2013 年 8 月 第 19 回 管 理 費 を 払 わない 区 分 所 有 者 への 対 応 公 認 不 動 産 コンサルティングマスター 矢 島 尚 司 概 要 マンション 等 の 区 分 所 有 物 件 の 管 理 組 合 の 役 員 になると 不 慣 れなことをやらなければならなくなることがあ ります その 中 でも 管 理 費 を 滞 納 する 区 分 所 有 者 への 督 促 の 対 応 は 気 後 れするどころか 頭 を 抱 えてしま う 人 も 多 いことでしょう 本 レポートでは 読 者 が 管 理 組 合 の 役 員 であると 想 定 し 滞 納 者 への 対 処 につい て 情 報 提 供 します 手 順 1: 管 理 委 託 契 約 書 の 確 認 問 題 なし 要 改 善 今 後 のために 管 理 規 定 を 修 正 手 順 2: 法 的 対 応 を 取 るかどうか 取 る 取 らない ねばり 強 く 働 きかけ 手 順 3: 法 的 対 応 を 自 ら 行 うか 行 う プロに 委 ねる 弁 護 士 コンサルタント NPOの 活 用 手 順 4: 裁 判 所 の 活 用 1 / 9
手 順 1: 管 理 会 社 との 役 割 分 担 の 確 認 マンション 管 理 組 合 の 業 務 を 管 理 会 社 に 委 託 している 場 合 滞 納 者 への 督 促 業 務 について 具 体 的 にどのよう に 委 託 しているかを 管 理 委 託 契 約 書 で 確 認 します 意 外 に 曖 昧 だったり 期 待 ほどのことをしてくれなかっ たりして 驚 かれ 督 促 の 対 応 を 自 分 たちで 行 わなければならない 事 実 に 直 面 して 面 食 らう 役 員 の 方 が 多 いよ うです 国 交 省 の 総 合 政 策 局 不 動 産 業 課 は 平 成 15 年 4 月 に マンションの 管 理 委 託 契 約 に 係 る 標 準 管 理 委 託 契 約 書 を 発 表 しました ほとんどの 管 理 会 社 がこれを 参 照 して 管 理 委 託 契 約 書 を 作 成 していると 思 われます この 中 で 滞 納 督 促 に 関 する 部 分 は 一 毎 月 甲 ( 管 理 組 合 )の 組 合 員 の 管 理 費 等 の 滞 納 状 況 を 甲 に 報 告 する 二 甲 の 組 合 員 が 管 理 費 等 を 滞 納 したときは 支 払 期 限 後 月 の 間 電 話 若 しくは 自 宅 訪 問 又 は 督 促 状 の 方 法 により その 支 払 の 督 促 を 行 う 三 二 の 方 法 により 督 促 しても 甲 の 組 合 員 がなお 滞 納 管 理 費 等 を 支 払 わないときは 乙 はその 業 務 を 終 了 する となっています 電 話 訪 問 督 促 状 を 超 えることはやってくれないのが 一 般 的 です * 督 促 作 業 における 注 意 管 理 会 社 から 当 社 の 氏 への 督 促 業 務 はこれで 終 了 します と 言 われたら ボールは 管 理 組 合 が 受 け 取 ったことになります 何 はともあれ 滞 納 者 に 面 談 して 状 況 を 確 認 し 可 能 なら 自 主 回 収 の 作 業 を 始 めなけ ればなりません その 際 に 気 をつけておくポイントがあります 暴 力 組 織 が 債 権 回 収 に 介 入 して 無 理 な 取 り 立 てを 行 い 資 金 源 にしてきていた 過 去 があったので 債 権 管 理 回 収 業 (サービサー)という 業 態 が 日 本 にも 設 置 されました 法 務 省 管 轄 です 債 権 管 理 回 収 業 に 関 する 特 別 措 置 法 に 督 促 について 書 かれています 自 主 回 収 を 行 う 際 には 同 法 17 条 1 項 業 務 従 事 者 による 威 迫 等 の 禁 止 を 参 考 にしてください 訪 問 では 暴 力 団 風 の 男 が いきなり 金 を 払 えと 云 ってきた のような 印 象 を 与 えないよう マナー 言 葉 遣 い 身 なり 等 に 注 意 し きちんとていねいに 訪 問 の 趣 旨 を 伝 えて 話 をします 私 生 活 若 しくは 業 務 の 平 穏 を 害 する 言 動 を 避 けなければなりません 2 / 9
午 後 9 時 から 午 前 8 時 までのコンタクトを 避 ける 過 剰 にしつこく 反 復 して 行 わない つきまとわない 債 務 者 の 借 入 に 関 する 事 実 その 他 プライバシーに 関 することをあからさまにしない 許 しなく 勤 務 先 に 行 かない 近 隣 者 に 督 促 の 旨 を 伝 言 したりしない 後 日 のトラブルを 避 けるため 督 促 を 行 った 際 には 電 話 連 絡 / 訪 問 / 文 書 送 付 した 日 時 会 話 内 容 等 を 正 確 に 記 録 しておくようにします 手 順 2: 法 的 対 応 滞 納 者 と 面 談 し 簡 単 には 応 じてくれないことが 明 確 になれば 法 的 対 応 を 検 討 します 法 的 対 応 には 以 下 のような 法 律 行 為 があります 裁 判 所 ( 簡 易 裁 判 所 地 方 裁 判 所 )が 関 与 するケースを 関 与 しないケースを - 弁 護 士 を 使 う 必 要 があるケースを 使 う 必 要 がないケースを 使 っても 使 わなくても 良 いケース を と 示 しました 裁 判 所 弁 護 士 1. 内 容 証 明 郵 便 による 催 告 - 2. 競 売 への 対 応 ( 配 当 要 求 先 取 特 権 ) 3. 支 払 督 促 (= 督 促 手 続 ) 4. 民 事 調 停 5. 少 額 訴 訟 認 定 司 法 書 士 で 可 能 6. 通 常 訴 訟 7. 即 決 和 解 ( 訴 え 提 起 前 の 和 解 ) 手 順 3: 法 的 対 応 を 自 ら 行 うか プロに 頼 むか 督 促 取 り 立 て 債 権 回 収 ということになると 様 々な 法 律 をわかっておかないと 不 安 があるかと 思 います 前 述 のように 滞 納 者 から 訴 えられてしまう 危 険 性 もあります プロ(マンション 管 理 会 社 弁 護 士 や コ ンサルタント 会 社 NPO 法 人 など)を 活 用 するのも 方 法 です しかし 当 然 のことながら 報 酬 を 払 わなけ ればならないので 手 取 り が 悪 くなってしまいます 法 的 対 応 は 素 人 がやれないわけではありません 裁 判 所 に 行 けば 手 続 きについて 丁 寧 に 教 えてくれますし 法 テラスで 無 料 の 法 律 相 談 を 受 けてアドバイスをもらうことも 有 効 です 一 度 体 験 すれば 二 度 目 以 降 は 気 楽 3 / 9
に 行 えます 管 理 組 合 に 企 業 の 経 営 者 や 経 理 担 当 者 がおられると 取 り 立 てや 法 的 行 為 について 手 慣 れていることがあり 頼 りになったりします * 法 的 対 応 はもたもたしないことが 大 切 気 後 れしてもたもたしていると かえってコスト 高 となってしまったり 他 の 滞 納 者 が この 管 理 組 合 への 債 務 の 返 済 は 後 回 しにしよう と 考 えるようになったり のような 問 題 が 生 じます 淡 々と 着 々と 法 的 対 応 を 進 めていくことで 他 の 滞 納 予 備 軍 の 発 生 を 抑 止 する 効 果 があるのです 以 下 法 的 対 応 について 説 明 していきます 1. 内 容 証 明 郵 便 支 払 請 求 のための 催 告 状 には 債 権 および 支 払 期 限 の 確 認 その 後 の 法 律 手 続 の 予 告 などを 書 きます 時 効 の 中 断 といった 法 律 上 の 効 果 を 期 待 するものですから 証 拠 力 があり かつ 確 定 日 付 となる 配 達 証 明 付 内 容 証 明 郵 便 によることが 必 要 です 縦 書 き 横 書 きのそれぞれの 場 合 で 行 数 や 文 字 数 の 規 定 があります( 下 表 参 照 ) 字 数 の 数 え 方 も 詳 細 な 決 まりがありますので 確 認 して 作 成 してください 3 通 作 成 し 封 をしないで 郵 便 局 に 持 っていきます 縦 書 きの 場 合 横 書 きの 場 合 1 行 20 字 以 内 1 枚 26 行 以 内 1 行 20 字 以 内 1 枚 26 行 以 内 1 行 13 字 以 内 1 枚 40 行 以 内 1 行 26 字 以 内 1 枚 20 行 以 内 平 成 16 年 4 月 23 日 の 最 高 裁 判 決 により 管 理 費 及 び 修 繕 積 立 金 は 民 法 169 条 に 規 定 する 債 権 ( 定 期 給 付 債 権 )にあたり 消 滅 時 効 は 5 年 ということになりました 時 効 にかかりそうなときは 必 ず 時 効 の 中 断 の 処 置 をとらなければなりません 内 容 証 明 郵 便 による 請 求 によって 6 ヶ 月 間 時 効 の 進 行 が 停 止 されるだけということを 忘 れないでください 6 ヶ 月 以 内 に 債 務 承 認 支 払 督 促 和 解 調 停 など 裁 判 上 の 請 求 をしなければ 時 効 中 断 となりません 4 / 9
* 話 し 合 いで 解 決 する 場 合 滞 納 者 が 分 割 払 いに 応 じることがあります その 支 払 計 画 について 合 意 した 内 容 を 公 正 証 書 にすることが 可 能 です できれば 保 証 人 を 付 けることを 交 渉 しましょう 公 正 証 書 に 執 行 認 諾 文 言 を 加 えることで 将 来 に 不 払 いが 起 きたときに 強 制 執 行 が 可 能 になります 最 寄 りの 公 証 人 役 場 に 行 き 相 談 してみてください かなり 親 切 に 教 えてくれることと 思 います 2. 競 売 への 対 応 先 取 特 権 配 当 要 求 管 理 費 を 滞 納 している 人 は 住 宅 ローンも 滞 納 している 可 能 性 が 高 いと 言 えます その 場 合 登 記 簿 謄 本 上 で 抵 当 権 を 設 定 している 金 融 機 関 が 裁 判 所 に 申 請 して 競 売 が 行 われることがあります 私 が 住 む 大 規 模 マンシ ョンでは 競 売 を 待 ち 受 けているリフォーム 業 者 がいます 競 落 後 スケルトンにし 今 風 にリノベーショ ンし 買 取 費 +リフォームコストにたっぷりと 利 ざやを 乗 せて 販 売 しているようです 家 賃 滞 納 金 は 回 収 額 から 先 取 特 権 として 優 先 して 回 収 されます これは 区 分 所 有 法 の 第 7 条 に 明 記 されています ( 先 取 特 権 ) 第 7 条 区 分 所 有 者 は 共 用 部 分 建 物 の 敷 地 若 しくは 共 用 部 分 以 外 の 建 物 の 附 属 施 設 につき 他 の 区 分 所 有 者 に 対 し て 有 する 債 権 又 は 規 約 若 しくは 集 会 の 決 議 に 基 づき 他 の 区 分 所 有 者 に 対 して 有 する 債 権 について 債 務 者 の 区 分 所 有 権 ( 共 用 部 分 に 関 する 権 利 及 び 敷 地 利 用 権 を 含 む ) 及 び 建 物 に 備 え 付 けた 動 産 の 上 に 先 取 特 権 を 有 する 管 理 者 又 は 管 理 組 合 法 人 がその 職 務 又 は 業 務 を 行 うにつき 区 分 所 有 者 に 対 して 有 する 債 権 についても 同 様 とする 前 項 の 先 取 特 権 は 優 先 権 の 順 位 及 び 効 力 については 共 益 費 用 の 先 取 特 権 とみなす 民 法 ( 明 治 二 十 九 年 法 律 第 八 十 九 号 ) 第 319 条 の 規 定 は 第 1 項 の 先 取 特 権 に 準 用 する 競 売 になると 裁 判 所 書 記 官 が 事 前 に 管 理 組 合 に 調 査 にやってきます ここで 滞 納 額 を 申 告 し 先 取 特 権 を 確 定 します 管 理 費 債 権 の 存 在 を 裏 付 ける 書 類 ( 規 約 や 総 会 議 事 録 など)を 提 出 します これは 平 成 16 年 4 月 に 民 事 執 行 法 の 一 部 が 改 正 されたことによるものです ところが 抵 当 権 者 へのローン 残 債 が 競 落 価 格 を 上 回 っている 場 合 には 先 取 特 権 があっても 管 理 組 合 にお 金 が 回 ってこないのです 5 / 9
区 分 所 有 者 への 管 理 組 合 以 外 の 債 権 者 が 債 務 名 義 を 得 て 強 制 執 行 を 行 う 場 合 に 管 理 組 合 が 裁 判 所 に 申 請 し 先 取 特 権 に 基 づいて 執 行 手 続 きに 参 加 して 配 当 を 受 け 取 ることができます 滞 納 者 の 区 分 所 有 物 件 が 任 意 売 却 や 競 売 された 場 合 未 回 収 管 理 費 があれば 購 入 者 や 競 落 人 に 請 求 します このように 競 売 にかけられた 場 合 には 管 理 組 合 としては 受 け 身 の 立 場 で 先 取 特 権 が 認 定 され そこで 回 収 できなくても 新 しい 区 分 所 有 者 に 対 して 請 求 できるので 比 較 的 楽 で 取 りはぐれの 恐 れが 低 いように 思 え ます 手 順 4: 裁 判 所 を 活 用 する 3.~7.は 管 理 組 合 が 積 極 的 に 裁 判 所 を 活 用 する 方 法 です 裁 判 所 に 提 訴 する というのは ちょっとおおげさな 感 じがするかもしれません 通 常 提 訴 に 至 るまでに もっと 簡 便 な 方 式 がありますので 安 心 してください 素 人 でも 行 えるので 専 門 家 に 多 額 の 手 数 料 を 払 わず 手 取 りが 多 くなります 回 収 すべき 金 額 が 少 額 である 場 合 に 限 られますので 滞 納 に 対 して 放 置 せず 早 めに 法 的 対 応 していくこと が 大 切 です 3. 支 払 督 促 と 5. 少 額 訴 訟 (60 万 円 以 下 )は 少 ない 費 用 で 法 的 な 債 務 名 義 ( 強 制 執 行 が 可 能 なことを 公 的 に 証 明 する 文 書 )を 獲 得 できる 方 法 です 訴 訟 の 目 的 価 額 ( 訴 額 )が 140 万 円 以 下 の 請 求 は 簡 易 裁 判 所 訴 額 140 万 円 を 超 える 請 求 及 び 不 動 産 に 関 する 訴 訟 は 地 方 裁 判 所 の 管 轄 です ( 訴 額 140 万 円 以 下 の 不 動 産 に 関 す る 訴 訟 は 簡 易 裁 判 所 と 地 方 裁 判 所 の 双 方 が 管 轄 ) 簡 易 裁 判 所 であれば 管 理 組 合 の 理 事 長 が 直 接 裁 判 所 に 行 き 申 請 することができます 民 事 訴 訟 手 続 き の 要 点 さえ 理 解 すれば 決 して 難 しいことではありません 支 払 督 促 は 区 分 所 有 者 の 住 所 地 の 簡 易 裁 判 所 に 申 し 立 てます 遠 隔 地 に 住 んでいる 場 合 には 遠 くの 簡 易 裁 判 所 を 使 う 必 要 があります 滞 納 者 から 異 議 申 立 がなされると 少 額 訴 訟 通 常 訴 訟 に 移 行 します このときに 管 理 規 約 の 管 轄 裁 判 所 への 移 送 の 申 立 を 行 うことができます 60 万 円 以 下 なら 少 額 訴 訟 が 使 えますが 被 告 ( 滞 納 者 )がそのことに 異 議 を 申 し 立 てると 通 常 訴 訟 で 争 うこ とになります 少 額 訴 訟 でも その 判 決 に 負 けた 側 から 異 議 が 出 ると 6. 通 常 訴 訟 に 移 行 します 6 / 9
4. 民 事 調 停 7. 即 決 和 解 これらは 管 理 組 合 が 行 うことはまれだと 思 われますが 滞 納 者 の 方 から 提 起 される 可 能 性 があります 提 訴 ほどの 費 用 がかからず それでいて 裁 判 所 が 関 与 していますので 合 意 は 判 決 と 同 じ 効 力 を 持 った 債 務 名 義 となり 強 制 執 行 を 申 請 する 根 拠 となります * 競 売 本 人 に 払 う 能 力 がないと しかし 裁 判 で 判 決 確 定 して 債 務 名 義 を 得 ても 払 う 能 力 がないと 回 収 はできません 差 し 押 さえる 財 産 ( 動 産 不 動 産 )がない 場 合 には 強 制 執 行 も 無 駄 になります 事 前 に 予 測 を 立 てる 必 要 性 があります 給 与 所 得 者 であれば 押 さえることができますが 年 金 生 活 者 は 年 金 次 第 となります 身 内 を 探 し 立 て 替 えを 依 頼 する 作 業 として 本 裁 判 以 外 は 組 合 役 員 で 行 えます 本 人 に 支 払 意 思 があり 支 払 能 力 がないなら 相 談 に 乗 り 自 治 体 の 相 談 窓 口 や 民 生 委 員 生 活 相 談 員 と 共 に 解 決 していきます * 単 純 でない 事 例 例 1) 区 分 所 有 者 が 行 方 不 明 または 連 絡 がつかない 現 住 所 や 転 居 先 と 思 われる 場 所 勤 務 先 や 親 族 などを 調 査 したが 判 明 しなかったことを 証 明 すれば 公 示 送 達 ( 民 事 訴 訟 法 第 110 条 ) という 制 度 を 使 って 債 務 名 義 を 取 ることができます 裁 判 所 書 記 官 が 滞 納 者 に 対 する 送 達 書 類 を 保 管 し いつでも 滞 納 者 に 交 付 する 旨 を 裁 判 所 の 掲 示 板 に 掲 示 し その 日 から 2 週 間 が 経 過 することで 書 類 が 送 達 されたと 同 じ 効 力 が 生 じます 滞 納 者 は 訴 訟 の 呼 び 出 しを 受 けたことになり 裁 判 に 欠 席 しても 判 決 を 得 ることができます (ただし 支 払 督 促 や 少 額 訴 訟 のような 裁 判 所 の 出 頭 を 必 要 としない 方 式 には 公 示 送 達 は 使 えません ) 賃 借 人 がいれば 家 賃 を 差 し 押 さえます 滞 納 者 の 所 有 する 動 産 不 動 産 がわかっているなら 差 押 えを 行 います 例 2) 区 分 所 有 者 が 死 亡 後 物 件 を 誰 が 相 続 するか 決 まらず 未 納 になる 場 合 親 族 と 話 し 合 い 決 まるまでの 間 仮 の 払 込 人 を 決 めてもらいます 例 3) 物 件 が 業 者 に 売 却 され 次 の 売 却 先 が 見 つかるまでの 期 間 の 管 理 費 を 支 払 わない 説 得 し だめなら 法 的 対 応 に 移 行 します 7 / 9
今 後 のために 管 理 規 定 を 修 正 管 理 会 社 が 行 う 範 囲 と その 後 の 管 理 組 合 が 行 う 法 的 行 為 ( 後 述 )を 督 促 に 関 する 細 則 として 手 順 を 定 めた 管 理 組 合 があるそうです これを 管 理 規 約 の 付 則 として 設 定 すれば 強 面 (こわもて)の 法 律 用 語 が 並 んでいるだけで 滞 納 者 にはプレッシャーがかかり 回 収 しやすくなる 効 果 も 期 待 できます 区 分 所 有 法 26 条 4 項 規 約 または 総 会 の 決 議 により 管 理 組 合 はその 職 務 に 関 し 区 分 所 有 者 のために 原 告 または 被 告 になることができる となっています 管 理 規 約 に 管 理 者 が 原 告 または 被 告 になることがで きる と 書 かれていなかった 場 合 訴 訟 には 管 理 組 合 総 会 の 決 議 が 必 要 となります このような 少 額 訴 訟 制 度 の 事 件 についていちいち 総 会 を 開 催 するのも 大 変 なので 理 事 会 の 決 議 により 管 理 費 等 の 滞 納 者 に 対 す る 支 払 督 促 の 申 立 及 び 支 払 の 請 求 を 目 的 とする 訴 えの 提 起 を 為 すことができる と 定 めておけば 良 いでしょ う 管 理 組 合 規 定 に 管 轄 裁 判 所 の 項 目 はありますか? なければ 利 便 性 の 高 い 裁 判 所 を 決 めておきます まとめ 管 理 費 修 繕 積 立 金 を 督 促 する 作 業 について 述 べました 管 理 会 社 との 督 促 業 務 についての 分 担 の 線 引 きを 確 認 する 注 意 事 項 を 守 り 逆 に 提 訴 されないようにする 司 法 制 度 を 味 方 につける 法 テラス 公 証 人 役 場 などを 活 用 し 低 コストの 法 的 対 応 を 行 う 法 律 や 裁 判 所 に 気 後 れせず 着 々と 作 業 を 進 めていくことが 大 事 60 万 円 以 下 なら 少 額 訴 訟 として 少 ない 経 費 で 裁 判 所 を 活 用 債 務 名 義 を 得 ないと 時 効 (5 年 )の 中 断 ができない 競 売 にかかる 場 合 に 先 取 特 権 を 確 定 させる 法 的 対 応 を 取 っても 本 人 に 支 払 い 能 力 がなければ 回 収 できない 法 的 対 応 をやりやすくするために 管 理 規 定 を 修 正 しておく 頑 張 って 進 めていただきたいと 思 います さらに 詳 細 で 深 い 知 識 を 得 たい 方 には 以 下 のウェブサイトが 参 考 になろうかと 思 います 公 益 財 団 法 人 マンション 管 理 センター 特 定 非 営 利 活 動 法 人 マンション 管 理 支 援 協 議 会 8 / 9
(ご 注 意!) 本 レポートは 情 報 提 供 を 目 的 としたもので 平 成 25 年 7 月 時 点 の 制 度 に 基 づいて 記 述 されています 実 際 にアクションを 取 られる 際 には 専 門 家 の 協 力 を 得 て 自 己 責 任 で 行 ってください 本 稿 によって 生 じたいかなる 損 害 も 著 者 および 当 社 は 免 責 され 何 らの 責 任 を 負 いません 矢 島 尚 司 / Shoji Yajima 所 属 公 認 不 動 産 コンサルティングマスター ファイナンシャルプランナー(AFP) 略 歴 1946 年 生 まれ 大 手 マンション 建 設 会 社 の 開 発 営 業 を 経 て 現 在 大 手 賃 貸 仲 介 会 社 の 嘱 託 勤 務 過 去 35 年 間 の< 転 勤 / 転 職 > 時 にファミリー 中 古 マンションを 賃 借 購 入 賃 貸 をのべ 8 回 繰 り 返 し 失 敗 成 功 の 体 験 談 にも 基 づいて 都 心 マンションの 選 び 方 を 学 ぶ 現 住 居 は 昭 和 45 年 建 設 ( 築 後 43 年 の 中 古 マンション) 9 / 9