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連 載 IFRS 及 びIASの 解 説 第 15 回 IFRS 第 1 号 国 際 財 務 報 告 基 準 の 初 度 適 用 について 公 認 会 計 士 おお きた 大 北 ひさ し 尚 史 1 はじめに 本 稿 では 国 際 財 務 報 告 基 準 ( 以 下 IFRS という)におけるIFRS 第 1 号 国 際 財 務 報 告 基 準 の 初 度 適 用 について 解 説 する 2009 年 6 月 末 に 金 融 庁 ( 企 業 会 計 審 議 会 )から 日 本 の 上 場 会 社 について 早 ければ2015 年 又 は2016 年 にIFRSを 一 斉 に 又 は 段 階 的 に 強 制 適 用 する 可 能 性 を 示 唆 するロードマップが 出 されている 中 このIFRS 第 1 号 を 十 分 に 理 解 し いかに 効 率 的 に 日 本 基 準 からIFRS への 移 行 を 図 るかを 検 討 することが 重 要 となってきている なお 本 稿 は 2008 年 11 月 に 公 表 され 2009 年 7 月 1 日 以 降 に 始 まる 会 計 期 間 から 適 用 される 同 基 準 ( 改 訂 版 )の 内 容 についての 解 説 であり また 本 文 中 の 意 見 に 関 する 部 分 は 筆 者 の 私 見 である 点 をあらかじめお 断 りする 2 会 計 処 理 IFRS 第 1 号 国 際 財 務 報 告 基 準 の 初 度 適 用 の 目 的 IFRS 第 1 号 は もともと2003 年 6 月 に 公 表 された 基 準 であり IFRS を 初 めて 適 用 する 企 業 に 対 し 包 括 的 なガイダンスを 提 供 することを 目 的 としている この 基 準 書 は 解 釈 指 針 書 (Standing Interpretations Commitee 以 下 SIC という ) 第 8 号 会 計 処 理 の 主 要 な 基 礎 とし てのIASの 初 度 適 用 に 取 って 替 わ る 基 準 書 として 公 表 されたものであ る IFRS 第 1 号 も 基 本 的 にはSIC 第 8 号 同 様 大 部 分 の 領 域 に 関 し 国 際 財 務 報 告 基 準 の 遡 及 適 用 を 要 請 している しかしながら 企 業 が 初 めて 国 際 財 務 報 告 基 準 を 適 用 して 財 務 情 報 を 作 成 するに 当 たり 財 務 情 報 の 利 用 者 の 便 益 を 上 回 るような 過 大 なコスト 負 担 を 企 業 に 強 いること がないよう SIC 第 8 号 においては 必 ずしも 明 確 ではなかった 遡 及 適 用 が 免 除 される 例 外 的 な 取 扱 いを 具 体 的 に 規 定 している また IFRS 第 1 号 では 国 際 財 務 報 告 基 準 への 移 行 に 係 る 影 響 に 関 する 情 報 の 開 示 ( 資 本 の 部 利 益 キャッシュ フ ローへの 影 響 等 )が 強 化 されている その 後 IFRS 第 1 号 は 他 の 新 し いIFRSの 基 準 書 の 発 行 や 既 存 の 基 準 書 の 改 訂 に 伴 い 多 くの 改 訂 がな されることになった 結 果 より 複 雑 化 し 明 瞭 さを 欠 くことになった このため 利 用 者 にとってより 理 解 しやすく また 将 来 の 変 更 にも 対 応 できるように 実 質 面 を 変 えるこ となく 構 成 等 を 変 更 したものが 今 回 解 説 する2008 年 に 公 表 された 改 訂 版 である 適 用 範 囲 本 基 準 が 適 用 対 象 となるのは 企 業 が 初 めて 国 際 財 務 報 告 基 準 に 準 拠 した 財 務 諸 表 を 作 成 する 場 合 ( 最 初 のIFRS 財 務 諸 表 の 作 成 )と こ の 初 度 適 用 の 対 象 となる 会 計 年 度 の 期 中 財 務 報 告 をIAS 第 34 号 に 基 づい て 行 う 場 合 である(IFRS 第 1 号 2 項 ) 最 初 のIFRS 財 務 諸 表 とは 企 業 が 明 確 に 特 に 限 定 をつけること なく 国 際 財 務 報 告 基 準 に 準 拠 してい る 旨 を 示 して 会 計 処 理 の 基 礎 とし て 国 際 財 務 報 告 基 準 を 採 用 する 最 初 の 年 の 年 次 財 務 諸 表 である(IFRS 第 1 号 AppendixA) この 最 初 のIFRS 財 務 諸 表 の 作 成 に 該 当 するのは 従 前 まで 国 際 財 務 報 告 基 準 とすべての 点 では 一 致 していない 各 国 の 基 準 に 基 づいて 財 務 諸 表 を 作 成 している 場 合 はもとより 例 えば 以 下 のよう 会 計 監 査 ジャーナル No.651 OCT. 2009 29

な 場 合 も 過 去 からIFRS 財 務 諸 表 を 作 成 していたとはいえず 最 初 のIFRS 財 務 諸 表 の 作 成 に 該 当 する(IFRS 第 1 号 3 項 ) 直 近 の 財 務 諸 表 がすべての 点 で 国 際 財 務 報 告 基 準 に 準 拠 して 作 成 されているが 明 確 に 特 に 限 定 を つけることなく 国 際 財 務 報 告 基 準 に 準 拠 している 旨 を 示 していない 場 合 自 国 のGAAPの 下 で 直 近 の 財 務 諸 表 を 作 成 するとともに 国 際 財 務 報 告 基 準 に 準 拠 した 場 合 の 財 務 ( 図 1)IFRS 第 1 号 における 定 義 IFRS 第 1 号 は 企 業 に 対 し 直 近 で 開 示 する 国 際 財 務 報 告 基 準 に 準 拠 した 財 務 諸 表 に 加 えて 最 低 でも1 年 分 の 比 較 情 報 を 開 示 することを 要 求 している( 同 21 項 ) また 比 較 情 報 として 表 示 されている 最 初 の 年 度 の 期 首 ( IFRS 移 行 日 )から 国 際 財 務 報 告 基 準 に 基 づいた 開 始 財 政 状 態 計 算 書 の 作 成 ( IFRS 開 始 財 政 状 態 計 算 書 )の 作 成 及 び 開 示 を 要 求 しており この 移 行 日 時 点 の 開 始 財 政 状 態 計 算 書 が IFRSに 準 拠 し た 会 計 処 理 の 起 点 となる( 同 6 項 ) したがって 3 月 決 算 の 日 本 企 業 が 2015 年 3 月 期 から 国 際 財 務 報 告 基 準 を 初 めて 適 用 する 場 合 2015 年 3 月 数 値 への 調 整 表 を 開 示 している 場 合 国 際 財 務 報 告 基 準 に 基 づく 財 務 諸 表 を 内 部 用 にのみ 作 成 し 外 部 利 用 者 に 公 表 していない 場 合 会 計 処 理 に 関 する 基 本 的 な 取 扱 い 1 作 成 対 象 となる 財 務 諸 表 と 基 本 的 な 要 求 IFRS 第 1 号 を 理 解 する 上 で 同 基 準 におけるいくつかの 用 語 の 定 義 を 理 解 することが 重 要 である 同 基 準 のAppendixAで 定 義 されている 主 な 用 語 は 添 付 の 図 のとおりである 報 告 日 - 財 務 諸 表 又 は 期 中 財 務 報 告 の 対 象 となっている 最 終 の 報 告 期 間 の 末 日 移 行 日 - 最 初 のIFRS 財 務 諸 表 において IFRSに 基 づく 完 全 な 比 較 情 報 を 表 示 する 最 初 の 期 間 の 期 首 移 行 日 = IFRS 開 始 財 政 状 態 計 算 書 2013.4.1 比 較 期 間 最 初 のIFRS 財 務 諸 表 報 告 日 2014.3.31 2015.3.31 期 の 財 務 諸 表 に 加 え 少 なくとも 2013 年 4 月 1 日 現 在 の 開 始 財 政 状 態 計 算 書 と2014 年 3 月 期 の 財 務 諸 表 を 国 際 財 務 報 告 基 準 に 準 拠 して 作 成 す ることが 必 要 となる このケースに おいて 移 行 日 は2013 年 4 月 1 日 報 告 日 は2015 年 3 月 末 2015 年 3 月 期 のIFRS 財 務 諸 表 が 最 初 のIFRS 財 務 諸 表 となる 国 際 財 務 報 告 基 準 の 初 度 適 用 会 社 は IFRS 開 始 財 政 状 態 計 算 書 及 び 開 示 対 象 のIFRS 財 務 諸 表 の 作 成 に 当 たり 同 一 の 会 計 方 針 を 採 用 しなけ ればならない( 同 7 項 ) これらの 財 務 諸 表 を 作 成 する 場 合 に 準 拠 すべ き 国 際 財 務 報 告 基 準 は 開 示 する 最 終 のIFRS 財 務 諸 表 の 財 政 状 態 計 算 書 日 ( 報 告 日 : 上 記 の2015 年 3 月 期 を 直 近 年 度 として 国 際 財 務 報 告 基 準 を 適 用 する 場 合 は 2015 年 3 月 末 ) において 有 効 な 基 準 である( 同 7 項 ) したがって 例 えば 基 準 又 は 改 訂 基 準 の 発 効 日 がIFRS 開 始 財 政 状 態 計 算 書 日 より 後 であっても 直 近 の 財 政 状 態 計 算 書 日 ( 報 告 日 )より 前 である 場 合 には これらの 最 新 の 基 準 は IFRS 開 始 財 政 状 態 計 算 書 や 比 較 情 報 として 開 示 する 前 期 の 財 務 諸 表 にも 適 用 されることになる また 早 期 適 用 が 可 能 な 基 準 につ いては その 新 しい 基 準 を 適 用 する ことができる( 同 8 項 ) 他 の 国 際 財 務 報 告 基 準 の 基 準 書 の 移 行 措 置 は 国 際 財 務 報 告 基 準 初 度 適 用 の 企 業 に ついては 適 用 されない( 同 9 項 た だし AppendixBからEに 規 定 され ている 場 合 を 除 く) 2 IFRS 開 始 財 政 状 態 計 算 書 の 作 成 IFRS 開 始 財 政 状 態 計 算 書 の 作 成 に 当 たり IFRS 第 1 号 の 基 本 的 な 要 求 は 以 下 のとおりである( 同 10 項 ) 国 際 財 務 報 告 基 準 によって 認 識 が 要 求 されている 資 産 及 び 負 債 を すべて 認 識 する 国 際 財 務 報 告 基 準 の 認 識 基 準 を 満 たしていない 資 産 及 び 負 債 は 認 識 しない 従 前 適 用 していた 会 計 基 準 ( 従 前 のGAAP )と 国 際 財 務 報 告 基 準 において 資 産 負 債 又 は 資 本 の 構 成 要 素 としての 分 類 が 異 なる 項 目 については 国 際 財 務 報 告 基 準 の 規 定 に 合 わせ 組 替 えを 行 う 認 識 されたすべての 資 産 及 び 負 債 を 国 際 財 務 報 告 基 準 に 従 い 再 測 定 する なお 上 記 の10 項 が 要 求 するIFRS 開 始 財 政 状 態 計 算 書 の 作 成 方 法 は 30 会 計 監 査 ジャーナル No.651 OCT. 2009

IFRS 開 始 財 政 状 態 計 算 書 日 以 降 の 取 引 について 国 際 財 務 報 告 基 準 を 適 用 することを 意 味 しているのではな く IFRS 開 始 財 政 状 態 計 算 書 日 現 在 のすべての 資 産 負 債 を 国 際 財 務 報 告 基 準 に 基 づいて 適 切 に 会 計 処 理 す るため 基 本 的 には 必 要 な 範 囲 で 必 要 な 期 間 さかのぼって 国 際 財 務 報 告 基 準 を 適 用 しなければならないこ とを 意 味 している このように 原 則 遡 及 して 国 際 財 務 報 告 基 準 を 適 用 す る 立 場 を 採 用 しているのは 開 示 財 務 情 報 の 信 頼 性 や 比 較 可 能 性 等 を 確 保 するためである(IFRS 第 1 号 結 論 の 根 拠 BC17 項 BC18 項 参 照 ) IFRS 開 始 財 政 状 態 計 算 書 の 作 成 に 際 し 従 前 のGAAPから 国 際 財 務 報 告 基 準 への 移 行 に 伴 い 発 生 した 調 整 額 は 包 括 利 益 計 算 書 を 経 由 する ことなく 利 益 剰 余 金 ( 又 は 適 切 な 場 合 は 資 本 の 部 に 属 する 他 の 項 目 ) の 期 首 残 高 に 直 接 計 上 される(IFRS 第 1 号 11 項 ) また のれんを 調 整 するケースがあるが 別 途 後 述 する 他 の 国 際 財 務 報 告 基 準 の 規 定 に 関 する 適 用 免 除 前 述 のように 本 基 準 は 基 本 的 に IFRS 開 始 財 政 状 態 計 算 書 の 作 成 に 当 たり 国 際 財 務 報 告 基 準 を 遡 及 的 に 適 用 する 立 場 を 採 っている しか しながら 財 務 情 報 の 利 用 者 の 便 益 を 上 回 るような 過 大 なコスト 負 担 を 企 業 に 強 いることがないよう 他 の 国 際 財 務 報 告 基 準 の 規 定 に 関 する 遡 及 適 用 免 除 を 認 めている 国 際 財 務 報 告 基 準 の 初 度 適 用 企 業 は この 免 除 規 定 をすべて 利 用 することもでき るが 任 意 の 項 目 のみを 選 択 して 採 用 することも 認 められている( 同 18 項 ) ただし これらの 免 除 規 定 は あくまで 特 定 の 項 目 に 限 定 されてお り 類 推 適 用 として 他 の 規 定 に 適 用 することができないことには 注 意 を 要 する( 同 18 項 ) 選 択 可 能 な 具 体 的 な 免 除 規 定 は 以 下 のとおりである 値 への 修 正 額 に 遡 及 的 に 適 用 する 必 要 はない(AppendixCC2 項 ) し たがって 国 際 財 務 報 告 基 準 の 初 度 1 企 業 結 合 企 業 が IFRS 移 行 日 より 前 に 認 識 適 用 企 業 が 従 前 のGAAPの 下 のれ んや 公 正 価 値 への 修 正 額 を 取 引 日 レー した 企 業 結 合 に 関 しては IFRS 第 1 号 AppendixCにおいて 次 のような 取 扱 いが 規 定 されている a) IFRS 第 3 号 企 業 結 合 を 遡 及 適 用 する 場 合 の 取 扱 い(AppendixCC1 項 ) IFRS 移 行 日 前 に 行 われた 企 業 結 合 については IFRS 第 3 号 企 業 結 合 を 適 用 しないことができる( 従 前 の GAAPの 下 での 会 計 処 理 を 修 正 する 必 要 はない) しかし IFRS 第 3 号 を 適 用 して 過 去 の 企 業 結 合 の 修 正 再 表 示 を 行 った 場 合 には 当 該 修 正 再 表 示 された 企 業 結 合 以 後 のすべての 企 業 結 合 を 修 正 再 表 示 しなければな らない また 同 時 に 2008 年 に 改 訂 されたIAS 第 27 号 連 結 及 び 個 別 財 務 諸 表 も 同 日 から 適 用 しなけれ ばならない 例 えば 2010 年 6 月 末 に 行 われた 企 業 買 収 取 引 を 遡 及 的 に IFRS 第 3 号 に 従 い 修 正 再 表 示 した 場 合 その2010 年 6 月 末 以 降 IFRS 移 行 日 までに 行 われたすべての 企 業 結 合 につき 修 正 再 表 示 するとともに 同 じく2010 年 6 月 末 以 降 の 企 業 結 合 に ついて 2008 年 改 訂 版 のIAS 第 27 号 を 適 用 しなければならない b) IAS 第 21 号 外 国 為 替 レート 変 動 の 影 響 の 取 扱 い IAS 第 21 号 では 在 外 事 業 体 の 取 得 に 伴 い 発 生 するのれん 並 びに 資 産 及 び 負 債 に 関 する 公 正 価 値 への 修 正 額 は 決 算 日 レートで 換 算 すること トで 換 算 していた 場 合 IFRS 移 行 日 以 降 の 企 業 結 合 に 関 してのみ 上 述 の 決 算 日 レートでの 換 算 を 採 用 する ことが 認 められている また 在 外 事 業 体 の 取 得 に 伴 い 発 生 するのれん 並 びに 資 産 及 び 負 債 に 関 する 公 正 価 値 への 修 正 額 について 遡 及 的 に IAS 第 21 号 を 適 用 して 決 算 日 レート で 換 算 することができる この 場 合 IFRS 移 行 日 前 に 行 われたすべての 企 業 結 合 又 は IFRS 第 3 号 を 適 用 するために 修 正 再 表 示 されたすべて の 企 業 結 合 について 遡 及 適 用 しなけ ればならない( 同 C3 項 ) c) IFRS 第 3 号 企 業 結 合 を 遡 及 適 用 しない 場 合 の 過 去 の 企 業 結 合 の 取 扱 い IFRS 移 行 日 前 に 行 われた 企 業 結 合 については IFRS 第 3 号 を 遡 及 的 に 適 用 しないことができる この 場 合 従 前 のGAAPの 下 でなされてい た 取 扱 い( 法 律 上 の 取 得 者 による 取 得 法 律 上 の 被 取 得 者 による 取 得 ( 逆 取 得 ) 又 は 持 分 プーリング 法 の 適 用 など)は そのまま 維 持 される ( 同 C4 項 ) その 他 以 下 のよう な 取 扱 いが 必 要 である ア. 過 去 の 企 業 結 合 で 取 得 した 資 産 及 び 負 債 の 認 識 過 去 の 企 業 結 合 で 取 得 したIFRS 移 行 日 現 在 の 資 産 及 び 負 債 は すべ て 認 識 しなければならない ただし 以 下 のものを 除 く( 同 C4 項 ) とされている(IAS 第 21 号 47 項 ) 従 前 のGAAPにより 認 識 の 中 止 は この 規 定 をIFRS 移 行 日 前 に 行 われ を 行 った 一 部 の 金 融 資 産 及 び 金 融 負 債 (AppendixBB2 項 参 照 ) た 企 業 結 合 におけるのれんや 公 正 価 従 前 のGAAPの 下 で 取 得 企 業 会 計 監 査 ジャーナル No.651 OCT. 2009 31

の 連 結 財 務 諸 表 で 認 識 されておら ず 国 際 財 務 報 告 基 準 の 下 で 被 取 得 企 業 の 個 別 財 務 諸 表 でも 認 識 することが 認 められない 資 産 (の れんを 含 む) 及 び 負 債 (Appendix CC4 項 から ) なお これらに 関 わる 修 正 は 利 益 剰 余 金 ( 又 は 適 切 な 場 合 は 資 本 の 部 に 属 する 他 の 項 目 )の 修 正 とし て 認 識 する ただし 従 前 において のれんに 含 まれていた 無 形 資 産 を 独 立 して 認 識 する 場 合 には のれんを 修 正 する( 同 C4 項 ) イ.IFRS 開 始 財 政 状 態 計 算 書 から 除 外 される 資 産 及 び 負 債 ( 同 C4 項 ) 従 前 のGAAPの 下 では 認 識 されて いたが 国 際 財 務 報 告 基 準 の 下 では 計 上 が 認 められない 資 産 及 び 負 債 は IFRS 開 始 財 政 状 態 計 算 書 から 除 外 しなければならない その 場 合 の 会 計 処 理 は 次 のとおりである 過 去 の 企 業 結 合 が 取 得 として 処 理 されており IAS 第 38 号 の 要 件 を 満 たさないものを 無 形 資 産 として 処 理 していた 場 合 には 当 該 項 目 ( 関 連 する 繰 延 税 金 及 び 非 支 配 持 分 を 含 む) をのれんに 振 り 替 える 必 要 がある (ただし のれんが 資 本 の 控 除 項 目 とされている 場 合 の 取 扱 いについて は 同 C4 項 参 照 ) それ 以 外 の 修 正 は 利 益 剰 余 金 の 修 正 とし て 認 識 する ウ. 従 前 のGAAPにおける 簿 価 遡 及 修 正 されない 企 業 結 合 におい て 取 得 した 資 産 負 債 の 従 前 のGAAP における 簿 価 は 当 該 企 業 結 合 の 直 後 において 国 際 財 務 報 告 基 準 の 下 でのみなし 原 価 となる 国 際 財 務 報 告 基 準 がその 後 の 期 間 について 取 得 原 価 ベースでの 測 定 を 要 求 している 場 合 当 該 みなし 原 価 は 企 業 結 合 後 のそれらの 減 価 償 却 や 償 却 のベー スとなる( 同 C4 項 ) エ. 取 得 原 価 以 外 で 事 後 測 定 を 行 わ なければならない 資 産 及 び 負 債 国 際 財 務 報 告 基 準 の 下 で 当 初 認 識 以 後 の 測 定 を 取 得 原 価 以 外 ( 公 正 価 値 など)で 行 わなければならない ものは たとえ 過 去 の 企 業 結 合 で 取 得 した 資 産 及 び 負 債 であっても IFRS 開 始 財 政 状 態 計 算 書 では 取 得 原 価 以 外 ( 公 正 価 値 など)で 測 定 し それによる 簿 価 の 修 正 額 は のれん を 修 正 するのではなく 利 益 剰 余 金 ( 又 は 適 切 な 場 合 は 資 本 の 部 に 属 する 他 の 項 目 )の 修 正 として 認 識 す る( 同 C4 項 ) オ. 従 前 のGAAPで 認 識 されていな かった 過 去 の 企 業 結 合 における 資 産 及 び 負 債 の 取 扱 い 過 去 の 企 業 結 合 で 取 得 された 資 産 又 は 負 債 が 従 前 のGAAPの 下 では 認 識 されていなかった 場 合 取 得 企 業 は IFRS 開 始 財 政 状 態 計 算 書 の 作 成 に 当 たって 国 際 財 務 報 告 基 準 の 下 被 取 得 企 業 の 個 別 財 務 諸 表 上 で 認 識 を 要 求 される 基 準 で それら の 資 産 又 は 負 債 を 認 識 測 定 しなけ ればならない( 同 C4 項 ) カ.IFRS 開 始 財 政 状 態 計 算 書 にお けるのれんの 簿 価 IFRS 開 始 財 政 状 態 計 算 書 におけ るのれんは 従 前 のGAAPの 下 で 認 識 された 簿 価 に 以 下 の2つの 修 正 を 反 映 した 金 額 となる( 同 C4 項 ) 上 記 イに 記 載 した 場 合 における 無 形 資 産 からの 振 替 えによる 増 額 修 正 や 上 記 オに 記 載 した 場 合 に おいて 無 形 資 産 を 新 たに 認 識 する ことによる 減 額 修 正 国 際 財 務 報 告 基 準 の 初 度 適 用 企 業 は IFRS 移 行 日 時 点 において 減 損 の 兆 候 の 有 無 にかかわらず 32 会 計 監 査 ジャーナル No.651 OCT. 2009

IAS 第 36 号 を 適 用 して のれんの 減 損 テストを 実 施 し 減 損 の 必 要 があれば 利 益 剰 余 金 に 直 接 計 上 することによって 減 損 損 失 を 認 識 しなければならない この 減 損 テ ストは IFRS 移 行 日 時 点 の 状 況 に 基 づいて 実 施 する この 結 果 と して 減 損 が 認 識 された 場 合 に の れんの 簿 価 の 修 正 が 行 われる IFRS 開 始 財 政 状 態 計 算 書 の 作 成 に 際 し のれんの 簿 価 の 修 正 は 上 記 の2つのケースを 除 いては 行 われ ない 例 えば 過 去 に 行 われたのれ んの 償 却 の 修 正 や 従 前 のGAAPの 下 で 認 識 されたのれんの 修 正 である が IFRS 第 3 号 では 認 められていな いのれんの 修 正 の 戻 しなどは 行 う 必 要 はない( 同 C4 項 ) キ.その 他 その 他 従 前 のGAAPの 下 でのれ んを 資 本 の 部 の 減 少 として 処 理 して いたケース( 同 C4 項 )や 初 度 適 用 企 業 が 従 前 のGAAPの 下 で 過 去 の 取 得 した 子 会 社 を 連 結 していなかっ たケース( 同 C4 項 )の 取 扱 いが 規 定 されている D5 項 ) また IFRS 移 行 日 又 はそ れ 以 前 における 従 前 のGAAPにおけ る 再 評 価 額 を みなし 原 価 とするこ ともできる ただし この 場 合 には 再 評 価 日 で 公 正 価 値 又 は 国 際 財 務 報 告 基 準 の 下 での 取 得 原 価 又 は 償 却 後 原 価 ( 一 般 物 価 指 数 個 別 物 価 指 数 を 調 整 後 )と 再 評 価 額 がおおむね 同 じでなければならない( 同 D6 項 ) 上 記 のような 有 形 固 定 資 産 に 関 す る 取 扱 いは 投 資 不 動 産 につきIAS 第 40 号 の 原 価 モデルを 採 用 する 場 合 や 無 形 資 産 がIAS 第 38 号 における 認 識 基 準 と 再 評 価 の 条 件 を 満 たして いる 場 合 にも 適 用 できる( 同 D7 項 ) また 初 度 適 用 企 業 が 民 営 化 や 株 式 公 開 などの 特 定 の 事 象 が 発 生 し たために 従 前 のGAAPの 下 過 去 の 特 定 の 日 において 資 産 や 負 債 の 全 部 又 は 一 部 に 関 し 公 正 価 値 を 算 定 し この 公 正 価 値 をみなし 原 価 とし て 使 用 していることがある このよ うなみなし 原 価 は その 特 定 の 日 に おける 国 際 財 務 報 告 基 準 の 下 でのみ なし 原 価 として 使 用 することができ る( 同 D8 項 ) d) 過 去 の 関 連 会 社 やジョイント べンチャーの 持 分 の 取 得 3 従 業 員 給 付 IAS 第 19 号 従 業 員 給 付 では 過 去 の 企 業 結 合 へのIFRS 第 3 号 の 遡 及 適 用 の 免 除 規 定 は IFRS 移 行 日 の 前 に 行 われた 関 連 会 社 やジョ イント ベンチャーの 持 分 の 取 得 に 関 しても 同 様 に 適 用 される( 同 C5 項 ) 保 険 数 理 差 損 益 ( 日 本 の 会 計 基 準 に おける 数 理 計 算 上 の 差 異 に 相 当 する) の 償 却 方 法 として 基 本 的 に 一 定 の 保 険 数 理 差 損 益 を 未 認 識 のままとす ることを 認 める 回 廊 アプローチを 採 用 している(ただし 当 該 方 法 より 2 有 形 固 定 資 産 投 資 不 動 産 無 形 資 産 のみなし 原 価 初 度 適 用 企 業 は 国 際 財 務 報 告 基 早 期 に 償 却 が 進 む 方 法 も 採 用 するこ とができる) 国 際 財 務 報 告 基 準 の 初 度 適 用 企 業 がこの 回 廊 アプローチ 準 に 従 った 有 形 固 定 資 産 の 取 得 原 価 又 は 償 却 後 原 価 を 算 定 する 代 わりに IFRS 開 始 財 政 状 態 計 算 書 日 現 在 の 公 正 価 値 を 算 定 し みなし 原 価 とし て 用 いることができる(AppendixD を 採 用 する 場 合 IFRS 開 始 財 政 状 態 計 算 書 の 作 成 に 当 たり 回 廊 アプロー チの 遡 及 適 用 を 要 求 すると 企 業 は 当 該 年 金 制 度 開 始 からIFRS 移 行 日 までの 累 積 の 保 険 数 理 差 損 益 を 未 会 計 監 査 ジャーナル No.651 OCT. 2009 33

認 識 にすべき 部 分 と 認 識 すべき 部 分 に 遡 及 的 に 区 分 する 必 要 がある 国 際 財 務 報 告 基 準 の 初 度 適 用 企 業 にこ のような 負 担 を 強 いることがないよ う 本 基 準 書 は 企 業 がその 後 た とえ 国 際 財 務 報 告 基 準 の 下 で 回 廊 ア プローチを 採 用 する 場 合 であっても 商 品 について 当 初 発 行 時 に 負 債 と 資 本 に 区 分 処 理 することを 要 求 して いる しかしながら IFRS 移 行 日 現 在 において 既 に 負 債 部 分 が 決 済 済 みの 複 合 金 融 商 品 は 遡 及 的 に 負 債 及 び 資 本 に 分 ける 必 要 はない(AppendixD D18 項 ) 告 基 準 の 初 度 適 用 会 社 となる 時 期 が 異 なるケースの 取 扱 い( 同 D16 項 D17 項 ) f. 初 日 の 損 益 ( 活 発 な 市 場 が 存 在 しない 金 融 商 品 を 当 初 認 識 時 に 取 引 価 格 以 上 の 公 正 価 値 で 認 識 した 場 合 に 取 得 時 に 計 上 される IFRS 移 行 日 現 在 での 保 険 数 理 差 損 益 の 累 積 額 について 未 認 識 のまま とすべき 部 分 を 区 分 することなく 6 以 前 に 認 識 された 金 融 商 品 の 分 類 の 指 定 IAS 第 39 号 では 企 業 は 当 初 認 識 損 益 )に 関 する 取 扱 い( 同 D20 項 ) g.ifric 第 1 号 廃 棄 復 旧 及 び それらに 類 似 の 負 債 の 変 動 に 関 一 括 で 利 益 剰 余 金 ( 又 は 適 切 な 場 合 は 資 本 の 部 に 属 する 他 の 項 目 )と して 認 識 することを 認 めている(AppendixD D10 項 ) ただし この 例 外 の 時 点 においてのみ 金 融 商 品 を 公 正 価 値 で 測 定 し 公 正 価 値 の 変 動 に ついて 損 益 として 計 上 する( 所 定 の 要 件 を 満 たしていることを 前 提 とす 連 する 取 扱 い( 同 D21 項 ) h.ifric 第 12 号 サービス 譲 与 契 約 に 関 する 取 扱 い( 同 D22 項 ) i. 借 入 費 用 の 取 扱 い( 同 D23 項 ) 規 定 を 選 択 する 場 合 は すべての 年 金 制 度 についてこの 例 外 規 定 を 適 用 する 必 要 がある る) 又 は 売 却 可 能 金 融 資 産 とし て 公 正 価 値 で 測 定 し その 変 動 は 資 本 の 部 に 計 上 するかの いずれかを 他 の 国 際 財 務 報 告 基 準 の 規 定 の 遡 及 適 用 の 禁 止 国 際 財 務 報 告 基 準 の 導 入 時 に 全 基 4 在 外 子 会 社 などの 為 替 換 算 調 整 勘 定 IAS 第 21 号 外 国 為 替 レート 変 動 選 択 できると 規 定 している この 規 定 にかかわらず 国 際 財 務 報 告 基 準 の 初 度 適 用 企 業 は 既 に 認 識 されて 準 を 遡 及 的 に 全 面 適 用 するという 原 則 的 な 取 扱 いに 対 し IFRS 移 行 日 (IFRS 開 始 財 政 状 態 計 算 書 日 ) 以 降 の 影 響 では 在 外 子 会 社 等 の 財 務 諸 表 の 換 算 から 生 じる 累 積 の 換 算 差 額 ( 為 替 換 算 調 整 勘 定 の 累 積 額 )を 資 本 の 部 で 認 識 し 当 該 投 資 が 処 分 されたときに 処 分 損 益 に 含 めて 処 理 いる 金 融 資 産 負 債 に 関 し 当 該 金 融 商 品 の 当 初 認 識 以 外 の 時 点 である IFRS 移 行 日 にてこの 指 定 を 行 うこと が 認 められている(AppendixD D19 項 ) に 入 手 した 情 報 によってIFRS 開 始 財 政 状 態 計 算 書 を 歪 めることがない よう 4つの 領 域 に 関 し 国 際 財 務 報 告 基 準 の 遡 及 適 用 を 禁 止 している (IFRS 第 1 号 13 項 ) 具 体 的 な 遡 及 適 することが 要 求 されている しかし ながら 国 際 財 務 報 告 基 準 の 初 度 適 7 その 他 本 基 準 書 は 上 記 に 加 えて 以 下 用 の 禁 止 規 定 は 以 下 のとおりであ る 用 企 業 は IFRS 移 行 日 現 在 の 累 積 換 算 差 額 に 関 し 上 記 IAS 第 21 号 の 要 請 のケースに 関 する 取 扱 いを 規 定 して いる 1 金 融 資 産 負 債 の 認 識 の 中 止 に 代 えて すべての 在 外 子 会 社 のIFRS 移 行 日 現 在 での 累 積 換 算 差 額 をゼロ とみなし その 時 点 での 従 前 のGAAP に 従 って 認 識 された 果 積 換 算 差 額 を すべて 利 益 剰 余 金 に 振 り 替 え 将 来 的 に 当 該 投 資 が 処 分 されたときの 処 分 損 益 には IFRS 移 行 日 以 後 の 累 積 換 算 差 額 のみを 含 めるという 例 外 的 な 取 扱 いが 認 められている(AppendixD D13 項 ) a.ifrs 第 2 号 株 式 報 酬 の 適 用 に 関 連 する 取 扱 い(AppendixD D 2 項 D3 項 ) b.ifrs 第 4 号 保 険 契 約 の 適 用 に 関 連 する 取 扱 い( 同 D4 項 ) c.ifric 第 4 号 契 約 にリースが 含 まれているか 否 かの 判 断 に 関 する 取 扱 い( 同 D9 項 ) d. 親 会 社 が 個 別 財 務 諸 表 を 作 成 す る 場 合 の 子 会 社 関 連 会 社 ジョ は 2004 年 1 月 1 日 以 降 に 生 じた 取 引 に 関 してのみIAS 第 39 号 における 金 融 商 品 の 認 識 の 中 止 に 関 する 規 定 を 適 用 する( 同 日 より 前 に 発 生 した 取 引 への 遡 及 適 用 は 行 わない) す なわち もし 従 前 のGAAPの 下 で 2004 年 1 月 以 前 に 発 生 したデリバティ ブ 以 外 の 金 融 資 産 負 債 の 認 識 を 中 止 していた 場 合 国 際 財 務 報 告 基 準 の 下 でも これらの 金 融 資 産 負 債 5 複 合 金 融 商 品 IAS 第 32 号 金 融 商 品 : 開 示 及 び イントベンチャーへの 投 資 の 取 扱 い( 同 D14 項 D15 項 ) は 認 識 しない(IFRS 第 1 号 Appendix BB2 項 ) ただし IAS 第 39 号 にお 表 示 は 企 業 が 発 行 する 複 合 金 融 e. 親 会 社 と 子 会 社 とで 国 際 財 務 報 ける 金 融 商 品 の 消 滅 に 関 する 規 定 を 34 会 計 監 査 ジャーナル No.651 OCT. 2009

企 業 が 定 めた 日 以 降 に 関 し 遡 及 的 に 適 用 することができる 場 合 がある この 遡 及 適 用 は これらの 取 引 の 最 初 の 記 帳 時 のタイミングで IAS 第 39 号 における 金 融 商 品 の 消 滅 に 関 す る 規 定 を 適 用 するために 必 要 な 情 報 を 得 ていたことを 条 件 とする( 同 B 3 項 ) 2 へッジ 会 計 IAS 第 39 号 金 融 商 品 : 認 識 及 び 測 定 の 規 定 に 従 って 国 際 財 務 報 告 基 準 の 初 度 適 用 企 業 は IFRS 移 行 日 時 点 において すべてのデリバ ティブを 公 正 価 値 で 測 定 し かつ 従 前 のGAAPの 下 資 産 及 び 負 債 と して 認 識 されていたデリバティブに 係 る 繰 延 損 益 をすべて 消 去 しなけれ ばならない( 同 B4 項 ) その 上 で 従 前 のGAAPの 下 ヘッジとして 指 定 されており かつ 当 該 ヘッジ 関 係 がIFRSの 規 定 の 下 有 効 であれ ば IAS 第 39 号 の 規 定 に 基 づくヘッ ジ 会 計 を 適 用 することになる IAS 第 39 号 におけるヘッジ 会 計 の 要 件 を 満 たさないへッジ 関 係 を IFRS 開 始 財 政 状 態 計 算 書 にへッジ として 反 映 してはならない 例 えば へッジ 手 段 が 現 金 商 品 や 売 建 オプショ ンである 場 合 や へッジ 対 象 がネッ ト ポジションである 場 合 満 期 保 有 投 資 の 金 利 リスクをへッジする 場 合 は へッジとして 会 計 処 理 するこ とはできない ただし 従 前 の GAAPの 下 でネット ポジションを へッジ 対 象 として 指 定 している 場 合 で IFRS 移 行 日 以 前 にネット ポ ジションの 中 の 個 別 項 目 をへッジ 対 象 として 指 定 している 場 合 は ネッ ト ポジションの 中 のその 個 別 項 目 をへッジ 対 象 とすることができる ( 同 B5 項 ) IFRS 移 行 日 以 前 にへッジとして 指 定 していたが IAS 第 39 号 のへッ ジ 会 計 の 要 件 を 満 たしていない 取 引 については IAS 第 39 号 の91 項 101 項 に 従 ってへッジ 会 計 の 中 止 の 処 理 をしなければならない( 同 B6 項 ) また IFRS 移 行 日 以 前 に 行 われた 取 引 を 遡 及 的 にへッジとして 指 定 する ことはできない( 同 B6 項 ) 3 見 積 り が IFRS 移 行 日 現 在 で 国 際 財 務 報 告 基 準 に 基 づいて 行 う 見 積 りは 客 観 的 に 誤 りであると 認 められない 限 り 同 日 において 従 前 のGAAPの 下 で 行 われた 見 積 り( 会 計 方 針 の 差 異 を 反 映 した 修 正 後 )と 整 合 するもの でなければならない(IFRS 第 1 号 1 4 項 ) すなわち IFRS 移 行 日 以 後 にIFRS 移 行 日 現 在 での 見 積 りに 関 する 新 たな 情 報 を 入 手 した 場 合 にお いても 当 該 情 報 は IAS 第 10 号 後 発 事 象 における 財 政 状 態 計 算 書 日 後 の 非 修 正 事 象 (non-adjusting eventsafterthebalancesheetdate) と 同 様 に IFRS 開 始 財 政 状 態 計 算 書 の 残 高 に 反 映 してはならず 当 該 情 報 を 入 手 した 会 計 年 度 に 係 る 損 益 計 算 書 に 反 映 させなければならない ( 同 15 項 ) また IFRS 移 行 日 に 従 前 のGAAPでは 要 求 されていなかっ た 見 積 りを 行 う 必 要 がある 場 合 には あくまで IFRS 移 行 日 現 在 の 状 況 を 反 映 しなければならない( 同 16 項 ) これらの 規 定 は IFRS 移 行 日 以 降 に 入 手 した 情 報 によって IFRS 開 始 財 政 状 態 計 算 書 が 影 響 を 受 ける( 歪 め られる)ことを 避 けるという 趣 旨 に 基 づくものである また このIFRS 開 始 財 政 状 態 計 算 書 の 作 成 時 の 見 積 りに 関 する 規 定 は 比 較 情 報 として 開 示 される 財 務 情 報 の 作 成 においても 適 用 される この 場 合 同 14 項 から16 項 における IFRS 移 行 日 という 文 言 は 比 較 情 報 を 開 示 している 期 間 の 期 末 日 に 置 き 換 えて 適 用 することが 必 要 で ある( 同 17 項 ) 4 非 支 配 持 分 IAS 第 27 号 連 結 及 び 個 別 財 務 諸 表 は2008 年 の 改 訂 において たと え 非 支 配 持 分 がマイナスになるケー スにおいても 包 括 利 益 ( 損 失 )を 非 支 配 持 分 に 配 分 を 行 うことを 要 求 している(IAS 第 27 号 28 項 ) また 同 改 訂 において 支 配 の 喪 失 を 伴 わ ない 子 会 社 に 対 する 持 分 の 変 動 に 関 しては 資 本 取 引 として 会 計 処 理 を 行 うこととし(IAS 第 27 号 30 項 31 項 ) 支 配 の 喪 失 を 伴 うケースにつ いて 従 前 の 子 会 社 に 対 する 投 資 が 残 存 する 場 合 公 正 価 値 で 再 測 定 し 差 額 は 支 配 の 喪 失 に 起 因 する 差 損 益 に 含 めて 認 識 すること 等 を 求 めてい る(IAS 第 27 号 34 項 から37 項 関 連 するIFRS 第 5 号 売 買 目 的 で 保 有 し ている 非 流 動 資 産 及 び 廃 止 事 業 の 8A 項 を 含 む) は IAS 第 27 号 におけるこれらの 2008 年 に 改 訂 された 規 定 を 移 行 日 から 将 来 に 向 かって 適 用 することを 要 請 されている(IFRS 第 1 号 AppendixBB7 項 ) ただし 前 述 したよう に 企 業 がIFRS 第 3 号 を 過 去 の 企 業 結 合 まで 遡 って 適 用 することを 選 択 した 場 合 は 当 該 IAS 第 27 号 (2008 年 改 訂 版 )も 同 日 まで 遡 って 適 用 す る 必 要 がある(IFRS 第 1 号 Appendix CC1 項 ) 3 表 示 及 び 開 示 表 示 と 開 示 の 基 本 的 な 取 扱 い IFRS 第 1 号 は 会 計 処 理 に 関 して 会 計 監 査 ジャーナル No.651 OCT. 2009 35

は 効 果 とコストを 比 較 考 慮 した 国 際 財 務 報 告 基 準 の 遡 及 適 用 の 免 除 規 定 や 遡 及 適 用 の 禁 止 規 定 を 設 定 して いるが 表 示 と 開 示 に 関 しては 例 外 規 定 を 設 けていない(IFRS 第 1 号 20 項 ) が 比 較 情 報 を 表 示 する 以 前 の 会 計 年 度 について 財 務 データのサマリー や 従 前 のGAAPに 基 づいた 財 務 情 報 を 開 示 する 場 合 以 下 の 事 項 を 開 示 することが 要 請 されている( 同 22 項 ) 開 示 された 従 前 のGAAPによる 財 務 情 報 は 国 際 財 務 報 告 基 準 に 従 って 作 成 されたものではない 旨 国 際 財 務 報 告 基 準 に 基 づいて 作 成 した 場 合 の 主 要 な 調 整 の 内 容 ただし これらの 調 整 を 数 値 化 し ( 図 2) 開 示 - 調 整 表 等 1 資 本 の 部 に 関 する 影 響 額 の 開 示 ( 同 24 項 ) IFRS 移 行 日 (IFRS 開 始 財 政 状 態 計 算 書 日 ) 及 び 従 前 のGAAPで 開 示 さ れている 直 近 の 財 務 数 値 の 財 政 状 態 計 算 書 日 の 両 日 における 従 前 の GAAPから 国 際 財 務 報 告 基 準 への 資 本 の 部 の 調 整 表 の 開 示 が 必 要 である 例 えば 3 月 決 算 の 日 本 企 業 が2015 年 3 月 期 から 国 際 財 務 報 告 基 準 を 初 めて 適 用 し 比 較 情 報 として1 年 間 の 財 務 情 報 を 開 示 する 場 合 IFRS て 開 示 する 必 要 はない また 前 述 したように IFRS 第 1 号 は 直 近 で 開 示 する 国 際 財 務 報 告 基 準 に 準 拠 した 財 務 諸 表 に 加 えて 最 低 でも1 年 分 の 比 較 情 報 を 開 示 す るとともに 移 行 日 現 在 の 開 始 財 政 状 態 計 算 書 の 開 示 を 要 求 している ( 同 21 項 ) 国 際 財 務 報 告 基 準 への 移 行 にお ける 影 響 額 の 開 示 は 従 前 のGAAPから 国 際 財 務 報 告 基 準 への 移 行 による 財 政 状 態 経 営 成 績 及 びキャッシュ フローへの 影 響 を 開 示 しなければならない( 同 23 項 ) 要 求 されている 具 体 的 な 開 示 内 容 は 次 のとおりである 2013 年 4 月 1 日 2014 年 3 月 31 日 2015 年 3 月 31 日 IFRS 開 始 財 政 状 態 計 算 書 従 前 のGAAPからIFRSへ の 修 正 再 表 示 損 益 の 調 整 資 本 の 調 整 IFRS 最 初 のIFRS 報 告 日 C/Fについても 重 要 な 調 整 を 開 示 移 行 日 である2013 年 4 月 1 日 及 び 従 前 のGAAPで 開 示 されている 最 終 の 財 務 数 値 の 財 政 状 態 計 算 書 日 である 2014 年 3 月 末 における 資 本 の 部 の 調 整 表 の 作 成 が 必 要 となる 2 包 括 利 益 に 関 する 影 響 額 の 開 示 ( 同 24 項 ) 企 業 が 従 前 のGAAPで 開 示 してい た 直 近 の 財 務 諸 表 について 従 前 の GAAPによる 包 括 利 益 ( 従 前 の GAAPにて 包 括 利 益 を 開 示 していな かった 場 合 は 当 期 損 益 )から 同 じ 期 間 についての 国 際 財 務 報 告 基 準 に 基 づく 包 括 利 益 への 調 整 表 の 開 示 が 必 要 である 上 記 1の 設 例 のケー スでは 2014 年 3 月 期 における 包 括 利 益 の 調 整 表 の 作 成 が 要 求 される 3 減 損 の 適 用 に 関 する 開 示 ( 同 24 項 ) IFRS 開 始 財 政 状 態 計 算 書 を 作 成 する 際 に 企 業 が 減 損 損 失 を 認 識 し たか 又 は 戻 し 入 れた 場 合 企 業 が IFRS 移 行 日 に 開 始 する 期 間 にそれ らの 減 損 損 失 又 は 戻 入 れを 認 識 して いたとすれば IAS 第 36 号 で 要 求 さ れる 事 項 の 開 示 が 必 要 である 4 キャッシュ フ 口 一 に 関 する 影 響 額 の 開 示 ( 同 25 項 ) もし 従 前 のGAAPの 下 キャッ シュ フロー 計 算 書 を 作 成 していた 場 合 キャッシュ フロー 計 算 書 に 関 する 従 前 のGAAPから 国 際 財 務 報 告 基 準 への 重 要 な 調 整 について 開 示 が 必 要 である 5 分 類 を 指 定 した 金 融 商 品 に 関 す る 開 示 ( 同 29 項 ) 上 述 の2. 会 計 処 理 6に 記 載 し たように 国 際 財 務 報 告 基 準 の 初 度 適 用 企 業 は 既 に 認 識 されている 金 融 資 産 負 債 に 関 し IFRS 移 行 日 時 点 で 公 正 価 値 で 測 定 し 公 正 価 値 の 変 動 について 損 益 として 計 上 す る( 所 定 の 要 件 を 満 たしていること を 前 提 とする) 又 は 売 却 可 能 金 融 資 産 として 公 正 価 値 で 測 定 し そ の 変 動 は 資 本 の 部 に 計 上 するかのい ずれかを 選 択 できる 国 際 財 務 報 告 基 準 の 初 度 適 用 企 業 は 各 々の 分 類 に 指 定 された 金 融 資 産 又 は 負 債 の 公 正 価 値 と 従 前 のGAAPにおける 分 類 及 び 帳 簿 価 額 を 開 示 しなければなら ない 6 公 正 価 値 をみなし 原 価 として 使 用 する 場 合 の 開 示 ( 同 30 項 ) 36 会 計 監 査 ジャーナル No.651 OCT. 2009

IFRS 開 始 財 政 状 態 計 算 書 の 作 成 において 国 際 財 務 報 告 基 準 で 要 求 される 原 価 基 準 の 測 定 が 過 大 な 費 用 期 中 財 務 報 告 を 開 示 している 場 合 に は 以 下 の 調 整 表 を 含 めなければな らない 及 してIFRSの 規 定 を 適 用 しなければ ならないことは 企 業 にとって 非 常 に 困 難 を 伴 う そのため 当 該 IFRS 第 又 は 労 力 を 伴 うため 有 形 固 定 資 産 投 資 不 動 産 や 無 形 資 産 の 一 部 につい て 公 正 価 値 をみなし 原 価 として 用 い 比 較 情 報 として 開 示 されている 期 中 期 間 末 日 現 在 の 資 本 の 部 に 関 し 従 前 のGAAPから 国 際 財 務 報 1 号 の 各 種 免 除 規 定 をいかに 最 大 限 有 効 に 活 用 して 移 行 をスムーズに 行 うかが 実 務 上 の 重 要 なポイントの る 場 合 (IFRS 第 1 号 AppendixD5 告 基 準 への 調 整 表 1つとなる また 他 方 初 度 適 用 項 からD8 項 参 照 )には IFRS 開 始 財 政 状 態 計 算 書 の 科 目 ごとに 以 下 の 開 示 を 行 う 比 較 情 報 として 開 示 されている 本 期 中 期 間 及 び 年 度 期 首 からの 累 積 期 間 の 包 括 利 益 ( 従 前 のGAAP 時 特 有 の 調 整 表 の 開 示 など 開 示 面 の 対 応 にも 手 数 がかかる よって IFRS 移 行 に 向 けた 準 備 において 公 正 価 値 の 総 額 にて 包 括 利 益 を 開 示 していなかっ IFRS 第 1 号 の 理 解 は 必 要 不 可 欠 な 従 前 のGAAPの 下 で 報 告 されて た 場 合 は 当 期 損 益 )に 関 し 従 ものとして 十 分 な 留 意 が 必 要 である いた 帳 簿 価 額 への 修 正 総 額 上 記 の1 及 び2で 要 求 されている 前 のGAAPから 国 際 財 務 報 告 基 準 への 調 整 表 教 材 コード 研 修 コード J020529 210302 調 整 表 では 財 務 情 報 の 利 用 者 が 財 政 状 態 計 算 書 及 び 包 括 利 益 計 算 書 に 2 年 度 財 務 情 報 に 関 する 追 加 の 開 示 最 初 のIFRS 財 務 諸 表 の 対 象 となっ 履 修 単 位 1 単 位 関 する 重 要 な 修 正 を 理 解 するために 十 分 な 詳 細 を 示 さなければならない ( 同 25 項 ) 従 前 のGAAPで 作 成 され た 財 務 情 報 に 重 要 な 誤 謬 が 発 見 され た 場 合 この 重 要 な 誤 謬 の 修 正 は 上 記 1 及 び2の 調 整 表 において ほ かの 従 前 のGAAPから 国 際 財 務 報 告 基 準 への 重 要 な 調 整 と 区 分 して 開 示 する 必 要 がある( 同 26 項 ) また IAS 第 8 号 会 計 方 針 会 計 上 の 見 積 りの 変 更 及 び 誤 謬 にお ける 要 求 は 開 示 に 関 する 事 項 を 含 め 国 際 財 務 報 告 基 準 を 初 度 適 用 す ることに 伴 う 会 計 方 針 の 変 更 につい ては 適 用 しない( 同 27 項 ) ている 期 間 に 係 る 最 初 の 期 中 財 務 報 告 には 上 記 の1と2で 記 載 した 資 本 の 部 と 包 括 損 益 の 調 整 表 を 開 示 するか 又 は それらの 調 整 表 を 含 んだ 他 の 公 表 文 書 への 参 照 を 記 載 す る 必 要 がある また 期 中 財 務 報 告 の 利 用 者 は 直 近 の 年 次 財 務 諸 表 も 利 用 できるとい う 前 提 の 下 IAS 第 34 号 は 最 低 限 の 開 示 要 求 を 行 っている 反 面 IAS 第 34 号 は 当 該 期 中 期 間 の 理 解 のた めに 重 要 な 事 象 や 取 引 の 開 示 を 要 請 している したがって 国 際 財 務 報 告 基 準 の 初 度 適 用 企 業 が 直 近 の 従 前 のGAAPの 下 で 作 成 した 年 次 の 財 務 期 中 財 務 報 告 における 開 示 最 初 のIFRS 財 務 諸 表 が 作 成 される 諸 表 にて 当 期 中 期 間 を 理 解 するため に 重 要 な 情 報 を 開 示 していなかった 会 計 年 度 に 関 し IAS 第 34 号 期 中 財 務 報 告 の 下 で 期 中 財 務 情 報 を 開 示 している 場 合 IAS 第 34 号 の 要 求 に 加 えて 次 の 開 示 が 必 要 である 場 合 期 中 財 務 報 告 は 当 該 情 報 を 開 示 するか 又 はそれらの 情 報 を 含 んだほかの 公 表 文 書 への 参 照 を 記 載 する 必 要 がある( 同 33 項 ) ( 同 32 項 ) 1 資 本 の 部 及 び 期 中 損 益 に 関 する 影 響 の 開 示 4 おわりに 企 業 が 比 較 情 報 として 直 前 の 会 計 年 度 の 対 応 する 期 中 期 間 について 繰 返 しになるが 日 本 基 準 からIFRS への 移 行 に 当 たり 原 則 過 去 に 遡 会 計 監 査 ジャーナル No.651 OCT. 2009 37