(11) 制 御 計 装 の 遮 へいの 接 地 方 法 制 御 計 装 においては 外 部 からの 誘 導 障 害 による 誤 動 作 を 防 止 するため 遮 へいを 施 すことが 多 いですが そ の 接 地 の 方 法 を 誤 ると 折 角 の 遮 へいも 役 立 たなくなります ので 次 のようにかならず 正 しい 接 地 を 行 ってく A. 静 電 遮 へいの 場 合 銅 テープあるいは 銅 編 組 などによる 静 電 遮 へいを 施 したケ ーブルの 場 合 遮 へいはその 片 端 を 確 実 に 接 地 してくださ い 接 地 を 施 さなかったり あるいは 両 端 で 接 地 したりす ると 遮 へいの 効 果 が 著 しく 減 少 したり かえって 誘 導 を 拾 ったりすることになります B. 電 磁 遮 へいの 場 合 銅 テープ+ 鉄 テープあるいは 銅 テープ+ 波 付 鋼 管 がい 装 など による 電 磁 遮 へいを 施 したの 場 合 遮 へいはその 両 端 を 確 実 に 接 地 してくなおこの 場 合 接 地 抵 抗 はできる 限 り 小 さな 値 となるようにしてく 3. 波 付 鋼 管 がい 装 の 取 扱 い 方 法 (1)まえがき 波 付 鋼 管 がい 装 は 鋼 アルミ ステンレスなどの 薄 肉 金 属 テープを 周 囲 に 円 筒 形 に 成 形 縦 添 えし 合 わせ 目 を 連 続 溶 接 した 後 波 付 け 加 工 を 施 したものです 波 付 鋼 管 がい 装 は 世 界 各 国 で 実 用 化 されており わ が 国 でも 大 量 に 使 用 されています 電 気 設 備 基 準 において 波 付 鋼 管 がい 装 として 鋼 帯 がい 装 と 同 様 裸 直 埋 布 設 が 認 められています また 昭 和 51 年 10 月 の 改 正 で 波 付 鋼 管 がい 装 は 水 底 としての 使 用 も 認 められました 波 付 鋼 管 がい 装 は 機 械 的 強 度 が 大 きく 完 全 水 密 性 で 屈 曲 性 に 富 み かつ 軽 量 であり 従 来 の 各 種 金 属 シースの 種 々 の 特 長 を 兼 ね 備 えております しかし 波 付 鋼 管 がい 装 は 薄 肉 金 属 テープを 用 い 波 付 け 加 工 を 施 していますので 延 線 時 過 大 な 張 力 を 加 えると 伸 び 易 い 欠 点 もあります この は 波 付 鋼 管 がい 装 の 特 色 を 充 分 生 かしてご 使 用 いただくために 布 設 工 事 等 の 取 扱 いに 関 してご 注 意 いただきたい 事 項 をまとめ 需 要 家 各 位 のご 参 考 に 供 する ものです (2) 電 気 設 備 基 準 との 関 係 ( 地 中 電 線 路 の 場 合 ) 電 気 設 備 基 準 解 釈 に 示 される 波 付 鋼 管 がい 装 と 一 般 CD 鋼 帯 がい 装 の 比 較 を 表 2-3-1に 示 します 注 意 事 項 1 波 付 アルミ 管 がい 装 およびアルミ 被 は がい 装 ( 鎧 装 ) として 認 められておりませんので 裸 直 埋 布 設 はできません 2 単 心 波 付 鋼 管 がい 装 には 材 質 の 鉄 損 発 熱 の 関 係 より 鋼 は 使 用 できませんので 非 磁 性 体 であるアルミまたはステンレス 鋼 を 使 用 するこ とになります したがって 裸 直 埋 布 設 方 式 とする 場 合 にはステンレス 鋼 を 用 いた 波 付 鋼 管 がい 装 となります 表 2-3-1 77kV 以 下 のゴム プラスチックの 直 埋 方 法 の 比 較 : 布 設 可 : 布 設 不 可 項 目 一 般 + 上 部 を 板 または 樋 で 覆 う 一 般 +コンクリート トラフ CD 鋼 帯 がい 装 ( 単 心 は 黄 銅 帯 ) 波 付 鋼 管 がい 装 低 圧 (00V) および 制 御 ( 土 冠 0.m 以 上 ) 高 圧 (3,300V~,00V) ( 土 冠 0.m 以 上 ) 特 高 圧 (11kV~ 77kV) ( 土 冠 0.m 以 上 ) ( ) ( ) ( )( ) 79
(3) 取 扱 い 上 の 注 意 事 項 a. 一 般 注 意 事 項 の 取 扱 いに 当 っては 次 の 一 般 注 意 事 項 をお 守 りくださ い 1 8 字 取 り は 避 けてく 2 Ω 字 取 り 延 線 をする 場 合 には 表 2-3-2の 許 容 曲 げ 半 径 以 上 のできるだけ 大 きな 半 径 で 細 心 の 注 意 を 払 って 作 業 をしてく 3 曲 げる 場 合 は できるだけゆっくり 均 一 に 曲 げ 急 激 に 曲 げを 加 えないようにしてく 4バックテンションは ドラムのジャッキアップ ドラムの 回 転 補 助 等 の 方 法 により なるべく 小 さくなるようにしてく 5 延 線 時 がループを 作 った 場 合 そのまま 引 張 るとキン クを 起 こすので ループを 作 らないようにしてく 特 にドラムからの 繰 出 しに 際 してドラムを 早 く 廻 しすぎるとループ が 起 こりやすくなりますので く 原 則 として 管 路 布 設 は 避 けてく 波 付 鋼 管 がい 装 は 直 埋 布 設 ができるので 管 路 布 設 の 必 要 性 はありません また 管 路 布 設 の 場 合 には 延 線 時 に 波 付 鋼 管 がい 装 パイプが 伸 びる 恐 れがあります b. 許 容 曲 げ 半 径 波 付 鋼 管 がい 装 の 許 容 曲 げ 半 径 は 一 般 のと 同 等 の 値 です すなわち 表 2-3-2に 示 した 曲 げ 半 径 以 下 に 曲 げ ることのないよう く 表 2-3-2 許 容 曲 げ 半 径 許 容 曲 げ 半 径 単 心 波 付 鋼 管 がい 装 仕 上 り 外 径 の10 倍 多 心 波 付 鋼 管 がい 装 仕 上 り 外 径 の8 倍 c. 許 容 張 力 を 引 張 る 方 法 としては ワイヤグリップ 等 により を 外 側 から 把 持 して 引 張 る 方 法 と プーリングアイを 用 いてケー ブルの 導 体 を 直 接 引 張 る 方 法 の2 通 りがあります 引 張 る 方 法 に よって 部 分 の 分 担 張 力 が 異 なるため 許 容 張 力 も 異 な る 値 となります 1ワイヤグリップ 方 式 で 延 線 する 場 合 防 食 層 の 上 からワイヤグリップ 等 で 引 張 る 場 合 の 張 力 は 防 食 層 と 波 付 鋼 管 がい 装 に 加 わります この 場 合 過 大 な 張 力 を 加 えると 防 食 層 の 破 断 や 波 付 鋼 管 が い 装 の 伸 びを 生 じます 従 って 許 容 張 力 は 防 食 層 の 破 断 強 度 と 波 付 鋼 管 がい 装 の 弾 性 限 度 のいずれか 小 さい 方 の 値 となります 防 食 層 の 破 断 強 度 ここに A J: 防 食 層 の 断 面 積 mm 2 KJ: C: 許 容 張 力 Ts N =KJAJ 9.8 N/mm 2 ビニル ポリエチレン KJ= 1.0 kgf/mm 2 4.9 N/mm クロロプレン KJ= 2 0.5 kgf/mm 2 波 付 鋼 管 がい 装 の 弾 性 限 度 許 容 張 力 Tp N =CD ここに D: 仕 上 り 外 径 mm ただし 仕 上 り 外 径 20mm 以 下 の 場 合 は D=20で 計 算 する 波 付 鋼 管 がい 装 の 場 合 C= 波 付 アルミ 管 がい 装 の 場 合 C= 2プーリングアイ 方 式 で 延 線 する 場 合 プーリングアイを 引 張 ると 張 力 は 導 体 に 加 わります 許 容 張 力 T N =KnAc 49 N/mm 5 kgf/mm 24.5 N/mm 2.5 kgf/mm この 場 合 次 の 式 で 求 める 導 体 の 許 容 張 力 の 値 を 用 います 但 し が 曲 り 部 を 通 過 する 時 は 比 較 的 大 きな 摩 擦 力 が 防 食 層 と 波 付 鋼 管 がい 装 に 加 わります 従 って 曲 り 部 での 引 入 張 力 が 上 述 のTs+Tpを 越 えることが 予 想 され る 場 合 は 曲 りに 入 る 前 に ケ ー ブ ルを 中 間 引 きし 曲 り 部 で の 摩 擦 力 を 低 下 させる 等 の 対 策 を 取 ってく ここに n: 線 心 数 Ac:I 線 心 当 りの 導 体 断 面 積 mm 2 8 N/mm 2 K : 銅 導 体 K= 7.0 kgf/mm 2 39 N/mm 2 硬 アルミ 導 体 K= 4.0 kgf/mm 2 22 N/mm 2 軟 アルミ 導 体 K= 2.3 kgf/mm 2 プーリングアイを 必 要 とするルートの 場 合 は ご 注 文 の 時 必 ず 片 端 または 両 端 プーリングアイ 付 とご 指 定 く d. 許 容 側 圧 波 付 鋼 管 がい 装 の 許 容 側 圧 は 波 付 鋼 管 がい 装 の 波 の 山 が 変 形 しないように 決 定 され 次 のとおりです 許 容 張 力 2900 N/m 300 kgf/m 側 圧 はルートの 直 線 部 では 自 重 が 加 わるだけなので 問 題 ありま せんが 曲 り 部 では 内 面 に 押 しつけられる 力 が 作 用 するため 注 意 が 必 要 です 曲 り 部 における 側 圧 は 次 の 式 で 求 めます 引 入 方 向 引 入 れ 張 力 T kgf 側 圧 P kgf/m = 曲 り 部 半 径 m T 80
1 曲 り 部 では 側 圧 が 許 容 側 圧 を 越 えることのないようなを 選 定 してく 2 曲 り 部 には 必 ず 滑 り 板 を 使 用 し 縦 コロは 使 用 しないでくコロを 使 用 しますと コロとが 点 接 触 となるため 局 部 的 に 大 きな 側 圧 が 加 わることがあります 3 波 付 鋼 管 がい 装 は 引 き 摺 られている 状 態 では 比 較 的 波 の 山 が 変 形 しや すいものです 万 一 波 の 山 が 変 形 しますと 本 来 優 れている 静 圧 縮 特 性 衝 撃 特 性 を 損 う 恐 れもありますので 許 容 側 圧 以 上 の 側 圧 を 加 えないよう にしてく e. 波 付 鋼 管 がい 装 の 布 設 形 状 1 直 埋 布 設 直 埋 布 設 の 場 合 接 続 部 があるときは 下 図 に 示 すようにたるみ ( オフ セット)をとるようにし てくだ さ い 図 2-3-1 許 容 曲 げ 半 径 約 300mm β 接 続 部 :ハンドボールの 場 合 接 続 部 は 砂 埋 を 行 います 2 気 中 布 設 オープンピット 棚 上 などに 布 設 するときは にたるみ(ス ネ ー ク )をとって 布 設 す るようにし てくだ さ い を 直 線 布 設 すると 負 荷 電 流 および 季 節 的 な 温 度 変 化 で 長 手 方 向 に 熱 伸 縮 し 端 末 および 接 続 部 に 無 理 な 力 を 加 える 恐 れがあります たるみ(スネーク)をとることにより 長 手 方 向 の 熱 伸 縮 を 横 方 向 ( 点 線 で 示 す 形 状 )へ 逃 します 図 2-3-2 δ 10mm 2 以 下 ののとき あるいは 曲 りの 多 いルートのときは たるみ は 不 要 です 2 棚 上 などに 布 設 するときの 支 持 間 隔 は 1.5m 以 下 にすることをおすすめし ます (4)の 延 線 a. 延 線 方 法 波 付 鋼 管 がい 装 の 延 線 は 現 地 の 状 況 に 合 わせて 次 の ような 方 法 があります 1 落 し 込 み 法 布 設 ルートに 障 害 物 がなく 埋 設 溝 に 沿 い 延 線 が 可 能 な 場 合 に 地 上 ( 溝 わきコロ 上 )に 延 線 し その 後 を 溝 に 落 し 込 む λ β 許 容 屈 曲 半 径 以 上 β: 直 線 部 約 100mm 温 度 上 昇 後 の 形 状 布 設 時 の 形 状 λ :たるみのピッチ 3~m (スネークピッチ) δο :たるみ 幅 1D 前 後 ( 初 期 スネーク 幅 ) D : 外 径 2 引 入 法 布 設 ルートにガス 水 道 管 等 の 埋 設 障 害 物 が 多 い 場 合 あるい は 埋 設 溝 に 沿 った 延 線 が 不 可 能 な 場 合 などは 埋 設 溝 内 にコロを 設 置 しを 延 線 する 1 波 付 鋼 管 がい 装 は 極 力 人 力 で 延 線 をするようにしてく 2 已 むを 得 ずウィンチなどで 延 線 する 場 合 は 延 線 張 力 および 側 圧 を 十 分 検 討 するようにしてく b. 延 線 張 力 延 線 張 力 は 次 のようにして 求 めます 例 えば 下 図 のルートでA Dへ 延 線 する 場 合 各 点 の 張 力 は TB~TDのように 求 めます (TA) A (TB) B C(TC) TB=T A+μWAB TC=T B eμθ TC PC= TD=T C+μWCD ここに T A: 逆 張 力 kgf D(TD) TB~TD: 各 点 の 張 力 kgf PC:B~C 間 の 側 圧 kgf/m μ: 摩 擦 係 数 (コロの 上 を 延 線 する 場 合 0.2 曲 り 部 滑 り 板 の 場 合 0.4) θ: 曲 り 角 度 (ラジアン) W: 質 量 kgf/m AB:A~B 間 の 長 さ m CD:C~D 間 の 長 さ m なお 水 平 で 曲 りのあるルートでは 曲 り 部 に 近 い 方 から 延 線 した 方 が 張 力 が 小 さくてすみます ( 例 ) 00V CVMAZV338mm 2 の 場 合 外 径 D=37 mm 質 量 W=2.07 kg/m です このをコロを 使 用 して300m の 直 線 ルートに 延 線 する 時 の 張 力 の 検 討 は 次 のようになります TB=μWAB =0.22.07300 =124 kgf 一 方 ワイヤグリップで 引 張 るとすると の 許 容 張 力 は TP=CD =537 =185 kgf この 例 ではT B<TPおよびT B<TSなので 問 題 なく 延 線 できるこ とがわかります θ TS=KJAJ =1.0270 =270 kgf 延 線 方 向 81
c. 延 線 時 の 注 意 事 項 波 付 鋼 管 がい 装 は 薄 肉 金 属 テープに 波 付 加 工 を 施 した 波 付 鋼 管 がい 装 を 被 せているため 次 のような 波 付 鋼 管 が い 装 特 有 の 注 意 事 項 があります 1の 線 心 と 波 付 鋼 管 がい 装 のズレを 防 ぐため 延 線 前 にの 端 末 で 内 部 の 線 心 と 波 付 鋼 管 がい 装 を 固 定 してく 固 定 法 (1) 波 付 鋼 管 がい 装 シースと 心 線 を 適 切 な 方 法 で 固 定 する ( 水 密 に 注 意 する) (2) 細 物 波 付 鋼 管 がい 装 は 先 端 を 折 り 返 し て ワイヤ グリップ 等 で 引 く 適 切 に 人 員 を 配 置 ドラムに 適 切 な 回 転 力 線 路 の 曲 り 部 等 では を 監 視 図 2-3-4 バインド 心 線 または 線 心 (5) 端 の 防 水 処 理 両 端 末 は 湿 気 の 侵 入 を 防 ぐために 密 封 されておりま す 波 付 鋼 管 がい 装 シースは 端 末 部 分 が 密 封 されておれば 錆 の 心 配 はありません 従 って 延 線 後 は 必 ず 両 端 未 処 理 に 異 常 がないかどうか 確 認 してく またを 切 断 した 場 合 は 中 間 接 続 や 終 端 接 続 作 業 に 直 ちに 移 行 する 場 合 を 除 き 必 ずビニルキャップまたはクロロプレン キャップをかぶせた 後 防 水 テープを 巻 いて 水 分 湿 気 等 が 侵 入 しないようにしてく 水 密 処 理 ワイヤグリップ 図 2-3-3 を 完 全 に 折 り 曲 げる 2 延 線 後 を 切 断 する 場 合 は 切 断 前 にの 両 端 末 を 調 べ 線 心 とパイプのズレや パイプの 伸 び 等 の 異 常 のない ことを 確 認 してからを 切 断 してく 3 波 付 鋼 管 がい 装 は 無 理 な 張 力 ( 許 容 張 力 の 項 をご 参 照 くだ さい)を 加 えますと 伸 びてしまいます ルートが 長 い 場 合 や 曲 り 部 が 多 い 場 合 等 延 線 張 力 および 側 圧 が 大 きくなり 延 線 作 業 が 困 難 になることがありますので く 4 垂 直 あるいは 傾 斜 のあるルートでは 線 心 と 波 付 鋼 管 がい 装 が ずれる 恐 れがありますので ください 5 延 線 中 は ルートの 曲 り 部 や 工 作 物 地 上 物 体 との 交 叉 接 近 場 所 その 他 適 切 な 位 置 でを 監 視 し が 引 っ 掛 かったり 無 理 に 曲 げられたりしないようにしてく 波 付 鋼 管 上 には 鋼 管 の 腐 食 抑 制 のため 防 錆 剤 を 塗 布 して います を 垂 直 または 傾 斜 部 に 布 設 する 場 合 には 端 末 部 の 鋼 管 と 防 食 層 のすき 間 より 防 錆 剤 が 滲 み 出 す 可 能 性 が ありますので 端 末 施 工 時 に 鋼 管 と 防 食 層 の 間 のシールをお 願 いします () 波 付 鋼 管 がい 装 の 剥 取 り 法 波 付 鋼 管 がい 装 の 端 末 処 理 は パイプの 剥 取 りを 除 い ては 他 の 一 般 と 考 え 方 はほぼ 同 一 であります a. 防 食 層 の 剥 取 り に 対 してナイフを 斜 めに 入 れ 所 定 寸 法 間 の 防 食 層 を 剥 取 ります b. 防 錆 剤 の 除 去 パイプ 上 に 塗 布 してある 防 食 混 和 物 を 除 去 します c. 波 付 鋼 管 がい 装 の 剥 取 り 種 々の 方 法 がありますが 代 表 例 をつぎに 示 します 1 波 付 鋼 管 がい 装 端 部 を 金 バサミで たんざく 状 に 切 込 む 切 り 込 んだ 部 分 を 起 し こ の 部 分 をペンチ 等 で 平 ら にする 右 図 に 示 す 形 状 の 工 具 の 先 端 に 設 けてある 溝 に 挿 入 する 工 具 を 波 付 鋼 管 がい 装 の 周 りに 沿 って 廻 し 所 定 寸 法 間 の 波 付 鋼 管 がい 装 を 剥 取 る ( 巻 きとる ) 備 考 :この 方 法 は 一 番 簡 単 な 方 法 であり コアに 傷 をつけずに 安 全 性 が 高 いが 巻 きとるので 時 間 がかかります 82
2 金 ノコ( 波 付 鋼 管 がい 装 厚 が 薄 いため 刃 と 刃 のピッチが 細 かいものが 望 ましい )を 用 いコルゲートの 山 の 頂 点 に 沿 って1~2 山 に 渡 り 波 付 鋼 管 がい 装 を 切 断 する 山 の 頂 点 は すべり 易 いので 波 付 パイプの 斜 面 を 切 断 してもよい ノコの 方 向 図 2-3-5 2つのコルゲートの 山 の 間 に 残 っている 部 分 は 金 バサミで 切 り 離 し 波 付 鋼 管 がい 装 を 抜 き 取 る (ハサミで 切 断 する とき パイプを 若 干 ねじり 切 断 部 分 をうかして 作 業 するとう まくできる ) 備 考 : 金 ノコでパイプを 切 るときおよび ハサミでパイプ 切 断 のときコアを 傷 つける 恐 れがあるので 充 分 練 習 し 注 意 して 行 ってく 波 付 鋼 管 がい 装 を 長 く 抜 き 取 る 必 要 のある 場 合 には 抜 き 取 り 時 に 導 体 に 導 体 の 許 容 張 力 以 上 の 力 が 加 わらないよ うに 波 付 鋼 管 がい 装 を1m 以 下 の 長 さで 輪 切 りにして 抜 き 取 る 等 の 配 慮 をしてく 過 大 な 張 力 を 加 えたために 導 体 の 断 線 およびキンク 現 象 を 起 こした 事 故 例 がありますので く (7) 接 続 部 および 接 地 処 理 法 波 付 鋼 管 がい 装 用 の 終 端 および 中 間 接 続 部 は 汎 用 仕 様 品 と 一 部 異 るところがありますので 波 付 鋼 管 がい 装 ケーブ ル 用 であることを 必 ずご 指 定 く なお 波 付 鋼 管 がい 装 表 面 にアース 線 をはんだ 付 けする 際 には 波 付 鋼 管 がい 装 表 面 をワイヤーブラシまたはサンドペーパー 等 により 軽 く 削 り 取 りヤニ 入 はんだとペーストを 使 い はんだ 付 けくだ さい 4. 特 殊 環 境 に 対 する 考 慮 (1) 腐 食 性 ガスの 発 生 する 場 所 亜 硫 酸 ガスは 電 線 に 使 用 される 銅 鉛 錫 アルミニウム 鉄 などを 腐 食 します また ゴムおよび 合 成 樹 脂 を 透 過 します したがって 非 常 に 濃 度 の 高 い 亜 硫 酸 ガスの 雰 囲 気 中 において 使 用 できる 完 全 な 材 はありま せん しかし 一 般 工 業 地 帯 における 程 度 の 濃 度 に 対 して は クロロプレンおよびビニル 黒 色 ポリエチレンの 防 食 層 を 施 すことにより ほとんど 問 題 にならぬ 程 度 に 腐 食 を 防 止 することができます 工 場 内 の 鋼 帯 がい 装 な どには これらの 防 食 層 を 施 してく (2)アンモニアガスの 発 生 ゴムおよび 合 成 樹 脂 は アンモニアガスによって 物 理 特 性 は 変 化 しませんが アンモニアを 吸 収 することにより 絶 縁 抵 抗 は 低 下 します アンモニアガスの 雰 囲 気 中 で 使 用 する 場 合 は ゴム 合 成 樹 脂 の 上 に 鉛 被 波 付 鋼 管 がい 装 ラミネートシースのよ うなガス 遮 断 層 を 施 したを 用 いることにより 絶 縁 抵 抗 の 低 下 を 防 いでく (3) 酸 類 に 接 触 する 場 所 濃 硫 酸 濃 塩 酸 硝 酸 などの 酸 化 性 酸 に 対 して 耐 えるゴム 合 成 樹 脂 は ふっ 素 樹 脂 を 除 いてはなく いずれも 酸 化 し 脆 化 してしまいます しかし 一 般 の 無 機 酸 ( 稀 硫 酸 稀 塩 酸 など)に 対 しては 黒 色 ポリエチレン ビニルおよびク ロロプレンが 耐 えるので これらを 被 覆 した 電 線 ケーブ ルを 使 用 してく 室 温 においては これら 各 材 の うちでも 黒 色 ポリエチレンが 比 較 的 良 好 です (4)タール 系 溶 剤 に 接 触 する 場 所 石 炭 ガスの 廃 液 またはタール 処 理 において 発 生 する 芳 香 族 系 溶 剤 に 対 して ゴム 合 成 樹 脂 単 独 で 耐 えるものはふっ 素 樹 脂 以 外 にはありません したがって 現 段 階 において は 鉛 被 に 黒 色 ポリエチレンか またはニトリルゴムを 防 食 層 として 施 したものが 最 善 の 策 といえます できればケ ーブルがこれらの 溶 剤 に 浸 漬 されないよう 架 空 配 線 とす ることをお 奨 めいたします (5) 製 紙 廃 液 に 接 触 する 場 所 製 紙 工 場 において 問 題 となるのは ターペンチン 油 です これに 対 しても ほとんどのゴム 合 成 樹 脂 は 単 独 では 侵 されます しかし 鉛 や 鉄 の 金 属 は 侵 されないので 鉛 被 波 付 鋼 管 がい 装 あるいは 金 属 ラミネートシース を 使 用 してく ()クレオソート 油 に 接 触 する 場 所 ポリエチレンを 除 くそのほかのゴムおよび 合 成 樹 脂 は ク レオソート 油 により 膨 潤 劣 化 します したがって ケーブ ル 支 持 物 として 使 用 されるクリートで クレオソート 油 を 真 空 含 浸 したものを 用 いる 場 合 あるいはクレオソート 油 で 防 腐 処 理 した 電 柱 に 電 線 を 添 わせて 配 線 する 場 合 には ポリエチレン 電 線 を 使 用 してく (7) 汚 染 性 ガス 煙 霧 雰 囲 気 または 海 岸 に 近 い 場 所 合 成 樹 脂 あるいは 合 成 ゴム 絶 縁 電 力 のヘ ッドには 最 近 合 成 樹 脂 や 合 成 ゴム 材 を 応 用 したもの が 多 く 用 いられておりますが 化 学 工 場 などの 汚 染 性 ガス あるいは 煙 霧 の 著 しい 場 所 においては これらの 表 面 が 汚 83