663-8006 兵 庫 県 西 宮 市 段 上 町 3-14-4-607 TEL:0798-52-7470 FAX:0798-52-7480 ホテルマーケットレポート ~ 変 革 期 に 入 った 日 本 のホテル 市 場 ~ 2015 年 12 月 24 日 エーエム ワークス
日 本 のホテル 市 場 は 1980 年 代 の 不 動 産 バブル 1990 年 代 の 失 われた 10 年 と 呼 ばれる 長 期 不 況 期 2008 年 のリーマンショックにかけての ファンドバブル その 後 のデフレ 不 況 という 景 気 の 浮 沈 の 中 で 紆 余 曲 折 を 経 てきた 近 年 東 日 本 大 震 災 以 降 日 本 のホテル 市 場 は 爆 発 的 に 活 性 化 しており かつてのファンドバブルの 様 相 を 思 い 起 こさせる 状 況 となっている が その 勢 いと 範 囲 はこれまで 経 験 してきたものとは 異 なる 大 きさで 進 展 している その 原 動 力 となっているのは 爆 発 的 に 伸 びている 訪 日 外 国 人 の 波 であるが この 波 はこれまでビジネス 需 要 を 基 盤 として 構 成 されてきた 日 本 のホテル 市 場 の 構 造 を 根 本 的 に 変 えてしまうほどの 勢 いをもっていると 推 察 する そこで 本 レポートでは この 訪 日 外 国 人 の 爆 発 的 な 伸 びの 内 容 を 見 てみることで それが 今 後 日 本 のホテル 市 場 に 対 してどのような 変 化 を どれほどのマグニチュードをもってもたらしてゆくのかについて 考 察 を 試 みる 本 レポートの 著 作 権 は AM WORKS に 属 する 為 本 レポート 並 びにその 一 部 を 参 照 引 用 したり 転 載 したりする 場 合 には AM WORKS の 事 前 承 諾 を 要 する 2015 年 12 月 24 日 有 限 会 社 エーエム ワークス 代 表 取 締 役 植 村 加 津 也 パートナー 小 松 美 佐 1
主 要 都 市 のホテル 客 室 稼 働 率 にみる 日 本 人 外 国 人 の 構 成 東 京 客 室 稼 働 率 推 移 (12カ 月 移 動 平 均 ) 100.0% 90.0% 80.0% 70.0% 60.0% 50.0% 40.0% 30.0% 20.0% 10.0% 0.0% 資 料 : 観 光 庁 宿 泊 旅 行 統 計 日 本 人 外 国 人 2015.06 2015.03 2014.12 2014.09 2014.06 2014.03 2013.12 2013.09 2013.06 2013.03 2012.12 2012.09 2012.06 2012.03 2011.12 2011.09 2011.06 2011.03 2010.12 2010.09 2010.06 2010.03 2009.12 2009.09 2009.06 2009.03 2008.12 日 本 の 主 要 都 市 における 宿 泊 需 要 の 日 本 人 外 国 人 別 推 移 を 観 光 庁 の 統 計 調 査 データ 宿 泊 旅 行 統 計 に 基 づいてみてみる 尚 観 光 庁 の 調 査 データでは 日 本 人 外 国 人 別 の 宿 泊 者 数 およ び 客 室 稼 働 率 が 都 市 別 に 開 示 されているが 毎 月 の 調 査 対 象 施 設 数 が 一 定 でないことから 各 都 市 の 客 室 稼 働 率 に 日 本 人 外 国 人 の 宿 泊 者 数 割 合 を 掛 け 合 わせて 客 室 稼 働 率 による 日 本 人 外 国 人 の 割 合 推 移 をみることとした 東 京 の 客 室 稼 働 率 を 日 本 人 外 国 人 の 構 成 別 に 見 ると 日 本 人 による 稼 働 率 は 60% 前 後 で 概 ね 横 ばいで 推 移 してきた 震 災 で やや 落 ち 込 んだが スカイツリー 開 業 後 は 60% 台 に 戻 し しば らく 横 ばいで 推 移 してきた 2014 年 に 入 り 全 体 の 稼 働 率 が 横 ばいとなったころから 再 びゆ るやかな 低 下 傾 向 となり 直 近 では 59% 程 度 と 60%を 下 回 っ た 一 方 外 国 人 による 稼 働 率 は 震 災 前 には 15% 程 度 であったが 震 災 で 激 減 し 一 時 は 9% 程 度 となった 一 年 後 稼 働 率 が 伸 び 始 めた 2012 年 3 月 から 上 昇 傾 向 となり 2013 年 には 震 災 前 の 水 準 を 上 回 り 直 近 では 23.5%まで 伸 ばしている 日 本 人 のマイナス 分 を 外 国 人 がカバーしたことにより 東 京 は 稼 働 率 80%を 維 持 できている 2
大 阪 市 客 室 稼 働 率 推 移 (12カ 月 移 動 平 均 ) 100.0% 90.0% 80.0% 70.0% 60.0% 50.0% 40.0% 30.0% 20.0% 10.0% 0.0% 2015.07 2015.04 2015.01 2014.10 2014.07 2014.04 2014.01 2013.10 2013.07 2013.04 2013.01 2012.10 2012.07 2012.04 2012.01 2011.10 2011.07 2011.04 2011.01 2010.10 2010.07 2010.04 2010.01 2009.10 2009.07 2009.04 2009.01 京 都 市 客 室 稼 働 率 推 移 (12カ 月 移 動 平 均 ) 100.0% 90.0% 80.0% 70.0% 60.0% 50.0% 40.0% 30.0% 20.0% 10.0% 0.0% 日 本 人 日 本 人 外 国 人 外 国 人 2015.06 2015.03 2014.12 2014.09 2014.06 2014.03 2013.12 2013.09 2013.06 2013.03 2012.12 2012.09 2012.06 2012.03 2011.12 2011.09 2011.06 2011.03 2010.12 2010.09 2010.06 2010.03 2009.12 2009.09 2009.06 2009.03 2008.12 大 阪 市 では 日 本 人 による 稼 働 率 は 55~60% 前 後 で 概 ね 横 ばい で 推 移 してきたが 2012 年 頃 から 上 昇 傾 向 となり 2013 年 2 月 には 67%となった その 後 日 本 人 稼 働 率 は 緩 やかに 低 下 傾 向 となり 直 近 では 63% 程 度 となっている 一 方 外 国 人 による 稼 働 率 は 10% 前 後 と 低 い 水 準 であったが 震 災 の 一 年 後 2012 年 3 月 から 急 増 し 直 近 では 24.7%となっ ている 日 本 人 の 稼 働 率 はやや 下 降 傾 向 であるのに 対 して 外 国 人 の 稼 働 率 は 大 幅 に 伸 びており 大 阪 市 の 稼 働 率 のアップ 分 は 外 国 人 客 の 増 加 によるものであることがわかる 京 都 市 も 日 本 人 による 稼 働 率 は 60% 前 後 で 概 ね 横 ばいで 推 移 し てきたが 2012 年 頃 からゆるやかな 低 下 傾 向 となり 直 近 では 63% 程 度 となっている 一 方 外 国 人 による 稼 働 率 は もともと 大 阪 と 同 等 の 10% 程 度 であったが 2012 年 3 月 から 一 気 に 上 昇 傾 向 となり 直 近 では 21.7%となっている 京 都 市 も 稼 働 率 のアップ 分 は 外 国 人 の 増 加 によるものとみられ る 資 料 : 観 光 庁 宿 泊 旅 行 統 計 3
札 幌 市 は 日 本 人 による 稼 働 率 は 60% 前 後 で 概 ね 横 ばいで 推 移 してきた 震 災 の 影 響 もさほどなく 2011 年 6 月 頃 からゆ るやかに 上 昇 しはじめ 65% 程 度 にまで 達 したが 2012 年 6 月 頃 からゆるやかな 低 下 傾 向 となり 直 近 では 63% 程 度 とな っている 外 国 人 による 稼 働 率 はもともと 6% 程 度 と 低 かったこともあ り 震 災 の 影 響 はほとんど 受 けなかった 2012 年 3 月 から 上 昇 傾 向 となり 直 近 では 14.2%まで 伸 ばしている 札 幌 市 も 稼 働 のアップ 分 は 外 国 人 の 増 加 によるものだと 考 えられる 名 古 屋 市 客 室 稼 働 率 推 移 (12カ 月 移 動 平 均 ) 100.0% 90.0% 80.0% 70.0% 60.0% 50.0% 40.0% 30.0% 20.0% 10.0% 0.0% 日 本 人 外 国 人 2009.01 2009.04 2009.07 2009.10 2010.01 2010.04 2010.07 2010.10 2011.01 2011.04 2011.07 2011.10 2012.01 2012.04 2012.07 2012.10 2013.01 2013.04 2013.07 2013.10 2014.01 2014.04 2014.07 2014.10 2015.01 2015.04 2015.07 名 古 屋 市 の 日 本 人 による 稼 働 率 は 僅 かな 増 減 はあるものの 一 貫 して 上 昇 傾 向 にあり 2008 年 では 53% 程 度 であったも のが 震 災 の 影 響 も 全 く 受 けず 直 近 では 72% 程 度 にまで 伸 びている 一 方 外 国 人 による 稼 働 率 は 8% 程 度 であったが 震 災 の 影 響 を 受 け 一 時 は 4.5% 程 度 にまで 落 ち 込 んだ しかし 2012 年 3 月 から 上 昇 傾 向 となり 直 近 では 11.3%となっている 名 古 屋 市 の 稼 働 率 アップは 日 本 人 外 国 人 ともに 増 加 して いることによるものである 資 料 : 観 光 庁 宿 泊 旅 行 統 計 4
福 岡 市 の 日 本 人 による 稼 働 率 は 70% 弱 で 概 ね 横 ばいで 推 移 してきた 九 州 新 幹 線 の 全 線 開 通 などにより 震 災 の 影 響 を 受 けることなく 安 定 的 に 推 移 してきたが 2015 年 に 入 り 緩 やかな 低 下 傾 向 に 転 じている 外 国 人 による 稼 働 率 はもともと 4% 程 度 で 新 型 インフルエ ンザや 震 災 の 影 響 は 少 なく 概 ね 横 ばいで 推 移 してきた そ の 後 2012 年 3 月 から 上 昇 傾 向 となり アジアからの 外 国 クルーズ 客 船 の 来 航 により 直 近 では 14.9%まで 伸 びている 福 岡 市 も 稼 働 のアップ 分 は 外 国 人 の 増 加 によるものだと 考 えられる 資 料 : 観 光 庁 宿 泊 旅 行 統 計 各 都 市 で 日 本 人 の 宿 泊 が 少 なくなっているのは 外 国 人 需 要 が 多 くなり 宿 泊 予 約 が 取 れないことや 客 室 販 売 単 価 が 高 く なりすぎて 出 張 費 用 では 泊 まれないことも 要 因 として 考 え られるが これまでホテル 需 要 の 基 盤 であったビジネス 需 要 そのものが 少 し 弱 くなってきていることも 要 因 となってい る 可 能 性 もあるとみられる 5
訪 日 外 国 人 観 光 客 の 動 向 資 料 : 日 本 政 府 観 光 局 (JNTO) ビジットジャパンキャンペーン(VJC)が 始 まった 2003 年 は 500 万 人 程 度 の 外 国 人 観 光 客 数 であったが VJC の 影 響 で 徐 々に 増 加 傾 向 となり 2003 年 からリーマンショックまでの 間 4 年 5 カ 月 で 352 万 人 の 増 加 となり 2008 年 7 月 には 875 万 人 に 達 した 2008 年 秋 以 降 世 界 的 な 金 融 危 機 による 景 気 の 低 迷 や 2009 年 に 発 生 した 新 型 インフルエンザで 減 少 し 2009 年 10 月 は 666 万 人 まで 低 下 した しかし その 後 は 持 ち 直 し 2010 年 にはリーマンショック 以 前 の 水 準 を 上 回 る 過 去 最 高 の 869 万 人 を 記 録 するも 2011 年 に 東 日 本 大 震 災 が 発 生 し 入 込 数 は 急 落 し 600 万 人 台 に 落 ち 込 んだ 震 災 から 一 年 後 の 2012 年 3 月 頃 から 緩 やかに 伸 び 始 め 2012 末 からの 円 安 も 手 伝 って 2013 年 1 月 から 急 上 昇 を 始 めた 2013 年 7 月 には 東 京 でのオリンピック 開 催 が 決 定 となり 日 本 に 対 する 関 心 が 高 まったこともあって 訪 日 外 国 人 客 は 増 え 続 け 2013 年 1 月 ~2015 年 9 月 までのおよそ 二 年 半 の 間 に 増 加 率 42%とハイペースで 増 加 し 直 近 では 約 1 千 万 人 増 の 1,800 万 人 を 上 回 っている 先 にみた 全 国 主 要 都 市 の 稼 働 率 の 上 昇 時 期 と 訪 日 外 国 人 観 光 客 の 増 加 時 期 が 一 致 していることから ここからも 各 都 市 の 稼 働 率 アップは 外 国 人 観 光 客 の 増 加 によるものであることがわかる 6
訪 日 外 国 人 国 籍 別 構 成 比 推 移 韓 国 台 湾 中 国 香 港 タイ 他 アジア 計 ヨーロッパ 計 アフリカ 計 北 アメリカ 計 南 アメリカ 計 オセアニア 計 5.0% 1.5% 4.0% 2003 年 28.0% 15.1% 8.6% 9.2% 12.4% 15.3% 2.3% 3.0% 2011 年 26.7% 16.0% 16.8% 5.9% 8.3% 9.2% 11.0% 3.1% 2.9% 2012 年 24.4% 17.5% 17.1% 5.8% 8.5% 9.3% 10.5% 4.4% 2.7% 2013 年 23.7% 21.3% 12.7% 7.2% 9.0% 8.7% 9.5% 4.9% 2.6% 2014 年 20.5% 21.1% 18.0% 6.9% 9.3% 7.8% 8.3% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 資 料 : 観 光 庁 訪 日 外 国 人 消 費 動 向 調 査 査 証 緩 和 の 動 き 中 国 修 学 旅 行 生 の 短 期 滞 在 査 証 ( 観 光 ビザ)の 免 除 2004 年 韓 国 修 学 旅 行 生 の 観 光 ビザの 免 除 台 湾 修 学 旅 行 生 の 観 光 ビザ 手 数 料 の 免 除 香 港 観 光 客 の 観 光 ビザ 免 除 中 国 団 体 観 光 査 証 の 発 給 対 象 地 域 を 全 土 に 拡 大 2005 年 韓 国 観 光 ビザ 免 除 台 湾 観 光 ビザ 免 除 2008 年 中 国 家 族 観 光 査 証 の 発 給 が 開 始 2009 年 中 国 富 裕 層 の 個 人 観 光 ビザ 発 給 2010 年 中 国 個 人 観 光 ビザ 発 給 要 件 緩 和 ( 富 裕 層 + 中 間 層 に 拡 大 ) 2011 年 中 国 個 人 観 光 ビザ 発 給 要 件 の 経 済 要 件 緩 和 ( 管 理 職 以 上 の 条 件 撤 廃 ) 滞 在 日 数 の 延 長 (15 日 30 日 ) 全 国 観 光 数 次 ビザ( 初 回 訪 問 地 沖 縄 ) 発 給 開 始 2012 年 全 国 観 光 数 次 査 証 の 発 給 要 件 が 緩 和 ( 岩 手 宮 城 福 島 の 訪 問 条 件 で 発 給 ) 2013 年 2014 年 タイ イント ネシア 観 光 ビザ 免 除 ICチップ 入 りパスポート 所 持 者 の 観 光 ビザ 免 除 数 次 ビザ 入 国 者 の 滞 在 期 間 延 長 マレーシア ベトナム 観 光 ビザ 免 除 数 次 ビザ 発 給 フィリピン 数 次 ビザ 発 給 2015 年 中 国 個 人 観 光 ビザ 発 給 要 件 の 経 済 要 件 緩 和 ( 一 定 の 経 済 力 のあれば 発 給 ) 訪 日 外 国 人 の 国 籍 別 構 成 比 を 見 ると 2003 年 には 韓 国 中 国 台 湾 などのアジアからが 67% 次 いで 北 アメリカが 15.3% ヨ ーロッパが 12.4%の 順 であった VJC による 観 光 ビザの 免 除 や 発 給 条 件 の 緩 和 2010 年 の 羽 田 空 港 の 国 際 化 により 東 南 アジアから 羽 田 空 港 へ 直 行 便 が 就 航 した こと さらに 2012 年 には LLC が 就 航 したこともあり 2014 年 にはアジアからの 訪 問 者 がさらに 増 加 し 全 体 の 80%を 占 めた 一 方 北 アメリカやヨーロッパからの 訪 問 者 の 構 成 比 は 2003 年 と 比 べると 約 4 割 減 となったが 訪 日 客 全 体 が 大 幅 に 増 えてい るので 実 数 としてはこちらも 増 加 している アジアだけで 見 ると 台 湾 中 国 タイからの 観 光 客 が 伸 びを 見 せており 特 に 中 国 からの 訪 問 者 の 増 加 率 が 高 く 一 方 で 2003 年 には 3 割 近 くあった 韓 国 からの 訪 問 者 は 2014 年 では 2 割 程 度 となっている 中 国 に 対 しては 年 々 査 証 発 給 要 件 が 緩 和 されていることに 加 え チャーター 便 や 新 規 路 線 の 開 設 上 海 や 天 津 からの 日 本 寄 港 のクルーズが 増 加 し 輸 送 力 が 向 上 したことが 訪 日 中 国 人 数 が 大 きく 伸 びた 要 因 となったと 考 えられる 東 南 アジアの 国 々に 対 しても 査 証 免 除 や 発 給 要 件 の 緩 和 滞 在 日 数 の 延 長 が 行 われており マレーシア インドネシア 等 今 後 もアジア 諸 地 域 からの 訪 日 旅 行 者 の 一 層 の 増 加 が 見 込 まれる 資 料 : 外 務 省 報 道 発 表 7
こk 国 別 訪 日 回 数 比 ( 観 光 レジャー 目 的 客 ) 1 回 目 2~9 回 10~19 回 全 体 韓 国 台 湾 43.1 36.1 25.7 46.0 50.2 59.8 11.0 13.6 14.5 香 港 18.6 60.2 21.1 中 国 72.1 23.9 3.9 タイ シンガポール 46.4 38.4 46.5 51.2 7.1 10.4 マレーシア インドネシア フィリピン 59.6 61.1 62.2 35.2 33.1 33.2 5.2 5.8 4.6 ベトナム 75.9 20.0 4.1 インド 英 国 ドイツ フランス 63.5 65.6 61.6 61.0 29.3 29.6 31.7 34.7 7.2 4.8 6.6 4.4 国 別 の 訪 日 回 数 を 見 ると 初 めて 日 本 を 訪 れる 人 の 割 合 は 全 体 で 43.1%となっており 半 数 以 上 がリピーターであることが 分 かる 2~9 回 が46%と 最 も 高 い 割 合 であるが 10 回 目 以 上 も11.0% と 少 なくない これは 日 本 は 何 度 でも 来 たくなる 観 光 地 であり 日 本 滞 在 の 満 足 度 が 高 いことの 現 れである 国 別 で 見 ると 初 訪 日 率 が 高 いのはベトナム(75.9%)と 中 国 (72.1%)で 割 合 としては70%を 超 えており 次 いでインド(63.5%) フィリピン(62.2%) インドネシア(61.1%)となっている 最 近 観 光 査 証 が 免 除 されたり 条 件 が 緩 和 されることで 訪 日 者 数 が 伸 びている 国 が 多 い また 欧 米 諸 国 の 初 訪 日 率 も50~60% 台 となっている リピート 率 が 高 いのは 香 港 (81.3%)で 8 割 以 上 がリピーターとなっ ている 次 いで 台 湾 (74.3%) 韓 国 (63.8%) シンガポール (62.6%)と 続 いており 早 くから 査 証 が 免 除 されたアジア 諸 国 が 多 い また LLCの 直 行 便 が 多 く 就 航 していることも 高 いリピート 率 に 繋 がっていると 考 えられる ロシア 50.6 39.1 10.3 米 国 63.8 31.0 5.2 カナダ 66.3 29.6 4.1 オーストラリア 63.6 34.7 1.7 その 他 71.4 25.8 2.9 0% 20% 40% 60% 80% 100% 資 料 : 観 光 庁 訪 日 外 国 人 消 費 動 向 調 査 8
旅 行 手 配 方 法 推 移 ( 観 光 レジャー 目 的 客 ) 団 体 ツアー 個 人 旅 行 2010 年 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 43.6% 40.2% 39.2% 38.4% 33.2% 56.4% 59.8% 60.8% 61.6% 66.8% 0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% 100.0% 旅 行 手 配 の 方 法 については 団 体 ツアー 利 用 と 個 人 旅 行 の 割 合 は2010 年 ではおよそ 半 々であったが 年 々 団 体 ツアー 利 用 者 の 割 合 が 減 っており 直 近 の2014 年 では7 割 近 くが 個 人 手 配 となって いる インターネットの 普 及 率 アップや 観 光 局 も 英 語 だけでなくアジア 各 国 の 言 語 にも 翻 訳 された 特 設 Webサイトでの 情 報 提 供 を 行 って いること ミシュランガイドも 特 別 地 方 版 が 発 行 されるなど 以 前 より も 日 本 に 対 する 情 報 量 が 格 段 に 増 え 個 人 旅 行 が 手 配 しやすくな ってきていることも 寄 与 していると 考 えられる 資 料 : 観 光 庁 訪 日 外 国 人 消 費 動 向 調 査 9
外 国 人 の 訪 問 都 市 ( 上 位 都 市 ) 2008 年 2009 年 2010 年 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 都 市 名 訪 問 率 都 市 名 訪 問 率 対 前 年 都 市 名 訪 問 率 対 前 年 都 市 名 訪 問 率 対 前 年 都 市 名 訪 問 率 対 前 年 都 市 名 訪 問 率 対 前 年 都 市 名 訪 問 率 対 前 年 1 位 東 京 都 58.9% 東 京 都 58.8% - 東 京 都 60.3% - 東 京 都 52.7% - 東 京 都 51.3% - 東 京 都 47.3% - 東 京 都 51.4% - 2 位 大 阪 府 25.0% 大 阪 府 24.4% - 大 阪 府 26.1% - 大 阪 府 24.5% - 大 阪 府 24.0% - 大 阪 府 25.1% - 大 阪 府 27.9% - 3 位 京 都 府 21.4% 京 都 府 20.6% - 京 都 府 24.0% - 京 都 府 17.3% - 京 都 府 17.3% - 京 都 府 18.9% - 京 都 府 21.9% - 4 位 神 奈 川 県 16.0% 神 奈 川 県 16.7% - 神 奈 川 県 17.8% - 神 奈 川 県 13.0% - 神 奈 川 県 12.7% - 神 奈 川 県 11.2% - 神 奈 川 県 12.3% - 5 位 千 葉 県 11.8% 千 葉 県 12.7% - 千 葉 県 15.0% - 福 岡 県 9.1% (7) 千 葉 県 9.8% (6) 福 岡 県 11.0% (7) 千 葉 県 11.7% (6) 6 位 愛 知 県 10.1% 愛 知 県 9.6% - 愛 知 県 10.9% - 千 葉 県 8.6% (5) 愛 知 県 9.4% (7) 千 葉 県 9.6% (5) 愛 知 県 9.2% (7) 7 位 福 岡 県 9.7% 福 岡 県 8.6% - 福 岡 県 9.1% - 愛 知 県 8.5% (6) 福 岡 県 9.4% (5) 愛 知 県 8.5% (6) 福 岡 県 8.9% (5) 8 位 兵 庫 県 8.1% 北 海 道 8.0% (9) 北 海 道 8.8% - 北 海 道 7.3% - 北 海 道 7.8% - 北 海 道 7.8% - 北 海 道 7.8% - 9 位 北 海 道 8.1% 兵 庫 県 7.9% (8) 山 梨 県 8.2% (10) 兵 庫 県 6.1% (10) 兵 庫 県 5.7% - 兵 庫 県 6.2% - 兵 庫 県 6.2% - 10 位 奈 良 県 6.6% 山 梨 県 6.8% (11) 兵 庫 県 7.6% (9) 山 梨 県 4.9% (9) 山 梨 県 5.6% - 山 梨 県 5.5% - 奈 良 県 4.9% (13) 11 位 山 梨 県 5.9% 奈 良 県 6.2% (10) 奈 良 県 7.5% - 大 分 県 3.8% (13) 大 分 県 3.8% - 大 分 県 5.0% - 山 梨 県 4.8% (10) 12 位 大 分 県 4.9% 広 島 県 4.5% (14) 大 分 県 5.0% (14) 奈 良 県 3.7% (11) 奈 良 県 3.4% - 熊 本 県 4.5% (13) 沖 縄 県 4.7% (14) 13 位 熊 本 県 4.7% 栃 木 県 3.7% (16) 熊 本 県 4.3% (17) 広 島 県 3.2% (14) 熊 本 県 3.4% (15) 奈 良 県 4.4% (12) 静 岡 県 4.4% (19) 14 位 広 島 県 4.0% 大 分 県 3.2% (12) 広 島 県 4.1% (12) 静 岡 県 3.1% (19) 静 岡 県 3.2% - 沖 縄 県 3.9% (16) 大 分 県 4.2% (11) 15 位 長 崎 県 3.9% 静 岡 県 3.2% (17) 栃 木 県 3.6% (13) 熊 本 県 3.1% (13) 広 島 県 3.1% (13) 長 野 県 3.2% (17) 熊 本 県 3.5% (12) 16 位 栃 木 県 3.5% 長 野 県 3.1% (18) 長 野 県 3.4% - 沖 縄 県 3.0% 20) 沖 縄 県 3.1% - 広 島 県 3.0% (15) 広 島 県 3.4% (16) 17 位 静 岡 県 3.4% 熊 本 県 2.9% (13) 岐 阜 県 3.4% (19) 長 野 県 2.6% (16) 長 野 県 3.0% - 長 崎 県 2.8% (18) 長 野 県 2.9% (15) 18 位 長 野 県 3.0% 長 崎 県 2.7% (15) 長 崎 県 3.4% - 岐 阜 県 2.5% (17) 長 崎 県 2.4% (19) 岐 阜 県 2.6% (19) 岐 阜 県 2.6% - 19 位 岐 阜 県 2.7% 岐 阜 県 2.7% - 静 岡 県 3.2% (15) 長 崎 県 2.4% (18) 岐 阜 県 2.3% (18) 静 岡 県 2.2% (14) 長 崎 県 2.3% (17) 20 位 沖 縄 県 2.3% 沖 縄 県 2.5% - 沖 縄 県 2.7% - 埼 玉 県 1.9% 埼 玉 県 2.0% - 栃 木 県 1.9% 栃 木 県 2.0% - 資 料 : 観 光 庁 訪 日 外 国 人 消 費 動 向 調 査 都 市 別 の 外 国 人 訪 問 率 を 見 ると 東 京 大 阪 京 都 の 順 に 高 く その 順 位 に 変 動 なく 推 移 している 訪 問 率 が 最 も 高 いのは 東 京 で 訪 問 率 は 2008 年 には 60% 近 くあったが その 比 率 は 年 々 低 下 しており 2014 年 は 微 増 したものの 51% 程 度 と 2010 年 頃 と 比 べると 10 ポイント 程 度 低 下 している 一 方 大 阪 は 25% 程 度 であったところ 上 昇 傾 向 にあり 直 近 では 28% 程 度 となっている 京 都 は 震 災 があった 2011 年 に 低 下 したが 2012 年 以 降 は 上 昇 しており 直 近 では 21.9%となっている 10
次 いで 福 岡 千 葉 愛 知 の 訪 問 率 が 高 く 10% 前 後 の 訪 問 率 を 維 持 している その 他 北 海 道 や 奈 良 県 広 島 県 など 有 名 観 光 地 をか かえる 地 域 が 並 んでいる 沖 縄 については 沖 縄 を 訪 問 することにより 期 限 内 に 何 度 でも 日 本 に 入 国 できる 数 次 ビザを 2011 年 に 発 行 したため 訪 問 率 としては 2011 年 以 降 上 がってきている 11
外 国 人 に 人 気 の 観 光 スポット 順 位 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 観 光 スポット 名 観 光 スポット 名 観 光 スポット 名 観 光 スポット 名 観 光 スポット 名 1 位 厳 島 神 社 広 島 平 和 記 念 資 料 館 ( 原 爆 ドーム) 広 島 平 和 記 念 資 料 館 ( 原 爆 ドーム) 伏 見 稲 荷 大 社 伏 見 稲 荷 大 社 2 位 広 島 平 和 記 念 資 料 館 箱 根 彫 刻 の 森 美 術 館 伏 見 稲 荷 大 社 広 島 平 和 記 念 資 料 館 広 島 平 和 記 念 資 料 館 3 位 松 本 城 伏 見 稲 荷 大 社 東 大 寺 厳 島 神 社 厳 島 神 社 4 位 東 京 ディズニーシー 宮 島 ( 厳 島 神 社 ) 宮 島 ( 厳 島 神 社 ) 金 閣 寺 東 大 寺 5 位 沖 縄 美 ら 海 水 族 館 地 獄 谷 野 猿 公 苑 金 閣 寺 東 大 寺 ギア 専 用 劇 場 (ART COMPLEX 1928) 6 位 伏 見 稲 荷 大 社 兼 六 園 清 水 寺 高 野 山 奥 之 院 禅 林 寺 永 観 堂 7 位 地 獄 谷 野 猿 公 苑 ニセコマウンテンリソ ートク ランヒラフスキー 場 地 獄 谷 野 猿 公 苑 清 水 寺 地 獄 谷 野 猿 公 苑 8 位 兼 六 園 金 閣 寺 新 宿 御 苑 新 宿 御 苑 高 野 山 奥 之 院 9 位 六 本 木 ヒルズ 東 大 寺 新 勝 寺 ( 成 田 山 ) 箱 根 彫 刻 の 森 美 術 館 サムライ 剣 舞 シアター 10 位 三 十 三 間 堂 清 水 寺 築 地 場 外 市 場 新 勝 寺 ( 成 田 山 ) 沖 縄 美 ら 海 水 族 館 11 位 浅 草 寺 嵐 山 箱 根 彫 刻 の 森 美 術 館 沖 縄 美 ら 海 水 族 館 箱 根 彫 刻 の 森 美 術 館 12 位 姫 路 城 世 界 遺 産 白 川 郷 合 掌 造 り 集 落 浅 草 寺 松 本 城 金 閣 寺 13 位 清 水 寺 日 光 東 照 宮 奈 良 公 園 三 十 三 間 堂 新 宿 御 苑 14 位 新 宿 御 苑 三 鷹 の 森 ジブリ 美 術 館 黒 川 温 泉 嵐 山 モンキーパークいわたやま 富 士 山 15 位 明 治 神 宮 東 京 ディズニーランド& 東 京 ディズニーシー 三 年 坂 二 年 坂 兼 六 園 新 勝 寺 ( 成 田 山 ) 16 位 富 士 山 新 勝 寺 ( 成 田 山 ) 日 光 東 照 宮 ロボットレストラン 兼 六 園 17 位 東 大 寺 沖 縄 美 ら 海 水 族 館 富 士 山 二 条 城 東 京 シティビュー( 六 本 木 ヒルズ 展 望 台 ) 18 位 嵐 山 モンキーパークいわたやま 南 禅 寺 兼 六 園 長 崎 原 爆 資 料 館 松 本 城 19 位 金 閣 寺 箱 根 ロープウェイ 永 観 堂 森 美 術 館 横 浜 みなとみらい21 20 位 海 遊 館 松 本 城 沖 縄 美 ら 海 水 族 館 明 治 神 宮 奈 良 公 園 21 位 長 崎 原 爆 資 料 館 地 獄 谷 野 猿 公 苑 弥 山 22 位 長 谷 寺 奈 良 公 園 浅 草 文 化 観 光 センター 23 位 三 渓 園 道 頓 堀 長 谷 寺 24 位 明 治 神 宮 渋 谷 センター 街 世 界 遺 産 白 川 郷 合 掌 造 り 集 落 25 位 高 野 山 奥 之 院 浅 草 寺 三 十 三 間 堂 26 位 松 本 城 海 遊 館 明 治 神 宮 27 位 高 徳 院 鎌 倉 大 仏 ビデオゲーム バー スペースステーション 渋 谷 センター 街 28 位 千 鳥 ヶ 淵 トヨタテクノミュージアム 産 業 技 術 記 念 館 トヨタ 産 業 技 術 記 念 館 29 位 谷 中 京 都 錦 市 場 嵐 山 30 位 三 十 三 間 堂 心 斎 橋 両 国 国 技 館 資 料 :トリップアドバイザー 日 本 の 観 光 スポットランキング 12
外 国 人 に 人 気 の 観 光 スポットのランキングを 見 ると 日 本 人 が 考 える 観 光 スポットとは 異 なるものがランクインしており 日 本 の 観 光 資 源 の 奥 深 さ 幅 広 さを 感 じさせる 広 島 平 和 記 念 資 料 館 や 厳 島 神 社 伏 見 稲 荷 大 社 をはじめとする 京 都 市 内 の 寺 社 仏 閣 は 概 ね 毎 年 ランクインしており 日 本 らしさを 感 じら れる 寺 社 仏 閣 城 日 本 庭 園 がやはり 人 気 スポットとなっている 一 方 で 2011 年 2012 年 にランクインしていた 東 京 ディズニーシー ディズニーランドは 近 年 ではランク 外 となっている ランキング 先 も 20 位 までから 30 位 までへと 拡 大 し 毎 年 新 しいスポットがランクインしている 団 体 旅 行 では ゴールデンルートツアーと 呼 ばれる 東 京 名 古 屋 京 都 大 阪 を 1 泊 ずつしながらバスで 巡 るルートが 主 流 であったが 個 人 手 配 の 旅 行 が 増 えたことにより 東 京 大 阪 の 2 大 都 市 だけでなく 地 方 を 訪 れる 外 国 人 が 増 えており 人 気 スポットにも 変 化 がみられる 13
世 界 各 国 の 外 国 人 訪 問 者 数 推 移 世 界 各 国 の 外 国 人 訪 問 者 数 (2005 年 ) 1 位 :フランス 2 位 :スペイン 3 位 :アメリカ 4 位 : 中 国 5 位 :イタリア 6 位 :イギリス 7 位 :メキシコ 8 位 :ドイツ 9 位 :トルコ 10 位 :オーストリア 11 位 :ロシア 12 位 :カナダ 13 位 :マレーシア 14 位 :ウクライナ 15 位 :ポーランド 16 位 : 香 港 17 位 :ギリシャ 18 位 :タイ 19 位 :ポルトガル 20 位 :ハンガリー 21 位 :オランダ 22 位 :サウジアラビア 23 位 :マカオ 24 位 :クロアチア 25 位 :エジプト 26 位 : 南 アフリカ 共 和 国 27 位 :スイス 28 位 :シンガポール 29 位 :ベルギー 30 位 : 日 本 31 位 :チュニジア 32 位 :チェコ 33 位 : 韓 国 34 位 :モロッコ 35 位 :インドネシア 21.9 21.5 20.3 20.0 19.9 18.6 16.4 15.6 15.2 14.8 14.3 11.6 11.6 10.0 10.0 9.1 9.0 8.5 8.2 7.5 7.2 7.1 6.7 6.7 6.4 6.3 6.0 5.8 5.0 30.0 36.5 49.4 46.8 55.9 76.0 0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0 ( 百 万 人 ) 世 界 各 国 の 外 国 人 訪 問 者 数 (2014 年 ) 1 位 :フランス 2 位 :アメリカ 3 位 :スペイン 4 位 : 中 国 5 位 :イタリア 6 位 :トルコ 7 位 :ドイツ 8 位 : 英 国 9 位 :ロシア 10 位 :メキシコ 11 位 : 香 港 12 位 :マレーシア 13 位 :オーストリア 14 位 :タイ 15 位 :ギリシャ 16 位 :カナダ 17 位 :ポーランド 18 位 :サウジアラビア 19 位 :マカオ 20 位 : 韓 国 21 位 :オランダ 22 位 : 日 本 23 位 :ウクライナ 24 位 :ハンガリー 25 位 :シンガポール 26 位 :クロアチア 27 位 :スウェーデン 28 位 :チェコ 29 位 :モロッコ 30 位 :アラブ 首 長 国 連 邦 31 位 : 台 湾 32 位 :エジプト 33 位 : 南 アフリカ 共 和 国 34 位 :インドネシア 35 位 :ポルトガル 33.0 32.6 29.8 29.1 27.8 27.4 25.3 24.8 22.0 16.5 16.0 15.1 14.6 14.2 13.9 13.4 12.7 12.1 11.9 11.8 10.8 10.6 10.3 10.0 9.9 9.6 9.5 9.4 9.3 39.8 55.6 48.6 0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 ( 百 万 人 ) 65.0 74.8 83.7 2,000 万 人 資 料 : 日 本 政 府 観 光 局 14
世 界 各 国 の 外 国 人 訪 問 者 数 を 見 ると 2005 年 の 訪 日 外 国 人 数 は 670 万 人 で 世 界 30 位 アジア 中 7 位 で 1 位 フランスの 10 分 の 1 以 下 同 じアジアで 国 土 面 積 も 小 さい 香 港 の 半 分 にも 満 たない 外 国 人 訪 問 者 数 であった VJC の 効 果 が 現 れ 2014 年 には 訪 日 観 光 客 は 1,340 万 人 となり 世 界 22 位 に 上 がった しかし アジア 各 国 も 外 国 人 訪 問 者 数 を 伸 ばし ており アジア 中 7 位 は 変 わらなかった とはいえ 訪 日 者 数 は 急 速 に 増 加 しており 2015 年 は 2,000 万 人 に 達 する 見 込 みで これは 2014 年 のランキングで 見 ると 世 界 15 位 の 水 準 である 日 本 と 同 じ 島 国 であるイギリスは 3,000 万 人 近 く 国 土 面 積 が 日 本 の 5 分 の 4 であるイタリアは 5,000 万 人 弱 の 観 光 客 を 受 け 入 れてい る 日 本 周 辺 には 中 国 を 筆 頭 にしたアジアマーケットがあることや 現 状 の 訪 日 外 国 人 観 光 客 のリピート 率 が 高 いこと またオリンピッ クの 開 催 により 日 本 が 持 つ 独 特 の 文 化 や 和 食 アニメなどのサブカルチャーが 世 界 的 に 注 目 されていることを 考 えると 訪 日 外 国 人 の 伸 び 代 はまだまだ 大 きいと 考 えられる 15
オリンピック 開 催 国 の 外 国 人 訪 問 者 数 推 移 外 国 人 訪 問 客 数 (オーストラリア) ( 百 万 人 ) 7 6 開 催 決 定 シドニー 五 輪 開 催 5 5 6 6 6 6 5 6 6 6 5 5 5 4 4 4 5 5 4 3 3 4 4 3 2 1 0 2013 年 2012 年 2011 年 2010 年 2009 年 2008 年 2007 年 2006 年 2005 年 2004 年 2003 年 2002 年 2001 年 2000 年 1999 年 1998 年 1997 年 1996 年 1995 年 1994 年 1993 年 外 国 人 訪 問 客 数 ( 中 国 ) ( 百 万 人 ) 北 京 五 輪 開 催 70 開 催 決 定 60 55 53 50 51 47 50 42 56 58 58 56 40 31 33 37 33 30 20 23 24 25 27 20 10 0 2013 年 2012 年 2011 年 2010 年 2009 年 2008 年 2007 年 2006 年 2005 年 2004 年 2003 年 2002 年 2001 年 2000 年 1999 年 1998 年 1997 年 1996 年 1995 年 外 国 人 訪 問 客 数 (ギリシャ) ( 百 万 人 ) 20 18 16 14 12 10 10 8 6 4 2 0 1995 年 開 催 決 定 9 1996 年 13 12 10 11 1997 年 1998 年 1999 年 2000 年 14 14 14 13 15 16 16 16 15 15 16 16 2001 年 アテネ 五 輪 開 催 2002 年 2003 年 2004 年 外 国 人 訪 問 客 数 (イギリス) ( 百 万 人 ) ロンドン 五 輪 開 催 開 催 決 定 35 28 31 31 30 28 28 29 29 31 30 22 23 23 26 24 23 23 21 22 23 25 20 15 10 5 0 1995 年 1996 年 1997 年 1998 年 1999 年 2000 年 2001 年 2002 年 2003 年 2004 年 2005 年 2005 年 2006 年 2006 年 2007 年 2007 年 2008 年 2008 年 2009 年 2009 年 2010 年 2010 年 2011 年 2011 年 2012 年 2012 年 18 2013 年 2013 年 資 料 :The World Bank International tourism, number of arrivals, Australian Bureau of Statistics 16
近 年 オリンピックが 開 催 された 国 々の 外 国 人 訪 問 者 数 の 推 移 を 見 ると 各 国 ともオリンピック 開 催 決 定 後 からオリンピック 開 催 までイ ンバウンド 客 が 増 加 傾 向 にある オリンピック 開 催 国 の 注 目 度 が 高 まることに 加 え オリンピック 開 催 に 向 けて 開 催 準 備 や 事 前 トレーニ ングキャンプなどオリンピックに 関 連 する 入 込 も 増 加 するためであると 考 えられる オリンピック 開 催 後 は 一 時 的 にインバウンドが 落 ちたケースもあればさらに 増 加 しているケースもあるが 全 般 的 にはオリンピック 開 催 決 定 後 長 期 間 にわたってインバウンドの 伸 びが 強 まる 傾 向 がある 17
日 本 人 総 人 口 と 宿 泊 者 数 の 動 向 日 本 総 人 口 推 移 と 予 測 0~19 歳 20~64 歳 65~74 歳 75 歳 以 上 ( 百 万 人 ) 140 127 128 128 128 128 127 127 124 121 117 120 9 12 14 15 15 16 16 107 13 19 14 15 15 22 100 16 16 17 23 17 15 22 14 80 16 60 79 78 75 75 74 73 71 68 66 63 40 54 20 0 26 24 23 23 23 22 22 20 18 17 15 2000 年 2005 年 2010 年 2011 年 2012 年 2013 年 2015 年 2020 年 2025 年 2030 年 2040 年 4 階 級 別 人 口 構 成 比 推 移 と 予 測 0~19 歳 20~64 歳 65~74 歳 75 歳 以 上 2000 年 2005 年 2010 年 2011 年 2012 年 2013 年 2015 年 2020 年 2025 年 2030 年 2040 年 20.5 18.9 17.9 17.8 17.7 17.6 17.2 16.2 15.3 14.6 13.7 62.1 60.9 59.1 58.9 58.1 57.3 56.0 54.7 54.4 53.8 50.3 10.3 11.1 11.9 11.8 12.2 12.8 13.8 14.0 12.3 12.1 15.3 7.1 9.1 11.1 11.5 11.9 12.3 13.0 15.1 18.1 19.5 20.7 国 立 社 会 保 障 人 口 問 題 研 究 所 が 出 している 日 本 の 人 口 推 移 と 予 測 を 見 ると 日 本 の 総 人 口 は 現 在 およそ1 億 3 千 万 人 であるが 少 子 高 齢 化 により 減 少 傾 向 は 続 き 10 年 後 の2025 年 には5% 減 の1 億 2 千 100 万 人 25 年 後 の2040 年 には1 億 人 程 度 まで 減 少 する 見 込 みである 0~19 歳 人 口 を 見 ると 2025 年 には2 千 万 人 を 下 回 り 2040 年 には 1,500 万 人 程 度 まで 減 少 する 構 成 比 率 で 見 ても 2000 年 時 点 では 20%あった 比 率 が2040 年 には13.7%にまで 低 下 する 20~64 歳 の 生 産 年 齢 人 口 についても 減 少 傾 向 は 続 き 2020 年 には 7 千 万 人 を 下 回 り 2040 年 には5,400 万 人 程 度 となり 構 成 比 率 で 見 ても 全 体 の50% 程 度 にまで 低 下 する 65~74 歳 のアクティブシニア 世 代 については 2030 年 まで 微 減 傾 向 が 続 き1,400 万 人 程 度 となり 2040 年 には 一 時 的 に1,600 万 人 となる が 構 成 比 率 は15% 程 度 となる 見 込 みである 75 歳 以 上 の 高 齢 層 は2040 年 には2,200 万 人 程 度 にまで 増 加 し その 比 率 も20%を 占 めるようになる 見 込 みである ビジネス 観 光 において 国 内 宿 泊 需 要 の 中 心 となる20~64 歳 の 生 産 年 齢 人 口 と65~75 歳 のアクティブシニア 世 代 の 人 口 を 足 しても 現 状 の9,000 万 人 程 度 から2040 年 には7,000 万 人 程 度 にまで 落 ち 込 む 見 込 みである 0% 20% 40% 60% 80% 100% 資 料 : 総 務 省 統 計 局 国 勢 調 査 報 告 人 口 推 計 国 立 社 会 保 障 人 口 問 題 研 究 所 18
全 国 日 本 人 延 べ 宿 泊 者 数 推 移 予 測 ( 千 人 ) 500,000 400,000 300,000 200,000 100,000 356,808 376,665 400,760 432,398 427,502 0 2010 年 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 2010 年 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 全 国 20-74 歳 日 本 人 人 口 ( 千 人 ) 90,141 90,310 89,726 89,257 88,925 増 減 率 100.2% 99.4% 99.5% 99.6% 全 国 日 本 人 延 宿 泊 者 数 ( 千 人 ) 356,808 376,665 400,760 432,398 427,502 全 国 20~74 歳 1 人 当 たり 平 均 泊 数 4.0 4.2 4.5 4.8 4.8 増 減 率 105.6% 106.4% 107.9% 98.9% 資 料 : 総 務 省 統 計 局 国 勢 調 査 報 告 人 口 推 計 観 光 庁 宿 泊 旅 行 統 計 これまでの 全 国 の 日 本 人 延 宿 泊 者 数 の 推 移 を 見 ると 概 ね 増 加 傾 向 にあり 2013 年 には 4 億 3,200 万 人 程 度 であったが 2014 年 はやや 下 がり 4 億 2,700 万 人 となっている この 日 本 人 延 べ 宿 泊 者 数 を 生 産 年 齢 人 口 とアクティブシニア 世 代 人 口 を 足 した 20-74 歳 の 人 口 で 割 ったものが 20~74 歳 の 一 人 当 たりの 平 均 泊 数 である この 平 均 泊 数 は 年 々 増 えており 2010 年 では 一 人 当 たり 4.0 泊 であったものが 2014 年 には 4.8 泊 と 伸 びている しかしながら 今 後 については 生 産 年 齢 人 口 の 減 少 によりビジネス 目 的 の 宿 泊 需 要 が 減 少 してゆくであろうこと アクティブシニア 世 代 の 減 少 に 加 え 年 金 受 給 額 の 縮 小 により 可 処 分 所 得 も 減 少 していくとみられることを 考 慮 すると 平 均 泊 数 も 減 少 していくと 考 えられる この 平 均 泊 数 および 20~74 歳 の 人 口 はともに 減 少 していくと 考 えられることから 全 国 日 本 人 延 べ 宿 泊 者 数 については 今 後 低 下 していく ものと 考 えられる 19
日 本 のホテル 市 場 構 造 の 行 方 これまで 見 てきたとおり 訪 日 外 国 人 客 は 急 速 に 増 加 傾 向 にあり 今 後 も 拡 大 が 期 待 されるのに 対 し ビジネスを 中 心 とする 国 内 の 宿 泊 市 場 は 人 口 動 向 からみて 今 後 は 縮 小 傾 向 となることが 見 込 まれる 外 国 人 宿 泊 需 要 が 急 速 に 増 えたとはいえ 日 本 人 による 宿 泊 需 要 は 大 都 市 圏 でも 未 だ 8 割 程 度 を 占 めているとみられるが 今 後 の 訪 日 外 国 人 の 更 なる 拡 大 日 本 の 人 口 減 少 を 考 えると 将 来 的 にはこの 構 成 が 拮 抗 あるいは 逆 転 する 日 がやってくることも 予 想 される 日 本 のホテル 産 業 は シティホテルにしろビジネスホテルしろ これまではビジネス 需 要 を 基 盤 とした 需 要 構 造 を 念 頭 に 置 き それに 沿 った 施 設 商 品 造 り 運 営 方 針 が 適 用 されてきたが 観 光 を 目 的 とした 訪 日 外 国 人 を 中 心 とした 宿 泊 需 要 が 今 後 大 半 を 占 めるようになって くるとすると ホテル 産 業 のあり 方 構 造 自 体 が 大 きな 転 換 を 必 要 とする 時 期 に 差 し 掛 かっていると 言 える すなわち ホテルの 立 地 選 定 において 従 来 はビジネス 集 積 地 へのアクセス 性 利 便 性 が 重 要 であったところ 観 光 スポットあるいは 観 光 周 遊 ルートへのアクセス 性 利 便 性 が 優 劣 を 決 める 要 因 となってくるであろうし 客 室 や 附 帯 施 設 の 仕 様 機 能 備 品 運 営 面 でのサー ビススタンダードについては 従 来 は 財 布 の 出 どころが 企 業 であったところ 個 人 に 移 ってくること その 個 人 自 体 も 文 化 慣 習 や 旅 行 形 態 ( 個 人 か 団 体 か ファミリーか 友 人 グループか 等 々)が 多 種 多 様 となってくることから 利 用 者 にとってのバリュー フォー マネー がよりシビアに 問 われ それを 満 足 させ 得 る 付 加 価 値 を 多 種 多 様 なセグメントに 対 して 如 何 に 盛 り 込 むかが 商 品 計 画 上 の 重 要 ポイント となってくると 予 想 される ホテル 運 営 面 においては 人 口 減 少 により 人 材 確 保 が 今 後 ますます 厳 しくなってくるであろうことから スタッフの 待 遇 改 善 技 能 教 育 にかかる 費 用 の 増 大 を 運 営 体 制 運 営 システムの 中 で 如 何 にバランスさせてゆくかが ホテル 経 営 上 の 大 きな 課 題 となってくることが 予 想 される 特 に 質 の 高 い 人 的 サービスが 商 品 価 値 の 大 きな 要 素 を 占 めるラグジュアリー 性 の 高 いホテルであればあるほど この 課 題 解 決 は 今 後 大 きな 障 害 となってくる 可 能 性 が 高 く モノはできたが 運 営 ができない といった 事 態 に 陥 ることのないよう 開 発 にあたっては 慎 重 な 検 討 が 必 要 になってくると 考 える 20