栃 木 県 私 立 高 校 生 の 学 費 滞 納 調 査 結 果 について 1 学 費 滞 納 調 査 結 果 のまとめ 2015 年 12 月 2 日 栃 木 県 私 立 学 校 教 職 員 組 合 連 合 わたしたち 栃 木 私 教 連 が 私 立 学 校 特 に 中 学 校 高 等 学 校 ( 中 等 教 育 学 校 を 含 む)に 通 う 生 徒 たちの 実 態 を 明 らかにする 目 的 で 経 済 的 理 由 による 学 費 滞 納 退 学 に 関 する 年 2 回 ( 上 半 期 年 度 末 )の 調 査 を 始 め て 今 回 で 14 回 目 となります 2010 年 度 より 高 等 学 校 等 就 学 支 援 金 が 導 入 され5 年 が 経 過 し 学 費 滞 納 者 の 割 合 は 全 国 的 に 減 少 傾 向 が 続 いている 中 昨 年 わたしたちは 年 度 末 (2014 年 3 月 末 ) 時 点 での 調 査 で 栃 木 県 は 2 年 連 続 して 滞 納 率 が 上 昇 しているという 他 県 には 見 られない 傾 向 を 示 したことを 指 摘 しました また 今 春 行 った 2014 年 度 末 時 点 での 調 査 では 現 行 の 新 就 学 支 援 金 制 度 ( 以 下 新 制 度 ) 下 において 新 制 度 対 象 の1 年 生 では 滞 納 者 割 合 が 0.11% 2 3 年 生 でそれぞれ 0.25% 0.13% 平 均 で 0.16%と 順 調 に 減 少 している 一 方 経 済 的 理 由 での 退 学 者 が これまでの 最 多 の 18 名 を 数 えてしまいました 今 回 の 調 査 では 新 制 度 の 対 象 が1 2 年 生 となり 3 カ 月 以 上 の 学 費 滞 納 者 は 昨 年 同 時 期 の 146 名 から 119 名 割 合 にして 0.87%から 0.73%へと 下 降 しました 経 済 的 理 由 での 退 学 者 も 昨 年 同 期 の 5 名 から 1 名 ( 高 1)へと 減 少 しました これには わたしたちがこれまで 取 り 組 んできた 私 学 助 成 請 願 署 名 知 事 要 請 議 会 陳 情 記 者 発 表 等 の 活 動 もあり 県 が 減 免 制 度 ( 以 下 減 免 制 度 )の 対 象 を 保 護 者 年 収 250 万 円 未 満 から 350 万 円 未 満 にまで 拡 大 した 点 も 大 きく 影 響 していると 思 われます しかし 一 方 で 制 度 が 改 善 されているにもかかわらず 滞 納 者 中 に 含 まれる 6 カ 月 以 上 の 長 期 滞 納 者 は 昨 年 同 期 の 19 名 から 23 名 ( 割 合 にして 0.11%から 0.14%)へと 増 加 が 見 られます また 一 見 裕 福 な 家 庭 と 考 えられがちな 私 立 中 学 校 の 学 費 滞 納 者 も 12 名 (0.77%) 長 期 滞 納 者 5 名 (0.32%)と 昨 年 同 期 の 5 名 (0.32%) 2 名 (0.13%)をそれぞれ 大 きく 上 回 っています わたしたちはこのように 栃 木 県 の 調 査 で 他 県 にない 状 況 を 示 しているのは 県 内 では 不 況 脱 却 の 足 取 りが 重 く 経 済 の 落 ち 込 みが 依 然 深 刻 であること また 保 護 者 が 一 人 親 家 庭 や 外 国 人 であったりすると 非 正 規 雇 用 派 遣 労 働 従 事 の 場 合 も 多 く 所 得 格 差 が 拡 がっていることも 背 景 にあると 考 えています この 人 たち の 中 には 所 得 証 明 が 取 りにくく 減 免 制 度 の 申 請 ができなかった 例 もあるということを 調 査 結 果 や 各 学 校 訪 問 時 の 声 から 指 摘 してきました 家 計 収 入 の 長 期 的 落 ち 込 みの 中 全 国 最 低 水 準 である 県 の 減 免 制 度 では 効 果 が 薄 く 以 外 の 施 設 設 備 費 等 まで 支 払 えず 滞 納 となってしまいます 今 回 調 査 でも 複 数 の 学 校 で 年 収 250 万 円 未 満 350 万 円 未 満 という 加 算 割 合 の 高 い 層 のみならず 支 援 の 薄 いそれ 以 上 の 所 得 層 の 学 費 滞 納 が 目 につくということがこれまで 以 上 に 指 摘 されました 今 回 の 調 査 では 国 の 就 学 支 援 金 制 度 と 現 在 の 県 の 減 免 制 度 では 滞 納 に 歯 止 めを 掛 けられず それどころ か 度 重 なる 滞 納 から 年 度 末 を 待 たず 退 学 が 危 ぶまれたり 進 路 変 更 一 身 上 の 都 合 という 理 由 で 学 校 を 去 る 生 徒 も 少 なからずいることも 報 告 されました 1 調 査 は 2015 年 9 月 末 時 点 のものです 2 回 答 は 震 災 で 県 外 移 転 を 余 儀 なくされた 那 須 高 原 海 城 中 学 高 等 学 校 を 除 く 県 内 私 立 高 校 15 校 ( 生 徒 数 16,560 名 ( 中 等 教 育 学 校 を 含 む)すべてについて 集 約 しました 3 学 費 滞 納 状 況 3カ 月 以 上 の 滞 納 者 は15 校 で119 名 ( 昨 年 同 期 は146 名 )と 微 減 傾 向 を 示 していますが そのう ち6カ 月 を 超 える 長 期 滞 納 者 は23 名 ( 同 19 名 )と 微 増 しています これを 滞 納 率 で 過 年 度 同 期 と 比 較 すると 次 のようになります 表 1 学 費 滞 納 状 況 過 年 度 比 較 学 費 滞 納 状 況 3 カ 月 以 上 滞 納 (%) 6 カ 月 以 上 滞 納 (%) 1 校 当 たりの 滞 納 者 数 2009 年 9 月 1.45 0.37 17.6 人 2010 年 9 月 ( 就 学 支 援 金 導 入 ) 1.38 0.39 18.1 人
2011 年 9 月 1.33 0.28 15.2 人 2012 年 9 月 ( 県 減 免 制 度 拡 充 ) 1.17 0.31 12.4 人 2013 年 9 月 1.02 0.13 11.2 人 2014 年 9 月 (1 年 生 のみ 国 新 制 度 ) 0.87 0.11 9.7 人 2015 年 9 月 ( 県 減 免 制 度 拡 充 ) 0.73 0.14 7.9 人 4 経 済 的 理 由 での 中 退 者 は 1 名 (0.006% 高 1)で 昨 年 同 期 の 5 名 から 減 少 しました ただしこれ 以 外 にも 上 半 期 の 退 学 者 は 全 県 で 220 名 を 超 え この 中 には 進 路 変 更 一 身 上 の 都 合 という 表 向 き の 理 由 に 隠 れている 経 済 的 理 由 での 退 学 者 の 可 能 性 も 多 分 に 含 まれているという 担 当 者 の 指 摘 もあ ります 表 2 学 年 別 学 費 滞 納 率 (2015 年 9 月 末 ) 滞 納 状 況 3 カ 月 以 上 滞 納 (%) 6カ 月 以 上 滞 納 (%) 備 考 (3 カ 月 以 上 滞 納 %) 高 1 高 2 高 3 高 1 高 2 高 3 新 制 度 平 均 旧 制 度 平 均 昨 年 9 月 末 0.54 0.97 1.09 0.05 0.07 0.21 0.54 1.03 今 年 9 月 末 0.51 0.66 0.99 0.02 0.16 0.24 0.59 0.99 上 記 の 結 果 昨 年 9 月 末 時 点 での 調 査 では 新 制 度 対 象 の 高 校 1 年 生 の 滞 納 率 が 2 3 年 生 に 比 べ 大 きく 下 がっていました 今 年 さらに 新 制 度 の 対 象 が 学 年 進 行 で1 2 年 生 となりましたが やはり 旧 制 度 の 3 年 生 と 比 べ 滞 納 率 は 大 きく 減 少 しています また 上 で 述 べたように 県 はこの 4 月 から 減 免 制 度 の 対 象 を 保 護 者 年 収 350 万 円 未 満 まで 拡 大 したにも かかわらず 残 念 ながらこの 影 響 は 滞 納 率 には 現 れていません ( 昨 年 高 2 生 0.97% 現 高 3 生 0.99% 昨 年 高 1 生 0.54% 現 高 2 生 0.66%)それどころか 昨 年 の 高 1 生 と 現 高 2 生 ( 新 制 度 ) 昨 年 の 高 2 生 と 現 高 3 生 ( 旧 制 度 )とも 学 年 が 進 むに 伴 いわずかながら 滞 納 率 は 増 加 しています 通 学 が 長 期 にわたるに つれて 学 費 負 担 で 家 庭 も 追 いつめられてきている 状 況 が 垣 間 見 られます さらに わたしたちの 調 査 では この 年 収 350 万 円 未 満 まで 減 免 制 度 対 象 家 庭 が 拡 大 されたことによっ て 新 たに 減 免 申 請 できた 家 庭 は 1,301 件 (7.86%)でした 昨 年 度 の 年 収 250 万 円 ~350 万 円 未 満 の 就 学 支 援 金 加 算 支 給 が 1,028 人 (6.1%)でしたので 長 期 滞 納 者 の 微 増 と 合 わせて 全 体 的 な 家 計 の 落 ち 込 みが 心 配 さ れます 各 学 園 の 担 当 者 も 滞 納 者 が 年 収 350 万 円 未 満 家 庭 よりもむしろその 上 の 収 入 の 世 帯 に 拡 がって いる と 指 摘 しています 減 免 制 度 の 収 入 基 準 のさらなる 引 上 げが 強 く 望 まれます 表 3 滞 納 率 経 済 的 理 由 の 中 退 率 等 の 関 東 各 県 との 比 較 全 国 平 均 ( 全 国 私 教 連 の 調 査 による) 栃 木 15 茨 城 15 埼 玉 8 千 葉 17 東 京 29 神 奈 川 29 全 国 297 3 カ 月 以 上 滞 納 0.73 % 1.03% 0.70 % 1.26% 0.70 % 0.86 % 1.09 % 1 校 当 り 滞 納 者 数 7.93 人 7.93 人 7.27 人 12.71 人 5.76 人 8.59 人 9.55 人 経 済 的 理 由 中 退 0.01% 0.02 % 0 % 0.01 % 0.01 % 0 % 0.01% 県 名 右 の 数 字 は 調 査 校 数 全 国 で 3 か 月 以 上 学 費 滞 納 した 生 徒 の 割 合 は 2010 年 度 施 行 2014 年 度 見 直 しされた 就 学 支 援 金 制 度 と 各 都 道 府 県 による 減 免 制 度 が 一 体 となった 制 度 拡 充 が 5 年 を 経 過 する 中 で 年 々 低 下 してきました が 2010 年 度 以 降 今 年 度 調 査 で 初 めて 微 増 するという 結 果 になりました (1.07% 1.09%) 滞 納 生 徒 数 と 割 合 の 増 加 は 一 律 でなく 北 海 道 東 北 地 方 などでその 傾 向 が 顕 著 であり 地 域 経 済 との 関 係 も 考 え られます また 9 月 末 での 経 済 的 理 由 での 高 校 中 退 生 徒 は 全 国 ( 調 査 した 高 校 の 7.4%の 学 校 )で 計 32 名 (0.012%)いました 私 立 高 校 生 の 滞 納 生 徒 及 び 経 済 的 理 由 での 中 退 生 徒 の 割 合 は 過 去 最 低 水 準 で す これは これまで 全 国 私 教 連 と 全 国 私 学 助 成 をすすめる 会 協 議 会 父 母 懇 が 運 動 を 続 け 国 による 授 業 料 の 一 部 を 支 給 する 就 学 支 援 金 制 度 とともに 各 都 道 府 県 による 減 免 制 度 が 拡 大 されてきたことが 大 き な 理 由 と 考 えられます
栃 木 県 は 関 東 各 県 と 比 較 すると 上 記 の 表 のようになります これまでのところ 滞 納 者 割 合 (3カ 月 以 上 ) 1 校 当 り 滞 納 者 数 経 済 的 理 由 での 中 退 者 割 合 とも 他 県 との 大 きな 差 は 見 られませんが 栃 木 では 昨 年 下 半 期 に 経 済 的 理 由 での 中 退 者 が13 名 を 数 え 上 半 期 と 合 わせ 過 去 最 高 の18 名 に 達 したこと また 修 学 旅 行 積 立 を 切 り 崩 して を 払 うなど 経 済 的 理 由 で 修 学 旅 行 に 参 加 できなかった 生 徒 は 37 名 ( 約 135 名 に1 人 )いたことなどを 考 えると 安 心 してはいられません 国 の 制 度 ( 新 支 援 金 制 度 )と 現 在 の 県 の 減 免 制 度 だけでは 不 十 分 で 退 学 滞 納 にストップをかけら れないことを 示 しています 5 就 学 支 援 金 と 併 行 して 昨 年 から 導 入 された 保 護 者 年 収 250 万 円 未 満 の 家 庭 対 象 の 奨 学 のための 給 付 金 ( 奨 学 給 付 金 ) の 申 請 者 および 条 件 該 当 の 未 申 請 者 についても 独 自 に 調 査 しました 申 請 者 は 高 1 高 2 の 2 学 年 で 1,369 名 ( 昨 年 は 高 1 のみで 572 名 ) 未 申 請 者 が いた と 答 えた 学 校 は 9 校 で71 名 ( 昨 年 は6 校 で7 名 申 請 者 と 合 わせると 該 当 者 は 1,440 名 で 昨 年 の 約 2.5 倍 ) い なかった が4 校 ( 昨 年 は 9 校 ) 未 回 答 2 校 ( 昨 年 0)でした この 数 字 も 全 体 的 な 家 計 の 落 ち 込 み 状 況 を 示 しています 6 今 年 度 から 対 象 が 保 護 者 年 収 250 万 円 未 満 から 350 万 円 未 満 まで 拡 大 された 県 の 減 免 制 度 申 請 者 についても 調 査 しました 回 答 のあった 14 校 中 13 校 で 制 度 拡 充 により 新 たに 申 請 できた 生 徒 が いた と 答 えた 学 校 は 13 校 総 数 で 1,301 名 にのぼりました ( 高 1 から 高 3 まで) 7 併 せて 私 立 中 学 校 における 滞 納 者 経 済 的 理 由 の 中 退 者 についても 調 査 しました 私 立 中 学 校 8 校 ( 中 等 教 育 学 校 を 含 む)すべての 学 校 から 中 学 校 生 徒 数 1,555 名 をカバーしました 3カ 月 以 上 の 滞 納 者 12 名 (0.77%) 6カ 月 以 上 5 名 (0.32%( 昨 年 は4 名 0.32% 6カ 月 以 上 2 名 0.13%)で 経 済 的 理 由 での 中 退 者 0 名 (5 年 連 続 )でした この 滞 納 者 の 数 字 は 調 査 開 始 以 来 最 大 で 学 校 関 係 者 からは 私 立 中 学 だからと 言 って 裕 福 な 家 庭 ば かりでなく 収 入 の 不 安 定 な 家 庭 もあり 滞 納 を 生 んでいる という 声 もあります 全 国 調 査 では125 校 中 3カ 月 以 上 の 滞 納 者 121 名 (0.29%) 中 退 者 5 名 (0.01%)でした 全 国 調 査 においても 2012 年 以 降 減 少 していた 中 学 校 の 滞 納 生 徒 の 割 合 が 今 年 度 やや 増 加 しているこ とが 指 摘 されています さらに この 3 年 間 6 カ 月 以 上 の 長 期 滞 納 生 徒 の 割 合 も 増 加 しており 高 校 生 と 違 い 就 学 支 援 金 や 栃 木 を 含 む 多 くの 県 で 補 助 制 度 がない 中 こうした 生 徒 が 退 学 ( 公 立 校 への 転 校 ) を 余 儀 なくされる 可 能 性 があります 2 栃 木 県 の 私 学 助 成 の 実 態 (1) 栃 木 県 の 私 立 学 校 経 常 費 助 成 表 4 2015 年 度 栃 木 県 の 私 立 学 校 経 常 費 助 成 2015 年 度 児 童 生 徒 一 人 当 たり 単 価 栃 木 県 昨 年 比 国 基 準 国 基 準 との 差 全 国 平 均 (2014 年 度 ) 高 校 321,000 円 +3,900 円 320,939 円 +61 円 378,624 円 中 学 校 282,200 円 +3,500 円 313,449 円 -31,249 円 286,694 円 小 学 校 280,700 円 +3,500 円 311,809 円 -31,109 円 272,538 円 幼 稚 園 183,300 円 +2,200 円 178,435 円 +4,865 円 176,083 円 生 徒 1 人 当 たり 321,000 円 は 2015 年 7 月 時 点 で 全 国 47 都 道 府 県 中 36 位 わたしたちは 県 財 政 健 全 化 プログラム で 2009 年 以 来 据 え 置 かれてきた 県 単 補 助 の 増 額 を 再 三 要 求 し てきましたが 2013 年 度 ようやくその 要 求 が 実 現 しました 今 年 度 も 国 の 補 助 単 価 増 額 分 にほぼ 見 合 う 上 乗 せがあり 高 校 で 国 基 準 単 価 をわずか 61 円 幼 稚 園 で 4,865 円 上 回 りました 小 中 ではまだ3 万 円 強 下 回 っており 高 校 でも 全 国 平 均 を6 万 円 近 く 下 回 っています
(2)2015 年 度 就 学 支 援 金 制 度 1 2014 年 度 より 公 立 高 校 不 徴 収 と 私 立 高 校 生 等 への 就 学 支 援 金 の 制 度 を 所 得 制 限 導 入 に 伴 い 就 学 支 援 金 制 度 へ 一 本 化 2 経 済 的 負 担 軽 減 の 必 要 が 認 められない 者 として 保 護 者 年 収 910 万 円 以 上 の 高 所 得 世 帯 については 就 学 支 援 金 を 支 給 しない 3 所 得 制 限 で 捻 出 された 財 源 は 私 立 高 校 の 低 所 得 世 帯 の 生 徒 等 に 対 する 支 援 と 奨 学 のための 給 付 金 に 充 てる 4 2015 年 度 は 1 2 年 生 が 新 制 度 で 実 施 し 3 年 生 は 従 来 の 制 度 を 適 用 する 表 5 新 就 学 支 援 金 制 度 ( 新 旧 公 私 立 比 較 ) 高 校 生 世 帯 の 家 計 年 収 ( 市 町 村 民 税 課 税 額 で 算 定 ) 私 立 高 校 生 公 立 高 校 生 3 年 生 ( 旧 制 度 ) 1 2 年 生 ( 新 制 度 ) 3 年 生 1 2 年 生 生 活 保 護 世 帯 250 万 円 未 満 237,600 円 297,000 円 + 奨 学 金 118,800 円 118,800 円 + 奨 学 金 250 万 円 ~350 万 円 未 満 178,200 円 237,600 円 118,800 円 118,800 円 350 万 円 ~590 万 円 未 満 118,800 円 178,200 円 118,800 円 118,800 円 590 万 円 ~910 万 円 未 満 118,800 円 118,800 円 118,800 円 118,800 円 910 万 円 以 上 118,800 円 0 118,800 円 0 5 奨 学 金 = 奨 学 のための 給 付 金 非 課 税 世 帯 (250 万 円 未 満 世 帯 )に 支 給 生 活 保 護 世 帯 国 公 立 高 校 生 32,300 円 ( 年 額 ) 私 立 高 校 生 52,600 円 ( 年 額 ) 修 学 旅 行 費 用 相 当 額 第 1 子 高 校 生 国 公 立 高 校 生 37,400 円 ( 年 額 ) 私 立 高 校 生 39,800 円 ( 年 額 昨 年 比 +1,800 円 ) 教 科 書 教 材 費 学 用 品 等 23 歳 未 満 の 扶 養 兄 姉 がいる 第 2 子 以 降 国 公 立 高 校 生 129,700 円 ( 年 額 ) 私 立 高 校 生 138,000 円 ( 年 額 ) 問 題 点 非 課 税 世 帯 であっても 23 歳 以 上 の 扶 養 兄 姉 がいる 家 庭 の 第 2 子 以 降 など 支 給 対 象 除 外 がある (3) 栃 木 県 の 私 立 高 校 生 減 免 制 度 今 年 度 より 保 護 者 年 収 350 万 円 未 満 にまで 県 の 減 免 制 度 が 拡 充 平 成 27 年 度 減 免 予 算 約 112,536 千 円 ( 前 年 比 21,205 千 円 の 増 額 ) わたしたちは 国 の 就 学 支 援 金 制 度 の 見 直 しを 検 討 する 2013 年 度 から 県 の 減 免 予 算 を 増 額 し 制 度 拡 充 に つなげるよう 要 望 し 続 けてきました しかし 2014 年 度 県 は 国 の 制 度 変 更 により 低 所 得 者 層 に 対 する 支 援 は 充 実 したとして 約 2,500 万 円 の 予 算 削 減 を 実 施 しました わたしたちはこれに 対 し 県 知 事 要 請 県 議 懇 談 さらに 昨 年 3 月 私 立 高 校 生 の 学 費 負 担 軽 減 減 免 制 度 拡 充 を 求 める 提 言 を 発 表 し 運 動 を 続 けてき ました 文 科 省 も 昨 年 7 月 新 支 援 金 制 度 下 での 地 方 自 治 体 の 補 助 金 制 度 の 実 態 を 全 国 調 査 発 表 し 再 度 国 の 支 援 で 低 所 得 者 層 への 補 助 を 手 厚 くした 分 県 が 補 助 額 を 減 額 することなく さらに 手 厚 い 支 援 を と 補 助 制 度 の 拡 充 を 呼 びかけてきました 文 科 省 調 査 で 2014 年 度 制 度 拡 充 を 行 わなかった 自 治 体 は 全 国 で 16 道 県 さらに 2015 年 度 も 行 う 予 定 は ない と 答 えた 自 治 体 は 本 県 など8 県 でした そうした 中 栃 木 県 は 文 科 省 の 指 導 やわたしたちの 度 重 な る 要 請 に 応 え ようやく 平 成 27 年 度 予 算 で 減 免 制 度 の 保 護 者 年 収 基 準 をこれまでの 250 万 円 未 満 か ら 350 万 円 未 満 にまで 拡 充 することに 踏 み 切 りました これにより 1 年 生 から 3 年 生 までの 低 所 得 者 層 における 負 担 の 学 年 間 格 差 はなくなります しかし 一 方 で 各 学 校 担 当 者 が 指 摘 しているように 学 費 滞 納 者 が 徐 々にこれまでの 加 算 請 求 対 象 の 350 万 円 未 満 か ら 中 位 層 にシフトしてきている 現 状 があります これ 以 上 経 済 的 理 由 での 退 学 者 を 出 さないためにも さら に 制 度 の 拡 充 を 次 の 収 入 基 準 まで 広 げ 他 県 が 行 っているような 大 幅 な 制 度 拡 充 や 入 学 金 補 助 等 を 行 うこと が 滞 納 実 態 の 大 幅 改 善 につながると 推 測 されます 生 活 保 護 世 帯 保 護 者 年 収 250 万 円 未 満 家 庭 への 国 からの 支 援 金 は 297,000 円 で 栃 木 県 では 全 寮 制 の 学 園 を 除 くほとんどの 学 園 の が 賄 えてしまいます つまり 1 2 年 生 の 場 合 減 免 制 度 による 実 質 県 の
持 ち 出 しはほとんどありません わたしたちは これまでの 滞 納 調 査 結 果 や 各 学 園 からの 声 をもとに この 分 を 県 が 予 算 削 減 することなく 施 設 設 備 費 等 以 外 の 学 納 金 にも 使 えるよう また 次 の 段 階 の 年 収 350 万 円 未 満 家 庭 への 制 度 の 拡 充 へと 活 かすよう 強 く 求 めています 表 6 関 東 各 都 県 の 減 免 制 度 ( 現 1 2 年 生 の 場 合 ) 県 生 活 保 護 世 帯 2015 年 度 標 準 世 帯 年 収 別 学 納 金 ( 学 費 ) 補 助 額 1 2 年 生 入 学 金 補 助 ~250 万 ~350 万 ~500 万 ~590 万 ~760 万 ~800 万 ~910 万 910 万 ~ 支 援 金 ( 国 ) 栃 木 297,000 297,000 237,600 178,200 178,200 118,800 118,800 118,800 0 178,200 178,200 118,800 118,800 118,800 0 茨 城 301,000 301,000 301,000 180,000 群 馬 埼 玉 千 葉 学 費 全 額 1 180,000 118,800 118,800 118,800 0 237,600 178,200 178,200 118,800 118,800 118,800 0 年 収 により 入 学 金 減 免 制 度 2 575,000 575,000 375,000 250,000 118,800 118,800 118,800 0 610 万 円 未 満 2/3 2/3 10 万 円 118,800 118,800 118,800 0 350 万 円 未 満 5 万 円 東 京 429,000 385,000 365,200 222,200 222,200 222,200 118,800 118,800 0 15 万 円 程 度 の 無 利 子 3 年 貸 付 神 奈 川 420,000 420,000 396,000 300,000 300,000 193,200 118,800 118,800 0 760 万 円 未 満 1 茨 城 県 は 年 収 350~425 万 円 未 満 程 度 まで 県 がさらに 55,080 円 補 助 10 万 円 2 群 馬 県 の 入 学 金 補 助 制 度 住 民 税 非 課 税 の 場 合 6 万 円 所 得 割 額 100 円 以 上 51,300 円 未 満 3 万 円 以 上 の 点 をまとめると 県 の 減 免 制 度 には 以 下 の 問 題 点 があげられます 収 入 基 準 が 保 護 者 年 収 350 万 円 程 度 にとどまっていること 減 免 制 度 の 対 象 が に 限 定 されており それ 以 外 の 施 設 設 備 費 等 義 務 的 納 付 金 にまで 及 んでいな いこと 特 に 1 2 年 生 に 対 しては の 金 額 が 支 援 金 の 最 高 額 の 297,000 円 を 下 回 る 学 園 も 少 な くなく 加 算 措 置 分 が 学 費 の 軽 減 に 活 用 されないということ 減 免 額 の 1 割 が 学 校 負 担 として 残 されていること 県 による 減 免 制 度 の 広 報 活 動 が 十 分 でないこと 3 父 母 負 担 の 軽 減 を 図 る 制 度 の 見 直 し 拡 充 が 必 要 です 上 で 述 べたように 学 費 の 公 私 格 差 を 解 消 して 私 学 の 学 費 負 担 を 軽 減 し 教 育 の 機 会 均 等 を 保 障 するため に 現 行 制 度 の 次 のような 改 善 が 求 められます 1 県 の 私 立 高 校 生 減 免 制 度 のさらなる 拡 充 を (1) 生 活 保 護 及 びそれに 準 ずる 世 帯 の 私 立 高 校 生 について 学 費 の 無 償 化 の 措 置 を 講 じる (2) 減 免 の 受 給 対 象 生 徒 を 保 護 者 年 収 590 万 円 未 満 の 家 庭 まで 拡 大 する (3) 減 免 制 度 の 対 象 を 以 外 の 施 設 設 備 費 等 義 務 的 納 付 金 にも 拡 げる (4) 国 の 就 学 支 援 金 制 度 で 所 得 制 限 が 設 けられた 対 象 家 庭 にも 県 独 自 の 予 算 で 最 大 限 の 支 援 を 行 う (5) 県 独 自 に 給 付 型 の 奨 学 金 制 度 または 入 学 金 補 助 等 の 制 度 を 新 設 し 入 学 時 の 負 担 を 軽 減 する (6) 減 免 制 度 の 学 園 負 担 をなくし 県 の 制 度 としてさらなる 制 度 充 実 を 図 る 2 国 の 就 学 支 援 金 の 所 得 制 限 を 廃 止 し 私 立 高 校 生 就 学 支 援 金 支 給 額 を 私 学 学 費 の 平 均 に 相 当 するよう3 倍 化 する 国 と 県 の 制 度 を 併 用 することで 私 学 学 費 の 実 質 無 償 化 を 前 進 させることが 可 能 になる
2 県 の 私 学 経 常 費 助 成 の 単 価 を 国 の 単 価 増 分 以 上 引 き 上 げる 当 面 全 国 平 均 以 上 の 補 助 単 価 とすることを 目 標 とする < 退 学 滞 納 の 理 由 および 状 況 等 > 中 退 事 例 生 徒 の 学 習 意 欲 不 足 が 退 学 につながる 向 きもある 滞 納 事 例 理 由 3 ケ 月 以 上 の 滞 納 者 の 家 族 構 成 はほぼ 母 子 家 庭 また 就 学 支 援 金 で 1.5 倍 以 上 の 申 請 をしているが 毎 月 滞 納 しているのが 現 状 6 か 月 以 上 滞 納 者 が 1 名 いるが 今 後 においても 納 入 できる 見 込 みがなく 退 学 の 可 能 性 あり 母 子 家 庭 が 多 い ( 同 様 ほかに 4 件 ) 高 1 の 1 名 は 支 援 金 対 象 外 高 3 の 6 名 のうち 加 算 申 請 は 1 名 親 の 離 婚 による 収 入 減 失 職 による 収 入 減 保 護 者 の 親 ( 祖 父 母 )の 介 護 費 増 のため (ほかにも1 件 ) 父 親 の 病 気 と( 豪 雨 により) 家 屋 倒 壊 した 実 家 への 援 助 が 重 なったため 修 学 旅 行 辞 退 兄 姉 の 大 学 の 教 育 費 負 担 大 ( 後 期 振 込 時 期 のため) 保 護 者 の 経 済 状 況 不 調 のため 保 護 者 の 失 職 による 収 入 減