第 8 章 保 健 医 療 福 祉 ( 介 護 )の 総 合 的 な 取 組 の 促 進 第 1 節 保 健 医 療 福 祉 ( 介 護 )の 連 携 ( 現 状 及 び 課 題 ) 保 健 医 療 福 祉 は 相 互 に 密 接 に 関 わっており 医 療 連 携 体 制 の 構 築 にあ たっても 疾 病 の 予 防 特 定 健 診 特 定 保 健 指 導 各 種 の 相 談 治 療 リハビ リテーション また 介 護 サービス 保 健 福 祉 サービスが 切 れ 目 なく 連 携 して 行 われることが 必 要 です 県 民 がそれぞれの 地 域 で 生 活 していくためには 保 健 医 療 福 祉 ( 介 護 ) サービスによる 環 境 づくりを 進 め 地 域 社 会 で 支 える 地 域 包 括 ケアシステムの 整 備 が 重 要 です 本 県 においては 生 涯 健 康 県 おおいた21 医 療 費 適 正 化 計 画 豊 の 国 ゴー ルドプラン21などの 各 種 計 画 が 策 定 されていますが 医 療 体 制 の 整 備 にあた っては これら 関 連 計 画 と 整 合 性 を 図 りながら 総 合 的 に 推 進 する 必 要 があり ます ( 今 後 の 施 策 ) 保 健 医 療 福 祉 ( 介 護 )サービスの 一 体 的 効 率 的 な 提 供 を 図 るため 関 係 機 関 の 連 携 を 強 化 します 健 康 づくりから 医 療 の 提 供 介 護 保 険 サービスの 提 供 まで 保 健 医 療 福 祉 ( 介 護 )サービスを 切 れ 目 なく 提 供 できるよう 多 職 種 連 携 による 地 域 ケア 会 議 や 在 宅 医 療 連 携 拠 点 など 関 係 機 関 との 連 携 を 強 化 し 地 域 包 括 ケアシステ ムの 構 築 を 図 ります 生 涯 健 康 県 おおいた21 等 関 連 計 画 の 推 進 を 注 視 し 一 体 となって 医 療 連 携 体 制 の 整 備 を 推 進 します - 154 -
第 2 節 健 康 づくり 運 動 の 推 進 ( 現 状 及 び 課 題 ) がん 心 疾 患 脳 血 管 疾 患 などいわゆる 生 活 習 慣 病 での 死 亡 割 合 は 平 成 23 年 で 52.5 %を 占 めています この 割 合 は 悪 性 新 生 物 と 心 疾 患 は 横 ばいですが 脳 血 管 疾 患 は 減 少 傾 向 にあ ります ( 資 料 厚 生 労 働 省 人 口 動 態 統 計 ) 平 成 13 年 3 月 に すべての 県 民 が 生 涯 を 通 じて 健 康 で 活 力 溢 れる 人 生 を 送 る ことができる 生 涯 健 康 県 おおいた の 実 現 を 基 本 理 念 とした 健 康 づくり 計 画 生 涯 健 康 県 おおいた 21 を 策 定 し 推 進 してきました しかし 平 成 12 年 度 と 23 年 度 に 実 施 した 県 民 健 康 づくり 実 態 調 査 ( 以 下 実 態 調 査 という)の 結 果 を 比 較 すると 40 歳 代 以 上 全 ての 年 代 で 男 女 とも 肥 満 が 増 えています また 1 日 の 歩 行 数 は 男 女 とも 減 少 しています これらのことから 今 後 ますます 内 臓 脂 肪 症 候 群 (メタボリックシンドローム) 該 当 者 が 増 加 していくと 予 想 されます - 155 -
9000 8000 7000 6000 5000 4000 3000 2000 1000 0 1 日 の 歩 行 数 8099 8111 7111 6567 H12 H23 男 性 女 性 第 2 次 生 涯 健 康 県 おおいた21 ( 平 成 25 年 度 ~ 34 年 度 )に 基 づき 若 年 層 から 健 康 寿 命 の 延 伸 を 図 るために 日 常 生 活 習 慣 を 改 善 して 健 康 を 増 進 し 疾 病 の 発 生 を 予 防 する 一 次 予 防 に 重 点 をおいた 対 策 を 推 進 する 必 要 があります また 健 康 格 差 の 縮 小 を 実 現 するため あらゆる 世 代 の 健 やかな 暮 らしを 支 え る 良 好 な 社 会 環 境 を 構 築 する 必 要 があります 健 康 づくりを 効 果 的 に 推 進 するために 生 活 習 慣 病 に 関 連 の 分 野 ごとに 設 定 し た 評 価 指 標 の 達 成 状 況 を 評 価 した 上 で 今 後 の 施 策 に 反 映 させる 必 要 があります ( 今 後 の 施 策 ) (1) 多 様 な 経 路 による 普 及 啓 発 平 成 12 年 度 に 策 定 した 生 涯 健 康 県 おおいた21 における 指 標 の 評 価 結 果 に 基 づいて マスメディア 県 機 関 誌 関 係 団 体 等 の 研 修 会 を 活 用 し 普 及 啓 発 に 努 めます (2) 長 期 計 画 に 基 づく 健 康 づくりの 推 進 今 後 10 年 間 の 健 康 づくり 施 策 を 実 施 するうえで 年 度 毎 に 重 点 分 野 を 定 め 長 期 的 な 視 野 に 立 って 戦 略 的 に 推 進 していきます (3) 科 学 的 根 拠 (エビデンス)に 基 づいた 健 康 づくりの 推 進 禁 煙 減 塩 野 菜 摂 取 の 増 加 などエビデンスの 確 立 されている 良 好 な 生 活 習 慣 を 定 着 させるため 市 町 村 をはじめ 地 域 における 住 民 団 体 企 業 マスメ ディア 保 健 医 療 機 関 等 の 関 連 団 体 と 連 携 を 図 りながら 健 康 づくり 運 動 に 取 り 組 みます (4) 新 たな 課 題 に 対 する 取 り 組 み ロコモティブシンドローム( 運 動 器 症 候 群 ) COPD( 慢 性 閉 塞 性 肺 疾 患 ) など 新 たに 注 視 されてきた 課 題 に 対 しての 予 防 に 取 り 組 んでいきます (5) 各 種 保 健 事 業 の 効 率 的 一 体 的 推 進 生 涯 を 通 じて 一 貫 性 のある 保 健 事 業 の 実 施 を 図 るため 医 療 保 険 者 市 町 村 等 が 相 互 に 連 携 して 実 施 されるよう 事 業 者 間 の 連 携 を 円 滑 に 進 めるための 共 通 の 基 盤 づくりを 推 進 します - 156 -
(6) 健 康 づくり 推 進 のための 環 境 づくり 個 人 の 健 康 に 対 する 価 値 観 が 多 様 化 し それぞれのニーズに 合 わせた 保 健 サ ービスの 提 供 が 必 要 となっているため 広 く 県 民 に 対 し 健 康 情 報 の 提 供 や 健 診 機 会 を 活 用 した 健 康 学 習 等 多 彩 な 保 健 サービスの 提 供 を 促 進 します 健 康 的 な 生 活 習 慣 の 実 践 は 個 人 の 努 力 だけでは 困 難 であり 好 ましい 生 活 習 慣 を 可 能 にする 環 境 条 件 を 整 える 必 要 があります そのため 自 治 会 食 生 活 改 善 推 進 協 議 会 愛 育 班 等 のボランティア 組 織 に 加 え 保 健 部 門 以 外 の 労 働 教 育 土 木 農 林 水 産 商 工 等 住 民 の 生 活 と 関 連 の 深 い 分 野 の 組 織 が 一 体 とな り 健 康 づくりの 推 進 を 図 ります また 健 康 でかつ 医 療 費 が 少 ない 地 域 の 背 景 に いいコミュニティ づく りがあることから 地 域 とのつきあい 信 頼 社 会 参 加 などの 機 会 を 増 やすと ともにソーシャルキャピタルを 地 域 の 資 源 として 活 用 します (7) 健 康 づくり 評 価 のための 体 制 づくり 市 町 村 における 健 康 づくりを 評 価 するため 十 分 な 情 報 収 集 分 析 提 供 助 言 ができる 体 制 の 整 備 を 図 ります 健 康 寿 命 の 延 伸 健 康 格 差 の 縮 小 県 民 の 日 常 生 活 の 改 善 生 活 環 境 の 整 備 行 政 医 療 保 険 者 家 庭 保 健 医 療 関 連 団 体 個 人 地 域 における 住 民 組 織 マスメディア 学 校 企 業 - 157 -
第 3 節 高 齢 者 保 健 福 祉 対 策 ( 現 状 及 び 課 題 ) 介 護 保 険 制 度 は 平 成 12 年 4 月 の 制 度 開 始 以 来 おおむね 順 調 に 運 営 されて います 介 護 サービスの 利 用 も 大 きく 伸 びており 老 後 の 安 心 を 支 える 仕 組 み として 定 着 してきています 一 方 介 護 給 付 費 は 平 成 12 年 度 の459 億 円 から 平 成 23 年 度 の923 億 円 と 約 2 倍 介 護 保 険 料 の 県 平 均 月 額 も 第 1 期 ( 平 成 12~14 年 度 )の3, 192 円 から 第 5 期 ( 平 成 24~26 年 度 )の5,351 円 と 約 1.7 倍 に 大 幅 に 増 加 しています 今 後 高 齢 化 の 進 展 や75 歳 以 上 の 高 齢 者 の 増 加 により 介 護 給 付 費 と 介 護 保 険 料 は 上 昇 すると 見 込 まれ 将 来 にわたって 安 定 した 持 続 可 能 な 介 護 保 険 制 度 を 構 築 することが 課 題 となっています 県 内 の 要 介 護 要 支 援 者 は 介 護 保 険 制 度 が 導 入 された 平 成 12 年 度 末 には 38,287 人 でしたが 平 成 23 年 度 末 には64,446 人 と68.3%の 伸 びとなっています また 第 1 号 被 保 険 者 数 に 対 する 割 合 ( 認 定 率 )は 平 成 23 年 度 末 は20.1%となっており 全 国 平 均 を2.3ポイント 上 回 って います これは 本 県 における75 歳 以 上 の 高 齢 者 の 割 合 が 全 国 平 均 より 高 い ことが 原 因 と 考 えられます 要 介 護 者 等 の 状 況 ( 単 位 : 人 ) 区 分 平 成 21 年 度 平 成 22 年 度 平 成 23 年 度 第 1 号 被 保 険 者 数 A 316,373 316,194 321,358 ( 対 前 年 度 比 ) (-) ( 0.1%) (+1.6%) 要 支 援 者 数 B 19,302 19,892 20,554 要 介 護 者 数 C 40,566 42,336 43,892 認 定 者 数 D=B+C 59,868 62,228 64,446 ( 対 前 年 度 比 ) (-) (+3.9%) (+3.6%) 認 定 率 大 分 県 18.9% 19.7% 20.1% (D/A) 全 国 16.8% 17.4% 17.8% 資 料 : 大 分 県 高 齢 者 福 祉 課 調 べ ( 注 ) 要 支 援 者 要 介 護 者 には 第 2 号 被 保 険 者 を 含 む 平 成 23 年 度 の 数 値 は 暫 定 値 介 護 サービスの 整 備 にあたっては 多 様 なニーズに 適 切 に 対 応 するサービス 提 供 体 制 の 確 立 や 在 宅 生 活 支 援 重 視 という 基 本 理 念 に 基 づき 在 宅 サービス 及 び 施 設 サービスの 均 衡 ある 整 備 に 努 めています 認 知 症 の 人 や 重 度 の 要 介 護 者 など 日 常 生 活 の 支 援 が 必 要 な 人 が 増 加 してお り こうした 高 齢 者 が 住 み 慣 れた 地 域 で 安 心 して 生 活 を 送 るための 介 護 サービ ス 提 供 体 制 や 生 活 支 援 サービスの 充 実 等 が 求 められています - 158 -
要 介 護 者 等 の 増 加 による 介 護 サービス 需 要 が 拡 大 するにつれ 多 様 な 事 業 者 の 参 入 が 行 われていますが 介 護 サービスの 多 様 化 に 対 応 した 適 正 なサービス の 確 保 を 図 るとともに サービスの 質 の 向 上 を 図 る 必 要 があります 介 護 保 険 給 付 費 が 毎 年 度 上 昇 する 中 あらためて 国 民 は 自 ら 要 介 護 状 態 と なることを 予 防 するため 健 康 の 保 持 増 進 に 努 める ことなどを 義 務 とする 介 護 保 険 法 の 理 念 に 基 づき 高 齢 者 の 介 護 予 防 を 推 進 することは 高 齢 者 が 生 き 生 きと 自 立 した 生 活 を 送 ることにつながるとともに 要 支 援 要 介 護 認 定 者 の 減 少 による 介 護 保 険 財 政 の 安 定 化 にも 寄 与 することから 今 後 重 点 的 に 取 り 組 み を 進 める 必 要 があります ( 今 後 の 施 策 ) (1) 介 護 サービスの 整 備 高 齢 者 が 要 介 護 状 態 になっても 可 能 な 限 り 住 み 慣 れた 自 宅 や 地 域 で 生 活 を 継 続 できるよう 在 宅 サービスの 整 備 を 進 めるとともに 市 町 村 間 においてサービ ス 水 準 に 大 きな 格 差 が 生 じることのないよう 広 域 的 な 観 点 からサービス 提 供 体 制 の 整 備 を 図 ります 施 設 サービスについては 豊 の 国 ゴールドプラン21 に 基 づき 計 画 的 整 備 を 進 めます 介 護 保 険 施 設 の 整 備 目 標 量 ( 単 位 : 床 ) 種 類 平 成 23 年 度 平 成 26 年 度 計 画 期 間 中 の 実 績 目 標 整 備 数 介 護 老 人 福 祉 施 設 5,473 5,828 +355 ( 地 域 密 着 型 介 護 老 人 福 祉 施 設 を 含 む) 介 護 老 人 保 健 施 設 4,632 4,661 +29 介 護 療 養 型 医 療 施 設 851 - - 計 10,956 10,489 +384 資 料 : 豊 の 国 ゴールドプラン21< 第 5 期 > ( 注 ) 計 欄 の 平 成 26 年 度 目 標 及 び 計 画 期 間 中 の 整 備 数 には 介 護 療 養 型 医 療 施 設 分 を 含 めていない 介 護 サービスの 質 の 向 上 を 図 るため 介 護 支 援 専 門 員 訪 問 介 護 員 等 のサー ビス 従 事 者 の 養 成 や 現 任 者 に 対 する 研 修 の 充 実 身 体 拘 束 の 廃 止 苦 情 処 理 体 制 の 整 備 を 推 進 するとともに 利 用 者 のサービス 選 択 に 資 するため 施 設 事 業 者 に 関 する 第 三 者 評 価 の 普 及 介 護 サービス 情 報 の 公 表 を 推 進 します (2) 地 域 包 括 ケアシステムの 構 築 高 齢 者 が 住 み 慣 れた 地 域 で 安 心 して 生 活 できるよう 医 療 介 護 予 防 住 まい 生 活 支 援 の 切 れ 目 ないサービス 提 供 体 制 の 整 備 を 進 め 地 域 包 括 ケアシ ステムの 構 築 を 推 進 します - 159 -
(3) 介 護 予 防 と 健 康 づくりの 推 進 介 護 予 防 の 重 要 性 について 高 齢 者 本 人 家 族 地 域 住 民 等 への 普 及 啓 発 を 市 町 村 と 連 携 して 行 います 自 立 支 援 型 ケアマネジメントを 徹 底 するため 保 険 者 機 能 の 強 化 介 護 予 防 支 援 従 事 者 研 修 介 護 予 防 関 連 従 事 者 研 修 の 充 実 を 図 ります 各 地 域 内 での 地 域 リハビリテーションに 関 係 する 施 設 地 域 包 括 支 援 センタ ー 保 健 所 市 町 村 等 の 関 係 機 関 の 連 携 を 強 化 し 地 域 の 特 性 に 合 わせて 地 域 リハビリテーション 支 援 体 制 を 整 備 します (4) 生 活 支 援 の 推 進 と 高 齢 者 の 住 まいの 整 備 民 生 委 員 児 童 委 員 や 自 治 会 ボランティアなどを 中 心 とした 住 民 主 体 の 見 守 り 支 え 合 い 活 動 を 促 進 します 高 齢 者 のニーズや 生 活 実 態 に 応 じた 生 活 支 援 サービスが 提 供 されるよう 市 町 村 や 地 域 包 括 支 援 センターに 対 し 先 駆 的 事 例 に 関 する 情 報 提 供 等 の 支 援 を 行 います 高 齢 者 の 居 住 の 安 定 確 保 に 努 めるとともに 自 宅 での 生 活 が 困 難 になった 場 合 に 入 所 して 生 活 支 援 を 受 ける 生 活 支 援 居 住 施 設 について 地 域 の 実 情 に 応 じ て 整 備 を 進 めます (5) 人 材 の 養 成 と 確 保 高 齢 者 の 保 健 医 療 福 祉 サービスの 向 上 を 図 るため サービスに 従 事 する 人 材 の 養 成 研 修 体 制 の 充 実 強 化 やボランティアの 養 成 確 保 を 進 めます - 160 -
第 4 節 保 健 福 祉 施 設 の 機 能 強 化 1 保 健 所 ( 現 状 及 び 課 題 ) 平 成 9 年 の 地 域 保 健 法 施 行 後 市 町 村 は 母 子 保 健 をはじめ 介 護 保 険 健 康 増 進 事 業 など 住 民 に 身 近 な 保 健 福 祉 サービスを 提 供 しています 平 成 25 年 度 から 母 子 保 健 事 業 の 未 熟 児 養 育 医 療 等 が 市 町 村 へ 移 管 されます 県 の 保 健 所 は 市 町 村 に 対 する 専 門 的 技 術 的 な 支 援 を 行 い 保 健 医 療 分 野 では 市 町 村 での 対 応 が 困 難 な 難 病 や 精 神 保 健 の 業 務 を 食 品 薬 事 環 境 など については 許 可 や 監 視 指 導 等 の 業 務 を 健 康 危 機 管 理 の 分 野 では 感 染 症 や 食 中 毒 の 未 然 防 止 発 生 した 場 合 の 拡 大 対 策 を 担 っています また 最 近 は 児 童 虐 待 予 防 や 自 殺 防 止 対 策 などの 新 たな 課 題 への 対 応 も 求 められています さらに 保 健 所 には 地 域 包 括 ケアシステムの 構 築 における 医 療 介 護 福 祉 等 の 関 連 施 策 との 連 携 強 化 や 新 型 インフルエンザ 等 の 健 康 危 機 管 理 体 制 の 確 保 さらには 大 規 模 災 害 時 における 情 報 収 集 医 療 機 関 との 連 携 等 地 域 保 健 活 動 の 全 体 調 整 の 取 り 組 みも 求 められています 県 の 保 健 所 は6 保 健 所 3 保 健 部 ( 東 部 保 健 所 ( 東 部 保 健 所 国 東 保 健 部 ) 中 部 保 健 所 ( 中 部 保 健 所 由 布 保 健 部 ) 南 部 保 健 所 豊 肥 保 健 所 西 部 保 健 所 北 部 保 健 所 ( 北 部 保 健 所 豊 後 高 田 保 健 部 ))となっています なお 大 分 市 は 中 核 市 として 大 分 市 保 健 所 を 設 置 しています ( 今 後 の 施 策 ) 保 健 所 は 地 域 保 健 対 策 に 関 する 専 門 的 かつ 技 術 的 な 業 務 について 機 能 を 強 化 するとともに 地 域 保 健 対 策 への 地 域 住 民 のニーズの 把 握 に 努 めた 上 で 専 門 的 な 立 場 から 企 画 調 整 指 導 及 びこれらに 必 要 な 事 業 を 行 うとともに 市 町 村 の 地 域 保 健 対 策 を 積 極 的 に 支 援 します 保 健 所 は 所 管 区 域 内 の 地 域 包 括 ケアシステムの 構 築 のため 急 性 期 回 復 期 及 び 維 持 期 における 医 療 機 関 間 の 連 携 医 療 介 護 福 祉 サービスの 連 携 強 化 に 取 り 組 みます 保 健 所 は 所 管 区 域 内 において 保 健 医 療 福 祉 に 関 するサービスが 包 括 的 に 提 供 されるよう 市 町 村 や 関 係 機 関 等 と 重 層 的 な 連 携 体 制 の 構 築 に 努 めます また 保 健 所 は 地 域 の 医 師 会 等 との 連 携 や 協 力 の 下 医 療 機 関 間 の 連 携 体 制 の 構 築 に 努 めるとともに 所 管 区 域 内 における 在 宅 医 療 の 推 進 をはじめ が ん 医 療 脳 卒 中 医 療 急 性 心 筋 梗 塞 医 療 糖 尿 病 医 療 及 び 精 神 疾 患 医 療 の5 疾 病 並 びに 小 児 医 療 周 産 期 医 療 救 急 医 療 災 害 医 療 及 びへき 地 医 療 の5 事 業 の 対 策 の 推 進 に 努 めます 保 健 所 は 地 域 における 健 康 危 機 管 理 の 拠 点 として 健 康 被 害 の 発 生 予 防 拡 大 防 止 を 図 るため 健 康 危 機 管 理 に 対 する 住 民 の 意 識 を 高 め リスクコミュニ ケーションに 努 めます - 161 -
また 新 型 インフルエンザ 等 対 策 については 大 分 県 行 動 計 画 を 踏 まえ 地 域 の 保 健 医 療 の 管 理 機 関 としての 機 能 及 び 役 割 を 果 たし 市 町 村 への 技 術 的 支 援 などを 積 極 的 に 行 います - 162 -
2 地 域 包 括 支 援 センター ( 現 状 及 び 課 題 ) 地 域 包 括 支 援 センターにおいては 保 健 医 療 福 祉 ( 介 護 )サービスを 切 れ 目 なく 提 供 できるよう 地 域 の 関 係 者 とのネットワーク 構 築 を 図 る 必 要 がありま す 市 町 村 の 地 域 包 括 支 援 センターへの 支 援 等 が 十 分 でないため 県 としても 支 援 を 行 う 必 要 があります 地 域 のネットワーク 構 築 を 図 るため 地 域 包 括 支 援 センター 職 員 の 資 質 向 上 を 図 る 必 要 があります 地 域 包 括 支 援 センターが 中 心 となって 在 宅 医 療 支 援 に 取 り 組 むことが 求 められ ています 地 域 包 括 支 援 センターの 設 置 状 況 ( 単 位 :か 所 ) 平 成 21 年 度 平 成 22 年 度 平 成 23 年 度 平 成 24 年 度 合 計 53 53 53 55 内 訳 直 営 7 7 7 6 委 託 46 46 46 49 ( 今 後 の 施 策 ) 地 域 包 括 支 援 センターにおける 地 域 ケア 会 議 の 開 催 を 通 じ 関 係 機 関 の 連 携 強 化 を 図 ります また 関 係 機 関 等 ネットワークへの 地 域 住 民 の 参 加 を 推 進 します 地 域 包 括 支 援 センターの 機 能 強 化 を 図 る 市 町 村 に 対 し 活 動 支 援 を 行 います 地 域 包 括 支 援 センター 職 員 等 に 対 し 地 域 包 括 ケアシステムの 推 進 に 必 要 な 知 識 技 術 等 を 習 得 するための 研 修 等 を 実 施 します 地 域 包 括 支 援 センターを 中 心 として 介 護 サービス 医 療 サービス ボランテ ィア 活 動 等 地 域 のさまざまな 社 会 的 資 源 を 活 用 した 継 続 的 かつ 包 括 的 な 支 援 を 行 うことにより 地 域 で 安 心 して 療 養 生 活 を 送 ることができる 体 制 の 整 備 を 推 進 し ます - 163 -
3 衛 生 環 境 研 究 センター ( 現 状 及 び 課 題 ) 衛 生 環 境 研 究 センターは 保 健 衛 生 環 境 の 分 野 における 中 核 的 な 試 験 研 究 機 関 として 県 民 の 健 康 保 持 増 進 や 環 境 保 全 及 び 生 活 の 安 全 を 確 保 するた めの 試 験 検 査 調 査 研 究 等 を 行 っています 試 験 検 査 は 行 政 がその 目 的 達 成 のために 行 う 行 政 検 査 国 等 から 業 務 委 託 される 委 託 検 査 及 び 個 人 法 人 等 から 依 頼 される 依 頼 検 査 とに 区 分 されま す 機 能 別 部 門 別 業 務 割 合 の 現 状 平 成 22 年 度 平 成 23 年 度 検 査 区 分 備 考 成 分 数 % 成 分 数 % 試 験 検 査 51,145 79.0 51,353 83.6 行 政 検 査 49,292 76.1 48,278 78.6 ( 化 学 担 当 ) (18,396) (20,933) 食 品 衛 生 自 然 毒 医 薬 品 等 の 検 査 ( 微 生 物 担 当 ) (12,141) (8,185) 感 染 症 食 中 毒 食 品 衛 生 及 び 環 境 衛 生 の 微 生 物 学 的 検 査 ( 大 気 特 定 化 学 物 質 担 当 ) (2,451) (2,586) 大 気 汚 染 ダイオキシン 類 及 び 悪 臭 の 検 査 ( 水 質 担 当 ) (16,304) (16,574) 公 共 用 水 域 及 び 地 下 水 工 場 事 業 場 土 壌 廃 棄 物 の 検 査 委 託 検 査 955 1.5 2,737 4.4 国 県 大 分 市 からの 委 託 による 検 査 依 頼 検 査 898 1.4 338 0.6 温 泉 つつが 虫 等 の 検 査 調 査 研 究 13,625 21.0 10,055 16.4 センター 独 自 の 調 査 研 究 や 他 機 関 との 共 同 研 究 合 計 64,770 100.0 61,408 100.0 試 験 検 査 欄 の 数 値 は 行 政 検 査 委 託 検 査 及 び 依 頼 検 査 の 合 計 を 表 す ( ) 書 きは 行 政 検 査 の 内 数 を 表 す 近 年 発 生 しているSARS 新 型 インフルエンザや 原 子 力 発 電 所 事 故 に 伴 う 放 射 能 の 拡 散 等 の 健 康 危 機 管 理 に 対 応 するためには 九 州 各 県 と 情 報 を 共 有 するとともに より 深 く 連 携 していくことが 求 められています また 光 化 学 オキシダントや 酸 性 雨 などの 国 境 を 越 えた 広 域 的 な 事 象 につ いても 九 州 各 県 との 共 同 研 究 をさらに 推 進 する 必 要 があります 危 機 管 理 等 の 事 案 に 迅 速 に 対 応 するためには 技 術 レベルや 分 析 精 度 など を 向 上 させるとともに 行 政 ニーズに 対 応 した 調 査 研 究 をより 充 実 させるこ とが 重 要 です ( 今 後 の 施 策 ) (1) 試 験 検 査 の 推 進 試 験 検 査 の 外 部 委 託 化 に 伴 い 試 験 検 査 体 制 の 見 直 しを 行 い 試 験 検 査 技 - 164 -
術 の 向 上 と 信 頼 性 を 確 保 するため 精 度 管 理 の 充 実 に 努 めます 酸 性 雨 などの 広 域 的 な 事 象 に 対 応 するため 九 州 各 県 で 共 同 調 査 を 継 続 し て 実 施 するとともに 国 の 研 究 機 関 等 との 共 同 研 究 に 取 り 組 みます 危 機 管 理 の 対 応 や 行 政 検 査 の 充 実 を 図 るために 高 感 度 高 精 度 な 検 査 機 器 を 計 画 的 に 更 新 するとともに 高 度 な 検 査 技 術 の 確 保 に 努 めます (2) 調 査 研 究 の 充 実 残 留 農 薬 食 中 毒 細 菌 ウイルス 大 気 汚 染 及 び 水 質 汚 濁 などのテーマに ついて 県 民 の 安 心 安 全 に 関 わる 調 査 研 究 や 他 機 関 との 共 同 研 究 を 進 めま す 外 部 評 価 制 度 を 活 用 し 行 政 ニーズ 県 民 ニーズを 十 分 に 把 握 し 効 率 的 かつ 効 果 的 な 調 査 研 究 を 推 進 します (3) 情 報 提 供 広 報 の 推 進 感 染 症 の 流 行 予 想 をはじめとした 県 民 の 健 康 生 命 に 関 わる 情 報 を 収 集 解 析 するとともに 県 民 への 情 報 提 供 を 推 進 します センターだより 年 報 等 の 広 報 誌 やセンター 独 自 のホームページを 通 じて 調 査 研 究 事 業 の 成 果 等 県 民 への 広 報 を 推 進 します (4) 環 境 教 育 及 び 研 修 の 充 実 衛 生 や 環 境 に 対 する 県 民 の 意 識 を 高 揚 するため センター 内 の 情 報 プラザ や 学 習 検 査 実 習 室 を 活 用 し 環 境 教 育 を 推 進 します 保 健 衛 生 及 び 環 境 関 係 職 員 の 人 材 育 成 及 び 資 質 の 向 上 を 図 るための 研 修 や 高 校 生 大 学 生 等 を 対 象 としたインターンシップ 研 修 を 進 めます 衛 生 環 境 研 究 センター( 大 分 市 高 江 ) - 165 -
4 精 神 保 健 福 祉 センター(こころとからだの 相 談 支 援 センター) ( 現 状 及 び 課 題 ) 平 成 22 年 4 月 精 神 障 がい 身 体 障 がい 知 的 障 がいの3 障 がいに 対 する 一 体 的 で 効 果 的 な 質 の 高 いサービスを 提 供 するため 精 神 保 健 福 祉 センター 身 体 障 害 者 更 生 相 談 所 知 的 障 害 者 更 生 相 談 所 を 一 元 化 し こころとからだの 相 談 支 援 センターとしてスタートしました 精 神 保 健 福 祉 センターの 機 能 としては 精 神 保 健 福 祉 法 に 基 づき 技 術 支 援 技 術 指 導 教 育 研 修 普 及 啓 発 精 神 保 健 福 祉 相 談 組 織 育 成 精 神 科 デイケア 精 神 医 療 審 査 会 の 審 査 に 関 する 事 務 自 立 支 援 医 療 ( 精 神 通 院 医 療 ) 及 び 精 神 障 害 者 保 健 福 祉 手 帳 の 判 定 に 関 する 事 務 などを 行 っています また 平 成 17 年 に 開 設 された 休 日 夜 間 等 における 精 神 科 救 急 電 話 相 談 センター 事 業 の 事 務 局 業 務 も 行 っており 地 域 精 神 保 健 の 総 合 的 な 技 術 中 核 機 関 としての 役 割 を 担 って います 今 回 の 一 元 化 により これまで 制 度 の 谷 間 となっていた 発 達 障 がい 高 次 脳 機 能 障 がいをはじめ 重 複 障 がいに 対 応 するなど 専 門 機 関 としての 支 援 の 強 化 が 求 められています (1) 精 神 保 健 福 祉 相 談 精 神 保 健 福 祉 相 談 は 来 所 と 電 話 相 談 で 対 応 しています 電 話 相 談 は 心 の 健 康 に 関 するニーズが 高 く 相 談 が 多 いため 電 話 が 繋 がりに くい 状 況 となっています また 来 所 相 談 では ギャンブル 依 存 症 等 のアディクション 関 係 の 相 談 やひ きこもり 相 談 発 達 障 がい 関 係 の 相 談 にも 対 応 しています また 自 殺 に 関 す る 相 談 や 自 死 遺 族 への 対 応 も 行 っています 今 後 は 狭 義 の 精 神 疾 患 のみでなく 幅 広 いニーズに 対 応 出 来 る 相 談 機 能 の 充 実 や 技 術 向 上 と 相 談 体 制 の 整 備 が 必 要 です (2) 保 健 所 等 関 係 機 関 への 技 術 支 援 技 術 援 助 地 域 精 神 保 健 福 祉 活 動 拠 点 である 保 健 所 をはじめとする 関 係 機 関 に 対 して 積 極 的 に 技 術 援 助 を 行 い 地 域 精 神 保 健 福 祉 の 向 上 に 努 めています 今 後 も 保 健 所 をはじめとする 関 係 機 関 への 技 術 支 援 を 継 続 的 に 行 うことが 必 要 です さらには 医 療 観 察 法 による 地 域 処 遇 など 処 遇 困 難 事 例 にかかわる 機 関 へも 継 続 して 技 術 支 援 を 行 うことが 求 められます (3) 教 育 研 修 精 神 保 健 福 祉 の 専 門 機 関 として 基 礎 的 な 研 修 から 専 門 的 な 研 修 まで 人 材 育 成 として 職 員 の 技 術 の 向 上 につなげています 特 に 自 殺 対 策 や 発 達 障 がい 者 対 策 に 力 を 入 れています 今 後 も 地 域 の 精 神 保 健 の 課 題 に 対 応 出 来 る 関 係 職 員 の 資 質 の 向 上 のための 研 修 は 必 要 となります (4) 精 神 科 デイケア 社 会 復 帰 に 向 けて 大 規 模 精 神 科 デイケアによるリハビリテーションを 実 施 し - 166 -
ています 若 年 層 を 中 心 とした 通 過 型 のデイケアで 生 活 支 援 に 加 え 就 労 支 援 にも 力 を 入 れて 取 り 組 んでおり 一 定 の 効 果 を 上 げています 対 象 としては 統 合 失 調 症 の 他 成 人 の 広 汎 性 発 達 障 がい 社 会 的 ひきこも りの 方 の 受 け 入 れをしています 全 対 象 者 のうち 発 達 障 がい 圏 の 方 が 約 3 割 を 占 めています 今 後 は センターデイケアの 特 徴 を 生 かし 関 係 機 関 と 連 携 し 支 援 の 充 実 を 図 る 必 要 があります (5) 普 及 啓 発 各 種 家 族 教 室 (うつ 病 家 族 教 室 成 人 発 達 障 がい 家 族 教 室 薬 物 依 存 家 族 教 室 ギャンブル 関 連 問 題 家 族 教 室 )などの 開 催 パンフレット リーフレット 等 の 配 布 などにより 県 民 のこころの 健 康 づくりに 関 する 普 及 啓 発 を 図 っています 今 後 は 現 在 社 会 問 題 となっている 自 殺 対 策 などに 対 する 更 なる 取 り 組 みが 求 められています (6) 精 神 医 療 審 査 会 事 務 自 立 支 援 医 療 費 ( 精 神 通 院 医 療 ) 精 神 保 健 福 祉 手 帳 の 判 定 事 務 精 神 医 療 審 査 会 の 審 査 件 数 および 自 立 支 援 医 療 ( 精 神 通 院 医 療 ) 精 神 保 健 福 祉 手 帳 の 判 定 件 数 は 年 々 増 加 傾 向 にあります 精 神 医 療 審 査 会 については さらなる 精 神 障 がい 者 の 人 権 擁 護 と 適 正 な 医 療 及 び 保 護 を 図 るため 国 において 制 度 の 見 直 しの 検 討 が 行 われており その 動 向 に 注 視 が 必 要 です ( 今 後 の 施 策 ) (1) センター 機 能 の 充 実 精 神 保 健 福 祉 に 係 る 諸 問 題 の 解 決 に 向 け 調 査 研 究 を 行 い 情 報 提 供 するとと もに 施 策 の 企 画 立 案 提 言 を 行 うなど 専 門 的 中 枢 機 関 としての 機 能 を 強 化 し ます 社 会 情 勢 の 変 化 に 伴 う 様 々なこころの 健 康 問 題 に 対 応 するため 相 談 体 制 の 充 実 を 図 ります 関 係 機 関 への 技 術 援 助 技 術 指 導 および 関 係 者 への 研 修 を 積 極 的 に 行 い 関 係 職 員 の 資 質 の 向 上 精 神 保 健 福 祉 活 動 の 推 進 を 図 ります 精 神 障 がい 者 の 社 会 復 帰 社 会 参 加 のため 生 活 支 援 就 労 支 援 のさらなる 充 実 を 図 ります 精 神 障 がい 福 祉 の 理 解 を 深 める 普 及 啓 発 を 行 います 精 神 医 療 審 査 会 の 審 査 事 務 自 立 支 援 医 療 ( 精 神 通 院 ) 精 神 保 健 福 祉 手 帳 判 定 事 務 の 適 性 な 運 営 を 行 います こころの 健 康 危 機 管 理 として 県 の 計 画 との 連 携 大 分 県 の 実 情 にあったこ ころのケア 体 制 の 整 備 を 図 ります (2) 関 係 機 関 との 連 携 強 化 保 健 所 市 町 村 医 療 機 関 障 がい 者 の 支 援 にかかる 機 関 教 育 機 関 等 との 有 機 的 な 相 互 連 携 体 制 を 強 化 します - 167 -