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平 成 27 年 9 月 24 日 判 決 言 渡 し 平 成 27 年 ( 行 コ) 第 64 号 固 定 資 産 価 格 審 査 申 出 棄 却 決 定 取 消 請 求 控 訴 事 件 ( 原 審 東 京 地 方 裁 判 所 平 成 24 年 ( 行 ウ) 第 473 号 ) 主 文 1 原 審 原 告 の 控 訴 に 基 づき, 原 判 決 を 次 のとおり 変 更 する (1) 東 京 都 固 定 資 産 評 価 審 査 委 員 会 が 原 審 原 告 に 対 して 平 成 24 年 1 月 10 日 付 けでした 原 判 決 別 紙 1 物 件 目 録 記 載 の 家 屋 について 固 定 資 産 課 税 台 帳 に 登 録 された 平 成 21 年 度 の 価 格 についての 審 査 の 申 出 を 棄 却 する 決 定 のうち 価 格 30 億 5056 万 5900 円 を 超 える 部 分 を 取 り 消 す (2) 原 審 原 告 のその 余 の 請 求 を 棄 却 する 2 原 審 被 告 の 控 訴 を 棄 却 する 3 訴 訟 費 用 は, 第 1,2 審 を 通 じて,これを5 分 し,その4を 原 審 原 告 の 負 担 とし,その 余 を 原 審 被 告 の 負 担 とする 事 実 及 び 理 由 第 1 控 訴 の 趣 旨 1 原 審 被 告 (1) 原 判 決 中, 原 審 被 告 の 敗 訴 部 分 を 取 り 消 す (2) 上 記 の 部 分 につき, 原 審 原 告 の 請 求 を 棄 却 する 2 原 審 原 告 (1) 原 判 決 を 次 のとおり 変 更 する (2) 東 京 都 固 定 資 産 評 価 審 査 委 員 会 が 原 審 原 告 に 対 して 平 成 24 年 1 月 10 日 付 けでした 原 判 決 別 紙 1 物 件 目 録 記 載 の 家 屋 について 固 定 資 産 課 税 台 帳 に 登 録 された 平 成 21 年 度 の 価 格 についての 審 査 の 申 出 を 棄 却 する 決 定 のうち 価 格 27 億 1966 万 5600 円 を 超 える 部 分 を 取 り 消 す 第 2 事 案 の 概 要 等 1 事 案 の 概 要 - 1 -

本 件 は, 昭 和 57 年 9 月 14 日 に 新 築 され, 平 成 3 年 3 月 31 日 に 増 築 され, 平 成 6 年 に 増 築 部 分 ついて 減 築 されている 原 判 決 別 紙 1 物 件 目 録 記 載 の 家 屋 ( 以 下 本 件 家 屋 といい,このうち 増 減 築 された 部 分 を 増 築 部 分 と,そ の 余 を 新 築 部 分 という )を 所 有 する 原 審 原 告 が, 固 定 資 産 課 税 台 帳 に 登 録 された 平 成 21 年 度 の 本 件 家 屋 の 価 格 ( 以 下 本 件 登 録 価 格 という )で ある31 億 3408 万 8400 円 について, 本 件 家 屋 の 新 築 部 分 の 建 築 当 初 の 設 備 の 評 価 等 に 誤 りがあって 本 件 登 録 価 格 が 適 正 な 時 価 を 超 えるものであると して, 東 京 都 固 定 資 産 評 価 審 査 委 員 会 に 対 し, 地 方 税 法 432 条 1 項 による 審 査 の 申 出 ( 以 下 本 件 申 出 という )をしたが, 平 成 24 年 1 月 10 日 付 け で, 同 委 員 会 から 本 件 申 出 を 棄 却 する 旨 の 決 定 ( 以 下 本 件 決 定 という ) を 受 けたため, 本 件 決 定 のうち 原 審 原 告 が 相 当 と 考 える 本 件 家 屋 の 価 格 である 27 億 1966 万 5600 円 を 超 える 部 分 は 違 法 であると 主 張 して, 同 部 分 の 取 消 しを 求 める 事 案 である 2 原 審 の 判 断 原 審 は, 次 のとおり 判 断 して, 本 件 登 録 価 格 のうち30 億 6072 万 900 0 円 を 超 える 部 分 は 違 法 であるとして, 本 件 決 定 のうち 同 部 分 を 取 り 消 した (1) 平 成 21 年 度 を 基 準 年 度 とする 本 件 登 録 価 格 に 不 服 を 申 し 立 てる 本 件 申 出 において, 本 件 家 屋 の 建 築 当 初 の 評 価 の 誤 りを 主 張 することは 許 されない とする 原 審 被 告 の 主 張 は 採 用 することができず, 同 評 価 の 誤 りを 主 張 するこ とも 許 される 即 ち, 本 件 家 屋 についての 基 準 年 度 である 平 成 21 年 度 の 固 定 資 産 課 税 台 帳 登 録 価 格 ( 本 件 登 録 価 格 )は, 本 件 家 屋 の 平 成 20 年 度 における 再 建 築 費 評 点 数 に 再 建 築 費 評 点 補 正 率 を 乗 じて 求 められた 再 建 築 費 評 点 数 に 基 づいて 定 められているが, 平 成 20 年 度 の 再 建 築 費 評 点 数 は, 本 件 家 屋 が 建 築 され た 当 初 の 昭 和 57 年 度 の 再 建 築 費 評 点 数 を 基 礎 として,その 後 の 各 基 準 年 度 ごとに, 固 定 資 産 評 価 基 準 における 補 正 率 を 順 次 適 用 して 算 出 されたもので - 2 -

ある したがって,その 間 の 固 定 資 産 評 価 基 準 の 適 用 に 誤 りがない 場 合 に 限 り, 平 成 21 年 度 の 再 建 築 費 評 点 数 に 基 づく 本 件 登 録 価 格 は 適 正 な 時 価 を 上 回 るものではないと 推 認 されるにすぎないから,その 適 用 の 誤 りが 建 築 当 初 の 再 建 築 費 評 点 数 の 算 出 の 誤 りであっても, 平 成 21 年 度 の 再 建 築 費 評 点 数 に 影 響 を 及 ぼすものである 限 り, 同 再 建 築 費 評 点 数 に 基 づく 本 件 登 録 価 格 が 適 正 な 時 価 を 上 回 るものではないとの 推 認 はされない また, 地 方 税 法 432 条 1 項 は, 基 準 年 度 の 登 録 価 格 について 審 査 の 申 出 をすることができる 場 合 につき, 何 ら 制 限 を 設 けていない 以 上 によれば, 本 件 登 録 価 格 に 不 服 を 申 し 立 てる 本 件 申 出 において, 本 件 家 屋 の 新 築 部 分 の 建 築 当 初 の 評 価 の 誤 りを 主 張 することも 許 され,これを 許 しても 従 前 の 登 録 価 格 及 びこれに 基 づく 課 税 処 分 の 効 力 は 左 右 されないか ら, 法 的 安 定 性 を 害 することもない (2) 本 件 家 屋 の 新 築 部 分 の 建 築 当 初 の 評 価 において,1 主 体 構 造 部 の 鉄 骨 の 全 てに 耐 火 被 覆 が 施 工 されているとする 点,2 延 べ 床 面 積 の 全 体 にスプリンク ラー 設 備 が 設 置 されているとする 点,3 電 気 設 備 中 のテレビジョン 共 同 聴 視 設 備 に 規 模 補 正 を 行 っていない 点,4 床 仕 上 など4 項 目 において 誤 った 再 建 築 費 評 点 数 を 用 いた 点 について 誤 りがあり,これを 正 して 計 算 すると, 固 定 資 産 評 価 基 準 に 基 づく 平 成 21 年 度 の 本 件 家 屋 の 価 格 は30 億 6072 万 9 000 円 となる 3 当 事 者 双 方 の 控 訴 原 審 被 告 は, 本 件 申 出 において 本 件 家 屋 の 建 築 当 初 の 評 価 の 誤 りを 主 張 する ことが 許 され,その 評 価 において 上 記 2(2)の1から4までの 点 について 誤 りが あったとする 原 審 の 判 断 を 不 服 として, 原 判 決 中 の 原 審 被 告 敗 訴 部 分 の 取 消 し と 同 部 分 に 係 る 原 審 原 告 の 請 求 の 棄 却 を 求 めて 控 訴 した 他 方, 原 審 原 告 は, 上 記 2(2)の1の 点 の 誤 りのうち, 耐 火 被 覆 が 施 工 されて いない 部 分 の 算 定 及 び 同 2の 点 の 誤 りのうち,スプリンクラー 設 備 が 設 置 され - 3 -

ていない 部 分 の 算 定 に 係 る 原 審 の 判 断 に 不 服 があり,また, Ⅰ 本 件 家 屋 の 新 築 部 分 の 再 建 築 費 評 点 数 の 算 出 において, ⅰ 電 気 設 備 中 の 電 灯 コンセント 配 線 設 備 につきフロアコンセントが 全 館 にあるものとした 点, ⅱ 電 器 設 備 中 の 照 明 器 具 設 備 につき 天 井 高 を 標 準 であるとした 点, ⅲ 電 気 設 備 中 の 電 話 配 線 設 備 につ きフロアダクトが 全 館 にあるものとした 点, ⅳ 建 築 設 備 に 係 る 規 模 補 正 の 減 点 補 正 率 につき, 建 築 当 初 の 昭 和 57 年 度 の 固 定 資 産 評 価 基 準 における 規 模 補 正 率 を 適 用 すべきところ, 平 成 25 年 度 の 固 定 資 産 評 価 基 準 における 規 模 補 正 率 に 係 る 告 示 を 適 用 し, 正 しい 減 点 補 正 率 を 適 用 せず, 過 少 な 減 点 補 正 率 を 適 用 しているなどの 点 においても 誤 りがあり,さらに, Ⅱ 本 件 家 屋 の 各 基 準 年 度 ご との 評 価 において, 一 棟 単 位 で 経 年 減 点 補 正 率 を 適 用 せず, 過 少 な 経 年 減 点 補 正 率 を 適 用 している 点 にも 誤 りがあるところ,これらの 点 に 誤 りはないとした 原 審 の 判 断 に 不 服 があるとして, 原 判 決 を 変 更 して 原 審 原 告 の 請 求 を 全 部 認 容 することを 求 めて 控 訴 した 4 関 係 法 令 等 の 定 めの 概 要 原 判 決 別 紙 2の 関 係 法 令 等 の 定 めの 概 要 を 次 のとおり 補 正 するほかは, 同 別 紙 記 載 のとおりであるから,これを 引 用 する 原 判 決 104 頁 24 行 目 の (1)カ を (1)キ と 改 め,106 頁 17 行 目 末 尾 の 次 に 行 を 改 めて 下 記 のとおり 加 え, 同 頁 18 行 目 の (4) を (6) と, 107 頁 10 行 目 の (5) を (7) と,108 頁 6 行 目 の (6) を (8) と, 同 頁 9 行 目 の (7) を (9) とそれぞれ 改 める (4) 部 分 別 による 再 建 築 費 評 点 数 の 算 出 方 法 ( 第 3 節 二 ) 各 個 の 非 木 造 家 屋 の 構 造 の 区 分 に 応 じ, 当 該 非 木 造 家 屋 について 適 用 す べき 非 木 造 家 屋 評 点 基 準 表 によって 当 該 非 木 造 家 屋 の 各 部 分 別 に 標 準 評 点 数 を 求 め,これに 補 正 項 目 について 定 められている 補 正 係 数 を 乗 じて 得 た 数 値 に 計 算 単 位 の 数 値 を 乗 じて 算 出 した 部 分 別 再 建 築 費 評 点 数 を 合 計 して 求 めるものとする - 4 -

(5) 比 準 による 再 建 築 費 評 点 数 の 算 出 方 法 ( 第 3 節 三 ) 1 当 該 市 町 村 に 所 在 する 非 木 造 家 屋 を,その 実 態 に 応 じ, 構 造, 程 度, 規 模 等 の 別 に 区 分 し,それぞれの 区 分 ごとに 標 準 とすべき 非 木 造 家 屋 を 標 準 非 木 造 家 屋 として 定 める 2 標 準 非 木 造 家 屋 について, 二 ( 部 分 別 による 再 建 築 費 評 点 数 の 算 出 方 法 )によって 再 建 築 費 評 点 数 を 付 設 する 3 標 準 非 木 造 家 屋 以 外 の 非 木 造 家 屋 で 当 該 標 準 非 木 造 家 屋 の 属 する 区 分 と 同 一 の 区 分 に 属 するもの( 比 準 非 木 造 家 屋 )の 再 建 築 費 評 点 数 は, 当 該 比 準 非 木 造 家 屋 と 当 該 標 準 非 木 造 家 屋 の 各 部 分 別 の 使 用 資 材, 施 工 量 等 の 相 違 を 考 慮 し, 当 該 標 準 非 木 造 家 屋 の 部 分 別 再 建 築 費 評 点 数 又 は 再 建 築 費 評 点 数 に 比 準 して 付 設 する 5 前 提 事 実 原 判 決 を 下 記 のとおり 補 正 するほかは, 原 判 決 の 事 実 及 び 理 由 中 の 第 2 事 案 の 概 要 の 3 前 提 となる 事 実 に 記 載 のとおりであるから,これ を 引 用 する 原 判 決 5 頁 4 行 目 の 登 録 された を 登 録 され, 原 審 原 告 は, 同 年 6 月 1 日 付 けの 納 税 通 知 書 の 交 付 を 受 けた と, 同 頁 9 行 目 の 決 定 ( 本 件 決 定 )を したが を 決 定 ( 本 件 決 定 )をし, 同 月 18 日, 原 審 原 告 に 告 知 したが と それぞれ 改 める 6 争 点 及 び 争 点 に 関 する 各 当 事 者 の 主 張 の 要 点 原 判 決 を 下 記 のとおり 補 正 するほかは, 原 判 決 の 事 実 及 び 理 由 中 の 第 3 争 点 及 び 第 4 争 点 に 関 する 各 当 事 者 の 主 張 の 要 点 に 記 載 のとおり であるから,これを 引 用 する (1) 上 記 引 用 部 分 中 の 各 別 紙 をいずれも 原 判 決 別 紙 と 改 める (2) 原 判 決 6 頁 24 行 目 の 登 録 価 格 を 固 定 資 産 課 税 台 帳 に 登 録 された 価 格 ( 以 下,この 価 格 一 般 を 登 録 価 格 という ) と 改 める - 5 -

(3) 原 判 決 7 頁 14 行 目 の 前 の 基 準 年 度 との を 削 る (4) 原 判 決 13 頁 3 行 目 の 反 映 したのであるかのかが を 反 映 したもので あるか 否 かが と 改 める (5) 原 判 決 14 頁 13 行 目 の 固 定 資 産 価 格 を 固 定 資 産 の 登 録 価 格 と 改 める (6) 原 判 決 15 頁 1 行 目 の 再 建 築 評 点 数 を 再 建 築 費 評 点 数 と 改 める (7) 原 判 決 19 頁 17 行 目 の 第 3 項 を 第 5 項 と 改 める (8) 原 判 決 24 頁 12 行 目 の 1 階 の 一 部 を 1 階 と 改 める (9) 原 判 決 32 頁 2 行 目 の RC 造 である 竣 工 図 を RC 造 である( 竣 工 図 と, 同 頁 7 行 目 の 見 て 取 れる) を 見 て 取 れる ) と, 同 頁 17 行 目 から21 行 目 までを これに 対 して, 固 定 資 産 の 評 価 における 構 造 別 区 分 は, 固 定 資 産 税 を 課 税 するために 評 価 するという 観 点 から 判 断 する 必 要 が ある とそれぞれ 改 め, 同 頁 23 行 目 から24 行 目 にかけての 経 年 減 点 補 正 率 における を 削 る (10) 原 判 決 33 頁 1 行 目 の 経 年 減 点 補 正 率 の を 削 り, 同 頁 9 行 目 の 地 上 1 階 の から10 行 目 までを 地 上 1 階 の 床 面 積 全 てがSRC 造 RC 造 であると 評 価 することには 合 理 性 が 容 易 に 認 められることからも 裏 付 けられ る と 改 める (11) 原 判 決 56 頁 4 行 目 の 後 記 イc を 後 記 イ(イ)c と 改 める (12) 原 判 決 62 頁 12 行 目 及 び14 行 目 の 各 m2 をいずれも m3 と 改 め る (13) 原 判 決 65 頁 2 行 目 の 補 正 が を 削 る 第 3 当 裁 判 所 の 判 断 1 当 裁 判 所 は, 本 件 家 屋 の 新 築 部 分 の 建 築 当 初 の 再 建 築 費 評 点 数 の 算 出 には 誤 りがあり,これは 本 件 登 録 価 格 に 影 響 を 及 ぼすものであって, 原 審 原 告 が 本 件 家 屋 の 新 築 部 分 の 建 築 当 初 の 再 建 築 費 評 点 数 の 誤 りを 主 張 することも 許 される - 6 -

から,この 誤 りを 正 して 計 算 すると, 本 件 登 録 価 格 のうち30 億 5056 万 5 900 円 を 超 える 部 分 は 違 法 であると 判 断 する その 理 由 は, 原 判 決 を 次 のと おり 補 正 し, 次 項 以 下 において, 当 事 者 の 主 張 に 対 する 判 断 を 付 加 するほかは, 原 判 決 の 事 実 及 び 理 由 中 の 第 5 当 裁 判 所 の 判 断 に 記 載 のとおりであ るから,これを 引 用 する (1) 原 判 決 81 頁 17 行 目 の 682.72t を 681.60t と, 同 頁 20 行 目 の 3,118.78 及 び 3118.78 をいずれも 3,113.78 と, 同 頁 21 行 目 の 682.72 を 681.60 とそれぞれ 改 める (2) 原 判 決 84 頁 11 行 目 の あること 照 らすと を あることに 照 らすと と 改 める (3) 原 判 決 87 頁 8 行 目 の 係 る, を 係 る と 改 め, 同 頁 10 行 目 及 び2 3 行 目 の 各 いずれも の 前 に 炭 酸 ガス 消 火 設 備 は 容 積 であるが, その 余 は をそれぞれ 加 える (4) 原 判 決 88 頁 2 行 目 から3 行 目 にかけての それぞれの 設 備 が 消 火 を 対 象 とする 面 積 又 はこれを 基 礎 とする 数 値 が を,それぞれの 設 備 が 消 火 の 対 象 とする 容 積 又 は 面 積 とこれを 基 礎 とする 数 値 が と, 同 頁 22 行 目 の 延 焼 拡 大 にあるにもかかわらず,それらの 計 算 単 位 は を 延 焼 拡 大 の 防 止 に あるにもかかわらず, 炭 酸 ガス 消 火 設 備 の 計 算 単 位 は 設 置 部 分 の 容 積 と され, 泡 消 火 設 備 の 計 算 単 位 は と 改 める (5) 原 判 決 89 頁 1 行 目 から4 行 目 までを 次 のとおり 改 める さらに, 本 件 家 屋 の 階 段 室 やエレベーター 等 のスプリンクラーヘッドが 設 置 されていない 部 分 についても,それらの 位 置, 構 造 等 に 照 らして, 本 件 家 屋 におけるスプリンクラー 設 備 の 効 用 を 直 接 的 に 受 けているとはいい 難 いから, 当 該 部 分 についても,スプリンクラー 設 備 の 設 置 部 分 の 延 べ 床 面 積 から 除 外 されるものと 解 するのが 相 当 である (6) 原 判 決 89 頁 5 行 目 の スプリンクラー 設 備 に 係 る を スプリンクラー - 7 -

設 備 は,これに 係 る と, 同 頁 16 行 目 の には を によると と, 同 行 の 地 下 2 階 に を 地 下 2 階 には と, 同 頁 18 行 目 の されており を されているものの と, 同 頁 21 行 目 の 記 載 も を 記 載 は とそれぞ れ 改 める (7) 原 判 決 89 頁 22 行 目 末 尾 の 後 に 行 を 改 めて 次 のとおり 加 える また, 消 火 設 備 の 設 置 されていない 部 分 については,スプリンクラーヘ ッドや,これを 配 置 するための 横 配 管 等 のスプリンクラー 設 備 は 施 工 され ていないのであり, 当 該 部 分 へのスプリンクラー 設 備 の 施 工 に 要 する 費 用 が 投 じられていないのであるから, 設 備 に 相 応 する 評 価 を 行 う 観 点 からも, 当 該 部 分 については,スプリンクラー 設 備 の 設 置 部 分 の 延 べ 床 面 積 か ら 除 外 されるべきであるといわざるを 得 ず,したがって, 原 審 被 告 の 上 記 主 張 は,この 点 においても 採 用 することができない (8) 原 判 決 89 頁 26 行 目 の 認 められる を 認 められ,3 消 火 設 備 の 設 置 されていない 部 分 の 面 積 は3049.00m2であることが 認 められる と 改 める (9) 原 判 決 90 頁 2 行 目 の 上 記 1 から4 行 目 までを 上 記 1の1087. 00m2,2の2324.21m2 及 び3の3049.00m2の 合 計 6460. 21m2を 減 じた 床 面 積 である1 万 8252.58m2を 使 用 するのが 相 当 であ る と, 同 頁 7 行 目 の 建 設 設 備 を 建 築 設 備 とそれぞれ 改 める (10) 原 判 決 94 頁 16 行 目 の 10,000m2 程 度 を 10,000m2 程 度 のもの と 改 める (11) 原 判 決 96 頁 10 行 目 の 考 えられる )が を 考 えられる ) と, 同 頁 13 行 目 の 1500m2でとされている を 1500m2とされている とそれぞれ 改 める (12) 原 判 決 97 頁 24 行 目 の 固 定 資 産 ( 家 屋 )の 評 価 に 当 たり を 固 定 資 産 ( 家 屋 )を 評 価 するに 当 たり と 改 める - 8 -

(13) 原 判 決 98 頁 10 行 目 の 3118.78tのうち682.72t を 3113.78tのうち681.60t と, 同 頁 13 行 目 から14 行 目 にかけての 2 万 1301.58m2 を 1 万 8252.58m2 と, 同 頁 20 行 目 の 別 紙 9 を 別 紙 1 と, 同 行 の 18 万 0700 点 を 1 8 万 0100 点 と, 同 頁 24 行 目 の 別 紙 10のとおり19 万 8300 点 を 別 紙 2のとおり19 万 8000 点 と, 同 頁 25 行 目 の 別 紙 11のと おり20 万 2100 点 を 別 紙 3のとおり20 万 1700 点 とそれぞれ 改 める (14) 原 判 決 99 頁 4 行 目 の 別 紙 10 及 び11 を 別 紙 2 及 び3 と, 同 頁 5 行 目 の 20 億 3928 万 2200 円 を 20 億 3209 万 8000 円 と, 同 行 から6 行 目 にかけての 10 億 0594 万 3600 円 を 1 0 億 0296 万 4700 円 と, 同 行 の 30 億 4522 万 5800 円 を 30 億 3506 万 2700 円 と, 同 頁 8 行 目 及 び10 行 目 の 各 30 億 6072 万 9000 円 をいずれも 30 億 5056 万 5900 円 とそれ ぞれ 改 める 2 原 審 被 告 の 主 張 について (1) 建 築 当 初 の 評 価 の 妥 当 性 を 争 うことの 可 否 について ア 原 審 被 告 は, 建 築 当 初 の 評 価 の 妥 当 性 を 争 うことはできないとする 理 由 として, 原 審 において, 引 用 に 係 る 原 判 決 (ただし, 補 正 後 のもの 以 下 同 じ )の 事 実 及 び 理 由 中 の 第 4 争 点 に 関 する 各 当 事 者 の 主 張 の 要 点 の1( 被 告 の 主 張 の 要 点 )に 記 載 している 主 張 のほかに, 当 審 にお いて, 後 記 イないしカの 主 張 をする 原 審 被 告 の 上 記 主 張 のうち, 原 審 におけるものを 採 用 することができな い 理 由 は, 引 用 に 係 る 原 判 決 の 事 実 及 び 理 由 中 の 第 5 当 裁 判 所 の 判 断 の1において, 説 示 したとおりである イ 原 審 被 告 は, 固 定 資 産 評 価 基 準 では, 在 来 分 の 非 木 造 家 屋 に 係 る 再 建 築 - 9 -

費 評 点 数 は 基 準 年 度 の 前 年 度 における 再 建 築 費 評 点 数 に 再 建 築 費 評 点 補 正 率 を 乗 じて 求 める( 以 下 評 点 補 正 率 方 式 という )と 規 定 し ているところ,ここで 用 いられる 基 準 年 度 の 前 年 度 における 再 建 築 費 評 点 数 は, 前 基 準 年 度 に 算 出 された 再 建 築 費 評 点 数 という 事 実 としての 確 定 数 値 を 示 しているのであり, 建 築 当 初 の 再 建 築 費 評 点 数 とは 切 り 離 され た 数 値 であると 主 張 する そして,その 根 拠 として, 固 定 資 産 評 価 基 準 が 定 める 家 屋 の 評 価 方 法 は, 再 建 築 価 格 として 評 価 するという 基 本 的 な 考 え の 下 で, 部 分 別 評 価 方 式 ( 固 定 資 産 評 価 基 準 第 2 章 第 3 節 二, 引 用 に 係 る 原 判 決 別 紙 2の 関 係 法 令 等 の 定 めの 概 要 ( 補 正 後 のもの)の2(4))と 比 準 評 価 方 式 ( 固 定 資 産 評 価 基 準 第 2 章 第 3 節 三, 引 用 に 係 る 原 判 決 別 紙 2の 関 係 法 令 等 の 定 めの 概 要 の2(5))とを 同 等 の 評 価 方 法 として 規 定 しており,これらの 評 価 方 法 は 各 基 準 年 度 における 家 屋 の 評 価 を 建 築 当 初 の 評 価 と 切 り 離 して 行 うものであるところ,このうち 比 準 評 価 方 式 につい て, 家 屋 の 構 造 部 分 に 区 別 して 比 準 する 部 分 別 比 準 方 式 と 家 屋 一 棟 全 体 と して 標 準 家 屋 と 比 準 する 総 合 比 準 方 式 を 規 定 していて, 評 価 基 準 依 命 通 達 により, 総 合 比 準 方 式 の 一 種 であってより 簡 便 な 評 価 方 法 である 乗 率 比 準 方 式 ( 標 準 家 屋 の 基 準 年 度 における 再 建 築 費 評 点 数 の 前 年 度 における 再 建 築 費 評 点 数 に 対 する 割 合 を 求 め, 当 該 割 合 を 基 礎 として 市 町 村 長 が 定 めた 率 を 当 該 標 準 家 屋 と 同 一 の 区 分 に 属 する 比 準 家 屋 の 前 年 度 における 再 建 築 費 評 点 数 に 乗 じて 比 準 家 屋 の 当 該 基 準 年 度 における 再 建 築 費 評 点 数 を 求 め る 方 式 )によることができるとしていたところ,この 乗 率 比 準 方 式 が, 平 成 12 年 度 の 固 定 資 産 評 価 基 準 において 在 来 分 の 非 木 造 家 屋 の 原 則 的 な 評 価 方 法 として 採 用 され,さらに, 平 成 15 年 度 の 固 定 資 産 評 価 基 準 におい て, 在 来 分 の 非 木 造 家 屋 の 原 則 的 な 評 価 方 法 として, 全 国 一 律 に 再 建 築 費 評 点 補 正 率 を 用 いる 現 行 の 評 点 補 正 率 方 式 が 採 用 されたという 沿 革 があ り,また, 膨 大 な 数 の 在 来 分 の 非 木 造 家 屋 の 全 てを 部 分 別 評 価 方 式 や 比 準 - 10 -

評 価 方 式 により 評 価 替 えを 行 うことが 物 理 的 に 不 可 能 であるという 状 況 下 にあって,これらの 評 価 方 式 と 乗 率 比 準 方 式 のいずれも 同 様 の 結 果 が 得 ら れ, 家 屋 を 再 建 築 価 格 で 評 価 することを 具 体 化 する 簡 便 な 評 価 方 法 である ということから 乗 率 比 準 方 式 が 採 用 された 趣 旨 に 加 え, 小 規 模 市 町 村 等 に おいて 適 切 に 標 準 家 屋 を 選 定 して 評 価 替 え 乗 率 を 決 定 することが 困 難 であ ることなどが 考 慮 されて, 乗 率 比 準 方 式 よりも 更 に 簡 便 な 評 価 方 法 である 評 点 補 正 率 方 式 が 採 用 されたという 経 緯 に 照 らすと, 当 該 基 準 年 度 の 評 価 の 基 礎 となる 前 ( 基 準 ) 年 度 の 評 価 の 誤 りは,その 年 度 の 評 価 の 誤 りとし て 是 正, 救 済 が 済 んでいるという 前 提 において 評 点 補 正 率 方 式 が 採 用 され たものと 考 えるべきであり, 在 来 分 の 非 木 造 家 屋 の 評 価 に 当 たっては, 建 築 当 初 の 再 建 築 費 評 点 数 を 切 り 離 し,これを 考 慮 せずに 再 建 築 費 評 点 数 を 算 定 することとしているなどと 主 張 する しかし, 固 定 資 産 評 価 基 準 は, 在 来 分 の 非 木 造 家 屋 に 係 る 再 建 築 費 評 点 数 の 算 出 方 法 につき, 基 準 年 度 の 前 年 度 における 再 建 築 費 評 点 数 に 再 建 築 費 評 点 補 正 率 を 乗 じて 求 めるとし,その 基 準 年 度 の 前 年 度 におけ る 再 建 築 費 評 点 数 は, 前 基 準 年 度 に 適 用 した 固 定 資 産 評 価 基 準 第 2 章 第 1 節, 第 3 節 及 び 第 4 節 一 によって 求 めたものをいう と 規 定 している( 固 定 資 産 評 価 基 準 第 2 章 第 3 節 四 1 以 下 本 件 規 定 という ) これに よれば, 基 準 年 度 の 前 年 度 における 再 建 築 費 評 点 数 は 固 定 資 産 評 価 基 準 に 則 って 求 められた 再 建 築 費 評 点 数 をいうものであり,したがって, 上 記 算 式 により 算 定 される 基 準 年 度 の 再 建 築 費 評 点 数 も, 固 定 資 産 評 価 基 準 に 則 って 求 められたものと 解 するのが 相 当 である 原 審 被 告 は,この 基 準 年 度 の 前 年 度 における 再 建 築 費 評 点 数 が 前 基 準 年 度 に 算 出 された 事 実 としての 確 定 数 値 を 示 しているものと 主 張 するが,それは, 本 件 規 定 を 基 準 年 度 の 前 年 度 における 再 建 築 費 評 点 数 は, 前 基 準 年 度 に 適 用 したものを いう と 読 み 変 えるものであり, 本 件 規 定 の 規 定 振 りに 照 らしてにわか - 11 -

に 採 用 することはできない また, 原 審 被 告 の 主 張 する 在 来 分 の 非 木 造 家 屋 の 評 価 方 法 の 沿 革 に 照 らしても, 本 件 規 定 にいう 基 準 年 度 の 前 年 度 に おける 再 建 築 費 評 点 数 が 単 なる 確 定 数 値 を 意 味 するものであるとすべき 根 拠 を 見 出 すことはできないというべきであるし, 在 来 分 の 非 木 造 家 屋 の 評 価 方 法 としてより 簡 便 な 評 点 補 正 率 方 式 が 採 用 された 経 緯 等 によって も, 建 築 当 初 の 評 価 の 誤 りは 課 税 初 年 度 限 りで 是 正 済 みであることを 前 提 としたもの, 即 ち, 建 築 当 初 の 評 価 の 誤 りについて 納 税 者 が 不 服 申 立 てを し 得 るのが 課 税 初 年 度 に 限 定 されることを 意 味 するものとまでは 到 底 解 す ることができない さらに, 本 件 家 屋 の 新 築 部 分 の 再 建 築 費 評 点 数 は, 建 築 当 初 の 再 建 築 費 評 点 数 を 基 礎 として,その 後 の 昭 和 60 年 度 から 平 成 1 8 年 度 までの 各 基 準 年 度 の 固 定 資 産 評 価 基 準 を 適 用 して 算 出 されたもので あり( 前 提 事 実 ), 建 築 当 初 の 評 価 における 再 建 築 費 評 点 数 が 前 提 ないし 基 礎 となっていない 評 価 方 法 がとられたものではない したがって, 原 審 被 告 の 上 記 主 張 は 採 用 することができない ウ 原 審 被 告 は, 本 件 規 定 において 基 準 年 度 の 前 年 度 における 再 建 築 費 評 点 数 は, 前 基 準 年 度 に 適 用 した 固 定 資 産 評 価 基 準 第 2 章 第 1 節, 第 3 節 及 び 第 4 節 一 によって 求 めたものをいう と 規 定 しているのは, 固 定 資 産 評 価 基 準 第 2 章 第 4 節 三 において, 固 定 資 産 評 価 基 準 の 本 則 により 求 めた 価 格 が, 基 準 年 度 の 前 年 度 の 価 格 を 上 回 るときには, 価 格 を 基 準 年 度 の 前 年 度 の 価 格 に 据 え 置 く 旨 の 措 置 をとることとされているため, 評 点 補 正 率 方 式 における 基 準 年 度 の 前 年 度 における 再 建 築 費 評 点 数 がこの 据 置 措 置 を 考 慮 しないものであることを 明 らかにするためであり, 建 築 当 初 の 再 建 築 費 評 点 数 が 当 該 時 点 で 適 用 された 固 定 資 産 評 価 基 準 に 適 合 した 評 価 に よるものであることを 求 めているものではないと 主 張 する しかし, 本 件 規 定 に 原 審 被 告 の 主 張 する 趣 旨 が 含 まれているとしても, その 趣 旨 を 明 らかにするためだけに 本 件 規 定 が 置 かれていると 解 すべき 根 - 12 -

拠 はない むしろ, 固 定 資 産 評 価 基 準 ( 中 略 )によって 求 めたもの と いう 本 件 規 定 の 文 言 と, 地 方 税 法 341 条 5 号 が 固 定 資 産 の 価 格 とは 適 正 な 時 価 をいう 旨 を 定 め, 同 法 388 条 がその 価 格 を 定 めるために 固 定 資 産 評 価 基 準 を 定 めることとし, 同 法 403 条 が 固 定 資 産 評 価 基 準 によっ て 固 定 資 産 の 価 格 を 決 定 しなければならないとしていることに 照 らすと, 本 件 規 定 は, 固 定 資 産 評 価 基 準 が 在 来 分 の 非 木 造 家 屋 について 簡 便 な 評 点 補 正 率 方 式 を 用 いる 場 合 においても, 適 正 な 時 価 としての 固 定 資 産 の 価 格 を 決 定 するために 固 定 資 産 評 価 基 準 に 則 って 求 められた 再 建 築 費 評 点 数 によるべきことを 明 らかにする 趣 旨 の 規 定 であると 解 される したがって, 原 審 被 告 の 上 記 主 張 は 採 用 することができない エ 原 審 被 告 は, 固 定 資 産 評 価 基 準 が 在 来 分 の 非 木 造 家 屋 の 評 価 方 法 として 評 点 補 正 率 方 式 を 用 いるとしていることの 例 外 として,1 当 該 市 町 村 に 所 在 する 在 来 分 の 非 木 造 家 屋 の 実 態 等 からみて 適 当 でないと 認 められる 場 合 と,2 地 方 税 法 349 条 2 項 各 号 に 掲 げる 事 情 ( 家 屋 の 改 築 又 は 損 壊 その 他 これらに 類 する 特 別 の 事 情 等 )があることにより 適 当 でないと 認 められ る 場 合 とを 挙 げ,この 場 合 には 部 分 別 評 価 方 式 又 は 比 準 評 価 方 式 により 再 建 築 費 評 点 数 を 求 めると 規 定 しているところ,この 例 外 に 当 たる 事 情 は 建 築 当 初 の 再 建 築 費 評 点 数 とは 関 わりがない 事 情 である 上, 基 準 年 度 の 前 年 度 における 再 建 築 費 評 点 数 の 意 義 が, 建 築 当 初 の 評 価 が 当 該 時 点 で 適 用 された 固 定 資 産 評 価 基 準 に 適 合 したものであることまで 含 むものとする と, 在 来 分 の 非 木 造 家 屋 の 原 則 的 な 評 価 方 法 は, 部 分 別 評 価 法 又 は 比 準 評 価 法 と 異 ならないものとなるから, 固 定 資 産 評 価 基 準 が 上 記 の 例 外 を 定 め ていることが 無 意 味 になると 主 張 する しかし, 在 来 分 の 非 木 造 家 屋 について 評 点 補 正 率 方 式 を 用 いることの 例 外 として 固 定 資 産 評 価 基 準 が 定 めている 上 記 1 及 び2の 場 合 というのは, 基 準 年 度 の 前 年 度 における 再 建 築 費 評 点 数 が 固 定 資 産 評 価 基 準 に 則 っ - 13 -

て 求 められた 再 建 築 費 評 点 数 が 用 いられている 場 合 であっても, 同 方 式 の 算 出 方 法 によるのが 適 当 でないと 認 められる 場 合 をいうものであって, 基 準 年 度 の 前 年 度 における 再 建 築 費 評 点 数 が 固 定 資 産 評 価 基 準 に 則 って 求 められているものか 否 かとは 次 元 の 異 なる 事 情 が 認 められる 場 合 をいうも のであることは, 上 記 1 及 び2の 文 言 及 びその 内 容 から 明 らかというべき である したがって, 上 記 の 例 外 としている 各 場 合 が 建 築 当 初 の 評 価 の 適 否 とは 関 わりのない 事 情 であるのは 当 然 のことであり,また,その 例 外 の 定 めが 無 意 味 になるものでもないというべきである したがって, 原 審 被 告 の 上 記 主 張 は 採 用 することができない オ 原 審 被 告 は, 平 成 21 年 度 が 基 準 年 度 である 在 来 分 の 非 木 造 家 屋 の 評 価 において 適 用 されるのは 平 成 21 年 度 の 固 定 資 産 評 価 基 準 に 限 られ, 過 去 の 評 価 基 準 と 一 体 となって 適 用 されるわけではないから, 基 準 年 度 の 前 年 度 における 再 建 築 費 評 点 数 は 平 成 20 年 度 で 確 定 した 値 であり, 何 者 にも 依 存 しない 自 立 した 値 と 解 すべきであるとも 主 張 する しかし, 平 成 21 年 度 が 基 準 年 度 である 在 来 分 の 非 木 造 家 屋 の 評 価 にお いて 適 用 されるのは 平 成 21 年 度 度 の 固 定 資 産 評 価 基 準 であるが, 同 基 準 自 体 が, 上 記 のとおり, 前 基 準 年 度 に 適 用 した 固 定 資 産 評 価 基 準 第 2 章 第 1 節, 第 3 節 及 び 第 4 節 一 によって 求 めた 再 建 築 費 評 点 数 に 基 づくことを 求 めているのであり,また, 前 基 準 年 度 ( 平 成 18 年 度 )に 適 用 した 固 定 資 産 評 価 基 準 においても 同 様 の 定 めがされているため, 更 に 前 々 基 準 年 度 ( 平 成 15 年 度 )に 適 用 した 固 定 資 産 評 価 基 準 によって 求 めた 再 建 築 費 評 点 数 に 基 づく 必 要 を 生 ずるのであって,これを 繰 り 返 すことによって 建 築 当 初 の 課 税 初 年 度 に 適 用 した 固 定 資 産 評 価 基 準 に 則 った 再 建 築 費 評 点 数 に よることが 求 められるのであるから,これはまさに 平 成 21 年 度 の 固 定 資 産 評 価 基 準 を 適 用 した 結 果 であるというべきである このように, 平 成 2 1 年 度 を 基 準 年 度 とする 在 来 分 の 非 木 造 家 屋 の 評 価 において 同 年 度 の 固 定 - 14 -

資 産 評 価 基 準 を 適 用 することから, 直 ちに 基 準 年 度 の 前 年 度 における 再 建 築 費 評 点 数 が 平 成 20 年 度 で 確 定 かつ 自 立 した 値 と 解 すべきことにな るわけではない したがって, 原 審 被 告 の 上 記 主 張 は 採 用 することができない カ 原 審 被 告 は, 基 準 年 度 の 前 年 度 における 再 建 築 費 評 点 数 に 再 建 築 費 評 点 補 正 率 を 乗 じて 評 価 している 限 り, 固 定 資 産 評 価 基 準 の 適 用 に 誤 りはないから,その 評 価 方 法 によっては 適 正 な 時 価 を 適 切 に 算 定 すること のできない 特 別 の 事 情 が 存 しない 限 り, 適 正 な 時 価 を 上 回 るものではない と 推 認 されることとなり, 当 該 特 別 の 事 情 があるといい 得 る 場 合 とは, 地 方 税 法 417 条 1 項 が, 固 定 資 産 課 税 台 帳 に 価 格 等 を 登 録 した 旨 の 公 示 の 日 以 後, 評 価 庁 が 誤 りを 発 見 しても, 重 大 な 錯 誤 がある 場 合 にのみ 価 格 の 修 正 を 義 務 付 けていることからすると, 建 築 当 初 の 評 価 においてここ でいう 重 大 な 錯 誤 と 同 程 度 の 瑕 疵 があった 場 合 に 限 られると 解 すべき であると 主 張 する しかし, 原 審 被 告 の 上 記 主 張 は, 基 準 年 度 の 前 年 度 における 再 建 築 費 評 点 数 が, 事 実 として 前 基 準 年 度 に 算 出 された 再 建 築 費 評 点 数 の 数 値 を 示 しているもので, 当 該 前 年 度 で 確 定 した 数 値 であり, 建 築 当 初 の 再 建 築 費 評 点 数 とは 切 り 離 された 数 値 であるとする 原 審 被 告 の 主 張 を 前 提 とする ものといわざるを 得 ないものであり,その 前 提 を 採 用 することができない ことは 既 に 説 示 したとおりである なお, 原 審 被 告 の 上 記 主 張 は, 建 築 当 初 の 評 価 において 瑕 疵 があれば, それが 重 大 な 瑕 疵 でない 場 合 であっても, 建 築 当 初 に 遡 ってその 評 価 の 誤 りを 主 張 することができるとすることに 異 議 を 述 べる 原 審 における 主 張 と 同 趣 旨 のものとも 解 され,また,この 主 張 に 関 連 して, 本 件 家 屋 の 新 築 部 分 に 係 る 資 料 の 全 部 が 提 出 されなければ, 評 価 庁 による 評 価 の 相 当 性 を 立 証 することは 困 難 であると 主 張 しているところ,この 点 の 主 張 が 採 用 でき - 15 -

ないことは, 引 用 に 係 る 原 判 決 の 事 実 及 び 理 由 中 の 第 5 当 裁 判 所 の 判 断 の1(4)において 説 示 したとおりである したがって, 原 審 被 告 の 上 記 主 張 も 採 用 することができない (2) 本 件 家 屋 の 新 築 部 分 における 再 建 築 費 評 点 数 の 算 出 の 誤 りについて ア 本 件 家 屋 の 新 築 部 分 の 主 体 構 造 部 の 鉄 骨 に 係 る 評 点 数 について 上 記 の 事 項 についての 判 断 は, 引 用 に 係 る 原 判 決 の 事 実 及 び 理 由 中 の 第 5 当 裁 判 所 の 判 断 の2(1)のとおりである この 点 について, 原 審 被 告 は, 主 体 構 造 部 の 鉄 骨 に 耐 火 被 覆 がされてい るものと 耐 火 被 覆 がされていないものが 混 在 している 場 合,どの 程 度 の 鉄 骨 量 に 耐 火 被 覆 が 施 されているかは 判 然 としないことが 多 く,また, 鉄 骨 量 は 床 面 積 に 比 例 するものではないことなどに 照 らすと,その 鉄 骨 量 につ いての 厳 密 な 認 定 は 求 められていないから, 混 在 している 場 合 にどのよう に 評 価 するかは 評 価 庁 の 裁 量 に 委 ねられているところ, 本 件 家 屋 の 新 築 部 分 については 耐 火 被 覆 のある 部 分 が 過 半 を 占 めているから, 全 てに 耐 火 被 覆 があるものと 認 定 することにも 十 分 な 合 理 性 があるというべきであっ て, 以 上 に 基 づく 本 件 家 屋 の 新 築 部 分 の 建 築 当 初 の 評 価 に 誤 りはなく, 誤 りがあったとしてもこれが 重 大 であったとはいえないと 主 張 する しかし, 引 用 に 係 る 原 判 決 の 第 5 当 裁 判 所 の 判 断 の2(1)ア 及 びウ において 説 示 したとおり, 昭 和 57 年 度 の 固 定 資 産 評 価 基 準 では, 鉄 骨 に ついて 耐 火 被 覆 の 施 工 の 有 無 によって 異 なる 標 準 評 点 数 を 定 めているので あるから, 耐 火 被 覆 が 施 工 されていない 鉄 骨 に 対 して,これが 施 工 されて いる 場 合 の 標 準 評 点 数 を 用 いるのは, 固 定 資 産 評 価 基 準 を 誤 って 適 用 する ものであり, 再 建 築 費 評 点 数 を 過 大 に 算 定 することになる また, 耐 火 被 覆 のあるものとないものが 混 在 している 場 合 には, 床 面 積 を 計 算 単 位 とし て 考 慮 して 差 し 支 えないとされていた 上, 本 件 家 屋 の 新 築 部 分 については, 床 面 積 によって 耐 火 被 覆 の 有 無 の 区 別 を 把 握 することができ, 耐 火 被 覆 の - 16 -

施 工 がない 部 分 の 床 面 積 の 割 合 がその 全 床 面 積 の5 分 の1を 超 える21. 89パーセントを 占 めるというものであって, 看 過 することができない 程 度 のものというべきであるから, 耐 火 被 覆 が 施 工 されていないSRC 造 部 分 の 鉄 骨 については, 床 面 積 を 計 算 単 位 として, 耐 火 被 覆 が 施 工 されてい ない 場 合 の 標 準 評 点 数 を 用 いるべきであったというべきである したがって, 原 審 被 告 の 上 記 主 張 は 採 用 することができない イ 本 件 家 屋 の 新 築 部 分 の 防 災 設 備 に 係 る 評 点 数 について 上 記 の 事 項 についての 判 断 は, 引 用 に 係 る 原 判 決 の 事 実 及 び 理 由 中 の 第 5 当 裁 判 所 の 判 断 の2(5)のとおりである この 点 について, 原 審 被 告 は,スプリンクラー 設 備 が 本 件 家 屋 の 新 築 部 分 の 延 べ 床 面 積 の 全 体 に 設 置 されていると 評 価 した 点 について,スプリン クラー 設 備 の 設 置 部 分 の 延 べ 床 面 積 が 問 われているのは, 固 定 資 産 税 を 課 税 するための 評 価 においてであって, 消 火 設 備 としての 効 用 が 及 ぶか 否 か によるべきではなく,また, 本 件 家 屋 の 新 築 部 分 には,スプリンクラー 設 備 に 係 る 縦 配 管 が 全 館 にわたって 施 工 され, 各 階 の 天 井 裏 等 に 敷 設 されて いる 横 配 管 等 も 各 階 に 相 当 量 施 工 されているから,スプリンクラー 設 備 の 設 置 部 分 の 延 べ 床 面 積 を 本 件 家 屋 の 新 築 部 分 の 延 べ 床 面 積 の 全 体 と 評 価 し たことが 妥 当 性 を 欠 くとまではいえず, 本 件 建 物 の 新 築 部 分 の 建 築 当 初 の 評 価 に 誤 りはなく, 誤 りがあったとしてもこれが 重 大 であったとはいえな いと 主 張 する しかし, 引 用 に 係 る 原 判 決 の 第 5 当 裁 判 所 の 判 断 の2(5)イないし エにおいて 認 定 し 説 示 したとおり,スプリンクラー 設 備 は, 同 設 備 によっ て 火 災 の 際 の 初 期 消 火 と 延 焼 拡 大 の 防 止 を 図 っている 部 分 に 設 置 されてい るものというべきであり, 他 の 消 火 設 備 が 設 置 されている 部 分 や, 階 段 室 やエレベーター 等 のスプリンクラーヘッドが 設 置 されていない 部 分 につい て, 同 設 備 が 存 在 するものということはできない また, 同 各 部 分 には, - 17 -

現 に,スプリンクラーヘッドやこれを 配 置 するための 横 配 管 等 のスプリン クラー 設 備 は 施 工 されていないことからすると, 当 該 部 分 へのスプリンク ラー 設 備 の 施 工 に 要 する 費 用 は 投 じられていると 解 することも 相 当 ではな い 以 上 によれば, 当 該 部 分 の 床 面 積 はスプリンクラー 設 備 の 設 置 部 分 の 延 べ 床 面 積 から 除 外 されるべきである したがって,スプリンクラー 設 備 の 設 置 部 分 の 延 べ 床 面 積 を 本 件 家 屋 の 延 べ 床 面 積 の 全 体 と 評 価 したのは, 固 定 資 産 評 価 基 準 を 誤 って 適 用 したも のといわざるを 得 ず, 原 審 被 告 の 上 記 主 張 は 採 用 することができない ウ なお, 原 審 被 告 は, 原 審 原 告 が 本 件 家 屋 の 新 築 部 分 の 評 価 において 固 定 資 産 評 価 基 準 に 則 っていない 再 建 築 費 評 点 数 の 算 出 をしている 誤 りがある と 主 張 しているのに 対 して, 本 件 家 屋 の 新 築 部 分 の 建 築 に 係 る 資 料 の 全 て が 提 出 されなければ, 本 件 家 屋 の 新 築 部 分 の 適 正 な 時 価 が 立 証 された とはいえないと 主 張 する しかし, 本 件 において, 原 審 原 告 は, 固 定 資 産 評 価 基 準 に 定 める 評 価 方 法 が 合 理 性 を 有 するものであることを 前 提 として, 本 件 家 屋 の 新 築 部 分 の 建 築 当 初 の 評 価 において 固 定 資 産 評 価 基 準 の 適 用 に 誤 りがあるとする 部 分 についてのみ 評 価 の 不 適 正 を 主 張 し,その 余 の 部 分 についてまで 評 価 の 不 適 正 を 主 張 しているわけではない すなわち, 同 主 張 は, 原 審 原 告 が 不 適 正 を 主 張 する 部 分 は, 固 定 資 産 評 価 基 準 に 定 める 評 価 方 法 に 従 っておらず, その 部 分 の 評 価 価 格 は, 同 評 価 方 法 に 従 った 評 価 価 格 を 上 回 るものである から, 適 正 な 時 価 を 上 回 るものではないとの 推 認 をすることができる 場 合 ではないという 主 張 である そうすると, 原 審 被 告 としては, 固 定 資 産 評 価 基 準 の 適 用 に 誤 りがあると 主 張 されている 部 分 について 適 正 な 時 価 を 上 回 らないことについて 立 証 を 尽 くせば 足 りるというべきである したがって, 原 審 被 告 の 上 記 主 張 は 採 用 することができない 3 原 審 原 告 の 主 張 について - 18 -

(1) 本 件 家 屋 の 新 築 部 分 における 再 建 築 費 評 点 数 の 算 出 の 誤 りについて 原 審 原 告 は, 当 審 において,1 電 気 設 備 中 の 電 灯 コンセント 配 線 設 備 につ きフロアコンセントが 全 館 にあるものとした 点,2 電 気 設 備 中 の 照 明 器 具 設 備 につき 天 井 高 を 標 準 であるとした 点,3 電 気 設 備 中 の 電 話 配 線 設 備 につき フロアダクトが 全 館 にあるものとした 点,4 建 築 設 備 に 係 る 規 模 補 正 の 減 点 補 正 率 につき, 建 設 当 初 の 昭 和 57 年 度 の 固 定 資 産 評 価 基 準 における 規 模 補 正 率 を 適 用 すべきところ, 平 成 25 年 度 の 固 定 資 産 評 価 基 準 における 規 模 補 正 率 に 係 る 告 示 を 適 用 し, 正 しい 減 点 補 正 率 を 適 用 せず, 過 少 な 減 点 補 正 率 を 適 用 しているなどの 点 において, 本 件 建 物 の 新 築 部 分 の 建 築 当 初 の 再 建 築 費 評 点 数 の 算 出 には 誤 りがあると 主 張 する しかし, 上 記 の 各 点 に 関 する 原 審 原 告 の 主 張 は,いずれも 原 審 における 主 張 の 繰 り 返 しであるところ,いずれの 点 に 関 する 主 張 も 採 用 することができ ないものであることは,1の 点 については, 引 用 に 係 る 原 判 決 の 事 実 及 び 理 由 中 の 第 5 当 裁 判 所 の 判 断 の2(2)において,2の 点 については, 同 2(3)において,3の 点 については, 同 2(4)において,4の 点 については, 同 2(6)において,それぞれ 説 示 したとおりである (2) 建 設 当 初 の 評 価 後 の 各 基 準 年 度 の 評 価 における 経 年 減 点 補 正 率 の 適 用 の 誤 りについて 原 審 原 告 は, 経 年 減 点 補 正 率 の 適 用 の 誤 りに 関 する 主 張 について, 原 審 に おける 主 張 ( 引 用 に 係 る 原 判 決 の 事 実 及 び 理 由 中 の 第 4 争 点 に 関 す る 各 当 事 者 の 主 張 の 要 点 の3( 原 告 の 主 張 の 要 点 ))に 加 えて, 当 審 にお いて, 複 合 構 造 家 屋 について 構 造 別 に 分 けて 経 年 減 点 補 正 率 を 適 用 すること が 例 外 的 に 許 容 されるとしても,このような 取 扱 いをする 場 合 には, 特 定 の 複 合 構 造 家 屋 についてのみ 適 用 するのではなく, 同 一 自 治 体 に 存 在 する 全 て の 複 合 構 造 家 屋 について 同 一 の 取 扱 いをする 必 要 があるところ, 東 京 都 にお いては, 区 部 に 存 在 する 複 合 構 造 家 屋 について 一 棟 単 位 で 経 年 減 点 補 正 率 を - 19 -

適 用 している 例 と 構 造 別 に 分 けて 経 年 減 点 補 正 率 を 適 用 している 例 がある が,このような 取 扱 いは 許 されず, 経 年 減 点 補 正 率 の 適 用 方 法 の 原 則 に 立 ち 返 り, 本 件 家 屋 については 一 棟 単 位 でS 造 に 係 る 経 年 減 点 補 正 率 を 適 用 すべ きであると 主 張 する しかし, 上 記 主 張 も,その 実 質 は 原 審 における 原 審 原 告 の 主 張 の 繰 り 返 し であるというべきものであるところ, 引 用 に 係 る 原 判 決 の 事 実 及 び 理 由 中 の 第 5 当 裁 判 所 の 判 断 の3において 説 示 したとおり, 東 京 都 におい ては, 平 成 21 年 度 東 京 都 固 定 資 産 ( 家 屋 ) 評 価 事 務 取 扱 要 領 により, 複 合 構 造 家 屋 の 経 年 減 点 補 正 率 の 適 用 について, 原 則 として, 各 構 造 別 に 経 年 減 点 補 正 率 を 適 用 する 取 扱 いとしているのであるから, 本 件 家 屋 について,こ の 原 則 に 従 って, 各 構 造 別 に 経 年 減 点 補 正 率 を 適 用 して 評 価 したことに 違 法 があるということはできない 仮 に, 原 審 原 告 が 主 張 するように, 東 京 都 区 部 に 存 在 する 複 合 構 造 家 屋 の 中 に,この 原 則 とは 異 なる 一 棟 単 位 による 経 年 減 点 補 正 率 が 適 用 されているものがあるとしても, 当 該 家 屋 に 係 る 納 税 者 が 原 則 とは 異 なる 適 用 について 争 うことはともかくとして, 原 則 どおりの 構 造 別 に 区 分 して 経 年 減 価 補 正 率 を 適 用 する 方 法 がとられている 本 件 家 屋 の 新 築 部 分 の 評 価 について, 原 審 原 告 の 主 張 する 事 情 を 理 由 として 経 年 減 点 補 正 率 の 適 用 に 違 法 があるということはできないというべきである したがって, 原 審 原 告 の 上 記 主 張 は 採 用 することができない 4 以 上 によれば, 本 件 登 録 価 格 のうち30 億 5056 万 5900 円 を 超 える 部 分 は 固 定 資 産 評 価 基 準 の 適 用 を 誤 ったものであって 違 法 であり, 本 件 決 定 のう ち 当 該 部 分 は 取 消 しを 免 れないというべきであるから,これと 異 なる 原 判 決 は 一 部 失 当 であり, 原 審 原 告 の 控 訴 は 一 部 理 由 があるが, 原 審 被 告 の 控 訴 は 理 由 がない よって, 原 審 原 告 の 控 訴 に 基 づき, 原 判 決 を 上 記 のとおり 変 更 し, 原 審 被 告 の 控 訴 を 棄 却 することとして, 主 文 のとおり 判 決 する - 20 -

東 京 高 等 裁 判 所 第 16 民 事 部 裁 判 長 裁 判 官 青 野 洋 士 裁 判 官 貝 原 信 之 裁 判 官 藤 澤 孝 彦 - 21 -