 染 情 報 レポート が 週 1 回 程 度 作 成 されており 当 該 レポートが 院 内 感 染 防 止 対 策 委 員 会 において 十 分 に 活 用 される 体 制 がとられていること 当 該 レポートは 入 院 中 の 患 者 からの 各 種 細 菌 の 検 出 状 況 や 薬 剤 感 受 性 成 績 のパターン 等 が 病 院 又 は 有 床 診 療 所 の 疫 学 情 報 として 把 握 活 用 されることを 目 的 として 作 成 されるものであり 各 病 棟 からの 拭 き 取 り 等 による 各 種 細 菌 の 検 出 状 況 を 記 すものではない (5) 院 内 感 染 防 止 対 策 として 職 員 等 に 対 し 流 水 による 手 洗 いの 励 行 を 徹 底 させるとともに 各 病 室 に 水 道 又 は 速 乾 式 手 洗 い 液 等 の 消 毒 液 が 設 置 されていること ただし 精 神 病 棟 小 児 病 棟 等 においては 患 者 の 特 性 から 病 室 に 前 項 の 消 毒 液 を 設 置 することが 適 切 でないと 判 断 される 場 合 に 限 り 携 帯 用 の 速 乾 式 消 毒 液 等 を 用 いても 差 し 支 えないものとする 医 療 安 全 対 策 加 算 に 関 する 施 設 基 準 として オ 専 任 の 院 内 感 染 管 理 者 が 配 置 されていること 感 染 防 止 対 策 加 算 の 施 設 基 準 (1) 医 療 安 全 対 策 加 算 1 に 係 る 届 出 を 行 っていること (2) 感 染 防 止 に 係 る 部 門 ( 以 下 感 染 防 止 対 策 部 門 という )を 設 置 していること ただし 医 療 安 全 管 理 部 門 をも って 感 染 防 止 対 策 部 門 としてもよい (3)(2)に 掲 げる 部 門 内 に 以 下 の 構 成 員 からなる 感 染 防 止 対 策 チームを 組 織 し 感 染 防 止 に 係 る 日 常 業 務 を 行 う こと ア 感 染 症 対 策 に 3 年 以 上 の 経 験 を 有 する 専 任 の 常 勤 医 師 ( 歯 科 医 療 を 担 当 する 保 険 医 療 機 関 にあっては 当 該 経 験 を 有 する 専 任 の 常 勤 歯 科 医 師 ) イ 5 年 以 上 感 染 管 理 に 従 事 した 経 験 を 有 し 感 染 管 理 に 係 る 適 切 な 研 修 を 修 了 した 専 任 の 看 護 師 なお ここ でいう 研 修 とは 次 の 事 項 に 該 当 する 研 修 のことをいう (イ) 国 及 び 医 療 関 係 団 体 等 が 主 催 する 研 修 であること (6 月 以 上 の 研 修 期 間 で 修 了 証 が 交 付 されるもの) (ロ) 感 染 管 理 のための 専 門 的 な 知 識 技 術 を 有 する 看 護 師 の 養 成 を 目 的 とした 研 修 であること (ハ) 講 義 及 び 演 習 により 次 の 内 容 を 含 むものであること (a) 感 染 予 防 管 理 システム (b) 医 療 関 連 感 染 サーベイランス (c) 感 染 防 止 技 術 (d) 職 業 感 染 管 理 入 院 初 日 100 点 (e) 感 染 管 理 指 導 ( 医 療 安 全 対 策 加 算 1 85 点 ) 2010 感 染 防 止 対 策 加 算 に 追 加 して ( f ) 感 染 管 理 相 談 ( 医 療 安 全 対 策 加 算 2 35 点 ) (g) 洗 浄 消 毒 滅 菌 とファシリティマネジメント 等 について ウ 3 年 以 上 の 病 院 勤 務 経 験 をもつ 感 染 防 止 対 策 にかかわる 専 任 の 薬 剤 師 エ 3 年 以 上 の 病 院 勤 務 経 験 をもつ 専 任 の 臨 床 検 査 技 師 アに 定 める 医 師 又 はイに 定 める 看 護 師 のうち 1 名 は 専 従 であること 当 該 保 険 医 療 機 関 内 に 上 記 のアからエに 定 める 者 のうち 1 名 が 院 内 感 染 管 理 者 として 配 置 されていること な お 当 該 職 員 は 1 の(1)のカに 掲 げる 院 内 感 染 管 理 者 ( 医 療 安 全 対 策 加 算 に 規 定 するもの)を 兼 ねることができ る また 第 2 部 通 則 7 に 規 定 する 院 内 感 染 防 止 対 策 に 掲 げる 業 務 を 行 うことができる (4) 感 染 防 止 対 策 の 業 務 指 針 及 び 院 内 感 染 管 理 者 若 しくは 院 内 感 染 防 止 対 策 チームの 具 体 的 な 業 務 内 容 が 整 備 されていること (5)(3)に 掲 げるチームにより 最 新 のエビデンスに 基 づき 自 施 設 の 実 情 に 合 わせた 標 準 予 防 策 感 染 経 路 別 予 防 策 職 業 感 染 予 防 策 疾 患 別 感 染 対 策 洗 浄 消 毒 滅 菌 抗 菌 薬 適 正 使 用 等 の 内 容 を 盛 り 込 んだ 手 順 書 (マ ニュアル)を 作 成 し 各 部 署 に 配 布 していること なお 手 順 書 は 定 期 的 に 新 しい 知 見 を 取 り 入 れ 改 訂 すること (6)(3)に 掲 げるチームにより 職 員 を 対 象 として 少 なくとも 年 2 回 程 度 定 期 的 に 院 内 感 染 対 策 に 関 する 研 修 を 行 っていること なお 当 該 研 修 は 別 添 2 の 第 1 の 3 の(5)に 規 定 する 安 全 管 理 の 体 制 確 保 のための 職 員 研 修 と は 別 に 行 うこと (7) 院 内 の 抗 菌 薬 の 適 正 使 用 を 監 視 するための 体 制 を 有 すること 特 に 特 定 抗 菌 薬 ( 広 域 スペクトラムを 有 する 抗 菌 薬 抗 MRSA 薬 等 )については 届 出 制 又 は 許 可 制 の 体 制 をとること (8) 地 域 や 全 国 のサーベイランスに 参 加 していることが 望 ましい 感 染 防 止 対 策 加 算 1 入 院 初 日 400 点 [ 施 設 基 準 ] 感 染 防 止 対 策 加 算 1 1 専 任 の 院 内 感 染 管 理 者 が 配 置 されており 感 染 防 止 対 策 部 門 を 設 置 していること 2 以 下 からなる 感 染 防 止 対 策 チームを 組 織 し 感 染 防 止 に 係 る 日 常 業 務 を 行 うこと ア 感 染 症 対 策 に3 年 以 上 の 経 験 を 有 する 専 任 の 常 勤 医 師 イ 5 年 以 上 感 染 管 理 に 従 事 した 経 験 を 有 し 感 染 管 理 に 係 る 適 切 な 研 修 を 修 了 した 専 任 の 看 護 師 ウ 3 年 以 上 の 病 院 勤 務 経 験 をもつ 感 染 防 止 対 策 に 関 わる 専 任 の 薬 剤 師 エ 3 年 以 上 の 病 院 勤 務 経 験 をもつ 専 任 の 臨 床 検 査 技 師 (ア 又 はイのうち 1 名 は 専 従 であること ) 2012 3 年 4 回 以 上 感 染 防 止 対 策 加 算 1を 算 定 する 医 療 機 関 は 感 染 防 止 対 策 加 算 2を 算 定 する 医 療 機 関 と 合 同 カ ンファレンスを 開 催 すること 感 染 防 止 対 策 加 算 2 入 院 初 日 100 点 感 染 防 止 対 策 加 算 2 ( 感 染 防 止 対 策 加 算 1と 異 なる 部 分 を 記 載 ) 1 一 般 病 床 の 病 床 数 が 300 床 未 満 の 医 療 機 関 であることを 標 準 とする 2 感 染 防 止 対 策 チームを 組 織 し 感 染 防 止 に 係 る 日 常 業 務 を 行 うこと 感 染 防 止 対 策 チームの 構 成 員 について は 感 染 防 止 対 策 加 算 1の 要 件 から イに 定 める 看 護 師 の 研 修 要 件 を 不 要 とする また ア 又 はイのいずれも 専 任 でも 可 能 とする 3 年 4 回 以 上 感 染 防 止 対 策 加 算 1を 算 定 する 医 療 機 関 の 主 催 する 合 同 カンファレンスに 参 加 すること 感 染 防 止 対 策 地 域 連 携 加 算 入 院 初 日 100 点 1 感 染 防 止 対 策 加 算 1 を 算 定 していること 2 感 染 防 止 対 策 加 算 1 を 算 定 している 医 療 機 関 同 士 が 連 携 し 年 1 回 以 上 互 いの 医 療 機 関 に 赴 いて 相 互 に 感 染 防 止 対 策 に 係 る 評 価 を 行 っていること 2014 感 染 防 止 対 策 加 算 1 変 更 点 院 内 感 染 対 策 サーベイランス(JANIS) 等 地 域 や 全 国 のサーベイランスに 参 加 していることが 望 ましい -4-

Vol.8 No.1 2015 (5) 象 として 厚 生 省 から 日 本 感 染 症 学 会 への 委 託 事 業 とし て 実 施 されてきたが 1998 年 度 までの 受 講 者 が 約 2 万 人 に 達 し 1999 年 から 対 象 を 薬 剤 師 および 臨 床 検 査 技 師 に も 拡 大 することになった 24) また 2000 年 1 月 には 第 1 回 の ICD 制 度 協 議 会 によるインフェクションコントロー ルドクター(ICD)の 認 定 が 行 われ 832 名 の 認 定 ICD (CICD)が 誕 生 した 25) この ICD 認 定 制 度 は 1996 年 12 月 に 日 本 環 境 感 染 学 会 理 事 の 小 林 寬 伊 NTT 東 日 本 関 東 病 院 長 日 本 感 染 症 学 会 理 事 の 木 村 哲 東 京 大 学 感 染 制 御 学 教 授 が 原 案 を 作 成 し 26) 1997 年 1 月 より 日 本 環 境 感 染 学 会 の 松 本 文 夫 理 事 長 日 本 感 染 症 学 会 の 島 田 馨 理 事 長 (1997 年 3 月 の 総 会 より 国 井 乙 彦 理 事 長 就 任 )を 中 心 に 検 討 が 開 始 された また 1997 年 2 月 28 日 付 で 上 申 された 日 本 学 術 会 議 免 疫 感 染 症 研 究 連 絡 委 員 会 ( 清 水 喜 八 郎 委 員 長 ) 報 告 書 が ICD 認 定 制 度 の 立 ち 上 げに 大 きく 影 響 し 認 定 制 度 に 参 画 する 各 学 会 が 推 薦 する 会 員 を 基 本 に 認 定 を 検 討 してい くことで 認 定 制 度 が 発 足 することになった 26) こうし て 1999 年 に 日 本 感 染 症 学 会 日 本 環 境 感 染 学 会 日 本 医 真 菌 学 会 日 本 ウイルス 学 会 日 本 寄 生 虫 学 会 日 本 細 菌 学 会 の 6 学 会 の 代 表 でインフェクションコントロー ルドクター(ICD) 制 度 協 議 会 を 組 織 し( 学 会 代 表 数 は 日 本 感 染 症 学 会 日 本 環 境 感 染 学 会 は 各 3 名 で 会 費 も 3 倍 他 は 各 1 名 ) 認 定 作 業 を 開 始 した その 当 時 は 病 院 感 染 対 策 に 参 画 する 人 材 を 育 成 し 興 味 を 持 ってもら える 人 を 増 やしていく 時 代 であった またこの 制 度 は 医 師 のみでなく 博 士 号 を 取 得 した 人 には 認 定 資 格 が あり 感 染 対 策 に 興 味 を 持 ってもらえる 臨 床 および 基 礎 の 人 材 を 増 やしていくことを 目 的 とした その 結 果 現 在 は ICD 制 度 協 議 会 参 加 学 会 数 は 23 に 増 え 2015 年 1 月 現 在 の 認 定 者 数 は 8,069 名 となった 全 国 の 病 院 病 床 数 1,578,254 床 27) から 計 算 すると 195.6 ベッド 当 たり 認 定 ICD 一 人 という 十 分 な 数 を 示 しているが 大 病 院 に 集 中 している 傾 向 が 強 く 今 後 の 課 題 である 院 内 感 染 対 策 相 談 窓 口 は 1994 年 から 厚 生 省 から 日 本 感 染 症 学 会 への 委 託 事 業 であり 質 問 事 項 を 事 務 局 へ 施 設 長 名 を 付 記 して FAX で 送 れば 数 日 以 内 に 地 区 ごとの 専 門 家 により 直 接 回 答 が 寄 せられるシステムであっ た 24) ここで 取 り 上 げられた 質 問 とその 回 答 内 容 は 年 度 ごとに 質 疑 応 答 集 としてまとめられ この 中 から ピックアップされた 97 項 目 について 1997 年 に 院 内 感 染 対 策 Q & A- 現 場 からの MRSA 感 染 対 策 の 疑 問 に 答 える- として 出 版 された 28) そして 1998 年 に それまで 100 年 間 続 いた 伝 染 病 予 防 法 から 感 染 症 の 予 防 及 び 感 染 症 の 患 者 に 対 する 医 療 に 関 する 法 律 ( 通 称 感 染 症 法 感 染 症 新 法 )が 成 立 し 1999 年 4 月 に 施 行 された この 100 年 で 感 染 症 を 取 り 巻 く 状 況 が 激 しく 変 化 し 伝 染 病 予 防 法 では 対 応 で きなくなったためである この 新 しい 法 律 では 消 毒 に 関 する 詳 細 な 規 定 はせず 基 本 的 な 考 え 方 を 述 べるにとど め 詳 細 については 消 毒 と 滅 菌 のガイドライン を 作 成 して 指 針 とすることとなった 消 毒 に 関 する 知 見 の 進 歩 が 著 しく 柔 軟 な 対 応 が 可 能 な 体 制 として 整 えたとい うことである サーベイランスを 通 して 疫 学 調 査 を 実 施 し 我 が 国 の 院 内 感 染 に 関 するデータベースを 構 築 することを CDC が 開 発 した National Nosocomial Infections Surveillance (NNIS)システムを 参 考 にして 始 まった 1999 年 に 日 本 環 境 感 染 学 会 の 事 業 として Japanese Nosocomial Infections Surveillance (JNIS)システムが 構 築 され 29) 2000 年 7 月 から 厚 生 労 働 省 の 事 業 として 開 始 された 院 内 感 染 サーベイランス(JANIS) 事 業 は 集 中 治 療 部 門 検 査 部 門 全 入 院 患 者 部 門 の 3 部 門 でスタートした 4.2 2000 年 改 定 2000 年 4 月 の 改 定 により 院 内 感 染 対 策 は すべての 施 設 で 行 われるべきものであり 実 施 していない 医 療 機 関 にはペナルティが 科 せられて 当 然 であるとの 考 え 方 に 基 づき 未 実 施 5 点 減 算 へと 転 換 された 24) 2000 年 の 改 定 から 次 の 改 定 までの 2005 年 2 月 1 日 付 で 医 療 法 施 行 規 則 の 一 部 改 正 と 医 療 施 設 における 院 内 感 染 の 防 止 について の 通 知 が 厚 生 労 働 省 医 政 局 指 導 課 より 発 表 された 30) これにより わが 国 の 感 染 制 御 は 最 新 の 国 際 的 な 標 準 と 整 合 性 のある 科 学 的 根 拠 に 基 づく 体 系 が 整 備 されることになった 4.3 2006 年 改 定 2006 年 4 月 の 診 療 報 酬 改 定 では それまでの 院 内 感 染 対 策 未 実 施 減 算 が 廃 止 され 院 内 感 染 防 止 対 策 は 入 院 基 本 料 の 算 定 要 件 のひとつとして 入 院 診 療 計 画 医 療 安 全 管 理 体 制 及 び 褥 瘡 対 策 と 並 んで 位 置 づけられた 31) 院 内 感 染 防 止 対 策 に 関 する 基 準 は 表 2 に 示 すとおりであ り 1996 年 の 基 準 より より 細 かい 内 容 が 示 された ま た 医 療 安 全 対 策 の 枠 組 みに 組 み 込 まれる 形 で 新 設 され -5-

(6) 医 療 関 連 感 染 た 医 療 安 全 対 策 加 算 の 施 設 基 準 として 専 任 の 院 内 感 染 管 理 者 が 配 置 されていることが 示 され 点 数 は 入 院 初 日 に 50 点 となった 日 本 看 護 協 会 では 感 染 管 理 看 護 婦 教 育 のためのコー スが 1993 年 から 開 始 され それ 以 外 でも 多 くの 研 修 会 な どが 開 催 されていた 32) 国 立 大 学 では 1995 年 から 1997 年 ですべての 病 院 に 感 染 対 策 看 護 要 員 の 増 員 が 認 められ た 2000 年 4 月 から 日 本 看 護 協 会 が 感 染 管 理 認 定 看 護 師 Certified Nurse in Infection Control:CNIC のコースを 開 始 し 2001 年 6 月 には 初 の 感 染 管 理 認 定 看 護 師 18 名 が 誕 生 した こうした 人 材 が 院 内 感 染 管 理 者 として 活 躍 することとなった 2015 年 6 月 現 在 の CNIC は 2,053 名 であり 33) 全 国 の 病 院 病 床 数 27) より 768.8 ベッド 当 たり CNIC 一 人 という 換 算 である 2006 年 6 月 に 良 質 な 医 療 を 提 供 する 体 制 の 確 立 を 図 るための 医 療 法 等 の 一 部 を 改 正 する 法 律 が 成 立 し 2007 年 4 月 より 施 行 された 院 内 感 染 対 策 については 病 院 有 床 診 療 所 無 床 診 療 所 歯 科 診 療 所 助 産 所 のすべて の 医 療 機 関 に 対 して 体 制 確 保 が 義 務 となり 法 的 遵 守 事 項 として 位 置 づけられた 34) これらの 遵 守 事 項 に 対 して 未 施 行 の 場 合 に 特 別 な 罰 則 があるわけではないが 医 療 法 第 25 条 に 基 づく 立 ち 入 り 検 査 などにおいては 該 当 項 目 についての 指 導 などのチェックが 行 われることになっ た 改 正 された 医 療 法 の 条 文 には 院 内 感 染 対 策 という 言 葉 はなく 医 療 機 関 の 管 理 者 に 対 して 求 めているのは 医 療 の 安 全 の 確 保 であり 安 全 管 理 体 制 の 中 に 院 内 感 染 対 策 の 体 制 の 充 実 強 化 が 盛 り 込 まれて 医 療 の 安 全 の 確 保 と 質 の 向 上 をはかるための 措 置 を 求 めている しか し 厚 生 労 働 省 の 院 内 感 染 対 策 中 央 会 議 では 院 内 感 染 対 策 は 医 療 安 全 との 関 わりはあるものの 患 者 側 の 要 因 や 微 生 物 の 関 与 が 加 わることも 考 慮 すると 医 療 安 全 とは 必 然 的 に 質 の 違 うことであることも 確 認 されて いる 34) 4.4 2010 年 改 定 2010 年 の 診 療 報 酬 改 定 では 院 内 感 染 防 止 対 策 として の 独 自 加 算 は 1996 年 の 5 点 加 算 以 来 14 年 ぶりに 院 内 感 染 防 止 対 策 を 評 価 する 新 たな 点 数 として 感 染 防 止 対 策 加 算 ( 入 院 初 日 100 点 )が 新 設 され 35) 診 療 報 酬 は 大 きく 変 化 した この 感 染 防 止 対 策 加 算 を 算 定 するには 医 療 安 全 対 策 加 算 1 の 届 け 出 を 行 っていることが 要 件 と されたことから これまで 50 点 であった 医 療 安 全 対 策 加 算 から 医 療 安 全 対 策 加 算 1(85 点 )に 感 染 防 止 対 策 加 算 (100 点 )を 合 わせて 185 点 が 算 定 できるようになっ た 感 染 防 止 対 策 加 算 だけ 単 独 で 算 定 は 出 来 ず あくま で 医 療 安 全 対 策 加 算 1 との 連 動 点 数 として 位 置 づけられ ているが 大 枠 の 医 療 安 全 対 策 加 算 1 の 85 点 よりも 感 染 防 止 対 策 加 算 の 100 点 の 方 が 評 価 は 高 く 感 染 防 止 対 策 の 重 要 性 に 対 する 評 価 が 高 まった あるいはコストの かかる 感 染 防 止 対 策 に 対 する 正 当 な 評 価 が 行 われるよう になった ともいえよう 施 設 基 準 は 表 2 に 示 すとおり 8 項 目 が 設 定 され それ までの 加 算 と 比 較 しても より 具 体 的 な 感 染 防 止 対 策 の 方 法 が 提 示 されている 一 見 ハードルが 高 いようにも 見 えるが この 基 準 が その 当 時 の 感 染 制 御 策 の 理 想 形 で あり 最 低 限 押 さえるべき 内 容 であったと 考 えられる また 算 定 要 件 としては 医 療 安 全 対 策 加 算 1 では 専 従 の 医 療 安 全 管 理 者 は 医 療 安 全 対 策 に 係 る 適 切 な 研 修 を 修 了 した 専 任 の 看 護 師 薬 剤 師 その 他 の 医 療 有 資 格 者 が 配 置 されていること とされ 医 療 安 全 対 策 加 算 2 では 専 任 とされた 感 染 防 止 対 策 加 算 では 感 染 症 の 専 門 的 な 知 識 を 有 する 医 療 関 係 職 種 から 構 成 されるチーム による 抗 生 剤 の 適 正 使 用 の 指 導 管 理 等 の 取 組 の 評 価 が 評 価 されることとなり 初 めて 感 染 防 止 対 策 チーム (infection control team;ict)の 活 動 内 容 や 職 種 が 規 定 さ れ 抗 生 剤 の 適 正 使 用 に 向 けて 体 制 の 整 備 が 求 められた 算 定 要 件 として (1) 医 療 安 全 対 策 加 算 1 の 届 け 出 を 行 っている 医 療 機 関 において 感 染 防 止 対 策 についてさらなる 取 組 を 行 って いる 場 合 に 算 定 する (2) 感 染 症 対 策 に 3 年 以 上 の 経 験 を 有 する 常 勤 医 師 感 染 管 理 に 係 る 6 ヵ 月 以 上 の 研 修 を 修 了 した 看 護 師 のうち 専 従 1 名 専 任 1 名 以 上 が 配 置 されていること (3)3 年 以 上 の 病 院 勤 務 経 験 をもつ 専 任 の 薬 剤 師 臨 床 検 査 技 師 が 配 置 されていることなど とされた 医 師 か 看 護 師 の 専 従 者 を 置 くことは 感 染 制 御 策 をより 推 進 していくために 核 となる 存 在 を 院 内 に 据 えることであり そういった 人 材 を 配 していくことも 重 要 である ここで 感 染 管 理 に 係 る 6 ヵ 月 以 上 の 研 修 として 2010 年 6 月 に 厚 生 労 働 省 に 承 認 されたのが 東 京 医 療 保 健 大 学 大 学 院 の 認 定 感 染 制 御 実 践 看 護 師 である 36) 2010 年 の 感 染 防 止 対 策 加 算 が 新 設 された 背 景 につい -6-

Vol.8 No.1 2015 (7) て 当 時 厚 生 労 働 省 医 政 局 指 導 課 の 担 当 者 だった 清 は 2006 年 成 立 の 医 療 法 改 正 によって 病 院 感 染 対 策 が 法 的 義 務 になったことに 伴 い 公 的 統 計 調 査 で 正 確 にその 実 態 が 把 握 できるようになり 感 染 対 策 に 十 分 な 専 任 者 の 確 保 十 分 な 資 源 配 分 が 出 来 ていないと 考 えられるた め 感 染 対 策 担 当 の 専 任 者 確 保 を 促 してより 手 厚 い 感 染 対 策 を 行 うことを 促 すためである と 述 べている 37) 4.5 2012 年 改 定 わずか 2 年 後 の 2012 年 の 診 療 報 酬 改 定 で 感 染 防 止 対 策 は 医 療 安 全 対 策 加 算 の 枠 組 みから 独 立 して さらに 感 染 防 止 対 策 の 評 価 が 充 実 した 感 染 防 止 対 策 加 算 1( 入 院 初 日 400 点 ) 感 染 防 止 対 策 加 算 2( 入 院 初 日 100 点 ) 感 染 防 止 対 策 地 域 連 携 加 算 ( 入 院 初 日 100 点 )が 新 設 さ れ 感 染 制 御 に 関 する 取 組 を 推 進 することになった 38) これは 中 央 社 会 保 険 医 療 協 議 会 が 出 した 充 実 が 求 め られる 分 野 を 適 切 に 評 価 する 視 点 に 基 づいたものであ る 39) その 施 設 基 準 は 表 2 に 示 すとおりであり 医 師 又 は 看 護 師 のうち 1 名 は 専 従 である 感 染 防 止 対 策 加 算 1 と 一 般 病 床 の 病 床 数 が 300 床 未 満 の 医 療 機 関 を 標 準 と し 医 師 看 護 師 とも 専 従 ではなく 専 任 で 構 わない と いうように 感 染 防 止 対 策 チームの 人 員 要 件 を 緩 和 した 感 染 防 止 対 策 加 算 2 が 新 設 され 感 染 防 止 対 策 加 算 1 と 2 を 算 定 する 医 療 機 関 で 年 4 回 以 上 の 合 同 カンファレ ンスが 求 められた また 感 染 防 止 対 策 加 算 1 を 算 定 する 医 療 機 関 同 士 が 年 1 回 以 上 互 いの 医 療 機 関 に 赴 いて 相 互 に 感 染 防 止 に 関 する 評 価 を 行 った 場 合 の 加 算 として 感 染 防 止 対 策 地 域 連 携 加 算 が 新 設 され 感 染 防 止 対 策 加 算 1(400 点 )に 加 え て 感 染 防 止 対 策 地 域 連 携 加 算 (100 点 )を 加 えた 500 点 が 算 定 できるようになり 過 去 最 大 の 算 定 額 となった 4.6 2014 年 改 定 2014 年 の 診 療 報 酬 では 算 定 額 に 変 更 はないものの 感 染 防 止 対 策 加 算 1 を 算 定 している 医 療 機 関 は 院 内 感 染 対 策 サーベイランス(JANIS) 等 地 域 や 全 国 のサーベ イランスに 参 加 していることが 望 ましいと 変 更 された 4.7 診 療 報 酬 における 院 内 感 染 対 策 加 算 診 療 報 酬 における 院 内 感 染 対 策 加 算 は 増 額 する 傾 向 に あるが これは 感 染 制 御 策 の 重 要 性 を 高 く 評 価 したもの であると 考 えられる この 状 況 は 一 朝 一 夕 になったもの ではなく 1996 年 の 1 日 5 点 から 始 まり 制 度 や 体 制 を 作 り 人 材 を 育 成 して 専 任 や 専 従 の 担 当 者 を 配 置 し 根 拠 に 基 づく 感 染 制 御 策 の 具 体 的 な 方 法 を 確 立 することを 10 年 以 上 かけて 地 道 に 積 み 重 ねてきた 努 力 への 評 価 で ある それに 加 えて 2012 年 より 病 院 同 士 の 連 携 で 感 染 制 御 策 を 推 進 することも 評 価 することになった かつ て FAX で 質 問 事 項 を 送 っていた 院 内 感 染 相 談 窓 口 体 制 から 医 療 施 設 間 で 互 いの 顔 が 見 える 形 で 行 われる 合 同 カンファレンスが 開 催 されることで より 相 談 しや すい 体 制 を 整 えていくことが 可 能 となった 病 院 経 営 にとっても 現 在 の 感 染 防 止 対 策 加 算 という 診 療 報 酬 は 非 常 に 有 益 であるが 感 染 制 御 策 のより 一 層 の 推 進 を 図 るためには 人 員 の 配 置 に 加 えて 使 用 する 物 品 の 充 実 やディスポザブル 化 など 相 当 の 経 費 が 必 要 で ある 感 染 制 御 が 成 功 していれば 何 も 起 こらない 何 も 起 こらないので 目 立 つことがなく 感 染 制 御 が 成 功 して いる という 成 果 をアピールすることも 難 しい しかし いったんアウトブレイクが 起 こると マスコミに 大 きく 報 道 され 経 済 的 な 損 失 も 莫 大 である 草 場 は マーケティングの 手 法 を 応 用 して 感 染 制 御 の 投 資 対 効 果 を 推 定 した 40) それによると 2012 年 の 感 染 防 止 対 策 加 算 の 総 額 は 感 染 防 止 対 策 加 算 1 を 算 定 した 973 の 医 療 機 関 (2012 年 12 月 調 査 )においては 地 域 連 携 加 算 と 合 わせて 500 点 算 定 し 平 均 在 院 日 数 を 15 日 病 床 稼 働 率 を 90%と 仮 定 すると 年 間 総 費 用 は 480 億 円 感 染 防 止 対 策 加 算 2 を 算 定 した 2,486 の 医 療 機 関 では 40 億 とすると 合 計 で 520 億 円 となる 一 方 国 内 の 医 療 関 連 感 染 に 伴 って 発 生 する 過 剰 な 医 療 費 を 1,200 床 の 東 京 大 学 医 学 部 附 属 病 院 では 年 間 11.1 億 (2003 年 )との 試 算 から 国 内 総 病 床 数 158 万 床 から 推 定 して 年 間 1.46 兆 とした 単 純 計 算 で 520 億 円 は 1.46 兆 円 の 3.6%にあ たるため 医 療 関 連 感 染 の 発 生 を 3.6% 以 上 削 減 できれば この 感 染 防 止 対 策 加 算 は 医 療 費 を 投 資 する 事 業 として 成 り 立 つことになる 中 央 社 会 保 険 医 療 協 議 会 の 検 証 で は 2012 年 の 感 染 防 止 対 策 加 算 により MRSA 患 者 数 は 3.2% 減 ( 加 算 1 では 7.7% 減 ) 多 剤 耐 性 緑 膿 菌 MDRP では 29.2% 減 ( 加 算 1 では 35.2% 減 )となっており こ の 加 算 は 投 資 対 効 果 として 十 分 期 待 できるものと 述 べ ている -7-

(8) 医 療 関 連 感 染 5. 今 後 のわが 国 の 感 染 制 御 の 方 向 性 平 成 24 年 度 の 国 民 医 療 費 は 39 兆 2,117 億 円 前 年 度 の 38 兆 5,850 億 円 に 比 べ 6,267 億 円 1.6%の 増 加 とな っている 41) 医 療 費 の 抑 制 の 必 要 性 が 言 われるが 感 染 防 止 対 策 加 算 は 感 染 制 御 の 一 定 の 効 果 を 挙 げており ま た 前 述 のように 投 資 対 効 果 として 十 分 期 待 できるもので あることから 今 後 も 継 続 していくことが 望 ましい わが 国 の 人 口 は 諸 外 国 に 例 をみないスピードで 高 齢 化 が 進 行 しており 65 歳 以 上 の 高 齢 者 数 は 2025 年 には 3,657 万 人 となり 全 人 口 の 30.3%を 占 めると 予 想 されて いる 42) 高 齢 者 が 多 くなるということは 易 感 染 宿 主 が 増 えるということであり 医 療 においては 今 後 一 層 の 感 染 制 御 が 求 められることになる 2014 年 7 月 に 地 域 における 医 療 及 び 介 護 の 総 合 的 な 確 保 を 推 進 するための 関 係 法 律 の 整 備 等 に 関 する 法 律 ( 通 称 : 医 療 介 護 総 合 確 保 推 進 法 ) が 成 立 し 医 療 機 関 においては 高 度 急 性 期 病 院 急 性 期 病 院 回 復 期 病 院 慢 性 期 病 院 という 医 療 機 能 の 分 化 が 進 むことになる 43) これにより 入 院 患 者 の 転 院 が 促 進 されることが 予 想 され るため 感 染 制 御 においても 地 域 における 連 携 の 重 要 性 がさらに 増 すことになり 2012 年 改 定 で 新 設 された 感 染 防 止 対 策 地 域 連 携 加 算 ( 入 院 初 日 100 点 )の 成 果 がさら に 発 揮 されることになるだろう また この 法 律 で 病 院 中 心 の 医 療 から 在 宅 医 療 地 域 包 括 ケアシステムの 推 進 に 向 けて 舵 が 切 られたことに なり 今 後 は 老 人 福 祉 施 設 や 介 護 施 設 といったところで の 感 染 制 御 を 推 進 させる 必 要 に 迫 られることが 予 想 され そのための 人 材 育 成 や そのような 施 設 を 巻 き 込 んでの 地 域 連 携 も 今 後 の 課 題 であろう さらに 日 頃 から 感 染 制 御 を 習 慣 化 し 確 実 に 実 行 する ことで 近 年 問 題 となっているグローバル 化 に 伴 う 感 染 症 や 新 型 感 染 症 の 発 生 時 にも 十 分 対 応 できるものと 期 待 される 本 稿 は 東 京 医 療 保 健 大 学 大 学 院 に 提 出 した 博 士 学 位 論 文 の 一 部 に 加 筆 したものである 引 用 文 献 1) "Celbenin"-resistant staphylococci. Br Med J 1961;14(1):113-114. 2) Cafferkey MT, Hone R, Coleman D, et al. Methicillin-resistant Staphylococcus aureus in Dublin 1971-84. Lancet 1985;28(2): 705-708. 3) Tomizawa K, Sato S. An analysis of incidents of Staphylococcus in Kashima Rosai Hospital (I). Jpn J Antibiot;1988 41(5):494-504. 4) 小 林 寛 伊.meticillin resistant Staphylococcus aurus (MRSA)の 現 状. 感 染 と 消 毒 2006;13(2):71-73. 5) 一 般 社 団 法 人 日 本 感 染 症 学 会.MRSA 感 染 症 の 治 療 ガイドライ ン http://www.kansensho.or.jp/news/gakkai/pdf/guideline_mrsa.pdf 6) 川 名 林 治.はじめに. 第 1 回 東 八 幡 平 シンポジウム 院 内 感 染 と その 対 策 を 考 える 1983:3. 7) 小 林 寛 伊. 手 術 部 における 院 内 感 染 対 策 および 欧 米 における 現 況. 第 1 回 東 八 幡 平 シンポジウム 院 内 感 染 とその 対 策 を 考 える 1983:57-63. 8) 小 林 寬 伊. 総 論 1-1 感 染 制 御 の 歴 史. 於 : 小 林 寬 伊 編. 感 染 制 御 学. 第 1 版. 東 京 :へるす 出 版.1996;3-13. 9) 小 林 寬 伊. 院 内 感 染 ( 病 院 感 染 )から 医 療 関 連 感 染 へ. 臨 床 と 微 生 物 2014;41(Supple):531-534. 10) 川 名 林 治. 東 八 幡 平 シンポジウム. 臨 床 と 微 生 物 2004;31(5): 391-395. 11) 川 名 林 治. 院 内 感 染 防 止 医 学 の 歴 史. 臨 床 と 微 生 物.1999; 26(4):355-358. 12) 松 本 文 夫. 総 合 討 論. 第 3 回 東 八 幡 平 シンポジウム 院 内 感 染 と その 対 策 を 考 える.1985:138-142. 13) 一 般 社 団 法 人 日 本 環 境 感 染 学 会. 日 本 環 境 感 染 学 会 の 新 たなス タートに 向 けて http://www.kankyokansen.org/modules/news/index.php?content_id= 84 14) 一 般 社 団 法 人 日 本 環 境 感 染 学 会. 理 事 長 挨 拶 http://www.kankyokansen.org/modules/about/index.php?content_id= 1 15) 柴 孝 也. 診 療 報 酬 から 見 た 院 内 感 染 対 策 の 変 遷. 化 学 療 法 の 領 域 2012;28(6):23. 16) 富 家 恵 美 子. 院 内 感 染. 第 1 版. 東 京 : 河 出 書 房.1990. 17) 医 学 書 院. 週 刊 医 学 界 新 聞. 第 2776 号 2008 年 4 月 7 日. 対 談 : 問 題 を 構 造 として 捉 えるチカラ 青 木 眞 富 家 恵 美 子. http://www.igaku-shoin.co.jp/paperdetail.do?id=pa02776_02 18) 日 本 環 境 感 染 学 会 編. 病 院 感 染 防 止 指 針. 第 1 版. 東 京 : 南 山 堂.1990. 第 1 章 19) Pratt RJ, Pellowe C, Loveday HP, et al.:the epic project: developing national evidence-based guidelines for preventing healthcare associated infections. Phase Ⅰ:Guidelines for preventing hospital-aquired infections. Department of Health(England) J Hosp Infect 2001;47(supple):S3-S82. 20) Pellowe CM, MacRae ED, Loveday HL, et al.:the scope of guidelines to prevent healthcare-associated infections. Brit J Community Nurs. 2002;7(7):374-378. 21) CDC: Guideline for Isolation Precautions: Preventing Transmission of Infectious Agents in Healthcare Settings 2007. http://www.cdc.gov/hicpac/pdf/isolation/isolation2007.pdf 22) 矢 野 邦 夫, 向 野 賢 治 訳 編 : 医 療 現 場 における 隔 離 予 防 策 のた めの CDC ガイドライン 感 染 性 微 生 物 の 伝 播 予 防 のために. 改 訂 2 版 大 阪 :メディカ 出 版 2007. 23) 小 林 寛 伊.meticillin resistant Staphylococcus aurus (MRSA)の 現 状. 感 染 と 消 毒 2006;13(2):71-73. 24) 大 久 保 憲. 感 染 症 新 法 施 行 後 の 新 しい 動 き. 感 染 と 消 毒 2001; 8(2):74-80. 25) 木 村 哲. 医 療 関 連 感 染 と 感 染 制 御 の 基 本 感 染 制 御 の 資 格 職 種 医 師. 臨 床 と 微 生 物 2014;41(Supple):663-666. 26) 小 林 寛 伊.インフェクションコントロールドクター 認 定 制 度. 臨 床 と 微 生 物 2004;31(5):401-405. -8-

Vol.8 No.1 2015 (9) 27) 一 般 財 団 法 人 厚 生 労 働 統 計 協 会.3. 医 療 施 設. 国 民 衛 生 の 動 向 厚 生 の 指 標. 増 刊 2014;61(9):224-230. 28) 厚 生 省 健 康 政 策 局 指 導 課. 院 内 感 染 対 策 Q & A- 現 場 からの MRSA 感 染 対 策 の 疑 問 に 答 える-. 第 1 版. 東 京 :へるす 出 版 1997. 29) 小 西 敏 郎 森 兼 啓 太 他.JNIS 委 員 会 日 本 病 院 感 染 サーベイ ランスの 試 行. 環 境 感 染 2000;15(3):269-273. 30) 大 久 保 憲. 医 療 法 施 行 規 則 の 改 正 とこれからの 感 染 制 御 につい て. 感 染 と 消 毒 2005;12(1):3-6. 31) 厚 生 労 働 省 保 健 局 医 療 課 長. 基 本 診 療 料 の 施 設 基 準 等 及 びその 届 出 に 関 する 手 続 きの 取 扱 いについて http://www.mhlw.go.jp/topics/2006/03/dl/tp0314-1b02.pdf 32) 三 宅 寿 美.わが 国 における 感 染 制 御 の 歴 史. 感 染 と 消 毒 2000; 7(2):82-86. 33) 公 益 社 団 法 人 日 本 看 護 協 会. 専 門 看 護 師 認 定 看 護 師 認 定 看 護 管 理 者 分 野 別 都 道 府 県 別 登 録 者 数 http://nintei.nurse.or.jp/nursing/qualification/cn 34) 大 久 保 憲. 医 療 法 の 改 正 院 内 感 染 対 策 について. 感 染 と 消 毒 2007;14(2):75-77. 35) 厚 生 労 働 省 医 療 局 保 険 課. 平 成 22 年 度 診 療 報 酬 改 定 の 概 要 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001jjvr-att/2r985200000 1jk2c.pdf 36) 菅 原 えりさ. 感 染 制 御 の 資 格 職 種 看 護 師. 臨 床 と 微 生 物 2014;41(Supple):155-158. 37) 清 哲 朗.14 年 ぶりの 独 自 加 算 として 診 療 報 酬 点 数 における 感 染 防 止 対 策 加 算 が 新 設 された 背 景 について.INFECTION CONTROL 2010;19(12):1215-1222. 38) 厚 生 労 働 省 医 療 局 保 険 課. 平 成 24 年 度 診 療 報 酬 改 定 の 概 要 http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken15/dl/gaiyou.pd f 39) 厚 生 労 働 省 : 個 別 改 訂 項 目 について 中 央 社 会 保 険 医 療 協 議 会 総 会 ( 第 221 回 ) 議 事 次 第 資 料 http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken15/dl/gaiyou_k obetu.pdf 40) 草 場 恒 樹. 感 染 対 策 担 当 者 に 必 要 なマーケティング マネジメ ント2.INFECTION CONTROL 2014;23(1):95-100. 41) 厚 生 労 働 省. 平 成 24 年 度 国 民 医 療 費 の 概 況. http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-iryohi/12/dl/kekka.pdf 42) 厚 生 労 働 省. 今 後 の 高 齢 者 人 口 の 見 通 しについて. http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_k oureisha/chiiki-houkatsu/dl/link1-1.pdf 43) 厚 生 労 働 省 医 政 局 総 務 課 企 画 法 令 係. 医 療 介 護 総 合 確 保 推 進 法 に 関 する 全 国 会 議 医 療 介 護 総 合 確 保 推 進 法 等 について. 平 成 26 年 7 月 28 日. http://www.mhlw.go.jp/file/05-shingikai-10801000-iseikyoku-soum uka/0000052610_1.pdf -9-