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Transcription:

交 通 都 市 と 欲 望 の 迷 宮 デーブリーン/ファスビンダーの アレクサンダー 広 場 海 老 根 剛 1. 1928 年 2 月 のある 日 アレクサンダー 広 場 では あちらこちらから 路 面 電 車 やバスや 歩 行 者 が 流 れ 込 み いたるところで 建 物 の 解 体 作 業 が 進 行 している また 地 下 で 進 む 地 下 鉄 工 事 のために そこここで 地 面 が 掘 り 返 されている そんな 広 場 の 雑 踏 の 直 中 で 一 人 の 老 人 が 体 重 計 を 隣 に 椅 子 に 腰 掛 け 広 場 を 行 き 交 う 人 々に 呼 びかける 5 ペニヒで 体 重 を 計 ってみないかい おお 広 場 に 群 がる 親 愛 なる 兄 妹 たちよ! ちょ っと 立 ち 止 まって 体 重 計 の 横 の 隙 間 から この 瓦 礫 の 広 場 を 眺 めてごらんよ 私 たちの 前 にあるのはゴミの 山 だ お 前 は 土 から 生 まれたのだ 土 へと 還 るがよい 私 たちは 素 晴 らしい 建 物 を 建 てたけれど いまや 出 入 りする 人 間 はだれもいない ローマ バビロン ニネヴェ ハンニバル カエサル すべてはそうやって 滅 んだのだ ああ それについて 考 えてご 覧 よ 私 が 言 わなきゃならないのは 次 の 二 つだ 第 一 に それ らの 都 市 はいままた 発 掘 されつつあるということ そして 第 二 に それらの 都 市 はすで にその 目 的 を 果 たし 終 えたのだということだ ひとはいままた 新 しい 都 市 を 作 ることが できるのさ ズボンをはきつぶしてしまったからといって 君 はその 古 いズボンを 嘆 いた りはしないだろう 新 しいズボンを 買 うだろう 世 界 はそれで 成 り 立 っているのだから な あらゆるものが 運 動 し 建 築 物 さえもが 堅 固 さと 重 みを 失 い 跡 形 もなく 姿 を 消 すよう に 見 える 広 場 の 直 中 で とどまることを 知 らぬ 軽 やかな 運 動 の 場 に 捉 えられ 自 分 の 身 体 の 重 みすら 忘 却 しているかのように 見 える 人 々に 向 かって 老 人 は しばし 立 ち 止 まり 体 重 計 に 乗 ってみよと 語 りかける これは 認 識 せよという 呼 びかけだ 体 重 計 の 上 で 運 動 がしばし 停 止 するとき 大 都 市 の 儚 さとみずからの 存 在 の 有 限 性 が 意 識 に 立 ちのぼることになる それだけではない 建 設 と 破 壊 が 同 時 進 行 する 大 都 市 を 突 き 動 かしているものが 資 本 の 運 動 であることも そのときひとは 認 識 するのである 冒 頭 の 段 落 で 引 用 したのは アルフレート デーブリーンが 1929 年 に 発 表 した 長 編 小 説 べルリン アレクサンダー 広 場 の 一 節 である この 一 節 はまた 1980 年 に 初 め てテレビ 放 映 されたライナー ヴェルナー ファスビンダーの 同 名 の 大 作 でも 引 用 され

ている 虚 構 のなかの 一 節 であるとは 言 え そこでデーブリーンが 描 いている 場 面 は 当 時 アレクサンダー 広 場 を 舞 台 に 現 実 に 進 行 していた 都 市 改 造 への 鋭 いコメントで あった 1926 年 べルリン 市 の 建 築 監 督 官 に 就 任 したマルティン ヴァーグナーは ま ったく 新 しいコンセプトにもとづく 都 市 計 画 をべルリンに 導 入 した それは 単 に 一 地 区 の 公 共 の 利 益 を 守 るために 条 令 や 許 可 によって 個 々の 建 築 物 のあり 方 を 規 制 するの ではなく 都 市 空 間 の 全 体 を 単 一 の 機 能 的 システムとして 構 成 することを 目 指 すもの であった アレクサンダー 広 場 の 改 造 計 画 は そのような 都 市 計 画 の 最 初 のモデルケ ースとなったのである この 計 画 が 本 格 的 に 実 行 に 移 されるのは 1929 年 以 降 である が その 準 備 としてべルリン 市 は 1928 年 にすでにアレクサンダー 広 場 周 辺 の 土 地 を 買 収 し 建 物 の 解 体 に 着 手 していたのである デーブリーンの 描 く 広 場 で 建 物 が 壊 さ れ 中 身 が 空 っぽになっているのは そのためである このアレクサンダー 広 場 改 造 計 画 の 背 景 には 当 時 すでにはっきり 現 れていたべル リンの 中 心 の 西 への 移 動 を 押 しとどめたいという 市 当 局 と 経 済 界 の 思 惑 があった 伝 統 的 に 政 治 経 済 文 化 の 中 心 であったフリードリヒ 通 り 周 辺 に 代 わって 1920 年 代 にはクアフュルステンダムを 中 心 とする 西 べルリンが 経 済 と 文 化 の 中 心 として 台 頭 した イルムガルト コインによる 都 市 小 説 の 傑 作 偽 絹 の 女 の 子 (1932 年 )では 1931 年 の べルリンが 舞 台 となっているが そこでも 華 やかな 輝 きで 主 人 公 を 魅 了 するクアフュル ステンダムとは 対 照 的 に アレクサンダー 広 場 はぞっとするほど 多 くの 失 業 者 がうろつ く 侘 しい 場 所 として 描 かれている ヴァーグナーの 計 画 は 1920 年 代 後 半 にはすっか り 定 着 していたこのイメージを 刷 新 し 観 光 客 をひきつけ 活 発 な 消 費 活 動 が 営 まれ る 都 市 空 間 を 作 り 出 そうとしたのである そのさいヴァーグナーの 都 市 計 画 のコンセプトのとりわけラディカルな 点 は それが 明 示 的 に 建 築 の 価 値 の 切 り 下 げを 含 んでいたことである ヴァーグナーによれば 新 しく 誕 生 するアレクサンダー 広 場 は 広 場 を 行 き 交 う 人 々の 消 費 行 動 を 鼓 舞 するようなも のでなければならず 消 費 力 のための 停 止 点 であると 同 時 に 流 動 する 交 通 を 調 節 する 通 過 堰 の 機 能 を 果 たさねばならなかった この 機 能 を 最 適 に 満 たすためには 広 場 は 大 都 市 の 経 済 的 ダイナミズムの 発 展 に 柔 軟 に 対 応 し 適 宜 姿 を 変 えていくこ とができなければならない それゆえヴァーグナーは アレクサンダー 広 場 にふさわしい 建 築 物 は 必 然 的 に 短 命 でなければならず 決 して 持 続 的 な 建 築 的 価 値 など 持 って はならないと 断 言 した 高 度 に 発 展 した 資 本 の 流 動 性 に 最 適 化 された 都 市 は 仮 設 空

間 以 外 ではあり 得 ないということである 実 際 べルリン 市 がアメリカ 資 本 によって 担 わ れたコンソーシアムと 広 場 の 建 物 の 運 営 委 託 に 関 して 交 わした 契 約 には 利 益 の 10 パーセントを 市 に 支 払 うという 条 項 のほかに 1955 年 に 契 約 を 解 除 しすべての 建 物 を 解 体 する 権 利 を 市 が 保 有 するという 規 定 が 含 まれていた つまり ヴァーグナーの 都 市 計 画 において 都 市 ははじめからみずからの 解 体 を 織 り 込 み 済 みなのである 上 に 引 用 したデーブリーンの 一 節 は ヴァーグナーの 都 市 計 画 の 核 心 に 含 まれるこの 仮 設 都 市 のヴィジョンを 鋭 く 指 摘 していたのである 2. 1920 年 代 末 に 出 現 しつつあったアレクサンダー 広 場 は 人 々が 散 歩 し 集 い そこで ゆっくりと 時 間 を 過 ごすような 場 所 ではない 当 時 の 写 真 を 見 ればわかるとおり それ は 四 方 から 流 れ 込 む 主 要 道 路 の 合 流 点 にある 円 形 の 空 間 であり その 上 には 路 面 電 車 のレールと 車 線 が 縦 横 に 走 っていた さらに 地 下 には 地 下 鉄 の 駅 があり 高 架 に は 市 電 が 疾 走 していた アレクサンダー 広 場 とは 都 市 空 間 を 高 速 で 移 動 するヒト モ ノ 情 報 のネットワークの 結 節 点 であり 通 過 点 であった 1920 年 代 後 半 のべルリンで は 大 都 市 は 巨 大 な 機 能 的 ネットワークとして 経 験 された だからこそ アレクサンダー 広 場 が 時 代 の 象 徴 とみなされたのである 1929 年 に 出 版 された 長 編 小 説 べルリン アレクサンダー 広 場 でデーブリーンが 描 き 出 したのも まさしくそのようなネットワークと しての 都 市 空 間 であった 少 々 長 くなるが デーブリーンの 小 説 の 特 異 性 を 具 体 的 に 確 認 するために ローゼンターラー 広 場 を 描 写 した 有 名 な 一 節 を 引 用 しておきたい ローゼンターラー 広 場 は 会 話 する 天 気 は 変 わりやすいですが どちらかといえば 良 好 です 気 温 はマイナス1 度 ドイツ 上 空 には 低 気 圧 が 張 り 出 しており それが 各 地 のそれまでの 天 候 を 変 化 さ せましました 気 圧 の 変 化 が 緩 慢 であることから 低 気 圧 の 南 への 張 り 出 しは 遅 いものと 思 われます 路 面 電 車 68 番 がローゼンターラー 広 場 を 横 切 っていく ヴィッテナウ 北 駅 療 養 所 前 ヴェディング 広 場 シュテッティナー 駅 ローゼンターラー 広 場 アレ クサンダー 広 場 シュトラウスベルガー 広 場 フランクフルター 通 り 駅 リヒテンベ ルク ヘルツベルゲ 精 神 病 院 ベルリンの 三 つの 交 通 会 社 は 共 通 運 賃

を 採 用 しています 大 人 乗 車 券 は 20 ペニヒ 学 生 乗 車 券 は 10 ペニヒです 乗 車 料 金 割 引 が 適 用 されるのは 満 14 歳 以 下 の 児 童 見 習 いと 学 生 収 入 のない 大 学 生 戦 争 負 傷 者 地 区 福 祉 局 の 証 明 書 のある 重 度 の 歩 行 障 害 者 となって います ローゼンターラー 広 場 の 中 央 で 黄 色 い 荷 物 をふたつ 持 った 男 が 41 番 の 路 面 電 車 から 飛 び 降 りる 客 を 乗 せていないタクシーがちょうど 彼 の 横 を 走 り 過 ぎる 保 安 警 官 が 男 の 後 ろ 姿 を 見 送 っている 路 面 電 車 の 車 掌 が 姿 を 現 し 警 官 と 車 掌 は 握 手 を 交 わす しかし あの 荷 物 を 持 った 男 は 運 良 く 助 かったな 色 々な 種 類 の 果 実 ブランデーの 卸 値 販 売 ベルゲル 博 士 弁 護 士 公 証 人 ルクターテ 象 からとられたインドの 若 返 り 薬 広 場 から 大 きなブルネン 通 りが 北 へ 伸 びている AEG 電 機 会 社 は 通 りの 左 側 フンボルトハインの 前 にある AEG は 巨 大 企 業 だ 1928 年 の 電 話 帳 によると AEG に 属 するのは 次 の 諸 施 設 である 電 気 照 明 動 力 設 備 中 央 管 理 棟 NW40 フリードリヒ カールウーファー2-4 番 地 近 距 離 交 通 遠 距 離 交 通 北 局 4488 総 務 部 門 衛 エレクトリッシャー ヴェアテ 銀 行 株 式 会 社 インヴァリーデン 通 りは 左 へ 回 り 込 むように 分 岐 している そこを 進 むとシュテ ッティナー 駅 に 至 るが この 駅 にはバルト 海 沿 岸 からの 列 車 が 到 着 する あなた すすだらけじゃないですか ええ ここは 埃 っぽいですね こんにちは さようなら 何 かお 持 ちするものはございますか? 50 ペニヒでお 持 ちします すっかり 休 養 したようですね いえ 日 焼 けなんてすぐに 消 えてしまいま すよ 南 から 広 場 に 合 流 するのは ローゼンターラー 通 りである 向 こう 側 ではアッシ ンガー 居 酒 屋 が 人 々に 食 べ 物 とビールを 出 している エルザッサー 通 りでは 車 道 が 細 い 排 水 溝 まで 柵 で 囲 い 込 まれている 建 設 現 場 の 柵 の 背 後 で 蒸 気 ローラーがしゅーしゅー 音 を 出 している ベッカー フィー ビッヒ 建 設 株 式 会 社 ベルリン W35 ロートリンガー 通 りの 停 留 所 で 四 人 の 人 物 が 4 番 の 路 面 電 車 に 乗 り 込 んだと ころだ 2 人 の 中 年 女 性 に 憂 鬱 そうな 平 凡 な 男 が 一 人 それに 縁 なし 帽 をかぶり 耳 当 てをした 少 年 が 一 人 である 二 人 の 女 性 は 一 緒 に 行 動 しており プリュック 夫 人 とホッペ 夫 人 という 彼 女 たちはホッペ 夫 人 年 のとったほうである の

ために 腹 巻 きを 買 いたいと 思 っているのだ ここでローゼンターラー 広 場 は いくつもの 通 りが 合 流 する 交 通 ネットワークの 結 節 点 として 描 かれている アレクサンダー 広 場 と 同 様 ローゼンターラー 広 場 でも あらゆ るものが 運 動 状 態 にある しかも そこで 運 動 しているのは 路 面 電 車 やタクシーや 駅 に 到 着 する 列 車 それらに 乗 降 する 乗 客 や 工 事 現 場 で 動 く 機 械 だけではない 広 場 を 忙 しく 行 き 交 っているのは なによりもまず 無 数 の 言 説 である 空 間 の 具 体 的 な 描 写 は 十 分 に 展 開 されることなくただちに 無 数 の 小 さな 言 説 の 断 片 (ラジオ 放 送 新 聞 記 事 駅 の 掲 示 店 舗 の 看 板 や 広 告 電 話 帳 の 記 述 街 頭 で 交 わされる 会 話 )の なかに 消 え 去 っていく ローゼンターラー 広 場 とは 人 や 事 物 の 流 れだけでなく 情 報 の 流 れが 合 流 する 場 なのである しかも それらの 人 物 事 物 情 報 の 諸 断 片 は 緊 密 な 統 一 を 作 り 上 げることなく 差 異 と 距 離 を 介 して 緩 やかに 結 びついている 広 場 は 一 見 混 沌 とした 印 象 を 与 えるが 決 して 機 能 不 全 に 陥 っているわけではない 乗 客 も 事 物 も 情 報 も 同 時 にそれぞれの 方 向 に 向 かってよどみなく 動 いている 散 漫 さの 印 象 は 都 市 空 間 を 構 成 するネットワーク( 交 通 機 関 や 情 報 メディア)の 円 滑 な 機 能 の 効 果 なのである 1920 年 代 後 半 のべルリンを 描 くためには それ 以 前 の 都 市 文 学 のように ただ 物 理 的 空 間 ( 街 頭 )を 描 写 するだけでは 不 十 分 である デーブリーンはそのことに 気 がつい ていた べルリンの 都 市 空 間 は 物 理 的 空 間 とデータ 空 間 の 重 合 として 成 立 している しかも 交 通 システムや 大 企 業 の 組 織 などは データのレベルでしか 把 握 され 得 ない したがって べルリンを 描 くためには なによりもまず そこで 作 用 している 不 可 視 の 情 報 ネットワークをこそ 記 述 しなければならない このような 認 識 のもと べルリン アレク サンダー 広 場 では 都 市 空 間 の 現 実 主 義 的 描 写 がデータ 処 理 にとって 代 わられる 空 模 様 の 描 写 の 代 わりに 天 気 概 況 が AEG の 建 物 の 描 写 のかわりに 電 話 帳 から 読 みとれる 組 織 構 成 が 記 述 されるのである デーブリーンがこの 小 説 で 導 入 したモンタ ージュの 手 法 は 物 理 層 と 情 報 層 からなる 機 能 的 ネットワークとしてべルリンを 記 述 す るために 選 ばれた 方 法 であった 上 に 引 用 した 一 節 からもわかるとおり デーブリーン のモンタージュの 特 徴 は ラディカルな 並 置 性 にある 異 なる 諸 要 素 を 高 次 の 統 一 に 導 くことも 一 方 を 他 方 に 従 属 させることもなく すべてを 平 準 化 しつつ 隣 接 性 におい て 結 びつける そのようなモンタージュによる 都 市 空 間 の 記 述 においては たとえ 名 前

を 持 っていようとも あらゆる 人 物 は 匿 名 的 存 在 機 能 的 システムの 相 関 項 に 還 元 されてしまう だがもしそうだとしたら いかにしてべルリンを 舞 台 に 物 語 を 語 ることができるのだろう か? どうやって 小 説 が 可 能 となるのだろうか? というのも ベンヤミンが 的 確 に 指 摘 したように 小 説 はまさに 個 人 の 生 の 通 約 不 可 能 性 に 依 拠 しており 情 報 ネットワーク の 記 述 に 含 まれる 匿 名 化 平 準 化 の 力 学 と 鋭 く 対 立 するからである もちろんデーブリーンの 小 説 でも 物 語 は 語 られる それはフランツ ビーバーコプフ という 中 年 男 を 主 人 公 とする 物 語 である 簡 単 に 要 約 すると 次 のような 話 だ 元 運 搬 労 働 者 フランツ ビーバーコプフは 恋 人 イーダを 殴 り 殺 した 罪 で4 年 間 服 役 した 後 に 出 所 する フランツは これからは 品 行 方 正 に 生 きようと 決 意 し ネクタイ 留 めや 新 聞 を 売 って 生 計 を 立 てようとするがうまくいかず 信 頼 していた 同 僚 のリューダースにも 裏 切 られ 深 く 失 望 する どうにか 失 意 の 底 から 立 ち 直 ったとき フランツはラインホルトと いう 若 者 と 知 り 合 いになるが ある 晩 ひょんなことから 犯 罪 組 織 の 盗 みに 巻 き 込 まれ 逃 亡 の 途 上 でラインホルトによって 車 から 突 き 落 とされる 命 は 取 り 留 めたものの 右 腕 を 失 ったフランツは 元 恋 人 のエーファの 紹 介 でミーツェという 若 い 女 の 子 と 出 会 い 彼 女 を 愛 するようになる しかし 幸 せな 日 々も 束 の 間 ミーツェは 彼 女 に 目 をつけたライ ンホルトによって 森 に 連 れ 出 され 殺 されてしまう 絶 望 したフランツは 飲 み 屋 の 手 入 れのさいに 警 官 に 発 砲 して 逮 捕 され ついには 精 神 病 院 に 収 監 されることになる フ ランツはそこで 神 秘 的 な 死 と 復 活 を 経 験 し フランツ カール ビーバーコプフとしてべ ルリンに 舞 い 戻 る そして 小 説 はこのビーバーコプフが 工 場 で 守 衛 補 佐 として 働 き 始 めたことを 述 べて 終 わりを 迎 える しかしながら デーブリーンの べルリン アレクサンダー 広 場 において 主 人 公 の 人 生 の 軌 跡 を 辿 る 物 語 は 上 に 述 べたような 仕 方 で 都 市 空 間 を 提 示 するモンタージュ によって 絶 えず 中 断 され 断 片 化 され 相 対 化 される 私 たちは 都 市 空 間 を 忙 しなく 行 き 交 う 情 報 の 断 片 の 錯 綜 のなかで しばしば 主 人 公 の 姿 を 見 失 ってしまう そこで は 語 り 手 の 声 さえもが 交 錯 する 無 数 の 言 説 のひとつとして 扱 われる モンタージュと 物 語 という 二 つの 原 理 の 緊 張 関 係 が デーブリーンの 小 説 の 構 成 を 規 定 している こ の 構 成 がもたらす 第 一 の 効 果 は 主 人 公 と 彼 の 人 生 の 月 並 みさが 一 瞬 たりともごまか されないということである フランツ ビーバーコプフには 特 筆 すべきところは 何 もない 彼 は 他 の 多 くの 人 々が 持 っているのと 同 じ 偏 見 や 意 見 や 好 みをもつ 人 間 に 過 ぎない

ローゼンターラー 広 場 で 路 面 電 車 から 飛 びおりる 男 アッシンガーでビールを 飲 んで いる 男 二 人 の 中 年 女 性 と 乗 り 合 わせた 男 から フランツを 区 別 するものはなにもない ビーバーコップフを 世 界 の 中 心 に 据 える 物 語 が 繰 り 返 しモンタージュによって 相 対 化 されることによって 彼 もまた 広 場 を 行 き 交 う 人 間 たちの 一 人 にすぎないことが 絶 えず 示 唆 されるのである ところが 小 説 が 進 展 するにつれて 最 初 は 鋭 く 対 立 していた 物 語 とモンタージュの 関 係 が 変 容 していく まず 語 り 手 の 声 が 多 声 的 になる 終 始 主 人 公 にたいしてアイロ ニカルな 距 離 を 維 持 し 小 説 冒 頭 ではビーバーコップフの 出 所 を 刑 の 始 まり と 呼 ん だ 語 り 手 の 声 に 混 じって 親 友 や 我 が 子 に 語 りかけるように 主 人 公 に 呼 びかける 語 り 手 の 声 が 現 れる そしてそれらいくつもの 声 は 物 語 の 進 展 と 共 鳴 するアレゴリカルな 描 写 と 入 れ 替 わる そこではもはや どの 部 分 が 物 語 でどの 部 分 がモンタージュなの かをはっきりと 区 別 することができなくなる そのようにして フランツ ビーバーコプフと ミーツェの 物 語 は せいぜい 大 衆 新 聞 の 三 面 記 事 のネタになる 程 度 のよくある 話 とし て しかし 同 時 にまた 残 酷 で 悲 痛 な 愛 の 物 語 でもあるものとして 描 かれることになる 月 並 みにも ましてや 厳 粛 にもならずに 月 並 みなことが 本 当 のことであり すなわち 厳 粛 なことでもあるということを 受 け 入 れるのを 助 けてくれた とファスビンダーが 語 るデ ーブリーンの 小 説 の 力 は そのようなモンタージュと 物 語 との 錯 綜 した 関 係 に 多 くを 負 っている 3. ファスビンダーによる べルリン アレクサンダー 広 場 は 1979 年 7 月 から 1980 年 4 月 まで 主 にミュンヘンのバヴァリア スタジオで 撮 影 され 1980 年 の 末 にシリーズものと してテレビ 放 映 された ただし この 15 時 間 に 及 ぶ 大 作 は16 ミリフィルムで 撮 影 されて おり 深 い 明 暗 を 生 み 出 す 照 明 や 縦 の 構 図 によるワンシーン ワンショットが 多 用 され ていることからもわかるとおり あくまでも 映 画 作 品 として 作 られた そしてまさにそれゆ えに 当 時 まだ 白 黒 テレビが 主 流 だったドイツでこの 作 品 が 放 映 されたとき 画 面 が 暗 すぎて 何 が 起 こっているのかわからないという 非 難 を 浴 びることになったのだった 1931 年 に 作 られたフィル ユーツィによる 映 画 化 が 原 作 の 大 胆 な 脚 色 を 行 っていたの とは 対 照 的 に ファスビンダーの 映 画 は 原 作 の 物 語 にかなりの 程 度 まで 忠 実 である デーブリーンの 小 説 の 読 者 ならば 15 時 間 という 上 映 時 間 にも 過 度 に 話 が 引 き 延 ば

されているという 印 象 を 持 つことはないだろう しかしながら 話 の 筋 ではなく 語 りのスタイルという 点 からみると 当 然 のことながら 小 説 と 映 画 には 大 きな 違 いが 存 在 する ファスビンダーの 映 画 では 前 節 で 私 たちが 確 認 したような モンタージュを 駆 使 した 都 市 空 間 の 記 述 は 試 みられていない これは 後 で 確 認 するように ファスビンダーの 映 画 において 作 品 世 界 としてのべルリンが 小 説 とは 全 く 違 った 仕 方 で 構 成 されていることと 密 接 に 関 係 している そして デーブリ ーンの 小 説 においてモンタージュと 物 語 との 緊 張 関 係 が 作 品 の 構 成 原 理 だったとす れば ファスビンダーの 映 画 では 言 葉 と 映 像 との 多 様 な 関 係 が 語 りのスタイルを 決 定 している ここで 映 像 に 対 置 される 言 葉 とは 登 場 人 物 が 語 る 台 詞 以 外 の 言 葉 つ まりファスビンダー 自 身 が 担 当 しているナレーション ラジオやレコードから 流 れてくる 声 そして 字 幕 である これらの 言 葉 はすべて 映 画 の 登 場 人 物 たちが 閉 じ 込 められ ている 空 間 の 外 部 から 由 来 する たとえば 第 一 話 でフランツ ビーバーコプフ(ギュン ター ランプレヒト)がイーダ(バーバラ ヴァレンティン)を 撲 殺 する 場 面 で フランツの 暴 力 をニュートンの 法 則 で 説 明 する 新 即 物 主 義 的 なナレーションが 語 られるとき そ の 言 葉 は 映 像 にたいして 強 烈 な 異 化 効 果 を 発 揮 する 他 方 映 画 全 体 を 通 して 何 度 も 繰 り 返 されるべルリンの 屠 殺 場 についてのナレーションは 私 たちが 見 つめる 映 像 にアレゴリカルな 意 味 を 付 与 している またフランツが 墓 地 でミーツェ(バーバラ スコヴ ァ)と 再 会 する 場 面 では べルリンの 年 間 死 者 数 の 統 計 が 淡 々と 語 られる ミーツェの 死 もそれら 無 数 の 死 のひとつにすぎない これらのナレーションでは デーブリーンの テクストにおける 異 なる 文 体 のモンタージュが 映 像 と 音 の 関 係 として 再 構 成 されてい る また 選 挙 演 説 を 伝 えるラジオ 放 送 は 外 部 から 隔 絶 されているように 見 える 室 内 空 間 を 外 の 世 界 と 結 びつけ 字 幕 は 比 較 的 短 い 原 作 の 一 節 によって 場 面 にコメント を 加 えていく すでに 述 べたように ファスビンダーの べルリン アレクサンダー 広 場 では デーブ リーンの 小 説 で 試 みられていたような 都 市 空 間 の 表 象 は 見 出 されない そこではロー ゼンターラー 広 場 もアレクサンダー 広 場 も 描 かれることがない ファスビンダーの べル リン アレクサンダー 広 場 の 特 徴 は ほとんどの 場 面 が 室 内 で 展 開 する 点 にある こ のことは 単 にスタジオ 撮 影 という 制 作 条 件 にだけでなく ファスビンダーがフランツ ビ ーバーコップフの 人 生 をどのような 視 点 から 描 いているかに 関 係 している ファスビンダーの べルリン アレクサンダー 広 場 に 登 場 する 様 々な 室 内 空 間 は そ

のほとんどが 高 度 に 自 己 完 結 的 な 閉 鎖 性 を 帯 びており あたかも 登 場 人 物 たちを 閉 じ 込 める 牢 獄 ででもあるかのように 造 形 されている 確 かにデーブリーンの 小 説 でも ビーバーコプフは 何 度 か 室 内 に 退 却 する しかし 彼 はそこに 留 まることができない 遅 かれ 早 かれ 再 び 街 路 に 出 て 行 かざるを 得 ないのだ というのも 小 説 の 主 人 公 フラ ンツはいわば 街 路 に 投 げ 出 された 者 であり どこにも 自 分 の 居 場 所 を 見 出 せない 存 在 だからである 彼 の 苦 境 はテーゲルの 刑 務 所 の 壁 の 外 に 放 り 出 されたときに 始 ま る 彼 がべルリンで 出 会 う 連 中 はそれぞれ 自 分 の 役 をきちんと 演 じているようにみえる のに 彼 自 身 は 右 翼 にも 左 翼 にも ヘテロセクシャルにもホモセクシャルにも 失 業 者 にもギャングにもなることができない そういうわけで デーブリーンの 小 説 では 街 頭 が ビーバーコプフの 苦 境 と 幸 福 の 源 泉 となる それにたいして ファスビンダーの 描 くフラ ンツ そして 彼 の 周 囲 の 登 場 人 物 たちは 空 間 に 捕 らえられた 者 たち である この 映 画 に 登 場 する 室 内 空 間 には 確 かに 窓 があり しばしば 登 場 人 物 が 窓 辺 に 立 つこと もあるのだが 窓 越 しに 戸 外 の 風 景 が 見 えることはほとんどない この 点 でもっとも 印 象 的 なのは ラインホルト(ゴットフリート ヨーン)も 属 する 窃 盗 団 のリーダーであるプム ス(イーヴァン デスニ)のオフィスである プムスが 座 る 椅 子 の 背 後 には 大 きな 窓 がある のだが それは 光 の 壁 となって 視 界 を 遮 断 している また この 映 画 でファスビンダー は ほとんど 偏 執 的 とも 思 えるまでに フレームの 二 重 化 を 追 求 している フランツやラ インホルトの 部 屋 で 私 たちが 視 界 を 全 く 遮 られずに 登 場 人 物 を 見 つめることは 例 外 的 な 瞬 間 にのみ 可 能 である フレーム 内 の 人 物 は 柱 や 家 具 によって 狭 められた 空 間 に 押 し 込 められ 鏡 や 格 子 などによって 枠 をはめられ さもなくば 不 透 明 なガラスの 向 こう 側 にのみ 姿 を 現 す ベッドの 柵 や 鳥 かごや 猿 の 檻 は その 向 こう 側 に 人 物 が 配 置 されることで 人 物 を 拘 束 する 檻 となる ファスビンダーのべルリンは ばらばらの 閉 じた 部 屋 からなっている デーブリーンにおいても 物 語 は 省 略 的 に 語 られ 明 確 な 動 機 づけを 欠 いたエピソードの 連 なりとして 構 成 されていたが ファスビンダーの 映 画 では 互 いに 切 り 離 された 空 間 の 配 列 が そのような 語 りの 構 造 に 対 応 している そしてファ スビンダーが 描 くのは みずからを 枠 づける 諸 力 に 拘 束 されて 自 由 を 奪 われた 人 間 た ちの 関 係 である ファスビンダーの べルリン アレクサンダー 広 場 における 敷 居 の 決 定 的 な 重 要 性 は このような 空 間 構 成 に 由 来 する 映 画 の 冒 頭 監 獄 から 出 る 場 面 が 示 しているように フランツ ビーバーコプフは 敷 居 を 前 にして 躊 躇 する 人 物 である 監 獄 の 出 口 の 敷

居 を 越 えようとした 途 端 耳 を 聾 する 街 頭 の 騒 音 がフランツに 襲 いかかり 彼 は 思 わず 監 獄 のなかに 逃 げ 込 もうとする(ちなみにデーブリーンの 小 説 ではすでに 壁 の 外 にい るところから 小 説 は 始 まる) この 場 面 は この 映 画 における 内 部 空 間 の 両 義 性 を 見 事 に 描 いている それは 人 物 を 外 部 の 世 界 から 守 ると 同 時 に 自 由 を 奪 うのである フ ランツは 自 分 の 部 屋 でもラインホルトの 部 屋 でも 窓 辺 に 立 って 不 安 げに 外 の 世 界 を 眺 める とりわけ 感 動 的 なのは 右 腕 を 失 ったフランツがエーファ(ハンナ シグラ)と ヘルベルト(ローガー フリッツ)の 住 居 を 去 ることを 決 意 し 再 び 外 の 世 界 に 足 を 踏 み 出 すそうとする 場 面 である そのときフランツはまず 住 居 の 扉 という 扉 を 次 々と 開 いてま わり 敷 居 を 越 えるレッスンを 繰 り 返 す すべての 部 屋 の 扉 を 開 け 放 った 後 で 彼 はよ うやく 玄 関 の 扉 を 開 き 外 へ 出 て 行 くことができるようになるのである フランツの 住 居 の 大 家 であるバスト 夫 人 (ブリギッテ ミーラ)は デーブリーンの 小 説 には 登 場 しない 人 物 であるが まさしくフランツの 部 屋 への 敷 居 を 守 護 する 存 在 であ る フランツの 部 屋 に 入 ろうとする 者 は 誰 でもまず 彼 女 のチェックを 受 けねばならない のだ ただし ひとりだけ 例 外 が 存 在 する ミーツェである エーファに 呼 ばれて 階 段 を 上 がってきたミーツェは バスト 夫 人 の 仲 介 を 受 けることなく いつのまにかフランツの 部 屋 に 入 り 込 み 彼 の 前 に 立 つ その 姿 を 見 たフランツは 思 わず まるで 太 陽 が 昇 ったみたいだ とつぶやいてしまう 彼 女 を 膝 に 乗 せた 彼 は この 少 女 をミーツェと 命 名 する この 命 名 によって 彼 女 はフランツのミーツェとなるのである このときカメラはふた りを 見 つめながらゆっくりと 左 から 右 へ 移 動 し それに 続 いて 字 幕 が 示 される そして 字 幕 が 消 えると 視 界 は 一 気 に 開 け 私 たちは 湖 でボートに 乗 るふたりを 見 つめること になる フランツ ビーバーコプフとは 対 照 的 に 躊 躇 うことなく 敷 居 を 越 えるミーツェの 登 場 とともに 映 画 はそれまでの 閉 塞 から 解 放 されるのである 以 後 バスト 夫 人 に 代 わ って ミーツェがフランツを 外 部 の 世 界 から 守 る 存 在 となる そしてそのために 彼 女 は ラインホルトに 殺 害 される ラインホルトのせいで 右 腕 を 失 った 後 も ビーバーコプフは 何 故 か 彼 の 部 屋 を 訪 ね ていく このふたりの 関 係 において 積 極 的 に 敷 居 を 越 えようとするのは フランツの 方 であり この 点 でラインホルトとミーツェは 対 称 的 な 位 置 にある じっさい フランツはふ たりを 同 時 に 愛 しているのだ そのさいファスビンダーが 描 くフランツとラインホルトの 関 係 で 見 る 者 に 強 い 印 象 を 残 すのは フランツがラインホルトを 見 つめるときにきまって 見 せる 微 笑 みである 盗 みに 入 って 逃 走 する 車 の 中 でも その 後 初 めてラインホルト

の 部 屋 を 訪 ねたときにも フランツは 優 しい 笑 みを 浮 かべていた それに 対 してライン ホルトは 残 酷 な 仕 打 ちを 繰 り 返 す 一 度 目 は 車 から 突 き 落 とし 二 度 目 にはフランツ にシャツを 脱 がせ 傷 口 を 見 て えらく 気 持 ち 悪 いな という 言 葉 を 投 げつける しかし その 次 にフランツが 再 度 ラインホルトのもとを 訪 ねるとき フランツはなお 同 じ 微 笑 みを 見 せるのである そして 映 画 の 最 後 生 まれ 変 わったフランツがラインホルトの 裁 判 で 証 言 するときには ふたりは 微 笑 みながら 視 線 を 交 わすことになる この 微 笑 みは フ ランツが 信 頼 した 人 間 に 裏 切 られたり 裏 切 られることへの 不 安 に 襲 われたりしたとき に 経 験 する 無 力 感 と 卒 倒 の 対 極 にある この 微 笑 みは 憎 悪 や 信 頼 を 越 えたところに ある 感 情 であり ファスビンダーが 社 会 的 なことに 脅 かされていない 純 な 愛 と 呼 んだ ものを 暗 示 している ファスビンダーは フランツがイーダを 撲 殺 する 場 面 を 何 度 も 示 したり ラインホルトと ミーツェの 森 での 密 会 をフランツとのミーツェのデートの 反 復 として 提 示 したり エーフ ァがミーツェの 代 わりにフランツの 子 どもを 生 むというエピソードを 強 調 することによって デーブリーンの 小 説 に 潜 在 していた 精 神 分 析 的 反 復 構 造 を 鮮 明 に 浮 かび 上 がらせ ている だがそのような 構 造 がもっと 大 胆 かつ 徹 底 的 に 展 開 されるのは 言 うまでもな くエピローグにおいてであろう そこでは 映 画 に 登 場 したすべての 空 間 が 姿 を 変 えて 現 れる 興 味 深 いことに 雑 踏 や 車 の 往 来 が 消 え 去 ることによって 街 頭 すらも 室 内 空 間 に 変 貌 している そして このエピローグにおいて 初 めて それまで 切 り 離 されて 存 在 していたいくつもの 空 間 のあいだに 地 下 的 なネットワークが 形 成 される フランツ ビーバーコプフがひとつの 部 屋 から 別 の 部 屋 へと 移 動 するたびに 彼 と 関 係 した 人 物 たちが 登 場 し 彼 を 叱 責 する そのさいミーツェ ラインホルト リューダース(ハーク ボ ーム) イーダなどの 登 場 人 物 が 一 瞬 のうちに 入 れ 替 わる 夢 の 論 理 にしたがって 展 開 するエピローグの 中 心 には 屠 殺 場 のイメージがある それは 現 実 世 界 のアレゴリー である フランツの 屠 殺 は 同 時 に 供 儀 となり いかにも 深 みを 欠 いた 磔 刑 と 原 子 爆 弾 のイメージで 物 語 はその 空 虚 な 終 点 に 到 達 する このあとにはもはや 語 られるべきこと は 存 在 しない 映 画 べルリン アレクサンダー 広 場 のエピローグは デーブリーンの 小 説 が 描 いたべルリンの 都 市 空 間 を 無 意 識 の 論 理 によって 統 御 された 欲 望 の 迷 宮 として 私 たちの 眼 前 に 提 示 するのである

主 要 参 考 文 献 Jochen Boberg u.a. (Hg.): Die Metropole. München 1986. Alfred Döblin: Berlin Alexanderplatz. München 1965. Klaus Biesenbach (Hg.): Fassbinder: Berlin Alexanderplatz. Berlin 2007. Thomas Elsaesser: Fassbinder s Germany. Amsterdam 1996. ライナー ヴェルナー ファスビンダー 映 画 は 頭 を 解 放 する ( 明 石 政 紀 訳 ) 東 京 1998 年 渋 谷 哲 也 平 沢 剛 編 ファスビンダー 東 京 2005 年 初 出 : nobody #30( 2009)